JPH05158U - カテーテルチユーブ - Google Patents
カテーテルチユーブInfo
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- JPH05158U JPH05158U JP5525191U JP5525191U JPH05158U JP H05158 U JPH05158 U JP H05158U JP 5525191 U JP5525191 U JP 5525191U JP 5525191 U JP5525191 U JP 5525191U JP H05158 U JPH05158 U JP H05158U
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】簡易な構造で、管状器官、特に血管等の容易な
観察及び医療処置を可能にする。 【構成】チューブ本体2はその先端部へ開放する第1ル
ーメン4と先端が閉塞した第2ルーメン5とを有する。
ルーメン4には観察又は医療処置器具8と軸方向に摺動
可能に構成された剛性付与体9が、またルーメン5に
は、先端がチューブ本体2先端付近で偏心位置に固定さ
れた線状体10が夫々設置される。剛性付与体9はその
操作具によりチューブ本体2内で摺動され任意の位置で
係止されさらに線状体10は引張保持具によりチューブ
本体2基端方向へ引張られるものであり線状体10を任
意の引張力で保持しながらチューブ本体2内で剛性付与
体9を摺動させることによって、チューブ先端の屈曲状
態が制御される。
観察及び医療処置を可能にする。 【構成】チューブ本体2はその先端部へ開放する第1ル
ーメン4と先端が閉塞した第2ルーメン5とを有する。
ルーメン4には観察又は医療処置器具8と軸方向に摺動
可能に構成された剛性付与体9が、またルーメン5に
は、先端がチューブ本体2先端付近で偏心位置に固定さ
れた線状体10が夫々設置される。剛性付与体9はその
操作具によりチューブ本体2内で摺動され任意の位置で
係止されさらに線状体10は引張保持具によりチューブ
本体2基端方向へ引張られるものであり線状体10を任
意の引張力で保持しながらチューブ本体2内で剛性付与
体9を摺動させることによって、チューブ先端の屈曲状
態が制御される。
Description
【0001】
本考案は心臓・血管等の身体腔内に挿入し、例えば血管内部の観察および/ま
たは体外位置からの血管壁面等への治療を行うカテーテルチューブ、特に内視鏡
(ファイバースコープ)を構成するカテーテルチューブに関する。
【0002】
内視鏡は、体外位置から心臓、血管、管状器官内等の観察を行い、さらにその
内壁への薬液の投与、レーザー光線の照射といった医療処置を行うことができる
ため、近年注目され、その開発が進んでいる。
【0003】
この内視鏡は、可撓性を有するカテーテルチューブ内に送光用および受光用の
光ファイバーの束が収納され、カテーテルチューブを体腔の目的位置まで挿入す
るとともに、送光用ファイバー(ライトガイドファイバー)の先端より発せられ
た光を観察部位に照射し、その反射光を受光用ファイバー(イメージファイバー
)の先端より取り込み、その映像を受像部へ導くことにより観察を行うものであ
る。 このような内視鏡を用いて血管や管状器官内を観察するに際しては、カテ
ーテルチューブおよび光ファイバー束は体腔と平行に位置しているため、挿入部
先端の前方以外の方向(例えば、血管壁面)を観察するためには、チューブ先端
部を湾曲(屈曲)させなければならない。
【0004】
体外位置からチューブ先端部を湾曲させる方法としては、従来、カテーテル
チューブと別体のガイドワイヤを用いる方法、またはカテーテルチューブ内に
内蔵された複数の操作ワイヤを用いる方法が行われていた。
【0005】
しかしながら、の方法では、ガイドワイヤは、本来、カテーテルチューブを
目的部位まで誘導するものであるため、チューブ先端部を湾曲させるには操作性
が悪く、また、その湾曲状態を観察時間中、一定に保つことが困難である等の欠
点がある。
【0006】
また、上記の方法に用いられるカテーテルチューブ(内視鏡用可撓管)は、
チューブの先端部付近に、複数の節輪を回動自在に順次連結した湾曲部を設け、
前記湾曲部へ一端が接続された複数の操作ワイヤのうち、いずれかをチューブ基
端側プーリーおよびアングルダイヤ等により構成されるワイヤ操作装置により基
端側に牽引することにより、前記湾曲部を湾曲させる構成になっている(特公昭
60−27134号、実公昭62−23442号、実公昭62−23447号公
報)。
【0007】
このカテーテルチューブにおいて、その先端部を湾曲させる目的は、挿入した
血管や管状器官等の内壁面を観察するためのものではなく、カテーテルチューブ
先端部を目的部へ到達させるに際しての誘導のためである。従って、チューブ先
端部の湾曲角度は比較的大きく、また、チューブ先端部に節輪を設ける必要があ
り、よって構造が複雑で、かつチューブの径が大きくなる。さらに、チューブの
湾曲部は柔軟性を有するが、湾曲させない部分(湾曲部より基端側)は、剛性確
保のために硬質の物性を持つチューブ材質(例えば、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン重合体等)を用いなけ
ればならず、チューブ全体の柔軟性が制限されるという問題がある。このため、
消化器系または気管支系のような比較的内径の大きい管状器管に対してしか使用
することができなかった。
【0008】
また、カテーテルチューブの先端を湾曲させない方法として、カテーテルチュ
ーブ内において光ファイバー束の先端部に微小なプリズムを装着し、観察角度を
変化させて血管や管状器官壁面等を観察する方法もあるが、この方法では、カテ
ーテルチューブの構造が複雑化するため、製造も容易ではなく、コストもかかる
。さらに、この構造のカテーテルチューブは細径化が困難であり、やはり血管や
尿道管のような小径の管状器管を観察する内視鏡への適用は難しい。
【0009】
そこで、本願出願人は、以上述べた問題点を解決するために、本願に先立って
、チューブ先端部のみを体外位置から湾曲させることができるカテーテルチュー
ブを出願している(特開平2−1292号)。
【0010】
この発明は、チューブ本体先端部の外周壁にルーメンと連通する側孔を穿設し
、該側孔から湾曲操作用の線状体を引き出して、該線状体の先端をチューブ本体
先端部に固定した構造である。
【0011】
このような構造とすると、先端部のみの湾曲は可能となるが、側孔が設けられ
ているため、例えば、管状器官内の体液が側孔からルーメン内に侵入し、ルーメ
ン内に体液成分が詰まって線状体の動きが妨げられるといった欠点がある。
【0012】
特に、血管内に挿入した場合には、使用後に血栓がルーメン内に生じて、クリ
ーニング作業が難しくなる。
【0013】
また、露出している線状体が管状器官の内壁を傷つけて、カテーテル熱等の合
併症の発生を招くこともある。
【0014】
一方、このような問題点を回避するために、前記線状体をチューブ本体内に完
全に収容してしまうと、線状体を引っ張っても、チューブ本体の先端部が必ずし
も湾曲せず、チューブ本体の他の部分(中程部分や基端部分)が曲がってしまう
という問題がある。
【0015】
本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、簡易な構造で、管状器官
や特に血管および他の細径の管状器官内壁等の観察や医療処置を容易に行うこと
ができるカテーテルチューブを提供することにある。
【0016】
【問題点を解決するための手段】
このような目的は、以下の本考案によって達成される。
(1)チューブ本体と、
該チューブ本体の先端部へ開放する第1ルーメンおよび先端が閉塞した第2ル
ーメンと、
前記第1ルーメン内に収納される観察または医療処置器具と、
前記チューブ本体内において軸方向に摺動可能に構成された剛性付与体と、
前記第2ルーメン内に設置され、先端が前記チューブ本体先端付近で偏心位置
に固定された少なくともひとつの線状体と、
前記剛性付与体の摺動を制御し、当該剛性付与体をチューブ本体内の任意の位
置に係止しうる剛性付与体操作具と、
前記線状体をチューブ本体基端方向へ引張し、当該引張力を保持しうる引張保
持器具と
を有し、
前記引張具により前記線状体を任意の引張力で保持しながら、前記チューブ本
体内で剛性付与体を摺動させることにより、チューブ先端の屈曲状態を制御でき
るよう構成したことを特徴とするカテーテルチューブ。
(2)前記剛性付与体が、前記線状体よりも曲げ剛性の大きい材料により構成さ
れている前記1に記載のカテーテルチューブ。
(3)前記カテーテルチューブの外周壁周りに設置された膨張・収縮自在の少な
くとも1つのバルーンを有する前記1または2に記載のカテーテルチューブ。
以下、本考案の好ましい実施態様について説明する。
【0017】
図1は、本考案のカテーテルチューブの好ましい実施態様の構成例(カテーテ
ルチューブ1)を模式的に示す図であり、図2は図1に示すカテーテルチューブ
の先端部の構造を示す部分縦断面図、図3は、図2中のII−II’線での断面図、
第4図は剛性体操作具の構造を取り出して示す部分断面側面図、第5図は引張保
持具の構造を取り出して示す部分断面側面図である。
【0018】
これらの図に示すように、本考案に係るカテーテルチューブ1は、
チューブ本体2と、
当該チューブ本体の外周壁に固定された拡張体3と、
前記チューブ本体2の先端部へ開放する第1ルーメン4、先端が閉塞した第2
ルーメン5と第3ルーメン6、および前記拡張体3内に連通する第4ルーメン7
と、
前記第1ルーメン4内に収納される光ファイバー束(観察または医療処置器具
)8と、
前記チューブ本体2内に該チューブ本体2の先端部を残して収納され、第2ル
ーメン5内で軸方向に摺動可能に構成された剛性付与体9と、
前記チューブ本体2外に露出することなく前記第3ルーメン6内に設置され、
先端が前記チューブ本体2先端付近で偏心位置に固定された少なくともひとつの
線状体10と、
該線状体10をチューブ本体2基端方向へ引張し、引張力を保持しうる引張保
持器具11と、
前記剛性付与体9をチューブ本体2外部より摺動操作可能な剛性付与体操作具
12とから構成されている。
【0019】
以下、各構成要件について説明する。
【0020】
チューブ本体2は、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体のような可撓性を有する材料で構成されている。
特に、チューブ本体の先端部22は、上記材料や、チューブ本体2の径を適宜選
択することにより後述する線状体8の引張等の際、容易に屈曲しうる程度の柔軟
性を有するように構成することが好ましい。特に好ましくは、ウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリアミド等から構成されることが好ましい。
【0021】
なお、本考案のカテーテルチューブ1は、通常、例えば血管内に挿入、留置さ
れた状態で使用されるので、カテーテルチューブの存在位置をX線透視下で確認
しつつ、観察や医療処置を行う必要性が高い。そこで、カテーテルチューブ1に
X線造影剤を付与しておくのが好ましい。具体的には、チューブ本体2および/
または後述する拡張体3の構成材料中に、X線造影剤を含有させるのが好ましい
。X線造影剤としては、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン、
酸化タングステンのような金属または金属酸化物等があげられる。
【0022】
チューブ本体2の先端部22付近の外周壁には、拡張体3が設置される。この
拡張体3は、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴムのようなゴム材料、また
はポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等で構成され
、膨張、収縮自在のものである。
【0023】
この拡張体3は、後述するように膨張時に挿入する血管などの内壁面に密着す
るようになっており、血管などに対しカテーテルチューブ1を固定する役割りと
、拡張体3より前方(チューブ先端側)において視界の妨げとなる血液を排除し
、透明液体に置換するに際しての血液の流入を遮断する役割りを持っている。
このような拡張体3は、膨張させたときチューブ本体2の中心から放射状に膨張
するようになっているのが好ましい。
【0024】
また、拡張体3の横断面形状は、円、楕円、その他これに類する形状が可能で
あるが、挿入、留置する血管や管状器官の横断面形状に近似したものとすれば、
血管が管状器官への密着性が良好となり好ましい。
【0025】
また、このような拡張体3は、チューブ本体2の長手方向に沿って複数個形成
されていてもよい。
【0026】
なお、拡張体3は、チューブ本体2に対し気密または液密状態に取り付けられ
る必要があり、その取り付け方法としては、別部材(環状または袋状のゴム部材
等)を接着剤により接着し、または糸を用いてしばり付ける方法、あるいは、チ
ューブと一体成形または二色成形する等拡張体の気密性または液密性を保持しう
る任意の方法が可能である。
【0027】
チューブ本体2には、以下にのべるような用途、機能の異なる種々のルーメン
が形成されている。
【0028】
第1ルーメン4には、カテーテルチューブ1を内視鏡として用いる場合に、血
管内壁を観察する観察器具としての光ファイバー束8が収納されている。なお、
光ファイバー束8は、例えば、血管や管状器官内壁へのレーザー光の照射等に医
療処置にも適用することができる。
【0029】
この光ファイバー束8は、図3に示すように、送光用ファイバー(ライトガイ
ドファイバー)8aおよび受光用ファイバー8b(イメージファーバー)で構成
されており、これらの光ファイバーを例えば、エポキシ樹脂、アクリル、シリコ
ーンゴム等の樹脂で固めた束状としたものである。
【0030】
また、光ファイバー束8の先端には、レンズ82が装着され、この部分は第1
ルーメン4の先端の開口付近に位置している。
【0031】
カテーテルチューブ1の基端側(図1中右側)の光源(図示せず)より発せら
れた光は、送光用ファイバー8a内を伝達し、その先端から観察部分へ照射され
、その反射光を受光用ファイバー8bの先端より取り込み、その映像がファイバ
ー8内を伝達され、カテーテルチューブ基端側の受像部(図示せず)へと導かれ
る。 これらの送光用および受光用ファイバーは、いずれも石英、プラスチック
、多成分ガラス等の光ファイバーで構成されている。
【0032】
なお、光ファイバー束8は、第1ルーメン4に対し、固定されて設置されてい
ることが好ましい。
【0033】
次に第2ルーメン5および第3ルーメン6について説明する。
【0034】
第2ルーメン5は、チューブ本体2の剛性を高めるための剛性付与体9を収容
するためのものである。
【0035】
すなわち、第2ルーメン5内には、剛性付与体9が、該第2ルーメン5の内壁
に沿って、中空状または中実状に設けられている。剛性付与体9は、前記拡張体
3に対応する位置を先端として、後述する剛性体操作具11に接続され、外部よ
り操作可能とされている。そして、剛性付与体9は、後述するように、チューブ
本体2に対して摺動自在に設けられている。
【0036】
また、第2ルーメン5の先端は閉塞している。
【0037】
上記剛性付与体9は、チューブ本体2に剛性を与え、先端部22のみを屈曲せ
しめるために設けられている。従って、少なくともチューブ本体2よりも剛性を
有していることが好ましい。また、チューブ全体も屈曲可能である必要があるた
め、ある程度の柔軟性を有していることが好ましい。このような剛性付与体9は
、例えば、ステンレス、超弾性合金、石英、ポリアミド、ポリアリエート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルおよび
これらの複合材料等で構成されている。
【0038】
なお、剛性付与体9の表面には、腐食を防止するため、および第2ルーメン内
における摺動を滑らかに行うため、表面に被覆層を設けておくのが好ましい。具
体的には、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、親水性樹脂等のコーティングを施すのが良い。
【0039】
第3ルーメン6は、チューブ本体2の先端部22を屈曲させるための線状体1
0を収容するためのものである。
【0040】
線状体10の先端は、第3ルーメン6の先端閉塞部62まで達しており、チュ
ーブ本体2の先端における先端閉塞部62で、チューブ本体2に固定されている
。また、線状体10の後端は、後述する引張保持具12に係止されている。
【0041】
線状体10の先端固定位置は、チューブ本体2の横断面内において、偏心位置
にあり、このため線状体10の引張によるチューブ先端の屈曲が可能になる。従
って、線状体10の先端固定位置は、前記横断面の中心より最も離れた位置、例
えば横断面内の周縁近傍であることが好ましい。
【0042】
なお、チューブ本体2の軸方向における線状体10の固定位置は、図示の例に
限るものではなく、剛性付与体9よりも先端側であればよく、よりチューブ本体
2の先端に近いほうが好ましい。
【0043】
線状体10は、断線を生じることのない程度の引張強度を有するものが好まし
く、その具体例としては、ステンレス、ピアノ線、超弾性合金等の金属線、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル等の単線や繊維束、カーボ
ンファイバー等をあげることができる。また、線状体8の径は、線状体の材質に
もよるが、例えばステンレス線の場合、10〜100μm程度とするのがよい。
このような線状体10を後述する引張具12によりチューブ基端方向へ引張す
ることにより、チューブ本体2の先端部22が屈曲し、それに伴って第1ルーメ
ン内の光ファイバー束6の先端部が屈曲する。
【0044】
なお、本明細書中において「屈曲」とは、光ファイバー束等が1段または2段
以上の折れ線状に折れ曲がること、および曲線状に連続的に湾曲することを含む
概念である。
【0045】
チューブ本体先端部22の屈曲状態における平均傾斜角度(チューブ本体軸方
向に対する角度)αは、光ファイバー束による観察角度を実質的に決定するもの
であり平均傾斜角度αの好適に範囲は、80°以下である。その理由は、角度α
が80°を越えると光ファイバー束の屈曲角度が大きくなり光ファイバーが断線
する可能性があるからである。
【0046】
なお、このような線状体10は、前記剛性体5よりも曲げ剛性の小さい材料に
より形成されることが好ましい。これにより、線状体10を引張することにより
、チューブ本体2の先端部22のみを確実に湾曲させることができる。
【0047】
一方、チューブ本体2外周の全部または一部(例えば、チューブ本体・屈曲部
内側)にチューブ本体先端部22の屈曲を補助する。即ち容易に屈曲せしめるた
めの溝部を周方向に形成してもよい。また、この溝部は、チューブ本体長手方向
に2以上形成してもよい。
【0048】
第4ルーメン7は、図2に示すように、前記拡張体3内に連通し、拡張体3内
に流体を送り込んで拡張体3を膨張させ、または流体を排出して、拡張体3を収
縮させるためのものである。なお、拡張体膨張用の流体としては、空気、CO2
ガス、O2ガス等の気体、または生理食塩水、X線造影剤を含有する液等の液体
があげられる。
【0049】
なお、カテーテルチューブ1は、上記の第1〜第4ルーメンに加え、他の1ま
たは2以上のルーメンを形成したものでもよい。例えば、カテーテルチューブ1
を挿入、留置した血管内などに薬液等を投与するのに用いられたり、あるいは、
内視鏡により血管内を観察する場合に、視界の妨げとなる血液を押し出すための
透明液体(例えば、生理食塩水、ブドウ糖液等)を噴射するフラッシュ用に用い
られるルーメンや、複数個の拡張体を設けた場合の膨張用ルーメン等を設けるこ
とができる。
【0050】
なお、本考案の構成は図示の例に限定されるものではなく、例えば、チューブ
本体2横断面内において周方向に等間隔で第3ルーメン6を複数設け、各第3ル
ーメン6内に線状体10を収納し、かつ当該各第3ルーメン6の近傍に第2ルー
メン5を設け、各第2ルーメン内に剛性付与体9を収納すれば、各線状体10を
引張し、この状態で各剛性付与体9のうち一部の線状体10を一度に操作するこ
とによって、チューブ本体2の先端部22を所望の方向へ屈曲させることが可能
となる。
【0051】
例えば、横断面周方向に等間隔で4つの第3ルーメン6を設け、各々に線状体
10を収納し、さらに各第3ルーメン6の近傍に第2ルーメン5を設け、各々に
剛性付与体9を収納した構造とすれば、各線状体10をすべて引張し、各剛性付
与体9のうち任意の1つの剛性付与体を摺動操作すれば、先端部22を4つの方
向へ屈曲させることが可能となる。
【0052】
また、隣接する2つの剛性付与体9を同時に摺動操作すれば、さらに4方向へ
の屈曲が可能となり、合計8方向へ屈曲させることができる。
【0053】
さらには、該2つの剛性付与体9を、摺動の程度を変化させて操作すれば、任
意の方向へ屈曲させることも可能となる。
【0054】
この様に、チューブ本体2の先端部22を多数方向へ自在に屈曲可能とすれば
、血管や管状器官内の観察や医療処置がより容易となる。
【0055】
また、剛性付与体9を中空状とし、その内腔に線状体10を収容して、これら
を一つのルーメンに収容した構造としてもよい。
【0056】
次に、引張保持具11および剛性体操作具12について、図1、図4および図
5を参照して説明する。
【0057】
本考案のカテーテルチューブ1の基端部21は、図1に示すように、線状体1
0を収容し先端がシリンダ状とされた第1コネクタ211、剛性付与体9を収容
し先端がシリンダ状とされた第2コネクタ311、および光ファイバー束8を収
容する第3コネクタ411に分岐している。そして、第1コネクタ211の基端
には、線状体10をチューブ本体基端方向に引張せしめ、これを保持する引張保
持具11が、第2コネクタ311の基端には、剛性付与体9を摺動操作する剛性
付与体操作具12が、それぞれ接続されている。
【0058】
図5に、第1コネクタ211と引張保持具11の接続状態を示す。図に示すよ
うに、第1コネクタ211の内壁212には、螺施が切られており、第1コネク
タ211内に挿入された引張保持具11の外周面と螺合している。この引張保持
具11は、先端部111の周面に螺施112が切られ、既述のように第1コネク
タ211内の螺施と螺合するよう構成されている。
【0059】
引張保持具11の後端にはフランジ113が形成されている。このフランジ1
13を介して引張保持具11を回転させると、引張保持具11は第1コネクタ2
11内で回動しながら、軸方向に移動する。
【0060】
なお、第1コネクタ211の後端部は、前記引張保持具11の先端部111よ
り内径が小さく形成されており、引張保持具11の後方ストッパー115として
作用する。
【0061】
線状体10の後端には、円形プレート状の係止部材10aが接続されている。
線状体10は、引張保持具11に設けられた貫通孔116を貫通し、フランジ1
13の端面まで延在して配置され、この端面において前記係止部材10aにより
フランジ113に対して回動自在に係止される。
【0062】
よって、引張保持具11のフランジ113を回動させると、線状体10はそれ
自体回転することなく、第2ルーメン6内をチューブ本体軸方向に移動し、引張
される。また、引張保持具11の回転を停止すると、線状体10の移動、引張も
停止され、引張状態が保持される。
【0063】
この移動距離は、チューブ本体先端部22が屈曲していない状態(図6に示す
状態)から、先端部22が前記所定角度αだけ屈曲した状態(図7に示す状態)
、となるような範囲に対応するものとすればよい。
【0064】
次に、剛性付与体操作具12について説明する。
【0065】
図4に、第2コネクタ311と剛性付与体操作具12(以下、単に操作具12
という。)の接続状態を示す。図に示すように、第2コネクタ311の内壁31
2には、螺施が切られており、第2コネクタ311内に挿入された操作具12の
外周面と螺合している。この操作具12は、その先端部121の周面に螺施12
2が切られ、既述のように第2コネクタ311内の螺施と螺合するよう構成され
ている。
【0066】
一方、操作具12の後端にはフランジ123が形成されている。このフランジ
123を介して操作具12を回転させると、操作具12は第2コネクタ311内
で回動しながら、軸方向に移動する。
【0067】
操作具12の先端には、剛性付与体9の後端部92が挿入され、回転自在に接
合されている。即ち、剛性付与体9の上記後端部92の周面には、周方向に突部
91が複数形成された状態で、操作具12と接合されており、該突部91により
、剛性付与体9は操作具12に対して軸方向に固定され、周方向には摺動可能に
接続される。
【0068】
なお、第2コネクタ311の後端には、引張保持具11と略同構造のストッパ
ー125が設けられている。このストッパー125により、剛性付与体9のチュ
ーブ本体基端方向への摺動が規制される。
【0069】
よって、前記線状体10の引張操作前には、剛性付与体操作具12のフランジ
123を回転させ、操作具12を後端方向(図中、右方向)に向けて、ストッパ
ー125に当接するまで最大限移動させる。これにより、チューブ本体2内にて
、剛性付与体9を回転させることなくチューブ基端方向(図中、右方向)に最大
限摺動させる。
【0070】
この状態において、引張保持具11のフランジ113を回動させることにより
、前記線状体10を所定長さ牽引し、チューブ本体先端部22を許容される最大
屈曲角度まで屈曲させる。
【0071】
そして、操作具12のフランジ123を先程とは逆方向に回転させて操作具1
2を先端方向(図中、左方向)に移動し、剛性付与体9をチューブ先端方向(図
中、左方向)に摺動させる。これにより、チューブ本体先端部22をストレート
状態に復元することができる。
【0072】
カテーテルチューブ1を血管内に挿入した後には、再びフランジ123を回転
させることにより操作具12を後端方向に向けて移動させ、剛性付与体9をチュ
ーブ基端方向へ所定距離摺動させる。これによりチューブ本体先端部22を所望
の角度で屈曲させる。
【0073】
ここで、所望の屈曲角度に達したら、フランジ123の回転を停止させて剛性
付与体9を所定位置に配置することにより、チューブ本体先端部22は所望の屈
曲角度を維持する。
【0074】
また、チューブ本体先端部22の屈曲を元へ戻す場合には、引張保持具11の
フランジ113を先の操作とは逆方向に回転させて、引張操作具11を後端方向
(図中、右方向)へ移動させると、これにともなって線状体10が徐々に弛緩し
、チューブ本体先端22の屈曲部は通直状態に確実に復元される。
【0075】
また、チューブ本体先端部22に曲がりぐせがつき、線状体10を弛緩させる
のみではストレート状態に復元しない場合には、剛性付与体9をチューブ先端方
向に摺動させれば、確実にストレート状態に復元する。
【0076】
なお、剛性付与体操作具11および引張保持具12は、上記構成のものに限定
されないことは言うまでもない。
【0077】
次に、本考案のカテーテルチューブ1の使用方法について説明する。
【0078】
図6および図7は、本考案のカテーテルチューブ1の使用状態を示す部分断面
側図面である。
【0079】
まず、剛性付与体操作具12のフランジ123を回転させ、操作具12を後端
方向(図中、右方向)に向けて、ストッパー125に当接するまで最大限移動さ
せる。これにより、チューブ本体2内にて、剛性付与体9を回転させることなく
チューブ基端方向(図中、右方向)に最大限摺動させる。
【0080】
次に、この状態において、図4に示す引張保持具11のフランジ113を回動
させ、線状体10をチューブ基端側(図4中矢印方向)へ所定長さ牽引する。チ
ューブ本体先端部22が許容される最大屈曲角度まで屈曲したら、フランジ11
3の回動を停止し、これにより屈曲状態を保持する。
【0081】
そして、操作具12のフランジ123を先程とは逆方向に回転させ、操作具1
2先端方向(図中、左方向)に向けて移動させることにより、剛性付与体9をチ
ューブ先端方向(図中、左方向)に摺動させ、これによりチューブ本体先端部2
2をストレート状態にする。この状態で、カテーテルチューブ1を血管内に挿入
する。
【0082】
カテーテルチューブ1が血管内の目的部位まで到達したら、第4ルーメン7よ
り拡張体3内に流体を送り込んで拡張体3を膨張させると、拡張体3は、血管1
6の内壁面161に密着し、カテーテルチューブ1を血管16に対して固定する
とともに、血管16内の血液17の流れを遮断する。さらに、基端側より第5ル
ーメン(図示せず)に生理食塩水またはぶどう糖液のような透明液体を送り込み
、先端の開口より噴出させ、拡張体3より前方(チューブ先端側)の血液を押し
出して排除し、代りに透明液体を充満させる。
【0083】
なお、拡張体3は、その膨張時の最小直径が、血管16の最大内直径とほぼ同
等以上であれば、拡張体3が血管16の内壁面161に確実に密着し、拡張体3
より後方(チューブ基端側)の血液17が、拡張体3の前方、即ち観察部分へ流
入することがなく、鮮明な画像による観察が可能となる。
【0084】
再び操作具12のフランジ123を回転させ、操作具12を後端方向に向けて
移動させ、剛性付与体9をチューブ基端方向へ所定距離摺動させる。これにより
、チューブ本体先端部22を所望の角度で屈曲させる。
【0085】
所望の屈曲角度に達したら、フランジ123の回転を停止させて剛性付与体9
を所定位置に配置することにより、チューブ本体先端部22は所望の屈曲角度を
維持する。
【0086】
ここで、剛性付与体9は、ストッパー125によってチューブ内における基端
方向への摺動が規制されているので、チューブ本体先端部22が挿入前に設定し
た最大屈曲角度を越えて屈曲することはなく、血管や管状器官内にような直接目
視が不可能な部位においても、屈曲操作が安全に行える。
【0087】
この状態で光ファイバー束8の先端は血管内壁面161の方へ向いており、送
光用および受光用ファイバー8a、8bを通じて血管16の内壁面161を観察
することができる。
【0088】
なお、拡張体3を収縮させた後、カテーテルチューブ1自体を血管16内で回
転させることにより、血管内壁面161の全周にわたって観察することもできる
。
【0089】
操作具12のフランジ123を回転させ、操作具12をチューブ先端方向に向
けて移動させ、剛性付与体9の先端をチューブ先端方向に位置させれば、チュー
ブ本体先端部22は、再び図4に示すような通直状態に戻る。
【0090】
また、引張保持具11のフランジ113を回転させて、線状体10の引張状態
を解除すれば、チューブ本体先端部22は、再び図4に示すような通直状態に戻
る。
【0091】
以上、本考案の好ましい実施態様について説明したが、本考案のカテーテルチ
ューブは、上記構成例に限定されるものではなく、特に上記構成例では、拡張体
3および拡張体膨張用の第4ルーメンを有するカテーテルチューブについて説明
したが、本考案ではこれらを有さないカテーテルチューブでもよいことは言うま
でもない。
【0092】
また、上記説明では、送光用および受光用ファイバーにより血管内を観察する
場合について述べたが、本考案のカテーテルチューブの用途はこれに限定される
ものではなく、例えば、薬液の投与、光ファイバーを通じてのレーザー光線の照
射、目的部位に挿入する際の先端誘導等広い分野に応用が可能である。
【0093】
さらに、上記説明では、血管内に挿入、留置した実施例について主として述べ
たが、この他、気管、食道、胃、腸、膀胱、尿管、胆道、膵管などの管状器官に
対しても用いられ、あるいは体腔内へ挿入して使用してもよい。
【0094】
図1〜図5に示す構造のカテーテルチューブを作成した。このカテーテルチュ
ーブの諸条件は、次の通りである。
<チューブ本体>
本体材質:X線造影剤入りポリウレタン製
先端部材質:
外径:約2.0mm
全長:約1.5m
ルーメン:4ルーメン
ファイバー収納用ルーメン1本(内径0.8mm)、
剛性付与体収納ルーメン1本(内径0.5mm)
拡張体膨張用ルーメン1本(内径0.3mm)、
線状体収納用ルーメン1本(内径0.5mm)
<光ファイバー>
イメージファイバー(約2〜3μmの石英ファイバーを約2000本束ねたもの
)と、ライトガイドファイバー(約50μmの石英ファイバーを40本束ねたも
の)を一体化し、一つのファイバー束とした。このファイバー束を外径約0.6
mmφである四フッ化エチレン樹脂製の外筒内に収納した。
【0095】
また、イメージファイバーの端面に凸レンズを装着し、ライトガイドから照射
された光を受け被写体像をイメージファイバーの端面に結ぶ。
<屈曲補助用溝>
なし
<剛性付与体>
材質:超弾性合金
外径:0.35mm
<線状体>
材質:ポリアミド線
太さ:100デニール
先端固定位置:チューブ本体横断面中心から0.8mmでチューブ本体先端よ
り基端方向へ1mmの位置
<拡張体>
材質:ラテックスゴム
厚さ:約140μm
形状:シリンダー状
有効長:7mm
膨張時直径:15mm
<カテーテルチューブの基端部>
・引張保持具/図4に示す構造
コネクタ:全長150mm
引張保持具の最大移動距離:30mm
・剛性付与体操作具/図5に示す構造
コネクタ:全長150mm
操作具の最大移動距離60mm
イメージファイバーの基端には接眼レンズを装着し、直接観察を可能とした。
ライトガイドの基端には光コネクタを装着し、これを白色光源に接続した。
【0096】
透明液体噴出用ルーメンの基端にはルアーテーパー受け口を持つ活栓を装着し
、これに、シリンジAを接続し、生理食塩水をルーメンに供給可能とした。
【0097】
拡張体膨張用ルーメンの基端には、ルアーテーパー受け口をもつバルブを装着
し、これにシリンジBを接続して拡張体へ膨張用の流体を注入可能とした。この
ようなカテーテルチューブを用いて、血管内の観察を行った。
【0098】
まず、剛性付与体操作具のフランジを手で回動操作し、操作具12を後端方向
(図中、右方向)に向けて、ストッパーに当接するまで最大限移動させた。
【0099】
次に、引張保持具のフランジを回動操作し、線状体をチューブ基端側に10m
m牽引し、チューブ本体先端部を第1ルーメン内に収納されているファイバース
コープごと屈曲させた。このときの屈曲角度は、約30゜であった。
【0100】
次に、剛性付与体のフランジを先程とは逆方向に回動させ、剛性付与体をチュ
ーブ先端方向に最大限摺動させた。このとき、チューブ本体先端部は略ストレー
ト状態となった。
【0101】
この状態で、カテーテルチューブ1を内径8mmの血管内に挿入し、手動によ
りシリンジを操作して拡張体を膨張させ、カテーテルチューブを血管に対して固
定するとともに、血液の流れを遮断した。そして別のシリンジを用いて生理食塩
水を注入し、カテーテルチューブ先端開口から生理食塩水を噴射し、透明視野を
確保した。
【0102】
そして、剛性付与体操作具12のフランジ123を回転させ、剛性付与体をチ
ューブ基端方向へ所定距離摺動させることにより、カテーテルチューブ先端を屈
曲させ、観察視野の選択を行った。
【0103】
この観察映像をモニタ画面に出力して血管内壁面の観察を行ったところ、観察
部分への血液の流入もなく、鮮明な観察を行うことができた。
【0104】
一方、線状体の引張操作、および剛性付与体の摺動操作は支障なく、円滑にす
ることができた。チューブ本体の屈曲は先端部のみであり、他の部分には線状体
の引張による屈曲は生じなかった。さらに、剛性付与体をチューブ先端部方向に
最大限摺動させたところ、チューブの先端部は元の通直状態に復帰した。
【0105】
上記構造のカテーテルチューブによれば、チューブ本体は、第1ルーメン内に
観察または医療処置器具を収納し、血管や管状器官内にて、先端部の開放部分を
介して前記観察または医療処置器具を行う。
【0106】
第2ルーメンは先端が閉塞されており、かつ第2ルーメン内の線状体はチュー
ブ外に露出しないので、第2ルーメン内に体液等が侵入することはない。線状体
の先端は、チューブ本体の偏心位置に固定されているので、前記引張保持具によ
って、線状体を引張すれば、チューブ本体の先端が、収納している観察または医
療処置器具とともに湾曲する。
【0107】
しかして、第2ルーメン内には、チューブ本体に所定の剛性を与える剛性付与
体が収納されているので、前記操作により当該剛性付与体が収納されていない先
端部のみが湾曲することになる。ここで、この剛性付与体は、チューブ本体内に
において摺動可能であって、しかもチューブ内の基端方向への摺動が規制される
よう構成されているので、前記線状体の引張操作前には、チューブ内にて剛性付
与体を基端方向に最大限摺動させ、この状態で線状体を引張することにより、チ
ューブ先端を許容される最大屈曲角度(すなわち、観察または医療処置器具が折
れ曲がらない最大屈曲角度)で屈曲させるよう作用する。
【0108】
そして、チューブ本体先端の屈曲が許容される最大角度に達したら、前記引張
保持器具により、引張力を保持して所望の湾曲形状を維持するよう作用する。
【0109】
このようにして、チューブ本体先端の所望の屈曲状態を達成したら、線状体の
引張力を保持したまま、剛性付与体をチューブ本体先端方向に摺動させることに
より、チューブ本体先端の屈曲を強制的に解除してストレート状態を達成し、こ
れにより血管や管状器官内への導入を容易とする。
【0110】
そして、カテーテル本体先端が、血管や管状器官内の観察または医療処置を行
うべき部位に到達したら、剛性付与体をチューブ基端方向へ摺動させることによ
り、チューブ先端を徐々に屈曲させる。そして所望の屈曲角度になったら、剛性
付与体の摺動を停止し、この屈曲角度を保持して、観察または医療処置を行う。
よって、カテーテルチューブを血管内や管状器官内に挿入する前には、目視に
て許容される最大屈曲角度を設定し、カテーテルチューブを血管内や管状器官内
に挿入した後には、剛性付与体をチューブ本体基端方向へ摺動させ、所望の屈曲
角度を達成するよう動作する。この際、剛性付与体は、チューブ内における基端
方向への摺動が規制されているので、チューブ本体先端が挿入前に設定した最大
屈曲角度を越えて屈曲することはなく、血管や管状器官内にような直接目視が不
可能な部位においても、屈曲操作が安全に行える。
【0111】
また、カテーテルチューブの外周壁周りに膨張・収縮自在の少なくとも1つの
バルーンが配置されていると、カテーテルチューブを血管内に挿入してバルーン
を膨張させることにより、カテーテルチューブを所望の位置で固定できる。また
、カテーテルチューブより前方(チューブ先端側)において視界の妨げとなる血
液を排除し、透明液体に置換するに際しての血液の流入を遮断することができる
。
【0112】
本考案のカテーテルチューブによれば、簡易な構造で、カテーテルチューブの
先端部を容易かつ確実に屈曲させることができ、その操作も円滑にできる。よっ
て、管状器官や特に血管および他の細径の管状器官内壁等の観察や医療処置を容
易に行うことができる。
【0113】
また、構造が簡易なので、カテーテルチューブの細径化が図れ、よって、より
小径の血管や管状器官等への適用が可能である。
【図1】本考案のカテーテルチューブの好ましい実施態
様の構成例を模式的に示す図である。
様の構成例を模式的に示す図である。
【図2】図1に示すカテーテルチューブの先端部の構造
を示す部分縦断面図である。
を示す部分縦断面図である。
【図3】図2中のII−II’線での断面図である。
【図4】剛性体操作具の構造を取り出して示す断面側面
図である。
図である。
【図5】引張保持具の構造を取り出して示す断面側面図
である。
である。
【図6】図1に示すカテーテルチューブの使用例を示す
部分断面側面図である。
部分断面側面図である。
【図7】図1に示すカテーテルチューブの先端を屈曲さ
せた状態の使用例を示す部分断面側面図である。 1 カテーテルチューブ 2 チューブ本体 3 拡張体 4 第1ルーメン 5 第2ルーメン 6 第3ルーメン 7 第4ルーメン 8 光ファイバー(観察または医療処置器具) 9 剛性付与体 10 線状体 11 剛性付与体操作具 12 引張保持具
せた状態の使用例を示す部分断面側面図である。 1 カテーテルチューブ 2 チューブ本体 3 拡張体 4 第1ルーメン 5 第2ルーメン 6 第3ルーメン 7 第4ルーメン 8 光ファイバー(観察または医療処置器具) 9 剛性付与体 10 線状体 11 剛性付与体操作具 12 引張保持具
Claims (3)
- 【請求項1】チューブ本体と、該チューブ本体の先端部
へ開放する第1ルーメンおよび先端が閉塞した第2ルー
メンと、前記第1ルーメン内に収納される観察または医
療処置器具と、前記チューブ本体内において軸方向に摺
動可能に構成された剛性付与体と、前記第2ルーメン内
に設置され、先端が前記チューブ本体先端付近で偏心位
置に固定された少なくともひとつの線状体と、前記剛性
付与体の摺動を制御し、当該剛性付与体をチューブ本体
内の任意の位置に係止しうる剛性付与体操作具と、前記
線状体をチューブ本体基端方向へ引張し、当該引張力を
保持しうる引張保持器具とを有し、前記引張具により前
記線状体を任意の引張力で保持しながら、前記チューブ
本体内で剛性付与体を摺動させることにより、チューブ
先端の屈曲状態を制御できるよう構成したことを特徴と
するカテーテルチューブ。 - 【請求項2】 前記剛性付与体が、前記線状体よりも曲
げ剛性の大きい材料により構成されている請求項1に記
載のカテーテルチューブ。 - 【請求項3】 前記カテーテルチューブの外周壁周りに
設置された膨張・収縮自在の少なくとも1つのバルーン
を有する請求項1または2に記載のカテーテルチュー
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5525191U JP2542591Y2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | カテーテルチューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5525191U JP2542591Y2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | カテーテルチューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05158U true JPH05158U (ja) | 1993-01-08 |
JP2542591Y2 JP2542591Y2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=12993380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5525191U Expired - Fee Related JP2542591Y2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | カテーテルチューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2542591Y2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05317429A (ja) * | 1992-05-20 | 1993-12-03 | Fujikura Ltd | 首振りカテーテル |
JP2010511443A (ja) * | 2006-12-06 | 2010-04-15 | ルプレヒト−カールス−ウニヴェルジテート ハイデルベルク | 挿管チューブ |
JP2010148791A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | カテーテルの製造方法 |
JP2012525229A (ja) * | 2009-04-29 | 2012-10-22 | ファーマコフォトニクス,インコーポレイティド | 血管内流体の光センシングのための自己穿刺型経皮的光センサー |
-
1991
- 1991-06-20 JP JP5525191U patent/JP2542591Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05317429A (ja) * | 1992-05-20 | 1993-12-03 | Fujikura Ltd | 首振りカテーテル |
JP2010511443A (ja) * | 2006-12-06 | 2010-04-15 | ルプレヒト−カールス−ウニヴェルジテート ハイデルベルク | 挿管チューブ |
JP2010148791A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | カテーテルの製造方法 |
JP2012525229A (ja) * | 2009-04-29 | 2012-10-22 | ファーマコフォトニクス,インコーポレイティド | 血管内流体の光センシングのための自己穿刺型経皮的光センサー |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2542591Y2 (ja) | 1997-07-30 |
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