JPH0653125B2 - 括約筋切開法ならびに制御された曲げおよび向きを備えた器具 - Google Patents

括約筋切開法ならびに制御された曲げおよび向きを備えた器具

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JPH0653125B2
JPH0653125B2 JP2051601A JP5160190A JPH0653125B2 JP H0653125 B2 JPH0653125 B2 JP H0653125B2 JP 2051601 A JP2051601 A JP 2051601A JP 5160190 A JP5160190 A JP 5160190A JP H0653125 B2 JPH0653125 B2 JP H0653125B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は一般に括約筋切開術(Sphincterotomy)、より詳
細には患者の括約筋を制御切開しうるために切開中に制
御下に曲げうるパピロトーム(papillotome) などの器具
ならびにその使用法および製法に関する。
(発明の背景) 内視鏡下括約筋切開術においては、括約筋切開器、より
詳細にはパピロトームを内視鏡と併用して、患者体内の
外科切開を行う。たとえばオッディ括約筋はファーター
乳頭において十二指腸内へ開き、ここで総胆管および膵
管が合流して合同部、ファーター膨大部(Ampulla of Va
ter)となる。パピロトームは閉塞を生じている総胆管結
石の除去などの治療のためファーター乳頭を部分切開す
るのに用いられる。
残念ながら内視鏡下括約筋切開には合併症が生じる可能
性がある。たとえば米国胃腸管内視鏡検査学会(America
n Society of Gastrointestinal Endoscopy)において調
査が行われ、その際5,790人の患者に内視鏡下括約筋切
開が試みられた。これらのうち393人が合併症を生じ、2
2人が死亡した。この約0.04%という死亡率は著しいも
のである。内視鏡下括約筋切開により生じる主な合併症
には出血、膵炎、穿孔および胆管炎が含まれ、出血が最
も一般的な合併症である。このような出血の大部分は、
十二指腸後方動脈を切断した際に一般に起こる。本発明
は医師が括約筋切開術を行う際の制御を高め、患者を負
傷させる不注意な、または制御のない切断の危険性を低
下させるものである。
初期のパピロトーム、たとえば米国特許第4,485,812号
明細書(ハラダら)にはチューブの外側に露出したカッ
ターとして作動する導線を備えた一般的な型のパピロト
ームが示されている。チューブの外側に弓形に形成され
た電線を備えた各種のこのような括約筋切開器はソマ(S
oma)またはプッシュ型括約筋切開器、およびトラクショ
ン型括約筋切開器として知られている。これらの器具は
一般に周知であるが、上記の問題をひき起こす可能性が
ある。この型のパピロトームの欠点は米国特許第4,474,
174号明細書(ペトラジ)に論じられており、正確な制
御を欠き、制御性に乏しく、切開中に隣接組織に対し危
険性を伴うものとしてこれらの比較的慣用されるパピロ
トームナイフを排除している。実際にペトラジの特許は
代替品を提示しており、これは弓形の切開用ワイヤを備
える代わりに、傾斜したカテーテル壁により切開された
通路から突出するまでの遠方先端が単一内腔式カテーテ
ルの内側に進入している折りたたみ(pre−bent)式ナイ
フが備えられている。このワイヤナイフはコントロール
ワイヤに接続し、これを操作してワイヤナイフを伸長お
よび後退させて組織とかみ合わせる。コントロールワイ
ヤはらせん状に撚りをかけたリボン状ワイヤで作成され
る。らせん状の撚りは、内腔に造影剤を供給するための
通路を提供し、かつカテーテル壁が半径方向に圧潰され
るのを防止し、内腔を開いた状態に保つ。
カテーテル内腔に、半径方向に圧潰に対して強化し、内
腔を開いた状態に保持して流体、たとえば造影剤を外科
処置領域へ供給するのを可能にする各種の撚りをかけた
強化ワイヤその他の強化ワイヤを備えた他の幾つかの切
開器具が提供されている。この種の器具は米国特許第4,
325,374号明細書(コミヤ)−この場合、内腔の圧潰を
防止するためにコイルばねを用いる−;および米国特許
第4,724,836号(オカダ)−この場合、遠方先端を曲げ
た際に内腔が圧潰するのを防ぐために、流体用内腔に効
果ワイヤを配置する−に示されている。これら各種の強
化ワイヤは内腔の圧潰を防止するのには有利であるが、
それらは制御のない切断に関する前記の問題を解決する
ことを目的とするものではない。
この問題に対する一方法はドイツ国ミューニッヒのフリ
ンベルゲル博士により考案され、パピロトーム内腔の遠
方末端15〜20cmにばね鋼のリボンを押込むものであっ
た。残念ながらこの種の器具は製造上の問題を提起し、
かつパピロトームが適正な向きで内視鏡から出るのはわ
ずか70または80%の時間にすぎないという点で問題があ
った。
本発明は他の器具の制限を克服し、制御された、より安
全な切開を提供する。さらに本発明の器具は実質的にす
べての期間、適正な向きで内視鏡から出る。従って合併
症の危険性、および付随する死亡率は低下する。本発明
は括約筋切開器の第2の内腔内に配置された特別な向き
の強化部材を提供する、好ましくはこの強化部材は長方
形の横断面をもち、内腔の全長に及ぶ。長方形の横断面
形状のため、垂直軸に沿うより曲げ軸(bending axis)に
沿う方が横断面慣性モーメントが大きい。これにより一
次元内で制御された剛性が与えられ、カッターワイヤの
刃先があらかじめ定められた切開面内で移動する。この
制御された剛性のため、切開すべき括約筋に対してこの
切開面を適正に向けることができる。従って医師は内視
鏡下括約筋切開術に際し、より大幅な制御性を維持し、
不適性な切断およびこれに伴う合併症の危険性を低下さ
せることができる。さらに本発明はこの器具を用いる場
合に適正な平面内での切開を保証するための品質管理生
産に好適である。従って本発明は当技術分野に著しく進
歩をもたらす。
(発明の要約) 本発明は、近接末端および遠方末端を備え、内視鏡内腔
に受容される寸法の、長い多重内腔式チューブ状部材; 該チューブ状部材の遠方末端に沿って配置され、一般に
チューブ状部材に対し縦方向に向いた刃先を備えたカッ
ターであって、該刃先が切開面内を移動して患者の括約
筋を切開することができ、該カッターが該チューブ状部
材の第1縦内腔内に配置された導線に結合しているも
の; 該チューブ状部材の長さに沿った、強化手段を受容する
ための第2縦内腔;ならびに 該刃先が切開面外へ移動するのに抵抗するための、該第
2縦内腔内に配置された強化手段であって、該強化手段
が切開面に対し法線である曲げ軸に関する第1の横断面
慣性モーメントを有し、該強化手段がさらに切開面内に
ありかつ一般にチューブ状部材に対し垂直な抵抗軸に関
する第2の横断面慣性モーメントを有し、その際遠方末
端において第2の横断面慣性モーメントの方が第1の横
断面慣性モーメントより大きく、これにより切開面外へ
の曲げに対し抵抗し、切開面に沿って制御下に患者の括
約筋を切開することができるもの からなる医療用括約筋切開器を提供する。
本発明はさらに、内視鏡を括約筋付近に配置して括約筋
が見える状態となし; 括約筋切開器を内視鏡の開口から伸ばして括約筋とかみ
合わせ、その際括約筋切開器が付接末端および遠方末端
を備え、内視鏡内腔に受容される寸法の、長い多重内腔
式チューブ状部材; 該チューブ状部材の遠方末端に沿って配置され、一般に
チューブ状部材に対し縦方向に向いた刃先を備えたカッ
ターであって、刃先が切開面内を移動して患者の括約筋
を切開することができ、カッターがチューブ状部材の第
1の縦内腔内に配置された導線に結合しているもの; 該チューブ状部材の長さに沿った、強化手段を受容する
ための第2縦内腔;ならびに 該刃先が切開面外へ移動するのに抵抗するための、第2
縦内腔内に配置された強化手段であって、該強化手段が
切開面に対し法線である曲げ軸に関する第1の横断面慣
性モーメントを有し、該強化手段がさらに切開面内にあ
りかつ一般にチューブ状部材に対し垂直な抵抗軸に関す
る第2の横断面慣性モーメントを有し、その際遠方末端
において第2の横断面慣性モーメントの方が第1の横断
面慣性モーメントより大きく、これにより切開面外への
曲げに対し抵抗するものからなり; 切開面が括約筋の中心に対し半径方向に向く状態に刃先
および強化手段を向け;そして 強化手段が切開面外への刃先の移動に抵抗する状態で、
刃先が切開面内にあるカッターに電圧を印加して括約筋
を括約筋の中心から半径方向に外側へ切開する工程から
なる、患者の括約筋を外科的に切開する方法を提供す
る。
本発明はさらに、第1縦内腔および第2縦内腔を備えた
長い多重内腔式チューブ状部材を押出し成形し、その際
チューブ状部材は内視鏡内腔に受容される小さな外側断
面寸法を有し、チューブ状部材の第2の内腔は高さおよ
びこの高さより大きな幅をもつ長方形の断面を有するも
のであり; 第2縦内腔に対応する長方形の横断面を有する強化線材
を第2内腔内に、実質的に第2内腔の全長に沿って配置
し; 導線を備えたカッターを第1縦内腔を通して配置し、該
カッターによりチューブ状部材の遠方末端において第1
内腔の外側の第1位置と第2位置の間でカッター弓を形
成し;そして チューブ状部材の近接末端にカッターを操作するための
手段を取付ける 工程からなる、医療用括約筋切開器の製法を提供する。
本発明の目的の1つは、改良された括約筋切開法および
制御された曲げを備えた器具を提供することである。
本発明の他の目的は、ここに述べる利点を備えた括約筋
切開器の製法を提供することである。
本発明の他の目的は、内視鏡下括約筋切開術に伴う合併
症を減少させることである。
本発明の他の目的は、パピロトーム使用に際しての望ま
しくない出血を減少させることである。
本発明の他の目的は、十二指腸壁または膵管に対する損
傷を避けるために、乳頭オリフィスに対し一貫して12時
の位置に向けられたカッターを備えた括約筋切開器を提
供することである。
これらおよび他の本発明の目的および利点は以下の説明
および図面から明らかであろう。
図面について簡単に説明する。
第1図は本発明による括約筋切開器の側面図である。
第2図は第1図の器具の遠方末端の拡大詳細図である。
第3図は第2図の線3−3に沿って得た横断面図(逆
転)である。
第4図は本発明の器具の部分側部断面図である。
第5図は本発明において製造および使用されるチューブ
状部材の一般的な横断面図である。
第6図は本発明の器具の遠方末端の部分透視図であり、
それに重ねた切開面、曲げ軸および抵抗軸を示す。
第7図はファーター乳頭のオッディ括約筋のおいて内視
鏡下括約筋切開を実施するために採用されている本発明
の部分図である。
第8図はファーター乳頭のオッディ括約筋において内視
鏡下括約切開術を実施するために採用されている本発明
の、カッターが12時の位置にある状態を、内視鏡から見
た図である。
(好ましい形態の説明) 本発明の原理をより良く理解するために、図面に示され
た形態を参照し、それを説明するために特定の用語を用
いる。それにもかかわらず、これらは本発明の範囲の限
定を意図するものではなく、本発明に関連する技術分野
の専門家がここに示される方法および器具について容易
になしうる変更およびさらに修正、ならびにここに示さ
れる本発明の原理についての他の応用も本発明に包含さ
れるものと解すべきである。
第1〜8図について、同様な参照記号は同様な素子に対
応する。括約筋切開器21は遠方末端23および近接末端25
を備えたものとして示される。第1図において、括約筋
切開器21はチューブ状部材27、およびチューブ状部材27
の近接末端に接着剤またはこれに類する他の手段により
接続したマニピュレーターコトロールハンドル29を含
む。チューブ状部材27は好ましくはテトラフルオロエチ
レン(テフロン、Teflon)から押出し成形された多重内
腔式の5フレンチカーテルである。後記のように2個の
内腔を備えることが好ましい。一方の内腔はチューブ状
部材の遠方末端に開口31を備え、この内腔はその近接末
端においてはめ込み部品33に結合している。部品33は流
体、たとえば透視用造影剤の供給と連係しており、造影
剤を開口31から患者の体内へ供給することができる。さ
らにこの内腔はチューブ状部材27の遠方末端にある導線
カッター33を構成する電線が内部に配置される。カッタ
ー33は、周知のように近接末端においてカッター33に高
周波電流を供給する接続部35に接続した導線43としてこ
の内腔を貫通する電線であることが好ましい。マニピュ
レーターコントロールハンドル29はハンドル37を含み、
これは周知のよう電線にけん引力を与えてカッター33を
強く引くために近接方向へ引張ることができる。第1図
においてチューブ状部材27は明確に作図するために破断
した状態で示されているが、少なくとも一形態において
は約200cmの長さであることを留意されたい。
所望により括約筋切開器の遠方末端23は透視用指示スト
ライプ、たとえば指示ストライプ39および指示ストライ
プ41を含む。これらより狭い3本のバンドをも図示す
る。
第2図には括約筋切開器21の遠方末端23を示す。チュー
ブ状部材27は透明な、または少なくとも半透明の材料で
作成される。従って導線43および強化線材45はチューブ
状部材27を透過して見ることができる。好ましくは導線
43およびカッター33はすべて1本の細い編線で作成され
る。導線43はチューブ状部材27の近接末端から遠方末端
に及ぶ第1内腔内に配置され、開口51(第4図参照)か
らチューブ状部材27の壁面の外側へ突出してカッター33
となる。カッター33はチューブ状部材27の内腔の外面の
第1位置47と第2位置49の間で弓形をなす。カッター33
はチューブ状部材27の壁面に再進入し、第1内腔内を遠
方方向へその自由末端に対し数センチメートル重複逆行
する(図示されていない)。カッター33はチューブ状部
材27に沿って第1位置47と第2位置49の間に位置する刃
先53を備えている。刃先53は一般にチューブ状部材27に
対して縦方向に向き、かつ半径方向に外側へ向いて、患
者の切開すべき組織とかみ合うことが示される。
第3、4および5図には本発明の構造の、より詳細な図
が示される。導線43は第1縦内腔55内に配置された状態
で示される。内腔55は半円形の横断面形状で示される
が、円形その他の形状であってもよく、導線43が内腔内
で移動しうるために、かつ流体、たとえば造影剤が通過
しうるために、導線43より著しく大きいことが好まし
い。
強化線材45は好ましくはばね鋼で作成され、第2の縦内
腔57内に、好ましくは内腔57の全長に沿って配置される
ことが好ましい。図示されるように内腔57および強化線
材は好ましくは長方形であり、双方とも幅Wおよび高さ
Hをもち(第5図参照)、幅Wが高さHより大きい。
第3および6図には曲げ軸Bおよび抵抗軸Rが示され
る。抵抗軸Rは切開面P内にあることが示され、これに
対し曲げ軸Bは軸Rに対し垂直でありかつ切開面Pに対
し法線であることが示される(第6図参照)。カッター
33の刃先53も切開面P内にある。コントロールハンドル
29を操作すると、刃先53が切開面P内で移動して、患者
の括約筋を切開することができる。このような動きは、
この形態の場合、カッター33を開口51から引寄せる導線
43を引張り、遠方位置47を近接方向へ引き、これにより
刃先53に切開面Pを掃引させることによって生じる。曲
げは曲げ軸Bの周りに起こるが、逆に曲げは抵抗軸Rの
周りで抵抗を受ける。これは強化線材45の横断面形状に
起因し、より詳細には軸Bおよび軸Rの周りにおける強
化線剤45の横断面慣性モーメントに起因する。軸Bの周
りの横断面慣性モーメントIB、および軸Rの周りの横断
面慣性モーメントIR、長方形については下記方程式によ
り定められる。
上記の式から分かるように、幅Wは高さHより大きいの
でIRはIBより大きい。従って軸Rの周りには軸Bの周り
より、曲げに対して大きな抵抗がある。好ましい形態に
おいては図示されるように長方形の線材を用いるが、IR
がIBより大きい限り、異なる形状をもつ他の強化部材を
用いることができる。さらに、曲げ軸Bはチューブ状部
材27を含めた括約筋切開器21全体に関してではなく、図
中の強化線材45に関して定められることを留意された
い。好ましい形態においては、幅Wは約0.66mm(0.026イ
ンチ) であり、高さHは約0.23mm(0.009インチ) であ
る。さらに、強化線材45は比較的大きなねじり剛性を備
えており、これにより括約筋切開器が内視鏡から確実に
適正な12時の向きで出るのが補助される(第8図参
照)。チューブ状部材27の外径ODは比較的小さく、内視
鏡内腔に適合するのに適した寸法である。好ましい形態
においては、外径ODは約1.68mm(0.066インチ) である。
さらに、好ましい形態においては、チューブ状部材27、
内腔55、内腔57、強化線材45、および刃先53はすべて切
開面Pに沿って対称に配置される。
再び第1〜8図、特に第7および8図によれば、本発明
の使用法は以下のとおりである。内視鏡59を患者の体内
へ前進させ、ファーター乳頭63のオッディ括約筋61付近
に配置する。内視鏡59を周知のとおり括約筋61が見える
ように配置する。次いで括約筋切開器21を内視鏡59の開
口65から外側へ伸ばす。括約筋切開器21を伸ばし、その
遠方末端23を総胆管67および膵巻69と合同するファータ
ー膨大部内へ挿入することにより括約筋61とかみ合わせ
る。刃先53および強化線材45は括約筋61の中心に向けら
れ、従って切開面はファーター膨大部の中心に対し半径
方向へ向く。より詳細には、この向きはカッター導線33
が十二指腸壁または膵管に損傷を与えるのを避けるため
に、乳頭オリフィスに対し12時の位置に向けられる状態
である。12時の位置は第8図に説明される。ここに時計
面上および括約筋61の周りのそれぞれ12時、3時および
9時に対応する、丸で囲んだ12、3および9が示され
る。第8図に示すように括約筋切開器21を内視鏡から見
ると、適正な配置を補助する強化線材45により与えられ
る剛性によって、カッター33は損傷を避けるために12時
の位置に配置される。図示された内視鏡において、観察
は括約筋切開器の側面に沿ってなされ、従って第8図に
おいて括約筋切開器21は観察者の透視の若干右側に示さ
れ、括約筋61は若干中心からはずれた位置に見えること
を留意されたい。
マニピュレーターハンドル29を用いてカッター33を徐々
に緊張させて一部屈曲させ、従ってカッター33のほぼ半
分が乳頭オリフィスから外側へ見える状態にする。周知
のとおりカッター33に電圧を印加して括約筋61を括約筋
の中心から半径方向に外側へ切開し、その間強化線材45
は刃先53が切開面Pからはずれて移動するのに抵抗す
る。
強化線材45、および切開面P外へ曲がることに抵抗する
その剛性によって、括約筋切開器の遠方末端23が内視鏡
59の開口65の外へ前進するのに伴って刃先53が12時の位
置に向くという点で、著しい改良が得られる。
本発明の製法は以上の記載および図面から大部分は明ら
かである。第5図において、チューブ状部材27をテフロ
ンから、たとえばカテーテル工業で用いられる通常の押
出し法により押出し成形する。詳細には、チューブ状部
材27は好ましくは2個の内腔を備えたものとして成形さ
れるが、これより多数の内腔の採用も考慮される。図示
された内腔57は長方形であり、強化線材45をぴったり受
容する。内腔55は半円形の断面形状である。一形態にお
いてはチューブ状部材27は210cmの長さに作成される。
次いで強化線材45を一端から挿入することにより内腔57
内に配置し、好ましくは実質的に内腔57の全長に沿って
配置する。あるいはチューブ状部材27を強化線材45と同
時に押出して強化線材45が埋込まれた状態で、特に内腔
55が円形の状態で押出すこともできる。
導線43は内腔55にチューブ状部材の一端から他端へ通さ
れる。カッター33は導線43の一方の自由末端を内腔55の
壁面の開口51(第4図参照)からこの内腔の外側へ通す
ことにより、図示されるカッター弓として形成される。
通常のカッター弓が位置49と位置47の間で形成され、位
置47において導線はたとえばカテーテル壁の開口から内
腔55内へ再挿入され、ここに固定される。たとえば導線
の自由末端を内腔55内に近接方向へ逆に通してもよい。
従ってカッター33がカッター弓として形成される。導線
43の近接末端は電気接続部35に結合され、ハンドル37は
周知のようにチューブ状部材27の近接末端25において接
着剤その他の手段によりマニピュレーターコントロール
ハンドル34に固定される。あるいは本発明の器具および
方法には弓形のプッシュ型カッターまたは円丘弓(hump
bow)式カッターを用いることもできる。従って本発明は
容易に製造できる。
本発明を図面および以上の説明中に詳細に図示し、記述
したが、これは本発明を説明するためのものであって限
定するものではないと考えるべきであり、好ましい形態
のみを示し、説明したものであり、本発明の精神に包含
される変更および修正はすべて保護されるべぎであると
解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による括約筋切開器の側面図である。 第2図は第1図の器具の遠方末端の拡大詳細図である。 第3図は第2図の線3−3に沿って得た横断面図(逆
転)である。 第4図は本発明の器具の部分側部断面図である。 第5図は本発明において製造および使用されるチューブ
状部材の一般的な横断面図である。 第6図は本発明の器具の遠方末端の部分透視図であり、
それに重ねた切開面、曲げ軸および抵抗軸を示す。 第7図はファーター乳頭のオッディ括約筋において内視
鏡下括約筋切開を実施するために採用するために採用さ
れている本発明の部分図である。 第8図はファーター乳頭のオッディ括約筋において内視
鏡下括約筋切開術を実施するために採用されている本発
明の、カッターが12時の位置にある状態を、内視鏡から
見た図である。 各図において記号は下記のものを表わす。 21:括約筋切開器、23:遠方末端、 25:近接末端、27:チューブ状部材 29:マニピュレーターコントロールハンドル 31:開口、33:カッター 35:接続部、37:ハンドル 39,41:指示ストライプ、43:導線 45:強化線材、47:第1位置 49:第2位置、51:開口 53:刃先、55:第1縦内腔 57:第2縦内腔、59:内視鏡 61:オッディ括約筋、63:ファーター乳頭 65:内視鏡の開口、67:総胆管 69:膵管 B:曲げ軸、P:切開面 R:抵抗軸、W:幅 H:高さ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】近接末端および遠方末端を備え、内視鏡内
    腔に受容される寸法の、長い多重内腔式チューブ状部
    材; 該チューブ状部材の遠方末端に沿って配置され、一般に
    チューブ状部材に対し縦方向に向いた刃先を備えたカッ
    ターであって、該刃先が切開面内を移動して患者の括約
    筋を切開することができ、該カッターが該チューブ状部
    材の第1縦内腔内に配置された導線に結合しているも
    の; 該チューブ状部材の長さに沿った、強化手段を受容する
    ための第2縦内腔;ならびに 該刃先が切開面外へ移動するのに抵抗するための、該第
    2縦内腔内に配置された強化手段であって、該強化手段
    が切開面に対して法線である曲げ軸に関する第1の横断
    面慣性モーメントを有し、該強化手段がさらに、切開面
    内にありかつ一般に該チューブ状部材に対し垂直な抵抗
    軸に関する第2の横断面慣性モーメントを有し、その際
    該遠方末端において該第2横断面慣性モーメントの方が
    該第1横断面慣性モーメントより大きく、これにより切
    開面外への曲げに対し抵抗し、切開面に沿って制御下に
    患者の括約筋を切開することができるもの; からなる医療用括約筋切開器。
  2. 【請求項2】強化手段が長方形の横断面を有する線材か
    らなる、請求項1に記載の括約筋切開器。
  3. 【請求項3】第2縦内腔が強化手段の横断面に対応する
    長方形の横断面を有する、請求項2に記載の括約筋切開
    器。
  4. 【請求項4】第1縦内腔がチューブ状部材の遠方末端に
    開口を有する、請求項3に記載の括約筋切開器。
  5. 【請求項5】チューブ状部材の遠方末端にある、患者体
    内での遠方末端の位置を視覚的に指示するための指示手
    段をさらに含む、請求項4に記載の括約筋切開器。
  6. 【請求項6】カッターが第1縦内腔の外側の遠方末端の
    第1位置と第2位置の間に弓形をなした電線からなる、
    請求項5に記載の括約筋切開器。
  7. 【請求項7】第2縦内腔が長方形の断面を有する、請求
    項1に記載の括約筋切開器。
  8. 【請求項8】第1縦内腔がチューブ状部材の遠方末端に
    開口を有する、請求項1に記載の括約筋切開器。
  9. 【請求項9】チューブ状部材の遠方末端にある、患者体
    内での遠方末端の位置を視覚的に指示するための指示手
    段をさらに含む、請求項1に記載の括約筋切開器。
  10. 【請求項10】カッターが第1縦内腔の外側の遠方末端
    の第1位置と第2位置の間に弓形をなした電線からな
    る、請求項1に記載の括約筋切開器。
  11. 【請求項11】第1縦内腔および第2縦内腔を備えた長
    い多重内腔式チューブ状部材を押出成形し、その際該チ
    ューブ状部材は内視鏡内腔に受容される小さな外側断面
    寸法を有し、該チューブ状部材の第2内腔は高さおよび
    この高さより大きな幅をもつ長方形の断面を有するもの
    であり; 該第2縦内腔に対応する長方形の横断面を有する強化線
    材を該第2内腔内に、実質的に該第2内腔の全長に沿っ
    て配置し; 導線を備えたカッターを該第1縦内腔を通して配置し、
    該カッターにより該チューブ状部材の遠方末端において
    該第1内腔の外側の第1位置と第2位置の間でカッター
    弓を形成し;そして 該チューブ状部材の近接末端に該カッターを操作するた
    めの手段を取り付ける; 工程からなる、医療用括約筋切開器の製造法。
  12. 【請求項12】押出成形工程が半円形の断面形状を有す
    る第1縦内腔を形成することを含む、請求項11に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】押出成形工程に際し、チューブ状部材が
    テトラフルオロエチレンから押し出される、請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】第2縦内腔に強化線材を配置する工程が
    押出成形工程後に行われる、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】第2縦内腔に強化線材を配置する工程が
    押出成形工程と同時に行われる、請求項11に記載の方
    法。
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