JP4429093B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
この構成によれば、機内に取り込まれる空気に含まれるアレルゲン物質および塵埃のうち、アレルゲン物質を主にアレルゲンフィルタで捕獲することができ、塵埃を主に塵埃フィルタで捕獲することができる。したがって、アレルゲンフィルタに捕獲された塵埃が妨げとなって、アレルゲン物質を効率的に不活化することができなくなるのを防止でき、アレルギーをより効果的に抑制できる。
この発明の構成によれば、比較的大きなアレルゲン物質をアレルゲンフィルタで捕獲した後、そのアレルゲンフィルタを通過した後の空気に含まれる比較的小さな塵埃を塵埃フィルタで捕獲することができるので、塵埃フィルタが目詰まりするのを防止できる。
また、この発明の構成によれば、電極への通電を行って貯水部に貯められた水(たとえば、水道水)を電気分解することにより、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。この生成された電解水に対して泡発生機構により泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。このようにして発生された殺菌作用や脱臭作用を有するミストをミスト供給手段によって機外へと供給すれば、機外の空気に含まれるアレルゲン物質をより効率的に不活化することができ、アレルギーをより効果的に抑制できる。
特に、請求項4記載の発明のように、アレルゲン物質を構成するタンパク質に含まれる硫黄原子同士の結合(S−S結合)をタンパク質分解物質で切断して、アレルゲン物質を分解するような構成の場合には、S−S結合を切断するために酸素が必要になる。したがって、電気分解により生成された活性酸素をミストとともにミスト供給手段から機外へと供給し、その活性酸素を再び機内に取り込んでアレルゲンフィルタを通過させることにより、アレルゲンフィルタにおけるS−S結合の切断効率を向上できる。これにより、アレルゲン物質をさらに効果的に分解することができ、アレルギーをさらに効果的に抑制できる。
また、この発明の構成によれば、アレルゲンフィルタおよび塵埃フィルタを通過することによってアレルゲン物質および塵埃などが除去された空気を用いて泡を発生させるので、空気に含まれるアレルゲン物質や塵埃などが泡発生機構に入り込んで目詰まりなどの弊害が生じるのを防止できる。
この構成によれば、アレルゲンフィルタでは、捕獲したアレルゲン物質を分解することができるので、アレルゲン物質を単に不活化するだけの構成とは異なり、アレルゲン物質が再び活発化するのを防止でき、アレルギーをより効果的に抑制できる。
この構成によれば、主にタンパク質からなるダニや花粉などのアレルゲン物質をアレルゲンフィルタで捕獲し、タンパク質分解物質で良好に分解することができるので、アレルギーをより効果的に抑制できる。
この構成によれば、アレルゲン物質を構成するタンパク質に含まれる硫黄原子同士の結合をタンパク質分解物質で切断して、アレルゲン物質を良好に分解することができるので、アレルギーをより効果的に抑制できる。
図1は、この発明の一実施形態に係る空気清浄機1の外観構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す矢印A−Aに沿って見た概略断面図であり、図3は、図1に示す矢印B−Bに沿って見た概略断面図である。図1における右奥側を後方、左手前側を前方として説明する。
この実施形態では、アレルゲンフィルタ6Aは、金属フタロシアニン錯体(PC)を含む材料(たとえば、大和紡績株式会社製の商品名「デオメタフィAC」を使用できる。)を用いた不織布により形成されている。金属フタロシアニン錯体は、アレルゲンを吸着することができるとともに、そのアレルゲンを構成するタンパク質の硫黄原子同士の結合(S−S結合)を酸素を用いて切断することによりタンパク質を分解することができる物質(タンパク質分解物質)である。したがって、アレルゲンフィルタ6Aでは、捕獲したアレルゲン物質を分解することができるので、アレルゲン物質を単に不活化するだけの構成とは異なり、アレルゲン物質が再び活発化するのを防止でき、アレルギーを効果的に抑制できる。
脱臭フィルタ6Cは、抗ウイルス性を有する材料を用いた不織布により形成されていてもよい。
他方(たとえば、左側)の筒部10内の上端部には、ミストを発生するためのミスト発生装置12が配置されている。ハウジング2内の下部には、ハウジング2内の空気(フィルタ6を通過した後の空気)を吸い込むためのエアポンプ13が配置されていて、ミスト発生装置12は、このエアポンプ13から吸い込んだ空気を用いてミストを発生させることができるようになっている。ミスト発生装置12から発生したミストは、左側の筒部10の上端面に形成された噴霧口14から上方に向かって機外に供給される。エアポンプ13は、その吸込口が、ファン4の径方向の延長線上(ファン4によって放出される空気の流路内)に位置していることが好ましい。
図4〜図7を参照して、ミスト発生装置12には、上端面に開口を有し、規定量(たとえば、160cc程度)の水を貯めることができる貯水タンク15と、この貯水タンク15の上端面の開口を塞ぐための蓋16とが備えられている。蓋16の下面には、複数の通水孔17A,17B,17Cが形成された樹脂製で中空状の挿入部材17が取り付けられている。貯水タンク15内に水を貯めた状態で、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16を貯水タンク15の上端部に被せれば、挿入部材17が貯水タンク15内の水に浸かって、貯水タンク15内の水が通水孔17A,17B,17Cを通って挿入部材17内に流入するようになっている。挿入部材17内には、それぞれ上下方向に長く延びる泡発生室18と電解室19とが、前後に並ぶように区画形成されている。
蓋16の上方には、排出口25から排出されたミストを噴霧口14に導くための誘導部材26が配置されている。誘導部材26の内部は、左右に延びる区画板27によって第1区画室28と第2区画室29とに区画されていて、排出口25は第1区画室28の後部に臨んでいる。誘導部材26の上面の前端部には、噴霧口14に連通する連通口30が形成されている。蓋16の排出口25と、誘導部材26の連通口30とは、互いに水平方向にずれた位置(上下方向に重ならない位置)に配置されていて、これにより、第1区画室28が緩衝室として機能するようになっている。すなわち、排出口25から第1区画室28内に流入したミストは、排出口25の上方における誘導部材26(第1区画室28)の内壁面に当たって第1区画室28全体に拡がり、その後に連通口30を介して噴霧口14から機外に排出されるようになっている。
さらに、空気調和機1が転倒した場合のように、貯水タンク15が傾いて貯水タンク15内の水が排出口25から漏れ出したときに、その漏れ出した水を第1区画室28で受け止めて、すぐに機外に漏れ出すのを防止することができる。
このような構成によれば、貯水タンク15内に貯められた水中を上昇する泡を、透明カバー32および透明な貯水タンク15を介して機外から視認したときに、前面壁18Aの前面が背景となって、泡が視認しやすい。特に、前面壁18Aの前面の面積を透明カバー32の面積よりも大きくすることにより、泡をより視認しやすくすることができる。なお、挿入部材17(少なくとも前面壁18Aの前面における透明カバー32に対向する部分)が青系の色などに着色されていれば、泡がさらに視認しやすい。ただし、前面壁18Aの前面は、平面に限らず、たとえば曲面となっていてもよい。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O
2Cl-→Cl2+2e-
H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
(電極板間)
H++OH-→H2O
上記のような電気化学反応により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)などの遊離残留塩素や活性酸素を含む電解水を生成することができる。この生成された電解水に対してエアポンプ13から空気供給路20を介して空気を送り込み、泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。このようにして発生された殺菌作用や脱臭作用を有するミストを噴霧口14から機外へと供給すれば、専用の液体を用意することなく、水道水を用いて殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。殺菌作用を有するミストを機外に供給することにより、機外の空気に含まれるアレルゲン物質をより効率的に不活化することができ、アレルギーをより効果的に抑制できる。
さらに、噴霧口14が排気口9の比較的近傍に配置されているので、噴霧口14から機外へと供給されるミストを、排気口9から排出される空気に混入させることができる。したがって、殺菌作用や脱臭作用を有するミストが混入した空気が機外の比較的広範囲に広がることとなり、殺菌効果や脱臭効果をより向上できる。
貯水タンク15内に水を補給した後、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16で貯水タンク15の開口を塞ぎ、さらに蓋16の上方に誘導部材26を配置して2つのフック41を回動させることにより、各フック41を誘導部材26に係合させて、貯水タンク15、蓋16および誘導部材26を一体的に連結することができる。その後、一体となったミスト発生装置12を右方向にスライドさせるようにしてハウジング2内に挿入することにより、3本のピン38を対応するジャック40に挿入させるとともに、空気供給路20の右端部をパッキン22に押し当て、ミスト発生装置12を空気清浄機1に装着することができる。
特に、貯水タンク15を空気清浄機1に対して着脱することによって、同時に、ピン38および空気供給路20を空気清浄機1に対して着脱することができるので、貯水タンク15に水を入れる際の作業が容易になる。
発光部収容室105の下面を区画する下面壁105Bの前端部には、略矩形状の開口106が形成されている。この開口106は発光部102に対向しており、発光部102から照射される光を、前面板3とフィルタ6との間に形成された空間へと通過させることができる。
図11は、上記実施形態の第1変形例に係る空気清浄機101Aの前端上部の概略構成を示す断面図であって、空気清浄機101Aを前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た図を示している。この空気清浄機101Aでは、導光部103の形状が異なる点を除けば、他の構成については上記実施形態(第2実施形態)に係る空気清浄機101と同様の構成を有しているので、図に同一符号を付してその説明を省略する。
このように、導光部103の表示部104に対応する位置に凸部108を形成すれば、発光部102から照射されて導光部103により表示部104へと導かれる光を、導光部103に形成された凸部108の表面(上下左右の各側面など)で屈折させて、表示部104をより明るく照らし出すことができるので、表示部104における表示をより鮮明に行うことができる。
ただし、各屈折部109は、複数の凸条および凹条を含むような構成に限らず、発光部102からの光の照射方向に対して傾斜した少なくとも1つの屈折面を含むような他の構成であってもよい。また、導光部103の後面(表示部104と反対側の面)を、発光部102からの光の照射方向に対して傾斜した傾斜面とすることにより、その傾斜面の一部を屈折部として構成してもよい。
さらに、この変形例では、発光部102から遠い屈折部109ほど(下方側の屈折部109ほど)、その屈折部109を構成する凸条および凹条の突出量を大きく形成することにより、発光部102から照射される光の屈折量が大きくなるように形成されている。
たとえば、噴霧口14は、清浄後の空気が排出される排気口9の近傍からミストを供給するような構成であれば、上記実施形態のような位置に限らず、他の位置に形成されていてもよい。
上記実施形態では、空気調和機の一例として空気清浄機1について説明したが、この発明は、空気清浄機に限らず、加湿器やエアコンなどの他の空気調和機にも適用可能である。
2 ハウジング
3 前面板
6 フィルタ
6A アレルゲンフィルタ
6B 塵埃フィルタ
14 噴霧口
15 貯水タンク
18 泡発生室
20 空気供給路
25 排出口
28 第1区画室
30 連通口
35 電極板
101,101A,101B 空気清浄機
102 発光部
103 導光部
104 表示部
107 窓
108 凸部
109 屈折部
Claims (5)
- 機外の空気を取り込み、所定の処理を施して機外に排出することにより空気調和を行うための空気調和機であって、
上記空気調和機に取り込まれる空気を通過させることにより、その空気に含まれるアレルゲン物質を捕獲するとともに、捕獲したアレルゲン物質を不活化することができるアレルゲンフィルタと、
上記アレルゲンフィルタにより捕獲可能な通過物よりも小さい通過物を捕獲することができ、上記アレルゲンフィルタを通過した後の空気を通過させることにより、その空気に含まれる塵埃を捕獲するための塵埃フィルタと、
水を貯めることができる貯水部と、
上記貯水部に貯められた水を電気分解するための電極と、
上記貯水部に貯められた水に泡を発生させるための泡発生機構と、
上記泡発生機構によって発生された泡が上記貯水部に貯められた水の水面から大気中に解放される際に泡が弾けることによって発生したミストを機外へと供給するためのミスト供給手段とを含み、
上記泡発生機構は、上記アレルゲンフィルタおよび上記塵埃フィルタを通過した後の空気を用いて泡を発生させるものであることを特徴とする空気調和機。 - 上記アレルゲンフィルタは、捕獲したアレルゲン物質を分解することができるものであることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 上記アレルゲンフィルタは、タンパク質分解物質を含む材料で形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
- 上記タンパク質分解物質は、タンパク質の硫黄原子同士の結合を切断することにより、タンパク質を分解するものであることを特徴とする請求項3記載の空気調和機。
- 上記タンパク質分解物質は、金属フタロシアニン錯体を含むことを特徴とする請求項3または4記載の空気調和機。
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