JP4727105B2 - 防藻剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防藻剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種産業製品の防かびおよび/または防藻にその効力を示す防かび剤および/または防藻剤として、イソチアゾリン系化合物がよく知られている。このイソチアゾリン系化合物は、幅広い抗菌スペクトルを有し、各種の産業分野で幅広く使用されているが、その一方で、単独で使用した場合には、微生物の抵抗性がしばしば生じ、効力や耐熱性にやや劣ることも知られている。
【0003】
また、従来より、種々のトリアゾール系化合物が、木材保存剤および種子の保護剤として知られているが、工業用保存剤としては知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の産業製品の多様化につれて、より優れた効力を有し、かつ耐熱性に優れる防藻剤の開発が要望されている。
【0005】
そこで本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、より優れた効力を有し、かつ耐熱性に優れる防藻剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の防藻剤は、下記一般式(1)で示されるイソチアゾリン系化合物
【0007】
【化3】
(式中、Y1は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、X1およびX2は、同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。)と、下記一般式(2)で示されるトリアゾール系化合物
【0008】
【化4】
(式中、Y5およびY6は同一または相異なって水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、A2は置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)とを含有していることを特徴としている。
【0009】
また、本発明において、イソチアゾリン系化合物は、一般式(1)の式中、Y1が、水素原子、メチル、n−ブチル、n−オクチルのいずれかであり、X1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原子で他方がハロゲン原子、ともにハロゲン原子のいずれかであることが好ましい。より具体的には、イソチアゾリン系化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、および/または、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることが好ましい。
【0010】
また、本発明において、トリアゾール系化合物は、一般式(2)の式中、Y5およびY6が、ともに水素原子、または、一方が水素原子で他方が炭素数1〜4の炭化水素基であり、A2がハロゲン置換フェニル基であることが好ましい。より具体的には、トリアゾール系化合物が、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、および/または、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾールであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の防藻剤は、下記一般式(1)で示されるイソチアゾリン系化合物および下記一般式(2)で示されるトリアゾール系化合物を含有している。
【0013】
イソチアゾリン系化合物は、下記一般式(1)で示される。
【0014】
【化5】
(式中、Y1は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、X1およびX2は、同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。)
上記一般式(1)中、Y1で示される置換されていてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基などが挙げられる。
【0015】
Y1で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびn−オクチルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。より好ましくは、メチル、n−ブチル、n−オクチルが挙げられる。
【0016】
Y1で示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。好ましくは、ビニル、アリルなどの炭素数2〜3のアルケニル基が挙げられる。
【0017】
Y1で示されるアルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられる。好ましくは、エチニル、プロピニルなどの炭素数2〜3のアルキニル基が挙げられる。
【0018】
Y1で示されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数5〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
【0019】
Y1で示されるアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。好ましくは、フェニルなどの炭素数6のアリール基が挙げられる。
【0020】
Y1で示される置換されていてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子およびアルコキシ基が挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0021】
上記した、Y1で示される置換されていてもよい炭化水素基のうちでは、置換されていない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基、とりわけ、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびn−オクチルなどの炭素数8のアルキル基が好ましく、より好ましくは、メチル、n−ブチルおよびn−オクチルが挙げられる。したがって、Y1の最も好ましい例としては、水素原子、メチル、n−ブチルおよびn−オクチルが挙げられる。
【0022】
上記一般式(1)で示されるイソチアゾリン系化合物において、X1およびX2で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素が挙げられる。
【0023】
X1およびX2で示される炭化水素基としては、Y1で示される炭化水素基として上記したものと同様のものを挙げることができ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。また、X1およびX2は、2価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンなどの炭素数1〜4の2価のアルキレン基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げられる。
【0024】
X1およびX2の好ましい例としては、ハロゲン原子、水素原子が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、X1およびX2がともに水素原子、X1およびX2のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がハロゲン原子、X1およびX2がともにハロゲン原子である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つである。
【0025】
このようなイソチアゾリン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができる。その具体例としては、例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。より好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。これらイソチアゾリン系化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0026】
トリアゾール系化合物は、下記一般式(2)で示される。
【0027】
【化6】
(式中、Y5およびY6は同一または相異なって水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、A2は置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)
上記一般式(2)中、Y5およびY6で示される置換されていてもよい炭化水素基としては、Y1で示される置換されていてもよい炭化水素基として上記したものと同様のものを挙げることができ、その中でも、置換されていない炭化水素基、とりわけ、アルキル基が好ましい。より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。Y5およびY6の好ましい例としては、水素原子、アルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、Y5およびY6がともに水素原子、Y5およびY6のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がアルキル基、Y5およびY6がともにアルキル基である態様が挙げられる。
【0028】
また、A2で示される置換されていてもよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。好ましくは、フェニルが挙げられる。また、A2で示される置換されていてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、ジフェニルメチルなどの炭素数7〜13のアラルキル基が挙げられる。さらに、A2で示される置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子が挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0029】
これらのうち、A2で示される置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基としては、好ましくは、置換されていてもよいアリール基、より好ましくは、ハロゲン置換されているフェニルが挙げられる。
【0030】
なお、上記一般式(2)で示されるトリアゾール系化合物において、nは、1であることが好ましい。
【0031】
このようなトリアゾール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができる。その具体例としては、例えば、次式(3)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、
【0032】
【化7】
次式(4)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、
【0033】
【化8】
などが挙げられる。これらトリアゾール系化合物は、単独で用いてもよく、また、これら2種を併用してもよい。
【0034】
このような、イソチアゾリン系化合物とトリアゾール系化合物とが配合される割合は、例えば、イソチアゾリン系化合物5〜95重量%に対して、トリアゾール系化合物が95〜5重量%、好ましくは、イソチアゾリン系化合物10〜90重量%に対して、トリアゾール系化合物が90〜10重量%、さらに好ましくは、イソチアゾリン系化合物50〜80重量%に対して、トリアゾール系化合物が50〜20重量%である。イソチアゾリン系化合物がこれより少ないと、抗菌スペクトルが狭くなる場合があり、また、トリアゾール系化合物がこれより少ないと、効力の持続性が低下する場合がある。また、イソチアゾリン系化合物とトリアゾール系化合物との配合は、例えば、物理的に混合するなど、公知の配合方法を用いればよい。
【0035】
このようにして得られる本発明の防藻剤は、防かびおよび/または防藻において、優れた効力を有する。本発明の防藻剤は、その目的および用途に応じて、例えば、液剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、ペースト剤などの公知の剤型に製剤化することが好ましい。
【0036】
液剤または懸濁剤として、製剤化する場合には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化合物を、上記した割合において、その合計量が、得られる製剤に対して1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%の割合となるように調製し、適宜溶剤に溶解または分散すればよい。このときに用いられる溶剤としては、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化合物を溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
【0037】
このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ソルベントナフサなどの芳香族系溶剤、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶剤などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、水、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤およびケトン系溶剤が挙げられる。また、例えば、ジオクチルアジペート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸系可塑剤や、例えば、ジオクチルフタレートなどのアジピン酸系可塑剤などの可塑剤を溶剤として用いてもよい。これら溶剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0038】
また、粉剤または粒剤として、製剤化する場合には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化合物を、上記した割合において、その合計量が、得られる製剤に対して、2〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の割合となるように調製し、例えば、クレー、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリンなどの粘土鉱物やシクロデキストリンなどとともに、乾式または湿式混合すればよい。
【0039】
また、このような粉剤または粒剤には、固体の担体あるいは希釈剤として、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉など)、鉱物性粉末(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土などのクレー類)、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、硅藻土(例えば、ラジオライト、雲母粉などのシリカ類など)、炭酸カルシウム、硫黄粉末、活性炭なども用いることができ、これらを単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0040】
また、ペースト剤として、製剤化する場合には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化合物を、上記した割合において、その合計量が、得られる製剤に対して、2〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の割合となるように調製し、例えば、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステルとともに、混練すればよい。
【0041】
さらに、本発明の防藻剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、分散剤、界面活性剤、流動助剤、酸化防止剤、他の防かび剤および/または防藻剤、防腐剤、共力剤、などを添加してもよい。
【0042】
分散剤としては、例えば、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0043】
界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合物などのポリオキシアルキレン系界面活性剤などが挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられる。また、これらの金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0044】
流動助剤としては、例えば、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
【0045】
また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0046】
これら、分散剤、界面活性剤、流動助剤および酸化防止剤は、例えば、製剤100重量部に対して0.1〜30重量部添加される。
【0047】
他の防かび剤および/または防藻剤としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよびp−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどのジチオール系化合物、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよびN−(フルオロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミドなどのハロアルキルチオ系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、ジンクピリチオンおよびナトリウムピリチオンなどのピリチオン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどのイミダゾール系化合物などが挙げられる。
【0048】
これら他の防かび剤および/または防藻剤は、例えば、製剤100重量部に対して0.1〜20重量部添加される。
【0049】
防腐剤、共力剤としては、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。これら防腐剤、共力剤は、例えば、製剤100重量部に対して0.1〜20重量部添加される。
【0050】
このようにして得られる本発明の防藻剤は、防かびおよび/または防藻において、優れた効力を有し、かつ耐熱性に優れているため、各種の工業製品に適用することにより、優れた防かびおよび/または防藻効果を発現することができる。とりわけ、高温において成形されるプラスチック製品や樹脂製品(例えば、塩化ビニル樹脂からなる壁紙、シリコンシーラント、ポリプロピレン、目地材など)に練り込んだり、あるいは、屋内外用途の塗料(例えば、水性塗料やエマルジョン塗料など)、接着剤(例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ラテックス、ポリ酢酸ビニル樹脂などを主成分とする各種の接着剤)および建材(例えば、石膏ボード、プラスター、天井材、繊維壁など)などに配合することにより、非常に優れた防かびおよび/または防藻効果を発現することができる。
【0051】
なお、本発明の防藻剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、約0.005〜20%、好ましくは0.01〜5%程度の有効成分濃度として作用させることが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0053】
(1)実施例および比較例の組成物(防藻剤)の調製
実施例1
メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)に、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、OITと略す。)と、プロピコナゾールとを、OITが5重量%、プロピコナゾールが5重量%となるような割合で配合し、混合することにより、均一な溶液として組成物を調製した。
【0054】
実施例2
表1に示す各成分を表1に示す割合で、メチルカルビトールに配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により組成物を調製した。
【0055】
比較例1〜3
表1に示す各成分を表1に示す割合で、メチルカルビトールに配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により組成物を調製した。
【0056】
(2)防かび試験
各実施例および各比較例の組成物について、JIS Z−2911(第7頁)の塗料かび抵抗性試験法に従って防かび試験を実施した。その結果を表1に示す。なお、供試液としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、黒かび)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum 、青かび) 、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides クロカワかび) 、およびアルタナリア・スピーシーズ(Alternaria sp.)の4種を混合した懸濁液を用いた。また、供試試料は、ろ紙(直径3cm×3cm)に、有効成分濃度として表1に示す所定濃度の各実施例および各比較例の組成物を浸漬し、室温で1日風乾したものを用いた。
【0057】
【表1】
なお、表1において、生育の程度は、次の基準による。
【0058】
−:試料面にかびの生育が認められない。
【0059】
+:試料面上の約1/3以下の面積にかびの生育が認められる。
【0060】
++:試料面上の約1/3〜2/3の面積にかびの生育が認められる。
【0061】
+++:試料面上の約2/3以上の面積にかびの生育が認められる。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の防藻剤は、防かびおよび/または防藻において、優れた効力を有し、かつ耐熱性に優れているため、各種の工業製品に適用することにより、優れた防かびおよび/または防藻効果を発現することができる。とりわけ、高温において成形されるプラスチック製品や樹脂製品に練り込んだり、あるいは、屋内外用途の塗料、接着剤および建材などに配合することにより、非常に優れた防かびおよび/または防藻効果を発現することができる。
Claims (5)
- 一般式(1)の式中、Y1が、水素原子、メチル、n−ブチル、n−オクチルのいずれかであり、X1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原子で他方がハロゲン原子、ともにハロゲン原子のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の防藻剤。
- イソチアゾリン系化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、および/または、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の防藻剤。
- 一般式(2)の式中、Y5およびY6が、ともに水素原子、または、一方が水素原子で他方が炭素数1〜4の炭化水素基であり、A2がハロゲン置換フェニル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の防藻剤。
- トリアゾール系化合物が、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、および/または、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の防藻剤。
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