JP2019503734A

JP2019503734A - 固定ガイドワイヤ

Info

Publication number: JP2019503734A
Application number: JP2018529540A
Authority: JP
Inventors: ツァオ、ホン; フルーリー、ショーン
Original assignee: Boston Scientific Scimed Inc
Current assignee: Boston Scientific Scimed Inc
Priority date: 2016-02-18
Filing date: 2017-02-17
Publication date: 2019-02-14
Also published as: US20170239448A1; WO2017143154A1; EP3416715A1; CN108495683A

Abstract

本願発明は、内視鏡の分野に関する。具体的には、標的部位に医療器具を効率的且つ正確に配置することおよび交換することのうちの少なくともいずれか一方を可能にする身体通路内部の固定ガイドワイヤのためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本願発明は、気管支内に生検器具を正確に配置することおよび交換することのうちの少なくとも一方の為の自己展開性のコイルを備えた固定ガイドワイヤに関する。

Description

本発明は、内視鏡の分野に関する。詳細には、標的部位への医療器具の正確な配置や交換を容易にするための身体通路内の固定ガイドワイヤの為のシステムおよび方法に関する。より詳細には、本願発明は、気管支内に医療器具を正確に配置すること及び交換することのうちの少なくともいずれか一方の為の自己展開性コイルを含む固定ガイドワイヤに関する。

ガイドワイヤは、患者の蛇行性の生体構造を介する医療器具の円滑な移動と迅速な交換とを容易にする為に外科手術で使用される。テーパ付き可撓性チップを含む従来のガイドワイヤは、標的部位へのアクセスを可能にするが、適切に配置された後にガイドワイヤの移動を防止するものではない。医療施術中に移動するというガイドワイヤの性質は、特に、ガイドワイヤを用いて医療器具を交換する際に、後続の医療器具を標的部位に正確に搬送する妨げとなっている。これは、単一のワーキングチャネルを含む小径の内視鏡を用いてのみアクセス可能な気管支などの狭小な体管腔内で実施される内視鏡施術で特に問題となっている。このような空間的な制約により、内視鏡施術中には、内視鏡の単一のワーキングチャネルを介してガイドワイヤ上で医療器具の交換を何度も行う必要がある場合がある。医療器具を交換する間のガイドワイヤのわずかな移動ですら、後に続いて導入される医療器具が目的とする標的組織にアクセスする妨げとなる。交換された医療器具の正確な位置が確保されず、またその位置が維持されない場合には、好ましくない結果、例えば施術の長時間化や施術の失敗、または不適切な施術となる可能性がある。

従って、特に内視鏡分野では、医療器具を交換する間に、通路内で固定された配置を維持して施術が終われば簡単に撤収することができる固定ガイドワイヤに対する需要が継続して存在する。

本願発明は、様々な実施態様において、内視鏡の分野などの医療分野における継続的な需要を満たすものであり、標的部位に医療器具を効率的、且つ正確に交換し、且つ搬送することができるように身体通路内にガイドワイヤを固定する為に自己展開性の遠位保持部材を含むガイドワイヤに関する。

一の態様では、本願発明は、近位部と遠位部とを有する長尺状コアワイヤと、長尺状コアワイヤの遠位端に配置された保持部材と、長尺状コアワイヤと保持部材の少なくとも一部の周囲に摺動可能に配置された延伸と後退が可能なシースと、からなる固定ガイドワイヤに関し、保持部材は、シースの内側に配置された際に第１外径を有する第１姿勢とシースの外側に配置された際に第２外径を有する第２姿勢とを備え、第２外径は第１外径よりも大きい。保持部材は、コイル形状に形成されたらせん状に付勢されたワイヤを含む。保持部材は、第２姿勢にある時に体管腔壁に接する。保持部材は、長尺状コアワイヤの遠位の巻き線から形成される。代替的は、保持部材は、長尺状コアワイヤの遠位端に溶接、はんだ、接着剤、糊、樹脂などで取り付けられる。保持部材は、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、それらの合金などからなる一群から選択される形状記憶材料を含む。長尺状コアワイヤは、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、それらの合金などからなる一群から選択された金属を含む。シースは、アクリレートをベースとするポリマー（acrylate-based polymers）、ポリウレタンをベースとするポリマー（polyurethane-based polymers）、ポリノルボルネンをベースとするポリマー（polynorbornene-based polymer）、ポリラクチドをベースとするポリマー（polylactide-based polymers）などから選択されるポリマーを含む。長尺状コアワイヤは、可撓性である。例えば、長尺状コアワイヤは、身体通路内部や身体通路を通って移動することが容易にできるようにする為にその長さに沿って様々なレベルまたは程度の可撓性を備えうる。長尺状コアワイヤの遠位部は、例えば、長尺状コアワイヤの近位部を操作することによって操縦される。シースを長尺状コアワイヤの遠位端に対して近位方向に後退させることにより、保持部材はシース内から解放され、シースを長尺状コアワイヤの遠位端に対して遠位方向に前進させることにより、保持部材はシース内の内部に復帰させる。長尺状コアワイヤと保持部材とシースとは、医療装置（例えば、カテーテル、気管支鏡、尿道鏡、十二指腸鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡、ステント、超音波装置など）のワーキングチャネル内または医療器具（例えば、生検器具、保持要素または切除要素など）のワーキングチャネル内に摺動可能に配置される。

別の実施態様では、本願発明は、近位端と遠位端とその間に延びるワーキングチャネルとを有する長尺状本体からなる医療装置と医療装置のワーキングチャネル内部に摺動可能に配置された固定ガイドワイヤとからなるシステムを提供する。固定ガイドワイヤは、近位部と遠位部とを有する長尺状コアワイヤと長尺状コアワイヤの遠位端に配置された保持部材と長尺状コアワイヤと保持部材のうちの少なくとも一部の周囲に摺動可能に配置されたシースとからなり、保持部材は、シースの内側に配置された際の第１外径を有する第１姿勢とシースの外側に配置された際の第２外径を有する第２姿勢とをなし、第２外径は第１外径よりも大きい。医療器具は、医療装置のワーキングチャネル内部の固定ガイドワイヤの周囲に摺動可能に配置される。医療装置は、カテーテル、気管支鏡、尿道鏡（ureteroscopes）、十二指腸鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡、ステントまたは超音波装置を含みうる。医療装置は、生検器具、把持要素または切除要素を含みうる。

さらに別の実施態様では、本願発明は、体管腔内に固定ガイドワイヤを挿入することと、固定ガイドワイヤが長尺状コアワイヤと長尺状コアワイヤの遠位端に配置された保持部材と長尺状コアワイヤの少なくとも一部の周囲に摺動可能に配置されたシースとからなることと、長尺状コアワイヤの遠位端を標的組織の近位に配置することと、保持部材がワイヤとシースの直径よりもより大きな直径を有する形状に展開するようにシースを長尺状コアワイヤの遠位端に対して摺動すること、とからなる方法を提供する。保持部材は、らせん形状に付勢されたコイルの形状に展開しうる。保持部材は、展開された形状をなす時には体管腔壁に接して体管腔内部で固定ガイドワイヤを固定する。方法は、固定ガイドワイヤ上を通って標的組織部位に器具を前進することをさらに含む。

本願発明の非限定的例が、概略であって縮尺通りではない添付の図面を参照して例示することを目的として説明される。図面では、図示されている同一またはほぼ同一の構成要素は、一般的に１つの数字で表示されている。明確性のために、全ての図面において必ずしもすべて構成要素が附番されているわけではない。また、図示することが当業者が本願発明を理解するのに必ずしも必要ではない場合には、本願発明の各実施形態の必ずしも全ての構成要素が図示されているわけではない。

本願発明の実施形態にかかる、制限姿勢、即ち搬送姿勢の固定ガイドワイヤの遠位端を示す図。本願発明の実施形態にかかる、非制限姿勢、即ち展開姿勢の固定ガイドワイヤの遠位端を示す図。気管支鏡と本願発明の実施形態にかかる患者の気管支内に配置された固定ガイドワイヤとを示す図。本願発明の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤ上で医療器具を交換する際に含まれる工程を示す図。本願発明の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤ上で医療器具を交換する際に含まれる工程を示す図。本願発明の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤ上で医療器具を交換する際に含まれる工程を示す図。本願発明の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤ上で医療器具を交換する際に含まれる工程を示す図。本願発明の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤ上で医療器具を交換する際に含まれる工程を示す図。本願発明の別の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤの代替的な姿勢を示す図。本願発明の別の実施形態にかかる、固定ガイドワイヤの代替的な姿勢を示す図。

図面は、本願発明の典型的または例示的な実施形態を示すことだけを目的とする。したがって、図面は本願発明の範囲を限定すると解してはならない。本願発明は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。

本願発明を詳細に説明する前に、本開示は、説明された特定の実施形態に限定されず変更可能であることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態についてのみ説明することを目的としたものであり添付の請求項の範囲を超えて限定することを意図したものではないことも理解されたい。他に定義されていない場合には、この明細書で用いられている全ての技術用語は、本願発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。最後に、本願発明の実施形態は、狭小な気管支内で使用される固定ガイドワイヤを特別に参照して説明されているが、固定ガイドワイヤは、心臓、血管系、循環系システム、消化管、胃、食道、泌尿器系等、様々な体管腔で使用しうる。

ここで使用される「遠位」という用語は、患者の体内に装置を導入する際に、医療専門家から最も離れた端部を指し、「近位」という用語は、患者の体内に装置を導入する際に、医療専門家に最も近い端部を指す。

ここで使用される「ガイドワイヤ」という用語は、医療施術または処置が実施される部位に身体通路を介して迅速に前進可能な長尺状コアワイヤ装置のことを指す。様々な医療器具（例えば、ナビゲーションカテーテル、生検器具、把持要素または切除要素等）は、ガイドワイヤによって画定される経路を進む為に挿入されたガイドワイヤ上で前進される。

一実施形態において、本願発明は、効率的且つ的確に標的部位に医療器具を配置し且つ交換する身体通路内の固定ガイドワイヤの為のシステムと方法とを提供する。図１Ａに示すように、本願発明にかかる固定ガイドワイヤ５は、遠位部１２と近位部（図示略）とを備える長尺状コアワイヤ１０を含む。保持部材１６ａは、長尺状コアワイヤ１０の遠位端に配置される。延伸と後退が可能なシース１８は、長尺状コアワイヤ１０と保持部材１６ａの少なくとも一部の周囲に摺動可能に配置される。

長尺状コアワイヤ１０は、様々なねじれ耐性材料、例えば、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル‐チタン合金（例えば、ニチノール等）から形成されうる。ニチノールは、ねじれに抵抗し且つ長尺状コアワイヤ１０が永久に変形されることなく急な旋回半径の周囲に湾曲可能にする超弾性の為に好まれる。ニチノールは、従来使用される材料よりも、より大きなトルク性を有し、長尺状コアワイヤ１０の操縦性を高める。当業者であれば理解するであろうが、医療専門家は、長尺状コアワイヤ１０の近位端に圧力またはトルクを付加することによって身体通路を介してガイドワイヤを前進する。このトルク力は、長尺状ガイドワイヤ１０の長さに沿って伝達されて、身体通路の内部においておよび身体通路を介して可撓性または湾曲可能な遠位部１２を正しい位置または新しい位置に配置する。一実施形態では、長尺状コアワイヤ１０は、操縦性を高めるために、その長さに沿って様々なレベルの可撓性を備える。例えば、コアワイヤの直径は、可撓性の高い領域（例えば、小さな直径を有する）と可撓性低い領域（例えば、大きな直径を有する）とを提供すべく、その長さに沿って変更されうる。追加的にまたは代替的に、コアワイヤは、様々な可撓性を有し、異なるねじれ耐性を有する材料からなる部分を備える。

本願発明にかかる長尺状コアワイヤ１０は、患者の体内の生体構造の標的部位だけでなく医療装置の長さに応じて様々な長さで提供される。一般的に、長尺状コアワイヤ１０は、その近位端から操作され、その遠位端が、医療装置の遠位端を超えて突出するようにするために、共に使用される医療装置よりも長い必要がある。非限定的な例として、長尺状コアワイヤ１０の長さは、約８０センチメートルから約４００センチメートルであり、好ましくは、約１００センチメートルから約１７５センチメートルである。長尺状コアワイヤ１０は、約０．５ミリメートルから約２．０ミリメートル、より好ましくは約１．０ミリメートルから約１．５ミリメートルの外径を有する。

一実施形態では、保持部材は、長尺状コアワイヤ１０の遠位端に取り付けられて、そこから遠位方向に延びる。当業者であれば理解するであろうが、保持部材は、溶接、はんだ、ろう付け、接着剤、糊または樹脂のうちの１つにより長尺状コアワイヤ１０に固定される。代替的には、保持部材は、長尺状コアワイヤ１０の遠位部１２につながった巻き線として形成される。別の実施形態では、保持部材は、体管腔壁の組織と有効なかかりを提供するために、約２０ミリメートルまたはそれ以下（例えば、１５ミリメートルまたはそれ以下、１０ミリメートルまたはそれ以下、５ミリメートルまたはそれ以下）で長尺状コアワイヤ１０の遠位端を超えて延びる。図１Ａと図１Ｂでは、保持部材は、約４つの完全な巻き線を備えるが、巻き線の数は、５つまたはそれ以上など４つより多い場合もあれば、３つまたはそれ以下など４つより少ない場合もある。

保持部材は、シース１８（図１Ａ）内に配置された際に第１外径ｄ_１を有する第１姿勢１６ａ（制限または非展開姿勢）と、シース１８（図１Ｂ）の外側に配置された際に第１外径ｄ_１より大きな第２外径ｄ_２を有する第２姿勢１６ｂ（非制限または展開姿勢）とを有する。例えば、一実施形態において、保持部材は、第１姿勢１６ａにある時に約０．５ミリメートルから約２．０ミリメートルの第１外径ｄ_１を有し、第２姿勢１６ｂにある時に第１外径ｄ_１より約３倍大きな第２外径ｄ_２（例えば、約１．５ミリメートル〜約６．０ミリメートル）を有する。このような第１外径と第２外径とは、保持部材の取りうる姿勢の非限定的な例であると理解されたい。

保持部材は、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びニッケルチタン合金（例えば、ニチノール）等の金属および金属合金、アクリレートをベースとするポリマー、ポリウレタンをベースとするポリマー、ポリノルボルネンをベースとするポリマー、およびポリラクチドをベースとするポリマー、およびそれらの組み合わせ等のポリマーを含む様々な弾性を有する生体適合性の高い材料から形成される。これらの材料は、長尺状コアワイヤの外径と同等の外径、例えば、約０．５ミリメートルから約２．０ミリメートルおよび、より好ましくは約１．０ミリメートルから約１．５ミリメートルの外径を有するワイヤに形成される。

これらの材料の自己展開性と弾性とにより、保持部材は、配置される通路の外径に応じて展開することができるため、より大きなまたはより小さな身体通路の内部に固定ガイドワイヤ５を配置することができる。図１Ａと図１Ｂでは、保持部材は、らせんコイル形状で示されているが、体管腔壁に接触して固定する為に、自己展開や収縮と拡張が可能な様々な保持部材（例えば、円形、楕円形、または長尺フレームワーク、延伸と後退が可能なフィンガー、膨張可能なバルーンなど）が、長尺状のコアワイヤ１０の遠位端に配置されうると考えなければならない。

シース１８は、長尺状コアワイヤ１０の長さ周囲に摺動可能に配置されて、ワイヤ１０の長さに沿って長軸方向に延びる。保持部材は、シース１８の内部に配置された際に第１姿勢に制約されて（図１Ａ）、医療装置のワーキングチャネルを介して固定ガイドワイヤ５を通過可能にする（図２）。シース１８は、保持部材が第１姿勢１６ａ（図１Ａ）から第２姿勢１６ｂ（図１Ｂ）に移行するように、長尺状コアワイヤ１０の遠位端に対して近位方向に後退される。同様に、シース１８は、保持部材がシース１８の内部で第１姿勢１６ａ（図１Ａ）に復帰するように、長尺状コアワイヤ１０の遠位端に対して遠位方向に前進される。代替的には、シース１８は静止した状態で、長尺状コアワイヤ１０を遠位方向に前進させたり近位方向に後退させたりすることにより、保持部材を押したり引いたりして保持部材をシース１８の中で往復させる。上述したように、保持部材が自己展開性であり且つ弾性であることにより、連続するらせん状の巻き線は、シース１８の内部に引き込まれた際に個別的に収縮されて、保持部材を第１姿勢１６ａに復帰させる。

シース１８は、ナイロン（例えば、ナイロン１２、ナイロン１１、ナイロン６／１２、ナイロン６、ナイロン６６等）、ポリエステル（例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ：polyethylene terephthalate），ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ：polybutylene terephthalate）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ：polyethylene naphthalate）、ポリトリメチレンテレフタレート（ＰＴＴ：polytrimethylene terephthalate）、ポリエーテル（polyethers）、ポリウレタン（polyurethanes）、ポリビニル（polyvinyls）、ポリアクリル酸（polyacrylics）、フッ化重合体（fluoropolymers）、ポリエーテル（polyether）及びポリアミド（polyamide）からなるブロック共重合体（例えば、ＰＥＢＡＸ（登録商標））等の共重合体およびブロック共重合体、およびそれらの混合物から形成された約４．０ミリメートルまたはそれ以下（例えば、３．０ミリメートルまたはそれ以下、２．０ミリメートルまたはそれ以下、１．０ミリメートルまたはそれ以下、０．５ミリメートルまたはそれ以下、０．０５ミリメートルまたはそれ以下）の厚みの壁を備える。シース１８は、低摩擦性移動を容易にするために、その外側表面と内側表面のうちのいずれか一方にコーティング（例えば、滑らかな疎水性および親水性コーティングのうちのいずれか一方など）をさらに備える。例えば、外側の滑らかなコーティングは、医療装置を配置したり交換したりする際に、シースの外側表面に沿った低摩擦性移動を容易にする。同様に、内側の滑らかなコーティングは、保持部材が第１姿勢と第２姿勢との間で移動する際に、シースを介する長尺状コアワイヤの低摩擦性移動を容易にする。

図２について、本願発明にかかるシステムと方法とは、近位端と遠位端２４とその間に延びるワーキングチャネル２６からなる長尺状本体を備える医療装置２０（例えば、気管支鏡）を含む。本願発明の医療装置は、気管支鏡に限定されないが、カテーテルや、尿管鏡、十二指腸鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡、ステント、超音波装置といった、身体通路にアクセスする為の様々な医療装置を含む。図示したように、医療装置２０は、その遠位端２４が、気管支内で標的組織に隣接して配置されるように、患者３の気管に挿入されて気管を介して前進される。

図３Ａについて、医療装置２０の遠位端２４は、医療専門家が、気管支４内部の適切な部位に遠位端２４を配置して標的組織２を特定可能にする為に、ワーキングチャネル２６と光源２７とカメラ２８とセンサー２９（例えば、埋め込まれた電磁センサーまたは放射線不透過性材料など）を含む。一実施形態では、長尺状コアワイヤ（図示略）と保持部材１６ａとシース１８とは、医療装置２０が気管支４の内部において標的組織２の一側に配置された際にワーキングチャネル２６の内部に位置している。代替的には、長尺状コアワイヤと保持部材１６ａとシース１８とは、医療装置の遠位端２４が患者の体内に適切に配置された後、ワーキングチャネル２６を通って前進される。

長尺状コアワイヤ１０は、その後、保持部材１６ａとシース１８とが標的組織２の他側（反対側）に配置されるように、ワーキングチャネル２６を介して医療装置２０の遠位端２４を超えてさらに気管支４の中に前進される。（図３Ｂ）。シース１８は、その後、保持部材を気管支４の壁に接触させる為に、保持部材が第２姿勢１６ｂに移行するように、長尺状コアワイヤ１０に対して近位方向に後退される（図３Ｃ）。医療器具３０（例えば、生検器具など）は、その後、医療装置２０のワーキングチャネル２６を介して標的組織２まで、長尺状コアワイヤ１０上を前進される（図３Ｄ）。医療器具３０が標的組織２の近傍に適切に配置されたら、保持部材とシース１８とは、気管支４の内部において医療器具３０の移動の妨げになることがないように、医療装置２０のワーキングチャネル２６内に後退される（図３Ｅ）。例えば、医療器具３０は、医療専門家がその後の解析のためにワーキングチャネル２６を介して回収される標的組織２のサンプルを取得可能にする把持または切除要素を含む。

一実施形態では、長尺状コアワイヤ１０とシース１８は、保持部材がワーキングチャネル２６の内部に後退されて第１姿勢１６ａに復帰するように、医療装置２０に対して近位方向に後退される。別の実施形態では、医療装置２０のワーキングチャネル２６の内部に後退される前に保持部材がシース１８の内部で第１姿勢１６ａに復帰するように、長尺状コアワイヤ１０が、シース１８に対して近位方向に後退される。さらに別の実施形態では、医療装置２０のワーキングチャネル２６内部に後退される前に保持部材がシース１８の内部で第１姿勢１６ａに復帰するように、シースが、長尺状コアワイヤ１０に対して遠位方向に前進される。

医療施術が第２の医療器具の使用を必要とする場合には、保持部材は、上述したように標的組織の反対側に再配置される。保持部材１６ａが気管支４の壁に対して適切に固定されたら、医療器具３０は、先に形成された固定点を壊す、即ち移動することなく、標的組織２の部位に医療装置２０のワーキングチャネル２６を介して長尺状コアワイヤ１０上を前進される。第２医療器具は、その後、上述した標的組織に配置される。

別の実施形態では、固定ガイドワイヤの長尺状コアワイヤ１０と保持部材１６ａとシース１８とは、シース１９内部に収容される（図４Ａ）。医療装置３０は、固定ガイドワイヤ上を通過するのではなく、固定ガイドワイヤに並行してシース１９内部を摺動可能に前進される。シース１９は、上述したように、医療装置の管腔を介して標的装置まで前進される。医療装置が適切に配置されたら、長尺状コアワイヤ１０は、上述したように気管支を介して前進されて固定される。医療器具３０は、その後、長尺状コアワイヤ１０または保持部材１６ａによって妨害されることなく気管支の内部に配置されて操作される。別の実施形態では、医療器具３０の全長は、固定ガイドワイヤ上を前進されるのではなく（例えば、図３Ｄと図３Ｅ）、医療器具３０の遠位部は、固定ガイドワイヤから偏倚される（図４Ｂ）。長尺状コアワイヤ１０と保持部材１６ａとシース１８とが気管支を介して前進されて医療器具の遠位端を超えた位置に固定されることにより、長尺状コアワイヤ１０を気管支の壁に固定した状態で、医療器具の遠位部を配置し且つ操作することができる。

本願の実施形態は、医療装置とともに使用するものとして説明されているが、本願発明の固定ガイドワイヤは、付随する医療装置２０がなくても患者の体内に配置することができる。例えば、固定ガイドワイヤは、医療器具のワーキングチャネルを介して患者の体内に挿入される。代替的には、固定ガイドワイヤは、単独で患者の体内に挿入される。保持部材が適切に固定されたら、１つ以上の医療器具は、上述したように長尺状コアワイヤ上で標的組織の部位に配置されるか交換される。

ここで開示され、請求項に記載されたすべての装置や方法は、本販発明に関して過度の試験をすることなく製造し且つ実施することが可能である。本願発明の装置と方法とは、好ましい実施形態に関して記載されているが、当業者であれば、本願発明の概念、主旨および範囲から逸脱することなく、ここで説明した装置や方法や方法の工程または工程の順序において、変更可能であることが理解できるであろう。したがって、当業者にとって自明な同等の代替形態や変更形態は、添付の請求項で定義される本願発明の主旨と範囲と概念の範囲内に入ると考えられる。

Claims

近位部と遠位部とを有する長尺状コアワイヤと、
前記長尺状コアワイヤの遠位端に配置された保持部材と、
前記長尺状コアワイヤと前記保持部材のうちの少なくとも一部の周囲に摺動可能に配置された延伸と後退が可能なシースと、
前記保持部材は、前記シースの内側に配置された際には第１外径を有する第１姿勢をなし、前記シースの外側に配置された際には第２外径を有する第２姿勢をなすことと、
前記第２外径は、前記第１外径よりも大きいことと、
からなる固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、らせん形状に付勢されている、請求項１に記載の固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、コール形状に形成されたワイヤを含む、請求項１に記載の固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、第２姿勢時に体管腔の壁に接触する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、前記長尺状コアワイヤの遠位の巻き線からなる、請求項１〜４のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、溶接、はんだ、接着剤、糊または樹脂のうちの１つによって前記長尺状コアワイヤの遠位端に固定されている、請求項１〜４のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記保持部材は、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、およびそれらの合金のうちの形状記憶材料からなる、請求項１〜６のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記長尺状コアワイヤは、プラチナ、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、およびそれらの合金のうちの金属からなる、請求項１〜７のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記シースは、アクリレートをベースとするポリマー、ポリウレタンをベースとするポリマー、ポリノルボルネンをベースとするポリマー、およびポリラクチドをベースとするポリマーのうちのポリマーからなる、請求項１〜８のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記長尺状コアワイヤは、可撓性である、請求項１〜９のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記長尺状コアワイヤの遠位端は、操縦可能である、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記長尺状コアワイヤの遠位部は、前記長尺状コアワイヤの近位部を操作することにより操縦される、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記シースを前記長尺状コアワイヤの遠位端に対して近位方向に後退することによって、前記保持部材を前記シース内部から解放する、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記シースを前記長尺状コアワイヤの遠位端に対して遠位方向に前進することによって、前記保持部材を前記シース内部の中に復帰させる、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。
前記長尺状コアワイヤと前記保持部材と前記シースとは、医療装置のワーキングチャネル内部に摺動可能に配置される、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の固定ガイドワイヤ。