JP3998291B2 - 医療用チューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査や治療のために生体内に挿入するための、可変湾曲性の方向選択機能を持った医療用チューブに関する。より詳しくは、加圧流体を注入した際のバルーンの部分的な伸展差を利用して可変湾曲性の方向選択機能を持たせた医療用チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
過去において侵襲の大きかった手術も、現在では次第に低侵襲な手技に置き換わってきている。例えば、PTCAやPTA、ステント、アテレクトミー、塞栓術、内視鏡下手術など、カテーテル技術や内視鏡を基本とした低侵襲治療法が目を見張る広がりを見せている。
特にカテーテル技術分野では血管、消化管、卵管、尿管などの体腔内の特定部位に、薬液あるいは輸液を供給したり、バルーンの拡張によって狭窄部を拡張したりする目的で様々なバルーンカテーテルが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、より高度な手技を行うためにはカテーテル先端部の湾曲操作で方向選択ができることが必要である。カテーテル先端部の湾曲操作の機構については様々な構造が提案されているが、いずれも複雑でカテーテルの大径化が避けられない。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、検査や治療のために生体内に挿入するための、単純な構造で細径化が可能で、可変湾曲性の方向選択機能を持った医療用チューブを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために種々検討の結果、筒状のバルーンの周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を設け、該バルーン内に加圧流体を注入することにより、該バルーンの伸展性の大きい側がより大きく膨張し、伸展性の小さい側があまり膨張しないので、該バルーンが伸展性の小さい部分側に湾曲し、またその湾曲の程度は加圧流体の圧力によって調整できるという、可変湾曲性の方向選択機能が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明の第一の態様は、
生体内に挿入されるシャフト管と、
該シャフト管の先端部外周に流体密に接合された筒状のバルーンと、
該シャフト管内に設けられていて該バルーン内に連通している第一ルーメンと、
該シャフト管内に設けられていて該シャフト管の先端に開口している少なくとも1個の第二ルーメンとを有し、
該筒状のバルーンは、その周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を持っている
ことを特徴とする先端部の湾曲操作が可能な医療用チューブである。
【0006】
また、本発明の第二の態様は、
生体内に挿入されるシャフト管と、
筒状のバルーンの一端が該シャフト管の先端に流体密に接合された該筒状のバルーンと、
先端部が該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具と、
該シャフト管内に設けられていて、該バルーン内に流体通過可能に連通しており、且つ該長尺な医療診断具を収容している第一ルーメンとを有し、
前記医療診断具が、送光用ファイバー束と受光用ファイバー束とレンズとを有する内視鏡であって、
前記内視鏡が、前記送光用ファイバー束と前記レンズとにおいて該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、
該筒状のバルーンは、その周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を持っていることを特徴とする先端部の湾曲操作が可能な医療用チューブである。
【0007】
更に、本発明の第三の態様は、
生体内に挿入されるシャフト管と、
筒状のバルーンの一端が該シャフト管の先端に流体密に接合された該筒状のバルーンと、
先端部が該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具と、
該シャフト管内に設けられていて、該バルーン内に流体通過可能に連通しており、且つ該長尺な医療診断具を収容している第一ルーメンと、
該シャフト管内に設けられていて該シャフト管の先端部外周に開口している少なくとも1個の第二ルーメンとを有し、
前記医療診断具が、送光用ファイバー束と受光用ファイバー束とレンズとを有する内視鏡であって、
前記内視鏡が、前記送光用ファイバー束と前記レンズとにおいて該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、
該筒状のバルーンは、その周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を持っていることを特徴とする先端部の湾曲操作が可能な医療用チューブである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる医療用チューブを、図面に示す実施様態に基づき、詳細に説明する。
図1は本発明の医療用チューブに用いる筒状のバルーンの斜視図であり、図2は図1中のII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、本発明の医療用チューブに用いる筒状のバルーンは相対的に伸展性の小さい部分1と相対的に伸展性の大きい部分2とからなり、伸展性の小さい部分1は筒状のバルーンの周方向の半分未満の部分でその軸方向に延びている。この伸展性の差は、バルーンを構成する材質の延伸率、弾性率、剛性、硬度などの機械的物性値の差や、膜厚などの物理的物性値の差などによってもたらされる。
【0009】
本発明の医療用チューブに用いるバルーンの材質としては、例えば、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリコーンなどが挙げられ、好ましくは天然ゴム、ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニル、シリコーンのような可撓性を有する高分子材料が用いられる。更に好ましくは、低密度ポリエチレンである。なお、これらの材質は放射線架橋性のものである。
【0010】
上記の伸展性の小さい部分1は、バルーンの周方向の隣接する部分で連続的に変化していてもよいし、段階的に変化していてもよく、この伸展性の小さい部分1は好ましくは全周の30%以下、より好ましくは10%以下である。また、この伸展性の小さい部分1は、所望の湾曲度に応じて、バルーンの軸方向の一部又は全体にわたって連続して延びていても、断続的に設けられていてもよい。
【0011】
上記のような部分的に伸展性に差のあるバルーンは、例えば、バルーンの膜厚を周方向で変化させて成形するか、物性値の異なる2種の樹脂を用いて成形することにより得られるが、好ましくは、バルーンの周方向で架橋度が変化するように放射線架橋処理を施すことにより得られる。
尚、放射線架橋処理は、例えば電子線、γ線等の高エネルギー線(特殊な場合にはX線、β線、重荷電粒子線、中性子線等を含む)、紫外線等を照射することによって実施することができる。
【0012】
放射線架橋処理として電子線架橋処理を実施して部分的に伸展性に差のあるバルーンを製造する場合について説明すると、例えば、低密度ポリエチレンを用いてバルーンを成形し、バルーンの周方向で電子線架橋量を変化させることによって伸展性を変化させる。好ましくは、バルーンの伸展性の大きい部分2には電子線照射量が5〜35Mradとなるように照射し、伸展性の小さい部分1には、伸展性の大きい部分2の電子線照射量よりも3〜10Mrad多くなるように照射する。更に好ましくは、バルーンの伸展性の大きい部分2には電子線照射量が20〜25Mradとなるように照射し、伸展性の小さい部分1には、伸展性の大きい部分2の電子線照射量よりも3〜5Mrad多くなるように照射する。
【0013】
図3は本発明の第一の態様の医療用チューブの一部分の断面図であり、図4は図3中のIV−IV線断面図である。図3〜図4に示すように、本発明の第一の態様の医療用チューブは、生体内に挿入されるシャフト管3と、該シャフト管3の先端部外周に流体密に接合された筒状のバルーン4とを有している。該シャフト管3内には該バルーン4内に連通している第一ルーメン5が設けられており、更に、該シャフト管3の先端に開口している少なくとも1個の第二ルーメン6が設けられている。本発明においては該筒状のバルーン4は図1及び図2に関連して説明した特殊な形状、特性を有しているものである。
【0014】
上記のシャフト管3は、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、軟質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体のような可撓性を有する高分子材料で構成されている。
また、医療用チューブの挿入時の体腔等に対する摺動性を向上させるために、シャフト管3及びバルーン4の各々の外表面に、例えば親水性ポリマー(例えば無水マレイン酸共重合体)やフッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)のような低摩擦材料をコーティングしてもよい。
【0015】
本発明の第一の態様の医療用チューブにおいては、シャフト管3の外周面近傍に、シャフト管3の一部または全長にわたり、各ルーメン5、6を囲むように管状の補強材を埋設することが好ましい。この補強材の材料としては、例えば、ステンレス、超弾性合金等の金属材料や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ABS樹脂等の樹脂材料、カーボンファイバー等よりなる線状体で構成されたもの、特にこの線状体を交差させて網状に形成した編組体で構成されたものが好ましい。このような補強材の設置により、シャフト管3のねじり剛性が高まり、基端部側での回転操作の際、その回転力が先端部側へ伝達されるトルク伝連性が向上する。さらに、シャフト管3が湾曲しても、特に急角度に湾曲しても、それに伴ってルーメン5、6が閉塞または狭窄することが防止される。
【0016】
また、上記のシャフト管3が生体内に挿入されている状態でその位置をX線透視下で確認できるようにするために、シャフト管3にX線造影性を付与しておくことが好ましく、その方法としては、例えば、シャフト管3の構成材料中に例えば硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等のX線不透過性物質を配合する方法、このようなX線不透過性物質によるマーカーをシャフト管3の所定位置に埋設または表面に付着させる方法等が挙げられる。
【0017】
本発明の第一の態様の医療用チューブにおいては、医療用チューブの使用時に、バルーン内に連通している第一ルーメン5を流体圧力コントローラを介して加圧流体源に連結する。この加圧流体は気体であっても、液体であってもよい。流体圧力コントローラによる調整圧力範囲は好ましくは0〜15atmであり、この圧力に対応して湾曲角度が任意に変化し、一般的には0〜90゜の範囲で湾曲させる。流体圧力コントローラの調整は手動式でも電動式であってもよい。
【0018】
本発明の第一の態様の医療用チューブに用いているバルーンは、上記したように、相対的に伸展性の小さい部分と相対的に伸展性の大きい部分とからなるので、バルーン内に流体圧力が加わると、バルーンは相対的に伸展性の小さい部分側に湾曲し、それに応じてシャフト管も湾曲し、その湾曲の程度は流体圧力に応じて連続的に変化させることができる。従って、生体管腔にあっては、医療用チューブを押し進める分岐を選択でき、生体管腔外であっても方向を選択しながら進めることができる。更に、シャフト管の湾曲によってシャフト管の先端の開口の向きも連続的に変化させることができるので、検査や治療の位置を正確に特定することができる。
【0019】
本発明の第一の態様の医療用チューブにおいては、シャフト管の先端に開口している少なくとも1個の第二ルーメン6はガイドワイヤー、医療処置又は診断具等の挿通用チャンネルとして用いることができる。用いることのできる医療処置又は診断具としては、例えば、内視鏡、鉗子類、各種処置具、細胞診ブラシ、注射針、高周波、超音波、水圧衝撃波等を発する(結石破砕用、レーザー照射用、アブレーション用等の)プローブ類、各種センサー及びその導線等を挙げることができる。
【0020】
また、上記の医療処置又は診断具等とルーメン壁との間の間隙を用いて、あるいは別個の第二ルーメン6を用いて、生体組織、管状器官内に流体を注入したり、あるいは、流体を吸引したりすることができる。具体的には、医療用チューブを挿入し、留置した生体組織、管状器官内へ薬液等を投与するのに用いられ、あるいは、内視鏡により生体組織や管状器官内を観察する場合に、視界の妨げとなる血液、胆汁等の体液を押し出すための透明液体(例えば、生理食塩水、ぶどう糖液)を噴射するフラッシュ用チャンネルとしても用いられる。
【0021】
図3及び図4に示した医療用チューブにおいては、1個の第二ルーメン6を有しているが、本発明の医療用チューブにおいては、その用途に応じて図5に示すように2個の第二ルーメン6を有していても、あるいはそれ以上の第二ルーメン6を有していてもよい。そのように多数のルーメンを有するカテーテル及びその製造方法は従来技術で公知である。
【0022】
図6は本発明の第二の態様の医療用チューブの一部分の断面図である。本発明の第二の態様の医療用チューブは、生体内に挿入されるシャフト管3と、筒状のバルーン4の一端が該シャフト管3の先端に流体密に接合された該筒状のバルーン4と、先端部が該筒状のバルーン4の他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具7とを有している。該シャフト管3内には該バルーン内に流体通過可能に連通している第一ルーメン5が設けられており、該第一ルーメン5内には該長尺な医療診断具7が収容されている。該筒状のバルーン4は図1及び図2に関連して説明した特殊な形状、特性を有しているものである。
【0023】
この医療処置又は診断具としては、例えば、内視鏡、鉗子類、各種処置具、細胞診ブラシ、高周波、超音波、水圧衝撃波等を発する(結石破砕用、レーザー照射用、アブレーション用等の)プローブ類、各種センサー及びその導線等を挙げることができる。
本発明の第二の態様における長尺な医療診断具7と筒状のバルーン4との接合法としては、両者を直接に接合させてもよく、又は両者の間に他のチューブを介在させて間接的に接合させても、或いは他のチューブを両者に跨がらせて間接的に接合させてもよい。
【0024】
なお、図6には、医療処置又は診断具7として、生体組織や管状器官内を観察する内視鏡を組み込んだ例が示されている。この内視鏡は送光用ファイバー束(ライトガイドファイバー束)71と、受光用ファイバー束(イメージファイバー束)72と、該受光用ファイバー束72の先端に装着されたレンズ73とを有している。該送光用ファイバー束71の先端部は該レンズ73を越えて医療用チューブの先端に延びている。そして、上記の筒状のバルーン4の他端(先端)は接着剤74により該送光用ファイバー束71及び該レンズ73に流体密に接合されている。
【0025】
本発明の第二の態様の医療用チューブにおいては、シャフト管の先端に開口するルーメンを持っていないので、生体組織、管状器官内に流体を注入したり、あるいは、流体を吸引したりすることはできない。しかし、医療用チューブの使用時に、バルーン4内に連通している第一ルーメン5を流体圧力コントローラを介して加圧流体源に連結することにより、図3及び図4に示した医療用チューブで説明したように、流体圧力コントローラによる調整圧力に対応して湾曲角度が任意に変化し、その湾曲の程度は流体圧力に応じて連続的に変化させることができるので、医療診断具の方向を所望の方向に決めることができ、例えば、内視鏡を内蔵したタイプでは生体管腔にあっては、医療用チューブを押し進める分岐を内視鏡で確認しながら選択でき、検査位置を正確に特定することができる。しかも、構造が極めて単純であり、極めて細い医療用チューブとすることができる。
【0026】
図7及び図8はそれぞれ本発明の第三の態様の医療用チューブの一部分の断面図である。本発明の第三の態様の医療用チューブは、生体内に挿入されるシャフト管3と、筒状のバルーン4の一端が該シャフト管3の先端に流体密に接合された該筒状のバルーン4と、先端部が該筒状のバルーン4の他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具7とを有している。該シャフト管3内には、該バルーン4内に流体通過可能に連通している第一ルーメン5が設けられており、更に、該シャフト管3の先端部外周に開口している少なくとも1個の第二ルーメン6が設けられている。また、該第一ルーメン5内には該長尺な医療診断具7が収容されている。
【0027】
この長尺な医療診断具は、本発明の第二の態様の医療用チューブについて上記で説明したものと同じであり、また、長尺な医療診断具7と筒状のバルーン4との接合法も上記で説明したものと同じである。図7及び図8もまた医療診断具7として、生体組織や管状器官内を観察する内視鏡を組み込んだ例を示しており、この内視鏡も上記で説明したものと同じである。
【0028】
本発明の第三の態様の医療用チューブにおいては、シャフト管3の先端部外周に開口するルーメンを持っているので、生体組織、管状器官内に流体を注入したり、あるいは、流体を吸引したりすることもでき、しかも、医療用チューブの使用時に、バルーン4内に連通している第一ルーメン5を流体圧力コントローラを介して加圧流体源に連結することにより、図3及び図4に示した医療用チューブで説明したように、流体圧力コントローラによる調整圧力に対応して湾曲角度が任意に変化し、その湾曲の程度は流体圧力に応じて連続的に変化させることができるので、医療処置又は診断具の方向を所望の方向に決めることができ、例えば、内視鏡を内蔵したタイプでは生体管腔にあっては、医療用チューブを押し進める分岐を内視鏡で確認しながら選択でき、検査位置を正確に特定することができる。しかも、構造が極めて単純であり、極めて細い医療用チューブとすることができる。
【0029】
図9は、図6に示す本発明の第二の態様の医療用チューブのバルーン4内に連通している第一ルーメン5を流体圧力コントローラを介して加圧流体源に連結し、バルーン4内に流体を注入して、バルーンを相対的に伸展性の小さい部分側に湾曲させた状態を示している。その湾曲の程度は流体圧力に応じて連続的に変化させることができる。
以上、本発明の医療用チューブを図示の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の医療用チューブは、複雑な構造体を用いる必要がなく、細径化が可能であり、先端部の湾曲角度は流体圧力を反映するため、圧力コントロールによって自在に角度を変えることができる。かくして可変湾曲性の方向選択機能を持った医療用チューブを提供することが可能となり、湾曲角度を使い分けることにより生体組織や管状器官内で積極的に所望の場所にアプローチすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の医療用チューブに用いる筒状のバルーンの斜視図である。
【図2】 図1中のII−II線断面図である。
【図3】 本発明の第一の態様の医療用チューブの一部分の断面図である。
【図4】 図3中のIV−IV線断面図である。
【図5】 本発明の第一の態様の医療用チューブの他の例を示す断面図である。
【図6】 本発明の第二の態様の医療用チューブの一部分の断面図である。
【図7】 本発明の第三の態様の医療用チューブの一部分の断面図である。
【図8】 本発明の第三の態様の医療用チューブの他の例を示す断面図である。
【図9】 本発明の第二の態様の医療用チューブのバルーンが湾曲した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 相対的に伸展性の小さい部分
2 相対的に伸展性の大きい部分
3 シャフト管
4 筒状のバルーン
5 第一ルーメン
6 第二ルーメン
7 長尺な医療処置又は診断具
71 送光用ファイバー束
72 受光用ファイバー束
73 レンズ
74 接着剤

Claims (9)

  1. 生体内に挿入されるシャフト管と、
    筒状のバルーンの一端が該シャフト管の先端に流体密に接合された該筒状のバルーンと、
    先端部が該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具と、
    該シャフト管内に設けられていて、該バルーン内に流体通過可能に連通しており、且つ該長尺な医療診断具を収容している第一ルーメンとを有し、
    前記医療診断具が、送光用ファイバー束と受光用ファイバー束とレンズとを有する内視鏡であって、
    前記内視鏡が、前記送光用ファイバー束と前記レンズとにおいて該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、
    該筒状のバルーンは、その周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を持っていることを特徴とする先端部の湾曲操作が可能な医療用チューブ。
  2. 生体内に挿入されるシャフト管と、
    筒状のバルーンの一端が該シャフト管の先端に流体密に接合された該筒状のバルーンと、
    先端部が該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、且つ該筒状のバルーン内に該先端部の一部が収容されている長尺な医療診断具と、
    該シャフト管内に設けられていて、該バルーン内に流体通過可能に連通しており、且つ該長尺な医療診断具を収容している第一ルーメンと、
    該シャフト管内に設けられていて該シャフト管の先端部外周に開口している少なくとも1個の第二ルーメンとを有し、
    前記医療診断具が、送光用ファイバー束と受光用ファイバー束とレンズとを有する内視鏡であって、
    前記内視鏡が、前記送光用ファイバー束と前記レンズとにおいて該筒状のバルーンの他端に直接又は間接的に流体密に接合され、
    該筒状のバルーンは、その周方向の半分未満の部分にその軸方向に延びた伸展性の小さい部分を持っていることを特徴とする先端部の湾曲操作が可能な医療用チューブ。
  3. 前記伸展性の小さい部分は前記バルーンの全周の30%以下である請求項1または2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記伸展性の小さい部分は前記バルーンの全周の10%以下である請求項3に記載の医療用チューブ。
  5. 前記伸展性の小さい部分は放射線架橋処理により形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の医療用チューブ。
  6. 前記筒状のバルーンの周方向で架橋度を変化させることにより前記伸展性の小さい部分が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の医療用チューブ。
  7. 前記筒状のバルーンの材料が、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマーおよびシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の医療用チューブ。
  8. 前記ポリエチレンが低密度ポリエチレンであり、前記バルーンを製造する際、前記筒状のバルーンの伸展性の大きい部分には電子線照射量が5〜35Mradとなるように照射し、前記バルーンの伸展性の小さい部分には前記伸展性の大きい部分の電子線照射量よりも3〜10Mrad多くなるように照射する請求項7に記載の医療用チューブ。
  9. 前記シャフト管の外周面近傍に前記シャフト管の一部または全長にわたり環状の補強材を埋設する請求項1〜8のいずれかに記載の医療用チューブ。
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