JP2003144969A - 集塵脱臭装置 - Google Patents

集塵脱臭装置

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JP2003144969A
JP2003144969A JP2001344278A JP2001344278A JP2003144969A JP 2003144969 A JP2003144969 A JP 2003144969A JP 2001344278 A JP2001344278 A JP 2001344278A JP 2001344278 A JP2001344278 A JP 2001344278A JP 2003144969 A JP2003144969 A JP 2003144969A
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dust collecting
discharge
deodorizing
dust
air
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JP2001344278A
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Akira Matsubara
章 松原
Yasuhiro Asahi
康博 朝日
Masatoshi Furuta
正俊 古田
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ZESU GIKO KK
Noritake Co Ltd
Original Assignee
ZESU GIKO KK
Noritake Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • Y02A50/2351Atmospheric particulate matter [PM], e.g. carbon smoke microparticles, smog, aerosol particles, dust

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体を一体化し、コンパクトに形成する
とともに、集塵効率及び脱臭効率に優れた集塵脱臭装置
を提供することを課題とする。 【解決手段】 集塵脱臭装置1は、吸気口5及び排気口
6を連通する空気通路7が形成されたハウジング8と、
空気通路7内に気流Wを発生させる吸引ファン9と、微
粒子Pを除去する電気集塵部2と、除塵空気NDの臭気
成分Sの脱臭を行なう脱臭部11とから主に構成されて
いる。電気集塵部2は、回転可能な集塵電極18を有す
る集塵部13,15及び放電極17を有する放電部1
2,14を備えている。一方、脱臭部11は、光触媒反
応を利用する光触媒フィルタ40を有する脱臭ユニット
4が、電気集塵部2の下流側の分岐通路38a,38b
にそれぞれ填装されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集塵脱臭装置に関
するものであり、特に光触媒反応によって臭気成分を分
解することが可能な集塵脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、工場のボイラー排気や発電所
などから大量に排出される煤煙などのいわゆる「産業廃
ガス」を大気中に放出する前に、産業廃ガス中に含まれ
る種々の粉体物や油分或いは水分等を含むミストやダス
トなどの大気を汚染する恐れのある微粒子を取除く空気
清浄化処理が行なわれることがある。これらの微粒子を
含む産業廃ガスを直接大気中に放出することは、地球環
境に甚大な影響を及ぼすため、国や地方自治体などの基
準によって回収することが義務づけられていることがあ
る。また、都市部では、車の排気ガスなどによる大気汚
染が深刻な状態にあり、一般家庭でもハウスダストや花
粉症対策などのために、室内用の空気清浄器を使用する
ところもある。
【0003】一方、飲食店などでは、調理の際に発生す
る、いわゆる厨房臭や残飯などから発生する生ゴミ臭な
どの臭気成分と、油煙や水蒸気などの微粒子とが混ざっ
た汚染空気が発生する。この汚染空気の臭気成分は、人
間に対して不快感を与えることが多い。そのため、例え
ば、マンションなどの住宅地に近接した場所や飲食店が
密集した繁華街などに出店した飲食店は、近隣住民や他
の飲食店に対する配慮として、厨房臭などを含む汚染空
気を脱臭装置などを通し、臭気成分を除去してから外部
に放出することが多い。
【0004】この際に利用される脱臭装置には、酸化チ
タンなどの光触媒を利用したものが多く用いられてい
る。これは、紫外線等の特定波長の光を照射することに
よって、強い酸化力を有するヒドロキシラジカルが光触
媒から発生する光触媒反応を利用するものもある。これ
は、主に光触媒が担持された光触媒フィルタと、紫外線
等を照射するための紫外線ランプなどの光源とから構成
され、臭気成分を光触媒フィルタに通すことによって脱
臭が行なわれる。なお、光触媒を担持する光触媒フィル
タとしては多孔性を有するセラミック材料などが挙げら
れる。これらは、比較的簡易な構成で形成され、さらに
他の脱臭方式と比べ、静粛性や脱臭性能などの点で有利
な点が多く、現在広く普及しているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光触媒
を用いた脱臭装置は、臭気成分の除去は優れるものの、
例えば、厨房などから発生する油煙、水分、及び固体状
の微粒子などを直接除去することには向いていなかっ
た。すなわち、これらの油煙などの微粒子が光触媒に付
着すると、光触媒反応が阻害され、著しく脱臭性能が低
下することがあった。したがって、一般に脱臭装置の前
に、微粒子を除去するために濾過式のバグフィルタなど
の集塵装置を設置し、微粒子を除去した後に脱臭装置を
用いて臭気成分の脱臭を行なう必要があった。
【0006】ところが、特に飲食店などにおいては、営
業効率を上げるため、店舗の大部分を来客用のスペース
として設け、そのため厨房及びその他のスペースを広く
確保していない場合が多かった。また、繁華街の飲食店
などは、隣接する他の店舗との間がほとんどなく、これ
らの脱臭装置を屋外に設置することが難しい場合があっ
た。そのため、上述したように集塵装置及び脱臭装置を
両方設置することは、厨房やその他の室内のスペースを
かなり占有することになるため、飲食店経営者などは、
これらの設置に躊躇する場合があった。
【0007】また、飲食店の厨房は、特に臭気成分を多
く含む汚染空気が発生するため、設置面積に合わせた脱
臭装置や集塵装置では、処理能力に乏しく、十分な脱臭
及び集塵処理が行えない場合があった。さらに、処理能
力が小さいと、フィルタなどの交換やメンテナンス作業
の頻度が多くなり、作業に係る労力やメンテナンスコス
トなどの増加につながることもあった。そのため、厨房
などの設置面積の限られた場所でも設置可能な集塵及び
脱臭の双方の機能を備え、かつ処理能力の大きい装置を
求める声が多くあった。
【0008】そこで本発明は、上記実情に鑑み、装置全
体を一体化し、コンパクトに形成するとともに、集塵効
率及び脱臭効率に優れた集塵脱臭装置の提供を課題とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明にかかる集塵脱臭装置は、臭気成分
及び微粒子を含む汚染空気を吸込む吸気口、及び清浄空
気を排出する排気口を連通する空気通路が内部に形成さ
れたハウジングと、前記空気通路に気流を発生させる気
流発生手段と、前記空気通路に設けられ、コロナ放電を
発生させて前記微粒子を荷電するとともに、荷電した前
記微粒子を、クーロン力を利用して捕集する電気集塵手
段と、前記空気通路の前記電気集塵手段の下流側に設け
られ、前記電気集塵手段によって前記微粒子が除塵され
た除塵空気が透過可能な光触媒が担持された光触媒フィ
ルタ、及び前記光触媒に紫外線を照射する紫外線照射手
段を有し、前記空気通路に着脱可能に配設された脱臭ユ
ニットとを具備し、前記紫外線照射手段によって前記紫
外線が照射された前記光触媒の光触媒反応を利用して、
前記光触媒フィルタを透過する前記除塵空気に含まれる
前記臭気成分を分解するものである。
【0010】ここで、臭気成分及び微粒子を含む汚染空
気とは、例えば、飲食店などの厨房から発生する厨房臭
や、残飯などから発生する生ゴミ臭を含む臭気成分と、
調理の際に発生する油煙や水蒸気などの微粒子とが混ざ
ったものが挙げられる。
【0011】また、気流発生手段とは、空気通路内に気
流を発生させるものであって、例えば、モータなどの従
来から周知の駆動装置などに接続した吸引ファンなどが
挙げられる。つまり、プロペラの回転力によって空気の
流れ(気流)を発生させることが可能なものであり、さ
らに、吸引ファンの大きさや回転数などを変化させるこ
とにより、吸引する空気量や気流速度を制御することが
可能である。なお、これらは、一般に空気通路の最下流
部、すなわち排気口近傍に設置されることが好適であ
る。
【0012】さらに、電気集塵手段とは、コロナ放電を
発生させる放電極、及びコロナ放電によって荷電した微
粒子を捕集する集塵極などから構成され、クーロン力を
利用して微粒子を捕集するものであり、大量の汚染空気
を一度に処理することができるとともに、他の捕集原理
を利用した集塵方式(濾過式、重力式など)と比べ、圧
力損失が少ないなどの優れた利点を有している。
【0013】また、光触媒は、酸化チタンが特に知ら
れ、紫外線などの特定波長の光を照射することによって
光触媒反応を引き起こすものである。この反応は、強い
酸化力を伴うヒドロキシラジカルを発生させるため、こ
の酸化力によって臭気成分が分解される。
【0014】したがって、請求項1の発明の集塵脱臭装
置によれば、電気集塵手段によって微粒子の除去が行な
われ、その後、脱臭ユニットによって除塵空気に含まれ
る臭気成分が光触媒反応を利用して分解される。これに
より、微粒子が直接光触媒フィルタの光触媒に付着する
ことが制限される。そのため、微粒子の付着による光触
媒の脱臭性能の低下が抑えら、装置全体の処理能力が落
ちることがない。さらに、電気集塵手段を利用すること
により、圧力損失の影響を小さくし、大量の汚染空気を
処理することが可能となる。また、脱臭ユニットが着脱
可能に取付けられているため、メンテナンス作業が容易
となる。
【0015】請求項2の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項1に記載の集塵脱臭装置において、前記光触媒フ
ィルタは、複数の孔部を有する多孔性材料で形成され、
表面及び前記孔部に前記光触媒が担持されているもので
ある。
【0016】したがって、請求項2の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項1の発明の集塵脱臭装置の作用に加
え、光触媒が多孔性材料の表面及び孔部に担持された光
触媒フィルタが使用される。これにより、除塵空気が該
孔部を通って光触媒フィルタの一面から他方の面に透過
する。なお、複数の孔部に光触媒が担持されていること
により、除塵空気との接触面積が増加し、光触媒反応の
効率が上がることが期待される。なお、多孔性材料に
は、セラミックス材料などが例示される。
【0017】請求項3の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項1または請求項2に記載の集塵脱臭装置におい
て、前記電気集塵手段は、前記コロナ放電を発生させる
放電電圧を供給する電圧供給部と、前記電圧供給部によ
って供給される前記放電電圧によって前記コロナ放電を
発生させる放電部と、前記放電部の下流側に設けられ、
棒状の集塵軸、及び略円板状を呈し、前記集塵軸の周面
に取付けられた集塵電極を有する集塵部とを有し、前記
集塵部の前記集塵軸を前記気流に対して略直交する方向
に一致させ、前記空気通路内に架渡すとともに、回転可
能に軸支する集塵軸受部と、前記集塵軸受部に軸支され
た前記集塵軸の一端と連結し、前記集塵電極を回転させ
る集塵駆動手段とをさらに具備するものである。
【0018】したがって、請求項3の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項1または請求項2の発明の集塵脱臭
装置の作用に加え、微粒子を捕集する集塵部の集塵電極
が回転する。これにより、放電手段によって電荷が与え
られ、対極の集塵電極に捕集された微粒子は、回転によ
って集塵軸から外周方向に向う遠心力が作用する。その
ため、該遠心力が集塵電極に捕集された微粒子の吸着力
よりも大きくなると、微粒子は集塵電極から離れる。そ
のため、クーロン力の作用を低下させる多量の微粒子が
集塵電極に溜まることがない。これにより、集塵電極に
おける集塵効率の低下が抑えられる。
【0019】請求項4の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項3に記載の集塵脱臭装置において、前記放電部
は、棒状の放電軸、及び複数の放電突起が形成され、前
記放電軸の周面に取付けられた略円板状を呈する放電極
をさらに有し、前記放電部の前記放電軸を前記気流に対
して略直交する方向に一致させ、前記空気通路内に架渡
すとともに、回転可能に軸支する放電軸受部と、前記放
電軸受部に軸支された前記放電軸の一端と連結し、前記
放電極を回転させる放電駆動手段とをさらに具備するも
のである。
【0020】したがって、請求項4の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項3の発明の集塵脱臭装置の作用に加
え、コロナ放電を発生させる放電極が回転する。すなわ
ち、コロナ放電を発生させながら、回転により放電突起
の場所が変化する。そのため、従来のように一箇所から
コロナ放電が集中して発生することがなく、複数の放電
突起からコロナ放電が発生するために、微粒子を荷電す
る放電効率が上がる。さらに、放電極の寿命が長くな
る。
【0021】請求項5の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の集塵脱臭
装置において、前記脱臭ユニットは、前記光触媒フィル
タのフィルタ面を前記空気通路に対して傾斜させるとと
もに、前記空気通路に填装されるものである。ここで、
填装とは空気通路を塞ぐように取付けるものであり、除
塵空気は光触媒フィルタを透過することが可能である。
【0022】したがって、請求項5の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの発
明の集塵脱臭装置の作用に加え、空気通路における光触
媒フィルタのフィルタ面に対する除塵空気の接触面積が
大きくなる。これにより、脱臭処理される除塵空気の処
理量が増加する。
【0023】請求項6の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の集塵脱臭
装置において、前記空気通路は、前記電気集塵手段の下
流側で少なくとも二つ以上に分岐した分岐通路が形成さ
れ、前記分岐通路に前記脱臭ユニットが配設されるもの
である。
【0024】したがって、請求項6の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの発
明の集塵脱臭装置の作用に加え、各々の分岐通路に対し
て脱臭ユニットが配設される。これにより、分岐通路を
流れる除塵空気がそれぞれの脱臭ユニットで脱臭され
る。そのため、脱臭処理を複数の脱臭ユニットに分散す
ることが可能となり、処理能力の増大が期待される。さ
らに、一つの脱臭ユニットに対する負荷が軽減されるた
め、長時間に渡って安定した脱臭が可能となる。
【0025】請求項7の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項6に記載の集塵脱臭装置において、前記空気通路
を分岐する分岐部に設けられ、前記分岐通路を流れる前
記除塵空気の流量比を調整する流量比調整手段をさらに
備えるものである。
【0026】したがって、請求項7の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項6の発明の集塵脱臭装置の作用に加
え、流量比調整手段によって分岐通路に送られる除塵空
気の流量比を均等化することが可能となる。これによ
り、個々の脱臭ユニットの処理量が平均化されるため、
脱臭性能の低下に偏りがなくなる。さらに、脱臭ユニッ
トの交換時期も略同一にすることが可能となる。
【0027】請求項8の発明にかかる集塵脱臭装置は、
請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記載の集塵脱臭
装置において、前記分岐通路は、上下に積層して形成さ
れるものである。
【0028】したがって、請求項8の発明の集塵脱臭装
置によれば、請求項5乃至請求項7のいずれか一つの発
明の集塵脱臭装置の作用に加え、分岐通路を上下に積層
することによって、脱臭の処理能力を落とさずに、装置
全体の小型化が可能となり、そのため集塵脱臭装置の設
置面積を小さく抑えられる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
集塵脱臭装置について図1乃至図4に基づいて説明す
る。図1は本実施形態である集塵脱臭装置1の構成を側
方から模式的に示す説明図であり、図2は集塵脱臭装置
1における電気集塵部2の構成を上方から模式的に示す
説明図であり、図3は電圧・駆動制御部3の構成を模式
的に示す説明図であり、図4は脱臭ユニット4の要部構
成を示す拡大断面図である。
【0030】本発明の一実施形態である集塵脱臭装置1
は、図1乃至図3に示すように、臭気成分S及び微粒子
Pを含む汚染空気Dを吸込む吸気口5及び浄化された清
浄空気Fを排出する排気口6を連通する空気通路7が内
部に形成されたハウジング8と、吸気口5から汚染空気
Dを吸込むとともに、排気口6から清浄空気Fを排出す
るために空気通路7内に気流Wを羽根部10の回転によ
って発生させる吸引ファン9と、空気通路7内に設けら
れ、クーロン力を利用して荷電した微粒子Pを捕集する
電気集塵部2と、電気集塵部2の下流側の空気通路7に
設けられ、微粒子Pが除去された除塵空気NDに含まれ
る臭気成分Sを脱臭する脱臭部11とから主に構成され
ている。ここで、吸引ファン9が本発明における気流発
生手段に相当し、電気集塵部2が本発明における電気集
塵手段に相当する。
【0031】なお、本実施形態の集塵脱臭装置1は、吸
気口5及びこれに接続する電気集塵部2が集塵脱臭装置
1の上方に設けられ、その下方に脱臭部11及び排気口
6が設けられた構造をしている。すなわち、空気通路7
は、全体として断面略コの字形状を呈している。なお、
本実施形態の集塵脱臭装置1は、例えば、飲食店などの
厨房に設置され、調理の際に発生する厨房臭(臭気成分
Sに相当)、及び油煙や水蒸気などの微粒子Pが混ざっ
た汚染空気Dを集塵及び脱臭する際に使用されるもので
ある。
【0032】さらに、詳しく説明すると、電気集塵部2
は、空気通路7内の上流側(図1において吸気口5の左
方に相当)から交互に順にそれぞれ配置された第一放電
部12、第一集塵部13、第二放電部14、及び第二集
塵部15から構成されている。さらに、電圧・駆動制御
部3は、コロナ放電CDを発生させるための放電電圧を
供給する電圧供給部16、放電部12,14の放電極1
7及び集塵部13,15の集塵電極18を回転させる駆
動モータ19、及び駆動モータ19の駆動軸20と放電
部12,14及び集塵軸13,15とを連結し、駆動を
伝達する駆動ベルト21を有している。
【0033】ここで、第一放電部12及び第二放電部1
4は、ハウジング8の側面にそれぞれ形成された放電軸
受部22,23に放電軸24が気流Wに対して略直交方
向に一致して架渡され、回転可能に軸支されている。そ
して、コロナ放電CDを発生させる突起状の放電突起2
5を有する放電極17が、放電面26を互いに対向させ
た状態で所定間隔を保って放電軸24の周面に複数形成
されている。なお、理由については後述するが、第一放
電部12の放電極17の間隔は、第二放電部14の放電
極17の間隔よりも広く設定され、そのため、放電軸2
4に取付けられる放電極17の数も異なっている。具体
的に示すと、第一放電部12には、7枚の放電極17が
設けられ、一方、第二放電部14には、14枚の放電極
が設けられている(図2参照)。
【0034】一方、第一集塵部13及び第二集塵部15
は、それぞれの放電部12,14の下流側に設けられ、
ハウジング8の側面に形成された集塵軸受部27,28
に集塵軸29が気流Wに対して略直交方向に一致して架
渡され、回転可能に軸支されている。そして、コロナ放
電CDによって電荷が与えられた微粒子Pを捕集するた
めの集塵電極18が、集塵面30を互いに対向した状態
で所定間隔を保って集塵軸29の周面に複数形成されて
いる。ここで、図1に示すように、互いに対向する集塵
電極18の間には少なくとも一つの放電極17が略平行
に近接した状態で挿通されている。換言すると、それぞ
れの放電部12,14の放電極17及び集塵部13,1
5の集塵電極18の少なくとも一部が互いに重なり合っ
た状態にある。また、上述した第一放電部12及び第二
放電部14の放電極17の間隔と同様に、第一集塵部1
3の集塵電極18の間隔は、第二集塵部15の集塵電極
18の間隔よりも広く設定され、集塵軸29に取付けら
れる集塵電極18の数も異なっている。具体的に示す
と、第一集塵部13には、8枚の集塵電極18が設けら
れ、一方、第二集塵部15には、15枚の集塵電極18
が設けられている(図2参照)。
【0035】これは、電圧供給部16によってそれぞれ
第一放電部12及び第二放電部14に供給される放電電
圧の値が異なるためである。ここで、本実施形態におい
ては、第一放電部12に供給される放電電圧は12kV
であり、一方、第二放電部14に供給される放電電圧は
6kVに設定されている。なお、微粒子Pの集塵効率は
放電電圧と、電極間(すなわち、放電極及び集塵電極の
間)に形成される電界の間隔とが大きく依存することが
知られている。
【0036】したがって、高い放電電圧(12kV)が
供給される第一放電部12の放電極17と第一集塵部1
3の集塵電極18との間の距離は、微粒子Pに与えられ
る電荷量が大きいために、比較的広く設定することが可
能である。一方、低い放電電圧(6kV)が供給される
第二放電部14の放電極17と第二集塵部15の集塵電
極18との間の距離は、捕集を確実とするためには上述
した間隔よりも狭く設定する必要がある。したがって、
下流側に設置された第二放電部14の放電極17と第二
集塵部15の集塵電極18との間隔は、第一放電部12
と第一集塵部13との間隔に比べ、狭くなるように設定
されている。なお、本実施形態で例示した放電電圧の数
値(12kV及び6kV)は、特に限定されるものでな
く、捕集対象となる微粒子Pに合わせて適宜設定できる
ことはいうまでもない。
【0037】また、第一放電部12及び第二放電部14
の各放電軸24を電圧・駆動制御部3側で軸支する放電
軸受部22は、電圧供給部16と放電側配線コード31
によって電気的に接続している。このとき、放電軸受部
22とハウジング8との間はセラミックなどの絶縁材料
によって電気的に絶縁した状態にある。なお、放電側配
線コード31の一端は放電軸受部22のベアリング32
に接続し、電圧供給部16からの放電電圧がベアリング
32を介し、放電軸24を通って放電極17へ供給され
ている。また、他方に配設された放電軸受部23は、同
様にセラミックなどの絶縁材料によってハウジング8に
対して電気的に絶縁した状態にされている。すなわち、
ベアリング32を通して供給された放電電圧は放電極1
7の放電突起25からコロナ放電CDとして放出される
ようになる。なお、本実施形態において、電圧供給部1
6から放電極17へは、マイナスの電荷が与えられてい
る。
【0038】一方、第一集塵部13及び第二集塵部15
は、ハウジング8に対して電気的に接続し、さらに電圧
供給部16から出たハウジング側配線コード33は、ハ
ウジング8と電気的に接続されている。また、ハウジン
グ8にはアース(図示しない)が設けられている。これ
により、第一集塵部13及び第二集塵部15の集塵電極
18は、相対的にプラスに帯電する。そのため、放電極
17から発生したコロナ放電CDによってマイナスに荷
電された微粒子Pは、対極の集塵電極18にクーロン力
によって引寄せられ、捕集される。ここで、捕集された
微粒子Pの有するマイナスの電荷は、ハウジング8にア
ースが設けられていることにより、捕集時に地表等に逃
げるため、集塵脱臭装置1に電荷が蓄積されることはな
い。
【0039】さらに、放電極17は、コロナ放電CDが
平面よりも突起の有る部分から放出されやすい性質を有
するため、略円板状を呈し、外周に切欠きなどが施され
た複数の放電突起25を有している(図1参照)。な
お、これらの放電突起25の形状や数などは、コロナ放
電CDの発生条件(放電電圧、捕集対象となる微粒子P
の性質など)によって適宜選択することができる。
【0040】加えて、本実施形態の集塵脱臭装置1は、
電圧・駆動制御部3に第一放電部12、第一集塵部1
3、第二放電部14、及び第二集塵部15の各放電軸2
4及び各集塵軸29を回転させるための駆動モータ19
と、駆動モータ19の駆動軸20と各放電部12,14
及び各集塵部13,15とに架渡され、駆動モータ19
の回転を同期して伝達するための駆動ベルト21とを有
している。さらに、詳しく説明すると、図3に示すよう
に、駆動ベルト21の途中の二箇所には、駆動ベルト2
1に張力を架け、安定した駆動の伝達が行なえるように
するためのテンションローラー34が設けられている。
さらに、駆動ベルト21によって連結される各軸24,
29の先端には、駆動ベルト21との連結が外れないよ
うにするためのベルト溝35を有する連結ローラー36
が設けられている。これにより、一つの駆動モータ19
によってすべての軸24,29に回転が伝えられる。そ
のため、放電極17及び集塵電極18の回転数を等しく
することができる。ここで、駆動モータ19、駆動ベル
ト21、テンションローラー34、及び連結ローラー3
5が本発明における集塵駆動手段及び放電駆動手段に相
当する。
【0041】さらに、本実施形態の集塵脱臭装置1は、
前述したように空気通路7が断面略コの字形状を呈する
ために、電気集塵部2の下流側で下方に略垂下した構造
を有している。そして、垂下位置にあたる分岐部37か
ら空気通路7が上下二つの分岐通路38a,38bにそ
れぞれ分岐している。なお、分岐部37には、それぞれ
の分岐通路38a,38bに流れる除塵空気NDの流量
比を調整するためのダンパ39が設けられている。ここ
で、ダンパ39が本発明における流量比調整手段に相当
する。
【0042】そして、上下に分岐した分岐通路38a,
38bには、脱臭ユニット4がそれぞれ配設されてい
る。この脱臭ユニット4は、図4に示すように、光触媒
として酸化チタンが表面及び孔部に担持された多孔性の
セラミックスから形成された二枚の光触媒フィルタ40
と、光触媒フィルタ40を互いに離間した状態で保持す
るフィルタ保持部41と、光触媒フィルタ40とフィル
タ保持部41とによって形成された空間42に挿通され
た紫外線ランプ43と、一方の光触媒フィルタ40に当
接して設けられ、硫化水素やメルカプタンなどの硫黄系
化合物を含む臭気成分Sを補助的に脱臭する補助フィル
タ44と、これらを一体化してユニットと組付けるため
のフレーム45とから構成されている。ここで、紫外線
ランプ43が本発明における紫外線照射手段に相当す
る。
【0043】この補助フィルタ44は、上記光触媒反応
を利用するものと異なり、鉄フタロシアニン錯体などの
遷移金属キレート化合物を利用し、金属フタロシアニン
の有する酸化還元能を応用したものである。これは、タ
カラーゼ酵素などの生体内酵素による臭気成分Sの脱臭
作用と同様の原理を利用している。なお、図1及び図3
においては図面を簡略化するために脱臭ユニット4のフ
レーム45を省略したものを記載している。
【0044】この脱臭ユニット4は、図1に示すよう
に、分岐通路38a,38bの前後にそれぞれ設けたユ
ニット保持部46によって光触媒フィルタ40のフィル
タ面47を分岐通路38a,38bの底面48に対して
傾け、さらに分岐通路38a,38bに填装されてい
る。そして、分岐通路38a,38bはさらに下流側の
合流部49で、再び一つの空気通路7として合流し、吸
引ファン9及び排気口6に連通している。
【0045】さらに、集塵脱臭装置1は、設置床面と接
し、ハウジング8を支持する脚部50と、該脚部50の
間に形成された回収部51とが設けられている。この回
収部51は、電気集塵部2の底面、及び分岐通路38
a,38bの底面48に設けられた回収口52と連結し
ている。なお、それぞれの回収口52は、回収パイプ5
3と連通し、さらに回収パイプ53の一端が回収部51
に到達している(図3参照)。
【0046】次に、本実施形態の集塵脱臭装置1の使用
方法について説明する。始めに、吸引ファン9の始動、
駆動モータ19の駆動、電圧供給部16の放電電圧の供
給開始、及び紫外線ランプ43の点灯を行なう。ここ
で、吸引ファン9、駆動モータ19、電圧供給部16、
及び紫外線ランプ43は、それぞれ外部電源等(図示し
ない)に接続し、稼動及び点灯に必要な電圧が与えられ
ている。
【0047】吸引ファン9の始動により、空気通路7に
気流Wが発生する。そして、吸気口5から臭気成分S及
び微粒子Pを含む汚染空気Dが空気通路7内に吸込まれ
る。その後、空気通路7内の最上流側に設置された第一
放電部12に汚染空気Dが気流Wに乗って近づく。この
とき、第一放電部12の放電極17は、前述した駆動モ
ータ19の駆動が伝えられることにより、図1に示す矢
印方向に回転している。
【0048】放電極17の近傍に到達した微粒子Pは、
放電極17の放電突起25から発生するコロナ放電CD
の影響を受け電荷(ここでは、マイナスに帯電)が与え
られる。すなわち、電気的に負の状態におかれる。一
方、対極とである集塵電極18は相対的にプラスに帯電
しているため、荷電した微粒子Pは、クーロン力の作用
によって集塵電極18に引寄せられ、集塵面30に電気
的に捕集される。これにより、油煙や水分などの細かい
ミストを含む微粒子Pを汚染空気Dから除去することが
できる。このとき、前述したように、ハウジング8全体
が相対的にプラスに帯電しているために、荷電した微粒
子Pは空気通路7の内壁面に付着し、捕集されることも
ある。
【0049】なお、第一放電部12の放電極17は、放
電軸24を軸心として所定の回転数(例えば、500r
pm)で回転している。したがって、対極となる集塵電
極18と重なる部分が経時的に変化するため、この重な
った位置にある放電極17の放電突起25からコロナ放
電CDが発生しやすくなる。回転によって複数の放電突
起25からコロナ放電CDが発生するため、放電極17
に近づいた微粒子Pが荷電される確率が上がる。そのた
め、集塵電極18における捕集が効率的に行なえる。さ
らに、コロナ放電CDの発生が一箇所の放電突起25に
集中しないため、放電極17の寿命を延ばすこともでき
る。
【0050】さらに、微粒子Pの捕集された集塵電極1
8は、駆動ベルト21によって回転が同期し、放電極1
7と同回転数(500rpm)で回転している。そのた
め、集塵面30では集塵軸29から外周方向に向かう遠
心力が発生し、捕集された微粒子Pはこの作用を受け、
集塵電極18の外周に向う力が加わる。このとき、微粒
子Pは周囲の他の微粒子やミストなどと凝集を繰り返
し、自重などを増加させた比較的大きな粒子となる。そ
して、微粒子Pの集塵面30に対する吸着力より該遠心
力が抗すると、集塵電極18から離れる。このとき、前
述したように捕集される前の状態に比べて微粒子Pの大
きさや重量が増加しているために、気流Wを浮遊するこ
とが困難となり、重力にしたがって、下方に落下する。
そして、電気集塵部2の底面に溜まった微粒子Pは、回
収口52から集塵脱臭装置1の底部に設けられた回収部
51に回収パイプ53を通じて回収される。なお、この
場合、微粒子Pは汚染空気D中に含まれる油煙や水分に
よって液状物として溜まることが多い。さらに、前述し
たように油分等を含む微粒子Pの場合は、遠心力により
飛散すると粘性により空気通路7の内壁面に付着し、そ
の後、内壁面を伝って電気集塵部2の底面に溜まること
もある。
【0051】また、電気集塵部2は、第一集塵部13に
おいて捕集することが出来なかった微粒子Pを、さらに
下流側に設けられた第二放電部14で再荷電をするとと
もに、第二集塵部15で微粒子Pを捕集することができ
る。これにより、微粒子Pを二段階で捕集するために、
集塵効率が上がり汚染空気Dから微粒子Pがほぼ完全に
除去された状態となる。なお、本実施形態において放電
部12,14及び集塵部13,15をそれぞれ二つずつ
交互に設置したものを示したが、この設置数は、特に限
定されるものではなく、捕集対象となる微粒子Pの特性
や捕集条件などに応じて一つまたは三つ以上の複数箇所
などに設置することもできる。
【0052】その後、電気集塵部2を通過して微粒子P
が除去された除塵空気NDは、電気集塵部2の下流側に
設けられた脱臭部11に送られる。ここで、除塵空気N
Dは、電気集塵部2において除去することが出来なかっ
た臭気成分Sを含んでいる。なお、空気通路7は電気集
塵部2の下流側で略垂下し、さらに分岐部37において
上下二つの分岐通路38a,38bに分岐している。そ
して、分岐部37に設けられたダンパ39によって、上
下の分岐通路38a,38bを流れる除塵空気NDの量
を均等にする調整ができる。そのため、脱臭ユニット4
の処理量を各ユニットで平均化することができ、一方の
脱臭ユニット4の脱臭性能が極端に低下することがな
い。さらに、脱臭ユニット4の交換作業を略同一の時期
に行なうことができるため、メンテナンス作業等が容易
になる。
【0053】さらに、図1に示すように、脱臭ユニット
4は、分岐通路38a,38bの底面48に対してフィ
ルタ面47を傾斜させた状態で、かつ分岐通路38a,
38bに填装されている。これにより、フィルタ面47
と除塵空気NDとの接触面積を大きくすることができ
る。これにより、光触媒反応によって分解、及び脱臭す
る脱臭ユニット4の処理能力を上げることができる。
【0054】さらに、脱臭ユニット4が傾斜した状態で
配設されているために、分岐通路38a,38bの底面
48に対して略直交させた場合と比べて圧力損失が抑え
る効果が期待される。したがって、処理能力の増加とと
もに、吸引ファン9に係る負荷を減らす可能性が高くな
り、比較的小型の吸引ファン9を利用することができ、
装置全体の小型化に貢献することができる。なお、分岐
通路38a,38bの底面48には、前述した電気集塵
部2に設けられたものと同様の回収口52が形成され、
回収パイプ53を通して回収部51につながっている。
これにより、分岐通路38a,38bの底面48に溜ま
る滞留物を外部に排出することができる。
【0055】ここで、脱臭ユニット4では、紫外線ラン
プ43から照射された紫外線によって光触媒反応が引き
起こされ、強い酸化力を有するヒドロキシラジカルが生
成される。そして、多孔性の光触媒フィルタ40の孔部
を透過する除塵空気NDに含まれる臭気成分Sが、ヒド
ロキシラジカルによって酸化されるために分解し、脱臭
が行なわれる。その後、補助フィルタ44によって硫黄
系の成分を含有する臭気を脱臭することにより、吸気口
5から吸込んだ汚染空気Dを清浄化した清浄空気Fとし
て排気口6から排出することができる。
【0056】さらに、二つの分岐通路38a,38bの
それぞれに脱臭ユニット4が設けられるため、一つあた
りの脱臭ユニット4の処理量を分散して処理することが
できる。これにより、長時間に渡って安定した脱臭性能
で処理が行なえる。加えて、分岐通路38a,38bが
上下に積層して形成され、さらに上方に電気集塵部2を
設けた構成とすることにより、集塵脱臭装置1を縦型に
まとめることができる。これにより、集塵及び脱臭の効
率を犠牲にすることなく装置全体をコンパクトに形成す
ることができる。したがって、厨房などの設置スペース
に制限がある場所での設置が可能となる。さらに、脱臭
ユニット4が空気通路7に対して着脱可能に設けられる
ため、脱臭効率が低下した場合の交換が容易となり、常
に安定した性能を発揮させることができる。なお、酸化
チタンの光触媒能は、脱臭ユニット4を洗浄処理するこ
とによって回復するため、再利用することができ、経済
的負担も小さくなる。
【0057】以上述べたように、本実施形態の集塵脱臭
装置1によれば、臭気成分S及び微粒子Pを含む汚染空
気Dを、第一段階として電気集塵部2によって微粒子P
を、クーロン力を利用して除去し、次段階として除塵空
気NDに残存する臭気成分Sを、光触媒反応を利用して
脱臭ユニット4によって分解、脱臭することができる。
これにより、微粒子Pが直接脱臭ユニット4に付着し、
光触媒反応を阻害することがない。そのため、長時間に
渡って安定した脱臭性能を維持しながら処理することが
できる。加えて、電気集塵部2の集塵電極18及び放電
極17が回転することにより、集塵電極18に付着した
微粒子Pを、遠心力を利用して飛散させることができ
る。そのため、集塵電極18に微粒子Pが多量に付着す
ることによって発生する集塵効率の低下を防ぎ、安定し
た集塵性能を維持しながら微粒子Pを捕集することがで
きる。さらに、放電極17の回転によって放電効率の向
上及び放電極17の寿命も延ばすことができる。
【0058】加えて、本実施形態の集塵脱臭装置1は、
脱臭ユニット4の光触媒反応で完全な除去が困難な硫黄
系の臭気成分を補助フィルタ44によって補助的に脱臭
することができる。これにより、さらに清浄化された清
浄空気Fを排出することができる。
【0059】なお、本実施形態の集塵脱臭装置1を用い
た脱臭性能の一例を示すと、吸気口5付近において測定
した生ゴミの臭気濃度=1583が、本実施形態の集塵
脱臭装置1を稼動させることによって、排気口6では臭
気濃度=93まで減少した測定データも得られている。
【0060】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可
能である。
【0061】本実施形態の集塵脱臭装置1において補助
フィルタ44を光触媒フィルタ40の下流側に設けるも
のを示したが、これに限定されるものではなく、光触媒
フィルタ40の上流側に設けるものであってもよい。ま
た、補助フィルタ44を設けないものであっても構わな
い。さらに、分岐通路38a,38bを上下二つに積層
して設けたものを示したが、分岐通路の数及び配置構成
に付いては設置するスペースに合わせて適宜変更するこ
とが可能である。
【0062】さらに、電気集塵部2は、集塵電極18に
捕集された微粒子Pを機械的に拭取るワイパーのような
ものや、従来の電気集塵器などに使用される水や洗浄液
を集塵電極18に噴射して洗浄する洗浄設備などを設け
てもよい。これにより、さらに集塵電極18に蓄積する
微粒子Pの量が少なくなり、安定した捕集をすることが
できるようになる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2の
発明の集塵脱臭装置は、電気集塵手段によって微粒子を
捕集し、さらに光触媒フィルタを有する脱臭ユニットに
よって臭気成分を脱臭を一体化してまとめた装置で行な
うことができる。これにより、微粒子が直接光触媒フィ
ルタに担持された光触媒に付着することがないため、光
触媒反応を阻害することがなくなる。これにより、長時
間に渡って安定した集塵及び脱臭性能を発揮することが
できる。
【0064】請求項3の発明の集塵脱臭装置は、請求項
1または請求項2の発明の集塵脱臭装置の効果に加え、
集塵部の集塵電極が回転することにより、遠心力により
集塵極に付着した微粒子を飛散させることができる。そ
のため、集塵効率の低下が起きることが少ない。したが
って、大量の汚染空気の微粒子を長時間に渡って処理す
ることができる。
【0065】請求項4の発明の集塵脱臭装置は、請求項
3の発明の集塵脱臭装置の効果に加え、放電極が回転す
ることにより、コロナ放電の発生箇所が増加するため、
放電効率が向上する。さらに放電極の寿命も延びる。
【0066】請求項5の発明の集塵脱臭装置は、請求項
1乃至請求項4のいずれか一つの発明の集塵脱臭装置の
効果に加え、脱臭ユニットを空気通路に傾斜させて填装
されることにより、除塵空気との接触面積を増大させ、
脱臭を効率的に行なうことができる。さらに、圧力損失
を抑えることが期待され、吸引ファンを小さなものにす
ることができるため、装置全体の小型化に貢献できる。
【0067】請求項6の発明の集塵脱臭装置は、請求項
1乃至請求項5のいずれか一つの発明の集塵脱臭装置の
効果に加え、分岐通路を形成することにより、除塵空気
を分流することができる。これにより、一つ当りの脱臭
ユニットに係る負担を小さくすることが可能となり、安
定した脱臭が行なえる。
【0068】請求項7の発明の集塵脱臭装置は、請求項
6の発明の集塵脱臭装置の効果に加え、分岐通路を流れ
る除塵空気の流量比を均等にすることができる。そのた
め、それぞれ脱臭ユニットの処理量を平均化することが
可能となり、脱臭性能の低下が偏ることがない。さら
に、脱臭ユニットの交換時期をほぼ一致させることがで
きるため、メンテナンス作業等の負担が抑えられる。
【0069】請求項8の発明の集塵脱臭装置は、請求項
5乃至請求項7のいずれか一つの発明の集塵脱臭装置の
効果に加え、装置全体を縦型に形成することができる。
これにより設置面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の集塵脱臭装置の構成を側方から模
式的に示す説明図である。
【図2】本実施形態の集塵脱臭装置における電気集塵部
の構成を上方から模式的に示す説明図である。
【図3】電圧・駆動制御部の構成を模式的に示す説明図
である。
【図4】脱臭ユニットの構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 集塵脱臭装置 2 電気集塵部(電気集塵手段) 4 脱臭ユニット 5 吸気口 6 排気口 7 空気通路 8 ハウジング 9 吸引ファン(気流発生手段) 12 第一放電部(放電部) 13 第一集塵部(集塵部) 14 第二放電部(放電部) 15 第二集塵部(集塵部) 16 電圧供給部(放電電圧供給手段) 17 放電極 18 集塵電極 19 駆動モータ(集塵駆動手段、放電駆動手段) 20 駆動軸(集塵駆動手段、放電駆動手段) 21 駆動ベルト(集塵駆動手段、放電駆動手段) 22,23 放電軸受部 24 放電軸 27,28 集塵軸受部 29 集塵軸 34 テンションローラー(集塵駆動手段、放電駆動手
段) 36 連結ローラー(集塵駆動手段、放電駆動手段) 37 分岐部 38a,38b 分岐通路 39 ダンパ(流量比調整手段) 40 光触媒フィルタ 43 紫外線ランプ(紫外線照射手段) 47 フィルタ面 CD コロナ放電 D 汚染空気 F 清浄空気 ND 除塵空気 P 微粒子 S 臭気成分 W 気流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B03C 3/08 B03C 3/10 A 3/10 Z 3/40 A 3/40 3/41 C 3/41 Z 3/47 3/47 B01D 53/36 H (72)発明者 松原 章 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 朝日 康博 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 古田 正俊 岐阜県各務原市須衛町2丁目540番地の2 株式会社是須技工内 Fターム(参考) 4C080 AA07 AA10 BB02 CC01 JJ03 KK08 MM02 NN02 4D048 AA22 AB03 BA07X BA41X CA01 CD03 CD05 EA01 EA03 4D054 AA11 BA02 BB06 BB18 BC02 BC28 BC36 EA11 EA14 EA27 4G069 AA03 BA04B BA13B BA48A CA10 CA17 DA06 EA11 EB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭気成分及び微粒子を含む汚染空気を吸
    込む吸気口、及び清浄空気を排出する排気口を連通する
    空気通路が内部に形成されたハウジングと、 前記空気通路に気流を発生させる気流発生手段と、 前記空気通路に設けられ、コロナ放電を発生させて前記
    微粒子を荷電するとともに、荷電した前記微粒子を、ク
    ーロン力を利用して捕集する電気集塵手段と、 前記空気通路の前記電気集塵手段の下流側に設けられ、
    前記電気集塵手段によって前記微粒子が除塵された除塵
    空気が透過可能な光触媒が担持された光触媒フィルタ、
    及び前記光触媒に紫外線を照射する紫外線照射手段を有
    し、前記空気通路に着脱可能に配設された脱臭ユニット
    とを具備し、 前記紫外線照射手段によって前記紫外線が照射された前
    記光触媒の光触媒反応を利用して、前記光触媒フィルタ
    を透過する前記除塵空気に含まれる前記臭気成分を分解
    することを特徴とする集塵脱臭装置。
  2. 【請求項2】 前記光触媒フィルタは、 複数の孔部を有する多孔性材料で形成され、表面及び前
    記孔部に前記光触媒が担持されていることを特徴とする
    請求項1に記載の集塵脱臭装置。
  3. 【請求項3】 前記電気集塵手段は、 前記コロナ放電を発生させる放電電圧を供給する電圧供
    給部と、 前記電圧供給部によって供給される前記放電電圧によっ
    て前記コロナ放電を発生させる放電部と、 前記放電部の下流側に設けられ、棒状の集塵軸、及び略
    円板状を呈し、前記集塵軸の周面に取付けられた集塵電
    極を有する集塵部とを有し、 前記集塵部の前記集塵軸を前記気流に対して略直交する
    方向に一致させ、前記空気通路内に架渡すとともに、回
    転可能に軸支する集塵軸受部と、 前記集塵軸受部に軸支された前記集塵軸の一端と連結
    し、前記集塵電極を回転させる集塵駆動手段とをさらに
    具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の集塵脱臭装置。
  4. 【請求項4】 前記放電部は、 棒状の放電軸、及び複数の放電突起が形成され、前記放
    電軸の周面に取付けられた略円板状を呈する放電極をさ
    らに有し、 前記放電部の前記放電軸を前記気流に対して略直交する
    方向に一致させ、前記空気通路内に架渡すとともに、回
    転可能に軸支する放電軸受部と、 前記放電軸受部に軸支された前記放電軸の一端と連結
    し、前記放電極を回転させる放電駆動手段とをさらに具
    備することを特徴とする請求項3に記載の集塵脱臭装
    置。
  5. 【請求項5】 前記脱臭ユニットは、 前記光触媒フィルタのフィルタ面を前記空気通路に対し
    て傾斜させるとともに、前記空気通路に填装されること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記
    載の集塵脱臭装置。
  6. 【請求項6】 前記空気通路は前記電気集塵手段の下流
    側で少なくとも二つ以上に分岐した分岐通路が形成さ
    れ、 すべての前記分岐通路に前記脱臭ユニットが配設される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つ
    に記載の集塵脱臭装置。
  7. 【請求項7】 前記空気通路を分岐する分岐部に設けら
    れ、 それぞれの前記分岐通路を流れる前記除塵空気の流量比
    を調整する流量比調整手段をさらに備えることを特徴と
    する請求項6に記載の集塵脱臭装置。
  8. 【請求項8】 前記分岐通路は、 上下に積層して形成されることを特徴とする請求項5乃
    至請求項7のいずれか一つに記載の集塵脱臭装置。
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