JP4554034B2 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に膵胆管系の内視鏡検査や内視鏡下手術において、内視鏡のチャンネル内に挿通されて体内に挿入される処置具の挿入動作をガイドする医療用ガイドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、患者の消化管系及び膵胆管系内にある疾患を内視鏡を用いて処置する内視鏡的処置が増えてきている。現在の内視鏡を用いた膵胆管系の処置には、内視鏡的に胆管や膵管を造影する診断的処置のほかに、例えば総胆管などに存在する胆石をバルーンや把持鉗子により回収するような治療的処置などもある。
【0003】
そして、内視鏡を用いて膵管や、胆管や、肝管などの内視鏡的処置を行なうに際しては、通常、内視鏡の挿入部の先端部を十二指腸乳頭付近まで挿入し、そこからX線透視下でガイドワイヤをガイドにしてカテーテルなどの処置具を膵管や胆管に選択的に挿入することが一般に行われている。
【0004】
具体的には、次のような作業が行なわれる。まず、予め、図34(A),(B)に示す内視鏡aの挿入部bの先端部cを十二指腸乳頭付近まで挿入したのち、この内視鏡aの処置具挿通用チャンネルにカテーテルdを挿入し、カテーテルdの先端部d1を経内視鏡的に膵管もしくは胆管内に挿入する。次に、挿入されたカテーテルdの基端側の口金d2からガイドワイヤeを挿入する。
【0005】
その後、X線下で、ガイドワイヤeが膵管もしくは胆管内まで正しく挿入されていることを確認し、図34(A)に示すようにガイドワイヤeの基端側を手で把持しつつカテーテルdを内視鏡aの処置具挿通用チャンネルから引抜く操作を行なう。この操作中、図34(B)に示すようにカテーテルdの先端部d1が内視鏡aの操作部f側の鉗子口gより出てきたら、内視鏡aの鉗子口gの付近のガイドワイヤeを把持してカテーテルdを完全に内視鏡aから引抜く。
【0006】
次に、ガイドワイヤeの基端側を別の処置具の挿通孔内に挿入し、このガイドワイヤeに案内させる状態で、別の処置具を内視鏡aの処置具挿通用チャンネルに挿入する。以後、処置具の交換回数だけ上述の内容の作業を繰り返す。
【0007】
これらの処置に用いるカテーテルdなどの処置具は内視鏡aの挿入部bの長さを考慮して190cm以上の長さがあるのが一般的である。さらに、上記手順の処置具の交換作業を行なうためには、図34(A)に示すようにガイドワイヤeの先端部を内視鏡aの処置具挿通用チャンネルから所定の長さ突出させた状態(例えばガイドワイヤeの先端を膵管もしくは胆管内まで挿入させた状態)で、内視鏡aの操作部f側の鉗子口gから外部側に延出される延出部分のガイドワイヤeの長さL1は、カテーテルdの長さ以上の長さが必要になる。そのため、ガイドワイヤeの全体の長さは、内視鏡aの挿入部bの長さとカテーテルdなどの処置具の長さを合わせた長さ以上が必要となるので、少なくとも400cm程度、必要であった。
【0008】
また、従来のガイドワイヤeは、一般的には金属製の芯金をプラスチック材料で被覆してある構成になっている。さらに、内視鏡aの挿入部bの先端部に配設された鉗子起上台に対して接離する方向に移動可能なガイドワイヤ固定具を設け、このガイドワイヤ固定具と鉗子起上台との間でガイドワイヤeをはさみ込んでガイドワイヤeを内視鏡aの挿入部bの先端部に固定するガイドワイヤ固定機構を設けることにより、ガイドワイヤeの全体の長さを内視鏡aの挿入部bの長さと略同じ長さ程度に短くすることが考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内視鏡aを用いて膵胆管系を観察/処置する際に、内視鏡aの処置具挿通用チャンネルにカテーテルdなどの処置具を挿通して使用する場合には、ガイドワイヤeは処置具の内部に挿入されている。そのため、内視鏡aに対して処置具を移動すると、ガイドワイヤeも同時に移動してしまうので、例えばガイドワイヤeの先端が乳頭に挿入された状態で、ガイドワイヤeをガイドに処置具を交換する場合には、ガイドワイヤeの先端が乳頭に挿入された状態を保つために内視鏡aの操作部f側で常にガイドワイヤeを把持している必要がある。
【0010】
さらに、従来構成の内視鏡aの使用中に、処置具を交換する作業時には内視鏡aの処置具挿通用チャンネルに対して処置具を引抜きながら、同じ移動量だけガイドワイヤeを挿入する、或いは同様に処置具挿通用チャンネルに処置具を挿入しながら、同じ移動量だけガイドワイヤeを引抜くという2つの動作を同時に行う必要が有るので、その操作が複雑かつ面倒である。
【0011】
加えて、ガイドワイヤeの長さは400cm程度もあるため、狭い内視鏡室内でガイドワイヤeが床などの不潔領域に接しないように取り回すことは難しい作業になっている。また、処置具はガイドワイヤeの全長分移動させなければ交換作業を行なうことができないので、処置具の交換自体にかかる時間も長くなる可能性がある。したがって、内視鏡用処置具を交換する作業時には、多くの時間がかかってしまう難点がある。
【0012】
さらに、内視鏡用処置具を交換する作業を行なう際には手術室に少なくとも2人の補助者が必要である。そのため、人的コストが多く、病院や、患者への金銭的負担が大きくなるという問題も発生する。
【0013】
また、従来のガイドワイヤeは、一般的には芯金をプラスチック材料で被覆してある構成になっているので、ガイドワイヤをガイドにしてカテーテルなどの処置具を挿脱する作業を行なう際に、カテーテルdなどの処置具が滑りやすい。そのため、内視鏡aのガイドワイヤ固定機構によってガイドワイヤ固定具と鉗子起上台との間でガイドワイヤeをはさみ込んでガイドワイヤeを内視鏡aの挿入部bの先端部に固定する場合には、ガイドワイヤ固定具と鉗子起上台との間でガイドワイヤeが滑りやすいので、従来のガイドワイヤ固定機構によるガイドワイヤeの固定強度は比較的小さくなっている。その結果、従来のガイドワイヤ固定機構によってガイドワイヤeをガイドワイヤ固定具と鉗子起上台との間で確実に固定することは難しい問題がある。
【0014】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、内視鏡の挿入部の先端に設けられた鉗子起上台とガイドワイヤ固定具とで構成されているガイドワイヤ固定機構によってガイドワイヤを確実に固定させることができ、内視鏡用処置具を迅速かつ容易に交換することができる医療用ガイドワイヤを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内視鏡のチャンネル内に挿通されて体内に挿入される処置具の挿入動作をガイドするガイドワイヤ本体を備えた医療用ガイドワイヤにおいて、前記内視鏡のチャンネルの先端開口部に設けられた、一端が回動自在に連結された起上台と、前記先端開口部に配設され、前記ガイドワイヤ本体を挿通可能なガイドワイヤ挿通溝を有するガイドワイヤ固定具との間で前記ガイドワイヤ本体が挟み付けられて係脱可能に係止された際に、前記ガイドワイヤ固定具に係脱可能に係合させて前記ガイドワイヤ固定具との係合を補助する係合補助部を前記ガイドワイヤ本体の先端部側に設けたことを特徴とする医療用ガイドワイヤである。
請求項2の発明は、前記係合補助部は、前記ガイドワイヤの変形により形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項3の発明は、前記係合補助部は、ガイドワイヤ自体をプリシェープすることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項4の発明は、前記係合補助部は、ガイドワイヤの形状を変化させた異形部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項5の発明は、前記異形部分は、ガイドワイヤの外径寸法を変化させて段差を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項6の発明は、前記異形部分は、ガイドワイヤの断面形状を変化させて段差を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項7の発明は、前記係合補助部は、高摩擦を生ずる部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項8の発明は、前記係合補助部は、柔軟な部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項9の発明は、前記係合補助部は、磁石の吸着力を有した部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項10の発明は、前記係合補助部は、その位置が内視鏡視野内で識別可能なマーキングを設けたことを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤである。
請求項11の発明は、前記マーキングは、X線で識別可能なことを特徴とする請求項10に記載の医療用ガイドワイヤである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1を内視鏡2と組み合わせて使用する状態を示すものである。ここで、内視鏡2には体腔内に挿入される細長い挿入部3と、この挿入部3の基端部に連結された手元側の操作部4と、この操作部4に基端部が連結された図示しないユニバーサルコードとが設けられている。さらに、挿入部3には可撓性を備えた細長い可撓管部5と、この可撓管部5の先端に連結された湾曲部6と、挿入部3の最先端位置に配置された先端部7とからなる各構成部分が設けられている。なお、内視鏡2は挿入部3の軸方向に対して略直交する方向を観察する側視型の内視鏡2が使用されている。
【0017】
この側視型の内視鏡2には図2(A)〜(D)に示すように挿入部3の先端部7の外周面を切欠させた略平面状の側視用基準面8が形成されている。この側視用基準面8には照明光学系の照明窓9と観察光学系の観察窓10とが前後方向に並設されている。さらに、側視用基準面8における照明窓10と観察窓9との並設部の横には鉗子口11が配設されている。この鉗子口11は内視鏡2の挿入部3の内部に配設された処置具挿通用案内路としての処置具挿通用チャンネル12の先端開口部を構成するものである。
【0018】
さらに、手元側の操作部4には処置具挿通用チャンネル12の基端部に連通する処置具挿入部13が配設されている。そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1や、このガイドワイヤ1を挿通可能なガイドワイヤルーメンを備えた既存の造影チューブなどのカテーテル14や、その他の内視鏡用処置具が適宜、選択的に手元側の操作部4の処置具挿入部13から処置具挿通用チャンネル12内に挿入され、この処置具挿通用チャンネル12内を通して挿入部3の先端部7側に導かれたのち、先端部7の鉗子口11から外部側に突出されるようになっている。
【0019】
また、内視鏡2の先端部7の鉗子口11には鉗子起上台15が配設されている。この鉗子起上台15の一端部は回動軸16を介して先端部7の本体に回動自在に連結されている。
【0020】
さらに、鉗子起上台15の他端部には図示しない可撓性の操作ワイヤの一端部が固定されている。この操作ワイヤの他端部は操作部4側に延出されている。この操作部4には湾曲部6を任意の方向に湾曲操作するための湾曲操作ノブ17と、鉗子起上台15を起上操作するための鉗子起上台操作レバー18とが設けられている。そして、操作部4に配設された鉗子起上台操作レバー18の操作に連動して操作ワイヤが牽引操作され、この操作ワイヤの動作によって鉗子起上台15が回動軸16を中心に回動駆動されるようになっている。このとき、鉗子起上台15は図2(A),(B)に示す待機位置(倒置位置)から図2(C),(D)に示す最大回動位置(起上位置)まで回動され、この鉗子起上台15の回動動作により、鉗子口11から外部に延出される本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1や、カテーテル14などの内視鏡用処置具の起上および倒置の各動作を観察窓10の視野内で行うように構成されている。
【0021】
また、側視型の内視鏡2には挿入部3の先端部7の近傍にガイドワイヤ固定具19が装着されている。このガイドワイヤ固定具19には先端部側に処置具受部20が形成されている。そして、この処置具受部20によってガイドワイヤ1以外の処置具を受け止めるようになっている。
【0022】
さらに、この処置具受部20の中央部位には先端側が開口した幅約1mmのガイドワイヤ挿通溝21が形成されている。このガイドワイヤ挿通溝21にはガイドワイヤ1が挿通されるようになっている。
【0023】
また、ガイドワイヤ挿通溝21の終端部にはガイドワイヤ固定部22が配設されている。そして、ガイドワイヤ1以外の処置具は、鉗子起上台15の操作によって従来通り、起上や、進退などの操作が可能であり、ガイドワイヤ1のみが鉗子起上台15の操作によってガイドワイヤ固定具19のガイドワイヤ挿通溝21内に挿入され、このガイドワイヤ挿通溝21の終端位置で鉗子起上台15とガイドワイヤ固定部22との間で挟まれて係止される状態で固定されるようになっている。これにより、鉗子起上台15とガイドワイヤ固定具19のガイドワイヤ固定部22とによってガイドワイヤ1の先端部を挟み付けて係脱可能に係止するガイドワイヤ固定機構23が形成されている。
【0024】
また、図3は本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1を示すものである。本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1には図4(A),(B)に示すようにこのガイドワイヤ1の軸心部に配設された細長い芯材24と、この芯材24を囲むガイドワイヤシース25とが設けられている。
【0025】
ここで、芯材24の先端部には先細り部24aが形成されている。さらに、芯材24の先端部にはX線マーカー26が装着されている。このX線マーカー26は例えばプラチナ、金、銀、パラジウム、タンタル、タングステンなどのX線を透過しないX線不透過性の材料のワイヤを芯材24の先端の先細り部24aに密巻コイル状に巻装させて形成されている。
【0026】
また、ガイドワイヤシース25は例えばフッ素樹脂や、ポリエチレン、ポリウレタンなどのプラスチック材料によって形成されている。そして、このガイドワイヤシース25の先端部は例えば接着剤などの接続部27を介して芯材24の先端部に接着固定されている。
【0027】
さらに、ガイドワイヤシース25の先端部には接続部27よりも後方位置に軸方向に長い複数、本実施の形態では4つの長穴状のスリット28が図2(B)に示すように周方向に沿って等間隔に配置されている。そして、各スリット28間には弾性変形可能な帯状部分29が形成されている。
【0028】
ここで、各スリット28間の4つの帯状部分29の内周面は芯材24には接着されていない状態で保持されている。そのため、ガイドワイヤシース25に対して芯材24の基端部を手元側に引っ張り操作することにより、図5(A),(B)に示すようにガイドワイヤシース25の各スリット28間の4つの帯状部分29が外向きに膨出され、略マッシュルーム状に拡開されるようになっている。そして、本実施の形態では図6に示すようにガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1の本体の先端部が挟み付けられて係脱可能に係止された際に、ガイドワイヤシース25の各スリット28間の4つの帯状部分29を略マッシュルーム状に拡開させることにより、これらの略マッシュルーム状に拡開される4つの帯状部分29を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助する係合補助部30が形成されている。
【0029】
また、この係合補助部30における4つの帯状部分29が略マッシュルーム状に拡開された際の中心位置とガイドワイヤ1の先端との間の距離K1は例えば20〜200mm程度に設定されている。さらに、この係合補助部30の4つの帯状部分29がガイドワイヤシース25の外周面から外側に拡張される拡張部の長さK2は1mm程度に設定されている。
【0030】
なお、ガイドワイヤ1の芯材24は、単線のワイヤに限定されるものではなく、撚り線、或いは密巻コイルなどによって形成されたものでもよい。さらに、このガイドワイヤ1の芯材24の長さは例えば230cm程度、ワイヤ径は、直径が例えば0.9mm程度に設定されている。
【0031】
次に、上記構成の作用について説明する。まず、内視鏡2の使用時に、カテーテル14などの内視鏡用処置具を内視鏡2の操作部4側の処置具挿通用チャンネル12に挿入して使用する場合には、カテーテル14の先端部を内視鏡2における挿入部3の先端部7の鉗子口11から突出させる。このとき、鉗子起上台15が図2(A),(B)に示す待機位置(倒置位置)で保持されている場合にはカテーテル14の先端部は自由に移動可能な位置で保持される。
【0032】
この状態で、内視鏡2の操作部4の鉗子起上台操作レバー18を操作することにより、挿入部3の先端部7の鉗子起上台15が起上操作される。そして、この操作にともない鉗子起上台15によってカテーテル14の先端部が鉗子起上方向に押し出され、カテーテル14の起上動作が通常の通り、行なわれる。
【0033】
また、図2(A),(B)に示すように内視鏡2の鉗子口11からガイドワイヤ1の先端部が導出された状態で、内視鏡2の操作部4の鉗子起上台操作レバー18が操作され、鉗子起上台15が起上操作された場合には鉗子起上台15が起上操作される動作にともない、ガイドワイヤ1はガイドワイヤ固定具19の処置具受部20のガイドワイヤ挿通溝21内に挿入される。そして、鉗子起上台15が図2(C),(D)に示す最大回動位置(起上位置)まで回動されると、ガイドワイヤ挿通溝21の終端位置で鉗子起上台15からの押圧力によってガイドワイヤ1がガイドワイヤ固定具19のガイドワイヤ固定部22に圧接される。このとき、ガイドワイヤ1は鉗子起上台15とガイドワイヤ固定部22との間で挟まれて係止される状態で固定される。
【0034】
さらに、本実施の形態ではガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1の本体の先端部が挟み付けられて係脱可能に係止された際に、ガイドワイヤシース25に対して芯材24の基端部を手元側に引っ張り操作することにより、図6に示すようにガイドワイヤシース25の各スリット28間の4つの帯状部分29を略マッシュルーム状に拡開させ、係合補助部30が形成される。これにより、これらの略マッシュルーム状に拡開される4つの帯状部分29が内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合されてガイドワイヤ固定機構23との係合が補助される。
【0035】
また、内視鏡2の使用時には、カテーテル14などの処置具を経乳頭的に膵/胆管(図示せず)へ挿入した後、上記カテーテル14の交換作業は次の通り行なわれる。まず、カテーテル14の基端側にある口金14aより本実施の形態のガイドワイヤ1を挿入し、膵/胆管内部(図示せず)まで導入する。このとき、カテーテル14の先端から突出されるガイドワイヤ1の先端部の突出量(長さ)L1は例えば2〜20cm程度、カテーテル14の基端側の口金14aから突出されるガイドワイヤ1の基端部の突出量(長さ)L2は例えば5〜20cm程度にそれぞれ設定されている。
【0036】
ここで、ガイドワイヤ1が膵/胆管内(図示せず)まで入ったことを確認し、ガイドワイヤ1が動かないようにガイドワイヤ1の基端側を手で把持しつつ、カテーテル14を引出す。このとき、内視鏡像にて、カテーテル14の先端部が乳頭(図示せず)から引抜かれたことを確認後、さらにカテーテル14を引抜く。
【0037】
続いて、カテーテル14の先端が内視鏡2の挿入部3の先端部7側の鉗子口11内に収まったところで、ガイドワイヤ固定機構23により内視鏡2の挿入部3の先端部7付近でガイドワイヤ1を機械的に固定する。このとき、ガイドワイヤ1のガイドワイヤシース25の先端部の4つの帯状部分29を略マッシュルーム状に拡開させて係合補助部30を形成し、この係合補助部30を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ固定機構23との係合が補助される。
【0038】
さらに、ガイドワイヤ1が固定されたことを確認後、内視鏡2の操作部4側からカテーテル14を完全に引抜く。その後、次に使用する処置具を、ガイドワイヤ1の基端側から挿入し、ガイドワイヤ1をガイドに膵/胆管内(図示せず)にまで挿入する。
【0039】
したがって、上記カテーテル14の交換の際に、操作者はガイドワイヤ1を把持する必要はない。そして、以後、必要な回数だけ同様な方法でカテーテル14などの処置具の交換を行うことができる。
【0040】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1ではこのガイドワイヤ1の本体の先端部に内視鏡2側のガイドワイヤ固定機構23との係合を補助する係合補助部30を設けたので、内視鏡2側のガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1の本体の先端部が挟み付けられて係脱可能に係止された際に、ガイドワイヤシース25の各スリット28間の4つの帯状部分29を略マッシュルーム状に拡開させることにより、これらの略マッシュルーム状に拡開される4つの帯状部分29を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。そのため、カテーテル14などの内視鏡用処置具の交換作業時には鉗子起上台15の操作によって鉗子起上台15とガイドワイヤ固定具19のガイドワイヤ固定部22との間でガイドワイヤ1を確実に係止させることができるので、従来のように内視鏡2の操作部4側でガイドワイヤ1を把持する必要を無くすことができ、ガイドワイヤ1自体の長さを230cm程度の長さに設定することができる。したがって、ガイドワイヤ1自体の長さを従来に比べて短くでき、内視鏡用処置具を交換する作業が容易になる効果があるので、処置具の交換作業に要する作業時間を短縮することができる。また、処置具側の構成を何ら変更する必要がない為、従来の処置具を使うことができ、従来の操作方法や操作感覚を損なうこと無く、簡単に処置具の交換作業を行なうことができる。
【0041】
また、本実施の形態では図6に示すようにガイドワイヤシース25の先端部の一箇所に略マッシュルーム状に拡開される係合補助部30を設けた構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示す医療用ガイドワイヤ1の第1の変形例のようにガイドワイヤシース25の先端部に軸方向に沿って2つの係合補助部30を設ける構成にしてもよい。この場合にはガイドワイヤ1を手元側に引き抜く方向だけでなく、ガイドワイヤ1を挿入方向に押し込む方向に対しても内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。
【0042】
さらに、図8に示す医療用ガイドワイヤ1の第2の変形例のようにガイドワイヤ1の先端部に第1の係合補助部30aを設けるとともに、この第1の係合補助部30aよりも後方側に離れた位置、例えば13cm以上離れた位置に第2の係合補助部30bを設ける構成にしてもよい。この場合には例えば内視鏡2の先端部7を十二指腸H1に挿入させた状態で、鉗子口11から外部側に突出させたガイドワイヤ1を総胆管H2を経て肝管H3内に挿入させた際に、第2の係合補助部30bを内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助させるとともに、ガイドワイヤ1の先端部の第1の係合補助部30aを肝管H3内に係止させるような使い方で使用することができる。そして、このような構成にすることにより、ガイドワイヤ1が肝管H3内まで入った位置でもガイドワイヤ1を固定でき、また十二指腸乳頭からわずかに総胆管H2内に入った位置でもガイドワイヤ1を固定できるようになる。
【0043】
また、図9(A),(B)および図10は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0044】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図9(A),(B)に示すようにガイドワイヤ1の先端部に曲がり癖を付けたプリシェープ部31を設ける構成にしたものである。また、ガイドワイヤ1がカテーテル14などの内視鏡用処置具のチューブ内腔に挿入される際には、プリシェープ部31は略直線状に引き伸ばされた形状に弾性変形された状態で、カテーテル14などの内視鏡用処置具のチューブ内腔に挿入されるようになっている。なお、このプリシェープ部31はガイドワイヤ1の軸方向に複数設けてもよい。
【0045】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時には図10に示すようにガイドワイヤ1の先端部のプリシェープ部31を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。
【0046】
そこで、本実施の形態ではガイドワイヤ1の先端部に曲がり癖を付けたプリシェープ部31を設け、このプリシェープ部31を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助するようにしたので、本実施の形態でもガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1を確実に固定させることができ、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0047】
また、図11および図12は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0048】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図11に示すようにガイドワイヤ1の先端部に他の部分よりも外径寸法が小さい細径部41を設ける構成にしたものである。この細径部41の溝の深さは0.1〜0.3mm程度に設定されている。さらに、この細径部41の前端部とガイドワイヤ1の先端位置との間の距離L3は20〜30mm程度、この細径部41の後端部とガイドワイヤ1の先端位置との間の距離L4は約150〜200mm程度にそれぞれ設定されている。
【0049】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時には図12に示すようにガイドワイヤ1の先端部の細径部41の段差部を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。
【0050】
そこで、本実施の形態ではガイドワイヤ1の先端部に他の部分よりも外径寸法が小さい細径部41を設け、この細径部41の段差部を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助するようにしたので、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23はガイドワイヤ1の細径部41の段差部に引っ掛かり、ガイドワイヤ1がこれを越えて進退できないようになっている。そのため、本実施の形態でもガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1を確実に固定させることができ、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0051】
また、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図11に示すようにガイドワイヤ1の先端部に細径部41を設ける簡単な構成にしたので、製造が容易である。さらに、本実施の形態では1つの細径部41だけでガイドワイヤ1の抜去方向だけでなく挿入方向でも確実に固定できる効果がある。
【0052】
また、図13(A),(B)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。
本実施の形態は第3の実施の形態(図11および図12参照)の医療用ガイドワイヤ1を受ける内視鏡2の鉗子起上台15にガイドワイヤ1の細径部41に合わせた大きさの係合溝42を設けたものである。
【0053】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時には図12に示すようにガイドワイヤ1の先端部の細径部41の段差部を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させた際に、内視鏡2の鉗子起上台15の係合溝42にガイドワイヤ1の細径部41が係合することでガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。
【0054】
また、図14は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0055】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図14に示すようにガイドワイヤ1の先端部に他の部分よりも外径寸法が大きい太径部51を設ける構成にしたものである。この太径部51の高さは0.1〜0.3mm程度に設定されている。さらに、この太径部51の前端部とガイドワイヤ1の先端位置との間の距離L5は20〜30mm程度、この太径部51の後端部とガイドワイヤ1の先端位置との間の距離L6は約150〜200mm程度にそれぞれ設定されている。
【0056】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の太径部51を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との接触面積を大きくして摩擦抵抗による固定力を高めることができ、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することができる。
【0057】
そこで、本実施の形態ではガイドワイヤ1の先端部に他の部分よりも外径寸法が大きい太径部51を設け、この太径部51を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1の太径部51との接触面積を大きくして摩擦抵抗による固定力を高め、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助するようにしたので、本実施の形態でもガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1を確実に固定させることができ、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0058】
また、図15(A),(B)は本発明の第6の実施の形態を示すものである。
本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0059】
すなわち、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1には図15(A),(B)に示すようにこのガイドワイヤ1の軸心部に配設された細長い芯材61と、この芯材61に沿って軸方向に摺動自在なガイドワイヤシース62とが設けられている。ここで、ガイドワイヤシース62は図15(A)に示す待機位置(後退位置)から図15(B)に示す前進位置までスライド自在に支持されている。
【0060】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤシース62を図15(B)に示す前進位置までスライドさせることにより、第5の実施の形態(図14参照)と同様にガイドワイヤ1の先端部に芯材61よりも外径寸法が大きい太径部を設けることができる。この状態で、このガイドワイヤシース62による太径部を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との接触面積を大きくして摩擦抵抗による固定力を高めることができ、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助する係合補助部30として機能させることができる。
【0061】
さらに、本実施の形態ではガイドワイヤシース62を図15(A)に示す待機位置(後退位置)に後退させることにより、ガイドワイヤ1の先端部の外径寸法を芯材61のみの外径寸法で保持させることができる。これにより、ガイドワイヤ1の先端部に太径部が配置されることによるガイドワイヤ1の膵管胆管などへの挿入性の低下を防止することができる。
【0062】
したがって、本実施の形態では必要に応じてガイドワイヤシース62を図15(B)に示す前進位置までスライドさせてガイドワイヤ固定機構23との係合を補助する係合補助部30として機能させることができ、不使用時にはガイドワイヤシース62を図15(A)に示す待機位置(後退位置)に後退させることにより、ガイドワイヤ1の膵管胆管などへの挿入性の低下を防止するという使い方で使用することができる。
【0063】
また、図16(A)〜(D)および図17は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0064】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図16(A),(B)に示すようにガイドワイヤ1の先端部に偏平な偏平部71を設ける構成にしたものである。この偏平部71の断面形状は図16(C)に示すように略楕円形状になる。なお、図16(D)はガイドワイヤ1の偏平部71以外の部分の円形状の断面形状を示すものである。
【0065】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時には図17に示すようにガイドワイヤ1の先端部の偏平部71を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1の偏平部71との接触面積を大きくして摩擦抵抗による固定力を高め、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助させることができる。
【0066】
そこで、本実施の形態ではガイドワイヤ1の先端部に偏平部71を設け、この偏平部71を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1の偏平部71との接触面積を大きくして摩擦抵抗による固定力を高め、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助するようにしたので、本実施の形態でもガイドワイヤ固定機構23によってガイドワイヤ1を確実に固定させることができ、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0067】
さらに、本実施の形態ではガイドワイヤ1の偏平部71の段差部を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ固定機構23との係合を補助することもできる。
【0068】
また、図18は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0069】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図18に示すようにガイドワイヤ1の先端部に略山形の突出部81を軸方向に複数並設した略鋸歯状の凹凸部82を設ける構成にしたものである。ここで、各突出部81の突出量(高さ)L7は例えば0.1〜0.3mm程度に設定されている。
【0070】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の凹凸部82を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛ける状態で係脱可能に係合させることにより、内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0071】
また、図19は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0072】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図19に示すようにガイドワイヤ1の先端部に多数の小突起91を突設した凹凸部92を設ける構成にしたものである。
【0073】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の凹凸部92を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を抜けにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0074】
また、図20は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0075】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図20に示すようにガイドワイヤ1の先端部に多数の窪み101をレーザ加工によって形成したディンプル加工部102を設ける構成にしたものである。
【0076】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部のディンプル加工部102を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0077】
また、図21は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0078】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図21に示すようにガイドワイヤ1の先端部に複数のリング状溝111をレーザ加工によって形成した溝加工部112を設ける構成にしたものである。
【0079】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の溝加工部112を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0080】
なお、ガイドワイヤ1の先端部に複数のリング状溝111を並設した溝加工部112に代えて螺旋形状の溝をレーザ加工によって形成した溝加工部を設ける構成にしてもよい。
【0081】
また、図22(A)は本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0082】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図22(A)に示すようにガイドワイヤ1の先端部に螺旋形状の凸部121を突設して螺旋溝形状の凹凸部122を設ける構成にしたものである。
【0083】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の螺旋溝形状の凹凸部122を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0084】
また、図22(B)は第12の実施の形態(図22(A)参照)の第1の変形例を示すものである。本変形例はワイヤ径が例えば0.1〜0.3mm程度の糸、ワイヤなどの線材131をガイドワイヤ1の先端部に螺旋形状に巻きつけることにより、第12の実施の形態の螺旋溝形状の凹凸部122と同様の凹凸部132を設ける構成にしたものである。
【0085】
そして、本変形例の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の螺旋溝形状の凹凸部132を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0086】
また、図22(C)は第12の実施の形態(図22(A)参照)の第2の変形例を示すものである。本変形例は第1の変形例の線材131をガイドワイヤ1の先端部に細かいピッチで密巻コイル状に巻きつけることにより、密巻コイル状の凹凸部133を設ける構成にしたものである。そして、本変形例でも第1の変形例と同様の効果が得られる。
【0087】
また、図23は本発明の第13の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0088】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図23に示すようにガイドワイヤ1の先端部に粗巻きコイル141を巻きつけたのち、ガイドワイヤ1の外周面全体にプラスチックなどの被覆層142を被覆させることにより、螺旋溝形状の凹凸部143を設ける構成にしたものである。
【0089】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の螺旋溝形状の凹凸部143を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0090】
また、図24は本発明の第14の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0091】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図24に示すようにガイドワイヤ1の先端部に滑りにくい高摩擦材質の高摩擦部151を設ける構成にしたものである。この高摩擦部151は例えばショアA硬度が90以下程度の硬度のゴム、シリコン、各種エラストマーなどによって形成されている。
【0092】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の高摩擦部151を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に接触させる状態で係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。さらに、本実施の形態では高摩擦部151に内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23側の接触部を食い込ませることにより、ガイドワイヤ1を前後に一層、動きにくくすることもできる。
【0093】
また、本実施の形態ではガイドワイヤ1に段差がなく、体腔へのガイドワイヤ1の挿入、処置具への挿通が容易となる。さらに、本実施の形態ではガイドワイヤ1の係止時にはガイドワイヤ1の挿脱の両方向とも確実に固定可能となる。
【0094】
なお、本実施の形態の高摩擦部151として内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23側の鉗子起上台15や、ガイドワイヤ固定具19の接触部と同材質の接触部材を設けてもよく、この場合も同様にガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0095】
また、図25および図26(A),(B)は本発明の第15の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0096】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1が図25に示すようにワイヤ状の芯材161と、この芯材161の外表面を芯材161よりも軟らかい各種プラスチック材料によって被覆した被覆層162とによって形成されている。
【0097】
さらに、芯材161の先端部には他の部分よりも外径寸法が小さい細径部163が形成されている。ここで、被覆層162はガイドワイヤ1の先端部まで略同径に形成されている。そのため、芯材161の細径部163の部分では被覆層162の肉厚が他の部分よりも大きい厚肉部164が形成され、この被覆層162の厚肉部164の部分によって医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30を形成する構成にしたものである。
【0098】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の被覆層162の厚肉部164の部分に内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23を係合させた際に、図26(A)に示すようにガイドワイヤ固定機構23側の鉗子起上台15や、ガイドワイヤ固定具19の接触部が被覆層162の厚肉部164の柔軟な部分に食い込むことにより、係脱可能に係合される。このとき、ガイドワイヤ1の被覆層162の厚肉部164の部分は図26(B)に示すように潰れる状態に弾性変形することにより、引っ掛かりやすくなるとともに、接触面積が大きくなり、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0099】
また、図27は本発明の第16の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0100】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1が図27に示すようにワイヤ状の芯材171と、この芯材171を囲むチューブ状の被覆部材172とによって形成されている。ここで、被覆部材172は芯材171よりも軟らかい各種プラスチック材料によって形成されている。さらに、被覆部材172と芯材171との間には隙間173が設けられ、この被覆部材172によって医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30を形成する構成にしたものである。なお、この被覆部材172の隙間173の部分は中空部であってもよく、また被覆部材172よりも柔軟な材質の充填材が充填されていてもよい。
【0101】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部分に内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23を係合させた際に、ガイドワイヤ固定機構23側の鉗子起上台15や、ガイドワイヤ固定具19の接触部が被覆部材172に食い込むことにより、係脱可能に係合される。このとき、ガイドワイヤ1の被覆部材172の部分は潰れる状態に弾性変形することにより、引っ掛かりやすくなるとともに、接触面積が大きくなり、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0102】
また、図28は本発明の第17の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第16の実施の形態(図27参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0103】
すなわち、本実施の形態では第16の実施の形態の被覆部材172と芯材171との間の隙間173をガイドワイヤ1の先端部分のみに設け、他の部分では被覆部材172と芯材171とを密着させ、隙間173が形成されている被覆部材172の部分によって医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30を形成する構成にしたものである。なお、この被覆部材172の隙間173の部分は中空部であってもよく、また被覆部材172よりも柔軟な材質の充填材が充填されていてもよい。
【0104】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端の隙間173が形成されている被覆部材172の部分に内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23を係合させた際に、隙間173が形成されている被覆部材172の部分にガイドワイヤ固定機構23側の鉗子起上台15や、ガイドワイヤ固定具19の接触部が食い込むことにより、係脱可能に係合される。このとき、ガイドワイヤ1の被覆部材172の部分は潰れる状態に弾性変形することにより、引っ掛かりやすくなるとともに、接触面積が大きくなり、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0105】
また、図29は本発明の第18の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0106】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1の係合補助部30として図27に示すようにガイドワイヤ1の先端部に柔軟な材質のリング状部分181を略等間隔で複数並設することにより、ガイドワイヤ1そのものが露出された硬い部分182と、軟らかいリング状部分181とを軸方向に交互に配置する構成にしたものである。
【0107】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の軟らかいリング状部分181を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0108】
さらに、本実施の形態ではガイドワイヤ1の先端部にガイドワイヤ1そのものが露出された硬い部分182と、軟らかいリング状部分181とが軸方向に交互に配置されているので、ガイドワイヤ1の先端部にらかいリング状部分181のみを配置した場合のようにガイドワイヤ1の先端部全体が折れ曲がりやすくなることを防止することができる。そのため、ガイドワイヤ1の挿入性を高めることができる。
【0109】
また、図30は本発明の第19の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第18の実施の形態(図29参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0110】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1が図30に示すようにワイヤ状の芯材191と、この芯材191を囲むチューブ状の被覆部材192とによって形成されている。さらに、被覆部材192の先端部には柔軟な材質のリング状の柔軟部分193が略等間隔で複数並設されているとともに、各柔軟部分193間には硬質な材質のリング状の硬質部分194が略等間隔で複数並設されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端部にはリング状の柔軟部分193とリング状の硬質部分194とが軸方向に交互に配置されている。
【0111】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部のリング状の柔軟部分193を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、第18の実施の形態と同様にガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0112】
また、図31は本発明の第20の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第18の実施の形態(図29参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0113】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1が図31に示すようにワイヤ状の芯材201と、この芯材201を囲むチューブ状の被覆部材202とによって形成されている。さらに、芯材201の先端部には密巻コイル203が複数箇所に巻装されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端部には密巻コイル203が巻装されている部分によって硬質部分が形成され、密巻コイル203が巻装されていない部分によって柔軟部分が形成されており、これらが軸方向に交互に配置されている。
【0114】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の密巻コイル203が巻装されていない柔軟部分の被覆部材202を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に引っ掛けて係脱可能に係合させることにより、第18の実施の形態と同様にガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0115】
また、図32は本発明の第21の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0116】
すなわち、本実施の形態では医療用ガイドワイヤ1が図32に示すようにワイヤ状の芯材211と、この芯材211を囲むチューブ状の被覆部材212とによって形成されている。さらに、芯材211の先端部には例えば磁石などの磁性体で形成された吸着部材213が装着されている。
【0117】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部の吸着部材213を内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23に接触させる状態で係脱可能に係合させることにより、ガイドワイヤ1を前後に動きにくくして内視鏡2のガイドワイヤ固定機構23とガイドワイヤ1との係合を補助することができる。
【0118】
また、図33は本発明の第22の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)の医療用ガイドワイヤ1の構成を次の通り変更したものである。
【0119】
すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態のガイドワイヤシース25の先端部におけるスリット28が形成されている部分の前後に固定しやすい部分の位置を表示するマーカー部221を設けたものである。このマーカー部221は内視鏡2の観察視野内で目視できるインクによるビジュアルマーカー、或いはX線で確認可能なX線マーカーであってもよい。
【0120】
そして、本実施の形態の医療用ガイドワイヤ1の使用時にはガイドワイヤ1の先端部のマーカー部221を確認することにより、ガイドワイヤ1の先端部の固定しやすい部分の位置を確認できるので、内視鏡2の挿入部3の先端部7付近でガイドワイヤ1を機械的に固定する作業を確実に行なうことができる。
【0121】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) スコープ先端に設けられたガイドワイヤ固定機構によって固定され易い固定部分をガイドワイヤ先端付近に設けた医療用ガイドワイヤ。
【0122】
(付記項2) 前記固定部分が、ガイドワイヤの変形により形成される付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0123】
(付記項3) 前記固定部分が、ガイドワイヤ自体をプリシェープすることで形成される付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0124】
(付記項4) 前記固定部分が、ガイドワイヤの形状を変化させた異形部分である付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0125】
(付記項5) 前記異形部分はガイドワイヤの外径寸法を変化させて段差を設けたものである付記項4の医療用ガイドワイヤ。
【0126】
(付記項6) 前記異形部分はガイドワイヤの断面形状を変化させて段差を設けたものである付記項4の医療用ガイドワイヤ。
【0127】
(付記項7) 前記固定部分が、高摩擦を生ずる部分である付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0128】
(付記項8) 前記固定部分が、柔軟な部分である付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0129】
(付記項9) 前記固定部分が、吸着力を有した部分である付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0130】
(付記項10) 前記固定部分の位置が内視鏡視野内で識別可能なマーキングを設けた付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0131】
(付記項11) 前記固定部分の位置がX線で識別可能なマーキングを設けた付記項1の医療用ガイドワイヤ。
【0132】
(付記項1〜11の従来技術) 従来のガイドワイヤは、一般的には芯金をプラスチック材料で被覆してある構成であり、特にガイドワイヤ固定機構によって固定されやすい工夫がなされていなかった。
【0133】
(付記項1〜11が解決しようとする課題) その為、ガイドワイヤの固定強度はガイドワイヤ固定機構の構成によってのみ得られていた。
【0134】
(付記項1〜11の目的) 内視鏡用処置具を迅速かつ容易に交換できるようにするためにスコープ先端に設けられたガイドワイヤ固定機構(鉗子起上台とガイドワイヤ固定具で構成されている)に対して、より確実に固定されることが可能なガイドワイヤを提供することを目的とする。
【0135】
(付記項1〜11の効果) 本実施形態ではガイドワイヤ自体にガイドワイヤ固定機構に固定されやすい部分を設けることにより、より大きな固定強度が得られる。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、内視鏡の挿入部の先端に設けられた鉗子起上台とガイドワイヤ固定具との間でガイドワイヤを確実に固定させることができ、内視鏡用処置具を迅速かつ容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤを内視鏡と組み合わせて使用する状態を説明するための説明図。
【図2】 第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤの起上動作を説明するもので、(A)は鉗子起上台を起上する前の状態を示す挿入部の先端部の平面図、(B)は同縦断面図、(C)はガイドワイヤが鉗子起上台とガイドワイヤ固定部材との間で挟まれて固定された状態を示す挿入部の先端部の平面図、(D)は同縦断面図。
【図3】 第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す側面図。
【図4】 (A)は第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤの縦断面図、(B)は(A)の4B−4B線断面図。
【図5】 (A)は第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤの係合補助部の部分を示す平面図、(B)は(A)の5B−5B線断面図。
【図6】 第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤにおける係合補助部の使用状態を説明するための説明図。
【図7】 第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤの変形例を示す要部の縦断面図。
【図8】 第1の実施の形態の医療用ガイドワイヤのさらに別の変形例を示す要部の縦断面図。
【図9】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は医療用ガイドワイヤのプリシェープ部分を示す側面図、(B)は医療用ガイドワイヤのプリシェープ部分の変形例を示す側面図。
【図10】 第2の実施の形態の医療用ガイドワイヤの使用状態を説明するための説明図。
【図11】 本発明の第3の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の斜視図。
【図12】 第3の実施の形態の医療用ガイドワイヤの使用状態を説明するための説明図。
【図13】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡のガイドワイヤ固定機構によるガイドワイヤの固定状態を示す平面図、(B)は鉗子起上台の係合溝を示す斜視図。
【図14】 本発明の第5の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の斜視図。
【図15】 本発明の第6の実施の形態を示すもので、(A)は医療用ガイドワイヤのガイドワイヤシースが待機位置で保持されている状態を示す要部の縦断面図、(B)はガイドワイヤシースが前進位置に移動された状態を示す要部の縦断面図。
【図16】 本発明の第7の実施の形態を示すもので、(A)は医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図、(B)は同側面図、(C)は(A)の16C−16C線断面図、(D)は(A)の16D−16D線断面図。
【図17】 第7の実施の形態の医療用ガイドワイヤが内視鏡のガイドワイヤ固定機構によって固定された状態を示す平面図。
【図18】 本発明の第8の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図。
【図19】 本発明の第9の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図。
【図20】 本発明の第10の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図。
【図21】 本発明の第11の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図。
【図22】 (A)は本発明の第12の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の平面図、(B)は第12の実施の形態の医療用ガイドワイヤの第1の変形例を示す要部の縦断面図、(C)は第12の実施の形態の医療用ガイドワイヤの第2の変形例を示す要部の縦断面図。
【図23】 本発明の第13の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図24】 本発明の第14の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の斜視図。
【図25】 本発明の第15の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図26】 (A)は第15の実施の形態の医療用ガイドワイヤの使用状態を説明するための説明図、(B)は医療用ガイドワイヤの変形状態を示す要部の側面図。
【図27】 本発明の第16の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図28】 本発明の第17の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図29】 本発明の第18の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の斜視図。
【図30】 本発明の第19の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図31】 本発明の第20の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図32】 本発明の第21の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の縦断面図。
【図33】 本発明の第22の実施の形態の医療用ガイドワイヤの先端部を示す要部の側面図。
【図34】 従来の方法で内視鏡を用いて内視鏡的処置を行なうに際のガイドワイヤの使用状態を示すもので、(A)はカテーテルを内視鏡の処置具挿通用チャンネルから引抜く操作状態を説明するための説明図、(B)はカテーテルを完全に内視鏡から引抜く操作状態を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 医療用ガイドワイヤ
2 内視鏡
3 挿入部
7 先端部
11 鉗子口(先端開口部)
12 処置具挿通用チャンネル
14 カテーテル(内視鏡用処置具)
15 鉗子起上台
19 ガイドワイヤ固定具
23 ガイドワイヤ固定機構
30 係合補助部
Claims (11)
- 内視鏡のチャンネル内に挿通されて体内に挿入される処置具の挿入動作をガイドするガイドワイヤ本体を備えた医療用ガイドワイヤにおいて、
前記内視鏡のチャンネルの先端開口部に設けられた、一端が回動自在に連結された起上台と、
前記先端開口部に配設され、前記ガイドワイヤ本体を挿通可能なガイドワイヤ挿通溝を有するガイドワイヤ固定具との間で前記ガイドワイヤ本体が挟み付けられて係脱可能に係止された際に、前記ガイドワイヤ固定具に係脱可能に係合させて前記ガイドワイヤ固定具との係合を補助する係合補助部を前記ガイドワイヤ本体の先端部側に設けたことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 前記係合補助部は、前記ガイドワイヤの変形により形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、ガイドワイヤ自体をプリシェープすることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、ガイドワイヤの形状を変化させた異形部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記異形部分は、ガイドワイヤの外径寸法を変化させて段差を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記異形部分は、ガイドワイヤの断面形状を変化させて段差を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、高摩擦を生ずる部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、柔軟な部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、磁石の吸着力を有した部分であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記係合補助部は、その位置が内視鏡視野内で識別可能なマーキングを設けたことを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記マーキングは、X線で識別可能なことを特徴とする請求項10に記載の医療用ガイドワイヤ。
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