JP3347120B2

JP3347120B2 - 排煙処理装置

Info

Publication number: JP3347120B2
Application number: JP2000059306A
Authority: JP
Inventors: 美佐男岩田; 真示加藤; 裕和渡邊; 美喜雄平野; 久徳黒部; 恵美子迫; 則人迫; 秀文山岡; 清岡部; 幹雄山崎
Original assignee: Noritake Co Ltd
Current assignee: Noritake Co Ltd
Priority date: 2000-03-03
Filing date: 2000-03-03
Publication date: 2002-11-20
Anticipated expiration: 2020-03-03
Also published as: JP2001246285A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、厨房等から発生す
る油脂および臭気を含んだ排煙を浄化する排煙処理装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ホテルや飲食店、レストランの厨房等で
は、油脂や臭気を含んだ排煙が発生するので、近隣に悪
臭等の迷惑を及ぼさない状態にして排煙を排出できるよ
うにするための排気浄化装置が設けられている。

【０００３】この排気浄化装置としては、例えば屋外に
連通した排気ダクトに、ファンとグリスフィルタとを設
け、ファンによって吸引した排煙から油脂分や塵埃の混
合したタール状物質といった汚染物質をグリスフィルタ
によって捕捉するものがある。あるいは、フィルタを筒
状にして回転させながら、通過する排煙から汚染物質を
捕捉するとともに、フィルタの一部を洗浄液に浸漬させ
て洗浄する構造のものもある。この場合、長期間使用し
ても目詰まりを生じることはなく、メンテナンスが容易
となる。

【０００４】また、酸化チタン等の光触媒をフィルタに
担持させて、フィルタに紫外線を照射して、捕捉した油
脂分を光触媒作用によって分解するとともに、排煙がフ
ィルタを通過する際に酸化チタンに接触した排煙中の臭
気成分を分解するようにした排気浄化装置も知られてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ものでは、油脂分を除去することはできるが、臭気成分
や煙の微粒子はフィルタを通り抜けてしまい、除去する
ことができない。また、後者のものでは、臭気成分や油
脂分を除去することはできるが、無機物からなる煙の微
粒子を除去することはできず、しかもフィルタに油脂分
が捕捉されたとき、目詰まりを起こすと、紫外線が遮ら
れて光触媒が活性化せず、油脂分を分解することができ
なくなる。このように、従来の排気浄化装置には、一長
一短があり、油脂分や臭気成分を含んだ排煙から煙の微
粒子までをも除去して、排煙を浄化処理できるものはな
かった。

【０００６】そして、従来の排気浄化装置は一般的にダ
クトとともに設置されているため、設置場所が限定され
てしまって、厨房内のレイアウトを変えたときに対応で
きず、装置の機能を十分に発揮させることができなくな
る。また、フィルタの取り外しに手間がかかり、フィル
タの清掃等のメンテナンス作業が容易でない。

【０００７】本発明は、上記に鑑み、油脂分や臭気成分
のみならず煙の微粒子もまた除去できる排煙処理装置を
提供することを目的とする。また、任意の場所に設置で
きて、効率よく排煙の浄化を行える排煙処理装置を提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、油脂除去用の脱油フィルタ体と、煙粒子除去用の
集塵機と、脱臭用の光触媒フィルタ体とを設け、これら
構成部材を吸気口と排気口とを連通する排煙通路にこの
順に配したものである。これによって、吸気口から入っ
た排煙は、まず脱油フィルタ体で油脂分や塵埃が除去さ
れ、次に集塵機で煙の粒子が除去され、最後に光触媒フ
ィルタ体で臭気成分が除去され、清浄な空気となって排
気口から排気される。

【０００９】このとき、各構成部材の特性を大いに発揮
させるためには、それぞれの構成部材に適した排煙の流
れを形成しなければならない。すなわち、脱油フィルタ
体に対しては、勢いよく排煙を衝突させることによっ
て、質量の重い油脂分や塵埃を確実に捕捉できる。集塵
機に対しては、排煙中から煙の粒子を分離して捕集でき
るように、時間をかけて集塵機を通過させる。光触媒フ
ィルタ体に対しては、排煙を拡散させて、臭気成分と接
触する機会を多くする。

【００１０】そこで、各構成部材に応じて排煙の風速を
調整する必要があり、排煙通路の断面積を各構成部材ご
とに異ならしめるとよい。具体的には、脱油フィルタ体
のある排煙通路では、断面積を小さくして風速が速くな
るようにし、集塵機がある排煙通路では、断面積を大き
くして風速を遅くし、光触媒フィルタ体がある排煙通路
では、断面積をさらに大きくして排煙の分散を図る。こ
れによって、各構成部材の特性を十分に満足させること
ができ、効果的に各種の汚染物質を除去でき、効率のよ
い排煙処理を実行できる。また、排気口の面積を大きく
して、この排気口を覆うように光触媒フィルタ体を配置
すれば、排煙は必ず光触媒フィルタ体を通過することに
なり、排煙と光触媒フィルタ体との接触機会を増やすこ
とができ、臭気成分の分解量の増大を図れる。

【００１１】なお、排煙の風速を調整する手段として
は、排煙通路の断面積を変化させる以外にも、排煙通路
内にバッフルを設けて、排煙の流れを変化させることに
よって、風速を低下させてもよい。あるいは、脱油フィ
ルタ体の上流側に、風速の加速用にファンを設けてもよ
い。

【００１２】そして、脱油フィルタ体、集塵機、光触媒
フィルタ体を１つのキャビネットに内装することによっ
て、容易に移動可能となり、厨房内に限らず公衆の集ま
る場所でも使用することが可能となり、排煙処理装置の
汎用性が高まる。

【００１３】ところで、キャビネット内に各構成部材を
設けるとき、限られたスペースに配置する必要があり、
また光触媒フィルタ体に油脂が付着することを避けるよ
うにしなければならない。そこで、キャビネットの下部
に吸気口を形成し、上部に排気口を形成して、キャビネ
ット内に下から上に向かって脱油フィルタ体、集塵機、
光触媒フィルタ体を設置させるとよい。さらに、各構成
部材をそれぞれ異なる空間に配置すればよく、キャビネ
ット内を複数の処理室に区画して各処理室にそれぞれ構
成部材を設置する。したがって、排煙中の油脂分はキャ
ビネット内の下方において除去されるので、上方まで達
することがなく、光触媒フィルタ体に油脂が付着するこ
とを防止でき、光触媒フィルタ体の機能低下を防げる。

【００１４】また、これに伴って排煙通路を直線的にす
るのではなく、途中で屈曲させることによって、その断
面積を容易に変化させることができる。このとき、脱油
フィルタ体のフィルタとして、閉じた空間を形成するよ
うな形状、例えば筒状、無端ベルト状にするか、あるい
は複数のフィルタを用い、しかも屈曲した部分に配置し
ておく。すると、排煙は、流れの方向を変えられながら
フィルタを複数回通過することになり、油脂分の除去率
を高くできる。

【００１５】さらに、この脱油フィルタ体にフィルタを
洗浄する洗浄手段を設けると、排煙処理を行いながらフ
ィルタに捕捉された油脂分をクリーニングすることがで
き、常に目詰まりのない状態でフィルタを使用可能とな
って、排煙処理の効率がよくなるとともに、メンテナン
スの頻度を少なくできる。なお、洗浄手段としては、洗
浄液を入れた洗浄槽をフィルタの下方に設け、フィルタ
の一部を浸漬させる。そして、フィルタを回転させたり
して移動させ、洗浄槽に浸漬されたフィルタから油脂を
分解して、洗浄を行う。あるいは、洗浄液を供給するノ
ズル等を設け、これをフィルタに対して移動させなが
ら、洗浄液を噴射して、フィルタから油脂を洗い落と
す。

【００１６】また、光触媒フィルタ体は、セラミックス
多孔体の表面にセラミックス粒子が担持されるとともに
その表面に光触媒が被覆された光触媒フィルタを用い、
光触媒フィルタによる臭気成分の分解を促進するために
紫外線、可視光線を照射する光源を備えている。光触媒
フィルタは、三次元網目構造のセラミックス多孔体の表
面にセラミックス粒子が担持されるとともにその表面に
光触媒が被覆されたものであり、凹凸の表面を有し、排
煙との接触面積の増大が図られている。そして、光触媒
フィルタは光源を挟んで両側に対向して配置される。こ
のような構造にすることによって、少ないスペースで光
触媒フィルタの面積を増やすことができるとともに、四
方に照射される光源の光を有効に活用でき、光触媒作用
を活発にできる。

【００１７】上記の排煙処理装置は、キャビネットに一
体化された構造となっているので、これを排気ダクトに
介装して、排煙通路を排気ダクトと連通させることも可
能である。あるいは、排気ダクトをキャビネットの代わ
りとして、各構成部材を排気ダクト内に設けるようにし
てもよい。さらに、キャビネットの小型化を進めれば、
家庭用や車内用の空気清浄器としても使用できる。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の排煙処理装
置を図１〜３に示す。本排煙処理装置は、吸気口１およ
び排気口２が形成されたキャビネット３内に、油脂除去
用の脱油フィルタ体４と、煙粒子除去用の集塵機５と、
脱臭用の光触媒フィルタ体６と、排煙をキャビネット３
内に吸い込んで浄化後に排気するためのファン７とを備
えている。

【００１９】キャビネット３は、縦長の箱状に形成さ
れ、底面にキャスタ８が取り付けられ、移動可能とされ
る。キャビネット３の対向する側面下部の中央にそれぞ
れ吸気口１が形成され、同じ側面上部にそれぞれ排気口
２が形成される。吸気口１は、円形の孔であり、排気口
２は、多数のスリットからなる。なお、排気口２は、キ
ャビネット３の二方だけでなく、一方だけ、あるいは三
方、四方に形成してもよく、さらに上面に形成してもよ
い。

【００２０】そして、キャビネット３内は、階層的に４
つの室に分けられており、最下層室１０には、吸気口１
が設けられ、両側から吸い込まれた排煙が通過する空間
とされ、その上に順に脱油フィルタ体４が設置された第
１処理室１１、集塵機５が設置された第２処理室１２、
光触媒フィルタ体６およびファン７が設置された第３処
理室１３が配される。最下層室１０の上面の一側に第１
処理室１１に通じる開口１４が形成され、第１処理室１
１の上面の一側に第２処理室１２に通じる開口１５が形
成され、第２処理室１２の上面の他側に第３処理室１３
に通じる開口１６が形成され、第３処理室１３に排気口
２が設けられている。これにより、吸気口１から最下層
室１０、第１処理室１１、第２処理室１２、第３処理室
１３を経て排気口２に至る排煙通路がキャビネット３内
に形成され、図中矢印で示すように排煙は流れる。

【００２１】脱油フィルタ体４は、図４、５に示すよう
に、通気性を有する円筒状のフィルタ２０と、このフィ
ルタ２０を保持する保持体２１と、フィルタ２０の少な
くとも一部を洗浄する洗浄手段と、フィルタ２０を回転
させる移動手段と、これらを一体的に保持するフィルタ
ケース２２とを備えてなる。

【００２２】フィルタ２０は、図６に示すように、例え
ばステンレススチールウール等の金属線や金属リボンと
いった金属繊維が集綿されて不織布状とされ、これを円
筒状に成形したものである。保持体２１は、パンチング
孔等の通気孔２３が形成されたステンレス鋼板からなる
円筒状の外皮胴体２４と、格子状の内皮胴体２５と、軸
方向両端において両胴体２４、２５をつなぐホイール２
６とからなり、外皮胴体２４と内皮胴体２５とが所定の
間隙を有して設けられ、両胴体２４、２５の間にフィル
タ２０が介装され、中心に内部空間２７が形成される。
なお、フィルタ２０として、活性炭繊維を用いてもよ
く、さらには外層に金属繊維のフィルタ、内層に活性炭
繊維の織布とする２層構造としてもよい。この活性炭繊
維のように可撓性に富むフィルタ２０を用いる場合、フ
ィルタ２０と内皮胴体２５との間に金網を設けて、内面
側にはみ出さないようにする。

【００２３】両ホイール２６に回転軸２８が設けられ、
回転軸２８がフィルタケース２２に回転自在に支持さ
れ、回転軸２８の一端がフィルタケース２２から突出し
て、フィルタケース２２の外側に設けられたモータ２９
に連結される。これらによって移動手段が構成され、モ
ータ２９の駆動によってフィルタ２０が回転される。

【００２４】洗浄手段は、洗浄液にフィルタ２０を浸漬
させる洗浄槽３０と、洗浄液を貯溜した洗浄液タンク３
１と、洗浄液を供給するポンプ３２とを備え、ポンプ３
２を介して洗浄液タンク３１からの供給管３３が洗浄槽
３０に接続される。洗浄槽３０には、洗浄液が所定の水
位を越えるとオーバーフローして流出するようにオーバ
ーフロー管３４が接続され、また底面に排水管３５が接
続され、バルブ３６によって排水管３５が開閉される。
ここで、洗浄槽３０内の洗浄液の水位はフロートスイッ
チによって検知されており、洗浄液が減って水位が下が
ると、ポンプ３２が駆動され、洗浄液タンク３１から洗
浄液が供給される。また、洗浄槽３０の底部には、超音
波発生装置が設けられており、フィルタ２０の洗浄を助
長している。

【００２５】洗浄液は、例えば松材などの植物から抽出
されたオレイン酸やリノール酸などにて調製されたトー
ル油から作製されたアミンソープを主成分とし、高級ア
ルコール系非イオン界面活性剤などが混合されている。
そして、洗浄液は、特に油脂に対して洗浄性が高く、抗
菌性、殺菌性を有し、中性で防腐剤などを含まず、無リ
ン、無着色、不燃性のものが好ましい。これによって、
フィルタ２０に捕捉された油脂分や塵埃、ミスト等の汚
染物質が確実に除去され、フィルタ２０は再生されて繰
り返し使用される。

【００２６】フィルタケース２２は、その下部が洗浄槽
３０とされ、洗浄槽３０の上方がフィルタ２０を囲む角
筒状の導風体３７とされる。導風体３７には、上面およ
び軸方向の側面とは異なる左右の側面に開口が形成され
ており、フィルタ２０が外部に露出して、側面の開口が
排煙の流入口３８とされ、上面の開口が排出口３９とさ
れ、流入口３８と排出口３９とはフィルタ２０を介して
連通される。また、流入口３８の上部には、シール部材
４０が設けられ、シール部材４０の一端がフィルタ２０
の外周面に当接することによって、フィルタ２０が流入
口３８に対して気密に対向する。したがって、流入口３
８から直接排出口３９に向かう排煙の流れは阻止され、
流入口３８を通過する排煙はすべてフィルタ２０を通り
抜ける。なお、図中、４１はモータ２９やフロートスイ
ッチを覆うカバー、４２はリード線である。

【００２７】そして、脱油フィルタ体４のフィルタケー
ス２２は、キャビネット３の第１処理室１１に着脱自在
に取り付けられている。第１処理室１１は２層に区画さ
れており、一側から他側に向かい、そして他側から一側
に向かう流れが形成されるように、第１処理室１１内で
の排煙通路は屈曲路とされ、下側から上側に立ち上がる
屈曲部分に脱油フィルタ体４が配置される。

【００２８】このように、限られた空間である室内を２
層に区画して排煙通路を屈曲させることにより、排煙通
路の断面積を小さくできる。したがって、排煙の風速を
速くすることができるとともに、流れ方向の転換による
流れの乱れが発生することも相俟って、排煙中の油脂分
を効率よく除去することができる。すなわち、脱油フィ
ルタ体４を通過するときの排煙の風速を速くすることに
よって、排煙がフィルタ２０に勢いよく衝突することに
なり、質量の軽い粒子等は衝突しても跳ね返されるが、
重量の重い油脂分、塵埃等は反発力が小さいのでフィル
タ２０に捕らわれる。また、風速を速くすることによっ
て、乱流が発生しやすくなるので、排煙中の油脂分とフ
ィルタ２０との接触回数が増え、フィルタ２０に捕捉さ
れる確率が高くなる。以上のことより、排煙から油脂分
等を確実に分離除去することが可能となる。

【００２９】集塵機５としては電気集塵機が用いられ、
集塵ケース５０に放電極５１と集塵極５２とを交互に流
れ方向に平行に並べて取り付けた構造とされる。放電極
５１に高電圧を印加すると、コロナ放電が起こり、放電
極５１から負イオンや電子が発生し、これらに煙やミス
ト等の粒子が衝突することによって、粒子が帯電されて
集塵極５２に吸着されるので、排煙中の煙等の粒子を分
離除去できる。

【００３０】そして、第２処理室１２内に、２つの集塵
機５が排煙通路に対して直列に並べて着脱自在に取り付
けられる。ここで、第２処理室１２における排煙通路の
断面積は、第１処理室１１における排煙通路の断面積よ
りも大とされている。すなわち、集塵機５では、粒子を
帯電させて静電的に吸着することによって粒子を捕捉す
るので、風速が速くて粒子の移動速度が吸着速度よりも
速いと、粒子が帯電しても集塵極５２に吸着されること
なく通り過ぎてしまう。したがって、排煙が集塵機５を
ゆっくりと通過できるよう風速を遅くするために、集塵
機５が置かれる排煙通路の断面積を脱油フィルタ体４が
置かれる排煙通路の断面積より大きくしている。

【００３１】光触媒フィルタ体６は、図７、８に示すよ
うに、セラミックス多孔体６０の表面にセラミックス粒
子６１が担持されるとともにその表面に光触媒が被覆さ
れた光触媒フィルタ６２と、光触媒フィルタ６２に光を
照射する光源６３とから構成され、光触媒フィルタ６２
が光源６３を挟んで対向して配置され、これらが枠体６
４に一体的に保持されてユニット化されている。

【００３２】光触媒フィルタ６２は、図９、１０に示す
ように、三次元網目構造を有したセラミックス多孔体６
０の表面にセラミックス粒子６１を担持させて凹凸な表
面層６５を形成し、さらにセラミックス多孔体６０およ
び表面層６５の表面を酸化チタンを主成分とする光触媒
の光触媒層６６で被覆した構造とされ、平板状に成形さ
れる。なお、光触媒としては、酸化タングステン、酸化
亜鉛、酸化バナジウム、酸化ジルコニウムを使用しても
よい。

【００３３】すなわち、三次元網目構造の有機多孔体に
セラミックス微粉末および結合材を含有したスラリを含
浸させて、セラミックス粒子６１を未乾燥のスラリに付
着させ、乾燥した後に加熱して有機多孔体を焼失させる
ことにより、セラミックス粒子６１が担持された三次元
網目構造のセラミックス多孔体６０を形成して、表面層
６５を形成する。そして、酸化チタン微粉末を主成分と
し有機系あるいは無機系のバインダを含有したスラリに
このセラミックス多孔体６０を浸漬して、乾燥後に焼成
して表面層上に酸化チタンの光触媒層６６を形成して、
製造される。なお、有機多孔体が位置した部分には、焼
失痕６７が形成される。

【００３４】枠体６４は、ステンレス鋼等の耐食性金属
によって箱状に形成され、その対向する一対の側面が開
口されている。そして、同一面上に並べられた複数の平
板状の光触媒フィルタ６２が枠組されたフレーム６８に
挟み込まれて固定されることにより、光触媒モジュール
６９が形成される。２組の光触媒モジュール６９が所定
の間隔をおいて配され、この間に複数の光源６３が平行
に配され、枠体６４に光触媒モジュール６９と光源６３
とが固定されて保持される。これによって、光触媒フィ
ルタ６２は枠体６４の両側の開口から外部に露出され、
排煙が２層の光触媒フィルタ６２を通過可能となる。

【００３５】上記の光触媒フィルタ体６は、第３処理室
１３の側壁に形成された排気口２を覆うように配置さ
れ、光触媒フィルタ６２が排気口２に面する。第３処理
室１３は、他の処理室よりも広いスペースを有してお
り、この処理室１３にファン７も設置されており、第２
処理室１２と第３処理室１３とを連通する開口１６を覆
うようにファン７が配され、吸引された排煙はファン７
によって処理室１３内の四方に分散するように排出され
る。すなわち、排煙が処理室１３内に拡散するというこ
とは、断面積の大きい排煙通路を通過することになり、
その結果風速が弱まって、排煙が光触媒フィルタ６２と
接触する時間を増大させることができ、脱臭の効率がよ
くなる。また、光触媒フィルタ体６は最上層に位置する
ので、油脂分がここまで達することは起こり得ず、表面
に油脂分が付着して、機能が低下することを防止でき
る。

【００３６】ここで、セラミックス粒子６１としては、
平均粒径が１μｍ以上１００μｍ以下のものが適してお
り、例えば平均粒径２２μｍの酸化アルミニウムである
アルミナ粒子が用いられる。セラミックス粒子６１の平
均粒径が１μｍより小さいと、セラミックス多孔体６０
の表面の凹凸性が不十分となって光触媒の担持力が低下
し、安定した光触媒の被膜形成が得られなくなる。ま
た、１００μｍより大きくなると、セラミックス多孔体
６０の表面に安定して担持されなくなり、セラミックス
粒子６１が脱落して安定した光触媒の被膜形成ができな
くなるとともに、セラミックス多孔体６０の内部まで侵
入しにくくなり、不均一に担持されて、均一な光触媒の
被膜が得られなくなるおそれがある。

【００３７】セラミックス多孔体６０は、構成する骨格
筋７０の直径が１００μｍ以上１０００μｍ以下のもの
とされる。１００μｍより小さくなると、十分な機械的
強度が得られなくなり、製造性が低下する。また、１０
００μｍより大きくなると、セラミックス多孔体６０の
内部まで光が到達しにくくなり、光触媒による光触媒作
用が低下する。

【００３８】さらに、光触媒フィルタ６２は、空隙率が
６５％以上９５％以下、嵩密度が０．１５ｇ／ｃｍ³以
上０．６０ｇ／ｃｍ³以下およびセル数が１０個／２５
ｍｍ以上３０個／２５ｍｍ以下の３つの条件のうちの少
なくともいずれか１つの条件を満たしておればよい。こ
れらの各種条件を満足することにより、厚さ寸法５ｍｍ
における光透過率が１０％以上５０％以下となる。な
お、セル数とは、２５ｍｍの直線上に位置するセル（空
隙）の数である。

【００３９】光触媒フィルタ６２の空隙率が６５％より
小さいと、排煙の通過の際の圧力損失が増大するととも
に内部まで到達する光量が減少し、さらに排煙中の臭気
成分等の汚染物質の捕捉性や接触割合が低下して、処理
効率が悪くなるおそれがある。また、９５％より大きい
と、強度が低下し、製造性が低下したり、取り扱いにく
くなる。

【００４０】光触媒フィルタ６２の嵩密度が０．１５ｇ
／ｃｍ³より小さくなると、強度が低下し、製造性が低
下したり、取り扱いにくくなる。また、０．６０ｇ／ｃ
ｍ³より大きくなると、排煙が通過する際の圧力損失が
増大し、内部まで到達する光量が減少し、さらに排煙中
の臭気成分等の汚染物質の捕捉性や接触割合が低下し
て、処理効率が悪くなるとともに、質量が増大して製造
性や取り扱い性の問題が生じ、強固に設置できる構造に
しなければならなくなる。

【００４１】光触媒フィルタ６２のセル数が１０個／２
５ｍｍより少なくなると、排煙が通過する際の圧力損失
が増大し、内部まで到達する光量が減少し、さらに排煙
中の臭気成分等の汚染物質の捕捉性や接触割合が低下し
て、処理効率が悪くなるおそれがある。また、３０個／
２５ｍｍより多くなると、強度が低下し、製造性や取り
扱い性が低下するおそれがある。

【００４２】そして、光源６３としては、紫外線を照射
する紫外線ランプが用いられ、波長が３００ｎｍ以上４
２０ｎｍ以下の紫外線、例えば３６０ｎｍ以上３８０ｎ
ｍ以下にピークを有する紫外線を照射するブラックライ
ト、特に波長が１８５ｎｍでもピークを有しオゾンを生
成可能な低圧水銀ランプが好ましい。

【００４３】次に、上記排煙処理装置の動作を説明す
る。まず、排煙処理装置を厨房内に移動させておき、調
理によって蒸気、煙、におい等が発生する。これら油脂
分、煙粒子、臭気成分を含んだ排煙は、ファン７の駆動
によって生じた吸引力によりキャビネット３の吸気口１
から最下層室１０内に吸引される。最下層室１０から第
１処理室１１に入った排煙は、脱油フィルタ体４の流入
口３８から吸引され、フィルタ２０を通過する。このと
き、排煙の風速が速いので、排煙は勢いよくフィルタ２
０に衝突し、油脂分、タール状物質、塵埃等の質量の重
い汚染物質はフィルタ２０の金属繊維に捕捉される。ま
た、排煙は金属繊維の間を縫うように非直線的に通過す
るので、衝突が頻繁に繰り返されて、排煙中の油脂分等
は効率よく分離除去されていく。

【００４４】さらに、排煙は、フィルタ２０の内部空間
２７に流れ、流れの方向が転換されて、さらに流れの乱
流化が進み、再びフィルタ２０を通過して排出口３９か
ら排煙通路に排出される。このように、脱油フィルタ体
４において排煙が２度フィルタ２０を通り抜けることに
よって、油脂分の除去率が高まり、排煙から効率よく汚
染物質が除去される。

【００４５】このフィルタ２０は回転されており、その
一部が常に洗浄槽３０内の洗浄液に浸漬されているた
め、フィルタ２０に捕捉された汚染物質は、洗浄液によ
る洗浄力および超音波による洗浄力によってフィルタ２
０から確実に除去され、フィルタ２０の目詰まりを防げ
る。そして、フィルタ２０の洗浄された部分は、フィル
タ２０の回転により移動していき、洗浄液が付着して濡
れた状態で再び排煙中にさらされて、油脂分等の汚染物
質を除去する。このとき、高温の排煙が侵入してきて
も、濡れたフィルタ２０を通過することによって温度が
下げられ、火災の発生を防止できる。

【００４６】なお、所定時間の使用によって、洗浄液が
劣化したり汚染された場合には、排水管３５から古い洗
浄液を排出して、洗浄液タンク３１から新しい洗浄液を
供給する。また、動作中に洗浄液が揮発等に減ってくる
と、フロートスイッチの作動により洗浄液タンク３１か
ら所定の水位になるまで洗浄液が供給される。

【００４７】脱油フィルタ体４によって油脂分等は除去
されるが、煙の粒子や臭気成分といった微細な汚染物質
は通り抜ける。これらを含んだ排煙は、第１処理室１１
から第２処理室１２に流入する。第２処理室１２に入る
と、排煙通路の断面積が大きくなるので、排煙の風速が
遅くなって、集塵機５に到達する。排煙が集塵機５を通
過するとき、煙等の粒子が帯電されて、集塵極５２に吸
着されることにより、排煙中の煙、ミスト等の粒子が除
去される。このように、集塵機５を通過した排煙は、細
かい固体や液体の粒子が取り除かれて乾燥状態となる。

【００４８】そして、臭気成分が残留した排煙がファン
７によって第３処理室１３に吸い込まれて、この室内に
拡散される。室内に充満した排煙は、光触媒フィルタ体
６にむらなく当たり、これを通過して排気口２からキャ
ビネット３の外部に排出される。このとき、排煙は、光
触媒フィルタ６２の網目構造の隙間を縫うように非直線
的に流れ、頻繁に接触を繰り返しながら光触媒フィルタ
６２を通過していく。光触媒フィルタ６２の表面に、排
煙中の臭気成分が接触したり、集塵機５で除去できなか
った微粒子が吸着して捕捉され、光触媒作用によって分
解される。

【００４９】すなわち、酸化チタンに光源６３から照射
される紫外線が当たると、表面に付着した水分や接触し
た排煙中の水分を酸化して、ヒドロキシラジカル（・Ｏ
Ｈ）を生成するとともに、酸素を還元してスーパーオキ
サイドイオン（Ｏ₂ ^-）を生成する。これらのヒドロキシ
ラジカルやスーパーオキサイドイオンは強力な酸化作用
を示すので、光触媒フィルタ６２の表面に捕捉あるいは
接触した有機化合物が分解されて、二酸化炭素と水にな
る。したがって、排煙中の臭気成分や微細な汚染物質
は、光触媒作用によって完全に排煙中から除去され、排
煙は清浄な空気となって排気口２から外部に排出され
る。

【００５０】上記のような排煙処理装置を使用して、排
煙の浄化処理を行っていくにつれて、フィルタが目詰ま
りしたり、除去した汚染物質等が蓄積されてくる。脱油
フィルタ体４、集塵機５、光触媒フィルタ体６はキャビ
ネット３に内装されているので、各処理室の蓋を開けれ
ば、脱油フィルタ体４、集塵機５、光触媒フィルタ体６
をそれぞれ容易に着脱できる。そのため、これらを取り
外して清掃したり、新品に交換したりといったメンテナ
ンスを容易に行うことができる。

【００５１】他の実施形態の排煙処理装置を図１１に示
す。この排煙処理装置では、脱油フィルタ体として、２
つの脱油フィルタ８０、８１を間隔をあけて排煙通路に
配設した構造とされる。その他の構成は上記実施形態と
同じである。

【００５２】脱油フィルタ８０、８１は、上記のフィル
タと同じ金属繊維からなるフィルタ、２層構造のフィル
タあるいは一般的なグリスフィルタとされ、第１処理室
１１における排煙通路が屈曲する部分に配置される。す
なわち、一方の脱油フィルタ８０は、排煙通路を遮るよ
うに流れの方向に対して傾斜した状態で着脱自在に取り
付けられ、他方の脱油フィルタ８１は、その上方に反対
向きに傾斜した状態で着脱自在に取り付けられる。この
ように脱油フィルタ８０、８１を傾斜させることによ
り、排煙通路に対して脱油フィルタ８０、８１の面積を
増大させることができ、多くの油脂分を捕捉可能とな
る。なお、脱油フィルタは３つ以上であってもよい。

【００５３】したがって、排煙は脱油フィルタ８０、８
１を少なくとも２度通過することになるので、排煙中の
油脂分を確実に除去できる。また、上記の脱油フィルタ
体４と比べて洗浄槽３０をなくすことができるので、そ
の分のスペースを節約でき、キャビネット３の小型化を
図れる。ところで、脱油フィルタ８０、８１に捕捉され
た油脂は、滴下したり、あるいは脱油フィルタ８０、８
１に沿って流れ落ちることがあるので、脱油フィルタ８
０の下方に油受槽を設けておけばよい。なお、脱油フィ
ルタ８０、８１から油脂が離脱しても、各脱油フィルタ
８０、８１の下部が流れの方向の下流側に位置するの
で、油脂は必ず脱油フィルタ８０、８１の上流側に落下
することになり、排煙通路の下流側に向かうことはな
く、下流側の排煙通路が油脂によって汚染されることを
防止できる。

【００５４】さらに、この脱油フィルタ８０、８１に対
して洗浄手段を設けてもよく、洗浄手段としては、上方
から洗浄液を噴射できるようにノズルを設け、脱油フィ
ルタ８０、８１の下方に液受槽を配設する。これによっ
て、脱油フィルタ８０、８１に捕捉された油脂分を洗い
流すことができ、脱油フィルタ８０、８１の性能を長く
維持でき、メンテナンスの頻度を少なくできる。

【００５５】また、他の実施形態として、図１２に示す
ように、厨房に設けられた排気ダクト８２を排煙通路と
して、この排煙通路に脱油フィルタ体４、集塵機５、光
触媒フィルタ体６をこの順に設ける。排煙通路の一部
に、屈曲路を形成して、ここに無端ベルト状に形成し
て、プーリ８３に掛け巻きされたフィルタ２０を有する
脱油フィルタ体４を配置する。そして、脱油フィルタ体
４よりも下流側において、排煙通路の断面積を大きくし
て、集塵機５を配置する。さらに、集塵機５の下流側に
ファン７を配置し、最下流側の排煙通路の二方あるいは
三方に排気口２が形成され、各排気口２に対向して光触
媒フィルタ体６を配置する。なお、各構成部材は上記実
施形態と同じである。

【００５６】このような排煙処理装置において、吸気口
１から吸い込まれた排煙は、まず脱油フィルタ体４によ
って油脂分等の汚染物質が除去され、次に排煙の風速が
速められて、集塵機５によって煙の粒子が除去される。
その後、排煙がファン７を通り過ぎると、各排気口２に
向かって分散して広がり、光触媒フィルタ体６の全面と
の接触が得られ、臭気成分が除去されて、清浄な空気と
なって外部に排出される。

【００５７】ここで、排煙通路を直線状の排気ダクト８
２としてもよいが、この場合排煙の風速を下流に向かう
ほど遅くするためには、排煙通路の断面積を段階的に大
きくしていく。

【００５８】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、脱油フィルタ体のフィルタは、円筒状に限らず無端
ベルト状に形成して、プーリに掛け巻きすることにより
移動するようにしてもよい。集塵機は、電気集塵機以外
にも濾過集塵機、音波集塵機、遠心力集塵機を用いるこ
とができる。

【００５９】また、キャビネットの上部に吸気口、下部
に排気口を形成してもよく、上から脱油フィルタ体、集
塵機、光触媒フィルタ体を配置するが、光触媒フィルタ
体に油脂が触れないように、脱油フィルタ体と光触媒フ
ィルタ体とは完全に分離して配置しておき、脱油フィル
タ体から油脂が漏れても、光触媒フィルタ体にはかから
ないようにする。さらに、キャビネットを横長にして、
水平方向に脱油フィルタ体、集塵機、光触媒フィルタ体
を並べて配置した構造としてもよい。これによって、キ
ャビネットを排気ダクトに直接内装することが可能とな
る。

【００６０】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、排煙中の油脂分を脱油フィルタ体で除去して、
これで除去できない煙の粒子を集塵機で除去し、さらに
これでも除去できない臭気成分を光触媒フィルタ体で除
去するので、油脂や臭気が含まれる排煙の脱油、脱煙、
脱臭を効率よく処理して、完全に清浄な空気に浄化する
ことができる。そのため、浄化処理した排煙を外部に排
出しても、屋内や近隣に悪臭や汚染物質を撒き散らすこ
とがなくなり、しかも一般によく見られる排気口周辺の
汚れも皆無にでき、美観的にもよい環境を産み出すこと
ができる。しかも、各構成部材の特性を活かせるよう
に、排煙の風速を調整しているので、それぞれが効率よ
く機能して、浄化処理能力を高めることができる。

【００６１】そして、各構成部材をキャビネット内に一
体的に設けることによって、容易に移動させることがで
き、任意の場所での使用が可能となる。また、キャビネ
ットの蓋を開ければ、中の構成部材を容易に着脱するこ
とが可能となるので、清掃、交換等のメンテナンスを簡
単に行うことができ、浄化処理能力を長期間にわたって
維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の排煙処理装置の内部構造
を示す正面図

【図２】排煙処理装置の内部構造を示す側面図

【図３】排煙処理装置の内部構造を示す平面図

【図４】脱油フィルタ体の側面図

【図５】脱油フィルタ体の平面図

【図６】脱油フィルタの断面図

【図７】光触媒フィルタ体の平面図

【図８】光触媒フィルタ体の正面図

【図９】光触媒フィルタの部分拡大図

【図１０】光触媒フィルタの部分断面図

【図１１】他の実施形態の排煙処理装置の内部構造を示
す正面図

【図１２】排気ダクト内に設けられる排煙処理装置の構
成図

【符号の説明】

１吸気口２排気口３キャビネット４脱油フィルタ体５集塵機６光触媒フィルタ体７ファン２０フィルタ３０洗浄槽５１放電極５２集塵極６０セラミックス多孔体６１セラミックス粒子６２光触媒フィルタ６３光源６５表面層６６光触媒層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩＢ０３Ｃ 3/155 Ｂ０３Ｃ 3/82 3/38 Ｂ０１Ｄ 53/36 Ｊ 3/82 ＨＢ０３Ｃ 3/14 Ａ (72)発明者岩田美佐男愛知県名古屋市西区則武新町三丁目１番 36号株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者加藤真示愛知県名古屋市西区則武新町三丁目１番 36号株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者渡邊裕和愛知県名古屋市西区則武新町三丁目１番 36号株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者平野美喜雄愛知県名古屋市西区則武新町三丁目１番 36号株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者黒部久徳愛知県名古屋市西区則武新町三丁目１番 36号株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者迫恵美子東京都練馬区東大泉二丁目11番８号株式会社トーテクジャパン内 (72)発明者迫則人東京都練馬区東大泉二丁目11番８号株式会社トーテクジャパン内 (72)発明者山岡秀文大阪府守口市東郷通２丁目７番30号山岡金属工業株式会社内 (72)発明者岡部清大阪府守口市東郷通２丁目７番30号山岡金属工業株式会社内 (72)発明者山崎幹雄大阪府守口市東郷通２丁目７番30号山岡金属工業株式会社内 (56)参考文献特開平10−118519（ＪＰ，Ａ) 特開平６−312146（ＪＰ，Ａ) 特開平10−328575（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B03C 3/00 - 3/88

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】吸気口および排気口を有するキャビネッ
ト内に、前記吸気口から排気口に至る排煙通路が形成さ
れ、該排煙通路に、油脂除去用の脱油フィルタ体と、煙
粒子除去用の電気集塵機と、脱臭用の光触媒フィルタ体
とがこの順に設けられ、排煙が各フィルタ体および集塵
機を通過するときの風速がそれぞれ異なるように、前記
排煙通路の断面積が下流に向かうほど大きくされたこと
を特徴とする排煙処理装置。
【請求項２】光触媒フィルタ体は、排気口を覆うよう
にその近傍に配置されたことを特徴とする請求項１記載
の排煙処理装置。
【請求項３】キャビネットの下部に吸気口が形成さ
れ、キャビネット内に下から上に向かって、油脂除去用
の脱油フィルタ体が設置された第１処理室と、煙粒子除
去用の電気集塵機が設置された第２処理室と、脱臭用の
光触媒フィルタ体が設置された第３処理室とが形成さ
れ、各室が連通されて排煙通路とされ、排煙が各フィル
タ体および集塵機を通過するときの風速がそれぞれ異な
るように、前記排煙通路の断面積が下流に向かうほど大
きくされ、前記第３処理室に排気口が形成され、前記光
触媒フィルタ体は、前記排気口が形成された壁面に沿っ
て配置されたことを特徴とする排煙処理装置。
【請求項４】キャビネットに、排煙を排煙通路内に流
すためのファンが設けられたことを特徴とする請求項１
または３記載の排煙処理装置。
【請求項５】吸気口と排気口とを連通する排煙通路
と、油脂除去用の脱油フィルタ体と、煙粒子除去用の電
気集塵機と、脱臭用の光触媒フィルタ体とを備え、前記
排煙通路に前記脱油フィルタ体、集塵機、光触媒フィル
タ体がこの順に配され、排煙が各フィルタ体および集塵
機を通過するときの風速がそれぞれ異なるように、前記
排煙通路の断面積が下流に向かうほど大きくされたこと
を特徴とする排煙処理装置。
【請求項６】排煙通路内で集塵機と光触媒フィルタ体
との間に、排煙を排煙通路内に流すためのファンが設け
られたことを特徴とする請求項１、３または５記載の排
煙処理装置。
【請求項７】排煙通路の一部に、断面積を小さくした
屈曲路が形成され、該屈曲路に脱油フィルタ体が配置さ
れたことを特徴とする請求項１、３または５記載の排煙
処理装置。
【請求項８】排煙通路が、厨房における排気ダクトに
連通されたことを特徴とする請求項１、３または５記載
の排煙処理装置。
【請求項９】脱油フィルタ体は、通気性を有するフィ
ルタと、該フィルタの少なくとも一部を洗浄する洗浄手
段と、該洗浄手段に対して前記フィルタを相対的に移動
させる移動手段とを備え、光触媒フィルタ体は、セラミ
ックス多孔体の表面にセラミックス粒子が担持されると
ともにその表面に光触媒が被覆された光触媒フィルタ
と、該光触媒フィルタに光を照射する光源とを備えたこ
とを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の排煙処
理装置。
【請求項１０】脱油フィルタ体のフィルタは、排煙が
複数回通過するように筒状あるいは無端ベルト状に形成
され、洗浄手段は、前記フィルタの少なくとも一部が浸
漬する洗浄液を貯溜する洗浄槽を備えたことを特徴とす
る請求項９記載の排煙処理装置。
【請求項１１】脱油フィルタ体は、複数のフィルタを
有し、各フィルタは間隔をおいてそれぞれ傾斜した状態
で配置され、光触媒フィルタ体は、セラミックス多孔体
の表面にセラミックス粒子が担持されるとともにその表
面に光触媒が被覆された光触媒フィルタと、該光触媒フ
ィルタに光を照射する光源とを備えたことを特徴とする
請求項１〜１０のいずれかに記載の排煙処理装置。
【請求項１２】請求項１〜８のいずれかに記載の排煙
処理装置に用いられる光触媒フィルタ体であって、三次
元網目構造のセラミックス多孔体の表面に平均粒径が１
μｍ以上１００μｍ以下のセラミックス粒子が担持され
るとともにその表面に光触媒が被覆された光触媒フィル
タと、該光触媒フィルタに光を照射する光源とを備えた
ことを特徴とする光触媒フィルタ体。
【請求項１３】光触媒フィルタは平板状に成形され、
光源を挟んで対向するように枠体に保持され、前記光触
媒フィルタおよび光源がユニット化されたことを特徴と
する請求項１２記載の光触媒フィルタ体。