JP4563008B2 - リチウム二次電池用セパレータ及びこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池用セパレータとして有用な熱可塑性樹脂製フィルムよりなる多孔性セパレータ及びこれを用いたリチウム二次電池に係り、特にイオン透過性と電解液に対して耐性に優れた多孔性セパレータ及びこれを用いたリチウム二次電池に関するものである。
リチウム用二次電池に用いられる高分子多孔性フィルムよりなるセパレータが具備すべき性能は、正極及び負極の両極間のイオン伝導を妨げないこと(低電気抵抗)、電解液を保持できること及び電解液に対して耐性を有することなどが要求される。そして従来、これら高分子多孔性フィルムよりなるセパレータは以下の製造方法が実用化されている。
1)ポリエチレンやポリプロピレン等の高分子材料に後加工で容易に抽出できる可塑剤を加えて成形を行い可塑剤を適当な溶剤で除去するいわゆる「抽出法」で得られる高分子多孔性フィルムである。また、2)結晶性高分子材料を成形したのち構造的に弱い非晶部分を選択的に延伸して微細孔を形成するいわゆる「延伸法」によって得られる高分子多孔性フィルム等を挙げることがである。
小久見 善八監修、「最新二次電池材料の技術」、株式会社シーエムシー、1999年9月8日発行、P104〜106
上記1)の抽出法は、高分子材料と相溶性の良い可塑剤を選ぶことにより均一な微細孔構造を持つ多孔性フィルムを得ることができるが、抽出処理にかかるコストが高いことや、大量に使用する有機溶液の管理、処理などの問題がある。また、上記2)の延伸法は、多孔化のために結晶構造を制御する必要がありプロセスに要する時間が長大となって生産性が低下すると云う欠点があった。
本発明は、上記問題を解決したリチウム二次電池用セパレータ及びこれを用いたリチウム二次電池を提供するものであって、その要旨は(1)熱可塑性樹脂と充填剤とを含む樹脂組成物から成形したシートを、少なくとも一軸方向に延伸して得られる多孔性フィルムよりなるリチウム二次電池用セパレータであって、該セパレータで用いる充填剤が、該充填剤を、リチウムイオンを0.8mmol/gの濃度で含む炭酸エステル系有機電解液中に0.5g/mlの濃度で添加して85℃、72時間保持した後の電解液中のリチウムイオンの濃度が0.75mmol/g以上となる性質のものであり、かつリチウムイオンを0.8mmol/gの濃度で含む炭酸エステル系有機電解液中での該セパレータの電気抵抗が10Ω・cm以下であることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータである。
ただし、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体及び/又は無機繊維及び鉱物オイルの混合物に対して鉱物オイルを30〜70wt%とし、該混合物を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、ポリオレフィン系樹脂の融点もしくは軟化点よりも低い温度で少なくとも1軸方向に延伸し、次に鉱物オイルを抽出除去し、乾燥することにより製造されたリチウム二次電池用セパレータを除く。
(2)上記(1)記載のセパレータを用いたリチウム二次電池である。
本発明は、特定の充填剤を選択することによりリチウム二次電池に使用される電解液と反応せずリチウム二次電池用セパレータとして好適な多孔性フィルムを安価提供することができ、また当該セパレータを用いたリチウム二次電池は初期の電池性能が持続し長時間の使用に耐える。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の多孔性フィルムは、樹脂組成物の溶融混練物から成形したシートを少なくとも一軸に延伸し、好ましくは4倍以下に延伸してなる多孔性フィルムであり、該樹脂組成物は熱可塑性樹脂と充填剤を含み、必要に応じて熱可塑性樹脂との相溶性を有する低分子量化合物や酸化防止剤などの添加剤を含む組成物である。
本発明において上記樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂としてはポリオレフイン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられるが、特にポリオレフィン樹脂が好ましく使われる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテン又は1−デセン等のモノオレフイン重合体やエチレン、プロピレン、1−ブテン、l−ヘキセン、1−オクテン又は1−デセンと4−メチル−1−ペンテン又は酢酸ビニル等の他のモノマーとの共重合体等を主成分とするものが挙げられ、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。本発明においては、上記ポリオレフイン樹脂の中でも、セパレータとしての強度を確保する意味で高密度ポリエチレン又はポリプロピレンを用いるのが好ましい。また、本発明においては、上記ポリオレフィン樹脂を単独で用いることもでき又は2種以上を混合して用いることもできる。
上記ポリオレフィン樹脂は、密度が0.90g/cm以上であることが好ましい。また上記ポリオレフィン樹脂としてポリエチレンを主成分として使用した場合のメルトフローレートは1以下であることが好ましく更に好ましくは0.6以下、より好ましくは0.l以下である。メルトフローレートが1より大きいと延伸が難しくなり得られる多孔性フィルムの強度が低下する。
次に、上記充填剤について説明する。上記充填剤はリチウム二次電池で用いられる炭酸エステル系有機電解液を分解しない性質を有するものが選ばれる。そのような充填剤としては難水溶性の硫酸塩、アルミナ等が挙げられるが、特に硫酸バリウムが好適に用いられる。ここに云う難水溶性とは、25℃の水に対す溶解度が5mg/l以下であることを指す。一般に充填剤として用いられることの多い炭酸カルシウムなどの炭酸塩や酸化チタン、シリカなどは後述するようにリチウム二次電池で用いられるエチレンカーボネート(EC)やエチルメチルカーボネート(EMC)などの炭酸エステル系の有機電解液の分解をまねいて好ましくない。
上記充填剤の粒径としては、平均粒径が3μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.8μm以下である。平均粒径が3μmを超えると、延伸で形成される孔の径が大きくなりすぎ強度が低下する。またリチウム二次電池セパレータ用としては、孔が大きすぎると耐デンドライト性が低くなるので好ましくない。本発明においては、上記条件に適合する充填剤であれば単独で用いることもでき、又は2種以上を混合して用いることもできる。ここで有機電解液の分解とは、リチウムイオンを0.8mmol/gの濃度を含む炭酸エステル系有機電解液に電解液1ml当たり充填剤を0.5gの比率で添加して85℃、72時間保持した後の電解液中のリチウムイオンの濃度が0.75mmol/g以下に減少することと定義する。
リチウムイオンの量はイオンクロマト法により測定される。なお72時間の保持中に電解夜は外気に接しないように密閉容器に入れる必要がある。これは空気中の水分と反応して電解液の分解が進むためである。また、本発明のセパレータでは、電解液中のリチウム量の減少が少ないものであり、且つ、その電気抵抗がリチウムイオンを0.8mmol/gの濃度を含む炭酸エステル系有機電解液中での該セパレータの電気低抗が10Ω・cm以下、好ましくは8Ω・cm以下に低いレベルのものであることも特徴とするものである。
また、上記充填剤は、熱可塑性樹脂への分散性を高めるため表面処理剤により表面処理されているものを用いることもできる。上記表面処理としては、熱可塑性樹脂がポリオレフイン性樹脂の場合、例えばステアリン酸等の脂肪酸又はその金属塩、あるいはポリシロキサンやシランカップリング剤による処理が拳げられる。
本発明に用いられる上記樹脂組成物における上記充填剤の配合量は、熱可塑樹脂100重量部に対して60〜400重量部であることが必要であり、好ましくは100〜300重量部である。上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記充填剤の配合量が少なすぎると、多孔化はするものの十分な連通性が得られず、また、セパレータとしての抵抗(イオン伝導抵抗)が高くなるおそれがある。また、充填剤が多すぎると樹脂組成物の粘度が高くなり、成形加工性に劣るばかりでなく、得られるシートは脆く十分な延伸が行えない。
また樹脂組成物には上記熱可塑性樹脂との相溶性を有する低分子量化合物を熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜20重量部添加してもよい。上記低分子量化合物は熱可塑陛樹脂の分子間に入り込み分子間の相互作用を低下させるとともに結晶化を阻害し、その結果樹脂組成物の延伸性を向上させる。低分子量化合物は熱可塑性樹脂と充填剤の界面接着力を適当に高めて延伸による孔の粗大化を防止する作用を持つ。また熱可塑性樹脂と充填剤の界面接着力を高めることでフィルムからの充填剤の脱落を防止する作用を持つ。
上記低分子量化合物としては分子量200〜1000のものが好適に用いられる。分子量がl000を越えると低分子量物が熱可塑性樹脂の分子間に入りにくくなるため延伸性の向上が不充分となる。また分子量が200以下では相溶性は上がるが低分子量物が樹脂表面に析出する、いわゆるブルーミングが起こりやすくなり性状の悪化やブロッキングを起こしやすくなり好ましくない。熱可塑陸樹脂がポリオレフィン樹脂の場合は脂肪族炭化水素またはグリセライドなどが好ましく使われる。特にポリオレフィン樹脂がポリエチレンの場合は流動パラフィンや低融点ワックスが好ましく用いられる。
本発明に用いられる上記樹脂組成物における上記低分子量化合物の配合量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜20重量部であり、好ましくは5〜15重量部である。上記低分子量化合物の配合量が1重量部未満であると、前記効果が十分に得られず、また20重量部を超えると熱可塑性脂の分子間の相互作用を低下させ過ぎて十分な強度が得られない。またシート成型時に発煙が生じたりスクリュー部分での滑りが生じて安定シート成形が難しくなる。
上記樹脂組成物には必要に応じて熱安定剤等を添加剤として添加することができる。上記添加剤としては、公知のものであれば特に制限されず用いられる。これらの添加剤は、樹脂組成物の全量に対して、0.05〜1重量部添加することができる。
次に、本発明の多孔性フィルムの製造方法について説明する。本発明の多孔性フィルムを製造するには、先ず、上記樹脂組成物の溶融混練物を作製する。ここで、上記溶融混練物は、ヘンシェルミキサー等による予備混合の後、通常用いられる一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、ミキシングロール又は二軸混練機等により均一に作製することができる。
次いで、上記溶融混練物をシート成形する。シート成形は通常用いられるTダイによるTダイ法や円形ダイによるインフレーション法等により成形する。次いで、上記シートの延伸を行う。該延伸はシートの引き取り方向(MD)に延伸する縦一軸延伸、テンター延伸機等により横方向(TD)に延伸する横一軸延伸、MDへの一軸延伸後引き続きテンター延伸機等によりTDに延伸する逐次二軸延伸法、又は縦方向及び横方向を同時に延伸する同時二軸延伸法がある。
上記一軸延伸はロール延伸により行うことができる。上記延伸の温度は樹脂組成物が所定の延伸倍率に容易に延伸でき、かつ樹脂組成物が融解して孔を閉塞ささせ連通性を失わせることのない任意の温度で延伸できる。延伸倍率は必要とされる孔径や強度、或いは基材樹脂の種類で異なるが、例えば基材樹脂がポリエチレンの場合は通常一方向に4倍以下、好ましくは1.2〜3.5倍で延伸される。延伸倍率を高くしすぎると、延伸破壊を起こし安定した製膜が行えない場合がある。また、孔径が大きくなり、リチウム二次電池用セパレータとしてフィルムを使用した場合に、電解液中に析出・成長する場合があるとされているリチウムの針状結晶であるリチウムデンドライトが容易にセパレータを突き抜けてショートを起こす恐れがあるので好ましくない。かくして得られる多孔性フィルムは、リチウム二次電池用セパレータとして好適に使用することができる。具体的には、多孔性フィルムの厚さを5〜50μm程度とすることにより、良好なイオン透過性を有するセパレータとすることができる。
さらに、電解液として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート等ジアルキル(炭素数1〜4のものが好ましい)カーボネート;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル;ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル等の含燐有機溶媒等が使用できる。これらは2種以上を併用してもよい。これらの中でも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性電解液が好ましく使用できる。また、電池の電極としては、リチウム遷移金属複合酸化物などのリチウム化合物からなる正極、及び、金属カルコゲン化合物、金属酸化物、共役系高分子化合物、グラファイト等の負極と、かかるセパレータを組み合わせることによりリチウム二次電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
[電解液のイオン量の変化]
各充填剤5gをAr雰囲気下で1MLiPF6/(EC+EMC)(3:7、容量比)の有機電解液10mlに浸漬し85℃、72時間の加熱処理後、電解液を採取してイオンクロマト法によりイオン量の変化を調べた。各測定結果を表1に示す。硫酸バリウムおよびアルミナは他の充填剤と比較して、電解液の主なイオンであるリチウムイオンとPFイオンの量の変化がほとんどなく充填剤として好適であった。
Figure 0004563008
高密度ポリエチレン[三井化学社製 HI−ZEX7000FP、密度;0.956g/cm、メルトフローレート;0.04g/10min]100重量部、軟質ポリプロピレン[出光石油化学社製 PER R110E]15.6重量部、硬化ひまし油[豊国製油社製 HY−CASTOR OIL、分子量938]9.4重量部、硫酸バリウム[堺化学社製 B−55]187.5重量部をブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度210℃でインフレーション成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均105μmであった。次に得られた原反シートを70℃でシートの長手方向(MD)に1.23倍、次いでll5℃て横方向(TD)に2.86倍の逐次延伸を行い多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムは均等に延伸され性状は良好であった。フィルムの空孔率は重量法により測定した。(単位は%) 空孔率は、フィルムの幅方向に5箇所を直径4cmの円形に打ち抜き、打ち抜いたフィルムの中心部の厚さと重量を測定し、下記式により計算で求める。空孔率(%)=(ρV−W)/(ρV)×100(但し、V:フィルムの体積(5枚分)、W:重量(5枚分)、ρ:材料の密度)
各測定結果を表2に示す。
延伸倍率をMD1.53倍、TD2.86倍とする以外は実施例1と同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムは均等に延伸され性状は良好であった。各測定結果を表2に示す。
市販のアルミナ(平均粒径0.7 μm)を充填剤として使用した以外は実施例1と同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムは均等に延伸され性状は良好であった。各測定結果を表2に示す。
[比較例1]
充填剤を脂肪酸表面処理炭酸カルシウム[日東粉化製 NCC#2310、平均粒径;0.97μm]にした以外は実施例1と同様にして多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムは均等に延伸され性状は良好であった。各測定結果を表2に示す。
[比較例2]
高密度ポリエチレン[三井化学社製 HI−ZEX7000FP、密度;0.956g/cm、メルトフローレート;0.04g/10min]100重量部、軟質ポリプロピレン[出光石油化学社製 PER R110E]10重量部、硬化ひまし油[豊国製油社製 HY−CASTOR OIL、分子量938]10重量部、硫酸バリウム[堺化学社製 B−55]80重量部をブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度210℃でインフレーション成形を行い原反シートを得た。原反の厚みは平均130μmであった。次に得られた原反シートを70℃でシートの長手方向(MD)に4倍、次いで115℃で横方向(TD)に2.5倍の逐次延伸を行い多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムは均等に延伸され性状は良好であった。各測定結果を表2に示す。
Figure 0004563008
[コインセルの放電容量]
実施例1〜3、及び比較例1で得られた多孔性フィルムを用いて2032型コインセルを作製した。電極は正極にLiCoO、負極にグラファイト、電解液は1MLiPF6/(EC+EMC)(3:7、容量比)を用いた。次いで作製したコインセルを初期充放電を行った後、劣化加速試験として85℃で72時間保持し、室温まで冷却の後0.2Cの放電速度で容量の測定を行った。各測定結果を表3に示す。充填剤として硫酸バリウムおよびアルミナを使用した実施例1〜3で得られたフィルムを用いたコインセルに比較して充填剤として炭酸カルシウムを使用した比較例1のフィルムを用いたコインセルの容量は1/3以下で大幅な電池性能の低下が認められた。表1および表3から明らかなように、電解液中のリチウムイオンの濃度が0.75mmol/g以上となる性質をもつ充填剤を用いた電池の放電容量が大きくなっている。この理由は、定かでないが、ある特定の充填剤は有機電解液の分解を招かないので、十分なリチウムイオンとPFイオンの量が得られると考えられる。
Figure 0004563008
[セパレータの電気抵抗及びコインセルの負荷率]
実施例1〜3、比較例2で得られた多孔性フィルムを1MLiPF6/(EC+EMC)(3:7、容量比)の電解液に浸漬してSUS電極で挟み電圧振幅10mV、周波数100kHz〜0.1Hzの条件下で交流インピーダンスを測定しCole−Coleプロットよりセパレータの電気抵抗値を求めた。各測定結果を表4に示す。次いで同フイルムを用いて上記と同様に2032型コインセルを作製し初期充放電を行った後、0.2Cおよび2Cの放電速度で容量の測定を行い負荷率の測定を行った。各測定結果を表4に示す。実施例l〜3のフィルムを使用したコインセルの負荷率は70%を越える値を示し良好な特性を示すが、比較例2のフィルムを使用したコインセルの負荷率は、フィルムの厚みが27μmと実施例より薄く、本来、透気には有利であるはずであるのに、42%程度と実施例に比較して低い特性しか示さなかった。表4から明らかなように、電気抵抗が10Ω・cm以下のセパレータを用いた電池は、放電容量、負荷率ともに良好である。この理由は、定かではないが、充填剤の配合量が適切で、十分な多孔化により連通性が得られたことにより、セパレータとしての抵抗(イオン伝導抵抗)が低いためと推測される。
Figure 0004563008

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂と充填剤とを含む樹脂組成物から成形したシートを、少なくとも一軸方向に延伸して得られる多孔性フィルムよりなるリチウム二次電池用セパレータであって、該セパレータで用いる充填剤が、該充填剤を、リチウムイオンを0.8mmol/gの濃度で含む炭酸エステル系有機電解液中に0.5g/mlの濃度で添加して85℃、72時間保持した後の電解液中のリチウムイオンの濃度が0.75mmol/g以上となる性質のものであり、かつリチウムイオンを0.8mmol/gの濃度で含む炭酸エステル系有機電解液中での該セパレータの電気抵抗が10Ω・cm以下であることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータ。
    ただし、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体及び/又は無機繊維及び鉱物オイルの混合物に対して鉱物オイルを30〜70wt%とし、該混合物を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、ポリオレフィン系樹脂の融点もしくは軟化点よりも低い温度で少なくとも1軸方向に延伸し、次に鉱物オイルを抽出除去し、乾燥することにより製造されたリチウム二次電池用セパレータを除く。
  2. 熱可塑性樹脂が、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンであることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  3. 充填剤が、硫酸バリウムまたはアルミナであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  4. 充填剤の配合量が、熱可塑性樹脂100重量部に対して100〜300重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のセパレータを用いたリチウム二次電池。
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