JP2010503476A5 - - Google Patents

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アクセスポートに応力集中部を備えて破断力を低減した医療用カテーテル
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月13日出願の「Medical Catheter with Stress Riser at Access Port to Reduce Rupture Force」と題される米国仮特許出願第60/844,133号の恩典を主張し、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は医療器具、より詳細にはワイヤガイド上で患者に導入されるカテーテルなどに関する。
ワイヤガイドを使用して血管、管路、又は器官にアクセスを確保し、その後のカテーテル及び他の医療器具の導入又は留置を容易にする施術は、最小侵襲性の医術であり、当初1950年代後半から1960年代にかけてセルディンガー(Seldinger)法が普及して以来、発展してきた。大幅な進歩により、途中でワイヤの移動を要して部位へのアクセスを失うことなく、単一の留置ワイヤガイド上で医療器具を交換できるようになった。この「オーバー・ザ・ワイヤ」(OTW)交換技法は、手技中、ワイヤ上での制御を常に維持できるよう、過剰に長いガイドワイヤを必要とする。このワイヤ制御の維持を達成するため、ワイヤのうち患者の体外に延在する部分は、一般的には医師の後ろに十分に下がって立っている補助者によってワイヤの近位部分が常に長手方向の位置決めを確実に維持し得るよう、少なくとも器具それ自体と同じ長さでなければならない。例えば、胆管系への到達に使用される内視鏡カテーテルは一般的には200cm以上の長さであり、交換中に管路内に残したままにしておくのに十分な長さとして400cmより長い(例えば、480cmの)ワイヤガイドを必要とする。ワイヤ上でカテーテルを取り出すためには、医師と補助者とが、十分に協調した1対1の一連の動作を交換ワイヤと器具との間で慎重に行わなければならない。医師がカテーテルを引き戻すのと同じ長さだけ補助者がワイヤを押すと、器具が完全に患者の体外に出て、医師は内視鏡のポートにおいてワイヤを制御できるようになる。次に補助者が器具をワイヤから引き抜くと、第2の手術を行うため第2の器具をワイヤ伝いに患者の体内へと送り戻すことができ、これは同じプッシュ−プル法を逆順で行う必要がある。この手技は十分な訓練を受けた補助者を必要とし、実際にはその補助者が医師の代わりにワイヤの前進を担う。胆管のERCPでは、用いられる技法が一般的には医師と補助者との間で口頭での意思疎通が上手く図られるかどうか、及び補助者の熟練度に大きく依存するため、このワイヤガイドの制御性の不足が膨大部の開口部へのカニューレ挿入時に不利となり得る。
「ロングワイヤ」又はOTW技法は依然として胆管系における器具の交換によく用いられている方法ではあるが、はるかに短いワイヤガイド及び医師によるより高いワイヤの制御性を可能にする技法が開発された。これは「迅速交換」技法、「モノレール」技法、又は「ショートワイヤ」技法として様々に知られており、器具がワイヤガイドの長さにわたり導入されるのではなく、ワイヤガイドがカテーテル器具の長さの一部分にのみ連結される点でOTW技法と異なる。器具がワイヤガイド上に送り込まれ、次にワイヤガイドが、カテーテルの遠位端と近位部分との間の箇所にあるカテーテルの通路又は連結部分から、カテーテルの側部に形成された、一般的には器具の遠位部分の範囲内に位置するポート又はチャンネルを通って出る。これにより医師は、ワイヤの近位部分又は外部にある部分が患者又は内視鏡から出ているため、常にそこを制御することが可能となり、補助者と協調して器具を動かす必要が低減される。連結部分が患者(又は消化器病学的手技若しくは他の内視鏡手技の場合には、内視鏡)から出ると、医師はショート交換を(胆管手技において補助者が滅菌領域から十分に離れて立って交換を補助することを必要とする従来式のロングワイヤ交換ではなく)行う。特定の他の器具では、カテーテルが患者から出ると、カテーテルは引き裂かれるか、又は破り剥がされることでワイヤとの連結が外される。器具を導入するためには、ワイヤの遠位端が作業部位内に維持され、アクセスが失われないように医師が慎重にワイヤを定位置に維持しながら、カテーテルの連結部分をワイヤガイドの近位端越しに前進させる。
迅速交換技法又はショートワイヤ技法は、血管形成術後のステント留置など、複数のカテーテルベースの器具を使用する一連の手技が単一のワイヤ上で行われることが一般的な冠動脈医学及び血管医学において特に望ましいことが分かっている。ショートワイヤ交換技法が用いられることの多い別の例は、膵胆道系(pacreatobiliary)で行われる内視鏡手技である。一般的には、カテーテル器具を十二指腸内視鏡から膨大部の開口部(ファーター乳頭)を通って、胆管、膵管、及び肝臓の肝管を含む胆管系内まで導入することにより、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影法)手技が行われる。カニューレ挿入器具は、一般的には括約筋切開刀/パピロトーム又はECRPカテーテルを含むものであり、胆管系に導入されて、造影剤の注入などの診断的な性質のものか、又は膨大部の開口部の拡張などの治療目的のものであり得る第1の手術を行う。結石の除去、狭窄の開大、組織採取等の第2の医療手術が必要なときは、第2の、又は周辺的な器具、例えば、バルーン、バスケット、スネア、生検ブラシ、拡張器、ステントデリバリーカテーテル等が元のワイヤガイド伝いに導入され、二次的な治療手技が行われ得る。
OTW技法による器具の交換は可能であったが、内視鏡におけるワイヤガイドのより高い制御性を維持することを望む医師らによってショートワイヤ技法の進歩が受け入れられてきた。この迅速交換技法の周知の例はMICROVASIVE RX BILIARY SYSTEM(商標)(ボストン・サイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation)、マサチューセッツ州ナトウィック(Natwick,MA))を含む器具であり、これは器具のカテーテル部分が、遠位開口と器具次第で遠位開口から5〜30cm離間した近位側部開口との間に延在する内部ルーメンを備え、従って器具が当該システム用に開発された260cmのJAGWIRE(登録商標)Guidewireガイド上で取り出されるとき、当該の長さの交換が必要となる。このシステムの括約筋切開刀の例(AUTOTOME(商標)Cannulating Sphincterotome)が図1に図示される。ルーメンが近位側部開口から近位に延在して「Cチャンネル」を形成し(図2に図示される)、カテーテル部分が内視鏡に導入されるときはこのCチャンネルがワイヤガイドをカテーテル内に保持するが、カテーテルが内視鏡から取り出されると、ワイヤをチャンネルから横方向に引き出すことで内視鏡の生検ポートにワイヤのアクセスを確保でき(図3)、それにより続いて第2のカテーテル型器具(例えば、バルーン、バスケット、ステントデリバリーカテーテル等)をワイヤの近位端越しに送り込むことができる。第1の器具の遠位部分が内視鏡から出ると、医師がワイヤを制御でき、アクセスを失う恐れがなくなって補助者が第1の器具を引き抜けるようになるまで、実際にはOTW手技で用いられるものと同様のショート交換(医師と補助者との間の協調したプッシュ−プル動作)が必要とされる。ワイヤガイドの近位端は一般的には、アクセスが失われないよう手技の大半において内視鏡に固定されているが、カテーテルを交換及び抜去できるようにするためには内視鏡から外さなければならない。
Microvasiveシステムは、いくらか時間が節約され、医師によるワイヤ制御性がより高く、及び交換の実施を補助するための補助者の技能にそれほど依存しないものを提供しているが、ショート交換手技は依然として必要とされ、そこでは、特にカテーテルを取り出す間はワイヤガイドを内視鏡に固定できないため、ワイヤガイドの管路へのアクセスが失われないよう注意を払わなければならない。ワイヤガイドがカテーテルのチャンネル内に備わり、連結された器具が付属チャンネル内に共に拘束されるため、カテーテルの遠位部分が内視鏡の近位端を出ると連結の解除を行わなければならない。ワイヤとカテーテルとの間の摩擦抵抗によってこのプロセスはさらに延び、この摩擦抵抗は後の交換において、カテーテルルーメン又はCチャンネル内に備わっているワイヤ上で器具が送り込まれたり、又は取り出されたりするときに問題として残る。
カテーテルに沿って延在するCチャンネルを有する結果、特定の臨床的欠点が生じ得る。例えば、カテーテルが割れているため、周知のウイルス源及び細菌源である血液及び胆汁の侵入点がもたらされ、血液及び胆汁はカテーテルルーメンに入り込んで器具の近位端に移動し、そこで一般的には床及び手技の関係者の衣服に漏れ出す。このチャンネルはまた空気漏れを起こす可能性のある箇所でもあり、空気漏れによって手技中の十二指腸内への十分な送気を維持する能力が損なわれ得る。Cチャンネルのもう1つの欠点は、Cチャンネルによってカテーテルの完全性が低下することであり、これはカニューレ器具(偏向式括約筋切開刀など)が乳頭に押し入るか、若しくは乳頭を「持ち上げる」ことによって真っ直ぐな侵入経路で管路に入ろうとするとき、又は狭窄に押し入るとき、問題となり得る。
現行の迅速交換システム又はショートワイヤシステムはまた、従来のOTW法に見られる欠陥のいくつかに対処できない。例えば、複数のプラスチック製ドレナージステントを並列に留置するときは、デリバリーシステムを取り出してワイヤを外さなければならないため、乳頭に再度カニューレ挿入する必要がある。さらに、既存の器具は、その他に導管としても働き得るカテーテルを患者及び作業部位から取り出してからでなければカテーテルは第2のワイヤのための空いたルーメンを有し得ないため、ステントを多重管の状態に留置するなどといった第1のワイヤガイドの後に第2のワイヤガイドを配置する能力を提供しない。胆管器具を交換するための現行のシステムのもう1つの欠点は、2つのシステム間の不適合性である。ショート交換ワイヤと共に使用するための側部アクセスポートのないロングワイヤ器具とCチャンネルを備えたMICROVASIVE RX BILIARY SYSTEM(商標)器具とはロングワイヤ交換に不適当な構成であり、これは第1の交換においてCチャンネルが破られると、近位ワイヤガイドアクセスポート(開放されたチャンネルを備える)を通じてロングワイヤを導入し、それが導入されているままにチャンネルから滑り落ちないようにすることが難しいためである。さらに、Cチャンネルは一般的には、同じ理由から、細径ワイヤガイド(0.086センチメートル(0.035インチ)未満)との適合性を有しない。このシステム間の不適合性は、医師が特定の患者に最良の器具及び処置を選ぶとき、利用可能なあらゆる選択肢を活用できないことを意味する。
ロングワイヤ交換法と適合性を有し、上記のその他の欠点に対処する、作業部位内で効率的且つ確実に器具を交換するための改良されたショートワイヤシステム及び技法が必要とされている。
複数の細長医療器具、例えば、カテーテルなどのチューブ状部材を、ワイヤガイドなどの留置案内部材上で患者の体内に導入及び交換するための例示的システム及び方法であって、作業部位(特定の手技又は一連の手技全体を通じてワイヤガイド/案内部材のアクセスが維持される管腔(lumen)、管路、器官、血管、他の体内の通路若しくは内腔、又はそこに通じる経路として定義される)の内部で第1の器具(一次アクセス器具)の案内部材との連結を遠隔から外し、従って患者の体外で器具の交換を行うことがなくなり、器具の取り出しが容易で、且つ二次アクセス器具の留置ワイヤ上での導入が簡便であるシステム及び方法において、前述の問題は解決され、且つ技術的な進歩が実現される。本願の主な目的は、膵胆道系又は胃腸管における他の部位の内部での器具交換であるが、作業部位の内部で器具の連結を遠隔から外す本システム及び方法は、体のいかなる部分に対しても、留置案内部材上での器具の交換が発生する任意の好適な手技を実施するよう適合され得る。例としては、限定はされないが、バルーン、ステント、グラフト、オクルーダー、フィルター、遠位保護デバイス、カテーテルのなかでアブレーション、光線治療、小線源治療等のためのもの、人工弁、又は他の器械若しくは器具の、冠動脈、末梢動脈系(例えば、頚動脈又は腎動脈)、又は静脈系(例えば、脚の深部静脈)を含む脈管系への導入及び留置が挙げられる。他の例示的部位としては、泌尿生殖器系(例えば、膀胱、尿管、腎臓、ファロピウス管等)、及び気管支系が挙げられる。加えて、本システム及び方法を用いることで、体内腔、例えば、腹膜、胸膜腔、仮性嚢胞、又は真性嚢胞構造の内部で、針、套管針、又はシースを通じた経皮的な留置及び交換によって器具を交換できる。
遠隔から連結を外すための器具の基本的なシステムは、案内部材、典型的にはワイヤガイドを含む。以降、用語「ワイヤガイド」は本明細書においては、同じ機能を果たすよう構成された任意の器具(例えば、細径カテーテル、レーザーファイバー、ストリング、プラスチックビーズ、スタイレット、針等)を含むよう一般的な意味で用いられることを理解されたいが、但しかかる器具は技術的には、この用語が医療分野で最も一般に用いられるとおりのワイヤガイド(又は「ガイドワイヤ」)とは見なされないこともあり得る。遠隔から連結を外すことにより、他のショートワイヤ法(例えば、迅速交換)用のものと比べてより短い案内部材/ワイヤガイドの使用が可能となり、従ってこれ以降、本明細書で説明される方法は、総称して「超ショートワイヤ(ultra−short wire)」技法、又は作業部位によっては、「管内交換」(intraductal exchange:IDE)、「血管内交換」(intravascular exchange:IVE)等と称される。ワイヤガイドの長さが従来の迅速交換ワイヤガイドより短くなり得る理由は、患者の体外での交換がないためである。実際、遠隔から連結を外すことで、器具をワイヤ伝いに取り出すことがないため、導入される器具より短い交換ワイヤガイドが可能となる。例えば、胆管器具の本発明のシステムのワイヤガイド(145cmのチャンネルの十二指腸内視鏡用)は、典型的には185cm(約180cmの最小有効長さ)であり、これは、使用される器具によって毎回5〜30cmの余分な交換を行わなければならないMicrovasive「迅速交換」手技に典型的に用いられる260cmのワイヤガイドとは対照的である。ワイヤが短いほど1人の操作者でより容易に操作でき、床、患者のベッド、器具台、画像ユニット等の無菌でない表面との接触の防止に役立つ。185cmの長さがあれば、それでもなお必要に応じてほとんどの体外交換を行うことができる。より長いワイヤでなければこのシステムと適合性を有しない器具の交換に対応するため、ワイヤの近位端にワイヤガイド延長部分を係合するための任意の連結機構を備えてワイヤを伸ばし(例えば、260又は480cmまで)、従来式の交換を行えるようにしてもよい。
案内部材/ワイヤガイドには第1の細長医療器具(一次アクセス器具)、典型的にはチューブ状部材又はカテーテル器具が連結され、これは遠位部分周りに位置する連結領域、例えば通路若しくはルーメン、外部チャンネル、外側リング、又は他の接続域を備え、ワイヤガイドの一部分を受け入れて、それにより作業部位の内部で動作する間、双方の器具が解除可能に連結された対となり得るように構成される。連結領域は細長医療器具の一体部分であってもよく、又は細長医療器具と共に配置される別個の要素(例えば、細長係合(engagment)部材)に関して位置してもよく、別個の要素は本願の目的上、細長医療器具の一部と見なされる。別個の細長係合部材は、ワイヤガイドとカテーテル器具とを、それらが位置決めし直されるか、又は連結を外されるときまで解除可能に固定する主要手段又は補助手段を提供し得る。細長係合部材は、必ずとは限らないものの典型的にはチューブ状部材の通路内に配置されるもので、さらに連結領域も含み得る。好ましくは、このシステムで用いられる一次アクセス器具は、器具の近位の(外部にある)部分まで延在する閉鎖された、又はセルフシール式の通路を(開放された、又は割れたチャンネルではなく)有し、従って本システムは、ロングワイヤ適合器具が選択された場合には、ロングワイヤの導入用に容易に変えることができる。さらに本発明の器具は、必要が生じれば、又は遠隔からの連結解除が問題となったときには(例えば、予期せぬ生体構造上の制約に起因して)、ワイヤを伝って戻す従来式ショートワイヤ交換用に構成される。
本発明の第1の態様において、本システムはさらに、表示システム(例えば、放射線不透過性マーカー、外部マーキング、内視鏡用マーキング等)などの、ワイヤガイド及び第1の細長医療器具、或いはそのどちらか一方に関して位置する位置合わせ用インジケータシステムを備え、操作者はこれを利用して、ワイヤが出る側部アクセスポート又は開口部(例えば、スカイビング加工部(scive))などにおける、連結領域の近位端に対するワイヤガイドの遠位端又は遠位部分の位置を特定できる。位置合わせ用表示システムは有利には、作業部位内で2つの器具が連結されたり、又は連結を外されたりするときに医師の制御を可能とし、連結の解除が起こったという確証を提供するのに役立つ。かかる確証を得ることができなければ、医師はいかに確信があろうと、いつ連結の解除が起こったか、又は起きつつあるかを知ることなくカテーテルをワイヤガイドから外そうと(例えば、蛍光透視鏡の案内下に)試みるのは極めて困難であろう。体内の位置又は作業部位及び送り込まれる器具によっては、「目隠し状態で(blindly)」器具の連結を外そうとすると、特にワイヤガイドがまだ係合しているのに早まって器具が引き出された場合に、ワイヤガイドのアクセスを失うことにつながり得る。さらに、連結の解除が起きたことを保証するのに必要な器具とワイヤガイドとの間の相対移動量は、概して表示が利用された場合と比べてはるかに大きくなり、ひいてはワイヤガイドが多く引き込まれ過ぎてアクセスが失われるといったリスクが増加したり、又は作業部位内に残された空間が連結の解除を行うのに不十分となる状況に直面したりし得る。一般的な迅速交換器具は、交換手技が患者の体外で行われるよう意図されているため、必要とされるX線撮影用の表示又は他の然るべき表示を備えた構成ではない。体外交換はプロセスがより遅く、既存の器具(これは従来式の迅速交換では常にワイヤガイド又は案内器具であるはずである)の上を別のカテーテル又はワイヤガイドが作業部位まで前進できるようになる前には、第1のカテーテルの抜去が要求される。
表示システムの第1の一連の実施形態としては、器具の1つ又は複数に関して位置するX線撮影用マーキング又は超音波反射性マーキングが挙げられ、操作者は然るべき外部案内システム(蛍光透視、MRI、CTスキャン、X線、超音波等)のもとにこれを使用して、一次アクセス器具又は二次アクセス器具と案内器具との間の位置合わせ及び係合の状態を判断する。第1の例は放射線不透過性か、又は高密度のバンド、マーキング等を含み、これはワイヤガイド及び第1の細長医療器具の遠位部分に位置する。特に、ワイヤガイドの遠位先端は、一般的に少なくとも第1の細長医療器具の連結領域の長さを含んでなる放射線不透過性の部分を備え、第1の細長医療器具それ自体が、イリジウム、白金、又は他の好適な材料を含むバンドなどの、連結領域の近位端周りに(例えば、側部アクセスポートに、又はそのすぐ遠位に)位置する放射線不透過性マーカーを備え、従って操作者は、カテーテルにおいて作業部位内で器具の連結が外れることになる箇所、すなわち器具が分離する箇所にワイヤの遠位先端が近付いているとき、又はそこをいつ出たかを知ることができる。加えて、カテーテルの遠位端などにおける遠隔からの連結解除の補助には一般に用いられない他の放射線不透過性マーカー、又はステント若しくはバルーンの留置に用いられる表示が存在し得る。
表示システムの第2の一連の実施形態は、ワイヤガイドの近位部分、及び手技中にワイヤガイドを連結するチューブ状部材の近位部分周りに位置する直接視認可能な表示を含む。一例において、ワイヤガイドは視覚的に特徴のある位置合わせ点、例えば、ワイヤガイド外側コーティングのなかの単一のマーク(例えば、有色バンド)、又は色及びパターン、或いはそのどちらか一方が異なる領域間の移行点などを含み、これが細長医療器具の近位部分にある特定の第1のマーキングと整列すると、ワイヤガイドの遠位端とチューブ状部材の遠位端とが互いに整列した状態にあることを示す。カテーテルはさらに係合解除点を表す第2のマークを備え、これがワイヤガイドの指定の位置合わせマーキングと整列すると、2つの器具の連結又は係合が外れようとしているか、又は外れてワイヤガイドの遠位先端が連結領域から出たことを示す。好ましくは、カテーテルの近位部分にある第1の(遠位の)マーキングと第2の(近位の)マーキングとは、手技中、患者又は内視鏡の外部に留まっている領域の範囲内に位置し、連結領域の長さと等しい距離だけ離間される。非常に短い連結領域(例えば、リング)については、近位の表示が使用されるべき場合に、係合の解除の指示にはカテーテル上の単一のマークが好ましいこともある。
表示システムの第3の一連の実施形態としては、光ファイバー内視鏡又はビデオ内視鏡(例えば、十二指腸内視鏡、胃鏡、気管支鏡、尿管鏡等)によって見ることのできるように構成されたマーキングが挙げられる。膵胆道系への到達用に構成された器具では、表示は、ワイヤガイド及び細長医療器具の双方に、各々の中間部分の範囲内に配置されて位置するマーキングを含み、これは一般的には、内視鏡の観察レンズ又はビデオチップの遠位に、しかし典型的な手技において膨大部の開口部の近位に位置し、従ってこれらのマーキングをビデオモニタ(又は観察ポート)を用いて整列させることにより、管路内で連結の解除が起きたことを確かめることができる。器具は、遠隔から連結を外す手技において有用な他の内視鏡用表示を備え得る。例えば、胆管カテーテルはカテーテル先端から指定された距離(例えば、10cm)のところに深さマーキングを備えてもよく、これが乳頭の内部に埋もれると、ワイヤガイドのアクセスを失うリスクなしに管路内でIDEを安全に実施できることを示す。さらに、ワイヤガイドの遠位部分は、先端が管路から完全に引き出されて、乳頭に再度カニューレを挿入しなければならなくなる恐れがある場合に医師に注意を促す視覚的な手掛かりとして、見た目に特徴的(例えば、黒色)であってもよい。第2及び第3の表示システムは外部からの造影を必要としないため、医師は有利には患者が蛍光透視にさらされる時間を制限できる。例えば、蛍光透視は手技のなかで決定的に重要な選択された時点でのみ用いられ、他のところでは他のタイプの表示の少なくとも1つが位置合わせの案内に用いられ得る。
ワイヤガイドと第1の細長医療器具(及び後続の器具)とが係合したかどうか、又はそれらの連結が外れたかどうかを確認するための視覚的表示の使用に加え、本発明は、他のタイプの位置合わせ指示システム、例えば、器具又は内視鏡付属チャンネルポートの1つ又は複数に沿って1つ又は複数の隆起及び/又は窪みを備える触知システムを備え、これにより医師は、器具が互いに動くときに器具間の抵抗が増加する不連続点があるため、係合の解除が起きた、又は起きようとしている点を「感じる」、すなわち知覚することができる。磁石も同様に触知システムの一部となり得る。位置合わせ用インジケータシステムの他の実施形態としてはセンサベースのシステムが挙げられ、ここではシステムの範囲内に、例えばカテーテル又は内視鏡チャンネル/ポートに沿って位置するセンサがシステムの他の場所(例えば、ワイヤガイド又はカテーテル)での較正位置を検知して信号又はキュー(例えば、電気信号)を発信又は提供し、これが聴覚的又は視覚的警報の形態で操作者に伝達され、操作者に器具の連結が外れたこと、又は間もなく外れることを警告する。位置合わせシステムは位置合わせ用の単一のシステム若しくは手段、又は視覚的及び非視覚的インジケータの任意の組み合わせを含み得る。
本発明の第2の態様において、第1の細長医療器具のワイヤガイドとの連結を、双方を作業部位内に留めたままにしながら外すための方法(すなわち、基本的な超ショートワイヤ技法)が提供される。双方の器具が、標準的な導入方法と、内視鏡、イントロデューサシース等のイントロデューサ部材とを用いて、医療器具の連結領域を介して係合されたワイヤガイドを導入しながら作業部位に導入される。膵胆道系で用いられる一実施形態において、連結領域は、カテーテルの遠位6cmなど、カテーテルの遠位部分の範囲内に通路を含み、ワイヤガイドは側部アクセスポート(例えば、スカイビング加工部)を通じて当該箇所を出て、それによりワイヤガイドがカテーテルの近位部分の外側に沿って並んで伸張し、胆管の実施形態においては十二指腸内視鏡のチャンネルを含んでなる導入経路に沿って双方が並列に備わるようになる。例えば、まず初めにワイヤガイド又は一次アクセス器具、例えば、括約筋切開刀、ニードルナイフ、ERCPカテーテル等を導入して管路にカニューレ挿入し、続いて一次アクセス器具をワイヤ上で前進させて、診断的及び治療的、或いはそのどちらか一方の性質を有する第1の医療手術を実施する。この間、ワイヤガイドは好ましくは、その近位部分が、ワイヤガイド侵入ポート(生検ポート)周りに位置する係止器具、クリップ、他の手段を介して内視鏡に取り付けられることによって定位置に拘束され、ひいてはその長手方向位置が固定されて作業部位へのアクセスの維持を補助する。第1の器具でその目的とする手術(造影剤の注入、括約筋の切除等)を実施すると、操作者は好ましくは、X線撮影システム、内視鏡システム、及び近位表示システム、或いはそのいずれか1つを使用して視覚的な案内を提供しながら器具の位置を変え、係合を外すことができる。一技法(本明細書では「器具IDE」と称される)としては、連結の解除が起きるまで一次アクセス器具を静止したワイヤガイド伝いに前進させることが挙げられる。第2の技法(本明細書では「ワイヤガイドIDE」と称される)としては、一次アクセス器具を静止位置に維持しながら位置合わせ表示が連結解除の起きたことを示すまでワイヤガイドを引き込むことが挙げられる。第3の技法は、器具IDEとワイヤガイドIDEとの組み合わせを伴い得る。また、典型的には、放射線不透過性のワイヤガイド先端部分が通路から出ると、そこに蛍光透視下に見ることのできる特徴的な「鞭打つような(whipping)」動きもあり、これもまた視覚的に特徴のある連結解除の指標を提供する。
医師が位置合わせ用インジケータシステムのうち少なくとも1つの構成要素を使用して、ワイヤガイドの先端が一次アクセス器具の連結領域から外れたと判断すると、第1の器具は単にそれを内視鏡付属チャンネル(又は血管の適用又は他の特定の非内視鏡的適用の場合には、イントロデューサシース)から引き戻すことによって容易に取り出すことができる。ワイヤがチャンネル又はルーメンの内部に備わっている場合に本来ワイヤガイドとカテーテルとの間に存在する摩擦をなくすことにより、取り出しは非常に容易になる。前述のMICROVASIVE RX(商標)胆管器具のなかには(例えば、AUTOTOME(商標)括約筋切開刀)、遠位部分の範囲内に側部ポートを備えるものもあるが、これらの器具は全て、遠隔交換又は管内交換を臨床的により実用的なものにし、又は可能にしさえする表示の組み合わせを欠いている。さらに、これらの器具は側部アクセスポートの近位に延在する開放されたチャンネルを備えており、ワイヤガイドの近位部分は双方の器具が内視鏡の付属チャンネルの内部に備わっているときチャンネルを「探し求めて」再び侵入しようとする傾向を有するため、表示を欠いていることに関係なく、管路又は作業部位の内部で連結を外すことができない。従って、ワイヤのチャンネルとの係合を解除可能に外す何らかの手段なしには、遠隔から接続を外すことは不可能となる。
カテーテルとワイヤガイドとの連結が外された後、ワイヤの近位端は、それを伝って第3の細長医療器具(例えば、二次アクセス器具又は第1の器具と同じ第2の器具)を作業部位まで前進させるために利用可能となる。本方法の一例において、留置ワイヤの近位端は二次器具の遠位開口から送り込まれて側部アクセスポートから出され、次に二次器具が作業部位まで前進する。二次器具を使用した第2の医療手術の後、別の手術のために別の二次器具が必要とされる場合、第1の二次器具(第3の医療器具)がワイヤガイドから取り外されて患者から取り出され、そのワイヤガイドが最初の2つと同様に第4の器具用のアクセスを提供するために利用可能となる。
本方法の変形例において、一次アクセス器具はワイヤガイドとの係合が外された後、作業部位の所定位置に残され、管路又は血管の2本の分岐路にカニューレが挿入される手技などのための、第2のワイヤガイド用の導入経路又は導管として機能し得る。かかる手技の例は、別個の肝葉を排液するステントを2本の異なる管路に留置しなければならないときである。第2のワイヤガイドは典型的には、通路と連通しているポートであり、典型的にハンドル部分に関して配置される第1の器具の近位ワイヤガイドポート又はハブを通じて導入される。この技法は一般的には、カテーテルのロングワイヤ交換を必要とする。第2の選択肢は、チューブ状部材の壁を貫通して形成された近位側部アクセスポート(例えば、スカイビング加工部)を通じてワイヤを導入して、ワイヤの完全な制御を維持することである。この実施形態において、カテーテルの壁は近位アクセスポートと側部アクセスポートとの間で裂断可能であるか、又は開放された、若しくはセルフシール式のチャンネルを備え、それを通じてワイヤガイドを器具の遠位部分の方に剥ぎ取ることができるように構成され、従ってロング交換は不要とされる。ワイヤガイドを通路から横方向に取り出す、又は剥ぎ取るのは、カテーテルの壁に切り込みを付けるか、又は構造的に脆化させたり、裂断可能な異方配向性のカテーテル壁材料(例えば、PTFE)を用いて、それに沿って密閉可能シーム又はロックシームを組み込んだり、又は壁を薄くするか、及び/又は十分な力がかかるとワイヤガイドが壁を引き裂いて自らの脱出経路を形成できる材料を使用したりするなど、任意の周知の手段によって行われ得る。或いは、取り付け式のスリーブなどの連結領域を備えるワイヤガイドを使用して既に留置されている標準的なワイヤガイドに連結し得るか、又は双方のワイヤを共に連結し、細長チューブ状部材の通路を通じて前進させ得る。
前述の手段の1つによって通路へのアクセスを確保した後、ワイヤガイドは蛍光透視などの外部的な造影下に所望の部位へと案内される。場合により、第1の器具が括約筋切開刀か、又は他のタイプの偏向式カテーテルであれば、操作者はカテーテル先端部分の形状及び向きを操作して、第2のワイヤガイド先端を管路又は血管の反対側の(又は横に並ぶ)分岐路に案内するのを促進し得る。作業部位内で向きを付けるには、先端を操作するための回転式ハンドルが助けとなり得る。さらに、特定のより短いワイヤガイド、例えば、本発明の例示的な185cmの胆管ワイヤガイドは、操作者が単にワイヤをその指で回転させるだけでほとんどの例と同様の結果を実現できるような十分なトルクを与えることが可能であると実証されている。
本発明の別の態様において、一次アクセス器具はさらに、連結領域(例えば、チューブ状部材の遠位通路)の内部又は周囲でワイヤガイドと解除可能に係合するよう構成された細長係合部材を備える。実施形態としては、ワイヤガイドが完全に前進した位置にあるとき、それを通路内にくさび留めするよう構成された可撓性ワイヤ制止要素(例えば、ナイロンスタイレット)、及びワイヤガイドを捕捉し、それをチューブ状部材に対し長手方向に固定された位置に維持するための張力を提供する紐状部材(例えば、縫合糸)の使用が挙げられる。既に留置されているワイヤガイド上で二次アクセス器具が導入されているときなど、導入中に細長係合部材が使用されないときには、場合により補強スタイレットをチューブ状部材の通路に維持することにより導入中の器具の剛性を増強してもよく、及び/又は有利には側部アクセスポートなどのチューブ状部材のスカイビング加工部を挿通してその周辺のキンクを防止してもよい。
本発明のさらに別の態様において、遠隔からの連結解除又は超ショートワイヤ技法用に構成された器具のシステムは、プラスチック製チューブ状ドレナージステント用のデリバリーカテーテルと、単一のカニューレ挿入手技を用いて複数のステントを胆管内に並列に留置可能な展開技法とを含む。内側搬送部材(その上にステントが装着される)のステントより遠位にある箇所に側部アクセスポートを設けることにより、過程のなかでワイヤを含むシステム全体を引き出す必要なく、ワイヤガイドの連結を管路内で外し、ステントを展開することができる。有利には、内側搬送部材とワイヤガイドとの間の接合部が、内側部材を引き戻すときにステントを「捕まえる」ように用いられ、ひいては管路内でステントを含むデリバリーシステム全体を引き戻すことが可能となる。この特徴は、他のステントデリバリーシステムには存在しないものであり、特に、ステントが管路内を奥に前進し過ぎて配置し直す必要がある状況に対処するうえで重要である。ステントが展開配備に適正な位置となった後、内側搬送部材を前進させて、且つワイヤガイドを引き込むか、或いはそのどちらか一方により2つの連結を外すと、ステントを通じて内側搬送部材を管路から引き出すことが可能となり、一方でワイヤガイドは、第2のステントデリバリーカテーテル(及び追加的なステント)を管路に前進させて第1のステントの横に並べて留置するため、そのまま残される。ピッグテイル型ステント及び固定用に付形された遠位部分を備える他のステントは、送り込む間、連結領域を挿通するワイヤガイドによって一時的に直状にされ得る。
本発明のさらに別の態様において、ワイヤガイドは、内視鏡と、内視鏡のチャンネル内に備わり、内視鏡の先端の周辺にワイヤガイドを係合するか、又は内視鏡に取り付けられ(又はそれに沿って延在し)、ワイヤガイドを横に並べて係合するかのいずれかであるガイドワイヤ搬送機構とを用いてワイヤを引っ張り込むか、又は送り込むことにより、口から留置され得る。処置部位、例えば、胃食道(GE)接合部が視覚化され、内視鏡の近位部分に位置する目盛り表示を使用して口までの距離が計測される。次に、ワイヤガイド搬送機構に連結されたままのワイヤガイドが処置部位を過ぎて胃の中まで既知の距離(例えば、10cm)を前進し、ここで胃は、処置後に連結の解除が行われるところである。ワイヤガイドは参照マーキングを(例えば、10cmのところに)備え、これはGE接合部などの、処置に関する既知の参照点に位置する。ワイヤガイドの近位部分は好ましくは、種々の数又は種類のマーキングを有する異なる色のバンド又は間隔(例えば、5cm)などの目盛り表示を備え、これはGE接合部にある参照マークまでの特定の距離を(典型的には数値によらない表示を用いて)参照する。ワイヤガイドを定位置として、操作者は、拡張器、PDTバルーン、アカラシアバルーン等の一次アクセス器具を、その近位部分にあるワイヤガイドの表示と整列する対応表示を用いて前進させ、GE接合部などの所望の処置部位への器具の留置を案内する。より大型の拡張器などの二次アクセス器具が必要とされる場合、第1の器具をワイヤ伝いに胃の中まで前進させて連結を外し、次の器具をワイヤ伝いに送り込むためにワイヤを利用可能な状態とする。空腸又は胃腸管の他の位置も含み得る処置部位まで、ワイヤは内視鏡の外側で搬送されるため、有利には(adventageously)内視鏡付属チャンネルより大きい器具の留置手段が提供され、一方で患者の体内を内視鏡的に進む利点はなお維持される。
本発明のさらに別の態様において、ワイヤガイドの細長医療器具との連結を外すための方法及び装置が提供され、これは貫通して伸張するワイヤガイドルーメンを有するるカテーテルシャフトを含み、ここでワイヤガイドルーメンを取り囲む材料は、ワイヤガイドを取り出す際の裂断性を促進するように選択又は構成される。カテーテルシャフトは、一部分に沿って応力集中部を有するワイヤガイドポートを備える。応力集中部は、シャフト壁のうちワイヤガイドポートに隣接する部分を破断したり、又は裂断したりするのに必要な力を低減するよう構成される。本発明の好ましい態様において、カテーテルシャフトは共押し出しされて複数の材料を含む。シャフトのうちワイヤガイドルーメンに隣接する部分は第1の材料で形成され、シャフトの残りの部分は第2の材料で形成される。第1の材料は第2の材料と比較したとき裂断性が促進されるよう選択又は構成される。第1の材料は第2の材料より低いデュロメーター値を有し得る。本発明のさらに別の態様において、ワイヤガイドのカテーテルとの分離に使用するための剥離具が提供される。
ここで、本発明の実施形態を例によって添付の図面を参照しながら説明する。
ショートワイヤ交換用に構成された先行技術の括約筋切開刀の斜視図を図示する。 図1の線2−2に沿った断面図を図示する。 内視鏡と共に使用されている図1の器具を図示する。 例示的システム及び方法で用いるために構成された例示的カテーテルの側面図を図示する。 図4の実施形態の遠位部分及びそこに連結された例示的ワイヤガイドの断面図を図示する。 連結領域が外部チャンネルを含む本発明の実施形態の側面図を図示する。 近位部分が遠位部分及び中間部分に対しある角度に向けられたワイヤガイドの側面図を図示する。 第1の細長医療器具及びワイヤガイドに位置する近位表示システムの実施形態の側面図を図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 総胆管内において複数のカテーテル器具がガイドワイヤ上で交換される本方法の一例のステップを図示する。 第1の細長医療器具が括約筋切開刀を含む本発明の実施形態の側面図を図示する。 本発明の括約筋切開刀を使用して通路の分岐路に第2のワイヤガイドが導入されている部位の図を図示する。 本システム及び方法の例示的ワイヤガイド保持器具の斜視図を図示する。 第2のワイヤガイドを近位端に取り付けるための連結機構を有するワイヤガイドの側面図を図示する。 ワイヤガイドを係合するための連結リングを備える本発明の回収バスケットの側面図を図示する。 裂断可能なワイヤガイド通路を含む括約筋切開刀カテーテルの断面図を図示する。 裂断可能なワイヤガイド通路を含む括約筋切開刀カテーテルの断面図を図示する。 本発明の胆管ステント及びデリバリーカテーテルの側面図を図示する。 チューブ状部材に裂断可能領域を含む本発明の実施形態の側面図を図示する。 本発明の拡張バルーンの側面図を図示する。 本発明の摘出バルーンの側面図を図示する。 本発明の生検器具の側面図を図示する。 本発明の自己拡張型補綴具デリバリー装置の側面図を図示する。 ワイヤ制止部材を含む細長係合部材(遠位部分)の第1の実施形態の部分断面側面図を図示する。 図23の実施形態の近位部分の側面図を図示する。 紐状部材を含む細長係合部材の第2の実施形態の部分断面側面図を図示する。 本発明の連結された器具の視認可能な中間部分に位置する第3の表示システムを図示する。 本発明の連結された器具の視認可能な中間部分に位置する第3の表示システムを図示する。 本発明のステント及び押し込み(pusher)装置の断面図を図示する。 本発明の放射性シード送達装置の断面図を図示する。 図17に具体化されるシステムを用いて複数のステントを総胆管内に送り込む方法を図示する。 図17に具体化されるシステムを用いて複数のステントを総胆管内に送り込む方法を図示する。 図17に具体化されるシステムを用いて複数のステントを総胆管内に送り込む方法を図示する。 図17に具体化されるシステムを用いて複数のステントを総胆管内に送り込む方法を図示する。 図17に具体化されるシステムを用いて複数のステントを総胆管内に送り込む方法を図示する。 本発明のワイヤガイド式ワイヤの部分断面図を図示する。 連結領域が別個の部材に位置する本発明の実施形態の部分断面図を図示する。 連結領域が別個の部材に位置する本発明の実施形態の部分断面図を図示する。 2つの遠位側部アクセスポートを有する本発明の実施形態の側面図を図示する。 ワイヤガイドを側部アクセスポートに引っ掛ける本発明の実施形態の斜視図を図示する。 連結解除前のフック状ワイヤガイドの側面図を図示する。 連結解除後のフック状ワイヤガイドの側面図を図示する。 一対のスロット付き同軸部材を含む本発明の実施形態の側面図を図示する。 図36の実施形態の線37−37に沿った断面図を図示する。 本発明のイントロデューサ部材の部分断面図を図示する。 本発明のデリバリーカテーテルの部分断面図を図示する。 触知性の位置合わせ指示システムを含む本発明の実施形態の側面図を図示する。 本発明のピッグテイル型ドレナージカテーテルの展開配備された形態における側面図を図示する。 ワイヤガイドと連結された図41の実施形態の部分断面図を図示する。 固定用フラップを有するドレナージカテーテルの代替的実施形態の側面図を図示する。 本発明の拡張カテーテルの側面図を図示する。 内視鏡によって作業部位まで搬送されるよう構成された本発明のワイヤガイドの側面図を図示する。 内視鏡によって作業部位まで搬送されるよう構成された本発明のワイヤガイドの側面図を図示する。 図45a〜図45bのワイヤガイドを搬送するよう構成される内視鏡に取り付けられた器具の側面図を図示する。 図46の実施形態の端面図を図示する。 本発明のワイヤガイド搬送機構の側面図を図示する。 ループ先端ワイヤガイドに係合する図48の実施形態の遠位部分の断面図を図示する。 図49のループ先端ワイヤガイドの側面図を図示する。 本発明の光線力学治療用バルーンの側面図を図示する。 本発明のバイトブロック/ワイヤガイドホルダを通じて導入されている図50及び図51の器具の平面図を図示する。 本発明のアカラシアバルーンの側面図を図示する。 補強スタイレットを備える本発明の経鼻腸管の部分断面図を図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 本方法を用いて食道を拡張するステップを図示する。 側部アクセスポートの近位に直径が縮径する部分を有する拡張器の側面図を図示する。 潤滑性の中間部分を備える本発明のワイヤガイドを図示する。 薄いカテーテルシャフト壁を含む裂断可能なワイヤガイド通路を有するカテーテル器具の一部分を図示する。 種々のカテーテルシャフト材料についての破断力のグラフ表示である。 共押し出しされたシャフト材料を含むカテーテル器具の断面図を図示する。 共押し出しされたシャフト材料を含むカテーテル器具の一部分を図示する。 共押し出しされた材料を含むカテーテル器具の代替的実施形態の断面図を図示する。 共押し出しされた材料を含むカテーテル器具の代替的実施形態の断面図を図示する。 共押し出しされた材料を含むカテーテル器具の代替的実施形態の断面図を図示する。 共押し出しされた材料を含むカテーテル器具の代替的実施形態の断面図を図示する。 共押し出しされたカテーテルシャフトを含む括約筋切開刀を図示する。 図66に示される括約筋切開刀の中間ワイヤガイドポートの拡大図を図示し、このワイヤガイドポートは応力集中部を備える。 図66に示される括約筋切開刀の中間ワイヤガイドポートの拡大図を図示し、このワイヤガイドポートは応力集中部を備える。 図66に示される括約筋切開刀の中間ワイヤガイドポートの拡大図を図示し、このワイヤガイドポートは応力集中部を備える。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 ワイヤガイドをカテーテルから分離させる際に用いられる剥離具の実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。 一部分に沿って応力集中部が配置されているワイヤガイドポートの実施形態を図示する。
ロングワイヤ又は標準的なショートワイヤ交換手技を利用することなく、患者の体内で第1の器具のワイヤガイドとの連結を遠隔から外すことによってワイヤガイド上で一連の医療器具を患者に導入するための例示的システム及び方法が、図4〜57に具体化される。本システムの第1の例示的実施形態が図4〜図5に図示され、これは第1の細長医療器具10、例えば、例示的チューブ状部材77又はGLO−TIP II(登録商標)E.R.C.P.カテーテル(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))と同様の特徴を備えるカテーテルを含み、このカテーテルはさらに、第1の遠位端75(器具の遠位端の方を向いている)と、第2の近位端76と、標準的な直径の交換ワイヤガイド11(例えば、METRO(登録商標)ワイヤガイド;ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))又は第1の細長医療器具10との連結に好適な他の案内器具を収容するように寸法構成された相互接続通路31とを有する連結領域14を備える。連結領域14は、概してチューブ状部材77(第1の細長医療器具10)の遠位部分13周りに位置し、主要通路27の遠位部分がそれを兼ねても(図示されるとおり)よいし、又は主要通路27と別個であってもよい。第1の細長医療器具10の遠位部分13、及び連結領域14を介して第1の細長医療器具10が連結されるワイヤガイド11の遠位部分60は、概して、各々医療手術中及びそれに続く2つの器具の連結解除中に作業部位内に配置される部分として定義される。本開示の目的上、作業部位は、ワイヤガイドのアクセスが維持され、特定の医療手技/手術又は連続した手技が実施される管腔、管路、器官、血管、他の体内の通路/内腔、又はそこに通じる経路として定義される。例えば、胆管システムの関わる手技では、作業部位は、膵管及び肝葉まで伸張する管路を含む総胆管と考えられる。
該連結領域は、ワイヤガイド11及びチューブ状部材77が患者又は内視鏡から出ているときに該ワイヤガイドの近位部分59が通路から出て該チューブ状部材の外部にあるように連結された状態で(例えば、ワイヤガイド11が第1の器具10の通路27を挿通して)、第1の細長医療器具10をワイヤガイド上で共に(順番に、又は同時に)作業部位まで導入できるよう構成される。従来式のショートワイヤ又は迅速交換と同様、これによりこの時点での医師のワイヤの制御性はより高まる。図4〜5の例示的連結領域14では、その第1の端部75はチューブ状部材77における遠位開口19を含み、第2の端部76は、チューブ状部材77の側壁を横断してチューブ状部材の遠位端12から約6cmに位置する側部アクセスポート15又はスカイビング加工部を含む。例示的連結領域14は第1の細長医療器具10の遠位部分13の範囲内に位置し、連結領域通路31が主要ワイヤガイド通路27の遠位部分を含む。連結領域14の長さ又は細長部材10の遠位端12からの側部アクセスポート15(又は第2の端部76)の距離の範囲は、接続解除点が器具の遠位端と十分に近く、作業部位の内部で遠隔から連結を外すことができる限り、器具及び用途によって変わり得る。本発明の多くの胆管器具については6cmが、不測の連結解除を防ぐのに十分な長さを提供する一方、ほとんどの場合に、管路の生体構造上の制約を考慮してもなお、そこに連結を外すのに必要とされる互いの移動空間を十分に残すことができる点で、有利な連結領域長さであることが判明している。
胆管への適用について、連結領域の長さは1cm未満(例えば、リング)から少なくとも15cmまでの範囲をとり得る。ほとんどの器具についてのより好ましい範囲は約3〜10cmであり、最も好ましい範囲は約5〜7cmであろう。膵管用の器具について、膵管では作業に利用できる距離がより短いことを考えると、側部アクセスポート15から遠位端12までの理想的な距離は2〜5cmであろう。空間がさらに狭い体内腔での使用を意図する器具では、交換の達成を成功させるためには、側部アクセスポート15は器具の先端12にごく近接して、又は先端12に設けられる必要があり得る。他方で、特定の血管手技において、及び腸管などの長い通路で作業するときなど、ワイヤガイドのアクセスを失うことを特に配慮しなくてもよい手技では、側部アクセスポート15及び連結領域14がどこに位置し得るかについて選択肢はより広がり得る。
例示的側部アクセスポート15は、一般的にはカテーテル幅の約1/4〜1/3を含む半円形の開口(断面図において、又は上面から見ると卵形)を備えるが、ワイヤガイドを通過させることのできる任意の開口寸法又は形状が可能である。側部アクセスポート15の領域は有利に補強されてもよく、これは1つ又は複数のワイヤ、シース、バンド、編組、又は他の手段が、少なくともワイヤガイド出口ポート(側部アクセスポート)の周辺領域の範囲内について、チューブ状部材を挿通するか、それに結合されるか、そこに埋め込まれるか、又はその他の方法でそれを補強することによるもので、当該位置におけるキンクが防止される。ワイヤガイド11は第1の器具10の遠位開口19から近位に伸張し、通路31及び連結領域14から側部アクセスポート15を通じて近位に出て、それにより医師はワイヤの近位端にアクセスでき、従って手技中にワイヤを操作したり、及び必要に応じて固定するか又はその他の方法で拘束したりすることができる。上述のとおり、連結領域14の距離が比較的短いと、有利なことに、連結された器具を、カテーテル10を静止したワイヤガイド11の遠位先端25の方に前進させて、ワイヤガイドがカテーテルから引き抜かれて側部アクセスポート15/連結領域14から出るまでワイヤガイドを引き込むことによるか、又はカテーテルの前方への移動とワイヤガイドの引き込みとの組み合わせによって、いずれも好ましくは留置されたワイヤ上での後続の器具の到達を促進するようワイヤガイドが作業部位(例えば、管路)の内部に留まったままであるようにして、互いの係合又は連結の解除に十分な距離だけ互いに動かすことができる。
本発明では外部での交換が必要とされないため、ワイヤガイド11の長さは、遠位部分60の最遠点が作業部位まで前進し(例えば、連結の解除を行うために)、中間部分97が作業部位から患者又は内視鏡の外側まで延在し、及び近位部分59(図7)がそこから操作者が操作して、例えばワイヤガイドを所定位置に固定するのに十分な長さにわたり延在するのに足りる寸法とするだけで十分である。例示的な胆管の実施形態においては、ワイヤガイド11は185cmの長さであり、これは内視鏡付属チャンネルからのワイヤの最小限だが十分な伸張部を提供するが、他の手技ではより短い、又はより長い長さが必要とされ得る。ワイヤガイド11の長さは、操作したり、又は必要であれば所定位置に固定若しくは拘束したりするうえで十分な長さしか必要とされないが、近位部分59は好ましくは、従来式のショートワイヤ交換手技が必要な場合に(何らかの理由で遠隔からの連結解除が不可能であるか、又は望ましくないときなど)、適切に構成された器具を用いてそれに対応できる寸法とされなければならない。ワイヤガイド11は好ましくは、最小限の摩擦で連結領域内に摺動自在且つ解除可能に備わる寸法とされるが、カテーテル(又は共に延在する付属器具)がそれに沿った特定の箇所でワイヤを解除可能に係合及び係止する機構も、本発明の一部として企図される。図5の連結領域14は通路27の遠位部分(通路31)を含み、通路の近位部分28は、側部アクセスポート15の箇所から近位に延在するルーメンの延長部を提供する。或いは、近位通路28は、側部アクセスポート15のすぐ近位で少なくとも部分的に遮断又は制限され(可動式フラップ又は永久的な障害物、例えば、プラスチック製又は金属製インサートにより)、遠位開口19から装填されているワイヤガイドが、近位通路へと進み続けることなく、側部アクセスポートを通じてより容易に出ることができるよう補助するガイド又はランプとして機能し得る。遮断手段(図示せず)はまた有利なことに、流体又は他の物質が通路を逆方向に通過することも制限し得る。関連する実施形態において、ワイヤガイド通路27は近位には側部アクセスポート15までしか延在せず、当該箇所で終端となる。
図4〜図5の例示的連結領域14は、チューブ状部材77の遠位開口19からワイヤガイド11が伸張していることが特に有利な適用、例えば、膨大部の開口部などの締まった狭窄部にカニューレ挿入するために使用される一次アクセス器具に好ましい実施形態に相当するが、ワイヤガイドの、それと共に、又はそれを伝って導入される器具との一時的な連結を可能にする任意の構造的な適応が、遠隔からの連結解除を目的とする連結領域14の実施形態に含まれ得ることに留意されたい。例えば、図6は本発明の代替的実施形態を図示し、ここでは連結領域14がチューブ状部材通路27の一部分ではなく、外部連結要素又はチャンネル30を含んでなる。例示的外部チャンネル30は、それを貫通している通路31を備えるもので、カテーテル本体と一体に形成されてもよく、又はその外側に結合されるか、若しくはその他の方法で取り付けられてもよい。加えて、外部チャンネル30は、チューブ状部材77を取り囲む短いシース部品、プラスチック製又は金属製リング、又はワイヤガイドと共に連結領域14をなすことが可能な通路31を形成できる任意の構造を含み得る。
図30は、内部通路を有しない器具向けの外部チャンネル30の実施形態を図示する。細長医療器具10はワイヤガイド式ワイヤ111を含み、ここで連結領域14は、ワイヤ111に結合されたシュリンクラップ材料の外側スリーブ112と、連結領域14の第1の端部75のインジケータ17及び第2の端部76のインジケータ18として第1のスリーブ112に結合された放射線不透過性材料の内側スリーブ113とを含む外側チャンネル30を含む。標準的なワイヤガイド(0.053センチメートル(0.021インチ)のMETRO(商標)ワイヤガイドなど)を連結領域を通じて送り込み、2本のワイヤを既に作業部位に留置されているチューブ状部材を通じて前進させるか、又はワイヤガイド式ワイヤ111を留置されている標準的なワイヤガイド(これもチューブ状部材に連結され得る)の近位端上に送り込んで作業部位まで前進させて、そこで連結が解除される。
図14は別の代替的実施形態を図示し、ここでは連結領域14が連結リング63を含んでなり、例示的実施形態においてこれは、回収装置64、例えば胆石を捕捉するための例示的ワイヤ回収バスケット64(WEB(商標)摘出バスケットの改良型、ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))の遠位先端74に取り付けられる。例示的リング63は有利なことに、通過するワイヤガイド11がより上手く収まるよう枢動して第1の器具10と係合するように作製される。連結リング63は、内部通路の係合を固定するように提供されるものではないが、細長医療器具10のシャフト部分の範囲内に好適な通路を欠いた(この特定の実施形態ではコイル状ワイヤで作製された)特定の種類の器具用の選択肢となる。リング63が連結の解除に必要とする器具間の相対移動は最小量であり、これは短い作業部位において、又は他の生体構造上の制約に直面したときに有利となり得る。
図31〜36は、一連の代替的連結領域14の実施形態を図示する。図31は連結領域14が別個の要素に位置するチューブ状部材77を図示し、例示的実施形態においてこの連結領域14は、第2の通路115に摺動自在に配置されたシャフト部分164を含む細長係合部材89を含み、チューブ状部材77の遠位端12から伸張し、ワイヤガイド11を送る第1の開口75と第2の開口76とを備えるカニューレ部分15を介してワイヤガイド11に係合する。細長係合部材89を第2の通路115内に配置することにより、第1の通路27は材料の注入又は第2のワイヤガイドの通過に利用可能なまま残る。図32の実施形態もまた第2の通路115に別個の細長係合部材89を備え、この細長係合部材89がさらに連結領域14を含む。この例示的実施形態において、細長係合部材89は側部アクセスポート15から伸張して遠位リング又はループ45を備え、これがワイヤガイドを捕捉して器具を共に連結する。場合により、ループ45は連結を外した後に通路115を通じて引き抜けるよう折り畳み式に作製され得る。
図33は、連結領域14の第1の端部75が部材の遠位端12の近位で終端となり、第2の端部76がチューブ状部材の遠位部分13周りに位置する側部アクセスポート15を含むチューブ状部材を図示する。ワイヤガイド11は、ワイヤガイド11の遠位端25が最遠位の側部アクセスポート(第1の端部75)を出たときに先端12からある角度に向くように連結領域14に送り込まれる。この構成によって医師は、チューブ状部材77を回転させて、ワイヤガイド11の先端25を目的の方向、例えば二股に分かれた管路又は血管の特定の分岐路48、49に有利に向けることが可能となる。チューブ状部材77の遠位端12は閉じられていてもよく、又は先端の周辺に開口を備え、それが、好ましい場合にワイヤガイド11を図5と同様の方法で連結することもできるように連結領域の第2の代替的な第1の端部75となってもよい。
図34〜35bは、ワイヤガイド11が連結された形態で連結領域14に引っ掛けられるよう構成される本発明の実施形態を図示する。図34の実施形態において、ワイヤガイド11は例示的な「牧羊杖」などのフック状遠位部分116を備え、ここでは遠位端25及び隣接する遠位部分60が側部アクセスポート15を介してチューブ状部材77の連結領域14に係合し、確実な係合を達成するのに十分な長さだけ通路27内に備わる。好ましくは、ワイヤガイド11は、偶発的な取り外しが起こらないように支援するためにそれが備わる通路27と十分な摩擦係合を有するような寸法とされる。図35a〜図35bに図示される関連実施形態において、ワイヤガイド11の遠位フック部分116はチューブ状部材77の遠位開口19に挿入されるように構成され、遠位開口19はその近位に近接して放射線不透過性マーカーバンド17を備える。例示的遠位フック部分116は、熱により固まってらせん形態117となり得るニチノール又は別の超弾性材料を含んでなり、そのため連結領域14の通路31から外されると、フック116はその所定の形状をとってそれ自体に巻き付いて戻り、閉じたループ端118が生じる。この構成により、第2の器具をワイヤガイド11伝いに送り戻すとき、フック状部分116がワイヤガイド11上のその通過を妨げることがなく、より上手く送り戻すことができる。場合により、チューブ状部材77は、側部アクセスポート15又は遠位開口19から近位に延在する開放された長手方向チャンネル又は凹部を備えてもよく、ここに連結されたワイヤガイド11が少なくとも部分的に備わりながら、器具が作業部位まで共に前進してもよい。
チューブ状部材77をワイヤガイド11に連結する方法の別の実施形態が図36〜37に図示され、ここではチューブ状部材が一対の同軸部材100、119を含み、これらは各々、連結領域14の長さにわたり(遠位端12から側部アクセスポート15まで)延在するスロット状の開口又はチャンネル120、121を備え、従って互いに整列すると、ワイヤガイド11を開放された通路31から横方向に外すことができ、その他の場合に整列していないときにはこの通路31は、内側シース部材119及び外側シース部材100の一方によって閉じられている。好ましくは、内側シース部材119の近位部分及び外側シース部材100の近位部分(図示せず)は近位のマーキング又は構造を備え、これにより医師は、連結解除のための回転上の位置合わせがいつ起きたかを判断することができる。或いは、スロット120、121はそれに沿って延在する放射線不透過性ストリップを備えてもよく、これらが互いに重ね合わされるか、又は他の何らかの方法で整列すると、ワイヤガイドを通路31から外すことのできる位置合わせが起きたことがX線写真上で示される。
上記の連結領域14の実施形態は単に、当業者がカテーテルとワイヤガイドとを共に連結してそれらを作業部位まで導入するために選択し得る多くの選択肢のなかの例に過ぎず、その選択は用いられる手技及び器具の性質によって影響を受ける。他の選択される例としては、限定はされないが、カテーテルに沿って、若しくはそれを通じて延在してワイヤを捕捉するための解除可能若しくは破断可能な縫合糸若しくはワイヤ、双方の器具に位置する係合可能な適合性を有する表面構造若しくは要素、一時的な、若しくは溶解可能なボンド若しくは接着剤、磁石、又は他の一時的に2つの医療器具を連結する手段が挙げられる。
好ましくは、遠隔から連結を外すよう構成された器具は位置合わせ用インジケータシステムを備え、これにより臨床医は所与の器具と、特定の手技ではそれに一時的に連結されるワイヤガイド又は案内部材との間の整列又は係合の現在の状態を判断することが可能となる。作業部位内で蛍光透視鏡による器具の案内を利用する手技では、好都合には計画的に配置された放射線不透過性表示が、相対的な位置合わせを判断するための手段と、連結の解除が起きたことの確証とを提供する。本発明は、特定の造影可能なマーカーが特定の種類である必要はない。例えば、放射線不透過性バンド又は他のマーカーの代わりに超音波反射性マーカーを使用できる。さらに、マーカーの数及び配置は重要ではない。本発明の位置合わせ用インジケータシステムは任意の好適なシステムを含み、ここでは第1の細長器具10及びワイヤガイド11が、外部からの造影、直接的な観察(外部からの、又は内視鏡的な)、触覚、又は聴覚的若しくは視覚的アラームセンサの監視(例えば、装置の近位端に関して位置するインジケータライトの作動)を介して医師に案内を提供する事前に設定又は較正された方法又は手段を備えることにより、作業部位内で2つの器具の連結解除が起きたことを知らせる。
ここで図4及び5を参照すると、作業部位内で第1の器具10とワイヤガイド11との連結を外す手技が、第1の器具10の遠位部分13及びワイヤガイド11の遠位部分60周りに位置する第1の表示システム16の追加によって大幅に容易化されており、この第1の表示システム16は一連の放射線不透過性マーカーを含み、医師又は操作者に対して、第1の器具がいつワイヤガイドと連結されるか、及びワイヤガイドがいつ連結領域14を通過してそこから出たかに関して、蛍光透視法による(fluroscopic)造影下に視覚的な案内を提供する。直視観察下に実施され得る交換手技は比較的少ないため、遠位表示16は一般的には、外部から造影可能な一連のバンド、マーキング、又は放射線不透過性(高密度)材料、例えば、イリジウム、白金、タングステン、金、バリウム、タンタル等を含んでなる他の表示を備える。表示は、所望の位置、一般的には他の放射線不透過性表示又は構造との相対的な位置合わせに有用な位置において器具上に重ねて置かれるか、器具に結合されるか、又は器具に組み込まれる。例示的な第1の(又は遠位の)表示システム16は、第1の細長医療器具10(チューブ状部材77)及びワイヤガイド11の双方における一連の放射線不透過性マーキングを含み、これはチューブ状部材の遠位端12(又は連結領域の第1の端部75)周りに位置する任意の造影可能な遠位マーキング17と、側部アクセスポート15の近位と遠位とに位置する造影可能な近位マーキング18と、ワイヤガイド11の遠位端25又は遠位部分60に周りに位置する造影可能な遠位部分26又はマーカーとを備える。図4の例示的遠位マーキング17は放射線不透過性インクを含み、その放射線不透過性は、例示的実施形態においてはカテーテルシャフトもまた硫酸バリウム又は他の好適な材料をベースポリマーに添加することによって放射線不透過性に作製されるが、それとコントラストを作るのに十分である。造影可能な近位マーキング18は、側部アクセスポート15を含むスカイビング加工部の遠位端にごく近接したカテーテル表面に接着されるか、又はその他の方法で固着されるイリジウム又は白金バンドを含んでなる。このバンドは十分な放射線不透過性を含むため、バンドが取り付けられているチューブ状部材も同様に放射線不透過性材料又は色素を備え得るが、それと強いコントラストを作る。図5において、チューブ状部材77の遠位放射線不透過性マーカー17は、連結領域(側部アクセスポート15)の近位端76にあるバンド18と同様のバンドを含む。例示的遠位放射線不透過性ワイヤガイド部分26(図5)は、白金か、又はタングステン若しくは金などの別の放射線不透過性材料を含んでなるコイルスプリングを含む。放射線不透過性充填材料又はインクの使用もまた、放射線不透過性ワイヤガイド先端部分26を作製する手段として企図される。放射線不透過性マーカー18を連結領域14の第2の端部76周りに設けることにより、有利には、ワイヤガイドの放射線不透過性先端26がそこを近位に通過して係合の解除が起きたかどうかを医師が知る目標箇所が提供される。例示的実施形態において、マーカー18は一般的には側部アクセスポートの近位にごく近接して位置するが、図6に図示されるように、ポートの近位又はポートと整列した状態など、ワイヤガイドとの位置合わせに有用な任意の好適な位置に設けられてもよい。或いは、マーカー18は、側部アクセスポートに隣接する領域に限定されることなく、連結領域の長さにわたり延在する放射線不透過性ストリップ又はスリーブを含み得る。かかる一例が図31に図示され、ここでは例示的金属製連結カニューレ114が、白金又はイリジウムなどの高度に放射線不透過性の材料を含んでなる。図14及び32の実施形態において連結領域14は、好ましくは高い放射線不透過性を備えた連結リング63を含んでなり、ワイヤガイドの放射線不透過性遠位部分26がいつリングを通過し、そこから外れたかについて医師の判断を補助する。
第2のシステム又はタイプの表示21が図4及び8に図示され、これは器具の遠位部分13が作業部位内にあるとき患者の体外にくる第1の器具10/チューブ状部材77の近位部分36に位置する。通常の操作において、近位表示21は臨床医が位置合わせを判断する主要手段又は補助手段として手技中に直接視認できる。図8の胆管の実施形態において、近位表示21はチューブ状部材77に関して位置する表示35を含んでなり、好ましくはチューブ状部材77と対比される色又はパターンの一連の印刷されたバンドを備え、これはカテーテルの遠位先端から計測したとき160cm(第1の端部又は遠位端62)から166cmのマーク(第2の端部又は近位端61)まで延在する。第1の端部62(160cm)はワイヤガイドに位置する対応する近位位置合わせマーク37と整列する点を表し、2つの器具10、11間の互いの位置をさらに変えることで連結の解除が間もなく起こることを示す位置合わせ点81を含む。ワイヤガイドの近位位置合わせマーク37を第2の端部マーク61の方に移動させると、結果として2つの器具が連結解除の起こる離脱点82に達し、有色バンドが、さらに位置を変えることで連結の解除が間もなく起こることを警告する働きをする。図4の実施形態において、近位表示21は、160〜166cmに延在する対比的な配色の連続するバンドを含む。指摘されたとおり、近位表示の位置は特に重要ではないが、好ましくは一般的な手技中、操作者に見えたままとなっているように構成される。バンド35は色のグラデーションを備え(例えば、黄色〜オレンジ色〜赤色)、離脱点82との相対的な接近度を示し得る。例示的実施形態において、表示バンド35の近位端にある166cmマークは任意の近位側部アクセスポート20の遠位端に近接して位置し、この近位側部アクセスポート20は第2のワイヤガイドの通路27への侵入箇所を含むため、この技法は以下で考察される。血管、肺、又は泌尿器の手技等、胆管以外の適用について、任意の近位表示21が位置し得るカテーテルの遠位先端からの長さは、作業部位への到達に必要とされる距離と適切に関連した異なる長さである可能性が高い。第1の器具表示35の長さ(6cm)は好ましくは、連結領域14の長さに相当する(図5に図示される)。
上述のとおり、近位表示システム21の表示35の160〜166cm領域は有利には、チューブ状部材77上の位置を提供し、臨床医が手技中に視認できるようにほとんど常に患者及び内視鏡付属チャンネルの外部にあり得る。例示的実施形態において、ワイヤガイドの第2の位置合わせ点37は、METRO(登録商標)ワイヤガイド(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))のらせん状縞模様の特徴を備える遠位部分60と、単一配色、例えば、遠位部分60及び中間部分97、或いはそのどちらか一方と視覚的に対比をなす異なる色及びパターン、或いはそのどちらか一方のシュリンクラップ又はコーティングの部分を含む近位部分59との間の色の変化によって示され、従って例示的ワイヤガイドの遠位の160cmが近位の25cmと異なり、外観上区別される。代替として、対比的な色若しくはインク又は好適な材料がワイヤガイド11の外表面に塗布されてもよく、又は単一のバンドが遠位部分60と近位部分59との間の接合部37に関して然るべき位置で固着され、第1の器具10の点61と整列させることによって起こる離脱点82を設定してもよい。第2の位置合わせ点37はワイヤガイド11に位置し、従ってそれが近位表示21の遠位端62と整列すると、ワイヤガイドの遠位端25が第1の器具10/チューブ状部材77の遠位端12と整列する。代替として、ワイヤガイドは、第2の位置合わせ点37に単一の細いマーキングか、又は例えば近位表示21の近位端61及び遠位端62の双方に対応して、複数のマーキングを備えてもよい。ワイヤガイド11及びカテーテル10の近位表示21は、視覚的インジケータを提供する任意の適切な手段、例えば、シュリンクラップ、インク、バンド、表面エッチング加工又は他の処理等を含む。
第3のタイプの位置合わせ83が図26a及び26bに図示され、ここでは第1の内視鏡位置合わせインジケータ84及び第2の内視鏡位置合わせインジケータ85が、それぞれ第1の細長医療器具10(又は第2のカテーテル等)の中間部分及びワイヤガイド11の中間部分に関して、それらの遠位部分が作業部位41の内部に前進すると、第1のインジケータ84及び第2のインジケータ85が一般的にはファーター乳頭40と付属チャンネルの遠位端87との間の視認可能領域86の範囲内に配置されるような場所に位置する。これにより操作者は、両者の互いの整列状態をモニタして、管路41(胆管系)の内部で連結の解除がいつ起きたかを判断することが可能となる。例示的な例において、ワイヤガイドの遠位端及び第1のカテーテル部材の遠位端(図示せず)は双方ともファーター乳頭40を通過して胆管41に侵入している。10cmのところにある任意のマーキング29(一対の印刷されたバンドとして図4に図示される)が第1の細長医療器具10に備えられてもよく、これは器具が管路41に導入されているとき見ることができる。10cmマーク29は、第1の器具10が最低限「安全な」又は十分な距離だけ管路中を前進したことを示すための案内として使用でき、図26a〜図26bに図示されるとおり10cmマーク29が視界から消えると、その状態となる。この時点において、内視鏡位置合わせインジケータ84、85は通常、視認可能領域86の範囲内に位置する。図26aにおいて、カテーテルの第1の内視鏡位置合わせインジケータ84は対応する第2の内視鏡(ワイヤガイド)インジケータ85の近位に位置しており、これはワイヤガイド11が第1の器具10と完全に連結されている(すなわち、完全に連結領域を挿通している)ことを示す。例示的方法において、操作者は中間表示システム83を利用して、図26bに示されるとおり、第1の器具10を静止したワイヤガイド11(これは一般的には移動しないよう固定又は拘束され、管路内のアクセスを維持している)に対し前進させることによって器具10、11の連結解除がいつ起きたかを判断する。2つのインジケータ84、85が整列すると、ワイヤガイドの遠位端が連結領域又は側部アクセスポート(図示せず)の近位端を出て、連結又は係合の解除が起こる。連結を外す間にワイヤガイドが管路から出てアクセスが失われるのを防止するためのさらなる内視鏡インジケータとして、ワイヤガイド11の遠位部分60(例えば、遠位6cm)は、黒色などの、中間部分97(図7に図示される)と対比をなすような異なる配色を含み得る。医師はワイヤガイドの黒色部分が乳頭から現れるのを確認したら、ワイヤを管路の中に前進させて戻し、再びカニューレ挿入しなければならないリスクを最小限に抑えなければならない。連結の解除をまだ行っておらず、且つワイヤガイドの遠位の黒色部分60が内視鏡で視認できる場合には、ワイヤガイド11及びチューブ状部材77の双方とも管路の中にさらに前進させて、アクセスを失うリスクなしに連結の解除を安全に行えるようにしなければならない。
非視覚的位置合わせシステムの例が図40に図示され、ここではワイヤガイド11が例示的ビーズなどの表面の凹凸160を備え、これは、表面の凹凸160が連結領域14の第2の端部75、例えば側部アクセスポート15を通過するとき、操作者がそれらの間の接触を感知又は知覚し、ひいてはさらに位置を変えると連結が間もなく外れることが知らされるように構成される。例示的側部アクセスポート15は、開口159を備える可撓性のスカート部158を備えるよう構成され、この開口159は、ワイヤガイド11は自在に通過させるが、ビーズ160が通過するときには一時的に抵抗を生じる寸法とされる。さらに、スカート部分158は有利には、チューブ状部材の通路への胆汁、血液、及び空気の漏出を防ぐのに役立つシールとして機能し得る。他の可能な表面凹凸としては、突起、隆起、歯、窪み、又は粗面部分が挙げられ、これは適切に構成された側部アクセスポート15又は連結領域14と共に、操作者に対し触知性のフィードバック、ひいては2つの器具間の整列及び係合の状態についての案内を提供する。
胆管系内で医療手技を実施するために使用される内視鏡器具は一般的には、オッディ括約筋(Spincter of Oddi)にカニューレ挿入して管路に到達するための、手技で使用する最初の器具を通常含む「一次アクセス器具」と呼ぶことのできるものと、一次アクセス器具と交換され、作業部位内で1つ又は複数の手術を実施する「二次アクセス器具」とに分けられる。本発明の一次アクセス器具の例としては、括約筋を切除して管路の開口を開大するための括約筋切開刀(図10〜11に図示される)、同じく括約筋を切るために使用されるニードルナイフ(図示せず)、及びX線造影のために造影剤を管路に注入するよう構成されたERCPカテーテル(図4〜5)が挙げられる。括約筋切開刀及びニードルナイフはまた、造影剤及び他の薬剤の注入など、二重の、又は複数の機能又は手術を実施するようにも構成され得る。一部の括約筋切開刀(sphinctertome)は、管路を清掃してそこに詰まっている結石(calculus)又は結石(stone)を取り除くために使用されるバルーンを備える。他の器具、例えば摘出バルーンは、一次アクセス器具及び二次アクセス器具の双方として使用され得る。膵胆管手技では、一次アクセス器具は二次アクセス器具に交換され、二次アクセス器具は典型的には、結石の摘出若しくは破砕、組織の採取、放射線治療若しくは光線治療の送達、狭窄(例えば、腫瘍)の拡張若しくはステント処置、又は排液用のステントの留置などの治療機能を行うよう構成される。二次アクセス器具が特定の手技のなかで最後に使用される器具となる場合、それは遠隔からの連結解除に適合している必要はないが、好ましくは少なくとも遠位の連結領域を備えていれば、器具をショートワイヤ上で、そこに延長部を追加する必要なしに前進させることができる。一般的に言えば、事実上、通常ワイヤ伝いに胆管系に導入されるいかなる二次アクセス器具も(摘出、拡張、又は光線治療バルーン、拡張器、鉗子、ブラシ、ステントデリバリーカテーテル、小線源治療カテーテル、結石破砕装置、バスケット、スネア等)、器具の遠位部分の範囲内に好適な連結領域と、好ましくは、必ずとは限らないが、器具の連結解除及び相対的な整列の確かな確証を提供するための前述の3つの表示システムのうちの少なくとも1つとを追加することによって、遠隔から連結を外すように構成できる。
本発明の一次アクセス器具(第1の細長医療器具10)、ワイヤガイド11、及び二次アクセス器具(第3の細長医療器具44)を用いた、作業部位41に到達し、そこで医療手術を実施するための例示的方法が、図9a〜図9fに図示される。例示的方法の最初のステップとしては、胆管41に到達して診断的及び治療的手技を実施するための標準的な内視鏡技法が挙げられる。図9aは口腔を介して十二指腸39まで導入され、総胆管41及び膵管への開口に位置するファーター乳頭40及びオッディ括約筋を視覚化している十二指腸内視鏡38を示す。例示的方法において、拡張カテーテル88及びワイヤガイド11を内視鏡38の付属チャンネルから前進させて、作業部位41(管路)内の狭窄42にカニューレ挿入する。一般に医師は手技のこの部分において、ワイヤガイド11がカニューレ挿入を補助するよう一次アクセス器具10の先端を過ぎて前進しているかどうか、又はワイヤガイドの遠位端25が通路27内にあるかどうかの判断を優先する。図9bに図示されるとおり、拡張カテーテル10(又は他の二次アクセス器具)をワイヤガイド11上に前進させ、このときワイヤガイドの近位部分は側部アクセスポート15を出て、カテーテルと並んでチャンネル内に伸張しているため、図12に図示されるとおり、双方とも内視鏡の付属チャンネルを別個に出る。内視鏡チャンネルの寸法が制約される適用、又はその他の、双方の器具を並列に収容するスペースが限られている適用については、カテーテルは、全体的な直径を増加させることなくワイヤガイドを並べて配置できるように改造され得る。これは、開放されたチャンネル(好ましくはワイヤを捕捉しないであろうもの)を形成するか、又はカテーテルの長さに沿って長手方向の平坦な部分(図示せず)を作ることによって行われ得る。
さらに図12を参照すると、ワイヤガイド11の近位部分59は典型的には、必ずとは限らないが、その遠位端25が作業部位41内の所望の位置まで前進すると、所定位置に固定される。例示的ワイヤガイドホルダ50は、アクセスポート51の開口52の中又はその上から付属チャンネルまで部分的に挿入されてシールを提供するよう構成され、内視鏡のその他の場所に固定されるのではない点で、先行技術の器具に優る改良に相当する。ホルダ50はさらに、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の柔軟ポリマー材料)、小さい中央開口部を有する発泡シール(例えば、ケイ素、ポリウレタン等)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を封止して、チャンネルから出てくる流体のいかなる近位移動も防ぐ能力を有する他の設計を含む1つ又は複数の種類のシールを有する任意の一体型封止要素65を備える。ワイヤガイド11は、例示的な湾曲した「スパイン」などの器具の係止部分66の片側に沿って位置する離間要素の間に、図示されるとおり上下交互の方式を用いてそれを第1の一連の空間53(又はチャンネル、溝、スロット等)に通して編み込むことによって所定位置に係止される。例示的ホルダは、第1の側にある3つのスロット53又は空間と、手技に必要な場合に第2のワイヤを収容するための係止部分66の反対側にある第2の一連のスロット54又は空間とを備える。
ワイヤガイドの近位端が医師から十分に離れたところにある他のワイヤガイド交換手技と異なり、例示的な遠隔からの連結解除又は超ショートワイヤの技法において典型的に使用されるショートワイヤは、通常ワイヤガイドの近位端が医師の作業域の範囲内にくるため、二次器具を作業部位に導入するための該近位端へのアクセスがすぐに利用可能となる。例示的ホルダはワイヤガイドの近位端部分を医師の下方に邪魔にならないように送るよう構成されるが、近位端は、別の器具をワイヤ伝いに送り込むために拘束されていないとき、反り返って内視鏡のアクセスポート周辺の作業域に入り込み、手技中の医師の妨げとなり得る。この問題を軽減するため、図7は、近位端部分59がワイヤの遠位部分及び中間部分に対しある角度79に向けられたワイヤガイド11を図示し、これにより近位端58/近位端部分59が一般的には操作者から下方に離れ(そのように回転させると)、ひいては内視鏡のアクセスポートの周囲の作業域外に出る向きとなり、それでも医師はなお、次の器具を前進させるため近位端にアクセスすることが可能である。185cmニチノールコアワイヤガイド11を含み、第3の細長医療器具がその上を前進するとき典型的にはそのうち約40〜45cmが内視鏡の外に近位に出て延在する例示的実施形態において、好ましくは屈曲部80又は偏向点が近位端から約20〜30cmに位置するが、但し有効範囲は0〜50cm程度であり得る。有効な偏向角度79は、医師の選択、内視鏡及びワイヤガイドホルダの構成、及び他の要因に依存するが、内視鏡手技については概して約30〜120°であり、例示的実施形態についてより好ましい範囲は45〜90°である。ニチノール製ワイヤガイド11に屈曲部80を作成するため、材料は加熱固化されるか、又は機械的に過大応力をかけられ(「冷間加工」)、それにより屈曲部80の所望の偏向角度79及び半径(例えば、小さくて比較的急な屈曲、又は大きくてより緩やかな、若しくは丸みを帯びた屈曲)が実現され得る。
ここで図9cを参照すると、ワイヤガイドが作業部位内の所望の位置まで前進した後、カテーテルがそのワイヤガイド伝いに前進又は後退して、目的とする手術を実施するために位置決めされている。例示的方法において、この手術には造影剤43の管路41への注入が関わり、この特定の例においては狭窄42を含んでなる障害物が視覚化される。管路にあり得る障害物を診断するための別の一般的な代替的手法は、まず初めに括約筋切開刀32(図10)を導入して造影剤43を注入することであり得る。結石などの障害物が見つかった場合、括約筋が切除される可能性があり、バスケット又はバルーンなどの第2の器具が元のワイヤガイド上に導入されて管路から結石が摘出される。様々な他の処置の可能性があり、従って使用される器具の性質及び順序は本発明にとって重要ではないことを理解されたい。
最初の手術が完了すると、第1の細長器具10が管路41から取り出され得る。図9dに図示されるとおり、操作者は、ERCPカテーテルを(図示されるとおり)前進させてそのカテーテルの遠位端12とワイヤガイドの遠位端25との位置を互いの方にずらすことによって器具IDEを行うか、又はワイヤガイド11をワイヤガイドホルダから外し、遠位端25のカテーテルとの係合が外れるまでワイヤガイド11を引き戻すことによってワイヤガイドIDEを実施し得る。或いは臨床医は、器具10とワイヤガイド11との係合又は連結を、ワイヤガイドが連結領域から出るまで双方の器具を同時に動かすことによって、典型的には連結解除を行う間、それらを作業部位41内に維持しながら外すことができる。先に考察したように、図9eに示されるとおりのカテーテル10の遠位部分13にある造影可能な表示18とワイヤガイド11の遠位端25にある造影可能な表示26とを利用して、係合又は連結の解除が起きたことを蛍光透視下に確認する。図4及び図8に図示される近位表示21、及び中間表示83(図26a〜図26b)、或いはそのどちらか一方もまた利用して、作業部位内で連結解除が行われたことの確証が提供され得る。この任意のステップが図12に示され、ここではワイヤガイド11は、内視鏡の生検ポートの開口52に関して(ポートの周縁上に、及びそこに挿入されて、或いはそのどちらか一方で)取り付けられた例示的ワイヤガイドホルダ50において係止位置161にあり、続いて係合が外されて一次アクセス器具10に隣接した非係止位置162に置かれ、2つの器具10、11の近位表示21が整列し得るようにされる。ワイヤガイド11の近位マーク37が一次アクセス器具10の位置合わせマーク81の遠位に留まっている限り、操作者はワイヤガイドの遠位先端が管路(図示せず)内で依然としてカテーテルの遠位端から突出していることが分かる。ワイヤガイド11が引き込まれ(又は一次器具10が前進して)2つのマーク37、81が整列した状態になると、操作者は2つの器具10、11の遠位端12、25が管路内でほぼ整列していることが分かる。操作者がワイヤガイド11を引き戻し続けるか、又はカテーテル10を前進させ続けると、位置合わせマーク37は係合解除マーク82と整列するようになり、これは例示的実施形態において、ワイヤガイドの遠位端が通路又は連結領域から完全に引き出されており、従って管路内で2つの器具の連結が外れていることを示す。
連結の解除が行われると、器具10、11はいずれも第3の細長医療器具を作業部位まで導入するための導管として利用可能となる。図示される例示的方法において、第3の細長器具44は拡張カテーテル88を含み(図9f)、これはワイヤガイド11の後端58(図示せず)を拡張カテーテル88の遠位開口19に送り込んで側部アクセスポート15から出し、その後拡張カテーテル88を内視鏡の付属チャンネル内に前進させ、ワイヤを伝って管路41に入れ込むことによってワイヤガイド11上で導入される。典型的には、操作者はそれ以上必要でなければ、第3の器具44の導入前に第1の器具10を取り出すことを選択するであろう。これは単純に、操作者がワイヤガイドを定位置に維持しながら(例えば、図12のワイヤガイドホルダ50に係止するなどして)、管路及び内視鏡チャンネルからカテーテルを1つの連続した動作で引き出すことによって行われる。第1の器具10を取り出し、第3の器具44を作業部位まで前進させると、第2の医療手術(例えば、狭窄の拡張)を実施できる。別の手術が必要とされる場合、第3のカテーテル型器具(第4の細長医療器具)を元のワイヤガイド11上に前進させるなどし得る。
上述のとおり、ワイヤガイド上で器具を導入及び交換する本システムは、超ショートワイヤ法を用いて導入された適切に構成された医療器具を通じてロングワイヤガイドを導入し得るように適合させることができる。他の場合には、留置されている超ショートワイヤを、適合性を有しない器具で使用するためのより長いワイヤに変えることが望ましいこともある。図13は、ワイヤガイド延長器56を図示し、これを本システムで使用することにより、管内交換用の側部アクセスポートのない従来式医療器具(「ロングワイヤ」)、又はやや長めの体外交換(例えば、30cm)が必要とされる従来式迅速交換器具のいずれによる体外交換も適応する。例示的システムにおいて、ワイヤガイド11はねじ山又はワイヤループなどの連結機構55を近位端58に備え、これは例示的フックなどのワイヤガイド延長器56の遠位端に位置する第2の連結具57と係合するよう構成される。これは、超ショートワイヤ交換用に設計されていない特定の器具を本システムで使用する場合に、従来式オーバー・ザ・ワイヤ交換を行えるようワイヤガイドの長さを事実上延長する。当業者は、様々なタイプの連結機構が交換を目的としたワイヤガイドの延長を達成するのに好適であり得ることを容易に理解するであろう。連結機構としては、2つの部分11、56を一時的又は永久的に繋ぐことのできる係止機構又はねじ機構、シース、バンド等が挙げられる。別の選択肢は、接着ストリップ又は同様の手段を用いてワイヤガイド11と延長器56とを互いに付着させることである。
作業部位内で連結を外し、ワイヤ上での体外交換を不要とすることのできる器具の例示的システムはまた、第1のワイヤガイドの設置後に、連結の外された留置カテーテルを介して第2のワイヤガイドを作業部位に導入するようにも構成され得る。図10は、カテーテルの近位部分の範囲内で、一般的には手技中に患者の体外にある箇所(例示的胆管器具の例では約166cm)に位置する近位アクセスポート20(第3の開口)を備えるカテーテル10を図示する。近位側部アクセスポート20は、アクセスポートを使用していないときその上に摺動してそれを閉じる任意のスリーブカバーを備え得る。
第2のワイヤ46を導入するため、例示的括約筋切開刀32は第1のワイヤガイド11との接続が外されても、図9a〜図9fに図示される方法のように患者から取り出されない。むしろ、第2のワイヤガイド46(第3の細長医療器具44)の先端が近位開口20を介してワイヤガイド通路27に送り込まれ、内視鏡を通じて管路41まで前進する。図11の例において、第1のワイヤガイド11は、総胆管41が2つの肝葉へと分岐するところなどの二股部分の第1の分岐路48にある。第2のワイヤガイドを搬送する括約筋切開刀32は、医師がハンドルを使用して切断ワイヤを引き戻すことによって回転及び偏向され、有利には第2のワイヤガイドの反対側の分岐路49への前進を誘導でき、ここで各々の分岐路がワイヤガイド46によってカニューレ挿入されることになる。カテーテル本体の軸方向の回転を提供するハンドルを有する括約筋切開刀32は好ましくは、ワイヤを留置する際に遠位切断部分33を反対側の管路の中に、又はその方に向ける。第2のワイヤ46は、その所望の位置にくると、所定位置で(例えば、図12の例示的ワイヤホルダ50の第2の連続的なスロット54を使用して)固定され得る。括約筋切開刀又は他の一次アクセス器具10が第2のワイヤ46から取り外されると、双方のワイヤ11、46とも続く追加的な器具、例えば管路の開存性を回復又は改善するためのステントの留置又は導入に利用可能となる。
元のカテーテル器具10を第2のショートワイヤ46から取り外すのに必要なこととして、図13のワイヤガイド延長器56を追加してロングワイヤ交換を実施するなどして交換を行わなければならないか、又は図18に示されるとおり、ワイヤガイドルーメン27の遠位(側部)アクセスポート15と近位側部アクセスポート20との間にある部分が、ワイヤを通路から横方向に出すことができるよう構成される場合には、カテーテルが剥離されてワイヤ46から離れてもよい。これは、壁の脆化部の形成、例えば、図15に図示されるような切り込み線、スリット67若しくは他の壁の内部の予め脆化させた領域、又は部分的若しくは全体的に壁を通じて形成された断続的なミシン目の作製により長手方向に脆化させることを含む、数多くの周知の方法で達成され得る。
代替として、チューブ状部材は、通路に備わるワイヤガイドによって十分な横方向の圧力がかけられると破損するよう構成された完全なカテーテル壁を含み得る。これを行う一方法は、ワイヤガイドルーメン27に隣接した壁68を十分に薄く(図16)及び/又は好適なポリマーで作製することであり、それによりカテーテルが患者から引き出されるときにカテーテルに対し横方向の力が加えられると、ワイヤガイド46が薄い壁68を容易に破り裂いたり、引き裂いたり、又は破り剥いだりし得る。図58はカテーテル器具10のワイヤガイドルーメン27に隣接した壁68を有する部分を示し、この壁68は十分に薄いため、カテーテル10が患者から引き出されるとワイヤガイド46が薄い壁68を容易に破り裂いたり、又は破り剥いだりできる。異方配向性ポリマーなどの、裂断を促すのに好適な分子構造を有する材料が用いられてもよく、又は裂断性を促進若しくは亢進する何らかの方法でポリマーが処理されてもよい。かかる材料は、例えば、均質な破断力を有することにより、ワイヤガイド46を制御された方法でカテーテルシャフトの長手方向軸と平行な経路に沿って壁68から引き抜くことができるよう選択又は構成され得る。換言すれば、材料は、一定の引張力及び低減された引張力、或いはそのどちらか一方の引張力がワイヤガイドに対し(又はワイヤガイドによって)加えられると、それに応じて長手方向に破り裂けたり、又は破れ剥がれたりするよう選択又は構成され得る。図59は、ポートからの破断距離に対する引張力のグラフ表示であり、標準的なシャフト材料を含んでなるカテーテル(グラフでは上の線)について、破断力が低減されて均一であるよう特別に選択又は構成されたシャフト材料を含んでなるカテーテル(グラフでは下の線)と比較している。裂断性の促進又は亢進に加え、この材料は、図58に示されるような破断経路に沿った粗い縁端が低減又は除去されるように選択又は構成され得る。こうした粗い縁端は、体液を溜めたり、及び/又は他の医療器具を引っ掛けたりする傾向がある。カテーテル壁の全体が裂断性を促進するよう構成されてもよく(図16)、又はワイヤガイドルーメンの外側まで延在するデュロメーター値のより低い第2の材料が長手方向に共押し出しされた部分を備えるなど、裂断可能な部分がカテーテルの周囲に沿った特定の一領域に限定されてもよい。
図60〜図61は、共押し出しされたシャフト材料を含んでなるカテーテル器具の実施形態を示し、ここでワイヤガイドルーメンを取り囲む材料は、ワイヤガイドを取り出すための裂断性が促進されるように選択又は構成される。特に、カテーテル器具210は複数の材料から形成されたシャフト212を含む。シャフト212のワイヤガイドルーメン214を取り囲む部分は第1の材料216で形成され、シャフト212の残りの部分は第2の材料218で形成される。示される実施形態において、第1の材料216と第2の材料218とは異なる物理的特性を有する異なる材料を含んでなる。特に、第1の材料216は、第2の材料218と比較したとき裂断性が促進されるよう選択又は構成される。第1の材料216はまた、第2の材料218より低い(又は高い)デュロメーター値を有してもよい。
共押し出しされた好適なカテーテルシャフト212が、ゼウス・インダストリアル・プロダクツ社(Zeus Industrial Products,Inc.)、3737 インダストリアル通り(Industrial Blvd.)、サウスカロライナ州オレンジバーグ(Orangeburg,South Carolina)によって、Zeus部品番号89287及び87943として製造されている。これらの部品番号は双方とも、複数のルーメンを有する共押し出しされたカテーテルシャフトを指定し、ここでカテーテルシャフトのなかでルーメンの1つ(例えば、ワイヤガイドルーメン)を取り囲む部分はZeus材料成分番号46108を含む第1の材料216からなり、カテーテルシャフトの残りの部分はZeus PTFE材料成分番号13129を含む第2の材料218からなる。Zeus材料成分番号46108の裂断性は、Zeus PTFE材料成分番号13129より高い。特に、Zeus材料成分番号46108はZeus PTFE材料成分番号13129と比較して破断引張力が低減している。さらに、Zeus材料成分番号46108はZeus PTFE材料成分番号13129と比較して破断引張力がより均一である。図61に示されるとおり、Zeus材料成分番号46108はまた、カテーテルシャフト212の長手方向軸と平行な経路に沿って破り裂けたり、又は破れ剥がれたりする傾向もあり、概して粗い縁端の形成につながることがない。
図60〜図61に示される実施形態において、第1の材料216と第2の材料218とは異なる物理的特性を有する異なる材料を含んでなる。しかしながら、代替として、第1の材料216と第2の材料218とは同じ材料を含んでなってもよく、この材料は、カテーテルシャフトの異なる部分又は範囲内で異なる機能特性を有するよう変性、処理、又はその他の方法で改質されている。例えば、カテーテルシャフト212は単一の均質な材料で製造され得る。次に、シャフト212のなかでワイヤガイドルーメン214を取り囲む部分(すなわち、範囲216)が、例えば、材料の裂断性を高める化学処理に供され得る。
図60〜図61に示される実施形態において、第1の材料216はワイヤガイドルーメン214を完全に取り囲み、カテーテルシャフト212の全断面積の約25パーセントを含んでなる。より具体的には、第1の材料216の断面積はほぼ扇形であり、ワイヤガイドルーメン214からワイヤガイドが取り出されると、第1の材料216が第2の材料218を横断しない経路に沿って破り裂けるか、又は破れ剥がれる傾向を有するように構成される。換言すれば、第1の材料216の断面積は、ワイヤガイドルーメン214からワイヤガイドを取り出しても、カテーテルシャフト212の残りの部分(すなわち、第2の材料218)の完全性を損なうことのないように構成される。
図62〜図65は、第1の材料216と第2の材料218との割合及び断面構成、或いはそのどちらか一方が異なるカテーテルシャフト212の代替的実施形態を示す。図62に示される実施形態において、第1の材料216はカテーテルシャフト212の全断面積の約50パーセントを含んでなり、シャフト212の残り部分は第2の材料218を含んでなる。図63に示される実施形態において、第1の材料216はカテーテルシャフト212の全断面積の20パーセント未満を含んでなり、シャフト212の残り部分は第2の材料218を含んでなる。図64〜図65に示される実施形態において、第1の材料216はワイヤガイドルーメン214を完全に取り囲むのではなく、ワイヤガイドルーメン214の外側半分のみを取り囲む。
図66は、図60〜図61に示される種類の共押し出しされたカテーテルシャフト212を含む括約筋切開刀220の実施形態を示す。カテーテルシャフト212は3本のルーメン、すなわち、ワイヤガイドルーメン214(図60を参照)、切断ワイヤルーメン、及び造影剤の注入用に構成されたルーメンを備える。切断ワイヤ222はカテーテルシャフト212の外部に、その遠位部分に沿って露出し、切断ワイヤルーメンを通じて近位に延在し、そこでハンドル224に接続される。ハンドル224を操作すると切断ワイヤ222がカテーテルシャフト212に対して長手方向に動き、次にこれによってカテーテルシャフト212の遠位部分が曲がり、組織を切断する形態となる。切断ワイヤ222はコネクタ226を介して電源(図示せず)と電気的に接続され、切断ワイヤ222に電気外科手技を実施するための電力が供給される。注入ポート228がカテーテルシャフト212の近位部分に沿って配置され、造影剤の注入用に構成されたルーメンに流体のアクセスを提供する。近位ワイヤガイドポート230もまた、カテーテルシャフト212の近位部分に沿って配置され、ワイヤガイドルーメン214(図60)へのアクセスを提供する。中間ワイヤガイドポート232がカテーテルシャフト212に沿って近位ワイヤガイドポート230の遠位に配置される。示される実施形態において、カテーテルシャフト212の全長は約200cmであり、中間ワイヤガイドポート232はカテーテルシャフト212の遠位端から約172cmに位置する。括約筋切開刀220の他の特徴及び詳細は当業者に周知である。図60〜図61の考察に関連して上記に説明されたとおり、カテーテルシャフト212は、ワイヤガイドルーメン214を取り囲んで裂断可能な材料216を含む。従って、中間ワイヤガイドポート232から外に出ているワイヤガイド(図示せず)は、裂断可能な材料216を破り裂くか、又は破り剥がすのに十分な方向に、且つ十分な力でワイヤガイドをカテーテルシャフト212から引き離すことによって、ワイヤガイドルーメン214から取り出すことができる。放射線不透過性バンド(ban)234を、カテーテルシャフト212の周りにカテーテルシャフト212の遠位端から短い距離(例えば、6cm)に配置して、バンド(ban)234より遠位にカテーテルシャフト212が破り裂かれないようにしてもよい。
図66a〜図66bに図示されるとおり、中間ワイヤガイドポート232が応力集中部240を備えることにより、カテーテルシャフト壁212のなかでポート232と隣接する部分において裂断可能な材料216を破り裂いたり、又は破り剥がしたりし始め易いようにし得る。図66aは、カテーテルシャフト212(図66を参照)のうち中間ワイヤガイドポート232を備える部分の斜視図であり、図66bは、中間ワイヤガイドポート232の上面図である。応力集中部240の設計、構造及び機能は、以下でさらに詳細に説明される。中間ワイヤガイドポート232は略長円形状又は略楕円形状であり、材料をスカイビング加工してカテーテルの側壁から取り去り、そこを貫通する開口を生じさせることによって形成され、この開口が、カテーテルシャフト212の外側からのワイヤガイドルーメン214へのアクセスを提供する。中間ワイヤガイドポート232はまた、ドリル加工又はレーザー切断加工によりカテーテルシャフト212の側壁を貫通することによって形成されてもよい。中間ワイヤガイドポート232の寸法は、概してワイヤガイドが通過することのできる寸法とされる。例えば、ポート232の幅は好ましくは、括約筋切開刀220と共に使用することを目的とした一般的なワイヤガイドの直径より僅かに大きくすることで、ワイヤガイドが通過するときのワイヤガイドとポート232の縁端との間の摩擦力が最小限に抑えられる。同様に、ポート232の長さは好ましくは、ワイヤガイド又はカテーテルシャフト212を過剰に屈曲させることなくワイヤガイドがそこを通過できるだけの十分な大きさとされる。
図66a〜図66bに図示されるとおり、中間ワイヤガイドポート232の遠位端242はV字型ノッチの形状の応力集中部240を備える。応力集中部は、物体のなかで、その物体の幾何形状に起因して、材料の応力が周囲の材料における「公称」応力を上回って局所的に増幅される部分又は範囲である。応力集中部の強さによっては、材料において局所的に増幅された応力は、周囲の材料より数倍大きいこともある。応力集中部は、物体の外側又は外周に沿った鋭角の内角部の形態をとることが多い。通常、応力集中部は、物体の耐久性を高め、破損の可能性を少なくするよう、特定されて物体から取り除かれる。例えば、物体の内角部における増幅された応力は、隅肉材料を加えて角部の半径を増加させることによって低減され得る。中間ワイヤガイドポート232の近位端244の丸い形状は、その比較的大きい半径によって比較的小さい応力集中部を有するシャフト壁212の範囲の例である。結果として、中間ワイヤガイドポート232の近位端244は比較的破れ裂けたり、又は破れ剥がれたりし難い。対照的に、中間ワイヤガイドポート232の遠位端242は、V字型ノッチ240の存在によって比較的大きい応力集中部を有する。これは、V字型ノッチ240の最遠位部分の有する半径が非常に小さい(又は鋭角の内角部の場合には半径が全くない)ためである。従って、中間ワイヤガイドポート232の遠位端242は、それほど破り裂き難かったり、又は破り剥がし難かったりすることはない。
本発明に関連して、応力集中部、すなわちV字型ノッチ240は、ワイヤガイドがワイヤガイドルーメン214からカテーテルシャフト壁212を通じて引き出されるときに裂断可能な材料216を破り裂いたり、又は破り剥がしたりし始めるために必要な力の大きさを低減する。例示的手技では、及び図66cを参照すると、ワイヤガイド11はカテーテルシャフト212のワイヤガイドルーメン214を通じて延在し、中間ワイヤガイドポート232を通って外に出ている。使用者は、ワイヤガイド11をカテーテルシャフト壁212から引き出すことによって、ワイヤガイド11をワイヤガイドルーメン214から「剥ぎ取る」、すなわち取り出そうとし得る。これを行うため、使用者はワイヤガイド11のうち中間ワイヤガイドポート232から外に伸張している部分を把持してワイヤガイド11を遠位方向に引き、ポート232の遠位端242に係合させる。使用者がワイヤガイド11を遠位に引き続けると、それによってカテーテルシャフト壁212を裂け目246に沿って(すなわち、ポート232の遠位端242において)破り裂くか、又は破り剥がすのに十分な力がかかる。上記で説明されたとおり、応力集中部240の存在によってカテーテルシャフト壁212を破り裂いたり、又は破り剥がしたりし始めるために必要な力の大きさが低減される。裂け目246が裂け始めると、裂け目246の遠位端がカテーテルシャフト壁212のうち裂け目246のすぐ遠位にあるまだ破り裂かれていない(すなわち、硬い)部分の応力集中部となる。従って、ワイヤガイド11がカテーテルシャフト壁212に対して遠位方向に移動し続けると、シャフト壁212はさらに破り裂かれることになる。
図66a〜図66cに示される特定の実施形態において、応力集中部240はV字型ノッチを含んでなり、これはポート232の遠位端242に沿ってシャフト壁212からV字型部分の材料を切り取り、取り除くことによって形成される。しかしながら、応力集中部240はカテーテルシャフト壁212の所望の破断特性に応じて、いかなる寸法及び形状を含んでもよい。図78〜図83は、ワイヤガイドポート232に隣接する位置でカテーテルシャフト壁212を破り裂くために必要な力を低減し得る応力集中部240のいくつかの例を示す。図78は、V字型遠位端が応力集中部240を形成する涙滴形のワイヤガイドポート232を示す。図79は、遠位端に小さい開口を有する略長円形状のワイヤガイドポート232を示し、この小さい開口が応力集中部240を形成する。小さい開口は、カテーテルシャフトの側壁212の側部ポート232に隣接する位置にドリルで穴を開けることによって形成される。小さい穴/開口は、より大きい穴/開口と比較して半径が小さいため、より大きい穴/開口と比べて大きい応力集中部を形成し得る。図80は、寸法が異なる(すなわち、小さくなる)複数の穴/開口によって形成された段階的な構成を含む応力集中部240を示す。図81は略長円形状のワイヤガイドポート232を示し、ポート232の遠位端にシャフト壁212を貫通する小さい切り込み又はスロットを有する。切り込み又はスロットは、図79〜80に示されるものと比較したとき、比較的大きい応力集中部240を形成する。図82は、V字型遠位端の形態の応力集中部240を有するワイヤガイドポート232を示す。図83は庇形(marquee shaped)ワイヤガイドポート232を示し、ポート232の近位端及び遠位端の双方に応力集中部240を有する。ポート232の双方の端部に応力集中部240を設けることにより、ワイヤガイド11をカテーテルシャフト壁212を通じてポート232に対し遠位方向にも、又は近位方向にも剥ぎ取ることができる。かかる構成は、ポート232がカテーテルシャフト212の遠位部分に沿って位置するとき、又はカテーテルシャフト212に沿って離間した位置に複数のポート232が設けられる場合に有利であり得る。
応力集中部240は上記では、ワイヤガイドルーメン214に隣接して裂断可能な材料216を有する共押し出しされたカテーテルシャフト212に関連して説明されているが、応力集中部240は、単一の材料から押し出されるか、又はその他の方法によって均質な断面を有するカテーテルシャフトで使用できることを理解されたい。例えば、応力集中部は、壁を貫通する切り込み線又はスリット67を有するか(図15に図示されるとおり)、又は壁を部分的若しくは完全に貫通して形成された断続的なミシン目を有するか、又はシャフト外壁に極めて近接して配置されたワイヤガイドルーメンを有する(図16に図示されるとおり)カテーテルシャフト用に設けられ得る。同様に、応力集中部は、その他の方法ではワイヤガイドをシャフト壁を通じて引き出せるように構成できないカテーテルに利用され得る。換言すれば、応力集中部を追加すると、いかなる種類のカテーテルもシャフト壁を破り裂くことができ、そこからワイヤガイドを横方向に引き出してカテーテルと分離させることが可能となり得る。
上記で考察される共押し出しされたカテーテルの実施形態は概して、ワイヤガイドルーメンを取り囲んで、又はそれに隣接して、ワイヤガイドを取り出すための裂断性を促進するよう選択又は構成されるカテーテルシャフト材料を含むが、他の物理的特性を有するカテーテルシャフト材料が選択され、カテーテルシャフトに全体的に他の特性を提供し得ることもまた理解されたい。例えば、高い剛性を有する材料を選択することで、カテーテルシャフトの曲げ剛性又はねじり剛性を向上させることができる。放射線不透過性材料を選択して、カテーテルシャフトに放射線不透過特性を付与してもよい。着色材料を選択して、カテーテルシャフトに高い視認性を付与してもよい。半透明材料を選択して、ワイヤガイドなどの、カテーテルシャフト内部の構成要素に対する視認性を付与してもよい。
また、共押し出し以外の製造技術によって複数の材料を含むカテーテルシャフトが形成され得ることも理解されたい。例えば、複数のカテーテルシャフトが別個に製造され、その後共に結合されることにより、一体のカテーテルシャフト構造を形成できる。かかる技術を利用すれば、カテーテルシャフトの長手方向に配置された種々の部分に沿って異なる特性を有する一体のカテーテルシャフト構造を形成できる。例えば、裂断可能な材料からなる比較的短いカテーテルシャフト部分を、裂断可能性の低い材料からなるより長いカテーテルシャフト部分に結合することで、全体としてはその一部分に沿ってのみ裂断可能な部分を有するカテーテルシャフト構造を提供できる。
裂断性が増加するように壁を構成すること、及び応力集中部を含めることで壁を破断し易くすること、或いはそのどちらか一方の代替例として(又はそれに加えて)、タブ又は他の要素をカテーテルに取り付けるか、又はカテーテルと一体化させてもよく、それにより壁を手で引き裂いてワイヤガイドを取り出すのが容易となる。鋭利な道具又は類似の器具は、ガイドワイヤルーメンに到達してカテーテルをワイヤと分離させるさらに別の代替的方法に相当する。別の選択肢は、壁を完全に貫通して溝(図15を参照)を伸張させることにより狭い開放されたチャンネルを形成するか(図2を参照)、又は2つの縁端がいずれも互いに対して付勢されるか、若しくはそれらの相補的な構造によって互いに係止するような密閉可能なシーム若しくはロックシームを形成することである。シームは、ワイヤガイドを引くことによってそこにかかる横方向の力がシームを押し開くのに十分な力であるとき、割れて開放又は解除されるように設計される。
図67〜図77は、ワイヤガイド46のカテーテル10との分離を促進又は補助するために使用できる様々な剥離具300を示す。図67は、管形状であり、カテーテル10の外側に沿って摺動するよう構成される剥離具300を示す。ワイヤガイド46をカテーテル10と分離させるため、使用者は剥離具300を把持して、カテーテル10及びワイヤガイド46、或いはそのどちらか一方に対し遠位方向に動かす。剥離具300の遠位端302がワイヤガイド46のうちカテーテル10の側面から(すなわちその壁を通じて)出ている部分に係合すると、剥離具300が十分な力を付与してこれらの2つの構成要素を互いに分離させる。
剥離具300は、あらゆる形状又は構成を含み得る。図68は、丸みのある縮径した遠位端(又は係合部分)302を備える弾丸形状の剥離具300を示し、これは、ワイヤガイド46が押されてカテーテル10から引き離されるときに、ワイヤガイド46に損傷を与える可能性が低い。図69〜図70は、一側面に沿って長手方向の溝又はチャンネル304を含む代替的な剥離具300を示す。チャンネル304がワイヤガイド46を係合し、ワイヤガイド46とカテーテル10とが分離されるときに、それらの2つの構成要素を整列させるのに役立つ。剥離具300の中心穴306はカテーテル10のシャフトを挿通させる寸法である(図68を参照)。図69の剥離具は遠位端302の直径がより大きくなるよう縮径し、一方、図70の剥離具300は遠位端302の直径がより小さくなるよう縮径する。これらの様々な剥離具300の形状及び向きの選択は、一般的には使用者個人の好みの問題である。
図71は、剥離具300の一側面を貫通する長手方向スロット308を含む別の代替的剥離具300を示す。スロット308は中心穴306まで延在する。このスロット308は、上記の剥離具300に優るいくつかの利点を提供する。例えば、このスロット308によって剥離具300をカテーテル10にクリップ留めしたり、又はそこから取り外したりできる。さらに、このスロット308によって剥離具300を第1のワイヤガイド46’(近位ポート20から出ている)の先に進めて第2のワイヤガイド46”(遠位ポート15から出ている)に係合させることができる。これは、剥離具300を回転させてスロット308を第1のワイヤガイド46’と整列させることによって達成される。ここで剥離具300を、第1のワイヤガイド46’を越えて遠位に動かすと、やがて第2のワイヤガイド46”に隣接し得る。次に剥離具300を十分な量だけ回転させて、スロット308が第2のワイヤガイド46”と整列しない状態とする。次に剥離具300を使用して第2のワイヤガイド46”のカテーテル10との係合を外し、分離させることができる。
図72は、図12に示され、上記に詳細に説明された種類のワイヤガイドホルダ50と接続される剥離具300を示す。特に、剥離具300のこの実施形態は、ワイヤガイドホルダ50に枢動可能に接続される湾曲部材を含む。使用していないとき、剥離具300は、ワイヤガイドホルダ50の機能を妨げないよう、ワイヤガイドホルダ50のスパインの下に横並びにして保管される。剥離具300を使用するには、剥離具300をワイヤガイドホルダ50のスパインの上方でほぼ横並びになる位置まで枢動させる。次に剥離具300の遠位端302をカテーテル10とワイヤガイド46との間に配置する。使用者は剥離具300をこの位置に維持しながら、カテーテル10及びガイドワイヤ46を把持して近位に引き寄せ、それによりこれらの構成要素は、剥離具300を通り過ぎるときに分離される。剥離具300は、剥離具300の固定を保管位置においても、又は展開位置においても可能にする挟圧又は係止機構を含み得る。
図73〜図77は、剥離具300のさらなる代替的実施形態を示す。これらの特定の実施形態において剥離具300は、概してカテーテル10にも、又はワイヤガイド46にも装着又は取付けされない別個の構成要素を含む。しかしながら、剥離具300には、別個の構成要素のシステムの一部としてカテーテル10及びワイヤガイド46、或いはそのどちらか一方が提供されてもよい。剥離具300は、本体部分310を有する細長部材と係合部分312とを含む。図73に示されるとおり、本体部分310は使用者が把持するよう構成され、使用者に滑り止め又は触知感覚を提供する表面構造314を備え得る。例えば、表面構造314としては、ゴム付きパッド(図74)、横方向の突起(図75)、隆起(図76)、長手方向の溝(図77)、又は滑りを低減したり、若しくは剥離具300を把持して操作する使用者の能力を向上させたりする任意の他の材料若しくは特徴が含まれ得る。本体部分310はあらゆる断面形状又は寸法を含み得る。例えば、本体部分310は、平坦形状か、円形状か、又は管形状であってもよい。
図73で最も良く分かるとおり、剥離具300の係合部分312は、カテーテル10とワイヤガイド46との間の間隙に、これらの2つの構成要素が互いに分離する点のすぐ近位で係合するよう構成される。剥離具300が滑ってカテーテル10及びワイヤガイド46、或いはそのどちらか一方との係合が外れるのを防止するため、係合部分312は、カテーテル10及びワイヤガイド46、或いはそのどちらか一方の外表面に係合し、それに沿って摺動するよう構成される1つ又は複数の窪み又は溝316を含む。溝316はいかなる寸法又は形状であってもよい。例えば溝316は、「U」字型(図73〜74)、「V」字型(図75)、又は「C」字型(図76)であり得る。図76に示される実施形態においては、「C」字型溝が、カテーテル10及びワイヤガイド46にスナップ留め又はクリップ留めされるよう構成される。図77に示される実施形態においては、係合部分312は、ワイヤガイド46を係合するよう構成された「U」字型溝316と、カテーテル10を取り囲み、それに沿って摺動するよう構成された円形開口318とを含む。
ここで図9a〜図9fに図示されるIDE法に戻ると、内視鏡の付属チャンネルを通じて一次アクセス器具及び連結されたワイヤガイドを導入するときに直面する摩擦により、場合によっては、2つの器具は作業部位に到達する前に早まって係合が外れ得ることが指摘されている。図23〜図25は細長係合部材89の異なる実施形態を図示し、これはワイヤガイド11をチューブ状部材77と解除可能に固定するよう構成され、それにより器具が患者の体内に導入されたり、又はそこで操作されたりするときに、不必要に係合の解除又は相対移動が起こらないようにされる。図23では、この細長係合部材は好ましくは、ナイロンなどの適切なコラム強度の可撓性ポリマー材料で作製されるワイヤ制止部材90を含み、これは標準的な押し込み部材と同様の構成である。好ましくは、ワイヤ制止部材90は、実質的にチューブ状部材77の通路27の内径を埋める直径(例えば、0.089センチメートル(0.035インチ))を含んでなり、従ってワイヤガイド11が連結領域14(通路31)に侵入する側部アクセスポート15の遠位の箇所まで完全に前進させると、ワイヤ制止部材はワイヤガイド11を通路の内壁に接触させてそこに楔留めし、従ってワイヤガイド11のチューブ状部材77に対する長手方向移動が実質的に防止される。図23は、シングルルーメンチューブ状部材77の内部に配置されたワイヤ制止部材90を示すが、これはマルチルーメン器具(例えば、括約筋切開刀)においても同様に用いられ得る。図24はワイヤ制止部材90の近位ハブ92(雄型ルアー継手)を示し、ここではこれは後退位置94にあってワイヤ制止部材90が十分に前進していないため、ワイヤガイド11を通路27の内部で側部アクセスポート15のすぐ遠位の領域又は箇所91に係合して係止又は楔留めすることはできない。これを行うためには、近位ハブ92を前方位置95まで前進させて、ハブ92を一次アクセス器具10の近位アクセスポート23に位置する近位(雌型)継手93と接触及び係合させる。操作者は、2つの器具10、11の互いの位置を変えたいと思ったら、近位(雄型)ハブ92を雌型近位ハブ93から外し、ワイヤガイド11が解除されるまで引き戻す。好ましくは、必ずとは限らないが、ワイヤ制止部材90は通路27から取り外すことができ、それにより通路27を通じて薬剤、追加のワイヤガイド等を導入し得るようにされる。細長係合部材89は一般的には、ワイヤが既に作業部位内に留置されており、ワイヤガイドを器具に固定する必要がない限り、二次アクセス器具で使用されることはない。
図25に図示される細長係合部材89の第2の実施形態は、縫合糸、ワイヤ、ケーブル、又は他の材料ストランドで作製される紐状スネア部材96を含み、これは通路27の内部でワイヤガイドの周りにかけられるか、ワイヤガイドを捕捉するか、又はその他の方法でワイヤガイドを解除可能に係合する。スネア部材96はハンドルの作動部分に取り付けられることで、操作者にその操作に対する十分な制御性を与えることができる。操作者は、ワイヤガイド11のチューブ状部材77との係合を外したいと思ったら、スネア部材96に対する張力を解放するか、又はそれを切断するか、若しくはその一方の端部を解除してスネア部材96を通路27から引き入れることができるようにしてもよい。或いは、スネア部材96はチューブ状部材77の外側に配置され、ワイヤガイド11を解除可能に係合及び拘束してもよい。図示される実施形態は、第1の細長医療器具10とワイヤガイド11とを拘束して、それらをチャンネルを通じて、そのなかで係合が外れることなく同時に導入できるように構成された可能な器具のうち2種類のみを表す。
図31及び32の細長係合部材89の実施形態は器具10の連結領域14も備え、これは補助通路115のなかに部分的に引き戻すことができるよう構成され得る。この動作によってワイヤガイドとの摩擦係合が生じ、従って細長係合部材89がさらに制止要素として働くため、連結領域14の内部でワイヤガイド11が自在に摺動することが防止される。
本発明及び方法は、一次アクセス器具が作業部位内で用いられ、且つ作業部位内で一次器具との連結を外された案内器具(ワイヤガイド)上に二次アクセス器具が導入される手技における器具の使用を含む。胆管系では、様々な医療手技を実施するために導入される器具として多くが考えられ得るが、そのなかから選択されたいくつかの例が図9F、図14、図17、図19〜図22、図27〜図28、図39、図41〜図44、図51、及び図53に図示される。例示的器具は当然、胆管系(bilary tree)での使用に適した全ての二次アクセス器具を代表するものではなく、それらの使用を一次器具に続いて使用される二次器具に特に限定するものでもない。例示的器具は、胆管系で内視鏡的に用いられるものに加え、体内の別の場所で実施される他の非胆管手技及び非内視鏡手技で用いられる一般的なタイプの医療器具のいくつかを図示する。
図17は、本発明のデリバリーカテーテル110(細長医療器具10)に装着された胆管又は膵管ドレナージステント69を送り込むためのシステムを図示する。例示的COTTON−LEUNG(登録商標)胆管ステント(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook,Medical Inc.))が、IDE用に改良されたOASIS(登録商標)ワンアクション(One Action)ステントデリバリーシステム(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))に装着され、OASISはステント69の内部ルーメン72を通じて延在し、ステント69はOASIS上に摺動自在に装着されている(押し込み部材101と共に使用されるとき(図29a〜図29cを参照))。例示的ステントデリバリーカテーテル110は、図示されているタイプのものに加え、様々な種類のチューブ状ドレナージステントを許容するよう構成されることに留意されたい。デリバリーカテーテル110の連結部分14は遠位開口19と側部アクセスポート15との間に通路27を含み、側部アクセスポート15は遠位先端から1.5〜2.0cmに位置する。例示的なイリジウムバンドなどの近位マーキング18がアクセスポート15のすぐ遠位、約1cmのところに位置する。ワイヤガイド11はステント69の遠位端71より遠位の箇所で側部アクセスポート15を出ることにより、有利にはステント69をデリバリーカテーテル110と共に引き込む手段を提供し、これは管路内部でステントを位置決めし直す能力を大いに助長する。カテーテル10とワイヤガイド11とがステント(押し込み部材によって静止状態に保たれている)に対し共に引き込まれると、カテーテル上に摺動自在に配置されたステント69の遠位縁端71がデリバリーカテーテルとそこから出るワイヤとの接合部によって形成される三角形の楔留め箇所70に引っ掛かる。従って、ステント69はデリバリーカテーテルと共に引き戻され、臨床医には、必要であれば近位固定フラップ73が管路の外側に伸張し得るように、ステントを管路から部分的に引き出すための単純且つ確実な手段が提供される。所望の位置に位置決めされると、ワイヤガイド11とデリバリーカテーテル110との連結が外され、デリバリーカテーテル110がステント69のルーメン72から引き出される。ワイヤガイド11がステント69のルーメン72を通じて伸張するデリバリーシステムでは、臨床医はデリバリーカテーテル110を引き戻しても、それと共にステントを引き戻すことは、ステントをデリバリーカテーテルと解除可能に連結する追加的な機構なしにはできない。この方法は他のステント設計、特に他の非拡張型チューブ状ステント及び押し込み部材を有するステントにも同様に容易に適合できることに留意されたい。
図17の例示的ステントデリバリーシステムは、先行の胆管ステントデリバリーシステムと異なり、管路内でワイヤガイド11と装置10との遠隔からの連結解除を実施できる限り、それによってステントを留置するごとに乳頭に再度カニューレ挿入する必要がなくなるため、図29a〜図29eの方法に図示されるとおりの複数のステントの留置に特に良く適合する。図29aに図示されるとおり、ワイヤガイド11と連結される内側デリバリー部材110は、前進させると内視鏡38から出て、膨大部の開口部40を通って管路41に入る。ワイヤガイド11はステント69のルーメン、及びまだ図示されていない押し込み部材を貫通していない。図29bでは、押し込み部材101が内側部材110上でステントを、ワイヤガイド11が側部アクセスポートから出るところに形成された接合部70にステントの遠位端71が達するまで付勢している(或いは、押し込み部材101をステントに接触させながら内側部材110及びステント69を引き戻して、ステントを内側部材110上でさらに前進させてもよい)。上述のとおり、接合部70を使用してステントの遠位端71を接触させ、望ましい展開配備に対し管路の奥へと前進させ過ぎたときなど、ステント69を引き戻したり、又は配置し直したりすることができる。図29cに図示されるとおりステント69が展開配備に適正な位置にくると、連結を外す手技を行うスペースが十分となるように、内側部材110を管路41のなかにさらに前進させる。ワイヤガイド11がワイヤガイドホルダ50から外され(図12を参照)、図29dに図示されるとおり、側部アクセスポート15から出るまで引き戻される。次に内側部材110が押し込み部材101と共にステント69を通じて引き込まれ、内視鏡のチャンネルから取り出される。次にワイヤガイド11を再び管路内へとさらに前進させることで、それが図29eに示される次のステントデリバリーシステムの導管として働き、従って第2のステント109を図29a〜図29dに示される方法で横に並べて展開できる。後続の追加的なステントの展開配備もまた、元のワイヤガイド上に同じ技法を用いて行うことができる。
本発明で使用するよう構成された他のステント又は補綴具デリバリーシステムが、図22、図27、及び図39に図示される。図22は、自己拡張型ステント、例えばWilson−Cook ZILVER(商標)自己拡張型胆管ステント、又は任意のニチノール、ステンレス鋼、若しくは他の自己拡張型ステント;人工弁(例えば、静脈、心臓、肺等)補綴具、血管オクルーダー、フィルター、塞栓保護器具、シャント、ステントグラフト等を含み得る自己拡張型補綴具98用のデリバリーシステム99を図示する。この例示的装置は、補綴具98を装着する内側部材(細長医療器具10)と、自己拡張型補綴具98を展開配備まで拘束する外側部材100又はシースとを含む。側部アクセスポート15は内側部材10の遠位先端12から約3cmに位置し、連結領域14は補綴具98の完全に遠位にある。
自己拡張型補綴具を展開配備するための代替的システムが図39に図示され、これは内側部材10と外側部材100とに一連の対応するスロットを備え、それにより展開中に互いの位置を決め直すことができる(典型的にはデリバリーシステムの内側部材10が定位置に維持されながらシース100が引き戻される)。これによって連結領域14は補綴具98を貫通することが可能となり、ワイヤガイド11が補綴具98より近位の側部アクセスポート15を出ることができるため、ワイヤガイドは補綴具98の内部に留まってその内部に展開でき、結果として、作業部位へのアクセスを失う可能性が低くなる。これは、ステント、他の補綴具、及び他の付属器具、例えば拡張バルーンなどを脈管系内部で展開配備する際に、拡張されたステントを通じて再度カニューレ挿入するのは、拡張されたステントが押し退けられたり、又はそれに引っ掛かったり、プラークが詰まったりする等、複雑な事態につながる恐れもあるため問題となり得る点で、特に有利であり得る。人工静脈及び他のタイプの人工弁の留置に関しては、小葉又は弁構造を通じて再びカニューレ挿入し、追加的な弁を展開したり、又は着座用バルーンを導入して弁支持フレームを完全に拡張し、血管の壁に当てたりすることが特に難しく、繊細な小葉構造の損傷及び弁機能の劣化につながる恐れがあると分かっている点で、弁を通じてワイヤガイドアクセスを維持することが特に有利であり得る。
図27は、超ショートワイヤ及び迅速交換用途向けに構成されている内視鏡胆管ステント69及び押し込み装置101(典型的には5.0〜7.0FR)を図示する。これは図17の実施形態とは、内側部材を欠いている点が主に異なる。ステント69及び押し込み部材101(この特定の実施形態では細長医療器具10)の双方とも外側イントロデューサ部材100を通じて導入され、ここでは遠位部分13に関して連結領域14を含む押し込み装置101の遠位端12がステントを前方に付勢し、管路内で展開配備させる。側部アクセスポート15は、ワイヤガイドがステント69の通路を挿通するように押し込み部材101(細長医療器具10)の遠位端12から約6cmに位置する。
図41〜図42は別の実施形態を図示し、ここではステント69が、例示的経鼻胆管ドレナージステントなどの、湾曲した固定部分127を備える展開形態128(図41)のピッグテイル型ドレナージステント126を含んでなり、これは図42に図示されるとおり、ワイヤガイド11上に置かれると直状形態129をとって胆管への導入用に構成される。好ましくは、必ずとは限らないが、ステント126の遠位部分に沿って配置された排液穴130は、ワイヤガイド11がそれらを通じて容易に出ることのできない寸法(例えば、0.064センチメートル(0.025インチ))とされ、一方側部アクセスポート15は出ていくワイヤガイドに容易に適応する寸法(例えば、0.089センチメートル(0.035インチ)以上)とされる。例示的経鼻胆管の実施形態において、排液穴は5つあり、側部アクセスポート15及びマーカーバンド18の遠位の遠位部分13に沿って約6mm離間して分布している。この特定の実施形態においては、一連の任意の排液穴130が側部アクセスポート15の近位にもある。排液穴の間隔は丸まっているときの直径によって変わり得るが、概して5mm〜1cm以上の範囲である。ワイヤガイド11のステント126に対する位置が変えられ管内交換が実施されると、ワイヤガイドがもはや連結領域通路31の内部になければ、固定部分127は巻き戻ってその目的とする形状になる。この例示的実施形態はまた、経鼻膵管ドレナージステント、尿管又は尿道ステント、又は1つ又は複数の湾曲した、又はピッグテイル型の端部部分及び様々な排液穴の構成を有する他のステントとしての使用にも適合し得る。図41の例示的実施形態はさらに、ステントが留置される膵胆管及び十二指腸の生体構造にステントをより良く適合させることが可能な中間湾曲部分を備える。
経鼻胆管及び経鼻膵管ドレナージの別の実施形態が図43に図示され、これは図41〜図42の実施形態と同様であるが、但し一対の遠位固定用フラップ180を備えており、ピッグテイル型の固定部分はない。さらに、側部アクセスポートは好ましくは器具の遠位端12により近接して(例えば、ピッグテイル型の実施形態の約6cmに対し、約2cm)位置する。典型的には経鼻胆管ドレーンは直径が5〜10FRであり、一方経鼻膵管ドレーンは5〜7FRである。ピッグテイル型ドレーン及び非ピッグテイル型ドレーンの双方の実施形態とも、有利には補強スタイレット(図43に図示される)を備え、これは側部アクセスポート15の周辺まで延在して押し込み易さを付与すると同時に、側部アクセスポートの近位に位置してループ又は屈曲が存在する場合、それを直状にする。かかる屈曲は器具を患者の生体構造に適合させ得るもので、例えば十二指腸の輪郭をより上手く通り抜けることができる。屈曲又は湾曲部分172の例は図41に図示される。
図19〜図20は、ショートワイヤ用に構成された本発明のバルーン47の実施形態を図示する。図19は拡張バルーン47(改良型QUANTUM(商標)胆道バルーン、ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))を含み、これは柔軟性を有しない材料(例えば、PET)から作製され、従ってバルーン部材102が所定の直径まで膨張すると管路内の狭窄を拡張できる。図20は、改良型TRI−EX(商標)トリプルルーメン摘出バルーン(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))などの摘出バルーン47を含み、これは柔軟性を有しない材料(ラテックス、シリコーン等)を含んでなり、管路から結石、スラッジ等の物質を清掃するように構成されている。双方の実施形態とも、連結領域14がバルーン部材102を通じて伸張し、その近位が出口となるよう、カテーテル10の遠位端12から約6cmに側部アクセスポート15を備える。図19の実施形態はさらに取り外し可能な補強スタイレット103を示し、これはカテーテル部材10の通路27の内部に維持されて、特に側部アクセスポート15(及び任意の近位側部アクセスポート、図示せず)にわたって剛性を付与し、それにより当該箇所でキンクが起こる可能性が低くなる。好ましくは金属(例えば、ステンレス鋼)又は比較的剛性のプラスチック又は他の材料から作製されるスタイレットは、ほとんどの適用において、図23の遠位ワイヤロック90と同様のいかなる係合機能も提供することはなく、これはその機能がワイヤガイド上を前進する能力を妨げ得るためである。
図21は、胆管系内の細胞を採取するための生検器具104を図示する。改良型CytoMAX II(商標)ダブルルーメン胆管ブラシ(ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.))を含むこの例示的実施形態は、器具10のチューブ状部分77の遠位端12から約6cmに側部アクセスポート15と、遠位端周りに配置され、連結領域14がブラシ要素105の近位で終端となるように遠位端を越えて伸張するブラシ要素105とを備え、ワイヤガイド11用の遠位開口19がブラシ要素105の基部周辺のチューブ状部材77の遠位端周りに配置される。生検器具104又は他の器具を作業部位内に送り込むための代替的器具が図38に図示される。例示的チューブ状部材77は遠位端に関して標準的な連結領域14を備えるが、但しチューブ状部材の通路27は連結領域14の通路31と連通するのではなく、傾斜した外部開口122の周辺で終端となっていて、この外部開口122は、ワイヤガイド11と直接には連結されない別個の細長医療器具を収容して作業部位に導入するよう構成される。例示的生検器具104は前進させると組織検体を収集し、次に通路27内に引き戻されて導入部材77と共に患者から取り出されるか、又は導入部材77から取り出されて第2の医療器具が通路に前進し、異なる手技を実施し得る。連結領域14の第2の端部の位置を示す放射線不透過性マーカーバンド18に加え、例示的チューブ状部材は傾斜した開口周りに位置する追加的なマーカー123を備え、これが操作者にさらなる案内を提供する。この例示的生検器具は、図38に示される方法で送り込むことが可能な器具のただ1つの例に過ぎない。
別の二次アクセス器具が図28に図示され、これは、ワイヤガイド11の通路27と(及びこれが連結領域14を備える)、放射性の要素108、例えばカテーテル、スタイレット、又はそこに導入される個々の放射性シードを受け取るための第2の閉端通路107とを備える小線源治療シード又は放射性シード送達カテーテル106を含む。小線源治療器具106はワイヤガイド11上を処置部位まで導入され、そこで有効な治療量の放射線を隣接組織、例えば胆管系内の腫瘍に送達するのに十分な時間にわたり配置される。一般的には、側部アクセスポート15が先端から約6cmに位置し、先端は好ましくは柔軟な非侵襲性のポリマー材料から作製される。第2の通路は好ましくは中心に位置し、放射線があらゆる方向に均等に散乱するようにされる。結果として、第1のワイヤガイド通路はその遠位の側部アクセスポート15の周辺で終端となり得るか、又はそこからずれて、少なくとも側部アクセスポート15及び連結領域14の近位の箇所で終端となり得る。
図44〜57は、前述の実施形態のように十二指腸内視鏡の付属チャンネルではなく、患者の口を通じて導入されるよう構成された一連の非胆管器具を図示する。図44〜57の実施形態の留置は典型的には、内視鏡の外側に連結することによって処置部位まで前進させる超ショートワイヤガイド11の使用が関わる。次にワイヤガイドは内視鏡との連結を外され、定位置に固定されることで他の器具を食道又は胃腸管内の他の場所などに導入するための経路として働く。場合により、ワイヤガイド11(図57)は親水性又は他の何らかの潤滑性コーティング又は表面173(例えば、SLIP−COAT(登録商標)バイオポリマー、STSバイオポリマーズ社(STS Biopolymers,Inc.)、ニューヨーク州ヘンリエッタ(Henrietta NY))を備えて、ワイヤガイドの留置後にその上を器具が前進し易いようにし得る。コーティングは有利には、中間部分97などのワイヤガイド11の一部分に限られ、患者の体外に伸張して操作者により操作及び係止される近位部分59(例えば、近位の10〜15cm)は、標準的な非親水性表面(例えば、PTFE)を有することで、ワイヤガイドを定位置に一層固定し易くする。ワイヤガイドの遠位部分60(例えば、2〜6cm)もまた被膜されずに残されて操作者により高い制御性を与え、ワイヤガイド上を前進している器具の連結領域からワイヤガイドが偶発的に早まって外れることのないよう補助する。図57の例示的ワイヤガイドの潤滑性の中間部分97は小腸又は結腸で使用されるとき、その内部を器具がより容易に摺動できると同時に、ワイヤはなお、各端部においてそれぞれバイトブロック及び遠位ループ144によって拘束しておくことが可能なため、特に有利である。
図44及び45は、食道内の狭窄を拡張するためのシステムを含む拡張カテーテル88及びワイヤガイド11を図示する。拡張器88は、チューブ状部材の近位部分に関して位置する目盛り表示システム133を備える。約75cmの長さの例示的実施形態において、表示は、40cm、50cm、及び60cmのマークを示すよう位置し、同様の一連の表示134、例えば10cm間隔毎に数が増えることによって参照点からの距離を示す例示的バンドを備える留置ワイヤガイド11と器具を整列させるのに役立つ。ワイヤガイドを処置部位に搬送するために用いられる内視鏡を使用して処置部位が確認された後、位置合わせ表示133、134によって有利には、処置部位、例えば、GE(胃食道)接合部、狭窄、又は他の、拡張されるか、照射されるか、若しくはその他の方法で処置されるべき部位に器具を正確に位置決めできる。
図44及び図45のワイヤガイド11及び拡張カテーテル88を食道に導入し、徐々に大きくなる拡張カテーテルを用いて一連の食道拡張を実施する方法が、図55a〜図55fに図示される。この基本的な方法は、内視鏡の付属チャンネルを通じて導入するには大き過ぎる他の器具の導入にも、又は標準的な経内視鏡的留置法が適切でないか、若しくは不可能な場合にも用いることができる。図55aに示されるとおり、ワイヤガイド11は内視鏡38及びワイヤガイド搬送機構174を使用して作業部位まで搬送され、ワイヤガイド搬送機構174は例示的実施形態において図48に図示される内視鏡ワイヤガイドホルダ140を含み、これは内視鏡の付属チャンネル165の内部にあって、ワイヤガイド11の遠位端25の周辺の遠位ループ144を介してワイヤガイド11に連結するための機構を備える。図示されるとおり、内視鏡ワイヤガイドホルダ140は、カテーテルの遠位端12に近接した側面凹部142を有するカテーテル部分と、ワイヤガイドホルダ140のシャフト146の通路145内に配置され、ワイヤガイドの遠位ループ144に挿通するよう構成された長手方向の摺動自在ピン部材141とを含む。ピン部材141を前進させるとループ144が凹部142内に拘束され、内視鏡付属チャンネル165の少なくとも実質的に外側にあるワイヤガイド11が搬送されて作業部位に至り、そこで操作者がハンドル147の親指以外の指用のリング部分148を親指リング149に対して作動させることによってピン部材141が後退してそこからループ144が抜け落ち、ワイヤガイド11が解除される。ピン141が、側面凹部142から遠位に延在する係止チャンネル143まで完全に前進すると、ループ144は拘束され、滑って抜け落ちることができなくなる。内視鏡ワイヤガイドホルダ140は、その後作業部位から内視鏡と共に引き出されるものであり、付属チャンネルから部分的に伸張しながらワイヤガイド11を搬送することもでき、又は付属チャンネル165へと引き込まれて(図示されるとおり)ワイヤガイドの遠位端25をその中に引き入れることもできる。
リング要素136を含むワイヤガイド搬送機構174の第2の実施形態が図46〜図47に図示され、このリング要素136は、内視鏡38の外側のその遠位端の周囲に、摩擦嵌め、クランプ機構、又は他の何らかの周知の手段を用いて取り付けられ、作業部位まで搬送されるワイヤガイド11を解除可能に拘束するよう構成される。ワイヤガイド11は例示的遠位ボールなどの取り外し可能な要素135を備え、これはクランプ固定されるか、接着されるか、又はその他の方法でワイヤガイドの端部25に関して固着され、十分な大きさの引張力(例えば、約13.3N(3lbs.))を加えると滑り落ちるか、又は壊れるように、且つ安全に胃腸系を通過するか、又は胃腸系によって吸収されるように設計される。ボール先端135がリング136の開放スロット137に挿入され、次にリップ部分138の下、凹部139の中へと横方向に滑り込むと、リップ部分138と凹部139とが共にワイヤガイドを拘束するよう働き、ワイヤガイドを内視鏡と共に引き込むことが可能となる。ボール135がリングの遠位縁端に沿って形成された凹部139内にあるとき、内視鏡38に逆向きの力を維持してそれを定位置に保持しながらワイヤガイドの近位部分を引くことによってワイヤガイド11の内視鏡38との連結を外すことができる。ボール135が取り除かれると(図45)、ワイヤガイド11はリップ部分138(図47)の下を滑ることができ、ワイヤガイドを所定位置に残して内視鏡38を患者から引き出すことができる。
再び図55aを参照すると、内視鏡は一般的には、作業部位41内でそのなかの処置されるべき特定の部位(括約筋、狭窄、病変等)のすぐ近位に位置決めされる。例示的方法において、内視鏡38をGE接合部156まで前進させ、このとき内視鏡の患者から出ている近位部分周りに位置する深さマーキング(図示せず)が操作者に口から処置部位までの距離を提供する。この時点において、ワイヤガイド11の遠位端25も、内視鏡38の遠位端に近接して係合されているため、ほぼGE接合部156に配置される。内視鏡38及びワイヤガイドは食道155を通じて前進させてGE接合部156に位置決めし、そこで当該の距離が知らされる。操作者は内視鏡38を10cm(又は他の何らかの類似した所定の距離)だけ前進させてもよく、これにより遠位端25が十分に胃157の内部(GE接合部156を約10cm過ぎたところ)にくる。或いは、図55bに図示されるとおり、操作者は同様に近位深さ表示を備え得るワイヤガイド保持器具140を、内視鏡38を越えて胃157の中に同様の距離だけ前進させてもよい。図45及び図50に図示される実施形態におけるワイヤガイド11は、遠位端25から10cm(又は、ワイヤガイドがGE接合部又は他の生体構造上の参照点を過ぎて前進すべきあらゆる距離)に位置する参照マーク175を備える。図45に図示される例示的実施形態のワイヤガイド11は一連の近位表示134を備え、これはワイヤガイド11に沿って選択された間隔(例えば、参照マーク175から30cm、35cm、40cm、45cm、50cm、及び55cm)の様々な数のマーキングを含むことができる。図50に図示される別の実施形態において、ワイヤガイドは、異なる色の5つの5cmバンド150を備え、これらは先端25から10cmの参照マーク175から計測したとき30cmマークから55cmマークまでにわたる。表示134はさらに、各有色バンド150の範囲内に1cm参照マーク177(例えば、ハッシュマーク)を備え得る。好ましくは、図50の実施形態のバンド150は、隣接するバンドの対比色となる色を含む。例えば、有利には寒色と暖色とが互いに隣接して置かれ、黄色、緑色、赤色、青色、及び次に橙色といった配色が作り出され得る。
ワイヤガイド11がGE接合部156を過ぎて10cm前進すると、ワイヤガイド搬送機構174との連結が外され、何らかの方法、例えば図52に図示される、ワイヤガイド固定部分154が一体化され、バイトブロック151を患者の頭の周りに固定するストラップ153を備えた例示的バイトブロック151を使用するなどして定位置に固定される。ワイヤガイドを定位置に固定するための機構50として機能することに加え、バイトブロック151はまた開放された作業域152も維持し、そこを通過して内視鏡、ワイヤガイド11、及び一次器具又は二次器具が作業部位に入る。
食道に裂傷を生じさせるリスクなしには(少なくとも予め適切に拡張しなければ)内視鏡を受け入れられない狭小化した狭窄が存在する場合、ワイヤガイド保持器具140は有利には、安全に狭窄内を前進し、そこを通過することで狭窄を越えてワイヤを搬送し、最小のものは内視鏡の直径より小さいであろう拡張器を前進させるための経路として機能する手段を提供する。
ここで図55cを参照すると、内視鏡38及びワイヤガイド保持器具140が一般的には作業部位41から引き込まれ、それにより図55dに図示されるとおり、例示的方法において第1の拡張器167を含む一次アクセス器具10がワイヤガイド11上を前進して医療手術を実施できるようになる。第1の拡張器167を前進させるため、ワイヤガイド11は一時的に保持器具から外され、それによりその近位端が拡張器の連結領域14に挿通され得る。或いは、一次器具10(例えば、拡張器167)は、ワイヤガイドが作業部位41に前進する前にワイヤガイド11と連結され得る。例示的拡張器167は、それぞれ側部アクセスポート15及び器具のなかで縮径する前の最も幅広の部分の遠位縁端に位置する任意の放射線不透過性マーカーバンド18、132を備える。例示的ワイヤガイド11と一次アクセス器具10とを整列させる生体構造上の参照点として設定されるのはGE接合部であるが、食道のなかで拡張されるべき狭窄を有する領域はGE接合部の近位のいずれかにあり得る。GE接合部を参照することは、胃の内部で連結を外すための一貫した既知の距離を提供するため好ましい。
拡張器167(図44)はまた好ましくは、拡張器に沿った特定の箇所(例えば、最も幅広の部分の遠位端132、遠位先端12、側部アクセスポート15等)が、GE接合部、ワイヤガイドの先端、又は他の何らかの参照点に達したときに操作者がそれを判断できるように、ワイヤガイド表示134と整列する一連の近位表示133も備える。
第1の拡張器167が前進し、食道の狭窄又はGE接合部156の開口を開大する第1のステップとしてそこを過ぎたら、図55eに図示されるとおり、連結の解除を行えるように遠位部分13を完全に患者の胃157の中に前進させる。典型的にはこれは、ワイヤガイド11の遠位端25を越えて側部アクセスポート15を前進させることによって達成され、ワイヤガイド11は、その遠位端25が摺動して連結領域14から抜けるまで定位置に固定されたままである。図9a〜図9f及び図29a〜図29eに図示される胆管技法と同様に、次に連結を外された一次アクセス器具10が患者から取り出され、図55fに図示されるとおり、第2の(より大きい)拡張器168などの二次アクセス器具(第3の細長医療器具44)が作業部位41に導入される。食道拡張は一般的には一連の徐々に大きくなる拡張器の通過を伴うが、最初の拡張中に抵抗が感じられない場合、より小さい寸法の1つ又は複数が省略されてもよい。
拡張カテーテル167の代替的実施形態が図56に図示され、ここでは側部アクセスポート15が、拡張器の遠位の(より大きい)直径の部分170がより小さい近位部分171へと移行するときに形成される近位に向いた表面又は平面169に位置する。これによって有利には、ワイヤガイド11と拡張器167との双方が狭窄を通過する間に、ワイヤガイド11が拡張器167の最も幅広の部分の横に並ぶことがなくなる。例示的階段状の構成はまた、本発明の他の実施形態においても、内視鏡の内部などにあるシース又はチャンネル内をワイヤガイドが通過することによって引き起こされる摩擦をなくすために有用であり得る。
図55a図55fの一般的方法はまた、図51に図示される光線力学治療(PDT)バルーン47、又は図53に図示されるアカラシアバルーン53などの、内視鏡の外側で他の器具を留置するのにも適合し得る。図示される双方の器具とも、ウィルソン−クック・メディカル社(Wilson−Cook Medical,Inc.)から市販されており、本明細書では超ショートワイヤデリバリー用に改良されたものとして示される。PDTバルーン47の配置は、内視鏡を用いてGE接合部の位置を特定し、それを越えた好適な既知の距離、例えばワイヤガイドの参照(又は「零点」)マーク175に対応する距離である10cmのところにワイヤガイド11を置くことにより行われる。図50〜52の例示的実施形態において、ワイヤガイドは有色バンド150を備え、これはPDTバルーンカテーテル47の近位表示133を含むものと対応し、従って色が整列したとき(図52)、PDTバルーンの場合にはバルーン部材102の発光部分178の遠位縁端である器具10の参照点176がGE接合部に位置する。これによって発光部分178は疾患(例えば、バレット食道)を処置するのに最適な位置にくる。例示的実施形態の有色バンド150又は他の表示133、134は処置器具10をワイヤガイド11、ひいては処置のために選択された部位と整列させるように構成され、器具の先端12、25の互いとの、又は側部アクセスポート15との位置合わせを補助して連結が外れそうであることを指示するなどの他の機能を有しても、又は有しなくともよいことに留意されたい。連結及び連結解除に関する位置合わせには別個の表示を用いてもよい。ワイヤガイド11の有色バンド150は、GE接合部に対応する(この実施形態において)参照マーク175を参照し返すよう構成される一方、一次アクセス器具10の有色バンド150は、ワイヤガイドの有色バンドと整列すると器具が疾患の治療に適正な位置にくるように構成される。従って、これらの有色バンドは同じ参照目盛りである必要はない(及び通常は同じではない)。
図53は、一次アクセス器具10がアカラシアバルーンを含む実施形態を図示する。アカラシアの処置はバルーンがGE接合部の近位ではなく、そこに跨って留置される点が異なるため、近位参照表示(図示せず)に対応して器具のGE接合部との整列を可能にする参照点176は、PDTバルーンのように遠位縁端ではなく、バルーン部材102の中心に位置する。
内視鏡の外側にあるワイヤガイドを作業部位まで引き入れ、その連結を外し、それを伝って器具を前進させる技法は、様々な直径のより大きいカテーテル(図54)、例えば、口から胃又は小腸まで前進させて留置される栄養管(例えば、経鼻空腸管、経鼻腸管等)にも適用できる。これらのカテーテルは有利には、通路27に補強スタイレット103を備えて、内視鏡を作業部位から後退させるとき、カテーテル器具10が内視鏡と共に引っ張られ、ひいては一般的には定位置に固定されているワイヤガイド11が連結領域14から引き出されるのを防止する。補強スタイレット103は、2つの器具10、11に位置するX線撮影用表示、内視鏡用表示、及び近位視認表示、或いはそのいずれか1つを用いて器具の連結が外される前、又はその後に取り出される。
胃腸管は現在のところ、本発明の方法及び技法を実践するための最も明らかな生体構造上の部位を提供し得るが、介入性医学(interventional medicine)のさらなる変化によって、遠隔からの連結解除及び超ショートワイヤ技法が従来式の迅速交換技法又は他の現行の技法の実行可能な代替策を提供し得る機会の増加がもたらされ得る。例えば、多くの一般的な泌尿器手技は、泌尿器用途に理想的なビデオ内視鏡が導入されるまでは、ワイヤガイド交換を用いて実施されていた。この導入の結果として直視がもたらされ、これが泌尿器管における器具の操作及び留置について標準的方法論となった。外部的な視覚化の方法論がさらに発展し、改良されると、結果として遠隔からの連結解除が泌尿器科医に真の利益を提供するワイヤガイド式手技に回帰し得る。他の専門領域においても同様の進展により、特に血管医学及び冠動脈医学において、遠隔から連結を外すことの潜在的な利益が実現され得る状況が生じ得る。
開示された本発明の実施形態の様々な要素の構造若しくは構成又はそれらの使用方法について、開示されていない、又は付随的な任意の他の詳細は、それらの要素が開示されるとおりの実施に必要な特質を有する限り、本発明の利点の実現にとって重要ではないと考えられる。構造についてのこれらの、及び他の詳細の選択は、本開示を踏まえれば、本技術分野における当業者が、また熟練していない当業者でさえ、その能力の範囲内で十分に対応できるものと考えられる。本発明の例示的実施形態は、実践的で実効的な構造を開示することで本発明が有利に実践され得るようにする目的から、相当に詳細に記載されている。本明細書に記載される設計及び方法は、例示を意図しているに過ぎない。本発明の新規の特徴は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の構造形態に組み込まれ得る。本発明は、例示的実施形態を参照して説明される要素及びステップを含み、且つそれらからなる実施形態を包含する。特に指示されない限り、本明細書で使用される全ての一般的な単語及び用語は、「ザ・ニュー・ショーター・オックスフォード・イングリッシュ・ディクショナリ(The New Shorter Oxford English Dictionary)」、1993年版に定義されるとおりの慣例的な意味を有するものとする。全ての技術用語は、当該の特定技術分野の当業者により利用される然るべき技術専門領域によって確立されているとおりの慣例的な意味を有するものとする。全ての医学用語は、「ステッドマン・メディカル・ディクショナリ(Stedman’s Medical Dictionary)」、第27版によって定義されるとおりの意味を有するものとする。
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