JP4560260B2 - 低分子量オキシメチレン重合体及びその組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は成形品の機械物性を大幅に改良するためのポリオキシメチレン樹脂用改質剤及びこれを用いたポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は高度の機械的物性、特に曲げ弾性率やロックウエル硬度、ウエルド特性を有し、また耐薬品性及び外観に優れた成形品を容易に提供するので、オフィスオートメーション機器用、電気機器用、電子機器用、自動車用の部品など幅広い分野で使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシメチレン樹脂はバランスの取れた優れた機械的特性、耐疲労性、耐摩擦・磨耗性、耐薬品性及び成形性を有し、自動車、電気・電子機器、その他の精密機械、建材配管等に広く利用されている。一方、用途によってはさらに機械物性を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、ガラスフレーク、タルク等の強化材を添加した組成物が提案されている(例えばJP−A−62−91551、US−A−4,806,586)。しかしながら上記のような強化材を添加した強化オキシメチレン重合体樹脂は、オキシメチレン重合体樹脂単独に比較して溶融物の流動性が著しく低下するため、高温・高射出圧力で成形すると、樹脂の熱劣化や変色により成形品の外観が悪くなり、さらに添加された強化材が配向することにより成形品のウエルド特性が低下したり、そりが大きくなるという問題がある。
また、無機の結晶核剤をオキシメチレン重合体に添加することにより、機械物性を改良した組成物が提案されているが(例えばJP−A−47−11136)、強化材を添加した組成物に比べて機械的物性の改良の程度が小さく、要求される物性を必ずしも満足できないという問題があった。
【0003】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するために種々検討を行った結果、数平均分子量が1000〜8000の範囲にありながら、同時に分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の範囲にあるという、今までにないシャープな分子量分布を有する直鎖状の低分子量オキシメチレン重合体(A)を配合することによって得られるポリオキシメチレン樹脂組成物が、高度の機械物性、特に曲げ弾性率やロックウエル硬度、ウエルド特性を有し、耐薬品性及び外観に優れた成形品を容易に製造することができるなどの種々の優れた特性を同時に発現することを見出し、本発明を完成させた。
【0004】
これまでに低分子量のオキシメチレン重合体を製造した例としては、JP−B−55−39182、JP−A−6−172612、EP−A−708123に開示されているが、これらには分子量分布(Mw/Mn)を3.0よりも小さくするための製造方法は記載されていない。これらの例では、低分子量のオキシメチレン重合体を得る目的で多量の連鎖移動剤を使用しており、その結果引起される重合性の低下を補うために、バッチ重合機を用いたり、重合触媒を多量に用いたものと推測される。しかしながら、これらの方法では分子量分布(Mw/Mn)は3.0を超えたものしか製造できず、上述の如き高度の機械物性、優れた耐薬品性及び優れた外観といった効果は得られない。
【0005】
また、JP−B−45−35188には、パラホルムを原料として低分子量のオキシメチレン重合体を得る方法が開示されているが、やはり分子量分布(Mw/Mn)が3.0を超えるために上述の如き効果は得られない。
また、JP−A−2−55712及びUS−A−5,248,762には数平均分子量が500〜5000の範囲にありながら、同時に分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5の範囲にある環状のオキシメチレン重合体が開示されているが、本発明の直鎖状の分子骨格とは異なるために、やはり上述の如き効果を得ることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、強化材を使用することなく機械的物性、特に曲げ弾性率を大幅に改良し、また溶融物の流動性及び熱安定性が優れているために、外観にも優れた成形品を容易に製造することができ、成形品のウエルド特性やそり特性を損なうこともないオキシメチレン重合体樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の如き問題点を解決するために種々検討を行った結果、数平均分子量が1000〜8000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0であり、0〜30mol%の範囲のコモノマー成分を含有することを特徴とする直鎖状の低分子量オキシメチレン重合体(A)を、数平均分子量が15000から1000000である高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)100重量部に対し、1〜500重量部の量で均一に混合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物が、強化材を使用することなく機械的物性、特に曲げ弾性率を大幅に改良し、溶融物の流動性及び熱安定性に優れているためにシルバーストリークの発生するまでの限界滞留時間が長く、外観に優れた成形品を容易に製造することができ、成形品のウエルド特性やそり性を損なうことがなく、さらには成形品のロックウエル硬度や耐薬品性に関しても驚くべき改善効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、
(1)直鎖状であり、数平均分子量が1000〜8000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0であり、0〜30mol%のコモノマー成分を含有する低分子量オキシメチレン重合体、
(2)コモノマー成分含有率が0〜0.8mol%である上記(1)記載の低分子量オキシメチレン重合体、
(3)モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物、及び該モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物の1kg当たり0.1〜1モルの分子量調節剤を原料とし、該原料1mol当たり0.00001〜0.0001molのカチオン開始剤を重合触媒として用いて連続塊状重合反応によって製造される上記(1)又は(2)記載の低分子量オキシメチ
レン重合体、
【0009】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の低分子量オキシメチレン重合体(A)1〜500重量部、及びオキシメチレン単独重合体樹脂(B−1)、オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)、オキシメチレンブロック共重合体樹脂(B−3)及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、数平均分子量が15000〜1000000である高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)100重量部を含むポリオキシメチレン樹脂組成物、
(5)前記低分子量オキシメチレン重合体(A)の含有量が10〜100重量部である上記(4)記載のポリオキシメチレン樹脂組成物、
(6)前記高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)が、167〜171℃の融点を有するオキシメチレン共重合体樹脂(B−2)である上記(4)又は(5)記載のポリオキシメチレン樹脂組成物、
【0010】
(7)前記ポリオキシメチレン樹脂組成物が1ppm〜10000ppmの結晶核剤を含有する、上記(4)〜(6)のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物、
(8)並列に連結された少なくとも二基の連続塊状重合機と、これらに続く押出機からなる設備を用いて、低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体と高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ、続いて前記押出機によって該粗重合体に末端安定化処理を施しながら連続的に均一溶融混合を行う工程を含む、上記(4)〜(7)のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する方法、
【0011】
(9)一基又は直列に連結された少なくとも二基の連続塊状重合機を用いて、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を、カチオン開始剤を重合触媒として用いて重合させ、次いで得られた重合生成物に、該カチオン開始剤を失活させない状態で、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物、及び分子量調節剤を、得られる低分子量オキシメチレン重合体が高分子量ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して1〜500重量部となるように更に添加して重合を行うことを含む、上記(4)〜(7)のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する方法、
【0012】
(10)直列又は並列に連結された少なくとも二基のスラリー重合機と、これらに続く末端安定化装置と、押出機とからなる一連の設備において、ホルムアルデヒド及び分子量調節剤を原料とし、オニウム塩系重合触媒を用いて低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体及び高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ除去し、得られる重合体の不安定末端を封鎖し、続いて押出機によって連続的に均一溶融混合を行う工程を含む、上記(4)〜(7)のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する方法、
(11)上記(4)〜(7)のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を成形して得られる成形品、
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)は、ホルムアルデヒド又はその3量体であるトリオキサン若しくは4量体であるテトラオキサン等の環状オリゴマーを原料として製造された、実質的にオキシメチレン単位からなるオキシメチレン単独重合体、及び 上記原料成分とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−
プロパンジオールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキオカン等の分子中に炭素数2以上のオキシアルキレン単位を有する環状エーテル及びこれらの混合物からなる群から選ばれるコモノマー成分を含むオキシメチレン共重合体を包含し、 分子の末端がエステル基又はエーテル基により封鎖された直鎖状の構造を有する。
【0014】
コモノマー成分を含有することにより低分子量オキシメチレン重合体(A)の熱安定性は一層改良されるものの、含有量が過大であると本来の目的である機械物性の改良効果が低減する。
コモノマー成分の含有量を、メチレンオキシド単位に対する炭素数2以上のオキシアルキレン単位のモル比と定義すると、コモノマー含有量は0〜30mol%の範囲であることが必要であり、好ましくは0〜10mol%、より好ましくは0〜6mol%、更に好ましくは0〜3mol%、更により好ましくは0〜1.9mol%、最も好ましくは0〜0.8mol%である。
【0015】
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)は、そのコモノマー含有率と融点とが図1のDEFGで囲まれた領域内にあることが好ましい。図1の横軸はオキシメチレン重合体のコモノマー含有率を表し、縦軸はオキシメチレン重合体の融点を表す。図1はコモノマーとして1,3−ジオキソランを用いた場合のデータを示しているが、本発明においては他のコモノマーについても図1のDEFGで囲まれた領域を適用することができる。線分HIは、本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)と同じ種類及び含有率のコモノマーを有し、且つ同じ製造方法で製造された数平均分子量が30000〜100000のオキシメチレン重合体(C)の、コモノマー含有率に対する融点を表している。線分DGは線分HIを縦軸方向に0.005℃だけ低融点側に平行移動させたものであり、線分EFは線分HIを縦軸方向に30℃だけ低融点側に平行移動させたものである。低分子量オキシメチレン重合体(A)のコモノマー含有率に対する融点が線分DGよりも高温側にある場合には、コモノマーがランダムに共重合していない可能性が高く、低分子量オキシメチレン重合体(A)の熱安定性に問題があるため好ましくない。低分子量オキシメチレン重合体(A)のコモノマー含有率に対する融点が線分EFよりも低温側にある場合には、本来の目的である機械物性の改良効果が低減するため好ましくない。
【0016】
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)の融点は、126〜175℃であることが好ましい。
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)は、上記条件の他に、数平均分子量と分子量分布(Mw/Mn)とが共に特定の範囲内にあることが必要である。
まず数平均分子量は、1000〜8000の範囲にあることが必要である。8000より大きいと、オキシメチレン重合体を改質剤としたときに結晶化度を増大させる効果が得られないために、改質剤として好ましくない。1000より小さいと、却って成形品の機械物性、特に伸度が低下する。より好ましい数平均分子量は1500〜7000であり、さらに好ましくは2000〜6000であり、最も好ましくは2500〜5000である。
【0017】
次に、分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜3.0の範囲にあることが必要である。本発明の如き低分子量のオキシメチレン重合体(A)の製造においては、通常よりも多量の分子量調節剤を用いるので、重合触媒の活性が通常のオキシメチレン重合体の場合よりも低下する。特にバッチ式の塊状重合装置で低分子量のオキシメチレン重合体の製造を試みた場合、重合系が不均一になり易く、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下のものを製造することは困難である。分子量分布(Mw/Mn)が3.0を超えた低分子量のオキシメチレン重合体は、溶融時の熱安定性に劣るうえ、成形品の機械的物性や外観が損なわ
れるので好ましくない。例えば、JP−B−55−39182にメルトインデックス300前後の低分子量オキシメチレン重合体の記載があるが、これはバッチ式の塊状重合によって製造されたものであり、この記載に従って追試を行っても分子量分布(Mw/Mn)が3.3〜3.6の低分子量オキシメチレン重合体しか得られず、これを高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)と混合して得たポリオキシメチレン樹脂組成物は、本発明品の如き成形品の機械物性の改良効果が発現しないだけでなく、溶融時の熱安定性に劣り成形品の外観が損なわれるので好ましくない。より好ましい分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜2.7であり、さらに好ましくは1.0〜2.5であり、最も好ましくは1.0〜2.3である。
【0018】
なお、数平均分子量が500〜5000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜2.0である環状オキシメチレン重合体及びその製造方法がこれまでに知られている(例えば、JP−A−2−55712)が、これを追試して得た環状オキシメチレン重合体を高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)と混合して得たポリオキシメチレン樹脂組成物は、本発明品の如き成形品の機械物性の改良効果が発現しなかった。この原因としては環状オキシメチレン重合体の場合、分子骨格が高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)と異なるために、両者の混合が不均一であったり、成形品の結晶化度を損なっているなどと推測されるが、詳細はまだ不明である。
【0019】
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)は、モノマー及び必要に応じてコモノマーを、カチオン開始剤及び分子量調節剤と共に連続塊状重合反応に付すことにより製造することができる。もっとも、数平均分子量が1000から8000の範囲にあることと、分子量分布(Mw/Mn)が1.0から3.0の範囲にあることを同時に満たすことが可能であれば、製造方法に特に制限はないが、カチオン開始剤を重合触媒とし、モノマーとコモノマーの混合物、及び該混合物の1kg当たり0.1〜1モルの範囲の分子量調節剤を原料として用いて連続塊状重合装置によって製造する方法が最も好ましい。
【0020】
カチオン開始剤としては、ルイス酸、特にホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン及びその錯化合物等又は塩等の化合物;プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸;プロトン酸のエステル、特にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル;プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物;又はイソポリ酸、ヘテロポリ酸、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等が挙げられる。中でも三フッ化ホウ素ジエチルエーテル又は三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを、重合原料1molに対し0.00001〜0.0001molで用いることを好適例として挙げることができる。カチオン開始剤の量が少なすぎると重合収率が低下し経済的でなく、また多すぎると、低分子量オキシメチレン重合体(A)を製造する場合には分子量分布(Mw/Mn)が3.0を超える場合があり、好ましくない。カチオン開始剤として三フッ化ホウ素ジエチルエーテル又は三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを用いる場合、その使用量はより好ましくは0.00001〜0.00008molであり、さらに好ましくは0.00001〜0.00005molである。
【0021】
分子量調節剤としては、カチオン重合の連鎖移動剤として作用する低分子量の化合物が用いられる。例えば、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の低級脂肪族アルキル基である、ホルムアルデヒドのジアルキルアセタールとそのオリゴマー、分子量3000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、及びメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級脂肪族アルコールが好ましく用いられる。分子量調節剤は、モノ
マーとコモノマーの混合物の1kg当たり0.1〜1モルの量で使用される。
分子量調節剤の純度は、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上、更により好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。さらに、分子量調節剤としてメチラールを使用する場合には、含有されるギ酸メチルが7%以下であることが必要であり、好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。
【0022】
連続塊状重合反応を行うのに用いられる重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押し出し混練機、二軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押し出し混合機、その他これまでに提案されているトリオキサン等のための連続重合装置が使用可能である。これらの連続塊状重合装置を上記のカチオン開始剤及び分子量調節剤と組み合わせて使用することにより、初めて数平均分子量が1000から8000の範囲にあり、且つ、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の低分子量オキシメチレン重合体(A)を製造することが可能になった。本製造方法が多量の分子量調節剤を用いているにもかかわらず、重合系が均一であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0の低分子量オキシメチレン重合体(A)が製造できるのは、連続重合装置の高い攪拌能力に起因する可能性があるが、詳細はまだ明確ではない。
【0022】
カチオン開始剤を用いた連続塊状重合反応によって得られた粗オキシメチレン重合体に含まれる重合触媒の失活は、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、第4級アンモニウム化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩等の触媒中和失活剤を含む水溶液及び/又は有機溶剤中に粗オキシメチレン重合体を投入した後、濾過乾燥することにより行われる。この場合、触媒中和失活剤として第4級アンモニウム化合物を単独で用いるか、又は他の上記触媒失活剤と併用することも可能で、触媒の中和がより効果的に行われるため好ましい方法である。また、アンモニア、トリエチルアミン等の蒸気と粗オキシメチレン重合体を接触させて触媒を失活させる方法や、ヒンダードアミン類、トリフェニルホスフィン、水酸化カルシウム、又は第4級アンモニウム化合物等の少なくとも1種と粗オキシメチレン重合体とを混合機で接触させて触媒を失活させる方法も実施可能である。
【0023】
重合触媒失活後の粗オキシメチレン重合体の末端安定化処理方法として、例えば(1)溶融状態のポリマーに塩基性物質を注入し、次いで混練する工程、及び(2)注入された上記塩基性物質の蒸気及び遊離のホルムアルデヒドを開放する工程という少なくとも2段階の工程からなる末端安定化のための操作を連続的に実施できる2軸スクリュー押し出し機等によって、溶融したオキシメチレン重合体から揮発成分を除去するといった方法を挙げることができる。上記の塩基性物質としてはアンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、下記(1)式で示される第4級アンモニウム等の窒素化合物が挙げられる。また、塩基性物質と共に水が存在していてもよい。
[R1R2R3R4N+]nX−n(1)
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表し、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表す。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表す。)
【0024】
第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、このうち、更に、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクタデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の、水酸化物;塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸などとの水素酸塩;硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、ヨウ素酸、ケイ酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリリン酸などとのオキソ酸塩;チオ硫酸などとのチオ酸塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などとのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH−)、硫酸塩(HSO4 −、SO4 2−)、炭酸塩(HCO3 −、CO3 2−)、ホウ酸塩(B(OH)4 −)、カルボン酸塩が好ましい。カルボン酸塩のうち、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えない。
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)を製造するもう一つの方法としては、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節剤を原料とし、公知のオニウム塩系重合触媒とし、炭化水素等を溶媒として用いる公知のスラリー法、例えばJP−B−47−6420やJP−B−47−10059に記載の重合方法が挙げられる。
オニウム塩系重合触媒は下記一般式(2)で表される。
[R1R2R3R4M]+X−(2)
(式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立にアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素、Xは求核性基を示す。)
【0026】
上記一般式(2)で表されるオニウム塩系重合触媒のなかでも、第4級アンモニウム塩系化合物や第4級ホスホニウム塩系化合物が好ましく用いられる。さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセタート、テトラエチルホスホニウムヨージド、トリブチルエチルホスホニウムヨージドが用いられる。
該重合体の末端をエーテル基で封鎖する方法としては、JP−B−63−452等に記載の方法があり、アセチル基で封鎖する方法としては、US−A−3,459,709記載の、大量の酸無水物を用い、スラリー状態で行う方法と、US−A−3,172,736に記載の酸無水物のガスを用いて気相で行う方法があるが、本発明においては特に規定されるものではない。エーテル基で封鎖するのに用いるエーテル化剤としては、オルトエステル、通常は脂肪族又は芳香族酸と脂肪族、脂環式族又は芳香族アルコールとのオルトエステル、例えばメチル又はエチルオルトホルメート、メチル又はエチルオルトアセテート及びメチル又はエチルオルトベンゾエート、並びにオルトカーボネート、例えばエチルオルトカーボネートから選択する。エーテル化反応はp−トルエンスルホン酸、酢酸及び臭化水素酸のような中強度有機酸、ジメチル及びジエチルスルフェートのような中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒をエーテル化剤1重量部に対して0.001〜0.02重量部導入して行うとよい。エーテル化反応の好ましい溶媒はペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びベンゼン等の低沸点脂肪族、脂環式族及び芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族化合物等の有機溶媒である。一方、重合体の末端をエステル基で封鎖する場合、エステル化に用いられる有機酸無水物としては、下記一般式(3)で表される有機酸無水物が挙げられる。
R5COOCOR6 (3)
(式中、R5及びR6は、各々独立にアルキル基を示す。R5及びR6は、同じであっても異なっていてもよい。)
【0027】
上記一般式(3)で表される有機酸無水物の中でも、無水プロピオン酸、無水安息香酸、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸等が好ましく、無水酢酸が特に好ましい。有機酸無水物は1種でもよいが2種以上を用いることも可能である。また、気相でエステル基封鎖を行う方法においては、重合体樹脂中にオニウム塩系重合触媒が残留していると、末端封鎖する際に、オニウム塩系重合触媒が重合体の分解反応を促進して安定化反応におけるポリマー収率を著しく低下すると共に、重合体を着色させるいう問題が特に顕著に現れることから、JP−A−11−92542記載の方法によってオニウム塩系重合触媒を除去した後に末端封鎖を行うことが特に好ましい。
【0028】
重合体の末端はエーテル基及び/又はエステル基で封鎖することにより、末端水酸基の濃度が1mol%以下に低減されることが好ましい。末端水酸基の濃度が1mol%より多いと熱安定性が損なわれ、本発明の樹脂組成物の成形体のウエルド性能や耐薬品性能なども充分発揮されないので好ましくない。より好ましくは末端水酸基の濃度は0.99mol%以下であり、さらに好ましくは0.98mol%以下であり、最も好ましくは0.97mol%以下である。
【0029】
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)を、数平均分子量が15000から1000000の範囲である高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)100重量部に対し、1〜500重量部の範囲で混合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物は、強化材を使用することなく機械的強度、特に曲げ弾性率を大幅に改良し、溶融物の流動性及び熱安定性に優れるために、外観にも優れた成形品を容易に成形することができる。
高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の分子構造は特に限定されるものではなく、オキシメチレン単独重合体樹脂(B−1)、オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)、オキシメチレンブロック共重合体樹脂(B−3)、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0030】
オキシメチレン単独重合体樹脂(B−1)とは、オキシメチレン基を主鎖に有し、重合体連鎖の両末端がエステル基又はエーテル基により封鎖された重合体を表し、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節剤を原料とし、公知のオニウム塩系重合触媒を用い、炭化水素等を溶媒として用いて、公知のスラリー法、例えばJP−B−47−6420やJP−B−47−10059に記載の重合方法で得ることができる。該オキシメチレン単独重合体樹脂(B−1)の製造に用いるオニウム塩系重合触媒、該重合体の末端をエーテル基で封鎖する方法、及び該重合体の末端をエステル基で封鎖する方法については、上記の低分子量オキシメチレン重合体(A)の製造方法に準拠した方法を用いることができる。
【0031】
オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)は、例えばUS−A−2998409等の従来公知の方法に準拠して製造される。オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)は、ホルムア
ルデヒド又はその3量体であるトリオキサン若しくは4量体であるテトラオキサン等の環状オリゴマーを主体モノマーとし、これと共重合しうるコモノマーとして、分子中に炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを有する環状エーテル化合物、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−プロパンジオールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキオカン、及び分子に分岐又は架橋構造を形成しうるモノ−又はジ−グリシジル化合物、から選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いて得られるものである。コモノマーの含有量を、メチレンオキシド単位に対する炭素数2以上のオキシアルキレン単位のモル比と定義すると、コモノマー含有率は0.1〜30mol%の範囲にあることが必要であり、好ましくは0.2〜5mol%、より好ましくは0.3〜2mol%、最も好ましくは0.3〜0.8mol%である。
【0032】
オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)の融点は、好ましくは150〜173℃、より好ましくは162〜171℃、最も好ましくは167〜171℃であり、コモノマー含有量によって調節することができる。
該オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)の製造においては、上記原料の他に公知の分子量調節剤、例えばアルキル基がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の低級脂肪族アルキル基である、ホルムアルデヒドのジアルキルアセタールとそのオリゴマー、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級脂肪族アルコール等、及び、公知の重合触媒、例えばルイス酸、特にホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン及びその錯化合物等又は塩の如き化合物;プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸;プロトン酸のエステル、特にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル;プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物;又はイソポリ酸、ヘテロポリ酸、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等を原料として用いて、バッチ式の攪拌機付き反応槽、及び連続式のコニーダー、二軸スクリュー式連続押し出し混練機、二軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押し出し混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサン等のための重合装置を使用して製造することができる。
【0033】
粗オキシメチレン共重合体に含まれる重合触媒の失活、及び失活後の粗オキシメチレン共重合体の末端安定化処理については、上述の低分子量オキシメチレン重合体(A)の製造方法に準拠した方法を用いることができる。
オキシメチレンブロック共重合体樹脂(B−3)とは、JP−A−3−79618に記載されたオキシメチレン単位の繰り返しからなる線状重合体であって、片末端がアルキレンオキシド化合物で封鎖されたポリアセタール重合体、及びJP−A−4−306215に記載されたポリオキシメチレンセグメント(a)とポリメチレンセグメント(b)から構成されるa−b、又はa−b−aポリアセタールブロック共重合体、及びこれらの混合物を表す。オキシメチレンブロック共重合体樹脂(B−3)は、それ単独で用いてもよく、また公知の潤滑剤を添加してもよい。添加し得る潤滑剤としては例えばアルコール、エーテル、アルコールのアルキレンオキシド付加物、カルボン酸のアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンオキシドの末端エーテル体、ポリアルキレンオキシドとカルボン酸のジエステル等のポリアルキレングリコール油、1,4−ブタンジオールラウレート、ジイソデシルアジペート等のジエステル油、液状の低分子量ポリオレフィン、ヒドロキシポリオレフィン等のポリオレフィン油、シリコーン油、フッ素油等が挙げられる。
【0034】
本発明において、高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)の数平均分子量は、150
00〜1000000の範囲であることが必要である。数平均分子量が15000より小さいと、成形品の機械物性、特に伸度が低下するため好ましくない。また、数平均分子量が1000000より大きいと、低分子量オキシメチレン重合体(A)との溶融粘性の差が大きく、両者を均一に混合するのが困難になる。好ましい数平均分子量は20000〜500000であり、より好ましくは30000〜200000である。
本発明において、高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)100重量部に対し、低分子量オキシメチレン重合体(A)を混合する割合は1〜500重量部である。この割合が1重量%より少ないと改質剤としての効果が少なく、500重量部より多いと成形品の機械物性、特に伸度が低下するため好ましくない。好ましい混合の割合は5〜300重量部であり、さらに好ましくは10〜200重量部であり、最も好ましくは10〜100重量部である。
【0035】
また、各々が数平均分子量が1000〜8000の範囲にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜2.5の範囲にあれば、異なる数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を有する2種以上の低分子量オキシメチレン重合体(A)を同時に高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)に混合して用いることもできる。
本発明の実施において、低分子量オキシメチレン重合体(A)と、高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)の混合の時期は特に限定されない。即ち、重合後、末端安定化処理後、ペレット造粒後、成形装置内での混合、その他のいずれの段階においても混合が可能である。また、低分子量オキシメチレン重合体(A)と、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)を予め混合してなるマスターバッチを、さらに低分子量オキシメチレン重合体(A)又は高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)と混合することにより、所定の混合の割合に調整する方法も用いることができる。
【0036】
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物において、低分子量オキシメチレン重合体(A)と高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)とは均一に混合されていることが必要である。混合の均一性は、該ポリオキシメチレン樹脂組成物の融解挙動を示差熱量計で解析し、融点のピークが単一ピークであることにより確認できる。
本発明において、低分子量オキシメチレン重合体(A)と高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)とを混合する場合は、あらかじめ重合触媒を失活させてから両者を混合してもよいし、また後述のように両者を粗重合体のままで混合してから重合触媒を失活させてもよい。
また本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する一つの方法として、並列に連結された少なくとも二基の連続塊状重合機と、これらに続く押出機からなる設備を用いて、低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体と高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ、続いて前記押出機によって該粗重合体に末端安定化処理を施しながら連続的に均一溶融混合を行うことにより、安定した品質の樹脂組成物を得ることができる。
【0037】
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造するもう1つの方法として、連続塊状重合機を用いて、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を、カチオン開始剤を重合触媒として用いて重合させ、次いで得られた重合生成物に、該カチオン開始剤を失活させない状態で、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を、得られる低分子量オキシメチレン重合体が高分子量ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して1〜500重量部となるように更に添加して重合を行うことによって、連続的にポリオキシメチレン樹脂組成物を製造する方法がある。ここで、初期に重合させたモノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤の量と、追添したモノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤の量との比率を変えることによって、低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体と高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体の比率を変えることができる。このときの重合設備としては、二基以上の連続塊状重合機を直列に連結して逐次的にモノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を追添することもできるし、一基の2軸スクリュー式押出混合機又は2軸パドル型連続混合機などのセルフクリーニング型押出混合機の途中からモノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を追添することも可能である。
【0038】
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造するさらにもう1つの方法として、直列又は並列に連結された二基以上のスラリー重合機と、これらに続く末端安定化設備と押出機とからなる一連の設備において、公知のオニウム塩系重合触媒を用い、炭化水素等を溶媒として、低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体及び高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ除去し、得られる重合体の不安定末端を封鎖し、続いて押出機によって連続的に均一溶融混合を行うことにより安定した品質の樹脂組成物を得ることができる。
【0039】
上記のように低分子量オキシメチレン重合体(A)と高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)を粗重合体の段階で混合すれば、これ以降の重合触媒の失活除去や末端安定化などの工程を重複して行う必要がなく、さらに低分子量オキシメチレン重合体(A)単体及び、高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)単体を押出機で処理する場合に比べて、設備にかかる負荷を低減できるので有利である。
本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)と高分子量のポリオキシメチレン樹脂(B)を混合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物に、1ppm〜10000ppmの範囲の結晶核剤を添加することによって、成形品の機械的強度及び、寸法精度はさらに大幅に改良される。核剤の種類は特に限定されるものではなく、アルミナ、タルク、マイカ、窒化ホウ素等の窒化物、ホウ酸化合物等の無機物等、従来公知の核剤を用いることができる。結晶核剤の添加量が1ppmより少ないと、結晶核剤による改善効果は確認されず、10000ppmよりも多いとポリオキシメチレン樹脂組成物の熱安定性が損なわれるため好ましくない。より好ましい結晶核剤の添加量は10〜5000ppm、さらに好ましくは50〜1000ppmである。
【0040】
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物には前記必須成分の他に所望に応じて通常用いられる公知の添加剤である酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素含有重合体又は化合物、ギ酸補足剤、耐候(光)安定剤、離型(潤滑)剤、補強剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、顔料、可塑剤、過酸化物分解剤、塩基性補助剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、充填剤等を配合することも可能である。更に本発明の組成物には、その物性を損なわない範囲で他の重合体を配合することも可能である。これらの配合剤の配合割合は適宜決めることができる。
【0041】
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等がある。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド及びこれらの共重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体、例えば、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0043】
また、アミノ置換基を有するホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む化合物の例としては、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’−トリフェニルメラミン、メレム、メロン、メラム、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、N,N,N’,N−テトラシアノエチルベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンシアヌレート、トリグアナミンシアヌレート、アンメリン、アセトグアナミン等である。これらのトリアジン誘導体は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
【0044】
ギ酸補足剤としては、上記のアミノ置換トリアジンやアミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの重縮合物、例えばメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物等を挙げることができる。他のギ酸補足剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩である。
【0045】
前記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリステン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグリセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、10−ヒドロキシ−8−オクタデカン酸、dl−エリスロ−9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸等が挙げられる。
【0046】
前記カルボン酸塩の具体的な例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリステン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウムである。
本発明においては、2種以上のギ酸補足剤を同時に添加してもよい。
耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系及びシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0047】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5’−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤の例としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
ヒンダードアミン系光安定剤の例としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α、α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
中でも好ましい耐候剤は、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。
【0050】
離型剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが好ましく使用される。
補強剤としては、無機フィラー、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維が挙げられる。また、導電材としては、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。
熱可塑性エラストマーの代表例としては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
【0051】
本発明で用いられる顔料は0〜5重量部の範囲で使用される。5重量部を超えると熱安定性が低下し好ましくない。顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられる。無機顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものを言い、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー等を言う。有機顔料とは縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系等の顔料である。
本発明のポリオキシメチレン樹脂用改質剤を用いた樹脂組成物は、強化材を使用することなく機械的強度を大幅に改良し、溶融物の流動性及び熱安定性が優れるために、外観も優れた成形品を従来公知の射出成形、押出成形、ブロー成形、又は加圧成形等の方法で容易に成形することができる。またこれらの成形後、切削加工することも可能である。
【0052】
かかる成形品は、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及びガイド等に代表される機構部品、 アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR(ビデオテープレコーダー)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及びデジタルカメラに代表されるカメラ、又はビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD(レーザーディスク)、MD(ミニディスク)、CD(コンパクトディスク)(CD−ROM、CD−R、CD−RWを含む)、DVD(デジタルビデオディスク)(DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM(ランダムアクセスメモリー)、DVD−オーディオを含む)、その他光ディスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器、携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品、 自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、 スイッチ類及びクリップ類の部品、更にシャープペンシルのペン先及びシャープペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台及び排水口及び排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部ロック機構及び商品排出機構部品、衣料用のコードストッパー、アジャスター及びボタン、散水用のノズル及び散水ホース接続ジョイント、階段手すり部及び床材の支持具である建築用品、使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器及び住宅設備機器に代表される工業部品として好適に使用できる。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の用語及び測定法は以下の通りである。
<数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)>
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール)装置(東ソー社製HLC−8120)を用い、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を低角度レーザー光散乱検出器で検出し、ポリオキシメチレン単分子重合体の標準サンプルから得られた検量線を用いて求めた。
<共重合成分の挿入量>
JP−A−6−34583に記載された方法によりプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定して、観測された所定のシグナルのピーク面積から、共重合成分の挿入量を定量した。メチレンオキシド単位に対するエチレンオキシド単位のモル比で示す。
<末端水酸基濃度>
あらかじめ精秤したサンプルを220℃の恒温槽中、2mmHgの減圧下で50分間加熱した後、冷却してサンプルを取り出し、サンプルの分解量と数平均分子量から、低分子量オキシメチレン重合体の全末端基に対する末端水酸基の濃度(mol%)を求めた。
【0054】
<融点(℃)>
示差熱量計(パーキンエルマー社製,DSC−2C)を用い、一旦200℃まで昇温し融解させた試料を100℃まで冷却し、再度2.5℃/分の速度にて昇温する過程で発生する発熱ピークのピークトップ温度を融点とした。
<曲げ弾性率>
東芝(株)製IS−80A射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間15秒、冷却時間25秒、金型温度70℃にて試験片を作成し、ASTMD790にしたがって測定した。
<結晶化度>
製造例の結晶化度:重合して得た5mgの試料を示差熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7)を用いて200℃で1分間保持した後、200℃/分の速度で70℃まで冷
却し、5℃/分の速度にて200℃まで昇温させる過程で発生する発熱ピークから融解熱ΔH(J/g)を求め、これと文献(1961 Journal of Research:Hoffman,Lauritzen)に記載された結晶化度100%の値(ΔHf=222J/g)とを用いて、以下の式により計算した。
結晶化度(%)=ΔH/ΔHf×100
実施例の結晶化度:上述の曲げ弾性率測定用試験片の中心部から削り出した10mgの樹脂を製造例の結晶化度と同様の機器を用いて5℃/分の速度にて200℃まで昇温させる過程で発生する融解熱から計算した。
【0055】
<ロックウエル硬度>
東芝(株)製IS−80A射出成形機を用いて48.0mmΦ×3.0mm、重量22.9×0.1gの円形の試験片を作成し、東洋精機(株)製ロックウエル試験機(型式:FR−1)を用いてASTMD786(Mスケール)にしたがって測定した。
<耐薬品性>
曲げ弾性率測定用試験片作成と全く同じ射出成形機、射出条件で試験片を作成した。成形完了後2mmHg以下に減圧し、100℃に設定した減圧乾燥機で5時間かけて試験片を乾燥しこのときの重量(W1)を測定した。次いでこの試験片を23℃に温度調節したアセトン又はクロロホルムを満たした容器中に浸漬し7日間保持した。浸漬処理後、試験片表面に付着した薬品を拭き取り、試験片の重量(W2)を測定した。これらの結果から次式に従い重量増加率(%)を求めた。
重量増加率(%)={(W2−W1)/W1}×100
この値が小さい程耐薬品性に優れる。
【0056】
<熱安定性>
試料をシリンダー温度240℃に設定した3オンス成形機で試験片を成形する際、試験片表面にシルバーストリークの発生するまでの限界滞留時間を示した。
<ウエルド強伸度保持率>
東芝(株)製IS−80A射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間15秒、冷却時間25秒、金型温度70℃にてゲートを両端に持つ、又はゲートを一端だけに持つ以外は同じ形状の試験片を作成し、ASTMD638に準じて引張強伸度を測定し次式に従いウエルド強伸度保持率(%)を求めた。
ウエルド強度保持率(%)=(ウエルド強度/非ウエルド強度)×100
ウエルド伸度保持率(%)=(ウエルド伸度/非ウエルド伸度)×100
それぞれの値が100%に近い程ウエルド強伸度保持性能が優れている。
<%、ppm>
特に断らない限り、全て重量基準である。
【0057】
製造例1
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸パドル型連続重合機(スクリュー径3インチ、L/D=10)を80℃に調整し、12kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン414g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.042モル)と、分子量調節剤として純度98%、ギ酸メチル含有量が1.1%のメチラール313g/Hrとを連続的に添加した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液39.6g/Hrを連続的に添加し重合を行った。連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は86%であった。ろ過後のオキシメチレン共重合体100重量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。この乾燥後のオキシメチレン共重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体100重量部に対して水を0.5重量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部から冷水浴中に押出してフレーク状の低分子量オキシメチレン共重合体を得た。
得られた低分子量オキシメチレン共重合体の、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を表1にまとめて示す。
【0058】
製造例2〜13
製造例2〜7としては、重合に用いる分子量調節剤の量を表1に示すように変えて製造例1と同様の実験を行った。製造例8としては、重合触媒として、三フッ化ホウ素がトリオキサン1モルに対して2.0×10−4モルであるほかは製造例1と同様の実験を行った。製造例9〜13としては、1,3−ジオキソランの量と分子量調節剤の量を表1に示すように変えて製造例1と同様の実験を行った。結果を表1にまとめて示す。
製造例14〜16
製造例14〜16としては、コモノマーとして1,4−ブタンジオールホルマールを使用し、分子量調節剤の量を表1に示すように変えて製造例1と同様の実験を行った。結果を表1にまとめて示す。
【0059】
製造例17
熱媒を通すことができるジャケット付きの2枚の攪拌羽根を有する5リットル容ニーダーを常圧下で80℃に調整し、2kgのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン69g(トリオキサン1モルに対して0.042モル)と、分子量調節剤としてメチラール52.2gとを添加し、混合した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液6.6gを添加し重合を行った。30分間重合反応を行った後、ニーダーへトリブチルアミンの0.1%水溶液を2L加えて触媒を失活させ、反応を停止した。ニーダーの内容物を濾取し、洗浄後乾燥して求めた粗収率は87%であった。得られたオキシメチレン共重合体100重量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調節は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。この乾燥後のオキシメチレン共重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体100重量部に対して水を0.5重量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部から冷水浴中に押出してフレーク状の低分子量オキシメチレン共重合体を得た。
得られた低分子量オキシメチレン共重合体の、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を表1にまとめて示す。
【0060】
製造例18
重合に用いる分子量調節剤の量と重合触媒の使用量を表1に示すように変えて製造例17と同様の実験を行った。結果を表1にまとめて示す。分子量調節剤の量が少ないと、製造例17に比べて分子量分布(Mw/Mn)が改良される傾向にある。製造例17に比べて重合系がより均一であるためと推測される。
製造例19
熱媒を通すことができるジャケット付きの5Lのタンクに脱水したホルムアルデヒドガス600g/hr、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.0011mol/hr、分子量調節剤として無水酢酸40.8g/hrを連続的にフィードしながら、58℃で重合を行った。得られた粗重合物をヘキサンと無水酢酸の1対1混合物中で140℃×2時間反応させることにより分子末端をアセチル化した。反応後のポリマーを濾取し、2mmHg以下に減圧し、80℃に設定した減圧乾燥機で3時間かけて乾燥を行った。得られた低分子量オキシメチレン重合体の全末端基に対する末端水酸基濃度は0.5mol%であった。さらに数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価して表1にまとめて示す。
【0061】
製造例20〜24
製造例20〜24は重合に用いる分子量調節剤の量を表1に示すように変えて製造例19と同様の実験を行った。結果を表1にまとめて示す。
実施例1〜3
製造例1によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、それぞれ10重量部、30重量部、及び50重量部の割合で加え、210℃に設定されたL/D=25のベント付き二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、吐出量5kg/hrの条件下で溶融混練して樹脂組成物をペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性を測定した。また、熱安定性も測定した。結果を表2にまとめて示す。
【0062】
実施例4〜5
製造例1によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、製造例7によって得た数平均分子量が200000のオキシメチレン共重合体樹脂100重量部に対し、それぞれ100重量部及び400重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
実施例6
製造例1によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が40000の市販のオキシメチレン単独重合体樹脂(テナック5010:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
実施例7〜8
製造例3及び4によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が50000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック4520:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、それぞれ30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0063】
実施例9
数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、製造例1によって得た低分子量ポリオキシメチレンを30重量部、結晶核剤として窒化ホウ素を500ppm加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
実施例10
数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、製造例15によって得た低分子量ポリオキシメチレンを10重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
実施例11
数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、製造例9によって得た低分子量ポリオキシメチレンを30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0064】
実施例12〜14
製造例9及び製造例11及び製造例1によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、製造例10によって得た、融点が169.5℃であり数平均分子量が82000のオキシメチレン共重合体樹脂100重量部に対し、それぞれ30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例1〜3
製造例2及び製造例5及び製造例17によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が50000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック4520:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、それぞれ30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例4〜7
市販のオキシメチレン重合体樹脂(テナック3510、4520、5010:旭化成工業(株)製)及び製造例7によって得た数平均分子量が200000のオキシメチレン共重合体樹脂のペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、及びウエルド特性を測定した。また、熱安定性も測定した。結果を表2にまとめて示す。
【0065】
比較例8
市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)に対し、結晶核剤として窒化硼素500ppmのみを加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例9
製造例12によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例10
製造例14によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、10重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0066】
比較例11
市販のタルク(日本タルク(株)、MSタルク)を、数平均分子量が50000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック4520:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、25重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例12
製造例10によって得たオキシメチレン共重合体樹脂のペレットを80℃で3時間乾燥
した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性を測定した。また、熱安定性も測定した。結果を表2にまとめて示す。
実施例15
製造例21によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が55000の市販のオキシメチレン単独重合体樹脂(テナック2010:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、44重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0067】
実施例16〜18
製造例19、製造例21及び製造例22によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が55000の市販のオキシメチレン単独重合体樹脂(テナック2010:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、それぞれ44重量部の割合で加え、さらにホルムアルデヒド反応性窒素化合物としてアクリルアミドをそれぞれ1重量部ずつ加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
実施例19〜21
製造例21によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、製造例24によって得た数平均分子量が100000のポリオキシメチレン、及び数平均分子量が70000の市販のオキシメチレン共重合体樹脂(テナック3510:旭化成工業(株)製)、及び数平均分子量が34000の市販のオキシメチレンブロック共重合体樹脂(テナックLA541:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、それぞれ44重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0068】
実施例22
製造例13によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、製造例10によって得た、融点が169.5℃であり数平均分子量が82000のオキシメチレン共重合体樹脂100重量部に対し、30重量部の割合で加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
比較例13〜14
製造例20及び製造例23によって得た低分子量ポリオキシメチレンを、数平均分子量が55000の市販のオキシメチレン単独重合体樹脂(テナック2010:旭化成工業(株)製)100重量部に対し、44重量部の割合で加え、さらにホルムアルデヒド反応性窒素化合物としてアクリルアミドをそれぞれ1重量部ずつ加えたほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0069】
実施例23
熱媒を通すことができる2基のジャケット付きの2軸パドル型連続重合機(スクリュー径3インチ、L/D=10)をそれぞれ80℃に調整し、1方の重合機では12kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン143g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール14g/Hrとを連続的に添加した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液39.6g/Hrを連続的に添加し重合を行った。連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は85%であった。この粗重合体はさらに製造例1と同様の方法で末端安定化処理を行い、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
【0070】
同時にもう1方の重合機では5.2kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン62g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール136g/Hrとを連続的に添加した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液17.2g/Hrを連続的に添加し重合を行った。連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は84%であった。この粗重合体はさらに製造例1と同様の方法で末端安定化処理を行い、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
【0071】
個々の重合機での粗収率を評価した後、これら2基の連続重合機から排出されるオキシメチレン共重合体を、攪拌装置付きの浴槽中でトリエチルアミン0.1%水溶液中とともに攪拌混合し、重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体の混合物を遠心分離機でろ過した。ろ過後のオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調整は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。この乾燥後のオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して水を0.5重量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共重合体の混合物はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部より冷水浴中に押出してペレット化した。このペレット100重量部にさらに、ジステアリン酸カルシウムを0.1重量部、ジパルミチン酸カルシウムを0.05重量部、ナイロン66を0.05重量部、エチレングリコールジステアレートを0.025重量部、エチレングリコールジパルミテートを0.005重量部混合し、ベント付き単軸押出機で溶融混錬することにより、最終のペレットを得た。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性及び、熱安定性を評価した。これらの結果を表3にまとめて示す。
【0072】
実施例24
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸パドル型連続重合機(スクリュー径3インチ、L/D=10)を80℃に調整し、12kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン143g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール14g/Hrとを連続的に添加した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液39.6g/Hrを連続的に添加し重合を行った。重合反応開始後、重合機の中央(原料投入口からL/D=5の距離)に設けた原料追添口から5.2kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン62g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール136g/Hrとを連続的に追添して重合を行った。
【0073】
連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は88%であった。ろ過後のオキシメチレン共重合体100重量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調整は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。この乾燥後のオキシメチレン共重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体100重量部に対して水を0.5重量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部より冷水浴中に押出してペレット化した。このペレット100重量部にさらに、ジステアリン酸カルシウムを0.1重量部、ジパルミチン酸カルシウムを0.05重量部、ナイロン66を0.05重量部、エチレングリコールジステアレートを0.025重量部、エチレングリコールジパルミテートを0.005重量部混合し、ベント付き単軸押出機で溶融混錬することにより、最終のペレットを得た。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性及び熱安定性を評価した。またペレットから数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)も評価した。これらの結果を表3にまとめて示す。
【0074】
実施例25
熱媒を通すことができる2基のジャケット付きの2軸パドル型連続重合機(スクリュー径3インチ、L/D=10)をそれぞれ80℃に調整し、1方の重合機では12kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン143g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール13.5g/Hr及び、下記式で表される23℃、1気圧下で液状の、両末端がヒドロキシエチル化された水素添加ポリブタジエン12g/Hrとを連続的に添加した。
(式中、m=80mol%、n=20mol%、nはmに対してランダムに存在する。数平均分子量は2390、ヨウ素価18g−I2/100g、Mw/Mn=1.5)
【0075】
さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液39.6g/Hrを連続的に添加し重合を行った。連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は86%であった。この粗重合体はさらに製造例1と同様の方法で末端安定化処理を行い、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
【0076】
同時にもう1方の重合機では5.2kg/Hrのトリオキサンと、コモノマーとして1,3−ジオキソラン62g/Hr(トリオキサン1モルに対して0.014モル)と、分子量調節剤としてメチラール136g/Hrとを連続的に添加した。さらに、重合触媒として、三フッ化ホウ素が、トリオキサン1モルに対して1.5×10−5モルになるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート1重量%のシクロヘキサン溶液17.2g/Hrを連続的に添加し重合を行った。連続重合機から排出されたオキシメチレン共重合体をトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体を遠心分離機でろ過した。ここでの粗収率は84%であった。この粗重合体はさらに製造例1と同様の方法で末端安定化処理を行い、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
【0077】
個々の重合機での粗収率を評価した後、これら2基の連続重合機から排出されるオキシメチレン共重合体を、攪拌装置付きの浴槽中でトリエチルアミン0.1%水溶液中とともに攪拌混合し重合触媒を失活させた。失活されたオキシメチレン共重合体の混合物を遠心分離機でろ過した。ろ過後のオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調整は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。この乾燥後のオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体の混合物100重量部に対して水を0.5重量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共重合体の混合物はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部より冷水浴中に押出してペレット化した。このペレット100重量部にさらに、ジステアリン酸カルシウムを0.1重量部、ジパルミチン酸カルシウムを0.05重量部、ナイロン66を0.05重量部、エチレングリコールジステアレートを0.025重量部、エチレングリコールジパルミテートを0.005重量部混合し、ベント付き単軸押出機で溶融混錬することにより、最終のペレットを得た。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性及び、熱安定性を評価した。これらの結果を表3にまとめて示す。
【0078】
実施例26
熱媒を通すことができる2基のジャケット付きの5Lのタンク重合機のうち1方に、脱水したホルムアルデヒドガス600g/hr、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.0011mol/hr、分子量調節剤として無水酢酸0.6g/hrを連続的にフィードしながら、58℃で重合を行った。ここでの粗収率は80%であった。この粗重合体はさらに製造例18と同様の方法で末端安定化処理を行い、数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
同時にもう1方の重合機では脱水したホルムアルデヒドガス260g/hr、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.0005mol/hr、分子量調節剤として無水酢酸17.5g/hrを連続的にフィードしながら、58℃で重合を行った。ここでの粗収率は82%であった。この粗重合体はさらに製造例17と同様の方法で末端安定化処理を行い数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を評価した。
【0079】
個々の重合機での粗収率を評価した後、これら2基の重合機から排出されるオキシメチレン重合体を、攪拌装置付きの浴槽中でヘキサンと無水酢酸の1対1混合物とともに攪拌混合しながら140℃×2時間反応させることで分子末端をアセチル化した。反応後のポリマーを濾取し2mmHg以下に減圧し、80℃に設定した減圧乾燥機で3時間かけて乾燥を行った。これを210℃に設定したL/D=25のベント付き二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、吐出量5kg/hrの条件下で溶融混練して樹脂組成物をペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性を測定した。また、熱安定性も測定した。結果を表2にまとめて示す。
【0080】
実施例27
熱媒を通すことができる2基のジャケット付きの5Lのタンク重合機を直列に接続し、前段の重合機に脱水したホルムアルデヒドガス600g/hr、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.0011mol/hr、分子量調節剤として無水酢酸0.6g/hrを連続的にフィードしながら、58℃で重合を行った。ここでの粗重合体を後段の重合機に連続的に移送しながら、後段の重合機で脱水したホルムアルデヒドガス260g/hr、触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート0.0005mol/hr、分子量調節剤として無水酢酸17.5g/hrを連続的に追添フィードしながら、58℃で重合を行った。後段の重合機から排出されたオキシメチレン重合体は、攪拌装置付きの浴槽中でヘキサンと無水酢酸の1対1混合物とともに攪拌混合しながら140℃×2時間反応させることにより分子末端をアセチル化した。反応後のポリマーを濾取し、2mmHg以下に減圧し、80℃に設定した減圧乾燥機で3時間かけて乾燥を行った。トータルの収率は81%であった。これを210℃に設定したL/D=25のベント付き二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、吐出量5kg/hrの条件下で溶融混練して樹脂組成物をペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥した後、樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ弾性率、ロックウエル硬度、耐薬品性、ウエルド特性を測定した。また、熱安定性も測定した。結果を表2にまとめて示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、強化材を使用することなく機械的物性を大幅に改良し、溶融物の流動性及び熱安定性が優れるためにシルバーストリークの発生するまでの限界滞留時間が長く、外観に優れた成形品を容易に成形することができ、成形品のウエルド特性やそり性を損なうことがなく、さらには成形品のロックウエル硬度や耐薬品性に関しても驚くべき改善効果を有するオキシメチレン重合体樹脂組成物を提供する。
【0085】
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の低分子量オキシメチレン重合体のコモノマー含有率と融点との関係を示す。線分HIは、本発明の低分子量オキシメチレン重合体(A)と同じ種類及び含有率のコモノマーを有し、且つ同じ製造方法で製造された数平均分子量が30000〜100000のオキシメチレン重合体(C)の、コモノマー含有率に対する融点を表している。線分DGは線分HIを縦軸方向に0.005℃だけ低融点側に平行移動させたものであり、線分EFは線分HIを縦軸方向に30℃だけ低融点側に平行移動させたものである。本発明において好ましい範囲がDEFGで囲まれた領域内に存在する。
Claims (11)
- 直鎖状であり、数平均分子量が1000〜8000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0であり、0〜30mol%のコモノマー成分を含有する低分子量オキシメチレン重合体。
- コモノマー成分含有率が0〜0.8mol%である請求項1記載の低分子量オキシメチレン重合体。
- モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物、及び該モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物の1kg当たり0.1〜1モルの分子量調節剤を原料とし、該原料1mol当たり0.00001〜0.0001molのカチオン開始剤を重合触媒として用いて連続塊状重合反応によって製造される請求項1又は2記載の低分子量オキシメチレン重合体。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の低分子量オキシメチレン重合体(A)1〜500重量部、及びオキシメチレン単独重合体樹脂(B−1)、オキシメチレン共重合体樹脂(B−2)、オキシメチレンブロック共重合体樹脂(B−3)及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、数平均分子量が15000〜1000000である高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)100重量部を含むポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記低分子量オキシメチレン重合体(A)の含有量が10〜100重量部である請求項4記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)が、167〜171℃の融点を有するオキシメチレン共重合体樹脂(B−2)である請求項4又は5記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記ポリオキシメチレン樹脂組成物が1ppm〜10000ppmの結晶核剤を含有する、請求項4〜6のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 並列に連結された少なくとも二基の連続塊状重合機と、これらに続く押出機からなる設備を用いて、低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体と高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ、続いて前記押出機によって該粗重合体に末端安定化処理を施しながら連続的に均一溶融混合を行う工程を含む、請求項4〜7のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に
製造する方法。 - 一基又は直列に連結された少なくとも二基の連続塊状重合機を用いて、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物及び分子量調節剤を、カチオン開始剤を重合触媒として用いて重合させ、次いで得られた重合生成物に、該カチオン開始剤を失活させない状態で、モノマー又はモノマーとコモノマーの混合物、及び分子量調節剤を、得られる低分子量オキシメチレン重合体が高分子量ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して1〜500重量部となるように更に添加して重合を行うことを含む、請求項4〜7のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する方法。
- 直列又は並列に連結された少なくとも二基のスラリー重合機と、これらに続く末端安定化装置と、押出機とからなる一連の設備において、ホルムアルデヒド及び分子量調節剤を原料とし、オニウム塩系重合触媒を用いて低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体及び高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体を別々の上記重合機で同時に製造し、高分子量ポリオキシメチレン樹脂(B)の粗重合体100重量部と低分子量オキシメチレン重合体(A)の粗重合体1〜500重量部とを配合しながら重合触媒を失活させ除去し、得られる重合体の不安定末端を封鎖し、続いて押出機によって連続的に均一溶融混合を行う工程を含む、請求項4〜7のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を連続的に製造する方法。
- 請求項4〜7のいずれか一項記載のポリオキシメチレン樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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