JP2002234806A - 組成物 - Google Patents

組成物

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JP2002234806A
JP2002234806A JP2001393855A JP2001393855A JP2002234806A JP 2002234806 A JP2002234806 A JP 2002234806A JP 2001393855 A JP2001393855 A JP 2001393855A JP 2001393855 A JP2001393855 A JP 2001393855A JP 2002234806 A JP2002234806 A JP 2002234806A
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Koji Kameda
康二 亀田
Shoji Tanaka
昭次 田中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 より優れた効力を有し、かつ耐熱性に優れる
防かび剤および/または防藻剤として有用な組成物を提
供すること。 【解決手段】 組成物として、一般式1で示されるイソ
チアゾリン系化合物および一般式2で示されるトリアゾ
ール系化合物を含有させる。この組成物は、防かびおよ
び/または防藻において、優れた効力を有し、かつ耐熱
性に優れているため、防かび剤および/または防藻剤と
して、各種の工業製品に適用することができる。 (一般式1,2中、Y1は水素原子または炭化水素基
を、X1およびX2は、水素原子、ハロゲン原子または
炭化水素基を、Y5およびY6は水素原子または炭化水
素基を、A2はアリール基またはアラルキル基を、nは
1〜3の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組成物、詳しく
は、防かび剤および/または防藻剤として有用な組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種産業製品の防かびおよび
/または防藻にその効力を示す防かび剤および/または
防藻剤として、イソチアゾリン系化合物がよく知られて
いる。このイソチアゾリン系化合物は、幅広い抗菌スペ
クトルを有し、各種の産業分野で幅広く使用されている
が、その一方で、単独で使用した場合には、微生物の抵
抗性がしばしば生じ、効力や耐熱性にやや劣ることも知
られている。
【0003】また、従来より、種々のトリアゾール系化
合物が、木材保存剤および種子の保護剤として知られて
いるが、工業用保存剤としては知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の産業製
品の多様化につれて、より優れた効力を有し、かつ耐熱
性に優れる防かび剤および/または防藻剤の開発が要望
されている。
【0005】そこで本発明は、このような事情に鑑みな
されたもので、その目的とするところは、より優れた効
力を有し、かつ耐熱性に優れる防かび剤および/または
防藻剤として有用な組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の組成物は、下記一般式(1)で示されるイ
ソチアゾリン系化合物
【0007】
【化3】 (式中、Y1は水素原子または置換されていてもよい炭
化水素基を、X1およびX2は、同一または相異なって
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。)
と、下記一般式(2)で示されるトリアゾール系化合物
【0008】
【化4】 (式中、Y5およびY6は同一または相異なって水素原
子または置換されていてもよい炭化水素基を、A2は置
換されていてもよいアリール基または置換されていても
よいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)とを
含有していることを特徴としている。
【0009】また、本発明において、イソチアゾリン系
化合物は、一般式(1)の式中、Y1が、水素原子、メ
チル、n−ブチル、n−オクチルのいずれかであり、X
1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原子で他
方がハロゲン原子、ともにハロゲン原子のいずれかであ
ることが好ましい。より具体的には、イソチアゾリン系
化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、および/または、4,5−ジクロロ−2−n−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることが
好ましい。
【0010】また、本発明において、トリアゾール系化
合物は、一般式(2)の式中、Y5およびY6が、とも
に水素原子、または、一方が水素原子で他方が炭素数1
〜4の炭化水素基であり、A2がハロゲン置換フェニル
基であることが好ましい。より具体的には、トリアゾー
ル系化合物が、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニ
ル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−
イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、お
よび/または、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニ
ル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1
H−1,2,4−トリアゾールであることが好ましい。
【0011】また、本発明の組成物は、防かび剤および
/または防藻剤として好適に用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の組成物は、下記一般式
(1)で示されるイソチアゾリン系化合物および下記一
般式(2)で示されるトリアゾール系化合物を含有して
いる。
【0013】イソチアゾリン系化合物は、下記一般式
(1)で示される。
【0014】
【化5】 (式中、Y1は水素原子または置換されていてもよい炭
化水素基を、X1およびX2は、同一または相異なって
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。) 上記一般式(1)中、Y1で示される置換されていても
よい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基
およびアリール基などが挙げられる。
【0015】Y1で示されるアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチ
ル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、
デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ
る。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびn−オクチル
などの炭素数8のアルキル基が挙げられる。より好まし
くは、メチル、n−ブチル、n−オクチルが挙げられ
る。
【0016】Y1で示されるアルケニル基としては、例
えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニ
ル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなど
の炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。好ましく
は、ビニル、アリルなどの炭素数2〜3のアルケニル基
が挙げられる。
【0017】Y1で示されるアルキニル基としては、例
えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブ
チニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基
が挙げられる。好ましくは、エチニル、プロピニルなど
の炭素数2〜3のアルキニル基が挙げられる。
【0018】Y1で示されるシクロアルキル基として
は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられ
る。好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルなど
の炭素数5〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
【0019】Y1で示されるアリール基としては、例え
ば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル
などの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。好ま
しくは、フェニルなどの炭素数6のアリール基が挙げら
れる。
【0020】Y1で示される置換されていてもよい炭化
水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハ
ロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素
など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコ
キシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基な
ど)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基な
ど)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子およ
びアルコキシ基が挙げられる。これらの置換基は同一ま
たは相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換して
いてもよい。
【0021】上記した、Y1で示される置換されていて
もよい炭化水素基のうちでは、置換されていない炭化水
素基が好ましく、その中でも、アルキル基、とりわけ、
メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなどの炭素数1
〜4のアルキル基およびn−オクチルなどの炭素数8の
アルキル基が好ましく、より好ましくは、メチル、n−
ブチルおよびn−オクチルが挙げられる。したがって、
Y1の最も好ましい例としては、水素原子、メチル、n
−ブチルおよびn−オクチルが挙げられる。
【0022】上記一般式(1)で示されるイソチアゾリ
ン系化合物において、X1およびX2で示されるハロゲ
ン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
が挙げられる。好ましくは、塩素が挙げられる。
【0023】X1およびX2で示される炭化水素基とし
ては、Y1で示される炭化水素基として上記したものと
同様のものを挙げることができ、好ましくは、アルキル
基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙
げられる。また、X1およびX2は、2価の炭化水素基
で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素
基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレンなどの炭素数1〜4の2価のアルキ
レン基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げ
られる。
【0024】X1およびX2の好ましい例としては、ハ
ロゲン原子、水素原子が挙げられ、好ましい態様として
は、例えば、X1およびX2がともに水素原子、X1お
よびX2のうち、いずれか一方が水素原子であって他方
がハロゲン原子、X1およびX2がともにハロゲン原子
である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成
されているものも、好ましい態様の1つである。
【0025】このようなイソチアゾリン系化合物は、以
下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造
することができる。その具体例としては、例えば、2−
n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5
−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−オクチル
−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5
−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが
挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−n−オク
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロ
ロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリ
ン−3−オンが挙げられる。より好ましくは、2−n−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジ
クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−
オンが挙げられる。これらイソチアゾリン系化合物は、
単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0026】トリアゾール系化合物は、下記一般式
(2)で示される。
【0027】
【化6】 (式中、Y5およびY6は同一または相異なって水素原
子または置換されていてもよい炭化水素基を、A2は置
換されていてもよいアリール基または置換されていても
よいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。) 上記一般式(2)中、Y5およびY6で示される置換さ
れていてもよい炭化水素基としては、Y1で示される置
換されていてもよい炭化水素基として上記したものと同
様のものを挙げることができ、その中でも、置換されて
いない炭化水素基、とりわけ、アルキル基が好ましい。
より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げら
れる。Y5およびY6の好ましい例としては、水素原
子、アルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例
えば、Y5およびY6がともに水素原子、Y5およびY
6のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がアル
キル基、Y5およびY6がともにアルキル基である態様
が挙げられる。
【0028】また、A2で示される置換されていてもよ
いアリール基のアリール基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素
数6〜14のアリール基が挙げられる。好ましくは、フ
ェニルが挙げられる。また、A2で示される置換されて
いてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例え
ば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチ
ル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3
−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニ
ルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、
ジフェニルメチルなどの炭素数7〜13のアラルキル基
が挙げられる。さらに、A2で示される置換されていて
もよいアリール基または置換されていてもよいアラルキ
ル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素な
ど)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキ
シ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブト
キシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリー
ルオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチ
オ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基な
ど)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基な
ど)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子が挙
げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜
5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0029】これらのうち、A2で示される置換されて
いてもよいアリール基または置換されていてもよいアラ
ルキル基としては、好ましくは、置換されていてもよい
アリール基、より好ましくは、ハロゲン置換されている
フェニルが挙げられる。
【0030】なお、上記一般式(2)で示されるトリア
ゾール系化合物において、nは、1であることが好まし
い。
【0031】このようなトリアゾール系化合物は、以下
に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造す
ることができる。その具体例としては、例えば、次式
(3)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロフェ
ニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2
−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール
(慣用名:プロピコナゾール)、
【0032】
【化7】 次式(4)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロ
フェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチ
ル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザ
コナゾール)、
【0033】
【化8】 などが挙げられる。これらトリアゾール系化合物は、単
独で用いてもよく、また、これら2種を併用してもよ
い。
【0034】このような、イソチアゾリン系化合物とト
リアゾール系化合物とが配合される割合は、例えば、イ
ソチアゾリン系化合物5〜95重量%に対して、トリア
ゾール系化合物が95〜5重量%、好ましくは、イソチ
アゾリン系化合物10〜90重量%に対して、トリアゾ
ール系化合物が90〜10重量%、さらに好ましくは、
イソチアゾリン系化合物50〜80重量%に対して、ト
リアゾール系化合物が50〜20重量%である。イソチ
アゾリン系化合物がこれより少ないと、抗菌スペクトル
が狭くなる場合があり、また、トリアゾール系化合物が
これより少ないと、効力の持続性が低下する場合があ
る。また、イソチアゾリン系化合物とトリアゾール系化
合物との配合は、例えば、物理的に混合するなど、公知
の配合方法を用いればよい。
【0035】このようにして得られる本発明の組成物
は、防かびおよび/または防藻において、優れた効力を
有するため、好ましくは、防かび剤および/または防藻
剤として用いられる。本発明の組成物を、防かび剤およ
び/または防藻剤として用いる場合には、その目的およ
び用途に応じて、例えば、液剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、
ペースト剤などの公知の剤型に製剤化することが好まし
い。
【0036】液剤または懸濁剤として、製剤化する場合
には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化
合物を、上記した割合において、その合計量が、得られ
る製剤に対して1〜70重量%、好ましくは5〜50重
量%の割合となるように調製し、適宜溶剤に溶解または
分散すればよい。このときに用いられる溶剤としては、
イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化合物を
溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されな
い。
【0037】このような溶剤としては、例えば、水、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
so−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタ
ノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリ
コール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、例え
ば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル
などのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ソル
ベントナフサなどの芳香族系溶剤、例えば、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶剤などが挙
げられる。これらのうち、好ましくは、水、アルコール
系溶剤、グリコール系溶剤およびケトン系溶剤が挙げら
れる。また、例えば、ジオクチルアジペート、ジイソノ
ニルフタレートなどのフタル酸系可塑剤や、例えば、ジ
オクチルフタレートなどのアジピン酸系可塑剤などの可
塑剤を溶剤として用いてもよい。これら溶剤は、単独で
用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0038】また、粉剤または粒剤として、製剤化する
場合には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール
系化合物を、上記した割合において、その合計量が、得
られる製剤に対して、2〜50重量%、好ましくは、5
〜30重量%の割合となるように調製し、例えば、クレ
ー、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリンなどの
粘土鉱物やシクロデキストリンなどとともに、乾式また
は湿式混合すればよい。
【0039】また、このような粉剤または粒剤には、固
体の担体あるいは希釈剤として、植物性粉末(例えば、
大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉など)、鉱物性粉末
(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土などのク
レー類)、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、硅藻土
(例えば、ラジオライト、雲母粉などのシリカ類な
ど)、炭酸カルシウム、硫黄粉末、活性炭なども用いる
ことができ、これらを単独で用いてもよく、また、2種
以上併用してもよい。
【0040】また、ペースト剤として、製剤化する場合
には、イソチアゾリン系化合物およびトリアゾール系化
合物を、上記した割合において、その合計量が、得られ
る製剤に対して、2〜50重量%、好ましくは、5〜3
0重量%の割合となるように調製し、例えば、フタル酸
ジイソノニルなどのフタル酸エステルとともに、混練す
ればよい。
【0041】さらに、本発明の組成物は、防かび剤およ
び/または防藻剤として用いる場合には、その目的およ
び用途によって、公知の添加剤、例えば、分散剤、界面
活性剤、流動助剤、酸化防止剤、他の防かび剤および/
または防藻剤、防腐剤、共力剤、などを添加してもよ
い。
【0042】分散剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、グリセリンなどが挙げられる。
【0043】界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノ
ニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤、両イオン系界面活性剤、高分子界面活性
剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノ
ニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられ
る。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアル
キレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレ
ンとのブロック共重合物などのポリオキシアルキレン系
界面活性剤などが挙げられる。アニオン系界面活性剤と
しては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、
アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸
型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属
塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル
サルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属
塩などが挙げられる。また、これらの金属塩としては、
例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩な
どが挙げられる。
【0044】流動助剤としては、例えば、ホワイトカー
ボンなどが挙げられる。
【0045】また、酸化防止剤としては、例えば、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’
−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキル
ジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フ
ェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げ
られる。
【0046】これら、分散剤、界面活性剤、流動助剤お
よび酸化防止剤は、例えば、製剤100重量部に対して
0.1〜30重量部添加される。
【0047】他の防かび剤および/または防藻剤として
は、例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カ
ーバメイト、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよ
びp−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォル
マールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、4,5−ジ
クロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどのジチオー
ル系化合物、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテ
トラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオ
フェン系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスル
フィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニ
トリル系化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチ
ルチオ)−フタルイミドおよびN−(フルオロジクロロ
メチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−ス
ルファミドなどのハロアルキルチオ系化合物、例えば、
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォ
ニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、ジン
クピリチオンおよびナトリウムピリチオンなどのピリチ
オン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチ
オ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合
物、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−
6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどのトリ
アジン系化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物、
例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイ
ト、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなど
のイミダゾール系化合物などが挙げられる。
【0048】これら他の防かび剤および/または防藻剤
は、例えば、製剤100重量部に対して0.1〜20重
量部添加される。
【0049】防腐剤、共力剤としては、例えば、2,2
−ジブロモ−2−ニトロエタノール、5−クロロ−2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチ
アゾリン−3−オンなどが挙げられる。これら防腐剤、
共力剤は、例えば、製剤100重量部に対して0.1〜
20重量部添加される。
【0050】このようにして得られる本発明の組成物
は、防かびおよび/または防藻において、優れた効力を
有し、かつ耐熱性に優れているため、防かび剤および/
または防藻剤として、各種の工業製品に適用することに
より、優れた防かびおよび/または防藻効果を発現する
ことができる。とりわけ、高温において成形されるプラ
スチック製品や樹脂製品(例えば、塩化ビニル樹脂から
なる壁紙、シリコンシーラント、ポリプロピレン、目地
材など)に練り込んだり、あるいは、屋内外用途の塗料
(例えば、水性塗料やエマルジョン塗料など)、接着剤
(例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ラテック
ス、ポリ酢酸ビニル樹脂などを主成分とする各種の接着
剤)および建材(例えば、石膏ボード、プラスター、天
井材、繊維壁など)などに配合することにより、非常に
優れた防かびおよび/または防藻効果を発現することが
できる。
【0051】なお、本発明の組成物は、防かび剤および
/または防藻剤として用いる場合には、その適用対象に
応じて添加量を適宜決定すればよいが、約0.005〜
20%、好ましくは0.01〜5%程度の有効成分濃度
として作用させることが好ましい。
【0052】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。
【0053】(1)実施例および比較例の組成物の調製 実施例1 メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチル
エーテル)に、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン
−3−オン(以下、OITと略す。)と、プロピコナゾ
ールとを、OITが5重量%、プロピコナゾールが5重
量%となるような割合で配合し、混合することにより、
均一な溶液として組成物を調製した。
【0054】実施例2 表1に示す各成分を表1に示す割合で、メチルカルビト
ールに配合したこと以外は、実施例1と同様の操作によ
り組成物を調製した。
【0055】比較例1〜3 表1に示す各成分を表1に示す割合で、メチルカルビト
ールに配合したこと以外は、実施例1と同様の操作によ
り組成物を調製した。
【0056】(2)防かび試験 各実施例および各比較例の組成物について、JIS Z
−2911(第7頁)の塗料かび抵抗性試験法に従って
防かび試験を実施した。その結果を表1に示す。なお、
供試液としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger、黒かび)、ペニシリウム・シトリナム(Penicil
lium citrinum 、青かび) 、クラドスポリウム・クラド
スポリオイデス(Cladosporium cladosporioides クロカ
ワかび)、およびアルタナリア・スピーシーズ(Alternar
ia sp.)の4種を混合した懸濁液を用いた。また、供試
試料は、ろ紙(直径3cm×3cm)に、有効成分濃度
として表1に示す所定濃度の各実施例および各比較例の
組成物を浸漬し、室温で1日風乾したものを用いた。
【0057】
【表1】 なお、表1において、生育の程度は、次の基準による。
【0058】−:試料面にかびの生育が認められない。
【0059】+:試料面上の約1/3以下の面積にかび
の生育が認められる。
【0060】++:試料面上の約1/3〜2/3の面積
にかびの生育が認められる。
【0061】+++:試料面上の約2/3以上の面積に
かびの生育が認められる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の組成物は、
防かびおよび/または防藻において、優れた効力を有
し、かつ耐熱性に優れているため、防かび剤および/ま
たは防藻剤として、各種の工業製品に適用することによ
り、優れた防かびおよび/または防藻効果を発現するこ
とができる。とりわけ、高温において成形されるプラス
チック製品や樹脂製品に練り込んだり、あるいは、屋内
外用途の塗料、接着剤および建材などに配合することに
より、非常に優れた防かびおよび/または防藻効果を発
現することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるイソチアゾ
    リン系化合物 【化1】 (式中、Y1は水素原子または置換されていてもよい炭
    化水素基を、X1およびX2は、同一または相異なって
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。)
    と、 下記一般式(2)で示されるトリアゾール系化合物 【化2】 (式中、Y5およびY6は同一または相異なって水素原
    子または置換されていてもよい炭化水素基を、A2は置
    換されていてもよいアリール基または置換されていても
    よいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)とを
    含有していることを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)の式中、Y1が、水素原
    子、メチル、n−ブチル、n−オクチルのいずれかであ
    り、X1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原
    子で他方がハロゲン原子、ともにハロゲン原子のいずれ
    かであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 イソチアゾリン系化合物が、2−n−オ
    クチル−4−イソチアゾリン−3−オン、および/また
    は、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチ
    アゾリン−3−オンであることを特徴とする、請求項1
    または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(2)の式中、Y5およびY6
    が、ともに水素原子、または、一方が水素原子で他方が
    炭素数1〜4の炭化水素基であり、A2がハロゲン置換
    フェニル基であることを特徴とする、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 トリアゾール系化合物が、1−[[2−
    (2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−
    1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−
    1,2,4−トリアゾール、および/または、1−
    [[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオ
    キソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−ト
    リアゾールであることを特徴とする、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 防かび剤であることを特徴とする、請求
    項1〜5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 防藻剤であることを特徴とする、請求項
    1〜5に記載の組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0839514A (ja) * 1994-06-08 1996-02-13 Rohm & Haas Co 木材用低浸出組成物

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