JP3780066B2 - 医療用チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、心臓、血管、消化管、尿道、腹腔等の身体腔内に挿入して用いられ、挿入部位の観察や医療処置を行う医療用チューブ(カテーテルチューブ)、特に内視鏡に用いられる生体内挿入用の医療用チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、切開などの侵襲の大きな手術が、次第に低侵襲な手技に置き換わってきている。特に、内視鏡を利用した、内視鏡下手術の応用分野の広がりは、近年目を見張るものがある。いち早く広く行われるようになった消化器分野の適用を筆頭に、呼吸器、耳鼻咽喉科、脳神経外科、産婦人科、整形外科など、適応例が後を絶たない。
【0003】
細型内視鏡カテーテルシステムは基本的に患者の体内などに挿入されるカテーテル部と、術者が手で操作する本体操作部から構成されている。カテーテル先端部には、カテーテルを複雑な体内走向路に沿って挿入させるため先端部を目的とする方向に導く、或いは視野を変化させるための先端湾曲機能が付加されていることが一般的である。
【0004】
体外位置から医療用チューブ(カテーテルチューブ)の先端部(以下、チューブ先端部という)を屈曲させる方法としては、チューブ先端部を複数の節輪を回動自在に順次連結した構成とし、ワイヤーの牽引操作によりチューブ先端部を屈曲させる方法があるが、最近では、内視鏡の細径化の要請に伴い、節輪を有しない構造のカテーテルチューブが提案されている。
【0005】
このようなものとしては、チューブの先端部を除いて軸方向の抗収縮性を有する密着巻きコイルをチューブの1つのルーメン内に収納、固定し、一方、この密着巻きコイル内あるいはチューブの他のルーメン内にワイヤーを挿通し、このワイヤーの先端をチューブ先端部の偏心位置に固定し、ワイヤーの基端側にてワイヤーの牽引操作を行うことによりチューブ先端部を体外位置から屈曲させる構造のカテーテルチューブがある(特開平6−343702号公報)。このカテーテルチューブでは、密着巻きコイルの設置によりチューブの先端部を除く部分の軸方向の収縮を抑えることによって、ワイヤーの牽引によってチューブ先端部のみを湾曲させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構造の医療用チューブの製造にあたっては、密着巻きコイルを収納するためのルーメンをまずチューブ本体内に形成し、このルーメンに密着巻きコイルを所定位置まで挿入する。そして、当該ルーメンの内面にコイルの数ケ所(例えば、先端と基端)を固定する作業を行う。この際、コイルの挿入作業を容易とするために、ルーメンの径をコイルの径よりも若干大きくする必要があり、密着巻きコイルとこのコイルを収納するルーメンとの間には隙間が必然的に形成される。コイルの径は非常に細く、かつ上記したようにコイルとルーメンとの間には隙間があるため、ルーメンに固定された箇所以外では密着巻きコイルはわずかな外力によってルーメン内で容易に撓みを生じる。
【0007】
このようにコイルが撓んだ状態で牽引ワイヤーをチューブ軸方向に牽引すると、この牽引力がコイルの軸方向に対し斜めに加わるため、密着巻きコイルも容易に湾曲する。このため、当該密着巻きコイルが配置された部分(上記チューブの先端部を除いた部分)のチューブそのものも共に湾曲してしまい、チューブ先端部のみの所望の湾曲が得られないという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、上記のような点に鑑みてなされたものであって、医療用チューブ(カテーテルチューブの外径を増大することなく、チューブ先端部のみを確実に屈曲(湾曲)させることのできる医療用チューブ(カテーテルチューブ)を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びたルーメンと、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記ルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された抗収縮性部材と、先端が、該チューブ本体の先端付近であり、かつ該チューブ本体内の偏心位置に固定された牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引するための牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部分が湾曲するよう構成した生体内挿入用の医療用チューブであって、前記抗収縮性部材は、該抗収縮性部材の大部分を構成し、チューブ本体軸方向に対する抗収縮性を有する抗収縮性部材本体部と、該抗収縮性部材本体部に接続または該抗収縮性部材本体部と一体に形成され、前記ルーメンの内面と密着し前記抗収縮性部材本体部を前記ルーメン内に支持する固定部とを備えている医療用チューブである。
【0010】
また、上記目的を達成するものは、医療用チューブであって、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた第1のルーメン、第2のルーメンおよび第3のルーメンと、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第1のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第1の抗収縮性部材と、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第2のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第2の抗収縮性部材と、前記第3のルーメン内に設置され、かつ、先端が該チューブ本体の先端付近に止着された牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引するための牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部が湾曲するよう構成され、かつ、前記第1のルーメンと前記第2のルーメン間の距離は、前記第1のルーメンと前記第3のルーメン間の距離および前記第2のルーメンと前記第3のルーメン間の距離よりも長くなっている生体内挿入用の医療用チューブであって、前記第1の抗収縮性部材および前記第2の抗収縮性部材は、該抗収縮性部材の大部分を構成し、チューブ本体軸方向に対する抗収縮性を有する抗収縮性部材本体部と、該抗収縮性部材本体部に接続または該抗収縮性部材本体部と一体に形成され、前記ルーメンの内面と密着し前記抗収縮性部材本体部を前記ルーメン内に支持する固定部とを備えている医療用チューブである。
【0011】
また、上記目的を達成するものは、医療用チューブであって、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた第1のルーメン、第2のルーメン、第3のルーメンおよび第4のルーメンと、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第1のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第1の抗収縮性部材と、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第2のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第2の抗収縮性部材と、前記第3のルーメン内に設置され、かつ、先端が該チューブ本体の先端付近に止着された牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引するための牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部分が湾曲するよう構成し、該第4のルーメンに比べて、該第1のルーメンと該第2のルーメンが該第3のルーメンに近接し、かつ該第1のルーメンと該第2のルーメンが該第3のルーメンを挟むように設けられており、さらに、該第1、第2及び該第3のルーメンからなる構造と同様な構造が、該チューブ本体の軸方向に沿って互いに離間した位置に複数組設けられている生体内挿入用の医療用チューブであって、前記第1の抗収縮性部材および前記第2の抗収縮性部材は、該抗収縮性部材の大部分を構成し、チューブ本体軸方向に対する抗収縮性を有する抗収縮性部材本体部と、該抗収縮性部材本体部に接続または該抗収縮性部材本体部と一体に形成され、前記ルーメンの内面と密着し前記抗収縮性部材本体部を前記ルーメン内に支持する固定部とを備えている医療用チューブである。
【0012】
そして、前記抗収縮性部材本体部は、線状体により形成されていることが好ましい。また、前記固定部は、前記抗収縮性部材本体部の両端にそれぞれ設けられていることが好ましい。さらに、前記抗収縮性部材本体部は、例えば、硬質材料からなりかつ弾性を有するワイヤー、チューブまたはパイプである。また、前記抗収縮性部材本体部は、例えば、非伸縮性かつ弾性を備える材料により形成された中実ワイヤーまたはパイプである。そして、前記固定部は、例えば、外表面に凹凸を有し、該凹凸が前記ルーメンの内面と嵌合して該ルーメン内面に固定されているものである。また、前記固定部は、例えば、コイルである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)を内視鏡(ファイバースコープ)用可撓管に適用した場合の実施例を示す全体側面図である。図2は、図1に示す医療用チューブ(カテーテルチューブ)の先端部を示す斜視図である。図3は、図1に示した医療用チューブの先端の正面図である。図4は、図2中のI−I線断面図である。図5は、図3中のII−II線断面図である。図6は、図3中のIII −III 線断面図である。図7は、医療用チューブの断面構造を説明するための説明図である。図8は、図6中のIV−IV線断面図である。図9は、図6中のV−V線断面図である。図10は、本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性部材(抗収縮性支持体)の一例の拡大斜視図である。図11は、図10に示した本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性部材の拡大正面図である。図12は、本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性支持体の変形例を示す拡大斜視図である。図13は、図12に示した本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性部材の拡大正面図である。
【0015】
以下の説明において、図1〜図7中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
【0016】
本発明の医療用チューブ1は、生体の管状器官(例えば、血管内)等に挿入して用いられる生体内挿入用の医療用チューブであり、カテーテルチューブと言い換えることもできる。
【0017】
医療用チューブ1は、チューブ本体2と、チューブ本体2のほぼ全長に渡って延びたルーメン42と、先端が、チューブ本体2の先端より所定距離基端側に位置し、ルーメン42内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された抗収縮性部材7と、先端が、チューブ本体2の先端付近であり、チューブ本体2内の偏心位置に固定された牽引ワイヤー5と、牽引ワイヤー5をチューブ本体基端方向へ牽引するための牽引具(牽引操作する操作ダイヤル106)とを有している。
【0018】
医療用チューブ1は、牽引ワイヤー5をチューブ本体2の基端方向へ牽引することにより、チューブ本体2の先端部分(変形可能部)21が湾曲するように構成されている。そして、抗収縮性部材7は、抗収縮性部材の大部分を構成し、チューブ本体2の軸方向に対する抗収縮性を有する抗収縮性部材本体部71と、抗収縮性部材本体部71に接続または抗収縮性部材本体部71と一体に形成され、ルーメン42の内面と密着し抗収縮性部材本体部71(言い換えれば、抗収縮性部材7)をルーメン42内に支持する固定部72とを備えている。
【0019】
図1〜図8に示すように、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)1は、チューブ本体2を有する。このチューブ本体2としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、エチレンー酢酸ビニル共重合体のような可撓性を有する高分子材料で形成
(構成)されている。
【0020】
また、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1をX線透視下で確認できるようにするために、チューブ本体2にX線造影性を付与しておくことが好ましい。その方法としては、例えば、チューブ本体2の構成材料中に、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等のX線不透過物質を配合する方法、このようなX線不透過物質によるマーカーを埋設または表面に付着する方法等が挙げられる。
【0021】
また、挿入する体腔等に対する摺動性を向上するために、チューブ本体2の外表面に、例えば親水性ポリマー(例えば、無水マレイン酸共重合体)フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)のような低摩擦材料をコーティングしてもよい。
【0022】
チューブ本体2の先端部3には、後述するワイヤー牽引操作により屈曲または湾曲する変形可能部(湾曲部)21が形成されている。チューブの基端部23には、変形可能部(湾曲部)21の湾曲操作を行うための操作部10が設置されている。チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21と基端部23との間は、中間部22で構成されている。この中間部22は、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1を例えば、血管、膵管のような管状器官に挿入したとき、当該管状器官の湾曲や屈曲に追従して湾曲する程度の可撓性(もしくは弾性)を有しているが、後述するワイヤー牽引操作によっては湾曲しないように構成されている。
【0023】
チューブ本体2の内部には、その長手方向のほぼ全長に渡り、第1のルーメン42、第2のルーメン44、第3のルーメン43および第4のルーメン41が形成されている。
【0024】
第4のルーメン41の先端は、チューブ本体2の基端より先端まで伸びており、チューブ本体2の先端面にて開口(開放)している。
【0025】
また、第1のルーメン42、第2のルーメン44および第3のルーメン43は、チューブ本体2の基端より先端側に伸びており、チューブ本体2の先端より所定距離基端側の位置に先端を有するように形成されている。つまり、第1のルーメン42、第2のルーメン44および第3のルーメン43の先端は、チューブ本体2の先端より若干基端側となる位置にて終了している。第1のルーメン42、第2のルーメン44および第3のルーメン43の先端の先端よりチューブ本体2の先端までの距離は、1〜2mm程度が好適である。
【0026】
第4のルーメン41には、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1を挿入する管状器官内を観察する観察器具としての光ファイバー束9が収納されている。この光ファイバー束9は、管状器官の内壁へレーザー光を照射する等の医療処置にも使用することができる。
【0027】
光ファイバー束9は、図8に示すように、送光用ファイバー(ライトガイドファイバー)91および受光用ファイバー(イメージガイドファイバー)92で構成されている。光ファイバー束9は、これらの光ファイバーを例えば、エポキシ、アクリル、シリコーンゴム等の樹脂で固めて束状としたものである。送光用ファイバー91および受光用ファイバー92は、石英ガラス、多成分ガラス、プラスチックス等よりなる光ファイバーで構成されている。
【0028】
また、光ファイバー束9の先端には、観察部位からの反射光を集光するレンズ93が装着され、この部分はルーメン41の先端の開口付近に位置している。尚、光ファイバー束9は、ルーメン41に対し、固定的に設置されているのが好ましいが、ルーメン41に対し摺動可能とし、光ファイバー束9の先端部がルーメン41の先端開口より出没自在とすることもできる。
【0029】
操作部10の基端側(図1中右側)の図示しない光源より発せられた光は、送光用ファイバー91内を伝達し、その先端から観察部分へ照射される。その反射光は、レンズ93で集光され、受光用ファイバー92の先端より取り込まれ、集光された光はファイバー92内を伝達され、操作部10の基端側の受像部(図示せず)ヘと導かれる。
【0030】
また、ルーメン41と光ファイバー束9との間に間隙がある場合には、この間隙より、管状器官内に流体を注入、あるいは、管状器官内から流体を吸引することができる。
【0031】
特に、光ファイバー束9がルーメン41に対し、固定的に設置されていない場合には、ルーメン41と光ファイバー束9の間隙を用いて、管状器官内に流体を注入、あるいは、管状器官内から流体を吸引が容易である。具体的には、このルーメン41は、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1を挿入、留置した管状器官内へ薬液等を投与するのに用いることができる。さらには、このルーメン41は、内視鏡により管状器官内を観察する場合に、視界の妨げとなる血液、胆汁等の体液を押し出すための透明液体(例えば、生理食塩水、ぶどう糖液)を噴射するフラッシュ用チャンネルとしても用いることができる。また、ルーメン41は上記の他、ガイドワイヤー、医療処置・診断具等の挿通用チャンネルとして用いることもできる。医療処置・診断具としては、例えば、鉗子類、細胞診ブラシ、注射針、高周波、超音波、電気水圧衝撃波等を発するプローブ類(結石破砕用)、各種センサーおよびその導線が挙げられる。
【0032】
第1のルーメン42および第2のルーメン44は、変形可能部(湾曲部)21の湾曲操作の際に中間部22および基端部23の湾曲を防止する抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を収納するためのルーメンである。また、第3のルーメン43は変形可能部(湾曲部)21を湾曲させるためのワイヤー5を収納するためのルーメンである。
【0033】
これらのルーメン42、43、44は、チューブ本体2の横断面において、それぞれチューブ本体2の外周近傍に、互いに近接した位置に形成されており、且つルーメン43はルーメン42と44に挟まれる位置にある。言い換えれば、これらルーメンは、第1のルーメン42と第2のルーメン44間の距離は、第1のルーメン42と第3のルーメン43間の距離および第2のルーメン44と第3のルーメン43との間の距離よりも長くなるように配置されている。 そして、ルーメン42、43、44の先端は、それぞれ閉塞されている。
【0034】
中間部22および基端部23におけるルーメン42、44内には、それぞれ、抗収縮性部材7が収納されている。抗収縮性部材は、抗収縮性支持体と言い換えることもできる。抗収縮性部材7は、軸方向における抗収縮性を有する線状体(もしくは線条体)により形成された抗収縮性部材本体部(線条体)71を備える。さらに、抗収縮性部材本体部(線条体)71の先端および基端には、それぞれ接続または一体に成形された、平板状の線材を螺旋状にほとんど隙間なく巻回した密着巻き平板コイルよりなる固定部(もしくは固定手段)72が設けられている。これらの抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7の本体部(線条体)71は、その長手方向には実質的に収縮しない抗収縮性を有しており、ワイヤー5の牽引に伴うチューブ本体2の収縮、湾曲を防止する。
【0035】
図6、図10および図11に拡大して示すように、本実施例において、第1および第2の両抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7の抗収縮性部材本体部(線条体)71は、中実のワイヤーから構成されている。抗収縮性部材7は、本体部71が、チューブ本体2の中間部22に位置するように、各ルーメン内に挿入されている。この本体部71の先端および末端のそれぞれに接続する形で密着巻き平板コイルからなる固定部(固定手段)72がそれぞれ設けられている。
【0036】
抗収縮性部材本体部(線条体)71は、長手方向(軸方向)には抗収縮性を有するが、ある程度弾性的に湾曲できる材料により形成されている。その構成材料としては、例えば、SUS304、SUS316、SUS312等のオーステナイト系ステンレス鋼、マルエージングステンレス鋼、析出硬化ステンレス鋼等のステンレス鋼、Ni−Ti系合金等の超弾性合金、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金のような銅系合金、炭素鋼、タングステン鋼、アルミニウム、白金などの各種弾性金属や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリイミド等の各種硬質樹脂が使用できる。好ましくは、上記超弾性合金、オーステナイト系ステンレス鋼である。このような硬質の材料で抗収縮性部材本体部(線条体)71を弾性に形成することにより、チューブ本体2の中間部22が適度な剛性と柔軟性を兼ね備えるものとなる。このようなチューブ本体2では、血管等の管状器官への挿入操作等の操作を容易に行うことができる。
【0037】
また、本発明において、抗収縮性部材本体部(線条体)71の形状は図示の中実のワイヤーに限定されず、軸方向の抗収縮性を有する中空のパイプまたはチューブであってもよい。そのようなチューブまたはパイプとする場合でも、その構成材料としては前記したものが好適に用いられる。
【0038】
本実施例の固定部(固定手段)72a,72bは、密着巻きコイルから形成されている。固定部72の外周面には、コイルを形成する平板もしくは線材が密着巻されているが、それらの巻き目には、若干のコイルとコイルの隙間が形成されている。このため、固定部72は、この隙間により形成された凹凸が形成されている。
【0039】
そして、第1の抗収縮性部材および第2の抗収縮性部材の固定部(固定手段)72aは、チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21と中間部22との境界部24付近にそれぞれ位置し、かつ、ルーメン42およびルーメン44の内面に固定されている。また、第1の抗収縮性部材および第2の抗収縮性部材の固定部72bは、基端部23付近にそれぞれ位置し、かつ、それぞれの固定部72bはルーメン42、44の内面に固定されている。
【0040】
固定部72a,72bのチューブ本体2のルーメン42,44への固定は、ルーメン42,44内に抗収縮性部材7をそれぞれ挿入した後、チューブ本体2の境界部24及び基端部23の外周面をそれぞれ、例えば熱収縮チューブ(図示せず)で被覆した状態で加熱、加圧(締め付け)することにより行う子とができる。このチューブ本体2の境界部24及び基端部23の加熱により、チューブ本体2の形成材料が溶融または軟化し、ルーメン42、44の内腔が狭くなり、ルーメン42、44のチューブ本体外周側の内壁面が内側に突出するよう変形して、各固定部(固定手段)72の外面に形成されている凹凸部に押圧、嵌合密着し、それらの摩擦力により、各固定部(固定手段)72がルーメン42、44に対し固定される。これにより、抗収縮性部材本体部(線条体)71は、ルーメン42、44内に支持され、これより離脱しない。
【0041】
また、固定手段を上述したようにコイルとすることにより、極めて簡単な構成で抗収縮性支持体の固定を確実かつ容易に行うことができる。
【0042】
固定部(固定手段)72の抗収縮性部材本体部(線条体)71に対する設置位置は、抗収縮性部材本体部(線条体)71の先端と基端に限定されず、例えば抗収縮性部材本体部(線条体)71の途中に設けてもよい。なお、固定部72は、上記の通り抗収縮性部材本体部(線条体)71の先端と基端の2カ所に設け固定するのが好ましい。
【0043】
抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7の固定部(固定手段)72の固定方法は、前記の方法に限らない。例えば、チューブ本体2の境界部24または基端部23付近において、かしめ部材によるかしめにより各抗収縮部材7を締め付けて、ルーメン42、44の内面を固定部(固定手段)72の外表面の凹凸に密着もしくはくい込ませて固定する方法等を採用してもよい。又更に、ルーメン42、44の内面と各抗収縮部材7の外周面との固定を確実にするために、これらの間に接着剤(充填材)等を介在させてもよい。
【0044】
また、本実施例の抗収縮性部材7の固定部(固定手段)72と抗収縮性部材本体部(線条体)71との接続は、例えば、両者の端面を接着剤(充填材)により接着する方法により行うことができる。また、抗収縮性部材7の固定部72と抗収縮性部材本体部71との接続は、抗収縮性部材本体部(線条体)71の端部を細径に形成し、この細径化した端部を固定部(固定手段)72のコイルの内腔に挿通し、当該端部の外周面とコイルの内面とを接着剤(充填材)を用いて接着することにより行うことができる。
【0045】
また、この実施例の医療用チューブでは、ルーメン42およびルーメン44は、変形可能部21内まで延びており、かつ、ルーメン42およびルーメン44の先端と抗収縮性部材7の固定部72aの先端との間は、軸方向に延びる空隙となっている。つまり、医療用チューブ1は、変形可能部21内に延びる抗収縮性部材7の固定部72aが存在しない空間を備えている。このため、牽引ワイヤ5が牽引された際の変形可能部21の変形(湾曲もしくは屈曲)をより確実なものとしている。
【0046】
抗収縮性部材本体部(線条体)71の外径等の寸法は、その構成材料やチューブ本体2の横断面形状、寸法、構成材料等の諸条件により異なる。例えば、抗収縮性部材本体部71として、円形断面のステンレス鋼材を用いる場合、その外径は、0.05〜1.0mm程度、特に、0.3〜0.35mm程度とするのが好ましい。
【0047】
また、ルーメン42、ルーメン44の内径は、抗収縮性部材本体部(線条体)71の外径の1.0〜2.0倍程度とするのが好ましく、1.01〜1.4倍程度とするのがより好ましい。ルーメン42およびルーメン44の内径が抗収縮性部材本体部(線条体)71の外径の1.0倍以上であれば、抗収縮性部材本体部(線条体)71をルーメン42およびルーメン44内に挿入することが容易である。また、ルーメン42およびルーメン44の内径が抗収縮性部材本体部71の外径の2.0倍以下であれば、チューブ本体2が外径もあまり大きくならず、かつ、抗収縮性部材本体部(線条体)71がルーメン42およびルーメン44内で大きく撓み蛇行することもなく、ワイヤー5を基端側(手元側)へ牽引したときに中間部22が湾曲することがない。
【0048】
また、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7の全長に対する固定部(固定手段)72の占める割合としては、固定部(固定手段)72の占める割合が小さすぎる(短すぎる)と固定が不十分となり、また固定部(固定手段)72の占める割合を大きくする(長くする)と、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7のより多くの部分についてルーメン42およびルーメン44の内面との固定作業を行うこととなり製造工程が煩雑となる。抗収縮性部材7の全長に対する固定部72が占める割合としては、0.1〜10%程度、より好ましくは0.6〜1.0%程度であるとよい。具体的には、抗収縮性部材7の全長に対する固定部72a,72bの1つが占める割合が、0.1〜10%程度、より好ましくは0.6〜1.0%程度であることが好ましい。また、抗収縮性部材7の全長に対する2つの固定部72aおよび固定部72bが占める割合が、0.2〜20%程度、より好ましくは、1.2〜2.0%程度であることが好ましい。
【0049】
なお、本発明において、固定部(固定手段)としては図12および図13に示すような構成としてもよい。図12および図13に示す抗収縮性部材(抗収縮性支持体)80は、抗収縮性部材本体部(線条体)81を構成するワイヤー(パイプまたはチューブでもよい)の先端部および基端部の外表面に凹凸を備えている。この凹凸形成部分が、固定部(固定手段)82を構成している。このような凹凸の形成は、抗収縮性部材本体部(線条体)81を構成するワイヤーの外表面をヤスリ等で削ったり、レーザー等で切削加工する等により行うことができる。またこのような構成によれば、抗収縮性部材本体部(線条体)と固定部(固定手段)とが一体成形されており、両者の接合部分がないため、固定部(固定手段)が抗収縮性部材本体部(線条体)から脱落することまた固定部と本体部の境界部分で折れること等の虞れがない。
【0050】
また、図示しないが、固定部(固定手段)の外表面に形成される凹凸としては、前記したもののほか、例えば螺旋状あるいは抗収縮性部材本体部(線条体)の長軸に平行に形成された溝形状などでもよい。
【0051】
第3のルーメン43内には、変形可能部(湾曲部)21を牽引して湾曲させるためのワイヤー5が挿通されている。そして、ワイヤー5の先端51は、ルーメン43の閉塞された部分(ルーメン43の先端とチューブ本体2の先端との間)に埋設、固定されている。ワイヤー5は、その先端51は、チューブ先端部3の先端面に露出しないように配設されている。
【0052】
ワイヤー5の先端51は、それぞれチューブ本体2の中心軸から偏心した位置(言い換えれば、チューブ本体2の断面の中心より外面側によった位置)に固定されている。具体的には、ワイヤー5の先端51は、チューブ本体2の外周付近に固定されている。そのため、ワイヤー5を基端側へ牽引すると、変形可能部(湾曲部)21は、その牽引したワイヤーの先端のある側へ湾曲する。
【0053】
なお、ワイヤー5としては、多く(頻)の牽引操作により断線を生じることがない程度の強度および耐久性を有し、また、伸びの少ないものが好ましい。ワイヤー5の形成材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金等の金属線や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリイミド等の高張力樹脂繊維、カーボンファイバ等による単線や繊維束が挙げられる。
【0054】
また、ワイヤー5の外径は、その構成材料やチューブ本体2の横断面形状、寸法、構成材料等の諸条件により異なる。ワイヤー5を、例えば、ポリアリレート製の撚り線またはステンレス鋼の単線で構成した場合、その外径は30〜500μm程度、特に、50〜300μm程度とするのが好ましい。
【0055】
以上述べたように、本実施例の医療用チューブ(カテーテルチューブ)1においては、前記した特開平6−343702号公報に開示された医療用チューブ(カテーテルチューブ)と異なり、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7および牽引ワイヤー5をそれぞれ別のルーメンに収納した構造としている。これにより、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)、牽引ワイヤーおよびそれらを収納するルーメンのそれぞれをより細径に形成できるため、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1の細径化を容易に図ることができる。
【0056】
特に、本発明の医療用チューブは、上記のような構成を備えるため、外径2mm未満、特に、1.0〜1.8mm程度の細径のものとすることができる。このような、いわゆるマイクロチューブであり、かつ、先端部を確実に湾曲させることができるのは、本発明の医療用チューブが上述した構成を備えるからである。
【0057】
抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を収納する第1のルーメン42および第2のルーメン44は、第3のルーメン43に対して極めて近接した状態に設けることが好ましい。具体的には、第1のルーメン42および第2のルーメン44のそれぞれと第3のルーメン43との離間距離(言い換えれば、ルーメン間のチューブ本体2の厚み)が、0.2mm以下、より好ましくは0.1〜0.2mm 程度であるとよい。この程度とすれば、ワイヤー5の牽引による中間部22の湾曲(撓み)が生じ難く、変形可能部(湾曲部)21のみが確実に屈曲もしくは湾曲する。
【0058】
なお、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を収納するルーメンは、一つでもよいが、図示のようにワイヤー5収納するルーメン43を挟むように2つ設けることが好ましい。なお、ここで言う挟むとは、第3のルーメン43が完全に第1のルーメン42と第2のルーメン44との間に位置するものを言うものではなく、第1のルーメン42と第2のルーメン44間の距離が、第1のルーメン42と第3のルーメン43間の距離および第2のルーメン44と第3のルーメン43間の距離よりも長くなっていることを示すものである。
【0059】
これにより、ワイヤー5の牽引力が抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7に対して完全にはその軸方向に作用しないことによって生じる抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7のワイヤー5側への湾曲を、両抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7同士が互いに打ち消し合うため、中間部22が湾曲することなく、変形可能部(湾曲部)21のみを確実に屈曲させることができる。
【0060】
また、抗収縮部材のルーメンとワイヤーのルーメンを分離し医療用チューブ(カテーテルチューブ)の外周付近(外面付近)に互いに近接するように位置させることにより、チューブ本体の外径をより細径化することができる。これにより、より細径の体腔部位に、医療用チューブを挿入することが可能となる。
【0061】
特に、この実施例の医療用チューブでは、メインルーメンである第4のルーメン41が、チューブ本体2の中心より外面側に寄った位置(言い換えれば、偏心した位置)となるように形成されている。このため、第4のルーメン41の外側にチューブ本体2の肉厚部分と肉薄部分が形成される。そして、第3のルーメンは、この肉厚部分のほぼ中央に形成されている。このため、第4のルーメン41と第3のルーメン43の中心を結ぶ線が、チューブ本体2のほぼ中心を通るようになっている。そして、第1のルーメン42および第2のルーメン44は、チューブ本体2の肉厚部分であり、かつ、第3のルーメン43とそれぞれが隣り合うように配置されている。このような配置形態とすることにより、チューブ本体2の内壁部分(第4のルーメン41が形成されていない部分)を有効に利用できるので、チューブ本体2を細径のものとすることができる。
【0062】
チューブ本体2の外周部(外周面近傍)には、チューブ本体2の少なくとも基端部23および中間部22に、各ルーメン41〜44の集合体を囲むように、管状の補強材6が埋設されている。本実施例では、補強材6は、基端部23および中間部22に設置されるとともに、変形可能部(湾曲部)21の途中まで延長してもよい。これにより、変形可能部(湾曲部)21における曲げ剛性が先端へ向かって減少するように設定することができる。つまり、変形可能部21の基端部分内に、補強体6の先端部分を位置させることにより、変形可能部21の先端部分は、基端部分に比べて柔軟とすることができる。
【0063】
この補強材6としては、例えば、ステンレス、超弾性合金等の金属材料や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ABS樹脂等の樹脂材料、カーボンファイバー、グラスファイバー等よりなる線状体で構成されたものが好適である。特に、補強体6としては、この線状体を交差させて網状に形成した編組体で構成されたものが好ましい。
【0064】
このような補強材6の設置により、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1のねじり剛性が高まり、基端部23側での回転操作の際、基端側23において与えた回転力が先端部3側へ確実に伝達される。このため、医療用チューブとして、トルク伝達性が向上する。さらに、補強体6を設けることにより、チューブ本体2が湾曲したとき、特に急角度に湾曲したとき、それに伴ってルーメン41〜44が閉塞または狭窄することを防止する。また、補強材6の先端位置の設定により、変形可能部(湾曲部)21における剛性を他段階に調整することができ、ワイヤー操作による変形可能部(湾曲部)21における、湾曲、屈曲をより容易かつ適正な形状で行うことができる。
【0065】
なお、捕強材6の先端の位置は、図4、図5および図6に示すように、変形可能部21の基端部であり、抗収縮性部材7の固定部72aが設けられている部分に位置するように設けてもよい。つまり、この補強体6の先端により、境界部24(変形可能部21の基端)が形成されるものとしてもよい。さらに、捕強材6の先端の位置は、中間部22の途中であってもよい。
【0066】
また、図示しているように、抗収縮性部材7の固定部72aの先端を変形可能部21の途中まで延長させ、固定部72aの先端を変形可能部21に位置させてもよい。これにより、医療用チューブ1の変形可能部21と中間部22との間の剛性の差異を少なくすることができ、医療用チューブ1の操作をスムーズに行うことができる。
【0067】
図1に示すように、医療用チューブ(カテーテルチューブ)1の基端側に接続された操作部10は、操作部本体101を有し、操作部本体101の先端部に形成されたマニホールド部102にチューブ本体2の基端部23が挿入されて、固定されている。また、操作部本体101の基端側には、把持部103が形成されており、把持部103の基端部には、内視鏡の光ファイパー束9をチューブ(図示せず)を介して第4のルーメン41へ挿入するためのコネクタ104が装着されている。また、把持部103には、斜め方向に分岐した分岐部(図示せず)が形成され、分岐部の端部には、例えば、液体をチューブ(図示せず)を介して第4のルーメン41へ注入するコネクタ105が装着されている。
【0068】
操作部本体101のマニホールド部102と把持部103との間には、ワイヤー5を牽引操作する操作ダイヤル106が回転可能に支持されている。この操作ダイヤル106の回転軸には、図示しない巻き取りリールが固着され、操作ダイヤル106と一体的に回転する。ワイヤー5の基端側は、第3のルーメン43の基端から露出して操作部本体101内を通り、巻き取りリールに互いに反対方向に巻き付けられている。これにより、操作ダイヤル106を例えば図1中時計回りに回転させると、ワイヤー5が牽引され、ワイヤー5が緊張して変形可能部(湾曲部)21が図1中上方へ湾曲する。
【0069】
このように変形可能部(湾曲部)21を所望の方向に湾曲させることにより、光ファイバー束9を介して管状器官内の観察を広範囲に行うことができる。また、ルーメン41を介して液体の注入、吸引、その他医療処置等を行うこともでき、特に、それらを広範囲で行うこともできる。
【0070】
以上、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)を図示の実施例に基づき説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0071】
本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)において、各ルーメンの数や配置は、図示の構成のものに限定されず、例えば、第1のルーメン42もしくは第2のルーメン44の少なくとも一方が存在しないものや、ルーメン41〜44に加え、他の1または2以上のルーメンが付加されているものであってもよい。
【0072】
例えば、図示の例では、一本のワイヤー5を設けた構成としたが、本発明はこれに限定されず、チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21を2以上の方向に屈曲させるために、複数本のワイヤー5を設けることもできる。すなわち、チューブ本体2の横断面内(壁内部)において、かつ軸方向に(横断面内の周方向に)沿って所定の間隔で複数のルーメン(図示せず)を設け、これらのルーメン内にそれぞれ牽引ワイヤー5を収納し、各ワイヤー5の先端をそれぞれチューブ本体2の横断面内の異なる偏心位置に固定した構成としてもよい。このようにすれば、任意の1本のワイヤー5または任意(一部)複数本のワイヤー5を一度に牽引操作することによって、チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21を所望の方向へ屈曲もしくは湾曲させることが可能となる。
【0073】
例えば、チューブ本体2の壁内に軸方向(横断面内の周方向に)に沿って延びる4つのルーメンをほぼ等間隔に設け、これらのルーメン内にそれぞれ牽引ワイヤー5を収納し、各ワイヤー5の先端をそれぞれチューブ本体2の先端付近にて固定した構成とする。このようにすれば、各ワイヤー5を単独で牽引すれば、変形可能部(湾曲部)21を引っ張られたワイヤー5に応じた4つの方向(上、下、左、右方向)へ屈曲もしくは湾曲させることが可能となる。また、隣接する2つのワイヤー5を同時に引張すれば、引張するワイヤー5の組み合わせにより、前記4方向からそれぞれ45°の角度をなす4つの方向への屈曲もしくは湾曲させることが可能となり、合計8つの方向へ変形可能部(湾曲部)21を変形(屈曲もしくは湾曲)させることができる。さらには、隣接する2つのワイヤー5のそれぞれの引張力を変えて操作すれば、チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21を任意の方向へ屈曲させることが可能となる。このように、チューブ本体2の変形可能部(湾曲部)21を多数の方向へ自在に屈曲可能とすれば、血管等の管状器官内における観察の視野や医療処置を施すことができる領域が広がる。また、観察の視野の方向や医療処置の部位を変更する際に、チューブ本体2を回転する等の操作を行うことなく、これらのことが容易にかつ短時間で行うことができる。
【0074】
また、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7についても、前記した構成に限定されず、3本以上の抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を設けることもできる。すなわち、チューブ本体2の壁内に軸方向(横断面内において周方向)に沿って所定の間隔で複数のルーメン(図示せず)を設け、これらのルーメン内にそれぞれ抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を収納した構成とすることができる。
【0075】
さらに、ワイヤー5を上記したように複数本設ける場合においては、図示した構成のような位置関係となるようにワイヤー5を収納する各ルーメンを挟むように互いに近接又は接触した位置に形成された一対の抗収縮性部材を収納するためのルーメンを、チューブ本体2の外周に沿って互いに離間した位置に複数組設ける(例えば、ワイヤーを4本設ける場合は、それらの両側に位置する一対のルーメンを4組、計8つの抗収縮性(支持体)部材収納用ルーメンを設ける)構成とするのが好ましい。これにより、チューブ本体2の中間部22が湾曲することなく、変形可能部(湾曲部)21のみを確実に多数の方向へ屈曲させることができ、血管等の管状器官内における観察の視野や医療処置を施すことができる領域が広がり、また、観察の視野の方向や医療処置の部位を変更する際に、チューブ本体2を回転する等の操作を行うことなく、容易にかつ短時間で行うことができる。
【0076】
また、抗収縮性部材本体部(線条体)71をパイプ又はチューブなどの管状に形成した場合は、抗収縮性部材本体部(線条体)71の内腔に牽引ワイヤー5を挿通した構成とし、抗収縮性部材(抗収縮性支持体)7を収納するルーメンと牽引ワイヤを収納するルーメンを同じとしてもよい。
【0077】
また、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)は、チューブ本体2の先端に、作動流体の注入・排出により拡張・収縮するバルーン(図示せず)を設けたバルーンカテーテルとすることもできる。この場合、バルーン内へ作動流体を供給するためのルーメンを付加することが必要となる。
【0078】
なお、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)の用途は、前述した内視鏡用の医療用チューブ(カテーテルチューブ)に限らず、例えば、アブレーションカテーテル、心拍出量測定用カテーテル等の各種カテーテルチューブや、腹腔鏡下手術等に用いられるトロカール管などの各種管体等に適用することができる。
【0079】
また、本発明は別な表現をすれば、以下のものである。
【0080】
(1) 本発明は、管状器官等に挿入して用いられるカテーテルチューブであって、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた少なくとも1つのルーメンと、該チューブ本体の先端付近を残して、前記ルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された少なくとも一つの抗収縮性支持体と、先端が該チューブ本体の先端付近でチューブ本体の偏心位置に固定された少なくとも一つの牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引しうる牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部分が湾曲するよう構成したカテーテルチューブであって、前記抗収縮性支持体は、その大部分がチューブ本体軸方向の抗収縮性を有する線条体により形成されるとともに、線条体と接続または一体化し、前記ルーメンの内面に固定されて前記線条体を前記ルーメン内に支持する固定手段を備えていることを特徴とするカテーテルチューブである。
【0081】
(2) 本発明は、管状器官等に挿入して用いられるカテーテルチューブであって、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた第1、第2および第3のルーメンと、該チューブ本体の先端付近を残して、前記第1、第2の各々のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された抗収縮性支持体と、先端が該チューブ本体の先端付近に止着され、前記第3のルーメン内に設置された少なくとも一つの牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引しうる牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部が湾曲するよう構成し、該第1のルーメンと該第2のルーメンが該第3のルーメンを挟むように設けられたカテーテルチューブであって、前記抗収縮性支持体は、その大部分がチューブ本体軸方向の抗収縮性を有する線条体により形成されるとともに、該線条体と接続または一体化し、前記ルーメンの内面に固定されて前記線条体を前記ルーメン内に支持する固定手段を備えていることを特徴とするカテーテルチューブである。
【0082】
(3) また、本発明は、管状器官等に挿入して用いられるカテーテルチューブであって、チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた第1、第2、第3および第4のルーメンと、該チューブ本体の先端付近を残して、該第1、第2の各々のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された抗収縮性支持体と、先端が該チューブ本体の先端付近に止着され、該第3のルーメン内に設置された少なくとも一つの牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引しうる牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部分が湾曲するよう構成し、該第4のルーメンに比べて、該第1のルーメンと該第2のルーメンが該第3のルーメンを挟むように互いに近接又は接触した位置に設けられ、且つ該第1、第2及び該第3のルーメンからなる構造と同様な構造が該チューブ本体の外周に沿って互いに離間した位置に複数組設けられているカテーテルチューブであって、該抗収縮性支持体は、その大部分がチューブ本体軸方向の抗収縮性を有する線条体により形成されるとともに、該線条体と接続し、前記ルーメンの内面に固定されて前記線条体を前記ルーメン内に支持する固定手段を備えていることを特徴とするカテーテルチューブである。
【0083】
(4) 前記固定手段は、前記線条体の両端に2つ設けられていることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
【0084】
(5)前記線条体は、硬質材料からなりかつ弾性を有するワイヤー、チューブまたはパイプであることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
【0085】
(6) 前記固定手段は、外表面に凹凸を有し、該凹凸が前記ルーメンの内面と嵌合して該ルーメン内面に固定されていることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
【0086】
(7) 前記固定手段はコイルである上記(6)に記載のカテーテルチューブ。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の医療用チューブ(カテーテルチューブ)によれば、比較的細径の医療用チューブ(カテーテルチューブ)において、チューブ先端部のみを確実に屈曲させることができる。
【0088】
また、抗収縮性支持体を弾性を有する線条体で構成した場合は、カテーテルチューブ本体が適度の剛性と柔軟性とを兼ね備えるため、カテーテルチューブの管状器官内への挿入操作において、操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用チューブを内視鏡(ファイバースコープ)用医療用チューブに適用した場合の実施例を示す全体側面図である。
【図2】図2は、図1に示す医療用チューブの先端部を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用チューブの先端の正面図である。
【図4】図4は、図2中のI−I線断面図である。
【図5】図5は、図3中のII−II線断面図である。
【図6】図6は、図3中のIII −III 線断面図である。
【図7】図7は、医療用チューブの断面構造を説明するための説明図である。
【図8】図8は、図5中のIV−IV線断面図である。
【図9】図9は、図5中のV−V線断面図である。
【図10】図10は、本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性支持体の拡大斜視図である。
【図11】 図11は、図10に示した本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性部材の拡大正面図である。
【図12】図12は、本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性支持体の変形例を示す拡大斜視図である。
【図13】図13は、図12に示した本発明の医療用チューブに使用される抗収縮性部材の拡大正面図である。
【符号の説明】
1 カテーテルチューブ
2 チューブ本体
21 変形可能部(湾曲部)
22 中間部
23 基端部
24 境界部
3 チューブ先端部
41〜44 ルーメン
5 ワイヤー
51 ワイヤー先端
6 補強材
7 抗収縮性部材(抗収縮性支持体)
71 抗収縮性部材本体部(線条体)
72 固定部(固定手段)
9 光ファイバー束
91 送光用ファイバー
92 受光用ファイバー
93 レンズ
10 操作部
101 操作部本体
102 マニホールド部
103 把持部
104,105 コネクタ
106 操作ダイヤル
Claims (4)
- チューブ本体と、該チューブ本体のほぼ全長に渡って延びた第1のルーメン、第2のルーメンおよび第3のルーメンと、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第1のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第1の抗収縮性部材と、先端が、前記チューブ本体の先端より所定距離基端側に位置し、前記第2のルーメン内にチューブ本体軸方向に移動できないように設置された第2の抗収縮性部材と、前記第3のルーメン内に設置され、かつ、先端が該チューブ本体の先端付近に止着された牽引ワイヤーと、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引するための牽引具とを有し、該牽引ワイヤーをチューブ本体基端方向へ牽引することにより、該チューブ本体の先端部が湾曲するよう構成され、かつ、前記第1のルーメンと前記第2のルーメン間の距離は、前記第1のルーメンと前記第3のルーメン間の距離および前記第2のルーメンと前記第3のルーメン間の距離よりも長くなっている生体内挿入用の医療用チューブであって、前記第1の抗収縮性部材および前記第2の抗収縮性部材は、該抗収縮性部材の大部分を構成し、チューブ本体軸方向に対する抗収縮性を有する抗収縮性部材本体部と、該抗収縮性部材本体部に接続または該抗収縮性部材本体部と一体に形成され、前記ルーメンの内面と密着し前記抗収縮性部材本体部を前記ルーメン内に支持する固定部とを備えており、該抗収縮性部材本体部は中実ワイヤー、チューブまたはパイプであり、前記固定部は、外表面に凹凸を有し、該凹凸が前記ルーメンの内面と密着して該ルーメン内面に固定されていることを特徴とする医療用チューブ。
- 前記抗収縮性部材本体部は、線状体により形成されている請求項1に記載の医療用チューブ。
- 前記固定部は、前記抗収縮性部材本体部の両端にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用チューブ。
- 前記固定部は、コイルである請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用チューブ。
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