JP2001198437A - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置

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JP2001198437A
JP2001198437A JP2000008794A JP2000008794A JP2001198437A JP 2001198437 A JP2001198437 A JP 2001198437A JP 2000008794 A JP2000008794 A JP 2000008794A JP 2000008794 A JP2000008794 A JP 2000008794A JP 2001198437 A JP2001198437 A JP 2001198437A
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filter
photocatalyst
exhaust gas
exhaust air
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Misao Iwata
美佐男 岩田
Shinji Kato
真示 加藤
Hirokazu Watanabe
裕和 渡邉
Mikio Hirano
美喜雄 平野
Hisatoku Kurobe
久徳 黒部
Emiko Sako
恵美子 迫
Norihito Sako
則人 迫
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TOOTEKU JAPAN KK
Noritake Co Ltd
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TOOTEKU JAPAN KK
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で高度に排気風中の汚染物質およ
び異臭成分を除去できる排気浄化装置を提供する。 【解決手段】 調理室5内のレンジフード11内に、ダク
ト本体13の一端開口に連通する排出口を設けた第1排気
処理装置17を配設する。流入口24から流入する排気風18
から、電動機にて回転する略円筒状で通気性および不燃
性のフィルタ体40を流過する際に汚染物質を捕捉する。
汚染物質はフィルタ体40が一部浸漬する洗浄槽22の洗浄
液で洗い落とす。ダクト本体13の排気口12近傍に第2排
気処理装置19を配設する。汚染物質をほとんど除去した
排気風中の異臭成分は、セラミックス粒子を表面に担持
する三次元網目構造のセラミックス多孔体の表面の光触
媒層に接触し、光触媒作用にて分解する。厨房からの汚
染状態が過酷な排気風18でも、高度に浄化処理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気風を浄化する
排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばホテルや飲食店などの特に
油脂を含んだ蒸気や塵埃などの汚染物質を含有する排気
風を生じる給食施設で用いられる厨房設備や家庭厨房用
の排気装置に、特開平6−190223号公報および特
開平9−141024号公報などに記載のグリスフィル
タを用いて排気風を浄化する構成が知られている。
【0003】そして、特開平6−190223号公報に
記載のグリスフィルタは、三次元網目構造を有し空孔率
が60〜90%、見掛け比重が0.25〜1.20、セ
ル数が5〜30個/25mmのものである。
【0004】また、特開平9−141024号公報に記
載のグリスフィルタは、三次元網目構造の合成樹脂発泡
体にセラミックススラリを付着して乾燥した後に焼成
し、得られた三次元網目構造のセラミックス多孔体の骨
格筋の表面に金属酸化物系ポリマを被覆形成したもので
ある。
【0005】しかしながら、これら特開平6−1902
23号公報および特開平9−141024号公報などに
記載のグリスフィルタでは、浮遊する塵埃に油脂を含ん
だ蒸気が付着した油塵などのタールのように粘着性を有
する汚染物質が生じる厨房では、油塵などの汚染物質を
初期段階で効率よく捕捉してもある程度使用し続けると
目詰まりを生じるおそれがあり、頻繁に洗浄するなど保
守管理が煩雑であるとともに、例えばニンニク臭などの
異臭成分はほとんど捕捉できない。
【0006】一方、厨房施設に用いられる排気浄化装置
としては、例えば実開平1−97136号公報や特開平
1−224025号公報に記載のように、調理設備の上
方に配設され、調理設備にて調理した際に生じる排気風
が流入する流入口を開口するとともに、換気扇やファ
ン、ブロワなどに連通して排気風を排出する排出口を開
口するフード本体を備え、このフード本体内にパンチン
グ孔を複数開口した金属薄板やスチールウール状に形成
され通気性を有する無端ベルト状のフィルタを張設し、
このフィルタをモータなどの駆動手段にて回行させ、洗
浄槽に貯溜された洗浄液中に一部を浸漬させて、流通し
た排気風中から捕捉した汚染物質を洗浄し、保守管理性
を向上する構成が採られている。
【0007】また、実開平7−24423号公報に記載
のように、排気風が流入する流入口を開口するとともに
ファンが設けられた排気口を開口する本体内に、枠体に
てステンレス製金網などのフィルタを保持した略円筒状
のフィルタ体を、モータなどの駆動手段にて回転可能に
配設するとともに、このフィルタ体の一部が浸漬する洗
浄液を貯溜する洗浄槽を設け、流入口から流入した排気
風中の汚染物質をフィルタ体のフィルタにて捕捉すると
ともに洗浄液にて洗浄し、保守管理性を向上する構成も
知られている。
【0008】しかしながら、上記実開平1−97136
号公報や特開平1−224025号公報、あるいは実開
平7−24423号公報に記載のような金属素材にて形
成した無端状のフィルタを用いたものでは、排気風がフ
ィルタを流通する際の気流方向の転換や流れが狭められ
る縮流により排気風中の汚染物質を捕捉するため、例え
ばニンニク臭などの異臭成分はほとんど捕捉できず、汚
染物質のさらなる除去率の向上が望まれている。
【0009】このため、活性炭を充填した吸着塔を設け
て脱臭処理したり、フィルタに活性炭を担持することも
考えられるが、ある程度の排気風の浄化処理により活性
炭の吸着能が低減し、作業が煩雑な活性炭の交換やフィ
ルタの交換が必要で、その間に装置を停止する必要があ
り効率よく排気風の浄化処理ができないとともに、頻繁
に活性炭を交換し再処理するためのコストを要し、安価
に処理できない。さらには、吸着塔を用いる場合には装
置が大型化する。また、フィルタに活性炭を担持する構
成では、例えば調理中に火炎が生じた場合、この火炎に
よりフィルタが損傷してしまうおそれがあるとともに、
付着する油脂分により異臭成分の吸着性が低下して大き
な汚染物質の除去率の向上が望めないおそれもある。
【0010】そこで、例えば特開平11−207136
号公報に記載の構成が知られている。
【0011】この特開平11−207136号公報に記
載の排気浄化装置は、フィルタに酸化チタンを担持し、
フィルタに紫外線を照射して、捕捉した油脂分を光触媒
作用により分解するとともに排気風がフィルタを流過す
る際に異臭成分が酸化チタンと接触した場合に光触媒作
用により異臭成分を分解する構成が知られている。
【0012】しかしながら、フィルタに酸化チタンを安
定して担持させることが困難であり、製造が煩雑で、装
置コストの低減が望まれているとともに、フィルタに捕
捉した油脂分により異臭成分が酸化チタンに接触する割
合が低減するため、さらなる異臭成分の除去が望まれて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、特開
平6−190223号公報および特開平9−14102
4号公報などに記載のグリスフィルタでは、保守管理が
煩雑であるとともに、異臭成分の除去ができない。
【0014】また、上記実開平1−97136号公報や
特開平1−224025号公報、あるいは実開平7−2
4423号公報に記載のようなフィルタを洗浄する構成
を用いたものでは、保守管理性は向上するものの異臭成
分を除去できない。
【0015】さらに、特開平11−207136号公報
に記載の光触媒機能を有したフィルタを用いる構成で
は、フィルタの製造が困難で装置コストの低減が望まれ
ているとともに、さらなる異臭成分の除去が望まれてい
る。
【0016】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、簡単な構成で高度に排気風中の汚染物質および異
臭成分を除去できる排気浄化装置を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の排気浄化
装置は、排気風が流通する排気流路内に配設され、三次
元網目構造のセラミックス多孔体の表面に平均粒径が1
μm以上100μm以下のセラミックス粒子が担持され
るとともに光触媒が表面に被覆形成された光触媒フィル
タと、この光触媒フィルタに光を照射する光源とを具備
したものである。
【0018】そして、三次元網目構造のセラミックス多
孔体の表面に平均粒径が1μm以上100μm以下のセ
ラミックス粒子が担持されるとともに光触媒が表面に被
覆形成された光触媒フィルタを排気風の流通する排気流
路内に配設して光を照射することにより、光触媒フィル
タに捕捉された排気風中の油塵などの汚染物質や光触媒
フィルタを通過する際に光触媒と接触する排気風中の異
臭成分は、光触媒作用により分解されるので、油塵など
の汚染物質とともに異臭成分が長期間安定して高度に分
解除去されるとともに、安定して光触媒がセラミックス
多孔体に担持され、簡単な構成で製造性が向上し、コス
トが低減する。
【0019】ここで、セラミックス粒子の平均粒径が1
μmより細かくなるとセラミックス多孔体の表面の凹凸
性が不十分となって光触媒の担持力が低下し、安定した
光触媒の被膜形成が得られなくなる。また、セラミック
ス粒子の平均粒径が100μmより粗くなるとセラミッ
クス多孔体の表面に安定して担持されなくなり、セラミ
ックス粒子が脱落して安定して光触媒の被膜が形成でき
なくなるとともに、セラミックス多孔体の内部まで進入
しにくくなり内部まで略均一に担持されなくなって略均
一な光触媒の被膜が得られなくなるおそれがある。この
ため、セラミックス多孔体に担持するセラミックス粒子
の平均粒径を1μm以上100μm以下とする。
【0020】請求項2記載の排気浄化装置は、請求項1
記載の排気浄化装置において、セラミックス多孔体は、
構成する骨格筋の直径が100μm以上1000μm以
下の骨格筋を有したものである。
【0021】そして、セラミックス多孔体を構成する骨
格筋の直径を100μm以上1000μm以下とするた
め、排気風の流通抵抗の増大を抑制して圧力損失を低減
するとともに、排気風中の汚染物質の捕捉性および異臭
成分との接触割合が増大し、効率よく高度に排気風を浄
化処理する。
【0022】ここで、セラミックス多孔体を構成する骨
格筋が直径100μmより細くなると、光触媒フィルタ
の十分な強度が得られなくなり、製造性が低下する。ま
た、セラミックス多孔体を構成する骨格筋が直径100
0μmより太くなると、セラミックス多孔体の内部まで
光が照射されなくなり、光触媒による光触媒作用が低減
して、効率よく高度に排気風を浄化処理できなくなるお
それがある。このため、セラミックス多孔体を構成する
骨格筋の直径を100μm以上1000μm以下とす
る。
【0023】請求項3記載の排気浄化装置は、請求項1
または2記載の排気浄化装置において、光触媒フィルタ
は、空隙率が65%以上95%以下、嵩密度が0.15
g/cm以上0.60g/cm以下、および、セル
数が10個/25mm以上30個/25mm以下の3つ
の条件のうちの少なくとも一つの条件を備えたものであ
る。
【0024】そして、空隙率が65%以上95%以下、
嵩密度が0.15g/cm以上0.60g/cm
下、および、セル数が10個/25mm以上30個/2
5mm以下の3つの条件のうちの少なくとも一つの条件
を備えた光触媒フィルタを用いるため、排気風の流通の
際の圧力損失を増大することなく、内部まで十分に光が
到達し、排気風中の汚染物質の捕捉性および異臭成分と
の接触割合が増大し、効率よく高度に排気風を浄化処理
する。
【0025】ここで、光触媒フィルタの空隙率が65%
より小さいと、排気風の流通の際の圧力損失が増大する
とともに内部まで到達する光量が減少し、また排気風中
の汚染物質の捕捉性や異臭成分との接触割合が低下し、
排気風の浄化処理効率が低下するおそれがある。また、
光触媒フィルタの空隙率が95%より大きくなると、強
度が低下して、製造性および取扱性が低下するおそれが
ある。このため、光触媒フィルタの空隙率を65%以上
95%以下とする。一方、光触媒フィルタの嵩密度が
0.15g/cmより小さいと、強度が低下して、製
造性および取扱性が低下するおそれがある。また、光触
媒フィルタの嵩密度が0.60g/cmより大きい
と、排気風の流通の際の圧力損失が増大し内部まで到達
する光量が減少し、排気風中の汚染物質の捕捉性や異臭
成分との接触割合が低下し、排気風の浄化処理効率が低
下するおそれがあるとともに、質量が増大して製造性お
よび取扱性の向上が図りにくく、強固に設置できる構造
が必要となり、施工性が低下するおそれがある。このた
め、光触媒フィルタの嵩密度を0.15g/cm以上
0.60g/cm以下とする。さらに、光触媒フィル
タのセル数が10個/25mmより少なくなると、排気
風の流通の際の圧力損失が増大し内部まで到達する光量
が減少し、排気風中の汚染物質の捕捉性や異臭成分との
接触割合が低下し、排気風の浄化処理効率が低下するお
それがある。また、光触媒フィルタのセル数が30個/
25mmより多くなると、強度が低下して、製造性およ
び取扱性が低下するおそれがある。このため、光触媒フ
ィルタのセル数を10個/25mm以上30個/25m
m以下とする。
【0026】請求項4記載の排気浄化装置は、請求項1
ないし3いずれか一記載の排気浄化装置において、光触
媒フィルタは、三次元網目構造の有機多孔体にセラミッ
クス微粉末および結合材を含有したスラリが含浸されセ
ラミックス粒子が未乾燥の前記スラリに付着されて乾燥
された後に加熱され前有機多孔体が焼失されて形成され
たセラミックス粒子が表面に担持されたセラミックス多
孔体に光触媒が被覆形成されたものであるものである。
【0027】そして、三次元網目構造の有機多孔体にセ
ラミックス微粉末および結合材を含有したスラリを含浸
させて、このスラリが乾燥する前にセラミックス粒子を
付着させ乾燥した後に加熱して有機多孔体を焼失しセラ
ミックス粒子が表面に担持されたセラミックス多孔体を
形成する。この後、得られたセラミックス粒子が表面に
担持されたセラミックス多孔体の表面に光触媒を被覆形
成する。このため、排気風の流過の際に圧力損失を増大
することなく排気風中の汚染物質の捕捉性および異臭成
分との接触割合が増大する光触媒フィルタが容易に得ら
れ、製造性が向上する。
【0028】請求項5記載の排気浄化装置は、請求項1
ないし4いずれか一記載の排気浄化装置において、排気
流路内に光触媒フィルタより排気風の上流側に位置して
配設され、前記排気風が流通する通気性を有したフィル
タ体と、このフィルタ体を相対的に移動させて前記排気
風が流通する位置を可変させる移動手段と、前記フィル
タ体に捕捉した前記排気風中の汚染物質を除去して前記
フィルタ体を洗浄する洗浄手段とを備えた排気前処理装
置を具備したものである。
【0029】そして、排気風が流通する通気性を有した
フィルタ体と、このフィルタ体を相対的に移動させて排
気風が流通する位置を可変させる移動手段と、フィルタ
体に捕捉した排気風中の汚染物質を除去してフィルタ体
を洗浄する洗浄手段とを備えた排気前処理装置を、排気
流路内に光触媒フィルタより排気風の上流側に位置して
配設するため、排気風中の汚染物質が排気前処理装置に
て十分に除去され、光触媒フィルタで捕捉する汚染物質
が低減して光触媒が捕捉した汚染物質にて覆われること
を防止し、光触媒と異臭成分との接触性が増大して効率
よく異臭成分を分解除去し、排気風を簡単な構造で高度
に効率よく浄化処理する。
【0030】請求項6記載の排気浄化装置は、排気風が
流通する排気流路内に配設され、前記排気風が流通する
通気性を有したフィルタ体、このフィルタ体を相対的に
移動させて前記排気風が流通する位置を可変させる移動
手段、および、前記フィルタ体に捕捉した前記排気風中
の汚染物質を除去して前記フィルタ体を洗浄する洗浄手
段とを備えた排気前処理装置と、前記排気風路内に前記
排気前処理装置より前記排気風の下流側に位置して配設
され、三次元網目構造のセラミックス多孔体の表面に光
触媒が表面に被覆形成された光触媒フィルタと、この光
触媒フィルタに光を照射する光源とを具備したものであ
る。
【0031】そして、排気風が流通する通気性を有した
フィルタ体と、このフィルタ体を相対的に移動させて排
気風が流通する位置を可変させる移動手段と、フィルタ
体に捕捉した排気風中の汚染物質を除去してフィルタ体
を洗浄する洗浄手段とを備えた排気前処理装置を、排気
風が流通する排気流路内に配設するとともに、三次元網
目構造のセラミックス多孔体の表面に光触媒が表面に被
覆形成された光触媒フィルタを排気風路内に排気前処理
装置より下流側に位置して配設するため、排気風中の汚
染物質が排気前処理装置にて十分に除去され、光触媒フ
ィルタで捕捉する汚染物質が低減して光触媒が捕捉した
汚染物質にて覆われることを防止し、光触媒と異臭成分
との接触性が増大して効率よく異臭成分を分解除去し、
排気風を簡単な構造で高度に効率よく浄化処理する。
【0032】請求項7記載の排気浄化装置は、請求項5
または6記載の排気浄化装置において、フィルタ体は、
移動手段にて中心軸を回転軸として回転移動される略円
筒状の枠体と、金属繊維を含有する通気性で前記枠体に
内部空間を有して略円筒状に保持されるフィルタとを備
えたものである。
【0033】そして、排気風は移動手段にて中心軸を回
転軸として適宜回転される略円筒状のフィルタ体のフィ
ルタの外周面側から内部空間に流過し、再びフィルタ体
のフィルタを内周面側から外周面側に流過して、フィル
タを複数回流通するので、汚染物質の除去率が向上する
とともに、漏れなく略円筒状のフィルタ体に排気風を流
通させる構成が容易に得られる。
【0034】請求項8記載の排気浄化装置は、請求項5
ないし7いずれか一記載の排気浄化装置において、洗浄
手段は、フィルタ体の少なくとも一部が浸漬する洗浄液
を貯溜する洗浄槽を備えたものである。
【0035】そして、洗浄手段に貯溜する洗浄液中にフ
ィルタ体の一部を浸漬させるため、移動手段にて適宜移
動されるフィルタ体にて捕捉した排気風中の汚染物質は
洗浄されてフィルタ体から除去されるので、高度な汚染
物質の除去が長期間得られる構成が容易に得られる。
【0036】請求項9記載の排気浄化装置は、請求項1
ないし8いずれか一記載の排気浄化装置において、排気
流路内にオゾンを供給するオゾン供給手段を具備したも
のである。
【0037】そして、排気流路内にオゾンを供給するオ
ゾン供給手段を設けるため、光触媒作用にあわせてオゾ
ンによる強い酸化分解作用により、排気風中の汚染物質
を高度に浄化処理する。
【0038】請求項10記載の排気浄化装置は、請求項
9記載の排気浄化装置において、オゾン供給手段は、波
長が略185nmの光を照射する光源を備えたものであ
る。
【0039】そして、オゾン供給手段として波長が略1
85nmの光を照射する光源を設けるため、流過する排
気風中の酸素が光源からの波長が略185nmの光によ
りオゾンとなり、簡単な構成で容易にオゾンが供給可能
となるとともに、光源が例えば光触媒フィルタに照射す
る波長の光も照射する構成とすることにより、生成する
オゾンによる強い酸化分解作用と光触媒作用とにて排気
風中の汚染物質を高度に浄化処理する構成が1つの構成
で得られ、構成が簡略化する。
【0040】請求項11記載の排気浄化装置は、請求項
1ないし10いずれか一記載の排気浄化装置において、
光触媒は、酸化チタンであるものである。
【0041】そして、光触媒として光触媒機能が高い酸
化チタンを用いるため、排気風の汚染物質や異臭成分の
分解除去の効率がさらに向上し、効率よく高度に排気風
を浄化処理する。
【0042】請求項12記載の排気浄化装置は、請求項
11記載の排気浄化装置において、光源は、波長が30
0nm以上420nm以下の紫外線を照射するものであ
る。
【0043】そして、波長が300nm以上420nm
以下の紫外線を照射する光源を用いるため、酸化チタン
の光触媒機能を効率よく発現し、さらに効率よく高度な
排気風の浄化処理が得られる。
【0044】請求項13記載の排気浄化装置は、請求項
1ないし12いずれか一記載の排気浄化装置において、
排気流路は、厨房で発生する排気を流通するダクトであ
るものである。
【0045】そして、厨房で発生する油塵および異臭成
分を含有する排気が流通するダクトに配設するため、火
炎が発生しても損傷することなく油塵および異臭成分を
分解除去し、付着によりタール状になる油塵を確実に捕
捉して分解し付着する油塵による異臭の発生および火災
の発生を防止するとともに、排気風中の異臭成分も高度
に分解除去するので、使用環境が火炎を発生し処理対象
の排気風中に捕捉後の処理が困難な油塵や除去が困難な
異臭成分を含有する厨房で発生する排気も確実に高度に
浄化処理する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排気浄化装置の実
施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0047】図1および図2において、1は建造物で、
この建造物1内には扉体2にて開閉される出入口3を有
した構造壁4にて調理室5が区画形成されている。そし
て、調理室5には、調理台6が複数、例えば5台設けら
れている。また、建造物1には、一端が調理室5の各調
理台6,6の上方に開口し他端が建造物1の屋上で開口
し、排気浄化装置7を備えた排気風路としてのダクトで
ある排気ダクト8が設けられている。
【0048】そして、排気ダクト8は、調理台6の上方
に位置して調理室5の天井に取り付けられた下面に集気
開口10を開口するレンジフード11を備えている。また、
排気ダクト8は、レンジフード11内に一端が連通して接
続されるとともに、他端が調理室5の天井裏から建造物
1の外壁面に沿って建造物1の屋上に位置して排気口12
が開口するダクト本体13を有している。さらに、ダクト
本体13には建造物1の屋上に位置して送風機であるファ
ン14が設けられ、調理室5内の空気をレンジフード11の
集気開口10から吸気して屋上の排気口12から排出するよ
うになっている。
【0049】また、排気ダクト8には、レンジフード11
内に位置して排気前処理装置としての第1排気処理装置
17が配設されている。さらに、排気ダクト8には、ダク
ト本体13のファン14より下流側、すなわち調理室5から
吸気した排気風18が流通する方向のファン14より排気口
12側に位置して排気浄化装置としての第2排気処理装置
19が配設され、これら第1排気処理装置17および第2排
気処理装置19にて排気処理装置7が構成される。
【0050】そして、第1排気処理装置17は、図3ない
し図7に示すように、上下面を開口する略角筒状に形成
された胴体部21の下方に、この胴体部21の下面より径大
の上面を開口した略箱状に形成され胴体部21の下面を覆
う洗浄槽22が一体に設けられた本体23を備えている。こ
の本体23は、胴体部21の下端縁と洗浄槽22の上端縁との
間に排気風が流入する流入口24を開口し、胴体部21の上
面の開口がダクト本体13の一端に連通して接続される排
出口25となる。
【0051】また、本体23の胴体部21の上端縁には外方
に向けて突出したフランジ部27が設けられている。さら
に、このフランジ部27には、レンジフード11やダクト本
体13などの排気風が流通する排気ダクト8内に本体23を
取り付ける図示しない取付部材としてのボルトを挿通す
るねじ孔28が複数穿設されている。
【0052】また、本体23の洗浄槽22には、洗浄液30が
貯溜された洗浄液タンク31から洗浄液30がポンプ32を介
して供給される洗浄液供給管33が接続されているととも
に、洗浄槽22内に貯溜する洗浄液30が所定の水位を越え
るとオーバーフローして流出するオーバーフロー管34が
接続されている。なお、洗浄液30は、例えば、松材など
の植物から抽出されたオレイン酸やリノール酸などにて
調製されたトール油にて作製されたアミンソープを主成
分とし、高級アルコール系非イオン界面活性剤などが混
合されている。そして、洗浄液30は、特に油脂に対して
洗浄性が高く、抗菌性または殺菌性を有し、中性で、防
腐剤などを含まず、無リン、無着色、不燃性のものが好
ましい。
【0053】さらに、洗浄槽22の底部には、洗浄槽22内
の洗浄液30を排出するバルブ36が設けられた排水管37が
接続されている。
【0054】そして、洗浄槽22内の底部には、図示しな
い超音波洗浄手段としての超音波発生装置が配設され、
この超音波発生装置により洗浄槽22内の洗浄液30が超音
波振動する。
【0055】また、この本体23内には、フィルタ体40が
配設されている。このフィルタ体40は、枠体41とこの枠
体41に保持されたフィルタ42とを備えている。
【0056】そして、枠体41は、例えばパンチング孔な
どの複数の通気孔44,44が穿設されたステンレス鋼板に
て略円筒状に形成された外皮胴体部45を備えている。ま
た、外皮胴体部45の軸方向の端面には、ホイール部46,
46が設けられている。さらに、外皮胴体部45の内側に
は、所定の間隙を介して略同軸上に位置しホイール部4
6,46にて固定された格子状の内皮胴体部47が設けられ
ている。そして、ホイール部46,46の中心に対向方向で
ある軸方向に沿って回転軸48が設けられている。
【0057】また、フィルタ42は、例えばステンレスス
チールウールなどの金属線や金属リボンなどの金属繊維
が集綿されて不織布状で不燃性かつ通気性に形成され、
中心軸に内部空間49を区画して外皮胴体部45と内皮胴体
部47との間に挟持された略円筒状に形成されたものであ
る。なお、フィルタ42としては、例えば活性炭を原料と
してビスコースレーヨン(viscose Rayon )の製造にお
ける熱処理制御により製造され平均気孔径が略2nm以
下で内部表面積が1050〜1400m/gの活性炭
繊維を、質量が110〜200g/m、空気通気率が
100cm/cm/秒、厚さが0.5〜1mmに編
んだシート状の織布(英国国防省開発SGS Yarsley Inte
rnational Certification Services Ltd製 商品名AC
C)を用いてもよい。さらには、外周側にフィルタ42が
位置し内周側に活性炭繊維の織布を積層してフィルタ体
40を構成するなどしてもよい。なお、活性炭繊維の織布
などの可撓性に富む部材を用いる場合などでは、図7に
示すように、内周側である内皮胴体部47側にメッシュ状
の金網50を位置し、格子状の内皮胴体部47からはみ出な
いようにする。
【0058】そして、フィルタ体40は、軸方向が本体4
の長手方向の端面にそれぞれ設けられた軸受51に回転軸
48の両端が回転自在に軸支されて、フィルタ体40の一部
が洗浄槽22内に貯溜された洗浄液30中に浸漬し、外周面
が流入口24に臨むように配設されている。
【0059】一方、本体23の一端面である一方の端面の
外面側には、内部に制御室53を区画するカバー体54が取
り付けられている。そして、このカバー体54内の制御室
53には、フィルタ体40の突出する回転軸48の一端に連結
された移動手段としての電動機55が設けられ、この電動
機55の駆動によりフィルタ体40が回転軸48を中心として
回転するようになっている。また、制御室53内には、本
体23の洗浄槽22内の洗浄液30の水位を一定に保持し、所
定量より少なくなると洗浄液タンク31に設けられたポン
プ32を駆動させて洗浄液供給管33を介して洗浄液30を所
定の水位となるまで供給させるフロートスイッチ56が設
けられている。なお、電動機55に電源を供給する電源線
57および洗浄液タンク31のポンプ32の駆動状態を制御す
るためのフロートスイッチ56の図示しないリード線は、
カバー体54を介して外部に導出される。
【0060】また、本体23内には、一縁が自由端となる
ように壁状に弾性を有する部材にて形成された図示しな
いシール部材が一縁側がフィルタ体40の外周面に当接し
て設けられている。そして、このシール部材により、フ
ィルタ体40の外周面が流入口24に気密に対向し、流入口
24を流通する排気風はすべてフィルタ体40を流過する。
【0061】一方、第2排気処理装置19は、図8ないし
図10に示すように、ステンレス鋼材などの耐腐食性金
属にて格子枠状に形成された保持枠体61と、この保持枠
体61に平面上に所定の間隙を介して2層に保持された複
数例えば12枚の光触媒フィルタ62とを有した光触媒モ
ジュール63を備えている。また、この光触媒モジュール
63には、光触媒フィルタ62の間隙に位置して配設され光
触媒フィルタ62に紫外線を照射する光源である例えばブ
ラックライトや低圧水銀ランプなどの紫外線ランプ64
と、保持枠体61に配設され紫外線ランプ64を点灯させる
点灯装置64a とを備えた紫外線照射手段としての紫外線
照射装置65が設けられている。
【0062】そして、光触媒フィルタ62は、図11ない
し図13にしめすように、三次元網目構造を有したセラ
ミックス多孔体71の表面にセラミックス粒子72が複数一
体に設けられて凹凸表面層73が形成され、さらにセラミ
ックス多孔体71およびセラミックス粒子72の表面を被覆
して酸化チタンを主成分とした光触媒の光触媒層76が凹
凸表面層73に一体に設けられて構成されている。なお、
図12において、説明の便宜上、凹凸表面層73の一部お
よび光触媒層76を省略してセラミックス多孔体71の骨格
筋77を露出させている。
【0063】ここで、セラミックス粒子72としては、平
均粒径が1μm以上100μm以下、例えば平均粒径が
22μmの酸化アルミニウムであるアルミナ粒子などが
用いられる。そして、セラミックス粒子72の平均粒径が
1μmより細かくなるとセラミックス多孔体71の表面の
凹凸性が不十分となって光触媒の担持力が低下し、安定
した光触媒の被膜形成が得られなくなる。また、セラミ
ックス粒子72の平均粒径が100μmより粗くなるとセ
ラミックス多孔体71の表面に安定して担持されなくな
り、セラミックス粒子72が脱落して安定して光触媒の被
膜が形成できなくなるとともに、セラミックス多孔体71
の内部まで進入しにくくなり内部まで略均一に担持され
なくなって略均一な光触媒の被膜が得られなくなるおそ
れがある。このため、セラミックス多孔体71に担持する
セラミックス粒子72の平均粒径を1μm以上100μm
以下とする。
【0064】また、セラミックス多孔体71は、構成する
骨格筋77の直径が100μm以上1000μm以下であ
る。そして、セラミックス多孔体71を構成する骨格筋77
が直径100μmより細くなると、光触媒フィルタ62の
十分な強度が得られなくなり、製造性が低下する。ま
た、セラミックス多孔体71を構成する骨格筋77が直径1
000μmより太くなると、セラミックス多孔体71の内
部まで光が照射されなくなり、光触媒による光触媒作用
が低減して、効率よく高度に排気風を浄化処理出来なく
なるおそれがある。このため、セラミックス多孔体71を
構成する骨格筋77の直径を100μm以上1000μm
以下とする。
【0065】さらに、光触媒フィルタ62は、空隙率が6
5%以上95%以下、嵩密度が0.15g/cm以上
0.60g/cm以下およびセル数が10個/25m
m以上30個/25mmの3つの条件のうちの少なくと
もいずれか1つの条件を満たすものである。
【0066】そして、光触媒フィルタ62の空隙率が65
%より小さいと、排気風の流通の際の圧力損失が増大す
るとともに内部まで到達する光量が減少し、さらに排気
風中の汚染物質の捕捉性や異臭成分との接触割合が低下
し、排気風の浄化処理効率が低下するおそれがある。ま
た、光触媒フィルタ62の空隙率が95%より大きくなる
と、強度が低下して、製造性および取扱性が低下するお
それがある。このため、光触媒フィルタ62の空隙率を6
5%以上95%以下とする。
【0067】さらに、光触媒フィルタ62の嵩密度が0.
15g/cmより小さくなると、強度が低下して、製
造性および取扱性が低下するおそれがある。また、光触
媒フィルタ62の嵩密度が0.60g/cmより大きく
なると、排気風の流通の際の圧力損失が増大し、内部ま
で到達する光量が減少し、排気風中の汚染物質の捕捉性
や異臭成分との接触割合が低下し、排気風の浄化処理効
率が低下するおそれがあるとともに、質量が増大して製
造性および取扱性の向上が図りにくく、強固に設置でき
る構造が必要となり、施工性が低下するおそれがある。
このため、光触媒フィルタ62の嵩密度を0.15g/c
以上0.60g/cm以下とする。
【0068】そしてさらに、光触媒フィルタ62のセル数
が10個/25mm、すなわち直線25mm上に位置す
るセル数が10個より少なくなると、排気風の流通の際
の圧力損失が増大し、内部まで到達する光量が減少し、
排気風中の汚染物質の捕捉性や異臭成分との接触割合が
低下し、排気風の浄化処理効率が低下するおそれがあ
る。また、光触媒フィルタ62のセル数が30個/25m
m、すなわち直線25mm上に位置するセル数が30個
より多くなると、強度が低下して、製造性および取扱性
が低下するおそれがある。このため、光触媒フィルタ62
のセル数を10個/25mm以上30個/25mm以下
とする。
【0069】そして、光触媒フィルタ62は、上記各種条
件を満足することにより、厚さ寸法5mmにおける光透
過率が10%以上50%以下となる。
【0070】一方、紫外線照射装置65の紫外線ランプ64
としては、波長が300nm以上420nm以下の紫外
線、例えば360nm以上380nm以下にピークを有
する紫外線を照射するブラックライトなどが用いられ、
特に波長が略185nmでもピークを有しオゾンを生成
可能な低圧水銀ランプが好ましい。
【0071】そして、第2排気処理装置19には、光触媒
モジュール63がダクト本体13の排気風18の流過方向に光
触媒フィルタ62の厚さ方向が沿った状態でダクト本体13
を閉塞するように所定の間隙を介して複数、例えば2層
で排気ダクト8に配設されている。
【0072】また、第2排気処理装置19が配設されるダ
クト本体13の一部には、図示しない閉塞蓋体にて開閉さ
れる点検口が設けられ、光触媒モジュール63はダクト本
体13の径方向である排気風の流通方向に交差する方向に
移動可能に装着されてダクト本体13から着脱可能となっ
ている。
【0073】なお、光触媒モジュール63の代わりに、例
えば図16に示すように、光触媒フィルタ62と紫外線照
射装置65を別体として、光触媒フィルタ62間に位置する
ように配設してもよい。さらに、光触媒フィルタ62より
排気風の流通方向の上流側に反射板79を有した紫外線照
射装置65を配設してもよい。なお、上流側および下流側
の双方の光触媒モジュール63に紫外線を照射するため
に、光触媒フィルタ62,62間に配設される紫外線照射装
置65の紫外線ランプ64には反射板を設けない。
【0074】次に、上記実施の一形態の光触媒フィルタ
の製造工程について説明する。
【0075】まず、例えばアルミナ微粉末や酸化珪素で
ある珪砂微粉末などのシリカ微粉末あるいはムライト微
粉末などのセラミックス微粉末と、デキストリンやメチ
ルセルロース、ポリビニルアルコールなどの有機系や粘
土あるいは珪酸ナトリウムなどの無機系の結合材である
バインダとを適宜水を加えて攪拌混合し、スラリを調製
する。そして、例えば発泡ウレタン樹脂などの三次元網
目構造を有する有機多孔体にスラリを浸漬などにより含
浸させて付着する。
【0076】次に、スラリが乾燥する前のスラリにて濡
れた状態の有機多孔体に、アルミナ粒子やシリカ粒子あ
るいはムライト粒子などのセラミックス粒子72を例えば
有機多孔体に振動を加えつつ振り掛けて、表面にセラミ
ックス粒子72を付着させる。この後、スラリを乾燥さ
せ、焼成して有機多孔体を焼失し、スラリを構成するセ
ラミックス微粉末とセラミックス粒子72とを一体に焼結
し、セラミックス微粉末の焼結にて形成されるセラミッ
クス多孔体71の表面に一体にセラミックス粒子72を担持
させる。なお、有機多孔体が位置した部分には、図13
に示すように、焼失痕80が形成される。
【0077】さらに、このセラミックス粒子72を表面に
担持して凹凸表面層73を有したセラミックス多孔体71
を、光触媒である酸化チタン微粉末を主成分とし有機系
あるいは無機系のバインダを含有したスラリに例えば浸
漬するなどして付着し、乾燥後に焼成して酸化チタンを
セラミックス多孔体71の表面の凹凸表面層73に被膜状に
焼き付けて光触媒層76を形成し、光触媒フィルタ62を形
成する。
【0078】次に、上記排気浄化装置7の動作を説明す
る。
【0079】まず、排気浄化装置7の第1排気処理装置
17を厨房施設のレンジフード11内に位置して配設すると
ともに、排気浄化装置7の第2排気処理装置19を排気ダ
クト8のダクト本体13内にファン14より下流側に位置し
て配設する。なお、第1排気処理装置17の設置に際して
は、第1排気処理装置17の本体23の排出口12をダクト本
体13が接続されて開口する図示しないレンジフード11の
排出口に気密に連通させ、ファン14の駆動によりレンジ
フード11内に吸引された排気風18がすべて本体23の流入
口24から吸気され排出口25を介して排出されるようにす
る。
【0080】そして、洗浄槽22内に洗浄液30を供給し、
ファン14を適宜回転駆動させ、電動機55を適宜回転駆動
させてフィルタ体40を適宜回転するとともに、図示しな
い超音波発振装置を駆動させて洗浄液30を超音波振動さ
せ、調理準備する。
【0081】次に、上記実施の形態の排気風の浄化の動
作を説明する。
【0082】調理により、油脂分の蒸気や煙などの汚染
物質、異臭成分が発生する。そして、これら汚染物質お
よび異臭成分を含有する空気である排気は、ファン14の
駆動にてレンジフード11の下面の集気開口10からレンジ
フード11内に排気風18として吸引される。さらに、レン
ジフード11内に吸引された排気風18は、排気浄化装置7
の第1排気処理装置17の流入口24から吸引され、フィル
タ体40を流過する。
【0083】このフィルタ体40の流過の際、フィルタ体
40の外皮胴体部45の通気孔44,44を介してフィルタ42の
金属繊維間を縫うように非直線上に流過する。この非直
線上の流過により、縮流や流過方向の変換などの乱流が
頻繁に繰り返されて、排気風18中の微細な塵埃や油脂
分、油塵などのタール状物質、煙粒子などの汚染物質が
捕捉されて分離除去される。
【0084】また、フィルタ体40は、電動機55にて回転
されて一部が洗浄液30に浸漬するため、フィルタ体40に
は洗浄液30が付着して濡れた状態で、例えば水溶性など
の洗浄液30に溶解する汚染物質や異臭成分はこの洗浄液
30に溶解して排気風18から分離される。
【0085】さらに、フィルタ体40のフィルタ42を流過
した排気風18は、フィルタ体40の内部空間49に流れ、再
びフィルタ42を順次流過して本体23の胴体部21内に流れ
て排出口25から排気ダクト8のダクト本体13に吸引され
る。
【0086】そして、フィルタ体40は電動機55の駆動に
より回転するため、排気風18から分離除去した汚染物質
や異臭成分を捕捉する部分が洗浄槽22に貯溜する洗浄液
30内に浸漬し、洗浄液30による洗浄力および超音波発生
装置からの超音波による洗浄力の相乗作用により、フィ
ルタ体40から汚染物質が確実に除去される。また、洗浄
液30に浸漬して洗浄された部分は、電動機55により回転
して流入口25に対向する状態に位置し、この洗浄された
部分にて再び排気風18を流通させて汚染物質を除去す
る。
【0087】この洗浄される円筒状のフィルタ体40を有
した第1排気処理装置17にて処理されダクト本体13に流
れた排気風18は、96%以上の汚染物質が除去される。
【0088】なお、所定時間の使用により洗浄液30が汚
染された場合には、バルブ36を開いて排水管37を介して
排出するとともに、洗浄液供給管33を介して新しい洗浄
液30を洗浄液タンク31から供給する。また、洗浄液30の
揮発などにより洗浄液30が少なくなると、フロートスイ
ッチ56が閉成して洗浄液タンク31のポンプ32が駆動して
所定量の洗浄液30を供給して補充する。
【0089】さらに、排気風18は、ダクト本体13内を流
過し、第2排気処理装置19に流れる。
【0090】そして、排気風18は、第1排気処理装置17
のフィルタ42を流通する状況と同様に、光触媒モジュー
ル63の光触媒フィルタ62の三次元網目構造間である連通
気孔状のセル内を縫うように非直線上に流通し、縮流や
流通方向の変換などの乱流が頻繁に繰り返されつつ流過
し、排気風18中に残留する塵埃や油脂分、油塵などのタ
ール状物質、煙粒子などの汚染物質が捕捉されて分離除
去される。この捕捉した汚染物質は、光触媒フィルタ62
の表面に形成された光触媒層76で光触媒作用により分解
される。
【0091】また、排気風18中に残留する異臭成分は、
排気風18の流過の際に生じる乱流により光触媒フィルタ
62の表面に形成された光触媒層76に接触し分解される。
【0092】すなわち、光触媒層76を構成する酸化チタ
ンが、紫外線照射装置65の紫外線ランプ64から照射され
る紫外線により、表面に付着する水分(HO)や空気
中の水分が酸化チタンに衝突することによりヒドロキシ
ラジカル(・OH)を生成する酸化反応が生じるととも
に、酸素が衝突することによりスーパーオキサイドアニ
オン(・O )が生成する還元反応が生じる光触媒作
用が起こる。そして、捕捉した汚染物質や接触する異臭
成分は、生成したヒドロキシラジカルおよびスーパーオ
キサイドアニオンと反応して分解される。
【0093】そして、第2排気処理装置19を通過した排
気風18は、汚染物質や異臭成分が略100%除去された
浄化風として排気ダクト8の排気口12から大気中に排気
される。
【0094】次に、光触媒フィルタ62の作用について説
明する。
【0095】まず、光触媒フィルタ62を構成するセラミ
ックス粒子72の粒径について検討する。
【0096】試料体の形成に際しては、容量が2リット
ルのポリエチレン製のポットミル内にセラミックス微粉
末としてアルミナ微粉末を446.5g、タルクを1
6.0g、木節粘土を36.5g、水を155g、分散
剤を12.5g投入するとともに、直径が10mmのア
ルミナ玉石をポットミルの約1/3程度まで投入し、5
時間攪拌混合する。さらに、ポットミル内に有機バイン
ダ(第一工業製薬株式会社製 商品名:セラモTB−0
1)を127.1g添加し、さらに20時間攪拌してス
ラリを調製する。
【0097】そして、この調製したスラリ内に三次元網
目構造を有する有機多孔体であるウレタンフォームを投
入してスラリを含浸させ、スラリから取り出してローラ
で余分に付着するスラリを押し出すようにして除去す
る。
【0098】この後、スラリが付着するウレタンフォー
ムに、篩を用いて各種平均粒径が異なるセラミックス粒
子72であるアルミナ粒子を振り掛けて未乾燥のスラリに
付着させる。この際、ウレタンフォームに振動を加える
ことにより、アルミナ粒子はウレタンフォームの骨格筋
間を通って裏面側まで落下し、略均一に付着するととも
に、余分なアルミナ粒子は裏面側に落下する。
【0099】そして、加熱器で70℃の雰囲気で24時
間乾燥させた後に1600℃で1時間焼成し、ウレタン
フォームを焼失させ、アルミナ微粉末を焼結させるとと
もにアルミナ微粉末とアルミナ粒子とを焼結させ、平均
粒径がそれぞれ異なるアルミナ粒子が担持されたセラミ
ックス多孔体71を得る。
【0100】次に、各種アルミナ粒子を担持したセラミ
ックス多孔体71を、光触媒であるアナターゼ型の酸化チ
タンの微粒子が水系溶媒中に単分散され無機バインダと
してシリカ20%を含有する光触媒スラリ(石原産業製
商品名:ST−K01)に含浸した後に、500℃で
酸化チタンを焼き付けて光触媒層76を形成し、各種アル
ミナ粒子の平均粒径が異なる光触媒フィルタ62を形成す
る。
【0101】なお、アルミナ粒子を担持させず、焼成し
たセラミックス多孔体71に直接光触媒スラリを含浸させ
て光触媒層76を形成したものを比較例とした。
【0102】そして、各試料体の光触媒層76の担持量
は、セラミックス多孔体71の光触媒層76の形成前後の質
量をそれぞれ測定してこれら質量差を光触媒層76の担持
量とした。その結果を表1に示す。
【0103】この表1に示す結果から、アルミナ粒子を
担持しない比較例に比してアルミナ粒子を担持した試料
体の方が光触媒層76の担持量、すなわち酸化チタンの担
持量が多く、特に1μm以上100μm以下のアルミナ
粒子を担持したものでは、光触媒層76の担持量が多くな
るとともに、走査型電子顕微鏡による観察結果からも剥
離することなく良好に光触媒層76が形成されていること
が認められた。なお、アルミナ粒子が100μmより大
きいものは、アルミナ粒子自体の脱落が認められた。
【0104】また、各試料体の単位体積当たりの表面積
を、BET(Brunauer-Emmett-Teller)1点法により測
定した比表面積と、外形寸法および質量を測定して外形
寸法から算出した体積に対する質量から算出した嵩密度
とに基づき、 (試料体1cm当たりの表面積)=(比表面積〔m
/g〕)×(嵩密度〔g/cm〕) の式を用いて算出した。その結果を表1に示す。なお、
表1中の値は、6つ試料体の平均値である。
【0105】
【表1】 この表1に示す結果から、アルミナ粒子を担持した試料
体の表面積は、アルミナ粒子を担持しない比較例に比し
て極めて大きいことがわかる。また、アルミナ粒子の平
均粒径が1μmより細かい場合には、アルミナ粒子を担
持しない比較例と同様の結果であった。これは、アルミ
ナ粒子が細か過ぎて、光触媒層76を担持するための十分
な凹凸が得られなかったためと考えられる。また、アル
ミナ粒子の平均粒径が100μmより粗い場合には、光
触媒層76および表面積が十分良好に得られたが、振動テ
ーブルにより振動を加えた後に走査型電子顕微鏡にて表
面を観察した結果、アルミナ粒子の脱落が認められた。
このことから、平均粒径が1μm以上100μm以下の
セラミックス粒子72を担持させることが良好に光触媒層
76を形成できるとともに、表面積が増大して排気風18の
異臭成分との接触性が増大し、異臭成分の分解効率が向
上することがわかる。
【0106】また、光触媒スラリとして、無機バインダ
を含まない光触媒スラリ(石原産業製 商品名:STS
−01)を用いて同様に試料体を形成し、光触媒層76の
担持量および表面積を測定するとともに、各試料体に振
動テーブルにより振動を加えた後、走査型電子顕微鏡に
て表面を観察した。その結果を表2に示す。なお、表2
中の値は、表1と同様に6つの試料体の平均値である。
【0107】
【表2】 この表2に示す結果から、無機バインダを含まず膜強度
が小さいものでも、アルミナ粒子を担持したもの、特に
平均粒径が1μm以上100μm以下のアルミナ粒子を
担持したものでは、光触媒層76の剥落は認められず、光
触媒層76が良好に担持されることがわかる。また、無機
バインダを含有する光触媒スラリより無機バインダを含
まない光触媒スラリを用いたものの方が、酸化チタンの
担持量が多い。これは、無機バインダを含まない光触媒
スラリが、酸化チタンを30%含有する高濃度であるた
めと考えられ。
【0108】次に、光触媒フィルタ62を構成するセラミ
ックス多孔体71の骨格筋77の直径について検討する。
【0109】なお、試料体の形成は、上記セラミックス
粒子72としてのアルミナ粒子の粒径を検討する実験で形
成した方法と同様とし、有機多孔体としてメッシュサイ
ズが#13のウレタンフォームを用い、担持するセラミ
ックス粒子72としてのアルミナ粒子の平均粒径を22μ
mとし、光触媒スラリは石原産業製のSTS−01(商
品名)を用いた。また、試料体の厚さ寸法を15mmで
形成した。なお、骨格筋77の直径は、電子顕微鏡により
30カ所の骨格筋77の直径を測定して算出した平均値と
した。
【0110】そして、圧縮強度を万能試験機(株式会社
島津製作所製)により測定した。その結果を表3に示
す。
【0111】
【表3】 この表3に示す結果から、骨格筋77が太くなるに従って
強度が低下し、100μmより細かいものでは手に取っ
たときに崩れるように損傷したのに比して、100μm
以上では十分な取扱強度が得られた。この結果、セラミ
ックス多孔体71を構成する骨格筋77の直径を100μm
以上とすることが好ましいことがわかる。
【0112】次に、圧力損失について検討する。
【0113】試料体としては、セラミックス多孔体71を
構成する骨格筋77の直径についての実験で形成した方法
と同様に形成した。そして、通常飲食店の排気ダクトな
どで利用される風速での圧力損失を測定した。その結果
を表4および図14に示す。
【0114】
【表4】 この表4および図14に示す結果から、骨格筋77が10
00μmを越えると急激に圧力損失が増大することがわ
かる。このため、セラミックス多孔体71を構成する骨格
筋77の直径を1000μm以下とすることが好ましいこ
とがわかる。
【0115】次に、光透過性について検討する。
【0116】試料体としては、セラミックス多孔体71を
構成する骨格筋77の直径についての実験で形成した方法
と同様に形成した。なお、試料体の厚さ寸法を5mm、
10mm、15mm、20mmの4種類とした。
【0117】そして、光透過率としては、試料体の一表
面から7cm離間した位置に、紫外線ランプ64として1
0Wのブラックライト(東芝ライテック製 商品名:F
L10BLB,波長300〜420nm,ピーク波長3
60nm)を設置するとともに、裏面側に紫外線強度計
(ミノルタ株式会社製 商品名:UM−10)を裏面に
接触させて配置して、透過する紫外線の強度を測定し
た。なお、光透過率は、試料体を設置しない場合と設置
した場合との比率から算出、すなわち 光透過率〔%〕={(試料体設置時の測定強度)/(試
料体未設置時の測定強度)}×100 の式から算出した。その結果を表5に示す。
【0118】
【表5】 この表5に示す結果から、骨格筋77が太いものでは厚さ
寸法が10mmとなると光透過率がほとんど0となる
が、骨格筋77が細いものは光透過率が8.4と良好な光
透過性を有することが認められ、光透過性も向上するこ
とがわかる。また、この光透過率の実験結果からも、セ
ラミックス多孔体71を構成する骨格筋77の直径を100
0μm以下にすることが好ましいことがわかる。
【0119】そして、上記各実験において使用した試料
体の物性、すなわち空隙率、嵩密度、セル数を測定し
た。なお、空隙率は水銀圧入法により測定し、嵩密度は
上記セラミックス粒子72の粒径についての実験と同様に
測定し、セル数は光学顕微鏡により目測で測定した。
【0120】その結果、良好な実験結果が得られた光触
媒フィルタ62は、空隙率が65%以上95%以下、特に
75%以上85%以下のもの、嵩密度が0.15g/c
以上0.60g/cm以下、特に0.18g/c
以上0.40g/cm以下のもの、セル数が10
個/25mm以上30個/25mm以下、特に12個/
25mm以上20個/25mm以下のものであることが
わかった。
【0121】次に、試料体による光触媒作用について検
討する。
【0122】まず、飲食店から発生する排気中に含まれ
るアセトアルデヒドの分解能について検討する。
【0123】実験としては、容量が1.3リットルの反
応器(PYREX製)内に、1辺が50mmの正方形で
厚さ寸法を10mmに形成した試料体を、平面方向が上
下方向となるように上方から糸により吊り下げ支持す
る。なお、反応器内に、スターラにて回転される攪拌子
を投入しておく。また、反応器の側方に試料体の平面に
対向してブラックライトを配置し、試料体の平面に波長
360nmで1mW/cmとなる条件で照射させる。
【0124】そして、攪拌子を回転して反応器内の気体
を流動させつつアセトアルデヒド(純度90%、23℃
の飽和状態)0.2mlを、ブラックライトの点灯から
0分、20分、40分、60分、80分後に順次注入す
る。なお、ブラックライトは、点灯後58分後に消灯す
る。そして、ブラックライトの点灯から所定時間後に反
応器内の気体を採取し、ガスクロマトグラフにて定量分
析した。その結果を表6および図15に示す。
【0125】
【表6】 この表6および図15に示す結果から、試料体を反応器
内に配置せずブラックライトを照光したブランク実験で
は、アセトアルデヒドの量はほとんど減少せずに注入毎
に蓄積された。すなわち、紫外線によりアセトアルデヒ
ドはほとんど分解されないことが認められた。そして、
アルミナ粒子を担持しない比較例のものでは、アセトア
ルデヒドの注入から1分後に約3/5まで減少し、20
分後にはほとんど検出されなかった。すなわち比較例の
ものでも20分光触媒作用を行うと0.2mlのアセト
アルデヒドが分解されることがわかる。さらに、アルミ
ナ粒子を担持した試料体では、アセトアルデヒドの注入
から1分後に約1/4まで減少し、10分後にはアセト
アルデヒド検出されず、すべて分解された。このことか
ら、本実施の形態の光触媒フィルタ62は分解能が向上す
ることがわかる。
【0126】次に、惣菜調理場から発生する排気風を排
気浄化装置により浄化処理した。
【0127】なお、惣菜調理場は、フライヤ5台、コン
ロ3台、蒸し器1台が設置され、揚げ物、餃子、煮物、
漬物、魚介類の下ごしらえを1日当たり10時間調理す
る。そして、処理する排気風の量は2000m/h、
風速0.76m/sとした。
【0128】また、第1排気処理装置17のフィルタ体40
は、スチールウールにて厚さ寸法が5mmのマット状に
形成されたフィルタ(川崎製鉄株式会社製 風速1.2
6mにおける圧力損失が水頭10mm)42を直径が30
cmの円筒状となるように枠体41に取り付け、風速2.
3mにおける圧力損失が水頭20mmとして構成し、こ
のフィルタ体40を備えた第1排気処理装置17を、5つの
レンジフード11,11にそれぞれ1台ずつ計5台設置し
た。
【0129】さらに、第2排気処理装置19の光触媒モジ
ュール63は、図9および図10に示すように、横寸法が
500mm、縦寸法が400mm、厚さ寸法が13mm
の光触媒フィルタ62を、厚さ方向で38mmの間隔で2
枚保持枠体61に組み付け、外径寸法が横寸法506m
m、縦寸法444mm、厚さ寸法64mmとなるように
した。そして、この光触媒モジュール63を、横寸法方向
で3枚連結したものを、排気風の流通方向で2層となる
ようにダクト本体13内に設置した。また、紫外線照射装
置65としては、紫外線ランプ64としてランプ径が6mm
で6Wのブラックライト(株式会社ノリタケカンパニー
リミテド製 商品名:HLランプ,波長300〜420
nm,ピーク波長360〜380nm)を4本配設した
ものを用いた。
【0130】そして、排気風18の浄化処理を1カ月およ
び4カ月間行った後に臭気測定士による3点比較式臭袋
法にて臭気濃度を測定した。なお、排気風18の浄化処理
中は、ブラックライトを連続点灯した。そして、比較と
して、排気浄化装置7を設置する前において、排気ダク
ト8の排気口12からの排気風18の臭気濃度、惣菜調理場
から出される生ごみの生ごみ置き場における臭気濃度も
同様に測定した。その結果を表7および表8に示す。こ
こで、臭気指数Zは、臭気濃度Yから、Z=10log
Yの関係で表される。
【0131】
【表7】
【表8】 この表7に示す1カ月経過後の結果から、排気浄化装置
7を設置する前の排気風18の臭気濃度は、レンジフード
11下における原臭に比して、生ごみ置き場と同様に高い
濃度であった。これは、既に排気ダクト8内に付着する
汚染物質や異臭成分によるためと考えられる。そして、
排気浄化装置7を取り付けた後の臭気濃度は、極端に低
下し、官能的にも全く排気臭を感じなかった。すなわ
ち、排気風18の汚染物質および異臭成分とともに、既に
排気ダクト8内に付着する異臭成分をもほとんど除去で
きることがわかる。
【0132】さらに、表8に示す結果の4カ月経過した
後でも、表7に示す結果の1カ月後とほぼ同等の良好な
結果が得られた。
【0133】また、下流側に配設した光触媒モジュール
63の光触媒フィルタ62は使用前のものと変わりはなかっ
たが、上流側に配設した光触媒モジュール63の光触媒フ
ィルタ62は、1カ月後で上流側の面が排気風18中の油脂
分を捕捉して黄色に変色していた。
【0134】そこで、光触媒フィルタ62をダクト本体13
から取り外し、天日干しした結果、3分後には油脂分が
分解されて、光触媒フィルタ62の白色に戻り始め、7分
後にはほとんど使用前の光触媒フィルタ62と変わりない
状態になった。すなわち、光触媒フィルタ62で排気風18
中に残留する汚染物質も除去しており、下流側に位置し
上流側から紫外線が照射される光触媒フィルタ62は、異
臭成分の分解とともに捕捉した油脂分をも光触媒作用に
より分解したものと考えられる。
【0135】上述したように、上記実施の形態によれ
ば、異臭成分の他に厨房から発生する比較的多量の油脂
分や油塵などのタール状物質を含有する排気風18でも、
回転し洗浄されるフィルタ体40を備えた第1排気処理装
置17にてほとんど除去し、一部残留する汚染物質ととも
に第1排気処理装置17のフィルタ体40にて物理的な分離
除去が困難な残留する異臭成分は、下流側の光触媒を表
面に設けた光触媒モジュール63の光触媒フィルタ62で分
解除去するため、光触媒フィルタ62に捕捉する汚染物質
により表面の光触媒層76が覆われて十分に紫外線が照射
されず、異臭成分の分解除去効率が低下することを防止
でき、厨房で発生する排気風18でも確実に効率よく高度
に浄化処理できる。
【0136】さらに、第1排気処理装置17に設けたフィ
ルタ体40の一部が浸漬する洗浄液30を貯留する洗浄槽22
および第2排気処理装置19の紫外線照射による光触媒作
用にて捕捉した汚染物質や異臭成分は洗浄除去および分
解されて蓄積されないので、長期間安定した処理効率が
得られるとともに、保守管理が容易となり、処理コスト
も低減できる。
【0137】そして、円筒状のフィルタ体40の一部を洗
浄液30中に浸漬しつつ回転させる簡単な構造の第1排気
処理装置17と、三次元網目構造の光触媒フィルタ62およ
び紫外線照射装置65を備えた簡単な構造の第2排気処理
装置19とを排気風18が流通する排気ダクト8に配設する
のみで、排気風18を高度に浄化処理でき、既設の排気ダ
クト8の流入側に位置して第1排気処理装置17を設置
し、ファン14より下流側の排気口12近傍に第2排気処理
装置19を設置すればよく、容易に装着でき、汎用性を向
上できるとともに、既に内面に油塵やタール状物質が付
着している既設の排気ダクト8でも、付着する油塵やタ
ール状物質から発生する異臭も分解除去できる。
【0138】さらに、第1排気処理装置17のフィルタ体
40のフィルタ42は、金属繊維にて形成した不燃部材にて
形成したため、火炎や熱が発生する厨房でも損傷するこ
となく長期間安定して処理できる。
【0139】また、フィルタ体40は、電動機55にて回転
させて洗浄液30中に浸漬されるため、流入口24に対向す
る部分は洗浄液30にて濡れた状態であるため、火炎がフ
ィルタ体40を流過することを確実に防止でき、火炎によ
る損傷はないとともに、水溶性の汚染物質の分離除去率
も向上し、浄化処理効率を向上できる。
【0140】そして、第1排気処理装置17として、円筒
状のフィルタ体40を用いるため、簡単な構成でフィルタ
42に排気風18を2回流過させることができ、汚染物質の
除去率を向上できるとともに、例えばシール部材を設け
るなど、漏れなく略円筒状のフィルタ体40に排気風18を
流通させる構成が容易に得られる。
【0141】さらに、フィルタ体40を電動機55にて回転
する枠体41にフィルタ42を保持する構成としたため、例
えば無端ベルト状にフィルタを掛け渡して回行させる構
成ではフィルタ42に伸縮などの負荷が掛かって損傷する
おそれがあるが、枠体41に保持して回転させる構成であ
るためフィルタ42に負荷が掛からず、損傷を防止でき
る。
【0142】また、超音波発生装置による超音波洗浄も
併用したため、フィルタ体40に捕捉した汚染物質の洗浄
性を向上できる。
【0143】そして、光触媒フィルタ62として、三次元
網目構造のセラミックス多孔体71の表面に平均粒径が1
μm以上100μm以下のセラミックス粒子72を担持す
るとともに光触媒を表面に被覆形成して形成したため、
圧力損失が増大することなく汚染物質の捕捉性および異
臭成分との接触性を向上できるとともに、安定して光触
媒層76を担持でき、光触媒作用を向上でき、排気風18の
浄化処理効率を向上できる。
【0144】また、セラミックス多孔体71を構成する骨
格筋77の直径を100μm以上1000μm以下とする
ため、排気風18の流通抵抗の増大を抑制して圧力損失を
低減でき、内部まで光が届いて光触媒作用による浄化効
率を向上できるとともに、排気風18中の汚染物質の捕捉
性および異臭成分との接触割合を増大でき、効率よく高
度に排気風18を浄化処理できる。
【0145】さらに、空隙率が65%以上95%以下、
好ましくは75%以上85%以下の光触媒フィルタ62を
用いるため、排気風18の流過の際の圧力損失を増大する
ことなく、また内部まで光が十分に届いて光触媒作用が
向上し、排気風18中の汚染物質の捕捉性および異臭成分
との接触割合を増大でき、効率よく高度に排気風18を浄
化処理できるとともに、重量が増大することなく十分な
取扱強度が得られて取扱性を向上できる。
【0146】また、嵩密度が嵩密度が0.15g/cm
以上0.60g/cm以下、好ましくは0.18g
/cm以上0.40g/cm以下の光触媒フィルタ
62を用いるため、排気風18の流過の際の圧力損失を増大
することなく、また内部まで光が十分に届いて光触媒作
用が向上し、排気風18中の汚染物質の捕捉性および異臭
成分との接触割合を増大でき、効率よく高度に排気風18
を浄化処理できるとともに、重量が増大することなく十
分な取扱強度が得られて取扱性を向上でき、焼成温度も
高くなることを抑制でき、還元雰囲気とすることなく焼
成でき、歩留まりが良好で、製造性も向上できる。
【0147】そしてさらに、セル数が10個/25mm
以上30個/25mm以下、好ましくは12個/25m
m以上20個/25mm以下の光触媒フィルタ62を用い
るため、排気風18の流過の際の圧力損失を増大すること
なく内部まで十分に光が届いて光触媒作用を向上でき、
排気風18中の汚染物質の捕捉性および異臭成分との接触
割合を増大でき、効率よく高度に排気風18を浄化処理で
きるとともに、重量が増大することなく十分な取扱強度
が得られて取扱性を向上できる。
【0148】また、光触媒フィルタ62を形成する方法と
して、三次元網目構造の有機多孔体にセラミックス微粉
末および結合材を含有したスラリを含浸させて、このス
ラリが乾燥する前にセラミックス粒子72を付着させ乾燥
した後に加熱して有機多孔体を焼失しセラミックス粒子
72が表面に担持されたセラミックス多孔体71を形成する
ため、光触媒を安定して被覆形成するためにセラミック
ス多孔体71の表面にセラミックス粒子72を担持させるこ
とが容易にでき、製造性を向上できる。
【0149】そして、波長が300nm以上420nm
以下の紫外線を照射する紫外線ランプ64を装着する紫外
線照射装置65を用いるため、光触媒の酸化チタンの光触
媒機能を効率よく発現でき、さらに効率よく高度な排気
風18の浄化処理ができる。
【0150】さらに、紫外線照射装置65に波長が略18
5nmの光を照射する低圧水銀ランプを用いることによ
り、排気風18中の酸素からオゾンが生成され、生成する
強い酸化力を有したオゾンにより異臭成分および汚染物
質を酸化分解するため、光触媒作用による分解と合わせ
てオゾンによる酸化分解作用が得られ、さらに高度に排
気風18を浄化処理できる。
【0151】そして、排気ダクト8のダクト本体13に点
検口を設け、光触媒モジュール63を着脱可能にするとと
もに紫外線照射装置65の保守点検を可能としたため、保
守管理が容易となり、仮に光触媒作用でも分解されずに
残留して光触媒フィルタ62が捕捉した汚染物質にて汚れ
ても新たな光触媒フィルタ62に交換し、汚れた光触媒フ
ィルタ62は紫外線を照射して捕捉した汚染物質を分解し
たり、洗浄するなどして容易に安価で再利用可能とな
り、処理コストを低減できる。
【0152】なお、上記実施の形態において、調理によ
り生じる排気風18を浄化処理するために厨房設備の排気
ダクト8に排気浄化装置7を組み付けて説明したが、例
えば、ごみの焼却などのごみ処理の際に生じる排気風
や、セメントクリンカなどの焼成炉、木材加熱加工など
の加熱炉などから生じる排気風など、いずれの排気風18
をも対象とすることができる。
【0153】そして、処理対象の排気風18が、光触媒フ
ィルタ62にて汚染物質を捕捉しても光触媒作用にて分解
することにより表面の光触媒層に十分に光が照射できる
状態であれば、第1排気処理装置17を設けなくてもよ
い。また、汚染物質による汚染状態により、排気前処理
装置7としては、上記実施の形態の第1排気処理装置17
に限られず、汚染物質をある程度除去して下流側に配設
する光触媒フィルタ62にて捕捉する汚染物質を低減さ
せ、光触媒層76が十分に光を照射される状態に保持でき
るいずれの構成でもよい。
【0154】一方、排気前処理装置7としては、下流側
の光触媒フィルタ62に捕捉する汚染物質を十分に低減さ
せる必要があるとともに、排気風18を効率よく処理する
ために目詰まりにより圧力損失が増大することを防止す
る必要があることから、フィルタ体40を洗浄する必要が
ある。このため、連続的に排気風18を処理するためにフ
ィルタ体40を移動する移動手段および洗浄手段を備えた
いずれの構成でもよい。
【0155】そして、このフィルタ体40、移動手段およ
び洗浄手段を備えた排気前処理装置を用いることによ
り、下流側に配設する光触媒フィルタ62としては、三次
元網目構造のセラミックス多孔体71の表面に光触媒を被
覆形成したいずれの構成でもよい。
【0156】なお、厨房からの排気風18のように、汚染
物質および異臭成分の多い排気風18を高度に処理する場
合には、上記実施の形態のように、フィルタ体40、移動
手段および洗浄手段を備えた第1排気処理装置17と、三
次元網目構造のセラミックス多孔体71の表面に平均粒径
が1μm以上100μm以下のセラミックス粒子72が担
持されるとともに光触媒が表面に被覆形成された光触媒
フィルタ62を備えた第2排気処理装置19とを具備する排
気浄化装置7を用いる必要がある。
【0157】また、第1排気処理装置17としては、フィ
ルタ体40を略円筒状に形成して説明したが、角筒状、略
板状、無端ベルト状などいずれの形状に形成してもよ
い。なお、移動手段による移動の際に負荷が掛からない
ように移動手段にて移動する枠体41に保持する構成とす
ることが好ましい。
【0158】さらに、フィルタ42としては、金属繊維を
集綿して不織布状に形成したものに限らず、織り込んで
金網状に形成してさらに積層するなど、金属繊維にて形
成したいずれの形態でもできる。そして、金属繊維にて
形成したものに限らず、処理する環境に熱的負荷が掛か
らない状況では合成繊維や天然繊維などの可燃性素材で
もよく、熱的負荷が掛かる状況ではガラス繊維やロック
ウールなどの非燃性素材や難燃性複合繊維などの難燃性
素材にて形成して不燃性あるいは難燃性に形成すればよ
い。なお、排気風18が直線上に流過しないように形成す
ることが好ましい。また、金属繊維、特にステンレスな
どの耐腐食性を有する金属繊維を用いることにより、移
動手段による移動の際に加わる負荷や熱負荷でも損傷せ
ず、安価で容易に形成でき、ステンレスなどでは汚染物
質や異臭成分にて組成変化を生じることなく、長期間安
定した性状で使用できることから好ましい。
【0159】そして、フィルタ体40の回転は、例えば所
定時間経過毎に所定時間回転させる間欠運転や適宜逆回
転させるようにしてもよい。
【0160】また、洗浄液30にフィルタ体40の一部を浸
漬して洗浄する構成について説明したが、例えば洗浄液
30をフィルタ体40に噴射するなど、いずれの洗浄方法で
もできる。
【0161】なお、第1排気処理装置17のフィルタ体40
に平均気孔径が略2nm以下で内部表面積が1050〜1
400m/gの活性炭繊維を、重量が110〜200
g/m、空気通気率が100cm/cm/秒、厚
さが0.5〜1mmに編んだシート状の織布(英国国防
省開発 SGS Yarsley International CertificationSer
vices Ltd製 商品名:ACC)を用いた場合、フィル
タ42にて分離除去し難い異臭成分を吸着分離により容易
に分離でき、排気風18をさらに高度に浄化処理できる。
なお、この商品名ACCは、平均気孔径が2nm以下と
小さく、気孔径が小さいにもかかわらず内部表面積が1
050〜1400m/gと大きく、気孔は細長い形状
で、粒状活性炭のような表面に向けて径が大きくなるよ
うな形状でないことから、粒状活性炭より大きな吸着力
が得られ、吸着速度も速い。このため、排気風18の浄化
処理効率をさらに向上できる。また、耐熱、耐火炎性を
有しているため、厨房から発生する排気風18の浄化処理
にも適用できる。さらに、フィルタ42との供用により、
火炎が商品名ACCに直接接触することを防止でき、さ
らに長期間安定して浄化処理できる。
【0162】また、第1排気処理装置17および第2排気
処理装置19とを離間して配設したが、例えば新規の排気
風路に排気浄化装置7を設ける場合、例えば第1排気処
理装置17の本体23に排出口25を閉塞するように光触媒フ
ィルタ62を着脱可能に取り付けるとともに、光触媒フィ
ルタ62に紫外線を照射する紫外線照射装置65を本体23に
取り付けるなど、第1排気処理装置17および第2排気処
理装置19が一体化して排気浄化装置7を構成してもよ
い。この一体化により、施工性を向上できる。
【0163】そして、平板状の光触媒フィルタ62を保持
枠体61に保持して平板状に構成した光触媒モジュール63
を用いて説明したが、波形状に形成するなど、いずれの
形状でもよい。
【0164】例えば、光触媒フィルタ62を断面略円弧状
に湾曲して形成し、これらを保持枠体61に保持して略円
筒状に光触媒モジュール63を構成する。そして、この円
筒状の光触媒モジュール63を排気風18が周面から径方向
に流過するようにシールして軸方向が排気風の流過方向
に交差、すなわち直交するように例えば電動機などにて
中心軸を回転軸として回転するように配置する。さら
に、光触媒モジュール63の内側およびダクト本体13内で
光触媒モジュール63の下流側に、光触媒フィルタ62の外
周面および内周面にそれぞれ紫外線を照射するように、
紫外線照射装置65を配設する。
【0165】そして、排気風18の処理の際には、光触媒
モジュール63を適宜回転して排気風18が流通する位置を
可変し、周方向の一部で光触媒作用にて捕捉した汚染物
質を分解するとともに異臭成分を分解しつつ周方向の他
の一部で汚染物質を捕捉し、排気風18を浄化処理する。
【0166】このように、円筒状に構成してもよく、こ
の円筒状に光触媒モジュール63を構成して適宜回転させ
て両面から紫外線を照射させることにより、排気風18中
に汚染物質が残留する状態でも光触媒作用により順次分
解するので、長期間安定して浄化処理できる。また、紫
外線照射装置65に汚染物質が付着して紫外線の照射量が
低減して光触媒作用が低減することを防止でき、効率よ
く排気浄化処理できる。さらに、光触媒フィルタ62に捕
捉した汚染物質が蓄積することを防止できるとともに紫
外線照射装置65に汚染物質が付着することを防止でき、
保守管理が容易となり、汚染物質が蓄積した光触媒フィ
ルタ62を処理したり汚染物質が付着した紫外線照射装置
65を掃除するなどの保守管理がほとんど不要となり、保
守管理のために浄化処理を中断することも大きく低減
し、効率よく浄化処理できる。
【0167】一方、光触媒フィルタ62としては、三次元
網目構造のセラミックス多孔体71の表面に平均粒径が1
μm以上100μm以下のセラミックス粒子72を担持し
て、光触媒を被覆形成したものであれば、いずれのもの
でもよく、いずれの製造方法で形成してもよい。なお、
排気風18の浄化処理において、圧力損失を考慮する必要
があることから、セラミックス多孔体71を構成する骨格
筋77の直径は、100μm以上1000μm以下にする
ことが好ましく、特に好ましくは空隙率が65%以上9
5%以下、嵩密度が0.15g/cm以上0.60g
/cm以下およびセル数が10個/25mm以上30
個/25mm以下の3つの条件のうちの少なくともいず
れか一つの条件を備えた光触媒フィルタ62を用いるとよ
く、3つの条件を全て備えた光触媒フィルタ62が特に良
好である。
【0168】また、上述したように、セラミックス粒子
72をセラミックス多孔体71の表面に担持させるために、
三次元網目構造の有機多孔体にセラミックス微粉末およ
び結合材を含有したスラリを含浸させて、このスラリが
乾燥する前にセラミックス粒子72を付着させ乾燥した後
に加熱して有機多孔体を焼失しセラミックス粒子72が表
面に担持されたセラミックス多孔体71を形成することが
好ましい。
【0169】そして、光触媒に照射する光は、紫外線に
限らず、光触媒が光触媒作用を生じるいずれの波長でも
よい。なお、例えば図16に示すように、上流側に位置
する紫外線ランプ64として、オゾンを生成させる波長の
短い紫外線を照光するものでは、光触媒作用とオゾンに
よる酸化分解との相乗効果により、より効率よく排気風
を浄化処理できる。
【0170】また、光触媒フィルタ62に担持する光触媒
の量、あるいは、照射する光量は、処理対象の排気風18
中に含まれる汚染物質の性状、例えばアセチレンやシク
ロヘキサンなどの脂肪質炭化水素、アニルやブチルアル
コールなどのアルコール、酢酸や乳酸、フェノールなど
の酸、アセトンやアクリルアルデヒド、ジエチルケトン
などアルデヒドあるいはケトン、ベンゼンやナフタリン
などの芳香族系化合物、アミルやジオキサン、エチレン
グリコールなどのエーテル、ブチルアセテートやアクリ
ル酸メチルなどのエスター、二硫化炭素や硫化水素、硫
酸などの硫黄化合物、塩化ブチルやクロロベンゼン、シ
アン化水素、臭素、よう素、塩化ビニル、トリクロロエ
チレン、ダイオキシンなどのハロゲンまたはハロゲン化
物、アンモニアやニコチン、ニトログリセリン、硝酸な
どの窒素化合物、しょうのう、脱脂溶剤、香料、にわと
りやアヒルなどのかきん類臭、樹脂、タール臭などの異
臭成分、各種微生物や細菌、病原菌などの処理対象とな
る汚染物質の性質や量などにより適宜設定される。
【0171】そして、例えば噴霧や滴下などにより、光
触媒フィルタ62に水分を供給する構成を設けて、効率よ
くヒドロキシラジカルを生成させ、汚染物質や異臭成分
を効率よく分解させるようにしてもよい。
【0172】さらに、別途オゾンを供給するオゾン供給
装置を用いてもよい。
【0173】
【発明の効果】請求項1記載の排気浄化装置によれば、
三次元網目構造のセラミックス多孔体の表面に平均粒径
が1μm以上100μm以下のセラミックス粒子が担持
されるとともに光触媒が表面に被覆形成された光触媒フ
ィルタを排気風の流通する排気流路内に配設して光を照
射するため、光触媒フィルタに捕捉された排気風中の油
塵などの汚染物質や光触媒フィルタを通過する際に光触
媒と接触する排気風中の異臭成分は光触媒作用により分
解するので、油塵などの汚染物質とともに異臭成分が長
期間安定して高度に分解除去できるとともに、光触媒を
セラミックス多孔体に安定して担持でき、簡単な構成で
製造性を向上でき、コストを低減できる。
【0174】請求項2記載の排気浄化装置によれば、請
求項1記載の排気浄化装置の効果に加え、セラミックス
多孔体を構成する骨格筋の直径を100μm以上100
0μm以下とするため、排気風の流通抵抗の増大を抑制
して圧力損失を低減できるとともに、排気風中の汚染物
質の捕捉性および異臭成分との接触割合を増大でき、効
率よく高度に排気風を浄化処理できる。
【0175】請求項3記載の排気浄化装置によれば、請
求項1または2記載の排気浄化装置の効果に加え、空隙
率が65%以上95%以下、嵩密度が0.15g/cm
以上0.60g/cm以下、および、セル数が10
個/25mm以上30個/25mm以下の3つの条件の
うちの少なくとも一つの条件を備えた光触媒フィルタを
用いるため、排気風の流過の際の圧力損失を増大するこ
となく内部まで十分に光を到達でき、排気風中の汚染物
質の捕捉性および異臭成分との接触割合を増大でき、効
率よく高度に排気風を浄化処理できる。
【0176】請求項4記載の排気浄化装置によれば、請
求項1ないし3いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、三次元網目構造の有機多孔体にセラミックス微粉
末および結合材を含有したスラリを含浸し、スラリが乾
燥する前にセラミックス粒子を付着させ乾燥した後に加
熱して有機多孔体を焼失しセラミックス粒子を表面に担
持したセラミックス多孔体を形成し、このセラミックス
多孔体の表面に光触媒を被覆形成するため、排気風の流
過の際に圧力損失を増大することなく排気風中の汚染物
質の捕捉性および異臭成分との接触割合を増大できる光
触媒フィルタを容易に形成でき、製造性を向上できる。
【0177】請求項5記載の排気浄化装置によれば、請
求項1ないし4いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、移動手段にてフィルタ体を相対的に移動し排気風
が流通する位置を可変し、洗浄手段にてフィルタ体に捕
捉した排気風中の汚染物質を除去して洗浄する排気前処
理装置を排気流路内に光触媒フィルタより上流側に位置
して配設するため、排気風中の汚染物質を排気前処理装
置にて十分に除去して光触媒フィルタで捕捉する汚染物
質を低減して汚染物質にて光触媒が覆われることを防止
でき、光触媒と異臭成分との接触性を増大でき効率よく
異臭成分を分解除去でき、排気風を簡単な構造で高度に
効率よく浄化処理できる。
【0178】請求項6記載の排気浄化装置によれば、移
動手段にてフィルタ体を相対的に移動し排気風が流通す
る位置を可変し、洗浄手段にてフィルタ体に捕捉した排
気風中の汚染物質を除去して洗浄する排気前処理装置を
排気流路内に配設するとともに、三次元網目構造のセラ
ミックス多孔体の表面に光触媒を表面に被覆形成した光
触媒フィルタを排気風路内に排気前処理装置より下流側
に位置して配設するため、排気風中の汚染物質を排気前
処理装置にて十分に除去して光触媒フィルタで捕捉する
汚染物質を低減して汚染物質にて光触媒が覆われること
を防止でき、光触媒と異臭成分との接触性を増大でき効
率よく異臭成分を分解除去でき、排気風を簡単な構造で
高度に効率よく浄化処理できる。
【0179】請求項7記載の排気浄化装置によれば、請
求項5または6記載の排気浄化装置の効果に加え、排気
風は移動手段にて中心軸を回転軸として回転される略円
筒状のフィルタ体のフィルタの外周面側から内部空間に
流過し、再びフィルタ体のフィルタを内周面側から外周
面側に流過しフィルタを複数回流通するので、汚染物質
の除去率を向上できるとともに、漏れなく略円筒状のフ
ィルタ体に排気風を流通させる構成を容易に得ることが
できる。
【0180】請求項8記載の排気浄化装置によれば、請
求項5ないし7いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、洗浄手段に貯溜する洗浄液中にフィルタ体の一部
を浸漬させるため、移動手段にて移動するフィルタ体に
より捕捉した排気風中の汚染物質を洗浄除去するので、
高度な汚染物質の除去が長期間安定して得ることができ
る。
【0181】請求項9記載の排気浄化装置によれば、請
求項1ないし8いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、排気流路内にオゾンを供給するオゾン供給手段を
設けるため、光触媒作用にあわせてオゾンによる強い酸
化分解作用により、排気風中の汚染物質を高度に浄化処
理できる。
【0182】請求項10記載の排気浄化装置によれば、
請求項9記載の排気浄化装置の効果に加え、オゾン供給
手段として波長が略185nmの光を照射する光源を設
けるため、流過する排気風中の酸素が光源からの波長が
略185nmの光によりオゾンとなり、簡単な構成で容
易にオゾンを供給できるとともに、光源が例えば光触媒
フィルタに照射する波長の光も照射する構成とすること
により、生成するオゾンによる強い酸化分解作用と光触
媒作用とにて排気風中の汚染物質を高度に浄化処理する
構成を1つの構成ででき、構成を簡略化できる。
【0183】請求項11記載の排気浄化装置によれば、
請求項1ないし10いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、光触媒として光触媒機能が高い酸化チタンを
用いるため、排気風の汚染物質や異臭成分の分解除去の
効率を向上でき、効率よく高度に排気風を浄化処理でき
る。
【0184】請求項12記載の排気浄化装置によれば、
請求項11記載の排気浄化装置の効果に加え、波長が3
00nm以上420nm以下の紫外線を照射する光源を
用いるため、酸化チタンの光触媒機能を効率よく発現で
き、効率よく高度な排気風の浄化処理ができる。
【0185】請求項13記載の排気浄化装置によれば、
請求項1ないし12いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、厨房で発生する油塵および異臭成分を含有す
る排気が流通するダクトに配設するため、火炎が発生し
ても損傷することなく油塵および異臭成分を分解除去で
き、付着によりタール状になる油塵を確実に捕捉して分
解し付着する油塵による異臭の発生および火災の発生を
防止できるとともに、排気風中の異臭成分も高度に分解
除去でき、使用環境が火炎を発生し処理対象の排気風中
に捕捉後の処理が困難な油塵や除去が困難な異臭成分を
含有する厨房で発生する排気も確実に高度に浄化処理で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における排気ダクトに配
設した排気浄化装置を示す説明図である。
【図2】同上調理室を示す説明図である。
【図3】同上第1排気処理装置を示す一部を切り欠いた
一側面図である。
【図4】同上正面図である。
【図5】同上平面図である。
【図6】同上他側面図である。
【図7】同上一部を切り欠いたフィルタ体を示す斜視図
である。
【図8】同上ダクト本体内に配設した状態の第2排気処
理装置を示す断面図である。
【図9】同上光触媒モジュールを示す平面図である。
【図10】同上側面図である。
【図11】同上光触媒フィルタを示す斜視図である。
【図12】同上光触媒フィルタを示す部分拡大図であ
る。
【図13】同上光触媒フィルタの骨格筋を示す図12の
A−A断面図である。
【図14】同上各種光触媒フィルタの骨格筋と圧力損失
との関係を示すグラフである。
【図15】同上各種光触媒フィルタのアセトアルデヒド
の分解状況を示すグラフである。
【図16】本発明の他の実施の形態におけるダクト本体
内に配設した状態の第2排気処理装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
7 排気浄化装置 8 排気風路であるダクトとしての排気ダクト 17 排気前処理装置としての第1排気処理装置 18 排気風 19 排気浄化装置としての第2排気処理装置 22 洗浄手段としての洗浄槽 30 洗浄液 40 フィルタ体 41 枠体 42 フィルタ 49 内部空間 55 移動手段としての電動機 64 光源である紫外線ランプ 71 セラミックス多孔体 72 セラミックス粒子 76 光触媒層 77 骨格筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 B01J 35/04 331B 35/04 331 37/02 301C 37/02 301 B01D 53/36 J H (72)発明者 加藤 真示 名古屋市西区則武新町三丁目1番地36号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者 渡邉 裕和 名古屋市西区則武新町三丁目1番地36号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者 平野 美喜雄 名古屋市西区則武新町三丁目1番地36号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者 黒部 久徳 名古屋市西区則武新町三丁目1番地36号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド内 (72)発明者 迫 恵美子 東京都練馬区東大泉二丁目11番8号 株式 会社トーテクジャパン内 (72)発明者 迫 則人 東京都練馬区東大泉二丁目11番8号 株式 会社トーテクジャパン内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA05 BB07 BC07 BD01 CB09 4D048 AA22 AB01 AB03 AC07 BA03X BA07X BA41X BA42X BB09 CA06 CC38 CC41 CD05 CD08 EA01 4D058 JA02 JA12 JB03 JB06 JB28 KA01 KA03 KB11 KC04 MA12 MA47 MA48 SA02 TA01 TA06 TA07 4G069 AA03 AA08 AA09 BA01B BA04A BA04B BA48A CA01 CA07 CA10 CA17 DA06 EA11 EB11 EB12Y EB17Y FB06 FB15 FB33 FB36

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気風が流通する排気流路内に配設さ
    れ、三次元網目構造のセラミックス多孔体の表面に平均
    粒径が1μm以上100μm以下のセラミックス粒子が
    担持されるとともに光触媒が表面に被覆形成された光触
    媒フィルタと、 この光触媒フィルタに光を照射する光源とを具備したこ
    とを特徴とする排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 セラミックス多孔体は、構成する骨格筋
    の直径が100μm以上1000μm以下の骨格筋を有
    したことを特徴とした請求項1記載の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 光触媒フィルタは、空隙率が65%以上
    95%以下、嵩密度が0.15g/cm以上0.60
    g/cm以下、および、セル数が10個/25mm以
    上30個/25mm以下の3つの条件のうちの少なくと
    も一つの条件を備えたことを特徴とした請求項1または
    2記載の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 光触媒フィルタは、三次元網目構造の有
    機多孔体にセラミックス微粉末および結合材を含有した
    スラリが含浸されセラミックス粒子が未乾燥の前記スラ
    リに付着されて乾燥された後に加熱され前有機多孔体が
    焼失されて形成されたセラミックス粒子が表面に担持さ
    れたセラミックス多孔体に光触媒が被覆形成されたもの
    であることを特徴とした請求項1ないし3いずれか一記
    載の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 排気流路内に光触媒フィルタより排気風
    の上流側に位置して配設され、前記排気風が流通する通
    気性を有したフィルタ体と、このフィルタ体を相対的に
    移動させて前記排気風が流通する位置を可変させる移動
    手段と、前記フィルタ体に捕捉した前記排気風中の汚染
    物質を除去して前記フィルタ体を洗浄する洗浄手段とを
    備えた排気前処理装置を具備したことを特徴とした請求
    項1ないし4いずれか一記載の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 排気風が流通する排気流路内に配設さ
    れ、前記排気風が流通する通気性を有したフィルタ体、
    このフィルタ体を相対的に移動させて前記排気風が流通
    する位置を可変させる移動手段、および、前記フィルタ
    体に捕捉した前記排気風中の汚染物質を除去して前記フ
    ィルタ体を洗浄する洗浄手段とを備えた排気前処理装置
    と、 前記排気風路内に前記排気前処理装置より前記排気風の
    下流側に位置して配設され、三次元網目構造のセラミッ
    クス多孔体の表面に光触媒が表面に被覆形成された光触
    媒フィルタと、 この光触媒フィルタに光を照射する光源とを具備したこ
    とを特徴とする排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 フィルタ体は、移動手段にて中心軸を回
    転軸として回転移動される略円筒状の枠体と、金属繊維
    を含有する通気性で前記枠体に内部空間を有して略円筒
    状に保持されるフィルタとを備えたことを特徴とした請
    求項5または6記載の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 洗浄手段は、フィルタ体の少なくとも一
    部が浸漬する洗浄液を貯溜する洗浄槽を備えたことを特
    徴とした請求項5ないし7いずれか一記載の排気浄化装
    置。
  9. 【請求項9】 排気流路内にオゾンを供給するオゾン供
    給手段を具備したことを特徴とした請求項1ないし8い
    ずれか一記載の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 オゾン供給手段は、波長が略185n
    mの光を照射する光源を備えたことを特徴とした請求項
    9記載の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】 光触媒は、酸化チタンであることを特
    徴とした請求項1ないし10いずれか一記載の排気浄化
    装置。
  12. 【請求項12】 光源は、波長が300nm以上420
    nm以下の紫外線を照射することを特徴とした請求項1
    1記載の排気浄化装置。
  13. 【請求項13】 排気流路は、厨房で発生する排気を流
    通するダクトであることを特徴とした請求項1ないし1
    2いずれか一記載の排気浄化装置。
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