JP4528897B2 - 光描画装置 - Google Patents
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Description
描画速度を向上させるために複数のレーザを1つのポリゴンミラーに向かわせて静電ドラム上を照射するという、マルチビーム方式というものも知られている。この方式によれば複数ビームを同時に利用できるという利点があるが、発生させたマルチビームの各光量がレーザ光源毎に個性が生じるときがある。また得られるスポット径にバラツキが発生する場合がある。
光描画装置本体上のx方向に移動可能としたステージに取り付けられた取付台上に設けられ、レーザまたはLEDを用いた光源からの光束をスポットとして投影する光学系をレンズ筒に収容し、このレンズ筒を複数配設した光学ヘッドと、
前記ステージに前記光学ヘッドに平行な平面上をy方向に移動できるよう取り付けられ、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、光学ヘッドと対向する位置に設置されて前記光学系により投影されるスポットを受けて露光される感材部と、
前記感材部と並列に、かつ前記光学ヘッドが第2の位置にあるときに光学ヘッドと対向する位置に設置され、前記光学系から投影されるスポットの光量を検出するスポット検出部と、
前記光学ヘッドと感材部をそれぞれ移動させるモータなどの駆動源、前記光学ヘッドのx方向移動量を検出するx方向現在位置検出器、及び前記感材部のy方向移動量を検出するy方向現在位置検出器とで構成される現在位置判定部、前記駆動源の制御部、とで構成され、前記光学ヘッドを第1と第2の位置に選択的に移動すると共に、第1の位置にあるとき光学ヘッドと前記感材部の位置をx、y方向に移動する送り制御部と、
前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記光源への供給電圧を順次変更して発光させ、電圧に応じて光源毎に生じる光量の推移値を前記スポット検出部で検出し、その値を光源毎の発光特性として記憶する光源特性記憶部と、
演算部と、
前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき各光源に前記演算部からの固有電圧値を伝えて発光させ、そのスポットを前記感材部に投影して露光する光源コントロール部とを備えた光描画装置において、
前記光学ヘッドは前記レンズ筒の各々を光軸方向に移動させるボイスコイル、該ボイスコイルを駆動するレンズ筒駆動部を有し、
前記スポット検出部の受光部は、レンズ、曲率を有する方向が互いに直交した2つのシリンドリカルレンズ、対物レンズ、4分割フォトダイオードで構成され、前記各光源への供給電圧を一律にして発光させたときの光学系から投影されるスポットの光量を検出し、予め定めた基準光量からのバラツキを前記演算部で算出して差分値として内部に記憶すると共に、前記4つのフォトダイオードにより前記光学系から投影されるスポットの基準形状に対するずれ状態から前記各レンズ筒のピント状態を検出し、
前記演算部は、前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記光源への供給電圧を一律にして発光させたときの前記スポット検出部で検出した光源光量のバラツキを、差分値として算出して記憶させると共に、前記スポット検出部が検出した光源毎ピント状態からレンズ筒各々の光軸方向移動量を算出し、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、前記差分値と前記光源特性記憶部に記憶した光源特性値とから各光源毎の固有電圧値の算出を実施し、
前記光源コントロール部は、前記光学ヘッドの各光源に接続されて前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記演算部に光源毎の前記差分値と光源特性値を算出させると共に、光源毎ピント状態からレンズ筒各々の光軸方向移動量を算出させてピント位置を調整し、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、前記演算部に各光源に固有電圧値を算出させてその算出値に従って光源を発光させ、そのスポットを前記感材部に投影して露光させ、
前記光学ヘッドに配設した全レンズ筒がレンズ筒移動量によって移動整列した後、その複数光源からの一定範囲内近似光量によるスポットで前記感材部上を分割露光するようにしたことを特徴とする。
この実施例による光描画装置は、上記のようにLPを複数配設して1つの光学ヘッド1を構成する。そしてこのヘッドを第1と第2の位置に移動自在となし、第2の位置にあるとき光学ヘッド1に配設した各LPの光量をスポット検出部7でまず計測し、予め定めた基準値と比較してそのバラツキを差分値として記憶する。次いで光学ヘッド1を第1の位置に移動して感材部2と対向させ、スポット検出部7に記憶した差分値と供給されている一律の電圧に基づいて各LPを調整しながら発光させ、分割露光される各像を一定範囲内の近似光量による描画像として感材部2上で露光するようにした。そのため光学ヘッド1は、描画動作を開始する前に感材部2と同等の位置に設置したスポット検出部7上の第2位置に規定し、各LPからの光量を同一条件の下で計測してから、感材部2上の第1位置に移動して露光を実施する。以下に詳しく説明する。
図2Bによるものは、光学ヘッド1Bに4列のLPa〜LPdを、3行LP1〜LP3、仮想の基準線11、15に沿って配設した例で、各LPの間隔はそれぞれdxとdyとなっている。このような光学ヘッド1Bに図1の光源コントロール部9から信号を送り、各LPを同時に点灯して図2Aの矢印12と同じ方向にdxだけヘッド1Bを移動させれば、LP1〜LP3を構成する各LPによって14−1〜14−3の像が感材13に同時に得られる。この像14のそれぞれはLPa〜LPdの配設間隔dxに見合った分割露光像が合算されて長さXの1つの像となったものである。こうして3つの像14−1〜14−3が得られたら、感材13を図Bの矢印16方向にdyだけ図1の送り制御部4を動作して移動させると、感材13には各列を構成する4つのLPa〜LPdによって長さYの画像17が得られる。つまり行方向のLP間隔dyに見合った列方向の各LPによる露光像の合計で1つのY画像17となり、この像17が4つ作成される。但し、図では混雑さを避けるためLPdによる列で作成された像17dだけを示したものとなっている。
以上のように複数のLPを基準線11、15に沿って配設し、これを同時に点灯しヘッド1を矢印12方向に移動させると、LPの行方向の数(この場合LP1〜LP3)に合ったx方向の像14−1〜14−3が得られる。また像14の露光後に感材13を矢印16方向にdyだけ移動させれば、LPの列方向の数(この場合LPa〜LPd)に合ったy方向の像17a〜17dが得られる。
図Cによるものは、図Bの状態から感材13を矢印16方向にy1分だけ移動して像18を作成したものである。即ち、図Bで像14の描画が終了したらヘッド1Cを図Aの矢印12と逆方向に移動して原点に復帰させる。この復帰動作は制御ユニット8からの指令で送り制御部4を動作し、その送り手段によって光学ヘッド1Cを移動させる事によって行う。この復帰動作中にやはり送り制御部4から感材部2に指令を送って図Cの矢印16方向にy1だけ移動させる。そして全LPを点灯しながら光学ヘッド1Cを図Aの矢印12方向に移動していけば、実線矢印で示した3つの像18−1〜18−3を得ることが出来る。勿論、各像18は、像14の場合と同じようにヘッド1C上のLP間隔dyに相当する分だけ隔てられた感材上の位置に、LPa〜LPcの露光によって作成された描画像である。
図Dによるものは、図Cの状態からさらに感材13を矢印16方向にy1分だけ移動して像19−1〜19−3を作成したものである。即ち、図Cで像18の露光が終了したらヘッド1Cを図Aの矢印12と逆方向に移動して原点に復帰させる。この復帰動作中に送り制御部4から感材部2に指令を送って感材13を矢印16方向にy1だけ移動させる。そして全LPを点灯しながら光学ヘッド1Cを矢印12方向に移動させれば、点線矢印で示した3つの像19−1〜19−3を描画することが出来る。この像19は像18の場合と同じようにヘッド1C上のLP間隔dyに相当する分だけ隔てられた位置に、LPa〜LPcの露光によって作成された描画像である。
以上のようにLPを複数配設した1つの光学ヘッド1C全体をx方向12に移動し、このヘッド1Cと平行な平面上をy方向16に移動するように設置した感材部2を、順次y1だけ移動していくことによって複数の像14、18、19を描画していくことが出来る。図ではこの像14、18、19を区別するため太線、実線、点線として示したが、実際には同じ像が得られることは明白である。そして例えばdxとdyを5mmとし、各LPによって得られるビーム径を1μmとすれば、図3の例ではX=15mmの長さの像が得られる。そして各dy間には14、18、19のような像を5000本描画する事が出来る。また図3の例では3×3のLPがヘッド1Cに配されたものとなっているが、これを8×8とすれば4cm四方の画像を得ることが出来、24×24のヘッドとすれば12cm四方の画像を得ることが出来る。このような光学ヘッドを使用して各LPの発光タイミングをコントロールすれば、LPの数に応じたサイズの任意像を描画していくことが出来る。
このような光量特性を持った各LPで感材13上を露光して像14を作成したときの例が図4Bである。この図4Bで、14aはLPaによる曲線caによって露光された像であり、14bはLPbによる曲線cb、14cはLPcによる曲線cc、14dはLPdによる曲線cdによって露光された像で、全体で1つの像14を形成している。しかしLPa〜LPdはL1〜L4の光量差があるので、感材13上に得られる像14にも濃度差Dが発生してしまう。図Bではこの濃度差Dの違いを高さ方向の段差として表現してある。実際には濃度Dだけでなく、その幅wwにも差が生じるであろうが、ここではその説明を省略する。このような濃度差が1つの像14内に発生してしまえば、それを描画製品として使用することが出来ないことは明らかである。従ってバラツキのある光量を一定にするために、ある任意の基準光量、例えば曲線caに対する光量の差分値を求めておく事が必要となる。
以上、図4A、Bを用いて説明したLPの照射エネルギー分布による光量特性は、各LPに加える電圧値を一律にしたときに発生する固有の差異に関するものであった。つまり各LPから得られる光の量に係わらず、光源に供給する電圧を一律にしたときに発生する問題であった。これに対し図4Cによるものは、このLPに供給する電圧値を順次変更していったときに発生する問題を説明するもので、出力される光量が電圧に応じて変化していく状況を表している。図は4つのLP出力カーブa〜dを示していて、それぞれ供給される電圧Wが高くなると照射エネルギーLも増大する例となっている。そしてa〜dのカーブをそれぞれLPa〜LPdに相当するものとすれば、LPaに電圧W6を加えたときスポット検出部7で得られる光量(明るさ)はL3が計測される。また同じLPaにW7の電圧を加えるとL6の光量が得られる。この時の両計測点L3、L6を結んだカーブがaとなる。実際にカーブaを得るためには、L3、L6の2つの計測点だけでなく、さらに多くの計測点を設定することによって、より正確なカーブが得られるが、このようなカーブaをLPaの光源特性値として予め記憶しておけば、LPaのスポット光量に変更要求があったとき、供給する電圧を容易に算出して求める光量を得ることが出来る。
同じようにカーブbはLPbに供給する電圧を変更したときに得られる光源からのスポット光量の変化を表したもので、LPbが持つ光源特性となる。具体的には電圧W5の時L3の光量であり、カーブaのW7より高い電圧W8のときL6の光量となっている。そして両計測値L3、L6結んだものがカーブbとなる。このカーブbによればLPaのカーブaに対してL3の同じ光量を得るためにW5の電圧しか必要としていない。つまりLPaとLPbのスポットがスポット検出部7の結像点で同じL3の光量となるようにするためには、LPaがW6であるのに対しLPbはそれより低い値のW5で済む。これはLPbがLPaに比べて(W6−W5)分のバラツキを持っているということになる。従ってこの差分に相当する分だけの電圧調整をLPbに対して行うことが必要となる。この調整が不完全であれば図4Bのように濃度差のある像14となってしまう。
カーブcはLPcの光源特性を表したもので、L3の光量を得るにはW2の電圧でよく、L6の値を得るにはW4の電圧を必要とする特性となっている。同じようにカーブdはLPdの特性を表したもので、L3を得るにはカーブcのW2より低い値のW1で済み、L6を得るにはカーブcのW4より低いW3で済む特性となっている。
この図4CのようにLPa〜LPdの全LPがカーブa〜dのようにバラツキ特性を持ったままであれば、各LPの光量を一定にするために電圧を変化させたとしても光量は一律には変化せず、例えばカーブaとbのように途中で特性が逆転してしまうものも発生する。そのため電圧をある任意値に設定したとき、光源から出力される光量の値を予め算出しておかなければならない。そのためには各LP毎に変化するであろう電圧と光量の推移値の関係を予め算出して各LPごとの光源特性として記憶しておき、画像全体の光量が「3」とか「6」に設定されるたびにこの記憶値を読み出して、前記した図4Aによる照射エネルギー分布の光量差分値を吸収した固有電圧値として各LPに与えるようにすれば全LPからのスポット光量を一定範囲内の近似値とすることが出来る。
尚、図CでL3、L6のような光量設定点の変更は、例えば画像全体の線幅調整時や感材部2内に収容する感材13の種類や感度の違いなどによって、描画作業開始前に頻繁に設定される。
今、スポット検出部7上の第2位置に位置規定された光学ヘッド1Cの各LPを、設定した一律の任意電圧で順次発光していくと、その光は集光レンズ20により受光部21上に結像し、フォーカス位置での照射エネルギーが光量として検出される。最初に検出されるスポットとして例えば、LP1行、LPa列(以下LP1・aという)からのスポットとすれば、その光量は図6Aのように任意の値、例えば「3」23が検出される。この図6は受光部21の検出光量について説明するもので、記憶部22に光量が記憶された状態を示している。2番目のスポット、例えばLP1・bからのスポットが仮に図6Aのように「4」24として受光部21で検出されると、それが記憶部22の専用番地に記憶される。3番目のLP1・cからのスポットが同じように「7」25として受光部21で検出されると、記憶部22の専用番地に記憶される。以下同様にしてLP2、LP3からの各LPの光も受光部21で検出され、光学ヘッド1に収容した全LPの光量が記憶部22に記憶される。記憶部22は、このように光学ヘッド1に配設した各LP毎に対応した記憶番地を有していて、受光部21が検出した値をそれぞれ記憶していく。
こうして演算部28で演算され記憶部22に記憶された光量差分値は、制御部26からの指令で光源コントロール部9に送られる。光源コントロール部9は信号線9cを介して光学ヘッド1に収容された全LPと接続しているが、図6Bに示した記憶部22の光量差分値が、「3」を得たときの一律の電圧と共に各LPに伝えられる。すると各LPはビットマップメモリ27に記憶された画像データに基づいて発光し感材上を露光していく。1番目のLP1・aに伝えられる信号は「0」30であるから、スポット検出部7が検出したままの状態でLP1・aを発光させればよく、2番目のLP1・bに伝えられる信号は「+1」31であるから、LP1・aよりも「+1」分だけ減少した光量で発光するよう光源コントロール部9で調整される。またLP1・cへの信号は「+4」32信号であるから、LP1・aに比して「+4」に見合う分を減じた光量となるよう光源コントロール部9で調整される。以後LP2、LP3に関しても同様の調整を光源コントロール部9で実施すれば、全LPを発光させたとき一定範囲値内に収めた近似光量で感材上を露光していくことが出来る。しかし上記「+1」31、「+4」32の調整を正しく光源コントロール部9で実施するためには、図4Cで説明した各LP毎の光源特性を予め求めておく事が必要となる。
この光源特性記憶部29について図7を用いて説明する。この記憶部29は光学ヘッド1に配設した各LP毎に対応する専用番地領域MPを有していて、例えばLP1・aにはMP1・29a、LP2・bにはMP2・29b、LP3・cにはMP3・29cのように専用番地領域MPが準備されている。従ってLP1・aがW6で発光し、受光部21でそれが「3」23として検出されると、記憶部22を介して「W6=3」の値が記憶部29の番地MP1・29a内に書き込まれる。次に制御部26はLP1・aに加える電圧をW1に変更するよう光源コントロール部9に指令してそれを発光させる。すると受光部21は、その時の光量「W1=na1」を検出し、一旦記憶部22に記憶しそれを制御部26からの指令で光源特性記憶部29の番地MP1・29a内に送り込む。以後同じようにして電圧をW2、W3・・・と順次変更して光源LP1・aを発光させ、その時々の光量「W2=na2、W3=na3・・・」を受光部21で検出して記憶部29の番地MP1・29a内に書き込んでいく。こうして電圧をW7にすると光量「6」が受光部21で検出され、その値が番地MP1・29a内に書き込まれる。これでW1、W2・・W7の各測定点によって図4cのカーブaを形成する値が番地MP1・29a内で得られる。図7ではこれを説明するため、W7の時に光量「6」を得たときの測定点33とW6の時に光量「3」を得たときの測定点23を結んだカーブを示してある。こうして記憶されたカーブaに相当する値が、LP1・aの電圧変更によって生じる光量推移値となる。
次に制御部26は、光源コントロール部9に指令を送り2番目の光源LP1・bをLP1・aの時と同じW6で発光させる。すると受光部21はその時の電圧値によるスポット光量を検出し、演算部28はそれをLP1・aの基準値と比較してその差分値を求め、「+1」31として記憶部22に記憶する。さらにそれを記憶部29の番地MP1・29b内に「W6=nb6」を記憶する。次に光源コントロール部9は制御部26からの指令を受けて、電圧をW1、W2・・W8・・・と順次変更してLP1・bに供給する。すると受光部21は電圧がW1、W2、・・W8・・・と変更されるに応じて光量変化を検出し、電圧W1の時「nb1」、W2の時「nb2」・・・W5の時「3」、W8の時「6」を得る。この「3」と「6」を得たときの測定点を説明用として図7の番地MP1・29b内に34、35として示した。この両側定点を結んで得られる図4Cのカーブbに相当する値がLP1・bの電圧変更によって生じる光量推移値となる。
同様にして3番目の光源LP1・cに光源コントロール部9から電圧W6を与えて発光させる。すると受光部21はその時の光量「W6=nc6」を検出する。演算部28はそれをLP1・aの基準値と比較してその差分値を求め、「+4」32を記憶部22に記憶する。そしてさらに記憶部29の番地MP1・29c内に「W6=nc6」を記憶する。次いで光源コントロール部9が電圧をW1、W2・・・と順次変更して光源LP1・cに発光指令を与える。すると受光部21は電圧がW1、W2、・・W4・・・と変化するに応じてその光量変化を検出し、電圧W1の時「nc1」、W2の時「3」、W4の時「6」を得る。この「3」と「6」を得た時の測定点を説明用として図7の番地MP1・29c内に36と37として示した。この両側定点を結んで得られる図4Cのカーブcに相当する値がLP1・cの光量変更によって生じる推移値となる。以後同じようにしてLP2、LP3を構成する各LPについて推移値を求め、それを光源特性記憶部29のそれぞれの番地MP2、MP3内に記憶していく。
このようにして光源に供給する電圧を変更しながら各光源ごとに変化する光量の推移値を算出して、それを各光源ごとの特性として記憶部29に記憶していく。そして光学ヘッド1の全LPについての記憶作業が終了したら、前記した光源特性検出モードを解除し実際の描画作業を開始する。LP1・aでは基準光量となるので、「0」30が光源コントロール部9から指令される。LP1・bでは演算部28が、差分値「+1」を記憶部22から読み出し、前記光源特性記憶部29の番地MP1・29b内から「+1」分を減じた値の光量が得られるときの電圧値を求めて、それを光源LP1・bの固有電圧値として光源コントロール部9に送り出す。これでLP1・bはLP1・aの光量と同等、若しくは近似した値の光量として発光させることが出来る。
次に制御部26は光源LP1・cの差分値「+4」を記憶部22から読み出し、その差分値に基づいて光源特性記憶部29の番地MP1・29cから「+4」を減じた値の光量が得られるときの電圧値を求めて、それを光源LP1・cの固有電圧値として光源コントロール部9に送り出す。これでLP1・cをLP1・a、LP1・bと同等若しくは近似の光量として発光させることが出来る。以下同様にしてLP・2、LP・3を構成する各LPについて、固有の電圧値を求めて光源コントロール部9に送って各LPを発光させれば、バラツキを吸収した光量で感材13に露光していくことが出来る。光源特性検出モードの設定は、前記したL3、L6などの光量測定点の変更時だけでなく、描画作業開始前のランニングテストとして位置づけることによって濃度管理品質を高めることが出来る。
図8において光学ヘッド1Cに配設した複数LPからの各スポットは、スポット検出部7a内の集光レンズ20を経て受光部21に集められ比較部38に向かう。この比較部38には入力部10から予め入力設定される光量の設定値、例えば「3」が伝えられていて、受光部21からの検出値と比較される。受光部21からの検出値が仮にLP1・aからのものとすれば図6Aのように「3」が比較部38で比較され、その結果は「0」となる。この比較結果は信号線38aを経て光源コントロール部9a内の光量設定用レジスタ39に記憶される。このレジスタ39は各LPごとに用意されており、例えばLP1・aの比較結果はLP1・a専用のレジスタ391a(図示せず)に記憶される。今の場合、比較結果は「0」なのでレジスタ391aには「0.0」がLP1・aの固有電圧として記憶される。次にLP1・bの比較が実施されるが、このLP1・bからのスポット光を受光部21で例えば「4」と検出すると、比較部38は設定値「3」よりプラスと判断し、「−」信号を信号線38aより所定のレジスタ391b(図示せず)に送り出す。するとレジスタ391bは「−」信号を受けて、例えば初期設定されていた値「0.0」から「−1.0」にその値を変更する。レジスタ391bに「−1.0」が記憶されると、光源コントロール部9aはその内容を読み出して「−1.0」の値に相当する分の電圧を下げてLP1・bに送り出す。LP1・bがその指令された電圧で発光すると受光部21はその光量を検出し、例えば当初の「4」より低くなった「3.9」を得る。この「3.9」に相当するスポット光が前記の場合と同じように比較部38に送り出されると、比較部38は設定値「3」と比較し、その結果まだプラスと判断し「−」信号を発信する。レジスタ391bはこの「−」信号を受けてその内容を「−1.0」から「−2.0」に変更する。光源コントロール部9aはこの「−2.0」に相当する分の電圧を減じてLP1・bに伝え発光させる。すると受光部21がその光量を検出し、例えば「3.8」を得る。以後同じようにしてレジスタ391bの値が「−10.0」になると受光部21は光量「3」を検出し、設定値「3」と等価、若しくはその近似値になったことを比較部38が判断し、「−」信号を「0」に変換してレジスタ391bに伝える。レジスタ391bはこの時の光源供給電圧値「−10.0」をLP1・bの固有電圧として以後保持する。
以後同じようにしてLP2、LP3の各LPの固有電圧を求めていくが、受光部21で設定値「3」より少ない光量、例えばLP2・bの光量として図6Aのように「2」を検出したとすると、比較部38はマイナスと判断して「+」信号を信号線38aからレジスタ392b(図示せず)に伝える。レジスタ392bが「+」信号を受けると設定されていた任意値「0.0」から「+1.0」にその内容を変更し、光源コントロール部9aがその内容を読み出して「+1.0」に相当する分の電圧を加算してLP2・bに伝える。指令された値でLP2・bが発光すると受光部21が「2」より高い値の「2.1」を検出し、比較部38が設定値と比較する。しかし比較部38は未だマイナスと判断し、「+」信号をレジスタ392bに送り出す。以後同じようにしてレジスタ392bが「+10.0」になると受光部21は光量「3」、若しくはその近似光量を検出し、比較部38は設定値と等価と判断して「0」信号を出力する。それによってレジスタ392bは以後「+10.0」をLP2・bの固有電圧として保持記憶する。
以上のようにこの実施例では各LPの固有電圧を得るため、求める値として予め比較部38に設定する設定値と受光部21で検出する各LPからの光量を比較部38で比較し、比較結果がそれぞれ「0」、若しくはその近似値になるまで各LPに供給する電圧を加減するようになし、「0」、若しくはその近似値が得られたときの値をそれぞれの固有電圧として各レジスタ39に保持するようにした。それによって設定値を「3」から「6」に変更したようなときも同様の作業を実施すればよく、実施例1で説明した光量特性記憶部29の推移値は必要としなくなる。そのため全体の作業は単純化され、プログラム化が容易となる。尚、比較部38の「+」、「−」の判定結果によってレジスタ39の内容を変更していくときの値は、前記説明のように「1」を単位として歩進していく場合だけでなく、任意に設計できることは自明である。
図9において光学ヘッド1の取付台には光源40と、そのスポットを投影する光学系41を収容したレンズ筒42が複数保持されている。そして各レンズ筒42の外周部にボイスコイル43が取り付けられ、レンズ筒駆動部44からの指令を受けたときレンズ筒42を光軸方向に移動させる。このような駆動手段43、44が各LP毎に対応して設置されている。光源40からの光束は光学系41を経て一時結像面45で一旦結像し、更にスポット検出部7b内のレンズ46、XとY方向(曲率を有する方向が互いに直交した)の2つのシリンドリカルレンズ47、対物レンズ48を経て受光部21上に結像する。受光部21からの出力は制御ユニット8内の比較部38に伝えられ、図8で説明したようにして入力部10からの設定値と比較され、その結果が光源コントロール部9b内光量設定用レジスタ39に送り出される。
次に図10を用いて受光部21で得られるスポットの形状について説明する。スポットの形状は、図4Aでも説明したようにフォーカス位置での照射エネルギーの大小によっても変化するが、受光部21上に結像したときのピント状況によっても大きく変化する。例えばLP1・aからの光束が受光部21上に結像したとき、そのスポット平断面を便宜上図10Aの円形49とする。そして別の光源例えばLP1・bからのスポットが、仮に図9のスポット検出部7b内の点線で示した位置21aに焦点を結んだとする。するとこの焦点位置21aは正規の受光部21面に対して光学ヘッド1側に移動しているからシリンドリカルレンズ47が作用し、受光部21上に得られるスポット形状は図10Aの50aのように右下がりの楕円状となる。また別の光源、例えばLP1・cからのスポットが図9のスポット検出部7b内に点線で示した位置21bに焦点を結んだとする。するとこの焦点位置21bは正規の位置である受光部21面に対して遠ざかる方向に位置しているから、シリンドリカルレンズ47が作用して受光部21上に得られるスポット形状は図10Aの50bのように右上がりの楕円状となる。そしていずれの時も正規位置21上にピントが合っているときのスポット49形状に比して差が生じるから、ピント状況によってスポット径に差が生じることになる。即ち、ヘッド1に収容した各LPのスポット焦点位置を確認するため、スポット検出部7b内にシリンドリカルレンズ47を設置し、誤差が生じている場合、スポット形状を積極的に変化させるようにしたので、円形49に対する楕円50のように大きな差異が作り出されてしまう。このようなスポット49と50が混在したままの光学ヘッドを用いて露光を進めれば、図10Aのスポット49で作成した像14a(図10B)と、スポット50で作成した像14bが誤差を持ったまま露光されることになる。図10Bではこの両者の線幅を14awと14bwとして示してあるが、描画品質が著しく損なわれることは明らかである。従って各LP毎の光量を一定化するための作業の以前に、スポット径の一定化、または各スポットの焦点位置を合わせるための作業を行うことが重要となる。
まず最初のLP1・aは前記した例に合わせて基準の受光面21上にフォーカスがあるとすれば、演算部28はスポット形状を例えば図10Aの49と判断し、光源コントロール部9b内のレンズ筒駆動部44に信号を伝える。この場合、駆動部44は動作せずレンズ筒42も移動しない。一方、前記比較部38に送り出された信号は既に説明したようにして予め設定されている設定値と比較され、「0」、「+」、「−」が判定されてその結果がレジスタ39に送り出され光量を決定する。しかし今の例の場合、比較部38は設定値「3」と等価の光量として「0」と判定し、そのためレジスタ39は動作しない。次に2番目のLP1・bのスポットが受光部21で検出されるが、そのスポット形状から演算部28は例えば図10Aの50aと判断して、発生しているピント誤差に応じたピント位置の補正指令をLP1・b用レンズ筒駆動部44に伝える。駆動部44はその光源毎のピント状況検出値を受けてボイスコイル43を動作し、レンズ筒42を光軸方向に移動して図9の位置21aにある焦点位置を徐々に基準の受光面21位置に近づけていく。この間、受光部21はスポット形状50aが次第に基本形状49に近づいていく状況をずれ量として捉えているから、基準形状49になる時期を見て演算部28は駆動部44への指令信号を解く。このようなピント状況、あるいは基本スポット形状に対するずれ量の検出作業が進められている間、比較部38は設定光量と検出光量との比較作業を行っており、固有電圧を求めてレジスタ39に記憶していく。このようにしてLP1・aとLP1・bのスポット形状と光量を一定範囲内とするための調整作業を行っていく。
次に3番目のLP1・cのスポットが受光部21で検出されると、演算部28はそのスポット形状を図10Aの50bと判断し、補正指令をLP1・cのレンズ筒駆動部44に伝える。駆動部44はボイスコイル43を動作してレンズ筒42を移動し、図9の位置21bにある焦点位置を基準の受光面21位置に近づけていく。受光部21が基準形状49になる時期を捉えると、演算部28は駆動部44への指令を解く。この間、比較部38は比較作業を続け、各LPごとの固有電圧を求めてレジスタ39に記憶保存していく。こうしてLP1・a〜LP1・cのスポット形状と光量を一定範囲内に収める作業が終了したら、以後同様にしてLP2とLP3についても実行して、全LPのスポット形状と光量を調整していく。
以上のようにこの実施例3では、まずスポット検出部7bで各LPからのスポットを受け、その時のスポット形状を検出して差分に応じて各LPごとのレンズ筒42位置を光軸方向に移動整列して全LPの位置を調整していく。そして更に前記スポット検出部7bからの検出信号を比較部38にも送りだして設定光量値と比較し、その比較結果から各LPごとの固有電圧を求め、その値をレジスタ39に保存していく。それによって全LPのスポット形状(径)と光量が一定範囲内に収まるようにした。尚、実施例1にこの実施例3を適用するには、図9の比較部38を図5の記憶部22と光源特性記憶部29とし、更に図9のレジスタ39を図5の演算部28から送られてくる固有電圧を記憶する光源コントロール部9内の記憶部と読み替えればよい。
Claims (3)
- 光描画装置本体上のx方向に移動可能としたステージに取り付けられた取付台上に設けられ、レーザまたはLEDを用いた光源からの光束をスポットとして投影する光学系をレンズ筒に収容し、このレンズ筒を複数配設した光学ヘッドと、
前記ステージに前記光学ヘッドに平行な平面上をy方向に移動できるよう取り付けられ、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、光学ヘッドと対向する位置に設置されて前記光学系により投影されるスポットを受けて露光される感材部と、
前記感材部と並列に、かつ前記光学ヘッドが第2の位置にあるときに光学ヘッドと対向する位置に設置され、前記光学系から投影されるスポットの光量を検出するスポット検出部と、
前記光学ヘッドと感材部をそれぞれ移動させるモータなどの駆動源、前記光学ヘッドのx方向移動量を検出するx方向現在位置検出器、及び前記感材部のy方向移動量を検出するy方向現在位置検出器とで構成される現在位置判定部、前記駆動源の制御部、とで構成され、前記光学ヘッドを第1と第2の位置に選択的に移動すると共に、第1の位置にあるとき光学ヘッドと前記感材部の位置をx、y方向に移動する送り制御部と、
前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記光源への供給電圧を順次変更して発光させ、電圧に応じて光源毎に生じる光量の推移値を前記スポット検出部で検出し、その値を光源毎の発光特性として記憶する光源特性記憶部と、
演算部と、
前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき各光源に前記演算部からの固有電圧値を伝えて発光させ、そのスポットを前記感材部に投影して露光する光源コントロール部とを備えた光描画装置において、
前記光学ヘッドは前記レンズ筒の各々を光軸方向に移動させるボイスコイル、該ボイスコイルを駆動するレンズ筒駆動部を有し、
前記スポット検出部の受光部は、レンズ、曲率を有する方向が互いに直交した2つのシリンドリカルレンズ、対物レンズ、4分割フォトダイオードで構成され、前記各光源への供給電圧を一律にして発光させたときの光学系から投影されるスポットの光量を検出し、予め定めた基準光量からのバラツキを前記演算部で算出して差分値として内部に記憶すると共に、前記4つのフォトダイオードにより前記光学系から投影されるスポットの基準形状に対するずれ状態から前記各レンズ筒のピント状態を検出し、
前記演算部は、前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記光源への供給電圧を一律にして発光させたときの前記スポット検出部で検出した光源光量のバラツキを、差分値として算出して記憶させると共に、前記スポット検出部が検出した光源毎ピント状態からレンズ筒各々の光軸方向移動量を算出し、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、前記差分値と前記光源特性記憶部に記憶した光源特性値とから各光源毎の固有電圧値の算出を実施し、
前記光源コントロール部は、前記光学ヘッドの各光源に接続されて前記光学ヘッドが第2の位置にあるとき、前記演算部に光源毎の前記差分値と光源特性値を算出させると共に、光源毎ピント状態からレンズ筒各々の光軸方向移動量を算出させてピント位置を調整し、前記光学ヘッドが第1の位置にあるとき、前記演算部に各光源に固有電圧値を算出させてその算出値に従って光源を発光させ、そのスポットを前記感材部に投影して露光させ、
前記光学ヘッドに配設した全レンズ筒がレンズ筒移動量によって移動整列した後、その複数光源からの一定範囲内近似光量によるスポットで前記感材部上を分割露光するようにしたことを特徴とする光描画装置。 - 削除
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