JP5077974B2 - 多孔性フィルム、非水電解質電池用セパレーターおよび非水電解質電池 - Google Patents

多孔性フィルム、非水電解質電池用セパレーターおよび非水電解質電池 Download PDF

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Description

本発明は、多孔性フィルムに関し、包装用、衛生用、畜産用、農業用、建築用、医療用、分離膜、光拡散板、電池用セパレーターとして利用でき、特に、非水電解電池用セパレーターとして好適に利用できるものである。
従来、小型の二次電池はOA、FA、家電、通信機器等のポータブル電子機器用電源として幅広く使用されている。とくに機器に装備した場合に容積効率がよく機器の小型化および軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。
一方、大型の二次電池はロードレベリング、無停電電源(UPS)、電気自動車をはじめ環境問題に関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容量、高出カ、高電圧および長期保存性に優れている点より、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池の使用電圧は、通常4.1から4.2Vを上限として設計されている。このような高電圧では水溶液は電気分解を起こすので電解質として使うことができない。そのため、高電圧でも耐えられる電解質として有機溶媒を使用したいわゆる非水電解質が用いられている。
非水電解質用の溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてポリプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステルが使用されている。溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶かして使用している。
リチウムイオン二次電池のセパレーターは、正極と負極と直接接触させて両極の間に介在させるために内部短絡の防止の点から絶縁性が要求され、かつリチウムイオンの通路となる透気性と電解質の拡散・保持機能を付与するために微細孔構造とし、これら微細孔が異常発熱時に孔を溶融し遮断するシャットダウン機能が要求される。
この安全性の観点から、微細孔構造を有し、高温(140〜160℃)状態になると微細孔が閉塞され、その結果電池内部のイオン伝導を遮断し、その後の電池内部の温度上昇を防止できるシャットダウン機能を具備したポリオレフィン系樹脂からなるセパレーターが提供されている。
しかし、シャットダウン後も何らかの理由で電池温度の上昇が続いてセパレーターの耐熱温度を超えるとセパレーターが溶融し正極と負極との隔離性が著しく低下するため、電池内でショートが発生する恐れがある。
上記問題に対して、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体または無機繊維とからなる混合物に対して、可塑剤として鉱物オイルが30〜70重量%配合された混練物からなる耐熱性に優れた無機質含有多孔膜のセパレーターが、特開平10−50287号(特許文献1)で提供されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を素材としてセパレーター用の多孔性フィルムを製造する際、上記ポリオレフィン樹脂と無機粉体に大量の鉱物オイルからなる可塑剤を混合し、この混合物をシート状に成形する一次加工、該シートを延伸・圧延等して空孔を設ける二次加工を行った後に、配合している鉱物オイルを有機溶媒で抽出除去する工程が必要となり、この抽出工程で多量の有機溶剤等を使用すると共に工程数が増加するなど生産性が悪いという問題がある。
また、特開2001−164015号(特許文献2)には、ポリプロピレン系樹脂、充填剤及びアミド系可塑剤からなる多孔性フィルムが提供されている。
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は融点が高く異常高温時での微細孔の閉塞が困難で、シャットダウン機能が期待できない。よって、大容量の電池システム用のセパレーターとしては使用可能であるが、民生用電池のセパレーターとしては使用されていなのが現状である。
また、特許文献2に開示された多孔性フィルムは、ポリプロピレンを用いているため、均一な透過性を有するフィルムを作成することが困難で、かつ、フィルムを特定の厚みおよび特定の厚み精度に保持しにくい。よって、フィルムの厚さが均一になりにくいため、圧力が負荷された時に薄い部分が裂け易くなり絶縁性に問題がある。かつ、巻芯を用いて正極、セパレーターおよび負極を渦巻状に捲回する際に、裂け易いため、切断が困難で安定して電池を製造することができない。
さらに、特開2003−82139(特許文献3)には、高密度ポリエチレン樹脂、炭酸カルシウム等からなる充填剤、分子量200〜500の脂肪族炭化水素または高級アルコール等の低分子量化合物の可塑剤とからなる樹脂組成物の混練物からシートを成形し、該シートを延伸して形成する多孔性フィルムが提供されている。
しかしながら、本発明者が追試した結果、上記可塑剤を用いた場合、均一な孔径を有するセパレーターを作ることが実際上困難であり、また、厚み精度も目的とする精度に制御することは非常に困難であった。そのため、円筒形、菱形または扁平形等の巻芯を用いて正極、セパレーターおよび負極を重ねて渦巻き状に捲回する際、所定のサイズに収めることができず、電池缶に収容できなかったり、収容できても局所的に圧力がかかり短絡が発生する場合があった。
特開平10−50287号公報 2001−164015号公報 特開2003−82139号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、多孔性フィルムの厚みを最適範囲の厚みで均一に制御し局所的な力がかかるのを防ぐことにより優れた絶縁性を保持でき、含有されている可塑剤の揮発によりフィルムを収容している容器が破裂する危険性がなく、所要の剛性を与えて腰を持たせることにより捲回時のハンドリング性を向上させた多孔性フィルムを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、電池用セパレータ用の多孔性フィルムとした場合、その平均厚みを15μm以上0μm以下とし、さらに厚みの最大値と最小値とを平均厚みの±6〜20%に制御することにより、優れた絶縁性を発揮させられることを知見した。具体的には、厚さが均一であるために圧力が負荷された時に薄い部分が裂けることが実質的にない。このように、所定の厚さとし且つ厚み精度を高めているために、本発明の多孔性フィルムをセパレーターとして用い、正極、セパレーターおよび負極を重ねて渦巻状に捲回する際に所定のサイズに収めることができ、その結果局所的な圧力がかかることがなく電池缶に容易に収容することでき、短絡の発生を防ぐことができる。
さらに、本発明者らはフィルムの成形性および延伸性に影響を及ぼす可塑剤についても検討した結果、25℃以上で固体で且つ沸点が140℃以上で常温固体の可塑剤を用いることにより、多孔性フィルムに所要の剛性を与えて腰を持たせることができ、その結果捲回時のハンドリング性を向上させることができるとともに、高温雰囲気下でも可塑剤の揮発によりフィルムを収容している容器が破裂する危険性を低減することができることを知見した。
上記知見に基づき、本発明は、熱可塑性樹脂として密度が0.94g/cm以上の高密度ポリエチレン(A)のみと、平均粒径0.1μm以上25μm以下の硫酸バリウムあるいは炭酸カルシウムを含む無機フィラーからなる充填剤(B)と
25℃以上で固体で且つ沸点が140℃以上の常温固体であるソルビタンモノステアレートまたはスルホランからなる可塑剤(C)とを含み、
上記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し上記充填剤(B)が50〜400質量部、上記可塑剤(C)が1〜30質量部とする樹脂組成物からなるフィルムで、
該フィルムが縦方向に延伸倍率4〜4.5倍で延伸され、横方向に延伸倍率4倍〜4.5倍で延伸されて上記充填剤(B)を起点とした空孔が設けられていると共に、平均厚みが15μm以上30μm以下で且つ厚みの最大値と最小値とが平均厚みの±6〜20%とされ、透気度が50[sec/100cc]以上500[sec/100cc]以下とされている多孔性フィルムを提供している
本発明の多孔性フィルムでは高密度ポリエチレンを用いているため、電池用セパレータとして用いた場合、異常高温時におけるシャットダウン機能が優れたものとすることができる。
上記高密度ポリエチレンについては、成形するフィルムの剛性を所要に保持するために密度が0.94g/cm以上としている。さらに0.95g/cm以上であることがより好ましい。なお、密度の上限は0.97g/cmである。かつ、メルトフローレートが1.5g/10分以下、好ましくは1.1g/10分以下、より好ましくは0.6g/10分以下、特に好ましくは0.1g/10分以下である。メルトフローレートが1.5g/10分より大きいと3倍以上の延伸が難しくなり、得られる多孔性フィルムの強度が低下する。なお、下限は0.01g/10分である。
上記高密度ポリエチレンとして、具体的にはホモポリマーポリエチレン或いはα−オレフィンコモノマー含量が2モル%以下のコポリマーポリエチレンが好ましく、ホモポリマーポリエチレンが更に好ましい。なお、α−オレフィンコモノマーの種類には特に制限はない。
上記高密度ポリエチレンの重合触媒には特に制限はなく、チーグラー型触媒、フイリップス型触媒、カミンスキー型触媒等いずれのものでも良い。ポリエチレンの重合方法として、一段重合、二段重合もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法でもよい。
本発明で用いる充填剤は、その平均粒径が0.1〜25μmのフィラーとしている。
平均粒径を上記範囲内としているのは、樹脂組成物中に均一に分散させるため、および、所望の空孔の大きさを得るためである。平均粒径を0.01μm未満とすると、充填剤同士の凝集により分散性が低下して延伸むらを引き起こすとともに、熱可塑性樹脂と充填剤との界面の接触面積が増大して延伸による界面剥離が難しくなり、多孔化が困難になりやすいからである。一方、平均粒径が25μmを超えると、フィルムを薄くすることが困難となるのに加えフィルムの機械強度が低下するからである。充填剤の平均粒径は好ましくは0.5〜5μm程度である。
上記充填剤としては、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムが用いられる。特に、硫酸バリウムが最も好ましい。上記無機充填剤は樹脂中の分散性向上のため、表面処理剤で無機充填剤の表面を被覆して疎水化してもかまわない。この表面処理剤としては例えばステアリン酸もしくはラウリル酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩を挙げることができる。
本発明で用いる上記可塑剤は、融点が25℃以上で且つ沸点が140℃以上で常温固体であることを特徴としている。
融点が25℃未満の可塑剤を用いた場合は、フィルムの剛性が低下し、例えば電池などの本発明のフィルムを有する製品の組み立て工程でのハンドリングが困難となる。さらに、沸点が140℃未満の可塑剤を用いた場合は、本発明のフィルムを有する製品が何らかの原因で高温となったときに可塑剤が揮発し、当該製品が破裂するおそれがある。
ここで、融点が25℃以上の可塑剤とは、DSC(示差走査熱量測定)による測定で溶融時の吸熱ピークが明確に25℃以上であるもの、またはDSCによる測定で吸熱ピークを明確に有していないものは25℃の動粘度が100000mm/sec以上のものと定義する。沸点が140℃以上の可塑剤とは、大気圧での沸点が140℃以上であるもの、または140℃で1時間加熱した後の重量が加熱前の重量に対して10%以上減少していないものと定義する。
前記のように、第1の発明では可塑剤として、25℃以上で固体で且つ沸点が140℃以上の常温固体であるソルビタンモノステアレートまたはスルホランを用いている
本発明の多孔性フィルムにおいては、高密度ポリエチレン(A)、充填剤(B)と可塑剤(C)の配合比が(A)100質量部に対し(B)50〜400質量部、(C)1〜30質量部である。より好ましい配合比は、高密度ポリエチレン(A)100質量部に対し充填剤が50〜300質量部、可塑剤が1〜20質量部である。
上記配合比としているのは、充填剤の配合比が50質量部未満の場合、目的とする良好な通気性が発現されにくくなり、外観および風合いも悪くなり易いからである。一方、充填剤の配合比が400質量部を超えるとフィルム成形の際に樹脂焼けなど工程上の不具合を起こしやすくなるだけでなく、フィルム強度も大幅に低下し、かつ、厚さ精度を所要以上に高めることが困難となることによる。また、可塑剤の配合比が1質量部未満であると、目的とする良好な延伸性が発現されにくくなり、外観および風合いも悪くなりやすい。一方、可塑剤の配合比が30質量部を超えるとフィルム成形の際に樹脂焼けなど工程上の不具合を起こしやすくなり、かつ所要の強度が得られにくくなるからである。
さらに、本発明の多孔性フィルムでは、一般に樹脂組成物に配合される添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を、多孔性フィルムの特性を損なわない程度の範囲で配合してもよい。
具体的には、前記「プラスチックス配合剤」のP154〜P158に記載されている酸化防止剤、P178〜P182に記載されている紫外線吸収剤、P271〜P275に記載されている帯電防止剤としての界面活性剤、P283〜294に記載されている滑剤が必要に応じて適宜に配合される。
本発明の多孔性フィルムは、前記したように、上記樹脂組成物の溶融混練物をフィルムとして成形加工し、成形されたフィルムを延伸により上記充填剤を起点として空孔を設け、平均厚みが5μm以上0μm以下としている。
上記厚みが5μm未満であるとフィルムが破れやすくなり、一方、0μmを越えると電池用セパレーターとして所定の電池缶に捲回して収納する際、電池面積が小さくなり、ひいては電池容量が小さくなる
また、多孔性フィルムの厚みの最大値と最小値とが平均厚みの±6〜20%、すなわち厚みの振れを±6〜20%としている。これは、厚みの振れが平均厚みの±20%を越えると、捲回した時に部分的に圧力がかかり、電池用セパレーターとして用いたときに絶縁性が低下することによる
なお、上記多孔性フィルムの平均厚みは、1/1000mmのダイアルゲージにて面内を不特定に30箇所測定し、その平均を算出して得られる値である。また、厚みの最大値とは前記30箇所の測定値のうち最も大きい値をいい、厚みの最小値とは前記30箇所の測定値のうち最も小さい値をいう。厚みの振れとは、式;{(最大厚みまたは最小厚み−平均厚み)/平均厚み}×100(%)により算出される値である。
特に、本発明の好ましい態様においては充填剤(B)を高密度ポリエチレン(A)100質量部に対し50〜400質量部と比較的大量に充填しており、充填剤(B)の配合が少ない場合もしくは充填剤が配合されていない場合と比較して強度が比較的低くなるため、可塑剤として常温で固体で可塑剤を用いているが、厚みと厚み精度を十分に制御することが重要となる。
多孔性フィルムの厚さは、上記高密度ポリエチレン(A)、充填剤(B)および可塑剤(C)の種類もしくは配合量、延伸条件(延伸倍率、延伸温度等)によって自由に調整できる。
本発明の多孔性フィルムは、例えば以下の方法で製造される。
まず、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等の粉体混合機で混合する。このとき、熱可塑性樹脂はパウダーあるいはペレット状、充填材はパウダー、可塑剤はパウダー、延伸補助財はペレット状に予めしておくことが好ましい。
ついで、1軸あるいは2軸混練機、ニーダー等で加熱混練する。その後、ペレット化して成膜工程に移行しても良いし、ペレット化せずに直接成型機で製膜してもよい。このペレットはサイロ、ホッパーフレコン等の原料を保存する設備、容器に一時的に保存しておいても良い。
本発明では、通常、上記ペレットの水分率が1000ppm以下、好ましくは700ppm以下にして溶融成形してフィルム化している。ペレットの水分が1000ppmより大きいとゲル、ピンボールが極度に発生して好ましくないためである。一方、溶融混合物をペレット化せずに直接成膜工程にもって行く場合も溶融混合物の水分率が1000ppm以下となるように溶融混練工程から成膜工程までの途中で真空脱気もしくは解放脱気を行うことが好ましい。
その後、高密度ポリエチレンの融点以上、好ましくは融点+20℃以上で分解温度未満の温度条件下において押出成形機等を用いて溶融、成膜することによりフィルム(原反シート)を得ている。成膜方法としては、具体的にはTダイ成形、カレンダー成形、プレス成形等が挙げられる。このようにして成形されるフィルム(原反シート)の厚さは延伸性等を損なわない範囲で適時選択できるが、0.02〜2mmの範囲内が好ましい。
上記成形された樹脂フィルム(原反シート)をロール延伸、テンター延伸、同時2軸延伸、圧延等の方法により、少なくとも1軸方向に延伸(1軸延伸)、好ましくはフィルム長手方向(縦方向)と直交する横方向の2軸方向に延伸(2軸延伸)する。かかる延伸処理は、上記樹脂の軟化点(JIS K6760による測定値)付近で行うことが好ましい。上記延伸により高密度ポリエチレンと充填剤との界面を剥離させることにより多数の空孔を設けることができる。なお、開孔径を安定させるために延伸後に熱処理してもよい。
上記延伸工程における延伸倍率は、延伸時のフィルムの破れ、得られるフィルムの透気度またはフィルムの硬さ等に対応させて適宜選択すればよい。具体的には、例えば2軸延伸の場合、縦横方向のいずれか一方の延伸倍率は少なくとも1.5倍以上、好ましくは2倍以上である。
上記多孔性フィルムの延伸により形成される空孔は、三次元網状としフィルムの両面開口に連通させ、気体または水蒸気は透過可能とし、液滴は透過不可としている。詳細には空孔径は0.3μm以下とし100〜3000μmの水滴は透過させず、0.0004μm程度の水蒸気は透過可能としている。
より具体的には、本発明の多孔性フィルムは、その透気度が50〜500(sec/100cc)である100〜500(sec/100cc)であることがより好ましく、100〜300(sec/100cc)であることがさらに好ましい。上記多孔性フルムを電池用セパレーターとして用いる場合は特に前記範囲が好ましい。透気度を50(sec/100cc)未満とすると、電解質の含浸性・保持性が低下して二次電池の容量が低くなったり、サイクル性が低下したりする恐れがある。一方、透気度が500(sec/100cc)を超えると、イオン導電性が低くなり非水電解質電池用セパレーターとして用いた場合に十分な電池特性を得ることができない。
なお、上記透気度(ガーレ値)はJIS P8117に準拠して気度(sec/100cc)を測定している。
こうして得られるフィルムは、包装用、衛生用、畜産用、農業用、建築用、医療用、分離膜、光拡散板用、電池用セパレーター等の多岐の用途に利用できるが、非水電解質電池セパレーターとして好適に使用でき、良好な非水電解質電池が得られる。
本発明の多孔性フォルムを電池用セパレーターとして用いる場合、通常、本発明の多孔性フォルムを正極と負極との間に介在させ渦巻状に捲回して電池缶内に収容する。
本発明の多孔性フィルムでは、このときの捲回不良率が32%以下としている。
なお、捲回不良率は後述する実施例に記載の方法で測定する。
本発明の多孔性フィルムからなる非電解質電池セパレーターを収容している非水電解質電池は、安全性の観点から高温(140〜160℃)状態になるとセパレーターに開孔された微細な孔を閉塞し、その結果電池内部のイオン伝導を遮断し、その後の電池内部の温度上昇を防止できるシャットダウン機能を具備していることが必要となる。
この機能の指標として、本発明の非水電解質電池は昇温後の絶縁不良率が20%以下、好ましくは15%以下としている。昇温後の絶縁不良率が20%以上であると電池としての初期不良率が増大するからである。なお、昇温後の絶縁不良率は後述する実施例に記載の方法で測定する。
上述した如く本発明に係わる多孔性フィルムは、厚み精度が高められ厚さが略均一に保持できるため、電池用セパレーターとして正極板と負極板の間に介在させて渦巻き状に巻回して電池缶内に収容したとき、セパレーターに局部的に負荷がかかることを抑制でき、その結果セパレーターの破損等が防止でき絶縁性を確実に保持することができる。かつ、セパレーターの厚さを5〜0μmと薄くしているため電池缶内への正極板および負極板の充填量を増加でき、電池容量を高めることができる。
さらに、融点が25℃以上で且つ沸点が140℃以上で常温固体の可塑剤を配合しているため、所要の剛性を有し腰があることから捲回時のハンドリング性が向上しており、さらに高温になったときでも可塑剤の揮発によりフィルムを収容している容器が破裂する危険性が実質的にない。
さらにまた、適性な透気性を保持する微細孔構造を持たせるために延伸法を採用しており、製造コストを低化できる。
そのうえ、本発明の多孔質フィルムの物性は、樹脂、充填剤および可塑剤の配合量や種類、延伸条件(延伸倍率、延伸温度等)によって自由に調整できる。そのため、該条件等を種々変化させることにより、用途に応じた所望の物性の多孔性フィルムを得ることができる。
以下、図面を用いて本発明を具体的に説明する。
図1は多孔性フィルムの断面模式図であり、多孔性フィルム1は三次元網状の空孔1aを備え、該空孔1aは多孔性フィルムの両面1b、1cに連通し、多孔性フィルムの透気度は100〜500(sec/100cc)の範囲内としている。
多孔性フィルム1の厚さは5〜0μm、かつ、厚みの振れを平均厚さの±6〜20%としている。
上記多孔性フィルムは、密度0.95g/cm以上で且つメルトフローレートが1.5g/10分以下である高密度ポリエチレンを用いている。充填剤としては粒径0.1〜25μmの硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムを用いている。可塑剤としては25℃以上で固体且つ沸点が140℃以上で常温固体であるソルビタンモノステアレートまたはスルホランを用いている。
上記各成分の配合比は、上記高密度ポリエチレン100質量部に対して充填剤が0〜150質量部、可塑剤が5〜10質量部である。
上記原料を混合、混練して充填剤を樹脂中に分散させる。この混練物を所要温度で加熱して溶融した後、Tダイで成形してフィルム(原反シート)を作成する。成形温度は、熱可塑性樹脂の種類などに応じて適宜選択することができるが、150〜250℃、好ましくは180〜220℃である。得られたフィルム(原反シート)の厚さは0.02〜2mmとしている。
このフィルムを2軸延伸機で、まず、フィルムの長手方向(縦方向)に延伸倍率4〜4.5倍で延伸し、ついで、長手方向と直交方向(横方向)に延伸倍率4倍〜4.5倍で延伸する。
上記縦・横方向の2軸延伸により、図2に示すように樹脂11中に充填剤12が分散されているフィルム10は樹脂11と充填剤12との界面で剥離が生じ、この剥離した部分が空孔1aとなり、多孔性フィルム1が得られる。その際、多孔性フィルム1の厚さは前記したように5〜0μmで、厚さの振れが±6〜20%となる。該多孔性フィルム1は連続材として得られ、コイル状に巻き取られる。
本実施形態では得られた多孔性フィルム1を所要長さに切断して非水電解質電池用のセパレーター1’としている。セパレーター1’は正極板21と負極板22との間に介在させて渦巻き状に巻回し、図3に示す円筒型のリチウム二次電池20の内部に収容している。
上記本発明の多孔性フィルムからなるセパレータ1’を収容するリチウム二次電池について詳細に説明する。
電解質としては、例えばリチウム塩を支持電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解質が用いられる。有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類;さらにはスルホランなどが使用できる。これら溶媒は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の混合溶媒としてもよい。なかでもより好ましい実施形態では、エチレンカーボネート1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部配合した混合溶媒中にL1PF6を1.4mol/Lの割合で溶解した電解質を調整している。
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス銅製網などの集電材料と一体化したものが用いられる。その際、アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどが挙げられる。上記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カドミウム、スズもしくはマグネシウムなどとの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物もしくは硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、該炭素材料としてはリチウムイオンをドープ・脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維または活性炭などを用いることができる。
後述する多孔性フィルムの特性を実験するために装着するリチウム二次電池では、フッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と平均粒径10μmの炭素材料を混合してスラリーにし、この負極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ18μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後ロールプレス機により圧縮成形し切断し、帯状の負極板としている。
正極板は、正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス銅製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。前記正極活物質としては、例えばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが挙げられる。
後述する多孔性フィルムの特性を実験するために装着するリチウム二次電池では、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比90:5で加えて混合し、この混合物とポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混合してスラリーにし、この正極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後ロールプレス機により圧縮成形した後、切断し帯状の正極板としている。
上記正極板21、負極板22の両極をセパレーター1’を介して互いに重なるようにし、渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体としている。
上記正極板21、セパレーター1’および負極板22を一体的に巻き付けた捲回体を有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極及び負極のリード体24、25と溶接する。ついで、上記電解質を電池缶内に注入し、セパレーター1’などに十分に電解質を浸透させた後、電池缶の開口周縁にガスケット26を介して正極蓋27を封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の二次リチウム電池を作製している。
上記多孔性フィルム1からなるセパレーターは絶縁性を有するため両面に直接接触する正極板21と負極板22との短絡を防止し、リチウムイオンは空孔1aを透過する一方で液は透過できないため、電解質の拡散・保液を図ることができる。
「実施例」
本発明の多孔性フィルムと比較例の多孔性フィルムを作製して、厚み、厚み精度、透気度、捲回不良率、昇温後の絶縁不良率を測定した。
参考実施例1」
高密度ポリエチレン[三井化学社製 HI−ZEX7000FP、密度:0.956g/cm、メルトフローレート:0.04g/10分]100質量部、可塑剤としてエチレンカーボネート[和光純薬工業社製 試薬 融点39℃、沸点238℃]8質量部、充填剤として硫酸バリウム[堺化学社製 B−55]110質量部をブレンドしてコンパウンドを行った。上記硫酸バリウムは平均粒径0.66μmであった。
次に、温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均250μmであった。次に得られた原反シートを80℃でシートの長手方向(MD)に4.5倍、次いで125℃で直交する横方向(TD)に4倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、本発明に係る多孔性フィルムを作製した。
「実施例2」
可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりにソルビタンモノステアレート[花王株式会社製 レオドールSP−S10 融点51℃、140℃1時間の加熱後の重量減少率が1.2%]を用い、充填剤の配合量を100質量部にした以外は実施例1と全く同様にして原反シートを作成した。得られた原反シートを80℃でシートの長手方向(MD)に4.5倍、次いで125℃で直交する横方向(TD)に4倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、本発明に係る多孔性フィルムを作製した。
「実施例3」
高密度ポリエチレン[三井化学社製 HI−ZEX3300F、密度:0.950g/cm、メルトフローレート:1.1g/10分]を20メッシュスルーの大きさ以下に粉砕したものを用い、可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりにスルホラン[和光純薬工業社製 試薬 融点29℃、沸点287℃]を用い、その配合量を5質量部にし、充填剤の配合量を100質量部にした以外は実施例1と全く同様にして本発明に係る多孔性フィルムを作製した。
参考実施例4」
可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりにエチレンビスステアリン酸アミド[日本油脂社製 アルフローH−50L、融点144℃、140℃1時間加熱後の重量減少率が0.2%]を用い、その配合量を10質量部にし、充填剤として硫酸バリウムの代わりに炭酸カルシウム[日東粉化社製 NC#2310]を用い、その配合量を120質量部にした以外は参考実施例1と全く同様にして本発明に係る多孔性フィルムを作製した。なお、上記炭酸カルシウムは平均粒径0.97μmであった。
参考実施例5」
可塑剤としてエチレンカーボネート[和光純薬工業社製 試薬 融点39℃、沸点238℃]5質量部とソルビタンモノステアレート[花王株式会社製 レオドールSP−S10 融点51℃、140℃1時間の加熱後の重量減少率が1.2%]5質量部との混合物を用い、充填剤の配合量を120質量部にした以外は実施例1と全く同様にして本発明に係る多孔性フィルムを作製した。
参考実施例6」
可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりにグリセリントリステアレート[和光純薬工業社製 試薬 融点72℃、40℃1時間加熱後の重量減少率が1.1%]を用い、その配合量を質量部にし、充填剤の配合量を120質量部にした以外は実施例1と全く同様にして本発明に係る多孔性フィルムを作製した。
「比較例1」
充填剤の配合量を122質量部にした以外は実施例1と全く同様にして原反シートを作成した。得られた原反シートを80℃でシートの長手方向(MD)に4.51倍、次いで125℃で直交する横方向(TD)に1.5倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、多孔性フィルムを作製した。
「比較例2」
充填剤の配合量を122質量部にした以外は実施例1と全く同様にして原反シートを作成した。得られた原反シートを80℃でシートの長手方向(MD)に4倍、次いで125℃で直交する横方向(TD)に4.5倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、多孔性フィルムを作製した。
「比較例3」
可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりに常温液体のグリセリントリオクタノエート[花王株式会社製 ココナードRK 融点−5℃、140℃1時間加熱後の重量減少率が2.0%]を用い、その配合量を10質量部にし、充填剤の配合量を122質量部にした以外は実施例1と全く同様にして多孔性フィルムを作製した。
「比較例4」
可塑剤としてエチレンカーボネートの代わりに常温液体のジメチルシリコーン[GE東芝シリコーン社製 商品名TSF451−100、25℃での動粘度100mm/sec、140℃1時間加熱後の重量減少率が0.2%]を用い、その配合量を10質量部にし、充填剤の配合量を122質量部にした以外は実施例1と全く同様にして多孔性フィルムを作製した。
実施例2、3、参考実施例1、4〜6および比較例1〜4で作製した多孔性フィルムについて、厚み、厚み振れおよび透気度を以下のように測定した。
(厚みの測定)
1/1000mmのダイアルゲージにて面内の厚みを不特定に30箇所測定し、その平均値を算出した。
(厚み振れの測定)
上記測定方法で測定した30箇所の測定値のうち最も大きい値(最大厚み)、最も小さい値(最小厚み)および算出された平均値から次式に基づき厚み振れを算出した。なお、表中には次式で算出される値のうち大きい方を記載した。
(最大厚み−平均厚み)/平均厚み×100(%)
(最小厚み−平均厚み)/平均厚み×100(%)
(透気度)
JIS P 8117に準拠して、気度(秒/100cc)を測定した。
実施例2、3、参考実施例1、4〜6および比較例1〜4の多孔性フィルムを電池セパレーターとして用い、二次電池を以下のように作成した。正極板および負極板として前記した正極板と負極板を用いた。
上記正極板、負極板の両極を実施例2、3、参考実施例1、4〜6および比較例1〜4の多孔性フィルムのいずれかを介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体とした。外径18mmの有底円筒状の電池ケース内に得られた捲回体を充填し、正極及び負極のリード体を溶接した。
エチレンカーボネートが1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部含む混合溶媒中にLPF を1.4モル/リットルの割合で溶解した電解質を調整した。この電解質を電池缶内に注入し、セパレーターなどに十分に電解質を浸透させた後、電池缶の開口周縁にガスケットを介して正極蓋を封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の二次リチウム電池を作製した。
得られた二次リチウム電池について、下記のような評価を行った。
(捲回不良率の測定)
長さ50cm、幅59mm正極板と負極板を用い、上記実施例1〜6および比較例1〜4の多孔性フィルムからなるセパレーターを2枚用い、該セパレーター2枚と上記正極板と負極板とを交互に重ね、正極板に3.92N/cm、負極板に3.92N/cm、セパレーターに0.29N/cmの力をかけ、直径4mmでセパレーターを2枚分挟めるようなスリットを入れてある金属製の巻芯を用いて、この巻芯に巻き付けるように捲回した。終了後金属製巻芯を引きぬいた。
上記巻き込み電極群を100個作り、セパレーターが裂けているものの数を確認した。セパレーターが裂けているものの数をxとすると捲回不良率はx%となる。
(昇温後の絶縁不良率)
上記巻き込み電極群100個を速度10℃/分で昇温させ、130℃のオーブンに1時間入れ、正負電極間の絶縁抵抗を測定し、1MΩ以下となった数を数えた。1MΩ以下となった数をyとすると昇温後の絶縁不良率はy%となる。この比率が大きいと電池としての初期不良率が増大する。
上記実施例2、3、参考実施例1、4〜6、比較例1〜4の素材、配合割合、上記方法で測定した多孔性フィルムの平均厚さ、厚さの振れ、透気度、捲回不良率(%)、昇温後の絶縁不良率(%)を下記の表1に示す。なお、表中、充填剤および可塑剤の配合割合は高密度ポリエチレン(HDPE)100質量部に対する割合(質量部)を示す。
Figure 0005077974
実施例2、3、参考実施例1、4〜6の多孔性フィルムは、その平均厚さおよび厚さの振れともに本発明に規定する数値範囲内であった。一方、比較例1の多孔性フィルムは厚み平均が30μmと本発明の規定範囲内であったが、厚み振れが±135%と均一性に著しく乏しいものであった。比較例2の多孔性フィルムは厚み平均が4μmと非常に薄いものになった。比較例3,4の多孔性フィルムは厚み平均が30μm、23μmと本発明の規定範囲内であったが、厚み振れが±25%と均一性にやや乏しいものであった。
捲回不良率についても、実施例2、3、参考実施例1、4〜6の多孔性フィルムは比較例1〜4に比べて大幅に改善出来た。よって、実施例2、3、参考実施例1、4〜6の多孔性フィルムは比較例の多孔性フィルムに比べて捲回時のハンドリングが向上していることが確認できた。
昇温後の絶縁不良率については、実施例2、3、参考実施例1、4〜6の多孔性フィルムが1〜12%であるのに対し、比較例1の多孔性フィルムは72%、比較例2の多孔性フィルムは90%であった。よって、実施例2、3、参考実施例1、4〜6の多孔性フィルムは比較例1、2の多孔性フィルムに比べて電池セパレーターとして使用したときにその電池の初期不良率が著しく低くなることが確認できた。
こうして得られるフィルムは、包装用、衛生用、畜産用、農業用、建築用、医療用、分離膜、光拡散板用、電池用セパレーター等の多岐の用途に利用できるが、非水電解質電池セパレーターとして好適に使用でき、良好な非水電解質電池が得られる。
上記多孔性フィルムの断面模式図である。 延伸による孔が形成される方法を示す説明図である。 電池内でのセパレーターを示す一部破断斜視図である。
符号の説明
1 多孔性フィルム
1a 空孔
1’セパレーター
10 フィルム
11 樹脂
12 充填剤
20 電池
21 正極板
22 負極板

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂として密度が0.94g/cm3以上の高密度ポリエチレン(A)のみと、平均粒径0.1μm以上25μm以下の硫酸バリウムあるいは炭酸カルシウムを含む無機フィラーからなる充填剤(B)と
    25℃以上で固体で且つ沸点が140℃以上の常温固体であるソルビタンモノステアレートまたはスルホランからなる可塑剤(C)とを含み、
    上記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し上記充填剤(B)が50〜400質量部、上記可塑剤(C)が1〜30質量部とする樹脂組成物からなるフィルムで、
    該フィルムが縦方向に延伸倍率4〜4.5倍で延伸され、横方向に延伸倍率4倍〜4.5倍で延伸されて上記充填剤(B)を起点とした空孔が設けられていると共に、平均厚みが15μm以上30μm以下で且つ厚みの最大値と最小値とが平均厚みの±6〜20%とされ、透気度が50[sec/100cc]以上500[sec/100cc]以下とされている多孔性フィルム。
  2. 請求項1に記載の多孔性フィルムからなる非水電解質電池用セパレーター
  3. 請求項2に記載の非水電解質電池用セパレーターを収容している非水電解質電池
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