JP4473503B2 - 微生物防除剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物防除剤、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いられる微生物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除すべく、工業製品には、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の微生物防除剤を添加することが広く知られている。
【0003】
このような微生物防除剤として、近年、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物が、広い抗菌スペクトルを有し、優れた防除効果を発現することが報告されている(例えば、特許文献1〜8参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−110692号公報
【特許文献2】
特開平10−95773号公報
【特許文献3】
特開平10−287566号公報
【特許文献4】
特開2000−95763号公報
【特許文献5】
特開2000−136185号公報
【特許文献6】
特開2000−198879号公報
【特許文献7】
特開2000−159607号公報
【特許文献8】
特開2001−310191号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したビス四級アンモニウム塩化合物は、たとえば、樹脂エマルションや塗料などに添加すると、凝集してしまい、製品品質の低下、また、微生物に対する防除効果が著しく減少するという不具合がある。
そこで、本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を防止して、微生物に対する優れた防除効果を長期にわたって確保することのできる、微生物防除剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を防止するために鋭意検討したところ、ビス四級アンモニウム塩化合物に、ポリオキシエチレン誘導体を配合することにより、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を防止できる知見を見い出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)と、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートのいずれかのポリオキシエチレン誘導体とを含有するか、または、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)と、ポリオキシエチレン誘導体としてのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルとを含有することを特徴とする、微生物防除剤、
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物防除剤は、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)と、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートのいずれかのポリオキシエチレン誘導体とを含有するか、または、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)と、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルまたはポリオキシエチレン高級アルコールエーテルのいずれかのポリオキシエチレン誘導体とを含有している。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物防除剤は、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)と、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートのいずれかのポリオキシエチレン誘導体とを含有するか、または、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)と、ポリオキシエチレン誘導体としてのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルとを含有している。
【0010】
また、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートとして、例えば、レオドールTW−P120が挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートとして、例えば、レオドールTW−S120、レオドールTW−S106、レオドールスーパーTW−S120などが挙げられる。
また、これらポリオキシエチレン誘導体のなかでは、好ましくは、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルが挙げられる。
【0011】
また、本発明では、このようなポリオキシエチレン誘導体において、HLBが10〜20、さらには、12.8〜18.0のものが好ましく用いられる。HLBがこのような範囲にあるポリオキシエチレン誘導体を用いれば、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)またはN,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(以下、ビス四級アンモニウム塩化合物と総称する場合がある。)の凝集をより一層防止することができる。
【0012】
ポリオキシエチレン誘導体を含有させる割合は、特に制限されないが、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、例えば、10〜1000重量部、好ましくは、50〜500重量部である。このような範囲において、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を最も防止することができる。
ポリオキシエチレン誘導体を微生物防除剤に含有させるには、特に制限されず、ビス四級アンモニウム塩化合物にポリオキシエチレン誘導体を配合すればよく、種々の剤型に調製することができる。
【0013】
本発明の微生物防除剤を製剤化するには、特に制限されることなく、公知の方法を用いることができ、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の種々の剤型に製剤化することができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製することもできる。
【0014】
これらのうち、例えば、液剤として製剤化する場合には、ビス四級アンモニウム塩化合物およびポリオキシエチレン誘導体を、上記した配合割合で、適宜溶剤に溶解または分散すればよい。より具体的には、例えば、液剤100重量%中に、ビス四級アンモニウム塩化合物が1.0〜30重量%、ポリオキシエチレン誘導体が0.3〜10重量%、溶剤がその残量となる割合でそれぞれ配合し、溶解または分散させればよい。用いられる溶剤としては、少なくともビス四級アンモニウム塩化合物を溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
【0015】
このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネートなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどのエステル系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。
【0016】
これらのうち、好ましくは、水、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、極性溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独または2種以上併用してもよい。
また、本発明の微生物防除剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の防藻剤および/または防かび剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
【0017】
他の防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、ハロアセチレン系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、フェニルウレア系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、トリアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、四級アンモニウム塩系化合物などが挙げられる。
【0018】
イソチアゾリン系化合物としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。
【0019】
ニトロアルコール系化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールなどが挙げられる。
ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンがなど挙げられる。
【0020】
チオフェン系化合物としては、例えば、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。
ハロアセチレン系化合物としては、例えば、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどが挙げられる。
【0021】
フタルイミド系化合物としては、例えば、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captafol)、N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captan)、N−ジクロロフルオロメチルチオフタルイミド(Fluorfolpet)、N−トリクロロメチルチオフタルイミド(Folpet)などが挙げられる。
【0022】
ハロアルキルチオ系化合物としては、例えば、N−ジメチルアミノスルホニル−N−トリル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Tolylfluanide)、N−ジメチルアミノスルホニル−N−フェニル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Dichlofluanide)などが挙げられる。
ピリチオン系化合物としては、例えば、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオンなどが挙げられる。
【0023】
フェニルウレア系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどが挙げられる。
グアニジン系化合物としては、例えば、1,6−ジ−(4’−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などが挙げられる。
【0024】
トリアゾール系化合物としては、例えば、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)などが挙げられる。
【0025】
ベンズイミダゾール系化合物としては、例えば、メチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、エチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
四級アンモニウム塩系化合物としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジ−n−デシル−ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
【0026】
また、他の防藻剤および/または防かび剤として、その他に、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合物などが挙げられる。
【0027】
これらの他の防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよい。また、他の防藻剤および/または防かび剤の配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定されるが、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、1〜9000重量部、好ましくは、3〜8000重量部である。
【0028】
また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0029】
これら、酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0030】
このような光安定剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
このようにして得られる本発明の微生物防除剤は、優れた、抗菌、防かび、防腐、防藻作用などを発現し、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として用いることができ、しかも、ポリオキシエチレン誘導体の配合により、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を防止することができる。その結果、製品品質の向上を図ることができ、また、微生物に対する優れた防除効果を長期にわたって確保することができる。
【0031】
そのため、本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤、樹脂エマルション、塗料などの各種工業製品などの有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。
【0032】
より具体的には、例えば、製紙パルプ工場などのスライムコントロール剤、金属加工用油剤の防腐剤、塗料の防腐防かび剤、樹脂エマルションの防腐防かび剤、セメント混和剤の防腐剤、インキの防腐防かび剤、湿し水の防腐防かび剤、セメント減水剤の防腐防かび剤、植物の延命剤などの工業用の有害微生物防除剤として好適に用いられ、さらに好適には、樹脂エマルション、塗料に対する有害微生物の防除のための添加剤として用いられる。
【0033】
なお、本発明の微生物防除剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、1〜1000mg(全有効成分)/kg(製品)、好ましくは、5〜500mg(全有効成分)/kg(製品)の濃度として用いることができる。
また、本発明の微生物防除剤は、pHが、3〜13、好ましくは、4〜12の適用対象に用いることができ、さらには、例えば、SO2 2−、SO3 2−、HSO2 −、HSO3 −、S2O3 2−、好ましくは、SO3 2−、HSO3 −、S2O3 2−などの還元剤の存在下においても、その効力を有効に発現することができる。なお、この場合の還元剤の濃度は、例えば、製品中1〜10000ppmであることが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例に用いる有効成分の略号を下記に示す。
HMDP−Br:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)
HMDP−Ac:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)
MIT:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
実施例1
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲン709(ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、HLB13.3、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0035】
実施例2
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲンLS114(ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、HLB14.0、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0036】
実施例3
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、レオドールTW−S120(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、HLB14.9、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0037】
実施例4
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、レオドールTW−P120(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、HLB15.6、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0038】
実施例5
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲンA−60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB12.8、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0039】
実施例6
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲンB−66(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB13.2、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0040】
実施例7
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲンA−90(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB14.5、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0041】
実施例8
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、エマルゲンA−500(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB18.0、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0042】
比較例1
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、デモールNL(β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、花王社製)2.5g、プロピレングリコール95gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0043】
比較例2
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、プロピレングリコール97.5gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
試験例1
上記で得られた実施例1〜8および比較例1、2の液剤1重量部と、下記に示す2種類の樹脂エマルションA、B3重量部とをそれぞれ配合して攪拌することにより、凝集の有無を確認した。その結果を表1に示す。
樹脂エマルションA:クロスレン(SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)ラテックス、pH8.5、武田薬品工業社製)
樹脂エマルションB:AC3754(アクリルエマルション、pH7、武田薬品工業社製)
【0044】
【表1】
【0045】
実施例9
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、コーデック50C(MIT:50重量%、ロームアンドハース社製)5.0g、エマルゲンA−500(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB18.0、花王社製)2.5g、プロピレングリコール90gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0046】
比較例3
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)2.5g、コーデック50C(MIT:50重量%、ロームアンドハース社製)5.0g、プロピレングリコール92.5gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0047】
試験例2
上記で得られた実施例9および比較例3の液剤を、0.2重量%の割合でそれぞれ添加した下記に示す2種類の樹脂エマルションC、D30gのそれぞれを、水300gで希釈した後、400メッシュ(1辺1インチ(25.4mm)の中のふるい目の数、以下同様)のふるいで濾過し、50gの水で残渣を洗浄した後、その残渣の重量をそれぞれ測定し、残渣率(残渣量(g)/製品量(g)×100)を求めた。その結果を表2に示す。
樹脂エマルションC:S−500(酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルション、住友化学社製)
樹脂エマルションD:S−900(酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルション、住友化学社製)
【0048】
【表2】
【0049】
実施例10
ダイマー38A(HMDP−Ac:5重量%水溶液、イヌイ社製)40g、エマルゲンA−500(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB18.0、花王社製)2.5g、水57.5gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0050】
実施例11
ダイマー38A(HMDP−Ac:5重量%水溶液、イヌイ社製)40g、エマルゲンA−60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB12.8、花王社製)2.5g、水57.5gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0051】
比較例4
ダイマー38A(HMDP−Ac:5重量%水溶液、イヌイ社製)40g、水60gを配合して、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
試験例3
上記で得られた実施例10、11および比較例4の液剤100重量部と、下記に示す2種類の塗料A、B100重量部とをそれぞれ配合して攪拌することにより、凝集の有無を確認した。その結果を表3に示す。
塗料A:クロストップ(スズカファイン社製)
塗料B:カラー(王子製紙社製)
【0052】
【表3】
【0053】
試験例4
上記で得られた実施例10、11および比較例4の液剤を、0.5重量%の割合でそれぞれ添加した上記と同じ2種類の塗料A、B30gのそれぞれを、水で10倍希釈した後、400メッシュのふるいで濾過し、105℃で3時間乾燥後、その残渣の重量をそれぞれ測定し、残渣率(残渣量(g)/製品量(g)×100)を求めた。その結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
試験例5
上記で得られた実施例10、11および比較例4の液剤を、上記と同じ塗料A100gに、表5に示す所定濃度となるようにそれぞれ添加し、さらに、クロストップ腐敗塗料を1g添加して、33℃、1週間培養後、菌数を測定した。その結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の微生物防除剤では、ポリオキシエチレン誘導体の配合により、ビス四級アンモニウム塩化合物の凝集を防止することができる。その結果、製品品質の向上を図ることができ、また、微生物に対する優れた防除効果を長期にわたって確保することができ、例えば、樹脂エマルションまたは塗料に対する添加剤として好適に用いることができる。
Claims (4)
- N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)と、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートのいずれかのポリオキシエチレン誘導体とを含有するか、または、
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)と、ポリオキシエチレン誘導体としてのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルとを含有することを特徴とする、微生物防除剤。 - ポリオキシエチレン誘導体のHLBが、10〜20であることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
- ポリオキシエチレン誘導体が、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物防除剤。
- 樹脂エマルションまたは塗料に対する添加剤として用いられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の微生物防除剤。
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