JP2019115755A - 血管内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より多種の血管内への挿入が可能な外径を有し、かつ術者の経験および極めて高度な技能を必要とすることなく、血管内へのガイドワイヤの挿入が可能な、血管内内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡を提供すること。【解決手段】 血管内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡が開示されている。本発明の血管内視鏡カテーテルは可撓性を有する管腔本体を備え、管腔本体が管腔本体の軸断面にて偏心軸となるように管腔本体と一体的に配置され、かつ可撓性を有するガイドワイヤを独立して延出可能にする、補助管腔と;管腔本体内に収容された複数のガラスファイバから構成されるファイバ束であって、ガラスファイバの遠位端がそれぞれ管腔本体の軸方向に沿って指向する、ファイバ束;とを備え、管腔本体とファイバ束とガイドワイヤとが互いに独立してスライド可能である。【選択図】 図7

Description

本発明は、血管内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡に関し、より詳細には、術者の操作性が向上し、血管穿孔などの危険が低減された血管内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡に関する。
血管内視鏡および気管支内内視鏡は、使用される管腔内のサイズに依存して、消化管用内視鏡よりも細径のカテーテルを備えることが所望される。このため、これらの細径内視鏡では、そのカテーテルの遠位端を駆動するシステムを組み込むのに限界があり、いわゆる胃カメラや大腸ファイバのように遠位端のみを自力で駆動させて任意の方向に指向させることは困難である。この点において、血管内視鏡や気管支内内視鏡は、消化管用内視鏡とは全く異なる同時の技術思想の下で開発が行われてきた。
例えば、従来の血管内手術において、血管に対して可撓性を有するガイドワイヤを先に挿入して所望の位置まで到達させ、その後、当該ガイドワイヤに沿って内視鏡を備える別のカテーテルを到達させる方法が知られている。
しかし、このような方法によるガイドワイヤの挿入は、目的の血管に対する外部からのX線透視による2次元画像のみを用い、術者の経験と極めて高度な技能の下で行われるものであった。このため、このような方法では、
(1)所望の場所を推定しながらガイドワイヤが挿入されるため長時間を要し、ガイドワイヤの挿入やカテーテルの出し入れにおいても時間を要するため、患者への負担が大きくかつX線透視時間による被爆量も必然的に増大する;
(2)血管内への挿入にあたり、ガイドワイヤの挿入は術者の「感覚」に頼らざるを得ず、ガイドワイヤが適切な方向に指向しているか否かを客観的に予測することが不可能である;
(3)たとえ、高度な技能や経験を有する術者が行う場合であっても、この方法では、ガイドワイヤ先端部が血管の内壁を穿孔し、重篤な合併症を引き起こす危険性が残されている。
また、近年では、いくつかの超音波プローブを備える血管内超音波カテーテルが開発されている。
例えば、図16の(a)に示すような、遠位端712から延出可能なガイドワイヤ714と、該遠位端712においてカテーテルの軸心周りに設けられた超音波プローブ716とを備える血管内超音波カテーテル710が知られている。
図16の(a)に示す血管内超音波カテーテル710は、超音波プローブ716から発振された超音波の反射波を感知することにより、血管810内の狭窄部812の有無や表面の状態を2次元画像として画像化することができる。しかし、このカテーテル710は、カテーテルの軸周りの表面状態を画像化することができるに過ぎない。すなわち、血管810内に挿入されるガイドワイヤ714の進行(延出)方向においては、超音波プローブ716からの超音波は発振されないため、カテーテル遠位端712の前方方向(すなわち、ガイドワイヤ714の進行または延出方向)の状態は画像を通じて視覚化されず、ガイドワイヤ714の挿入は、依然として術者の経験と極めて高度な技能に頼らざるを得ない。
一方、「血管内前方視超音波カテーテル」と呼ばれる新たな技術も提案されている。これは、図16の(b)に示すように、血管内超音波カテーテル720において、遠位端722において超音波プローブ726が、ガイドワイヤ724の進行または延出方向に指向した形態で構成されている。超音波プローブ726からの超音波は、カテーテル遠位端722の前方方向(すなわち、ガイドワイヤ724の進行または延出方向)に発振されるため、カテーテル遠位端722の前方方向に狭窄部812等が存在する場合、その反射波を画像を通じて視覚化することができる。さらにこのような画像を用いることにより、ガイドワイヤ724の先端で狭窄部812を穿孔する危険も回避され得る。しかし、このような血管内超音波カテーテル720は、血管810内において上記狭窄部のような反射波を生じる部分が存在しない場合(図16の(c))、画像が形成することができず、ガイドワイヤ724の挿入は、依然として術者の経験と極めて高度な技能に頼らざるを得ない。
これに対し、上記のようなガイドワイヤを設けることなく、遠位延端部において、カテーテルの進行方向に指向したイメージファイバとライトガイドとを備える、血管内視鏡カテーテルが知られている(特許文献1および2)。特許文献1および2に記載のカテーテルはまた、フラッシュ液を導入するためのフラッシュチャネルも備える。
しかし、特許文献1および2に記載のカテーテルは、その構成上、ある程度の太さの外径を有さざるを得ず、現実的に挿入可能な血管のサイズが限られている。また、ガイドレールを用いないことにより、血管内視鏡の先端が血管壁を損傷する可能性があり、また目的の血管に血管内視鏡を運ぶことが困難である。損傷した血管壁は、血栓形成や狭窄の原因となり、血管壁に摩擦刺激を与えることなく、血管内視鏡を目的の部位に送達させることが重要である。このような構成であっても、別途ガイドワイヤが必要であり、仮に、血管壁に損傷を与えずに済んだとしても、血管内視鏡の挿入には依然として術者の極めて高度な技能を必要とし、さらに手技時間やX線透過による被爆量の増加、造影剤の多量使用につながるおそれがある。
特開平2−124127号公報 特開平2−124128号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、より多種の血管内への挿入が可能な外径を有し、かつ術者の経験および極めて高度な技能を必要とすることなく、血管内へのガイドワイヤの挿入が可能な、血管内視鏡カテーテルおよびそれを用いた血管内視鏡を提供することにある。
本発明は、血管内視鏡カテーテルであって
可撓性を有する管腔本体を備え、
ここで、該管腔本体が:
可撓性を有するガイドワイヤであって、該管腔本体の遠位端における該管腔本体の軸断面にて偏心軸となるように配置されており、かつ該管腔本体の遠位端から該管腔本体の軸方向に沿って遠位方向に延出可能である、ガイドワイヤ;と
該管腔本体内に収容された複数のガラスファイバから構成されるファイバ束であって、該ガラスファイバの遠位端がそれぞれ該管腔本体の軸方向に沿って指向する、ファイバ束;と
を備え、そして
該管腔本体の外径が0.1mmから2mmである、カテーテルである。
1つの実施形態では、上記ファイバ束を構成する上記ガラスファイバの外径は5μmから500μmである。
1つの実施形態では、上記ファイバ束は、3000本から30000本の上記ガラスファイバで構成されている。
1つの実施形態では、本発明の血管内視鏡カテーテルは、さらに可撓性を有する円筒状のカバー部を備え、そして上記管腔本体が、該カバー部内をスライド可能でありかつ該カバー部の軸方向に沿って遠位方向に延出可能となるように設けられている。
さらなる実施形態では、上記カバー部は透明である。
さらなる実施形態では、上記カバー部の外径は0.3mmから3mmである。
1つの実施形態では、上記カバー部と上記管腔本体との間に、流体を供給可能な間隙が設けられている。
1つの実施形態では、上記管腔本体は、内部にて上記ガイドワイヤを挿通するための補助管腔を一体的に備える。
さらなる実施形態では、上記補助管腔は、0.25mmから1mmの内径を有する。
1つの実施形態では、上記管腔本体は、該管腔本体の遠位端から軸方向に沿って近位端側の50mm以内の位置に複数の側孔を有する。
本発明はまた、流体供給ポートを備える中空のハンドル部と、該ハンドル部内にてスライド可能に配置された、上記カテーテルとを備える、血管内視鏡である。
本発明によれば、施術にあたり、必ずしも術者に極めて高度な技能を要求することなく、より多種の血管内に挿入することができ、ガイドワイヤの挿入の際の血管壁への穿孔の危険を一層低減することができる。これにより、血管内手術における合併症の発生を予防することができる。さらに、本発明によれば、ガイドワイヤの挿入にあたり、X線透視への依存を低下または解消することができる。これにより、患者のX線の被爆量を著しく低下させることができる。
本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の一例を模式的に表した図である。 図1に示す本発明の血管内視鏡カテーテルの一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを構成するカバー部および管腔本体の軸断面を表す図であって、図2のA−A’における管腔本体の断面を模式的に示す図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを構成する管腔本体の軸断面を表す図であって、図2のB−B’における管腔本体の断面を模式的に示す図である。 図2に示す本発明の血管内視鏡カテーテルの遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図であって、(a)は血管内視鏡カテーテルの遠位端近傍における当該カテーテルの軸と直交する方向の断面図であり、そして(b)は血管内視鏡カテーテルの遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図であって、(a)は血管内視鏡カテーテルの遠位端近傍における当該カテーテルの軸と直交する方向の断面図であり、そして(b)は血管内視鏡カテーテルの遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡のさらに別の例を模式的に表した図である。 図9に示す本発明の血管内視鏡カテーテルの一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを構成するカバー部および管腔本体の軸断面を表す図であって、図10のC−C’における管腔本体の断面を模式的に示す図である。 図10に示す本発明の血管内視鏡カテーテル320の遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。 本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡のさらに別の例を模式的に表した図である。 図13に示す本発明の血管内視鏡カテーテルの一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。 本発明の血管内視鏡を用いて血管内に血管内視鏡カテーテル(図10に示す本発明のカテーテルに相当する)を挿入する様子を模式的に表す図であって、(a)は本発明のカテーテルが血管内の分岐部分に到達した状態を説明する図であり、(b)は(a)の位置に本発明のカテーテルが存在する場合のモニターに表示される二次元画像の一例を示す図であり、(c)は本発明のカテーテルからガイドワイヤを延出して所望の血管内に当該ワイヤを進入させる状態を説明する図であり、そして(d)は(c)の位置に本発明のカテーテルが存在する場合のモニターに表示される二次元画像の一例を示す図である。 従来の血管内超音波カテーテルが血管内を通過する状態を説明する模式図であって、(a)はカテーテル遠位端においてカテーテルの軸周りに超音波プローブが配置された血管内超音波カテーテルが血管内を通過する状態を示す図であり、(b)はカテーテル遠位端においてカテーテルの前方方向に超音波プローブが配置された血管内超音波カテーテルが狭窄部を有する血管内を通過する状態を示す図であり、そして(c)はカテーテル遠位端においてカテーテルの前方方向に超音波プローブが配置された血管内超音波カテーテルが狭窄部を有さない血管内を通過する状態を示す図である。
以下、本発明を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の一例を模式的に表した図である。
図1に示すように、血管内視鏡100は、ハンドル部102内にてスライド可能に配置された、カテーテル120を備える。
ハンドル部102は、流体供給ポート104を備える中空の部品であり、例えば、樹脂または金属製の材料で構成されている。ハンドル部102の外径は特に限定されないが、術者が把持するのに適したサイズ(例えば、5mm〜20mm)に設計されている。外形は必ずしも円柱状を有していなくてもよく、グリップ性に優れた任意の形状を有していてもよい。
ハンドル部102の内径は、後述する血管内視鏡カテーテルの外径に適合するサイズに設計されている。流体供給ポート104は、ハンドル部102の中空部分に連通し、フラッシュ液として提供される血管内手術一般に使用される種々の流体(例えば、生理食塩水、リンゲル液、低分子デキストラン、造影剤)を、ポート104を通じてハンドル部102およびその後のカテーテル120に供給することができる。流体供給ポート104の内径は特に限定されないが、例えば、2mm〜10mmである。上記ハンドル部102は、例えば、市販のYコネクタまたはTコネクタであってもよい。
本発明の血管内視鏡カテーテル120は、当該カテーテルの近位端が上記ハンドル部102の遠位端と連通する。ここで、本発明において、血管内視鏡カテーテル120とハンドル部102とは一体的に成形されていてもよく、あるいはそれぞれ独立したものを適宜組み合わせたものであってもよい。
ここで、本明細書にて用いられる用語「近位」とは、器具および装置の位置を表す用語であって、当該器具または装置を術者が使用する際に、当該器具または装置のうち、術者に近い側の部分を指し、そして用語「遠位」とは、器具および装置の位置を表す用語であって、当該器具または装置を術者が使用する際に、当該器具または装置のうち、操作者に遠い側の部分を指して言う。さらに、本明細書にて用いられる用語「近位端」とは、このような器具および装置の近位側の端部を指し、そして用語「遠位端」とは、このような器具および装置の遠位側の端部を指して言う。
図1に示す本発明の血管内視鏡カテーテル120は、例えば、可撓性を有する円筒状のカバー部122と、該カバー部122に収容された可撓性を有する管腔本体124およびガイドワイヤ126とを備える。
図2は、図1に示す本発明の血管内視鏡カテーテル120の一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。
図2において、血管内視鏡カテーテル120では、管腔本体124が円筒状のカバー部122内をスライド可能に貫通し、かつカバー部122の軸方向に沿って遠位方向に延出可能である。ここで、カバー部122は、遠位端から近位端(すなわち、図1に示すハンドル部102の遠位端との連結部分)までの長さが、例えば、100cm〜250cm、好ましくは120cm〜230cmであるように設計されている。なお、図2に示す血管内視鏡カテーテル120において、管腔本体124および円筒状のカバー部122はいずれも、略円状の断面形状を有する。当該断面形状は、必ずしも真円形状でなくてもよく、例えば、楕円形状であってもよい。
カバー部122の外径は、本発明の血管内視鏡カテーテルが使用される血管の内径に応じ、当該血管内を通過可能な任意のサイズに設計され得る。カバー部の外径は、好ましくは0.3mm〜3mmであり、より好ましくは0.5mm〜1.8mmである。カバー部122の内径は管腔本体124を挿通することができるサイズに設計されており、必ずしも限定されないが、例えば、0.2mm〜2.5mm、より好ましくは0.4mm〜1.6mmである。カバー部は、例えば、市販のガイディングカテーテルやシースレスカテーテルであってもよい。
カバー部122は、例えば、カバー部を通している間も、カバー部を通じて血管壁を直接観察することができ、かつ内視鏡を前後に動かした際に血管壁を損傷することなく、安全にカバー部の中に内視鏡を収納した状態で血管壁を観察することができるという理由から透明であることが好ましく、可撓性を有する材料、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル、フッ素系樹脂などの材料で構成されている。
管腔本体124は、遠位端から近位端までの長さが、例えば、101cm〜280cm、好ましくは140cm〜250cmであるように設計されている。管腔本体124の近位端は、図1に示すようにハンドル部102の近位端から突出している。術者は当該ハンドル部102から突出した管腔本体124を掴み、これを遠位側または近位側に押し引きすることにより、カバー部122内での管腔本体124のスライドおよびカバー部122の遠位端からの管腔本体124の延出を制御することができる。
再び図2を参照すると、管腔本体124の外径は、上記カバー部122の内径に応じ、当該カバー部122内を通過可能な任意のサイズに設計され得る。管腔本体124の外径は、0.1mm〜3mmであり、好ましくは0.5mm〜2mmである。
図3は、本発明の血管内視鏡カテーテルを構成するカバー部および管腔本体の軸断面を表す図であって、図2のA−A’における管腔本体の断面を模式的に示す図である。本実施形態において、上記カバー部122の内径および管腔本体124の外径は、カバー部122の内表面123と管腔本体124の外表面125との間においてハンドル部のポートから供給された流体を通過させることが可能な間隙を形成するように設計されていることが好ましい。フラッシュ液などの流体を、例えば、図1に示すハンドル部102の流体供給ポート104からハンドル部102において、ハンドル部102と管腔本体124との間を通過させ、さらにその後カバー部122と管腔本体124との間を通過させて、カバー部122の遠位端から流出させるためである。
再び図2を参照すると、管腔本体124の内径は、必ずしも限定されないが、例えば、0.1mm〜3mm、より好ましくは0.3mm〜1.8mmである。さらに、管腔本体124は、可撓性を有する材料、例えば、ポリイミド、フッ素系樹脂などの材料で構成されている。
本発明の血管内視鏡カテーテル120において、管腔本体124は、管腔本体124の遠位端から管腔本体124の軸方向に沿って遠位方向に延出可能であるガイドワイヤ126と、管腔本体124内に収容された複数のガラスファイバ132から構成されるファイバ束130とを備える。ファイバ束130の遠位端は、レンズガイド131に設けられたレンズ133と接続している。レンズ133を通じて外部からの光をファイバ束130内の各ガラスファイバ132に伝達することができる。図2においてレンズガイド131は、下端にリング状のガイド136を備えており、当該ガイド136内をガイドワイヤ126が貫通する。
本発明の血管内視鏡カテーテル120はまた、使用時の血液排除の効率を高める目的で、管腔本体124の先端(遠位端)から軸方向に沿って近位端側の好ましくは50mm以内、より好ましくは30mm以内の位置の外周に複数の側孔129が設けられていることが好ましい。側孔はフラッシュ液注入の効率とカバー部の耐久性維持の観点から、例えば、楕円形であり、カテーテルの軸方向が楕円の長軸と一致した形状を有していることが好ましい。これにより、流入する血液と観察部の間にフラッシュ液による透明な層が形成され、血液に視野を阻まれることなく血管内をよりクリアに観察することが可能となる。
側孔129の大きさは、管腔本体124の外径によるため必ずしも限定されないが、内接半径が例えば0.05mm〜0.3mmとなるように設計され得る。側孔129の数もまた必ずしも限定されないが、管腔本体124の強度を適切に保持するため、例えば、管腔本体124の外周において1周当たり1個〜5個、好ましくは1周当たり2個〜4個が設けられている。あるいは、側孔129は、管腔本体124の円断面において1周当たり、例えば、180°、120°、90°または75°の角度を有するように略等間隔で設けられている。このような側孔129は、管腔本体124の外周において、例えば1周〜3周、好ましくは1周〜2周にわたって設けられている。側孔129が、管腔本体124の外周に複数の周にわたって設けられている場合、各周に配置される側孔129は必ずしも管腔本体124の軸方向に沿って整列して設けられていなくてもよく、ランダムにあるいは位置をずらして設けられていてもよい。例えば、ある1つの周(例えば、1周目)に設けられた隣接する2つの側孔の間に対応する位置に、隣の周(例えば、2周目)における側孔が配置されるように設けられていてもよい。
図4は、本発明の血管内視鏡カテーテル120を構成する管腔本体124の軸断面を表す図であって、図2のB−B’における管腔本体124の断面を模式的に示す図である。
図4に示すように、ガイドワイヤ126は、この軸断面において偏心軸となる位置(すなわち、管腔本体124の軸断面において中心軸から外れた位置)に配置されている。当該軸断面においてガイドワイヤ126がこのような位置に配置されることにより、後述するガラスファイバを通じて作成される管腔本体124の遠位端からさらに遠位側を表示する画像がガイドワイヤ126で遮られることなく、良好な視野を確保することができる。
ガイドワイヤ126は、遠位端から近位端までの長さが、例えば、150cm〜300cm、好ましくは170cm〜190cmであるように設計されている。また、ガイドワイヤ126の軸断面は略円形を有しており、直径は、例えば、0.2mm〜0.9mm、好ましくは0.35mm〜0.46mmを有するように設計されている。さらに、ガイドワイヤ126は、可撓性を有する材料、例えば、ステンレス鋼、ポリイミド、プラチナで構成されている。
本発明において、ガイドワイヤ126は、管腔本体124の軸方向に沿って前後(遠位端から近位端の方向、および/または近位端から遠位端の方向)にスライド可能である。また、管腔本体124の軸周りに任意に回転させることもできる。ガイドワイヤ126はまた、近位側においても管腔本体124の外部に延びており、術者はこの部分を把持してガイドワイヤ126の挿入および移動を行うことができる。さらにガイドワイヤ126は、管腔本体124から延出して血管内に過度に挿入されることを防止するために、例えば、ハンドル部102の近位端から延びるガイドワイヤの近位側の適切な位置にストッパ(例えば、突起物)(図示せず)が設けられていてもよい。なお、管腔本体124またはガイドワイヤ126の遠位端近傍には、血管内に挿入された長さを判定するためのX線不透過マーカーが設けられていてもよい。あるいは、ガイドワイヤ126の近位端近傍に目盛りが設けられていてもよい。
ファイバ束130において、各ガラスファイバ132は管腔本体124内で1つの束を形成し、かつ該束内にて略均等に分布するように配置されていることが好ましい。ファイバ束130を構成するガラスファイバ132は、遠位端から近位端までの長さが、上記管腔本体124と略同様の長さ、すなわち、例えば、101cm〜280cm、好ましくは140cm〜250cmであるように設計されている。また、ガラスファイバ132の軸断面は略円形を有しており、外径は、例えば、5μm〜500μm、好ましくは20μm〜350μmを有する。本発明において、上記ファイバ束は複数のガラスファイバで構成されており、好ましくは3000本〜30000本、より好ましく6000本〜20000本のガラスファイバで構成されている。本発明において、このように複数のガラスファイバを用いることにより、集光率が向上し、ファイバ束を介して得られる血管内の2次元画像をより鮮明に表示することができ、かつガラスファイバの本数を増やすことにより、画質が一層クリアとなって検査治療の質を向上させることができる。ガラスファイバは好ましくは多成分ガラス製のファイバである。
図5は、図2に示す本発明の血管内視鏡カテーテル120の遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。
図5において、複数のガラスファイバで構成されるファイバ束130の遠位端は、管腔本体124の遠位端に設けられたレンズガイド131内のレンズ133と光学的に接続されている。これにより、ファイバ束130内の各ガラスファイバの遠位端はそれぞれ管腔本体124の軸方向に沿って指向している。一方、ガイドワイヤ126は、レンズガイド131に設けられたガイド136を通じて、管腔本体124の遠位端から管腔本体124の軸方向に沿って延出かつ収容可能である。ガイドワイヤ126が管腔本体124から延出可能な長さの最大値(すなわち、ガイドワイヤ126の遠位端から管腔本体124の遠位端までの最大長さL1max)は、ガイドワイヤ126および管腔本体124の各長さによって変動するため必ずしも限定されないが、例えば、0.5cm〜20cm、好ましくは1cm〜10cmである。このような最大長さL1maxは、複数のガラスファイバで構成されるファイバ束130を通した血管内の水平視程以上の長さとなるように設計されることが好ましい。
さらに、管腔本体124自体もまた、カバー部122の遠位端から延出可能である。管腔本体124がカバー部122から延出可能な長さの最大値(すなわち、管腔本体124の遠位端からカバー部122の遠位端までの最大長さL2max)は、ガイドワイヤ管腔本体124およびカバー部122の各長さによって変動するため必ずしも限定されないが、例えば、0mm〜200mm、好ましくは2mm〜150mmである。
本発明において、ガイドワイヤ126、管腔本体124およびカバー部122の各遠位端はまた、血管内への挿入の際に、血管内の組織を損傷することがないように、それぞれ丸みを帯びた形状となるように加工されていることが好ましい。さらに、血管内の滑り性を向上させるために親水性コーティングなどの表面処理がそれぞれ行われていることが好ましい。血液除去の効率を上げるため、かつ血管壁を損傷しないようにカバー部122と管腔本体124とを一体化させて動かすための留め具(図示せず)をハンドル部の手前に装備していてもよい。この際、留め具は固定と解除とが容易に行えるものが好ましい。
なお、図5において、ファイバ束130と、ガイドワイヤ126とは、管腔本体124内で一緒になって配置されているが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、管腔本体124内にてガラスファイバから構成されるファイバ束130が配置される区画と、ガイドワイヤ126が配置される区画とが、隔壁(図示せず)によって完全に区分されていてもよい。
図6は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図である。
図6の(a)に示すように、本発明の血管内視鏡カテーテル160は、上記図4に示す血管内視鏡カテーテル120と同様に、カバー部122内を管腔本体124が貫通している。さらに、本発明の血管内視鏡カテーテル160において、管腔本体124内には、ポリイミド、フッ素系樹脂などの可撓性を有する材料で構成される補助ガイドチューブ162が設けられている。
補助ガイドチューブ162は、上記図4に示したものと同様のファイバ束130を収容するファイバ管腔164と、ガイドワイヤ126を収容するワイヤ管腔166とを有するように好ましくは一体的に成形されている。
図6の(b)に示すように、本発明の血管内視鏡カテーテル160は、補助ガイドチューブ162の遠位端において、ファイバ管腔164側にレンズ133が設けられており、当該レンズ133を通じて外部からの光をファイバ束130内の各ガラスファイバに伝達することができる。
補助ガイドチューブ162を構成するファイバ管腔164の内径は、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは0.3mm〜0.8mmである。補助ガイドチューブ162を構成するワイヤ管腔166の内径は、例えば、0.25mm〜1mmであり、好ましくは0.4mm〜0.5mmである。補助ガイドチューブ162の遠位端から近位端までの長さは、上記管腔本体124と略同様の長さ、すなわち、例えば、101cm〜280cm、好ましくは140cm〜250cmであるように設計されている。ただし、ワイヤ管腔166の長さに関しては、ワイヤの操作性を向上させるため、例えば1mm〜300mm、より好ましくは3mm〜50mmで設計されることが望ましい。
図6の(a)および(b)に示す本発明の血管内視鏡カテーテル160は、血液やフラッシュ液などの流体は、例えば、管腔本体124と補助ガイドチューブ162との間の間隙を通過することができる。このため、ファイバ束130およびガイドワイヤ126は補助ガイドチューブ162を介して、これら流体とは適切に隔離され得る。
このような構成を有することにより、本発明の血管内視鏡カテーテル160は、ガイドワイヤ126の延出および収容に伴って血管内の血液等が仮に管腔本体124内に入ったとしても、ファイバ束130が配置された配置された区画への侵入を防ぐことができる。また、図6の(a)および(b)に示す本発明の血管内視鏡カテーテル160では、管腔本体124と補助ガイドチューブ162とを互いに独立してスライドすることができ、例えば、補助ガイドチューブ162を管腔本体124の遠位端から延出することが可能である。
図7は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図である。
図7の(a)に示すように、本発明の血管内視鏡カテーテル180は、上記図4に示す血管内視鏡カテーテル120と同様に、カバー部122内を管腔本体182が貫通している。
管腔本体182は、上記図4に示したものと同様のファイバ束130を収容する。管腔本体182はまた、内部に軸方向に沿って延びる補助管腔184を備えるように一体的に成形されている。補助管腔184は、その中にガイドワイヤ126を収容するためのガイド186を備える。
図7の(b)に示すように、本発明の血管内視鏡カテーテル180は、ファイバ束130の遠位端において、レンズガイド188を介してレンズ133が設けられており、当該レンズ133を通じて外部からの光をファイバ束130内の各ガラスファイバに伝達することができる。
管腔本体182に設けられている補助管腔184におけるガイド186の内径(すなわち、補助管腔184の内径)は、例えば、0.25mm〜1mmであり、好ましくは0.4mm〜0.5mmである。管腔本体182の遠位端から近位端までの長さは、上記管腔本体124と略同様の長さ、すなわち、例えば、101cm〜280cm、好ましくは140cm〜250cmであるように設計されている。ただし、補助管腔184の長さに関しては、ワイヤの操作性を向上させるため、例えば1mm〜300mm、好ましくは3mm〜50mmで設計されることが望ましい。
図7の(a)および(b)に示す本発明の血管内視鏡カテーテル180は、血液やフラッシュ液などの流体は、例えば、管腔本体124内部であって補助管腔184の外部の間隙を通過することができる。これにより、ガイドワイヤ126は補助管腔184を介して、これら流体とは適切に隔離され得る。
このような構成を有することにより、本発明の血管内視鏡カテーテル180は、管腔本体182内を流れる血液やフラッシュ液とは切り離された状態で、ガイドワイヤ126の延出および収容を行うことができる。また、図7の(a)および(b)に示す本発明の血管内視鏡カテーテル180では、管腔本体182とファイバ束130とを互いに独立してスライドすることができ、例えばファイバ束130を管腔本体182の遠位端から、血管を損傷させない範囲で延出することが可能でもある。
図8は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡の他の例を模式的に表した図である。
図8に示す血管内視鏡200において、血管内視鏡カテーテル220は、カバー部222と、該カバー部222に収容された可撓性を有する管腔本体224およびガイドワイヤ226とを備える。図8に示す血管内視鏡カテーテル200において、管腔本体224に設けられたガイドワイヤ226の遠位端が任意の曲率で湾曲していることを除き、他の構成は図1に示されているものと同様である。
このような遠位端が湾曲したガイドワイヤ226を有することにより、例えば、本発明の血管内視鏡カテーテル220を用いて、分岐した血管の一方の管腔にガイドワイヤ226を挿入する場合、ガイドワイヤ226を管腔本体224の軸周りに沿って回転することにより、所望の分岐血管に一層容易に挿入することができる。
図9は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡のさらに別の例を模式的に表した図である。
図9に示すように、血管内視鏡300は、ハンドル部302内にてスライド可能に配置された、血管内視鏡カテーテル320を備える。
ハンドル部302は、図1に示すハンドル部102と同様である。さらに、カバー部322と管腔本体324との間の間隙を通じカバー部322の遠位端および管腔本体324の遠位端近傍に流体を供給するための流体供給ポート304を備える点も、図1に示す流体供給ポート104と同様である。
本発明の血管内視鏡カテーテル320は、当該カテーテルの近位端が上記ハンドル部302の遠位端と連通する。さらに、血管内視鏡カテーテル320は、図1に示すカバー部122と同様の可撓性を有する円筒状のカバー部322と、該カバー部322に収容された可撓性を有する管腔本体324およびガイドワイヤ326とを備える。
図10は、図9に示す本発明の血管内視鏡カテーテル320の一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。
図10において、血管内視鏡カテーテル320では、管腔本体324が円筒状のカバー部322内をスライド可能に貫通し、かつカバー部322の軸方向に沿って遠位方向に延出可能である。ここで、カバー部322における遠位端から近位端までの長さ、外径、内径および材料はいずれも、図1に示すカバー部122のものと同様である。
管腔本体324は、遠位端の一部において、ガイドワイヤ326を貫通するガイドレール部340を有する。さらに、ファイバ束330は、レンズガイド331内で固定されており、当該レンズガイド331内に設けられたレンズ333と光学的に接続されている。ガイドレール部340において、ガイドワイヤ326は、管腔本体324の遠位端近傍の軸断面(すなわち、ガイドレール部340の軸断面)にて偏心軸となる位置で貫通する。当該軸断面においてガイドワイヤ326がこのような位置に配置されることにより、ファイバ束330を構成するガラスファイバを通じて作成される管腔本体324の遠位端からさらに遠位側を表示する画像はガイドワイヤ326で遮られることなく、良好な視野を確保することができる。
管腔本体324は、ガイドレール部340に相当する管腔本体324の遠位端から近位方向にかけての所定の長さのみが円柱状であり、それ以外の部分はガイドワイヤ326が露出するように円柱の一部を軸方向に切り欠いた構造を有する。管腔本体324におけるガイドレール部340の長さ(軸方向の長さ)は、必ずしも限定されないが、例えば、5mm〜300mm、好ましくは1mm〜50mmである。図10に示す構成において、ガイドワイヤ326が管腔本体324内を貫通する長さは、例えば、図2に示すガイドワイヤ126が管腔本体124内を貫通する長さを比較して著しく短くなっている。このため、ガイドワイヤ326および管腔本体324の接触面積が減少し、ガイドワイヤ326に沿って管腔本体324を遠位方向および/または近位方向に移動させることが一層容易となる。本発明において、ガイドワイヤ326もまた、管腔本体324の軸方向に沿って前後(遠位端から近位端の方向、および/または近位端から遠位端の方向)にスライド可能である。さらに、管腔本体324の軸周りに任意に回転させることもできる。
なお、このような管腔本体324の遠位端から近位端までの長さ、外径(ガイドレール部326の外径に相当する)、内径および材料はいずれも、図1に示す管腔本体124のものと同様である。さらに、ガイドワイヤ326の長さ、軸断面の形状、直径および材料は、図4に示すガイドワイヤ126のものと同様である。
本発明の血管内視鏡カテーテル320はまた、使用時の血液排除の効率を高める目的で、管腔本体324の先端(遠位端)から軸方向に沿って近位端側に好ましくは50mm以内、より好ましくは30mm以内の外周に複数の側孔329が設けられていることが好ましい。側孔329の形状、大きさ、配置の様式、および数は図4に示す側孔129のものと同様である。
図11は、本発明の血管内視鏡カテーテルを構成するカバー部および管腔本体の軸断面を表す図であって、図10のC−C’における管腔本体の断面を模式的に示す図である。本実施形態において、上記カバー部322の内径および管腔本体324の外径は、カバー部322の内表面323と管腔本体324の外表面325との間においてハンドル部のポートから供給された流体を通過させることが可能な間隙を形成するように設計されていることが好ましい。
本発明の血管内視鏡カテーテル320において、管腔本体324は、管腔本体324の遠位端から管腔本体324の軸方向に沿って遠位方向に延出可能であるガイドワイヤ326と、管腔本体324内に収容された複数のガラスファイバ332から構成されるファイバ束330とを備える。
ファイバ束330において、各ガラスファイバ332は各ガラスファイバ332は管腔本体324内で1つの束を形成し、かつ該束内にて略均等に分布するように配置されていることが好ましい。ファイバ束330を構成するガラスファイバ332の遠位端から近位端までの長さおよび直径は、図4に示すガラスファイバ132のものと同様である。
図12は、図10に示す本発明の血管内視鏡カテーテル320の遠位端近傍における当該カテーテルの軸方向の断面図である。
図12において、複数のガラスファイバで構成されるファイバ束330の遠位端は、管腔本体324の遠位端に設けられたレンズガイド331内のレンズ333と光学的に接続されている。これにより、ファイバ束330内の各ガラスファイバの遠位端はそれぞれ管腔本体324の軸方向に沿って指向している。一方、ガイドワイヤ326は、ガイドレール部340の遠位端側に設けられたガイド336を通じて、管腔本体324の遠位端から管腔本体324の軸方向に沿って延出かつ収容可能である。ガイドワイヤ326が管腔本体324から延出可能な長さの最大値は、上記ガイドワイヤ126が管腔本体124から延出可能な最大長さL1maxと同様である。
さらに、管腔本体324自体もまた、カバー部322の遠位端から延出可能である。管腔本体324がカバー部322から延出可能な長さの最大値は、上記管腔本体124がカバー部122から延出可能な最大長さL2maxと同様である。
図13は、本発明の血管内視鏡カテーテルを含む、血管内視鏡のさらに別の例を模式的に表した図である。
図13に示すように、血管内視鏡400は、ハンドル部402内にてスライド可能に配置された、カテーテル420を備える。
ハンドル部402は、図1に示すハンドル部102と同様である。一方、図13に示す本発明の血管内視鏡カテーテル420は、当該カテーテルの近位端が上記ハンドル部402の遠位端と連通する。さらに、血管内視鏡カテーテル420は、カバー部が設けられることなく、可撓性を有する管腔本体424およびガイドワイヤ426を備える。
図14は、図13に示す本発明の血管内視鏡カテーテル420の一例を説明するための図であって、当該カテーテルの遠位端近傍を模式的に表す図である。
図14において、血管内視鏡カテーテル420では、管腔本体424は、遠位端の一部において、ガイドワイヤ426が貫通するガイドレール部440を有する。さらに、ファイバ束430は、レンズガイド431内で固定されており、当該レンズガイド431内に設けられたレンズ433と光学的に接続されている。ガイドレール部440において、ガイドワイヤ426は、管腔本体424の遠位端近傍の軸断面(すなわち、ガイドレール部440の軸断面)にて偏心軸となる位置で貫通する。当該軸断面においてガイドワイヤ426がこのような位置に配置されることにより、ファイバ束430を構成するガラスファイバを通じて作成される管腔本体424の遠位端からさらに遠位側を表示する画像がガイドワイヤ426で遮られることなく、良好な視野を確保することができる。
管腔本体424は、ガイドレール部440に相当する管腔本体424の遠位端から近位方向にかけての所定の長さのみが円柱状であり、それ以外の部分はガイドワイヤ426が露出するように例えば、円柱の一部を軸方向に切り欠いた構造を有する。管腔本体424におけるガイドレール部440の長さ(軸方向の長さ)は、必ずしも限定されないが、例えば、3mm〜230mm、好ましくは30mm〜100mmである。図14に示す構成において、ガイドワイヤ426が管腔本体424内を貫通する長さは、例えば、図2に示すガイドワイヤ126が管腔本体124内を貫通する長さと比較して著しく短くなっている。このため、ガイドワイヤ426および管腔本体424の接触面積が減少し、ガイドワイヤ426に沿って管腔本体424を遠位方向および/または近位方向に移動させることが一層容易となる。本発明において、ガイドワイヤ426もまた、管腔本体424の軸方向に沿って前後(遠位端から近位端の方向、および/または近位端から遠位端の方向)にスライド可能である。さらに、管腔本体424の軸周りに任意に回転させることもできる。
なお、このような管腔本体424の遠位端から近位端までの長さ、外径(ガイドレール部426の外径に相当する)、内径および材料はいずれも、図1に示す管腔本体124のものと同様である。さらに、ガイドワイヤ426の長さ、軸断面の形状、直径および材料は、図4に示すガイドワイヤ126のものと同様である。
本発明の血管内視鏡カテーテル420はまた、使用時の血液排除の効率を高める目的で、管腔本体424の先端(遠位端)から軸方向に沿って近位端側に好ましくは50mm以内、より好ましくは30mm以内の外周に複数の側孔429が設けられていることが好ましい。側孔429の形状、大きさ、配置の様式、および数は図4に示す側孔129のものと同様である。
本発明の血管内視鏡カテーテル420において、管腔本体424は、管腔本体424の遠位端から管腔本体424の軸方向に沿って遠位方向に延出可能であるガイドワイヤ426と、管腔本体424内に収容された複数のガラスファイバから構成されるファイバ束430とを備える。
ファイバ束430において、各ガラスファイバは管腔本体424内で1つの束を形成し、かつ該束内にて略均等に分布するように配置されていることが好ましい。ファイバ束430を構成するガラスファイバの遠位端から近位端までの長さおよび直径は、図4に示すガラスファイバ132のものと同様である。
図14に示す血管内視鏡カテーテル420において、ガラスファイバの遠位端は、管腔本体424の遠位端に設けられたレンズガイド431内のレンズ433と光学的に接続されている。これにより、ガラスファイバの遠位端はそれぞれ管腔本体424の軸方向に沿って指向している。一方、ガイドワイヤ426は、ガイドレール部440の遠位端側に設けられたガイド436を通じて、管腔本体424の遠位端から管腔本体424の軸方向に沿って延出かつ収容可能である。ガイドワイヤ426が管腔本体424から延出可能な長さの最大値は、上記ガイドワイヤ126が管腔本体124から延出可能な最大長さL1maxと同様である。
本発明の血管内視鏡カテーテルは、上記のように流体供給ポートを備える中空のハンドル部内にてスライド可能に配置され、血管内視鏡として使用することができる。
このようにして得られた血管内視鏡は、ガラスファイバの近位端が図示しない画像表示装置等と当業者に公知の方法により接続される。これにより、ガラスファイバの遠位端における視界を二次元画像として表示することができる。
なお、上記のように本発明の血管内視鏡カテーテルは複数のガラスファイバを使用するが、同ファイバを画像形成以外の用途(例えば、血管内視鏡挿入時、ならびに血管内観察時のライトガイド)で使用することができる。ライトガイドとして使用する場合、当該ガラスファイバは光の伝達効率、および内視鏡の耐久性を向上させるために、イメージ用ファイバより径の大きなものを搭載してもよい。
次に、本発明の血管内視鏡の使用方法の一例について説明する。
図15は、本発明の血管内視鏡を用いて血管内に血管内視鏡カテーテル(図10に示す本発明のカテーテルに相当する)を挿入する様子を模式的に表す図である。
血管内に挿入されたカテーテル320について、術者は、ガラスファイバを通じて表示される二次元画像を見ながら、ガイドワイヤ326を慎重に押し進め、管腔本体324の軌道を予め確保する。ここで、例えば、カテーテル320が、図15の(a)に示されるような血管610内の分岐部分に到達した際、術者はガラスファイバを通じてモニターに表示される分岐した血管612,614の画像を見ながら、ガイドワイヤ326を前後に押し引き、および/または軸周りに回転させることにより目的の方向にガイドワイヤ326の先端327を指向させることができる(図15の(b))。その後、ガイドワイヤ326をさらに延出し(図15の(c))、所望の方向にガイドワイヤ326が進入したことを確認(図15の(d))することにより、管腔本体324をガイドワイヤ326に沿って移動させる。
このようにして、術者は従来のような感覚やX線透視の手段に頼ることなく、所望の位置まで本発明の血管内視鏡カテーテルを移動させることができる。本発明の血管内視鏡カテーテルは、患者および医療従事者に対して被爆量を低減することができ、かつ造影剤の使用量も抑制することができる。これにより、例えば、腎機能障害やアレルギー素因を有する症例において有用である。
さらに上記のような方法は、特に血管壁面が解離している場合、動脈硬化などの原因により高度に石灰化、または狭窄している場合、あるいは完全に閉塞している場合などにおいて特に有用である。高度狭窄病変においては、ガイドワイヤを僅かに進め、その後を血管内視鏡が追随する形をとることで、ガイドワイヤにとっては進むべき前方の視野とともに良好なバックアップ(反力)が得られ、一方で血管内視鏡はまさしくガイドワイヤの案内に従い、血管壁を傷つけることなく匍匐前進的に狭窄部位を通過することができる。このような用途では、血管内でガイドワイヤを安定して操作するために、ガイドワイヤの通るガイドの長軸方向の長さが30mm以上あることが望ましい。
本発明の血管内視鏡カテーテルは、必ずしも術者に極めて高度な技能を要求することなく、ガイドワイヤの挿入の際の血管壁への穿孔の危険を一層低減して、より多種の血管内に挿入することができる。本発明のカテーテルは、血管内視鏡用として有用であることに加えて、他の管腔(例えば、口腔、鼻孔、食道、胃腸管、胆管、胆嚢、脾管、直腸、結腸、気管支およびその末梢、卵管、子宮、膣、尿道、尿管、膀胱)に対する内視鏡カテーテルとしても有用である。
100,200,300,400 血管内視鏡
102,302,402 ハンドル部
104,304 流体供給ポート
120,220,320,420 カテーテル
122,222,322 カバー部
124,224,324,424 管腔本体
126,226,326,426 ガイドワイヤ
130,330,430 ファイバ束
131 レンズガイド
132,332 ガラスファイバ
133,333,433 レンズ
340,440 ガイドレール部

Claims (11)

  1. 可撓性を有する管腔本体を備える血管内視鏡カテーテルであって、
    該管腔本体が、
    該管腔本体の軸断面にて偏心軸となるように該管腔本体と一体的に配置され、かつ可撓性を有するガイドワイヤを独立して延出可能にする、補助管腔と;
    該管腔本体内に収容された複数のガラスファイバから構成されるファイバ束であって、該ガラスファイバの遠位端がそれぞれ該管腔本体の軸方向に沿って指向する、ファイバ束;と
    を備え、
    該管腔本体と該ファイバ束と該ガイドワイヤとが互いに独立してスライド可能である、カテーテル。
  2. 前記ファイバ束の外径が前記管腔本体の内径の半分よりも大きく、かつ前記補助管腔の外径が前記ファイバ束の外径の半分よりも大きい、請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記ファイバ束を構成する前記ガラスファイバの外径が5μmから500μmである、請求項1または2に記載の血管内視鏡カテーテル。
  4. 前記ファイバ束が、3000本から30000本の前記ガラスファイバで構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の血管内視鏡カテーテル。
  5. さらに可撓性を有する円筒状のカバー部を備え、そして前記管腔本体が、該カバー部内をスライド可能でありかつ該カバー部の軸方向に沿って遠位方向に延出可能となるように設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の血管内視鏡カテーテル。
  6. 前記カバー部が透明である、請求項5に記載の血管内視鏡カテーテル。
  7. 前記カバー部の外径が0.3mmから3mmである、請求項5または6に記載の血管内視鏡カテーテル。
  8. 前記カバー部と前記管腔本体との間に、流体を供給可能な間隙が設けられている、請求項5から7のいずれかに記載の血管内視鏡カテーテル。
  9. 前記補助管腔が、0.25mmから1mmの内径を有する、請求項8に記載の血管内視鏡カテーテル。
  10. 前記管腔本体が、該管腔本体の遠位端から軸方向に沿って近位端側の50mm以内の位置に複数の側孔を有する、請求項1から9のいずれかに記載の血管内視鏡カテーテル。
  11. 流体供給ポートを備える中空のハンドル部と、
    該ハンドル部内にてスライド可能に配置された、請求項1から10のいずれかに記載のカテーテルと
    を備える、血管内視鏡。
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