JP2003337427A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JP2003337427A
JP2003337427A JP2002145026A JP2002145026A JP2003337427A JP 2003337427 A JP2003337427 A JP 2003337427A JP 2002145026 A JP2002145026 A JP 2002145026A JP 2002145026 A JP2002145026 A JP 2002145026A JP 2003337427 A JP2003337427 A JP 2003337427A
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light amount
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JP2002145026A
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English (en)
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Yoshimitsu Kudo
吉光 工藤
Takeshi Fujii
武 藤井
Daisuke Nakatani
大輔 中谷
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】空間変調した露光ビームを用いて感光材料を露
光する露光装置において、2次元光検出器を用いること
なく、光量分布を短時間に求めることができ、さらに、
光量分布を求めるための処理回路の回路構成を簡略化す
る。 【解決手段】露光装置10における空間変調素子を、複
数のマイクロミラーを有するデジタル・マイクロミラー
・デバイス62とし、このマイクロミラーを駆動するこ
とによって、隣接する複数のマイクロミラーからなる所
定の領域に投影されたマルチビームを、この領域に応じ
て定められた駆動周波数で、露光ONの状態と露光OF
Fの状態との2つの状態に交互に一括して切り替える駆
動モードの制御を行う制御ユニット20と、この駆動モ
ードの際、露光ONの状態および露光OFFの状態のい
ずれか一方の状態の光の光量を検出し、光量検出信号を
生成する光量検出ユニット80とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置に関し、
例えば、350nm〜420nmの紫外波長領域に感度
を有する感光材料を、高出力のレーザ光を用いて走査露
光する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーの液晶ディスプレイ(LCD)
は、ガラス基板上に赤、青、緑の3原色でパターンが規
則正しく配列されたカラーフィルタを有する。このカラ
ーフィルタの製造、特にフォトリソグラフィ工程では、
主にプロキシミティ方式の露光装置が使用され、所定の
形状を成したマスクを通して紫外光線を一面に照射して
感光材料であるフォトレジストを露光する。また、プラ
ズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)の製造工程にお
いても、プロキシミティ方式の露光装置が使用され、マ
スクを通して紫外光線を一面に照射して感光材料である
フォトレジストを露光する。一方、プリント基板(PC
B)の製造では、フィルムマスクを用いて水銀ランプで
一括露光する。このようにマスクを用いて露光し、所望
のパターンニングを行う工程が種々の分野で用いられて
いる。
【0003】一方、近年、半導体レーザから射出するレ
ーザ光を光ファイバに入射させ、この光ファイバを複数
本束ねてバンドル状にしたものを光源として用いること
で、数100mWのマルチビーム状のレーザ光を射出す
るとともに、このレーザ光をデジタル・マイクロミラー
・デバイス(DMD)(TI社製)等の空間変調素子を
用いて変調し、この変調したレーザ光を用いて感光材料
を露光することで、感光材料を所望のパターンに形成す
るマスクレスのPCB露光装置が提案されている。これ
によると、従来必要としていたマスクを用いないため、
オンデマンド生産に適し、マスク露光に伴うランニング
コストもなくなるといった利点を備える。
【0004】しかし、上記マスクレスのPCB露光装置
で用いられるレーザ光は数100mWであり、カラーの
液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマ・ディスプレイ
・パネル(PDP)のガラス基板のような極めて広い領
域に短時間の露光によって高精細なパターンを形成する
ことはできない。この場合、複数本の光ファイバを束ね
てバンドル状にした光源を複数個配置するとともに、こ
の配置に対応してレーザ光を変調するDMDを複数個配
置することで、感光材料を同時に露光することができ、
高精細なパターンを短時間で形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにレーザ光を
射出する光源とレーザ光を変調するDMDとを複数個配
置することで、高精細なパターンを短時間で形成するこ
とができるが、その際、露光開始前に、配置したDMD
からの露光ONの状態のレーザ光の光量分布や、各DM
Dからの露光ONの状態のレーザ光の光量分布を検出し
て、レーザ光を均一に調整することが必要である。例え
ば、DMDのマイクロミラーすべてを露光ONの状態と
し、DMDで反射したレーザ光をCCD(Charged Coup
led Device) 等の2次元光検出器を用いて、光量分布を
求めることができる。しかし、高精細なパターンを形成
するために、配置するDMDの個数を増やすに従って、
配置する2次元光検出器を増やさなければならない。し
かも、光量分布を求めるための処理回路も煩雑化し、露
光装置のコストも増大するといった問題がある。
【0006】一方、DMDのマイクロミラーを1つずつ
順番に露光ONの状態に切り替えて光の光量をPD(フ
ォトダイオード)等の光検出器で検出することによっ
て、光量分布を求めることができる。しかし、配置する
DMDの個数が増えるに従って、あるいは、DMDのマ
イクロミラーの数が増えるに従って、全体の光量分布を
求めるのに時間がかかり、露光開始前に短時間に行うこ
とはできない。
【0007】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解消するために、DMDのマイクロミラー等のような
空間的に区画化されたセル単位で、2つの状態に交互に
切り替えることによって空間変調した露光ビームを生成
し、この露光ビームを用いて感光材料を露光する、空間
変調素子を利用した露光装置において、2次元光検出器
を用いることなく、光量分布を短時間に求めることがで
き、しかも、光量分布を求めるための処理回路の回路構
成も簡略化することのできる露光装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、光を
射出する光射出手段と、投影面を有し、この投影面に沿
って区画化された分割セル単位で、この投影面に投影さ
れた前記光射出手段からの光を、第1の状態と第2の状
態との2つの状態に交互に切り替える空間変調素子を備
え、前記空間変調素子で変調され第1の状態にある光
を、前記光の波長領域に感度を有する感光材料に露光ビ
ームとして照射する露光手段と、前記空間変調素子を駆
動することによって、前記空間変調素子における前記分
割セルの内、隣接する複数の分割セルからなる所定の領
域に対応した前記投影面の部分に投影された光を、前記
所定の領域に応じて定められた駆動周波数で、前記2つ
の状態に交互に一括して切り替える駆動モードの制御を
行う制御手段と、前記駆動モードの際、第1の状態およ
び第2の状態の一方の状態にある光の光量を検出する光
量検出手段と、を有することを特徴とする露光装置を提
供する。
【0009】ここで、前記制御手段は、前記駆動モード
における前記所定の領域を複数設定するとともに、設定
された複数の領域に対して互いに異なる駆動周波数を設
定するのが好ましい。また、前記光量検出手段は、生成
した光量検出信号を前記駆動周波数に応じてフィルタリ
ングする周波数フィルタを有するのが好ましい。
【0010】また、前記露光手段は、前記空間変調素子
を複数有し、前記制御手段は、複数の空間変調素子のそ
れぞれに対して、前記駆動モードにおける前記所定の領
域を少なくとも1つ以上設定し、設定された領域に対し
て互いに異なる駆動周波数を設定するのが好ましい。そ
の際、前記光量検出手段は、複数の空間変調素子で生成
された第1の状態の露光ビームを1つの受光面で受光す
るのが好ましい。
【0011】前記空間変調素子は、例えば、前記投影面
が反射面である反射型空間変調素子である。なお、前記
光量検出手段は、前記反射型空間変調素子の反射面で反
射された第2の状態にある反射光の方向に、光量を検出
する受光面を設けて構成されたものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の露光装置の一例である露
光装置を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、以
下に詳細に説明する。図1は、本発明の露光装置の一例
の露光装置10の概略の構成を示す概略斜視図である。
【0013】露光装置10は、基台12と、この基台1
2上に設けられた図中x方向に移動し、プリント基板
(PCB)、カラーの液晶ディスプレイ(LCD)やプ
ラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)のガラス基板
等の基板の表面に感光材料を形成したものを載置固定し
て移動する移動ステージ14と、紫外波長領域を含む、
一方向に延在したマルチビームをレーザ光として射出す
る光源ユニット16と、このマルチビームを、所望の画
像データに基づきマルチビームの位置に応じて空間変調
し、マルチビームの波長領域に感度を有する感光材料
に、この変調されたマルチビームを露光ビームとして照
射する露光ヘッドユニット18と、移動ステージ14の
移動に伴って露光ヘッドユニット18に供給する変調信
号を画像データから生成する制御ユニット20とを主に
有して構成される。そして、露光ヘッドユニット18に
対して移動ステージ14に載置され、表面に感光材料の
形成された基板を移動しながら、露光装置10は感光材
料を走査露光する。
【0014】ここで、光源ユニット16は本発明におけ
る光射出手段に、露光ヘッドユニット18は本発明にお
ける露光手段にそれぞれ対応する。移動ステージ14の
上方には、基板の表面に形成された感光材料を露光する
ように露光ヘッドユニット18が、また、一対の位置検
出センサ24が、門型フレーム22の両面にそれぞれ取
り付けられている。位置検出センサ24は、移動ステー
ジ14の通過を検知して検出信号を制御ユニット20に
供給する。移動ステージ14は、図示されないリニアモ
ータによって、例えば、1000mmの移動量を40m
m/秒といった比較的低速の一定速度で移動する部分で
ある。
【0015】図2は、光源ユニット16の概略の斜視
図、図3(A)および(B)は、光源ユニット16内の
合波モジュール30の概略の構成を示す構成図である。
光源ユニット16は、複数の半導体レーザチップから射
出されたレーザ光を合波して光ファイバ28に入力する
合波モジュール30を複数個有するユニットである。各
合波モジュール30から延びる光ファイバ28は、合波
したレーザ光を伝搬する合波光ファイバであって、複数
の光ファイバ28が1つに束ねられてバンドル状光ファ
イバ32が形成される。このようなバンドル状光ファイ
バ32が複数本、露光ヘッドユニット18に接続され
る。
【0016】光源ユニット16は、例えば、特願200
1−273870号及び特願2001−273871号
に記載されているレーザ光源を用いることができる。図
3(A)に示すように、合波モジュール30は、7つの
半導体レーザチップ34から射出されるレーザ光を1本
の光ファイバ28に合波するモジュールであって、各合
波モジュール30は、図3(A)および(B)に示され
るように、(例えば、銅からなる)ヒートシンクブロッ
ク36上に配列固定された複数個(例えば、7個)の横
マルチモード型の窒化ガリウム系の半導体レーザチップ
34と、半導体レーザチップ34の各々の発光点に対向
して設けられたコリメータレンズ38と、集光レンズ4
0とを有して構成され、1本の光ファイバ28に光結合
されている。
【0017】ヒートシンクブロック36、半導体レーザ
チップ34、コリメータレンズ38、および集光レンズ
40は、上方が開口した箱上のパッケージ42内に収容
され、パッケージ42の開口がパッケージ蓋44によっ
て閉じられることにより、パッケージ42およびパッケ
ージ蓋44が構成する閉空間内に密閉保持される。
【0018】パッケージ42の底面にはベース板46が
固定され、このベース板46の上面に前記ヒートシンク
ブロック36が取り付けられ、このヒートシンクブロッ
ク36にコリメータレンズ38を保持するコリメータレ
ンズホルダ48が固定されている。さらに、ベース板4
6の上面には、集光レンズ40を保持する集光レンズホ
ルダ50と、光ファイバ28の入射端部を保持する光フ
ァイバホルダ52が固定されている。また窒化ガリウム
系の半導体レーザチップ34に駆動電流を供給する配線
類54が、パッケージ42の横壁面に形成された図示し
ない孔を介して引き出されており、この孔は機密封止材
料で封止されている。
【0019】コリメータレンズ38は、半導体レーザチ
ップ34の発光点の並び方向の開口径がこの並び方向に
垂直な方向(図3(B)の上下方向)の開口径よりも小
さく(すなわち、細長い形状で)形成されて、上記発光
点の並び方向に密接配置されている。窒化ガリウム系の
半導体レーザチップ34としては、例えば、発光幅が2
μmで、活性層と平行な方向、垂直な方向の拡がり角が
それぞれ10°、30°の状態で各々レーザ光を発する
ものが用いられる。これらの窒化ガリウム系の半導体レ
ーザチップ34は、活性層と平行な方向に発光点が1列
に並ぶように配設されている。
【0020】したがって、各発光点から発せられたレー
ザ光は、上述のように細長い形状とされた各コリメータ
レンズ38に対して、拡がり角最大の方向が開口径大の
方向と一致し、拡がり角最小の方向が開口径小の方向と
一致する状態で入射することになる。つまり、細長い形
状とされた各コリメータレンズ38は、入射するレーザ
光の楕円径の断面形状に対応して、非有効成分を極力少
なくして使用されることになる。
【0021】例えば、本実施の形態では、コリメータレ
ンズ38の水平方向および垂直方向の開口径1.1m
m、4.6mm、焦点距離3mm、NA0.6、コリメ
ータレンズ38に入射するレーザ光の水平方向および垂
直方向のビーム径0.9mm、2.6mmが使用でき
る。また、コリメータレンズ38はピッチ1.25mm
で配置される。
【0022】集光レンズ40は、非球面円形レンズの光
軸を含む領域を細長く切り取って、コリメータレンズ3
8の並び方向すなわち水平方向に長く、それと直角な方
向に短い形状とされている。集光レンズ40は、例え
ば、焦点距離12.5mm、NA0.3であるものが使
用できる。この集光レンズ40も、例えば、樹脂あるい
は光学ガラスをモールド成形することによって形成され
る。
【0023】他方、光ファイバ28は、例えば、三菱電
線製のグレーデッドインデックス型を基本としたコア中
心部がグレーデットインデックス型で外周部がステップ
インデックス型であるコア径25μm、NA0.3、端
面コートの透過率99.5%以上の光ファイバが使用で
きる。すなわちコア径×NAの値は7.5μmとなる。
【0024】レーザ光の光ファイバ28への結合効率が
0.9、窒化ガリウム系の半導体レーザチップ34の出
力100mW、半導体レーザチップ34の個数7の場
合、出力630mW(=100mW×0.9×7)の合
波レーザ光が得られることになる。
【0025】窒化ガリウム系の半導体レーザチップ34
で射出されるレーザ光は、発振波長が405±10nm
であり、最大出力は100mWである。これらの窒化ガ
リウム系半導体レーザチップ34から発散光状態で射出
したレーザ光は、各々対抗するコリメータレンズ38に
よって平行光化される。平行光とされたレーザ光は、集
光レンズ40によって集光され、光ファイバ28のコア
の入射端面上で収束する。
【0026】コリメータレンズ38および集光レンズ4
0によって集光光学系が構成され、それと光ファイバ2
8とによって合波光学系が構成されている。すなわち、
集光レンズ40によって上述のように集光されたレーザ
光が光ファイバ28のコアに入射して、1本のレーザ光
に合波され、さらに光ファイバ28を伝播し、光ファイ
バ28の端から射出する。なお光ファイバ28として
は、例えば、ステップインデックス型のものや微小コア
で高いNAのものを使用する場合は、グレードインデッ
クス型のもの及びその複合型のファイバが適用可能であ
る。
【0027】なお、各々の半導体レーザチップ34に対
応する各コリメータレンズ38の代替として、半導体レ
ーザチップ34の個数に対応する個数のレンズ要素を有
するコリメータレンズアレイが使用されてもよい。個別
のコリメータレンズを使用する場合もそれらを互いに密
接配置して、半導体レーザチップ34の配置ピッチを小
さくし、空間利用効率を高めることができるが、コリメ
ータレンズアレイを用いることにより、その効果をより
一層高めることが可能である。また、そのようにして空
間利用効率が高められると、合波本数を増やすことがで
き、更に半導体レーザチップ34、集光光学系および光
ファイバ28の組立位置精度に比較的余裕を持たせるこ
とができるという効果も得られる。
【0028】なお、上記実施例では、1つの半導体レー
ザチップから1つのレーザ光を射出するものを用いた
が、複数の発光点を有する窒化ガリウム系の半導体レー
ザチップを用いてもよい。1つの発光点の出力が0.1
W、発光点数が5点であれば、半導体レーザチップ各々
の出力は0.5W(=0.1W×5個)であり、光源ユ
ニットとして34個の半導体レーザチップにより構成さ
れていれば、17W(=0.5W×34個)の高出力の
マルチビームを出射することができる。この17Wのマ
ルチビームを3つ並べることで、略50W(17W×3
素子)級の高出力のマルチビームを得ることができる。
【0029】こうして合波された光ファイバ28は、複
数本が束ねられてバンドル状光ファイバ32として露光
ヘッドユニット18に供給される。露光ヘッドユニット
18は、複数の露光ヘッド56を、移動ステージ14の
移動方向x方向と直交する幅方向に並列して複数個配列
し、複数の露光ヘッド56から露光ビームを感光材料向
けて照射して露光を行うユニットである。上述したよう
に、半導体レーザチップ34を合波し、合波したレーザ
光を伝播する光ファイバをバンドル状に束ね、このバン
ドル状の光ファイバを複数本用いるので、露光ヘッドユ
ニット18に伝播されるマルチビームは20〜50Wの
高出力のものとすることができる。
【0030】図4(A)は、1つの露光ヘッド56の構
成の一例を示している。露光ヘッド56は、パッケージ
58内に、バンドル状光ファイバ32を伝搬したレーザ
光を射出してマルチビームを形成するとともにこのマル
チビームを反射し、空間変調素子であるDMD62の入
射光とする反射ミラー60と、入射したマルチビームを
制御ユニット20から供給された変調信号に応じてマイ
クロミラーを傾斜させて、変調したマルチビームを生成
するDMD62と、変調されたマルチビームを集束させ
る光学系64,66と、この集束位置に配置した、マル
チビームのそれぞれに対応したマイクロレンズアレイ6
8と、マイクロレンズアレイ68を通過したマルチビー
ムを絞るアパーチャアレイ70と、このアパーチャアレ
イ70を感光材料上で集束させる光学系72,74とを
有し、露光ヘッド56の射出口76から射出したレーザ
光は露光ビームとして射出口76直下に位置する感光材
料を露光する。
【0031】DMD62は、周知のように、SRAMセ
ル(メモリセル)上に、マイクロミラーが支柱により支
持されて配置されたものであり、多数の(数10万個か
ら数100万個)のマイクロミラーであるピクセルをア
レイ状に配列して構成されたミラーデバイスである。す
なわち、投影面に投影されたマルチビームを、投影面に
沿って区画化されたピクセル単位で露光ONの状態と露
光OFFの状態とを交互に切り替えて変調する空間変調
素子である。各ピクセルには、表層部に支柱に支えられ
たマイクロミラーが設けられており、マイクロミラーの
表面にはアルミニウムが蒸着されて反射面を形成してい
る。また、マイクロミラーの直下には、ヒンジ及びヨー
クを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ライン
で製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル
が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構
成されている。
【0032】DMD62のSRAMセルにデジタルの変
調信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミ
ラーが、対角線を中心としてDMDが配置された基板側
に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾斜する。
例えば、マイクロミラーがONの状態では、マイクロミ
ラーは+α度に傾いた状態となり、マイクロミラーがO
FFの状態では、マイクロミラーが−α度に傾いた状態
となる。従って、画像データに応じて、DMD62の各
ピクセルにおけるマイクロミラーの傾きを制御すること
によって、DMD62に入射されたマルチビームはそれ
ぞれのマイクロミラーの傾き方向へ反射される。そし
て、ONの状態にあるマイクロミラーでは、露光ONの
状態の光となり、図4(A)に示す光路を通って、露光
ビームとして用いられる。一方、OFFの状態にあるマ
イクロミラーでは、露光OFFの状態の光となり、図4
(A)に示すy方向に反射され、露光ビームとして用い
られない。OFFの状態のマイクロミラーでy方向に反
射した光は、y方向に配置された図示されない光吸収体
によって吸収される。
【0033】このようにして露光ヘッド56の射出口7
6から射出した露光ビームを用いて感光材料を露光する
が、図4(B)には、露光ヘッド56におけるDMD6
2のマイクロミラーをすべてONの状態としたときの露
光ビームによる露光スポットのパターンが示されてい
る。図4(B)に示すように、露光ビームのスポットが
互いに離間した、スポット径が例えば15μmとしたパ
ターン78を形成することができる。このような露光ビ
ームを用い、x方向に移動する移動ステージ14に対し
て、規則的に2次元に並ぶマイクロミラーの配列方向
を、僅かに傾斜させることによって、図5に示すよう
に、露光ビームのスポットの配列方向を傾斜させること
ができ、走査露光の際のx方向と直交する幅方向の露光
ビームによる露光間隔を密にすることができる。この露
光間隔は、例えば、5μmとすることができ、極めて高
精細な露光パターンを形成することができる。なお、図
5では一例として、露光ビームのスポットのパターンが
6個×4個のパターンを示している。
【0034】本実施例では、マイクロミラーを傾斜させ
ることでマルチビームを露光ONの状態および露光OF
Fの状態にするDMDを空間変調素子として用いたが、
静電気力を用いて反射面を駆動することによって、マル
チビームを変調する空間変調素子を用いてもよい。例え
ば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タ
イプの空間変調素子(SLM;Spacial Light Modulato
r)であり、 グレーティングを一方向に複数配列して構成
された、反射回折格子型のグレーティング・ライト・バ
ルブ素子(GLV素子、シリコン・ライトマシーン社
製)が挙げられる。なお、GLV素子の詳細については
米国特許第5311360号に記載されているので説明
は省略する。また、反射型の空間変調素子の他に、マル
チビームを変調する光学素子(PLZT素子)や液晶光
シャッタ(FLC)等の透過型の空間変調素子であって
もよい。しかし、紫外波長領域を含む高出力光のレーザ
光に対する耐久性が高く、従来にない数10ワット級の
高出力レーザ光源をパルス駆動させて使用する場合に
も、安定して使用することができる点で反射型の空間変
調素子を用いるのが好ましい。
【0035】露光ヘッドユニット18に供給されるマル
チビームは、図3(A)に示すように半導体レーザチッ
プ各々から射出したレーザ光を合波したものをバンドル
状に束ねたものであるが、本発明においては、半導体レ
ーザ素子を2次元的に並べたものや、1つの半導体レー
ザ素子から出力されるレーザ光を光ファイバで伝搬させ
るとともに、この光ファイバを多数束ねたものを光源と
して用いマルチビームを射出してもよい。
【0036】制御ユニット20は、DMD62を駆動す
ることによって、DMD62のマイクロミラーの各ピク
セル(分割セル)の内、隣接する複数のピクセルからな
る所定の領域に投影された光を、この領域に応じて定め
られた駆動周波数で、露光ONの状態と露光OFFの状
態とを交互に一括して切り替える駆動モードの制御を行
うとともに、感光材料の露光を行う前に、後述する光量
検出ユニット80で検出された光量を用いて、露光ヘッ
ドユニット18の射出する露光ビームの光量分布を求
め、この光量分布から光量が均一となるように、変調信
号を調整するためのルックアップテーブルを作成する。
そして、このルックアップテーブルを用いて画像データ
に応じて生成された変調信号を調整する。例えば、変調
信号がパルス信号で構成されている場合、光量の低い部
分には、パルス幅が長くなるようにパルス信号を調整す
る。このような調整された変調信号は露光ヘッドユニッ
ト18に供給され、DMD62の駆動が調整されて露光
ビームの光量が調整される。
【0037】また、露光装置10は、基台12を挟み露
光ヘッドユニット18と反対側の、露光ヘッドユニット
18の射出口76の対向する位置に、光量検出ユニット
80が基台12に固定して設けられる。露光ヘッドユニ
ット18は複数の露光ヘッド56をx方向と直交する幅
方向に並列して設け、この幅方向に延在するマルチビー
ムを露光ビームとして射出するので、この露光ビームの
延在方向に対応して光量検出ユニット80が幅方向に延
在して設けられる。
【0038】光量検出ユニット80は、露光ヘッドユニ
ット18の射出口76の対向する方向に面し、露光ビー
ムの延在方向に延在するビーム入射面82およびビーム
入射面82の形状が変形し、ビーム入射面82の延在方
向の幅が狭くなったビーム出射面84を有する導光性シ
ート部材86と、ビーム出射面84に対向するように設
けられた光学系88と、光学系88の集束位置に受光面
を備える光量検出器90と、光量検出器90から出力さ
れた光量検出信号を増幅するアンプ92と、増幅された
光量検出信号を制御ユニット20からの指示に応じて複
数の周波数帯域を設定して光量検出信号を周波数帯域毎
に分解する周波数フィルタ94と、さらに、ビーム入射
面82の前面には、紫外波長領域を含む高強度の露光ビ
ームの光強度を減じるために設けられたNDフィルタ8
9と、を有する。そして、上述の駆動モードにおいて、
光量検出ユニット80は、周波数帯域別に分解された光
量検出信号、すなわち信号成分は制御ユニット20に送
られるように構成される。ここで、光量検出器90は、
PD(フォトダイオード)またはフォトマルチプライヤ
等、受光面で受光した光の光量を検出する公知の光検出
センサが用いられる。
【0039】導光性シート部材86は、露光ヘッドユニ
ット18から射出された露光ビームをビーム入射面82
から入射すると、ビーム出射面84からビーム出射面8
4の変形形状に応じた位置に変位して露光ビームを射出
する部材であって、図7(A)および(B)に示す導光
性シート部材86a、86bが例として挙げられる。
【0040】図7(A)に示す導光性シート部材86a
は、直線状のビーム入射面82aが厚さを一定とした状
態で凹凸を形成し、ビーム入射面82 a の幅方向の幅が
狭くなったW字状のビーム出射面84aに変形される。
図7(B)に示す導光性シート部材86bにおいても、
ビーム出射面84bの幅方向の幅をビーム入射面82b
に比べて狭くなっている。このように導光性シート部材
86は、露光ビームの形状を、光量検出器90の受光面
の形状に合わせることができ、露光ビームの延在方向に
合わせて配列する光量検出器の数を減らすことができ
る。
【0041】ここで、露光ONの状態と露光OFFの状
態とを交互に切り替えるDMD62の駆動モードを説明
する。この駆動モードでは、図8に示すように、制御ユ
ニット20からの指示により、マイクロミラーをONの
状態とOFFの状態とに交互に一括して切り替える領域
(以降、この領域を駆動領域という)A1 〜A5 が設定
される。この駆動領域A1 〜A5 は、DMD62の隣接
する複数のマイクロミラー(ピクセル)によって形成さ
れる。また、ONの状態とOFFの状態とを交互に切り
替える駆動周波数は、駆動領域A1 〜A5 に応じて異な
る駆動周波数F1 〜F5 が設定される。一方、このよう
な設定の情報は周波数フィルタ94に送られ、駆動周波
数F1〜F5 を中心周波数とする所定の幅の周波数帯域
のバンドパスフィルタが設定される。このような設定
は、予め、オペレータにより指示入力することができ
る。
【0042】この駆動モードでは、DMD62の駆動領
域A1 〜A5 において個別の駆動周波数でマルチビーム
を露光ONの状態と露光OFFの状態とを交互に切り替
えるので、NDフィルタ89、導光性シート部材86お
よび光学系88を介して受光された露光ONの状態のマ
ルチビームである露光ビームは、駆動領域A1 〜A5
対応して駆動周波数F1 〜F5 で変調されている。この
変調されている露光ビームは光量検出器90の受光面で
受光され、光量検出器90で光量検出信号が生成される
ので、光量検出信号は、駆動領域A1 〜A5 の露光ビー
ムの光量に応じた振幅で、しかも駆動周波数F1 〜F5
の周波数で振動する信号となる。
【0043】ここで、駆動領域A1 〜A5 のサイズは、
Nピクセル×Mピクセルである(N、Mは自然数)。駆
動領域のサイズを大きくすると、露光ビームの光量分布
が粗くなる一方、小さくすると外乱光等の迷光の影響が
出て光量レベルの検出精度が落ちるこから、NおよびM
は、DMD62のピクセルの配列方向のピクセル数の1
/50〜1/5であるのが好ましい。例えば、600ピ
クセル×800ピクセルのDMD62の場合、駆動領域
1 〜A5 のサイズは、12ピクセル×16ピクセル〜
120ピクセル×160ピクセルであるのが好ましい。
【0044】また、DMD62における設定される駆動
領域の数は5個に制限されず、自由に設定さえる。例え
ば、要求される光量分布の精度によって、駆動領域の数
は設定される。この設定では、少なくともDMD62の
中央部分の駆動領域が1つ設定される。また、感光する
ために必要な露光ビームの光量は露光する感光材料の種
類によって異なるため、この必要な露光ビームの光量を
考慮して適切な光量を感光材料に照射する必要がある。
従って、感光材料の種類によって、調整すべき光量の精
度も異なるため、上記駆動領域の数とこの駆動領域のサ
イズを、感光材料の種類に応じて調整するのが好まし
い。
【0045】光量検出器90で生成された光量検出信号
は、アンプ92で増幅された後、駆動周波数F1 〜F5
を中心周波数とする周波数帯域が設定された周波数フィ
ルタ94において、周波数帯域毎にフィルタリングされ
る。フィルタリングされた周波数帯域毎の信号成分は制
御ユニット20に供給される。従って、制御ユニット2
0では、周波数帯域毎の信号成分から、駆動領域A1
5 がONの状態となったときのマルチビーム(露光ビ
ーム)の光量の分布を求めることができる。このような
駆動モードの制御を制御ユニット20は行う。
【0046】なお、上述したように、露光ヘッドユニッ
ト18は、複数の露光ヘッド56をx方向と直交する幅
方向に並列して設けられて幅方向に延在するものであ
る。これに対応して、光量検出ユニット80は、図9に
示すように、各露光ヘッド56から射出され幅方向に配
列された複数の導光性シート部材86を通過した露光ビ
ームを、反射ミラー96、ハーフミラー98を介して集
光し、1つの光量検出器90の受光面に受光するように
構成される。
【0047】なお、図9に示す光量検出ユニット80の
構成の他に、図10に示すように、露光ヘッドユニット
18の各露光ヘッド56から照射される露光ビームを、
各露光ヘッド56に対応して設けられた光量検出器90
で受光して光量検出信号を生成し、アンプ92で増幅し
た後、増幅された光量検出信号を合成し、これを制御ユ
ニット20から指示された周波数帯域毎にフィルタリン
グする周波数フィルタ20に供給する構成としてもよ
い。この場合においても、制御ユニット20からの指示
に従って、各露光ヘッド56のDMD62に複数の駆動
領域が設定され、設定された駆動領域における駆動周波
数が互いに異なるように設定される。さらに、周波数フ
ィルタ94におけるフィルタリングの周波数帯域も駆動
周波数に基づいて設定される。従って、周波数帯域ごと
の信号成分によって、各駆動領域における露光ONの状
態の露光ビームの光量を検出することができ、制御ユニ
ット20において光量の分布を求めることができる。
【0048】なお、移動ステージ14に、あるいは、こ
の一部分に透明材料を用いることで、この透明材料を透
過した露光ビームの光量を光量検出ユニット80に取り
込んで光量を検出してもよい。さらに、光量検出ユニッ
ト80は、移動ステージ14等の一定の反射率を備えた
表面で反射した露光ビームを取り込んで光量を測定する
ように、移動ステージ14からみて露光ヘッドユニット
18と同じ側に設けられた装置構成としてもよい。
【0049】上記実施例は、露光ヘッドユニット18を
固定し、感光材料の形成された基板を載置した移動ステ
ージ14を移動させる方式であるが、この他に、感光材
料の形成された基板を載置するステージを固定する一
方、露光ヘッドユニット18を移動させる方式であって
もよい。この場合、露光を行うために移動を開始する時
の露光ヘッドユニット18のスタート位置近傍に、光量
検出ユニットを配置して光量の検出を行うのが好まし
い。
【0050】さらに、図11に示すように、図6に示す
光量検出ユニット80を、露光ヘッドユニット18の内
部に設け、DMD62から反射される露光OFFの状態
の反射光の光量を検出するものであってもよい。すなわ
ち、露光OFFの状態の反射光の光量を検出することに
よって、露光ONの状態の露光ビームの光量、さらには
光量分布を求めることができる。なお、図11では、反
射ミラー60、光学系64,66等の露光ヘッド56内
の構成部材を省略している。
【0051】このような装置構成の場合、露光OFFの
状態の反射光の光量を検出することができるので、感光
材料を露光する最中に露光ONの状態の露光ビームの光
量分布を求めることができる。この場合、供給される画
像データに基づいて、マイクロミラーをONの状態とO
FFの状態とを交互に切り替えて感光材料を露光する駆
動周波数に比べて高周波の駆動周波数、または低周波の
周波数を用いて光量検出のために変調するとよい。すな
わち、感光材料の露光のための駆動周波数と、光量検出
のための駆動周波数の2つを用いて、DMD62に投影
されるマルチビームを2重変調するとよい。
【0052】さらに、図6に示す光量検出ユニット80
と、図11に示す光量検出ユニット80とを組み合わせ
て設けることで、露光ビームの光量分布に極端な光量低
下領域が見つかった場合、この光量低下領域が、光源ユ
ニット16からDMD62に至る装置上流側の光路に由
来したものか、DMD62から射出口76(図6参照)
に至る装置下流側の光路に由来したものかを判断するこ
とができる。例えば、ゴミや塵が部材に付着した場所ま
たは傷の発生した場所等を特定する際、上記装置上流側
あるいは上記装置下流側の一方の光路に原因があると限
定することができる。露光装置10は、以上のように構
成される。
【0053】次に、露光装置10における上述の駆動モ
ードの作用を説明する。図6に示すように構成された露
光装置10では、感光材料の露光開始前に、上述の駆動
モードにおいて、露光ヘッドユニット18から照射され
る露光ビームの光量を検出して、光量分布が一定となる
ように調整される。
【0054】すなわち、まず、制御ユニット20におい
て、マイクロミラーの内、ONの状態とOFFの状態と
を交互に一括して切り替える駆動領域A1 〜A5 が設定
され、駆動領域A1 〜A5 に応じて駆動周波数F1 〜F
5 が定められ、露光ヘッドユニット18に供給する変調
信号が生成される。ここで、駆動周波数F1 〜F5 はお
互いに異なっている。駆動領域A1 〜A5 以外の領域の
マイクロミラーは上述の駆動モード中、投影されたマル
チビームが露光OFFの状態となるように、マイクロミ
ラーがOFFの状態となる変調信号が生成される。DM
D62では、制御ユニット20から供給された変調信号
に従って、各駆動領域A1 〜A5 のマイクロミラーが、
ONの状態とOFFの状態とに交互に一括して切り替え
られる。その時の切り替えは、駆動領域A1 〜A5
に、駆動周波数F1 〜F5 で行われる。
【0055】一方、光源ユニット16から高出力のマル
チビームが射出され、バンドル状光ファイバ32から露
光ヘッドユニット18の露光ヘッド56に送られ、DM
D62の各マイクロミラーに投影される。従って、駆動
領域A1 〜A5 のマイクロミラーがON状態となった時
の露光ON状態のマルチビームの反射光が露光ビームと
なって、射出口76から射出される。
【0056】光量検出ユニット80では、NDフィルタ
ー、導光性シート部材86および光学系88を透過した
露光ビームが光量検出器90の受光面に受光され、光量
検出信号が生成される。この光量検出信号は、アンプ9
2で増幅された後、駆動周波数F1 〜F5 を中心周波数
とする周波数帯域が設定された周波数フィルタ94にお
いて、周波数帯域毎にフィルタリングされる。フィルタ
リングされた周波数帯域毎の信号成分は制御ユニット2
0に供給される。
【0057】ここで、光量検出器90に受光する露光ビ
ームは、駆動領域A1 〜A5 に対応して駆動周波数F1
〜F5 で変調されているので、生成される光量検出信号
も、駆動領域A1 〜A5 の露光ビームの光量に応じた振
幅で、しかも周波数F1 〜F 5 の周波数で振動する。従
って、周波数フィルタ94においてフィルタリングされ
た周波数帯域毎の信号成分は、駆動領域A1 〜A5 の光
量に応じた振幅を持った信号となる。
【0058】この信号成分は制御ユニット20に供給さ
れ、周波数帯域毎の信号成分から、駆動領域A1 〜A5
によって露光ONの状態の露光ビームの光量分布が求め
られる。この光量分布から露光ビームの光量が、駆動領
域A1 〜A5 において均一となるように、感光材料の露
光の際に露光ヘッドユニット18に供給する変調信号を
調整するためのルックアップテーブルが作成される。作
成されたルックアップテーブルは、感光材料を露光する
際のルックアップテーブルとして用いられ、供給される
画像データに応じて生成された変調信号を調整する。
【0059】このように、空間変調素子の投影面に沿っ
て区画化されたマイクロミラー等の分割セル単位で、マ
ルチビームを露光ONの状態と露光OFFの状態とに交
互に切り替える際、隣接する複数の分割セル(ピクセ
ル)からなる領域に対して、この領域に応じて定められ
た駆動周波数で、ONの状態とOFFの状態とを交互に
一括して切り替て変調するので、すなわち、空間変調素
子で空間変調される光の情報を時間変調された信号に変
換するので、従来のように、CCDを用いた2次元光検
出器等を用いる必要がなく、PDやフォトマルチプライ
ヤ等の受光面で受光した全光量を検出する(1次元の)
光検出器を用いることができる。しかも、短時間で光量
分布を求めることができる。さらに、2次元光検出器で
得られた(2次元情報を有する)撮像信号の場合、位置
情報を処理して光量分布を求めるための煩雑な処理回路
を必要とするのに対して、PDやフォトマルチプライヤ
等の(1次元の)光量検出器を用いることができるの
で、周波数帯域毎の(1次元情報を有する)信号成分を
処理する処理回路を構成すればよく、回路構成を簡略化
することができる。
【0060】なお、本発明の露光装置は、上記実施例に
限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
において、各種の改良および変更を行ってもよいのはも
ちろんである。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、2次元光検出器を用いることなく、PDやフォ
トマルチプライヤ等の受光面で受光した全光量を検出す
る(1次元の)光検出器を用いて、光量分布を求めるこ
とができる。しかも、2次元光検出器を用いた場合に必
要とする位置情報を求めるための処理回路も必要とせ
ず、装置構成が簡略化される。また、空間変調素子を反
射型空間変調素子とし、露光OFFの状態にある反射光
の光量を検出するように光検出器の受光面を設けること
で、感光材料の露光中に、露光ビームの光量分布を求め
ることもできる。また、露光ONの状態の反射光(露光
ビーム)、および、露光OFFの状態の反射光の光量を
検出することにより、塵やゴミの付着場所や傷の発生場
所を限定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の一例の概略の構成を示す
斜視図である。
【図2】 図1に示す露光装置における光源ユニットの
概略の斜視図である。
【図3】 (A)および(B)は、図2に示す光源ユニ
ット内の合波モジュールの概略の構成を示す構成図であ
る。
【図4】 (A)は、露光ヘッドユニットにおける露光
ヘッドの構成の一例を示す構成図であり、(B)は、露
光ユニットから射出される露光ビームの露光スポットの
パターンの一例を示す図である。
【図5】 図4(A)から照射される露光ビームを用い
て走査露光する際の露光間隔を説明する図である。
【図6】 本発明の露光装置の一例の概略の構成を示す
構成図である。
【図7】 (A)および(B)は、導光性シート部材を
示す斜視図である。
【図8】 本発明における空間変調素子の駆動を説明す
る図である。
【図9】 本発明の露光装置の他の例の概略の構成を示
す構成図である。
【図10】 本発明の露光装置の他の例の概略の構成を
示す構成図である。
【図11】 本発明の露光装置の他の例の概略の構成を
示す構成図である。
【符号の説明】
10 露光装置 12 基台 14 移動ステージ 16 光源ユニット 18 露光ヘッドユニット 20 制御ユニット 22 門型フレーム 24 位置検出センサ 28 光ファイバ 30 合波モジュール 32 バンドル状光ファイバ 56 露光ヘッド 62 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD) 68 マイクロレンズアレイ 70 アパーチャアレイ 78 パターン 80 光量検出ユニット 82 ビーム入射面 84 ビーム出射面 86 導光性シート部材 88 光学系 89 NDフィルタ 90 光量検出器 94 周波数フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 中谷 大輔 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H097 AA03 BB01 CA17 EA03 LA12 5F046 BA10 CA03 CB02 CB04 CB22 DA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を射出する光射出手段と、 投影面を有し、この投影面に沿って区画化された分割セ
    ル単位で、この投影面に投影された前記光射出手段から
    の光を、第1の状態と第2の状態との2つの状態に交互
    に切り替える空間変調素子を備え、前記空間変調素子で
    変調され第1の状態にある光を、前記光の波長領域に感
    度を有する感光材料に露光ビームとして照射する露光手
    段と、 前記空間変調素子を駆動することによって、前記空間変
    調素子における前記分割セルの内、隣接する複数の分割
    セルからなる所定の領域に対応した前記投影面の部分に
    投影された光を、前記所定の領域に応じて定められた駆
    動周波数で、前記2つの状態に交互に一括して切り替え
    る駆動モードの制御を行う制御手段と、 前記駆動モードの際、第1の状態および第2の状態の一
    方の状態にある光の光量を検出する光量検出手段と、を
    有することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記駆動モードにおける
    前記所定の領域を複数設定するとともに、設定された複
    数の領域に対して互いに異なる駆動周波数を設定する請
    求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】前記光量検出手段は、生成した光量検出信
    号を前記駆動周波数に応じてフィルタリングする周波数
    フィルタを有する請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】前記露光手段は、前記空間変調素子を複数
    有し、 前記制御手段は、複数の空間変調素子のそれぞれに対し
    て、前記駆動モードにおける前記所定の領域を少なくと
    も1つ以上設定し、設定された領域に対して互いに異な
    る駆動周波数を設定する請求項2または3に記載の露光
    装置。
  5. 【請求項5】前記光量検出手段は、複数の空間変調素子
    で生成された第1の状態の露光ビームを1つの受光面で
    受光する請求項4に記載の露光装置。
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