JPH1085535A - 排気浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気風の効率的な浄化により汚染したフィル
タの洗浄がほぼ不要で保守管理が容易な排気浄化装置を
提供する。 【解決手段】 上部に排気ダクト14を接続する下面を開
口する天蓋８内に排気浄化装置本体15を配設する。グリ
スフィルタ23を排気風５が流入する流入口19を有した本
体ケース18の側板部に配設する。本体ケース18内に回転
自在に設けた回転軸25a ，25b にステンレス鋼線などを
集綿して無端ベルト状に形成したフィルタ33を配設す
る。フィルタ33はグリスフィルタ23および排気風５が流
過する流出開口部10に密接させ、本体ケース18の下部に
設けた洗浄液槽22内の洗浄液40に一部浸漬させる。流入
口19からグリスフィルタ23を介して流入した排気風５を
回転移動するフィルタ33に流過させ、空間部36から再度
フィルタ33に流過させて浄化後排気する。排気風５の浄
化およびフィルタ33の洗浄が同時にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレストラン
や家庭の厨房、燃焼施設および破砕施設などの汚染物質
を有する排気風をフィルタを用いて浄化して排気する排
気浄化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばホテルやレストラン、天ぷ
ら料理、焼とり料理などの特に油脂を含んだ蒸気や塵埃
を有する排気風を発生する飲食店などの給食施設で用い
られている厨房設備や、家庭用の換気扇、ゴミ焼却場な
どの焼却設備、採石場の破砕施設、セメント工場などの
クリンカ焼成施設などの汚染物質が含有された排気風を
フィルタを用いて浄化して排気する排気浄化装置として
は、各種の構成が知られている。そして、厨房施設に配
設されている排気浄化装置として、例えば図２０および
図２１に示す構成が知られている。

【０００３】この図２０および図２１に示す厨房装置
は、屋外に連通しファンを収納する排気ダクト201 に接
続され天井に配設された下方に向けて拡開するラッパ状
の天蓋202 内に、排気風203 から油脂分や塵埃の混合し
たタール状物質を分離除去するグリスフィルタやグリス
セパレータなどのフィルタ204 を有した排気浄化装置20
5 を配設した構成が採られている。

【０００４】そして、フィルタ204 は、消防法や各種技
術基準などに規定されているように、ステンレス鋼板や
ステンレス鋼板と同等以上の耐熱性および耐腐蝕性を有
する不燃材にて形成されている。また、フィルタ204
は、例えば図２２ないし図２５に示すように、排気風20
3 が流過する際に急激な気流の方向転換や流れが狭めら
れる縮流によって、排気風203 中の油脂分が壁面に当接
するようにして所定量以上の油脂分を除去するルーバ構
造に形成されている。さらに、フィルタ204 は、分離除
去して付着する油脂分を容易に洗浄除去できるように、
着脱が容易な構成で配設されている。そして、フィルタ
204 の下部には、天蓋202 の下端部に周縁に設けた内壁
面を流れ落ちる油脂分を回収する樋207 と同様に、分離
除去した油脂分を天蓋202 外に所定量以上回収して排除
する樋208 が設けられている。なお、排気浄化装置205
は、厨房の燃焼設備210 や火源211 に油脂分が滴下せ
ず、確実に回収できるように、フィルタ204 の平面が水
平面に対して略４５度以上傾斜して天蓋202 内に配設さ
れている。

【０００５】ところで、上記図２２ないし図２５に示す
ようなルーバ構造のフィルタ204 を有する排気浄化装置
205 では、排気風203 中の油脂分の付着が所定量以上と
なると流れ出して下部に配設した樋207 ，208 にて回収
される。しかしながら、このルーバ構造のフィルタ204
では、排気風203 中に塵埃が混入するタール状物質が含
有される場合には、油脂分の粘性が高く流れ落ちにくく
なり、排気風203 の流過性が低下して効率よく分離除去
できなくなってくる。また、風切り音などの騒音を生じ
ることから、特に排気風203 中の油脂分の多い環境では
フィルタ204 のアルカリ洗剤などによる洗浄作業を頻繁
に行わなければならず、洗浄が煩雑となる。さらに、除
去されずにフィルタ204 を流過した油脂分が排気ダクト
201 の内壁面に付着し、排気性を低下するとともに排気
ダクト201 の内壁面に付着した油脂分が塵埃の付着によ
りタール状となってこびりつく。そして、このタール状
の油脂分は、除去作業が煩雑で、油脂分が酸化されるこ
とにより発熱して発火するおそれもあり、困難な排気ダ
クト201 の洗浄作業を行わなければならず、洗浄コスト
が増大する。

【０００６】また、排気ダクト201 内に防火ダンパや消
火のためのノズルを有した消火装置などの防火設備が配
設されている場合には、除去しきれずに流過した油脂分
が付着し、防火動作が良好に作動しないおそれもあり、
保守管理も煩雑で、保守管理コストが増大する問題があ
る。

【０００７】そこで、従来は、流過する排気風に洗浄液
などを噴霧して汚染物質を分離除去したり、フィルタ20
4 に洗浄液を吹き付けてフィルタ204 に付着分離した汚
染物質を洗い流したり、排気風を洗浄液や水内に流過さ
せて汚染物質を分離除去するなどの自動洗浄機能を備え
たグリスエクストラクタなどが用いられている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グリス
エクストラクタなどの自動洗浄機能を備えたものにおい
て、洗浄液などを噴霧する構成のものやフィルタ204 に
吹き付ける構成のものでは、噴霧したり吹き付けるノズ
ルなどや排気ダクト201 内を流れ落ちる洗浄後の油脂分
などを含んだ汚水を排気風203 の風路抵抗とならないよ
うに回収する構造などが複雑となり、製造が煩雑で高価
となるとともに装置が大型化する。さらに、排気風を洗
浄液や水内に流過させる構成のものでは、除去率を増大
させるために洗浄液や水との接触時間を長くする必要が
あり、大きな風路抵抗となり、効率よく排気風を浄化で
きない問題がある。

【０００９】また、天蓋202 に配設する固定型の構成で
あるため、例えば厨房の真ん中で油を用いた調理を行う
場合には、天蓋202 から吸引される蒸発した油脂分の回
収率はきわめて低くなり、調理環境が悪化する問題もあ
る。

【００１０】さらに、家庭などの蒸発する油脂分が少な
い環境では、内部に排気浄化装置205 を配設する天蓋20
2 を取り付けるスペースを確保することが困難となる問
題もある。

【００１１】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、排気風の浄化により汚染されるフィルタの洗浄が
ほぼ不要で保守管理が容易な排気浄化装置、また、効率
よく排気風を浄化できる排気浄化装置、さらに、簡単な
構成で製造が容易な排気浄化装置、また、特に油脂分を
含む排気風に対して良好に浄化できる排気浄化装置、さ
らに、使用態様により移動可能な排気浄化装置、さら
に、使用環境により小型の排気浄化装置を提供すること
を目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の排気浄化
装置は、排気風が流入する流入口および前記排気風が排
気される排気口を有した本体と、この本体内に配設され
前記流入口から流入した前記排気風を流過させて前記排
気口から流出させる通気性を有したフィルタと、このフ
ィルタの少なくとも一部を洗浄する洗浄手段と、前記フ
ィルタを移動させて前記洗浄手段による前記フィルタの
洗浄位置を変化させる移動手段とを具備したもので、流
入口から本体内に流入した排気風は、本体内に配設され
移動手段にて移動される通気性を有したフィルタを流過
して本体の排気口から排出される際に、排気風中の汚染
物質がフィルタに捕捉されて分離除去され、フィルタに
捕捉した汚染物質は洗浄手段によりフィルタの少なくと
も一部を移動手段にてフィルタの洗浄位置が変化されて
洗浄されるので、洗浄作業が略自動化されて効率よく排
気風が浄化され保守管理が容易となる。

【００１３】請求項２記載の排気浄化装置は、請求項１
記載の排気浄化装置において、洗浄手段は、洗浄液を有
し、フィルタに前記洗浄液を噴出させる噴出部を備えた
もので、洗浄手段の噴出部にてフィルタに洗浄液を噴出
させて洗浄するため、簡単な構成で自動化が容易でフィ
ルタの洗浄が容易に行える。

【００１４】請求項３記載の排気浄化装置は、請求項２
記載の排気浄化装置において、噴出部は、排気風の流過
方向の上流側からフィルタに洗浄液を噴出させるもの
で、排気風の流過方向の上流側から噴出部にてフィルタ
に洗浄液を噴出させて洗浄するため、外部への洗浄液の
噴出が容易に防止されて効率よくフィルタが洗浄される
とともに、噴出した洗浄液および汚染物質が混入する洗
浄液の回収が容易で構成が簡略化する。

【００１５】請求項４記載の排気浄化装置は、排気風が
流入する流入口および前記排気風が排気される排気口を
有した本体と、この本体内に前記排気口を覆って配設さ
れた通気性を有したフィルタと、このフィルタの少なく
とも一部が浸漬される洗浄液を貯溜する洗浄手段と、前
記フィルタを移動させて前記洗浄手段による前記フィル
タの洗浄位置を変化させる移動手段とを具備したもの
で、流入口から本体内に流入した排気風は、本体内に配
設され移動手段にて移動される通気性を有したフィルタ
を流過して本体の排気口から排出される際に、排気風中
の汚染物質がフィルタに捕捉されて分離除去され、フィ
ルタは移動手段にて移動されて洗浄手段の洗浄液中に少
なくとも一部が位置を変化されつつ浸漬されて捕捉した
汚染物質を洗い流すので、洗浄作業が略自動化されて効
率よく排気風が浄化され保守管理が容易となる。

【００１６】請求項５記載の排気浄化装置は、請求項１
ないし４いずれか一記載の排気浄化装置において、移動
手段は、排気口を覆った状態でフィルタを移動させるも
ので、フィルタは移動手段にて排気口を覆った状態で移
動されるため、フィルタの同一面で排気風中の汚染物質
が捕捉されることによる目詰まりなどの弊害の防止が可
能で、簡単な構成でフィルタの洗浄も容易となり、排気
風中の汚染物質の捕捉およびフィルタの洗浄が同時に行
え、排気風の浄化効率およびフィルタの洗浄効率が向上
する。

【００１７】請求項６記載の排気浄化装置は、請求項４
または５記載の排気浄化装置において、洗浄手段は、洗
浄液に浸漬するフィルタを超音波洗浄する超音波洗浄手
段を備えたもので、洗浄手段の超音波洗浄手段により洗
浄液に浸漬するフィルタを超音波洗浄するため、洗浄性
が向上する。

【００１８】請求項７記載の排気浄化装置は、請求項１
ないし６いずれか一記載の排気浄化装置において、排気
風は、少なくとも２回以上フィルタを流過されるもの
で、排気風をフィルタに少なくとも２回以上流過させる
ため、排気風中の汚染物質の除去率が向上する。

【００１９】請求項８記載の排気浄化装置は、請求項１
ないし７いずれか一記載の排気浄化装置において、フィ
ルタは、内部に空間部を有した略筒状に形成されたもの
で、フィルタを内部に空間部を有した略筒状に形成した
ため、フィルタの効率的な洗浄が容易となり洗浄手段の
構成が簡略化する。

【００２０】請求項９記載の排気浄化装置は、請求項１
ないし８いずれか一記載の排気浄化装置において、フィ
ルタは、無端ベルト状に形成されたもので、フィルタを
無端ベルト状に形成したため、フィルタの配置自由度が
向上し、製造性が向上するとともに小型化が容易に図れ
る。

【００２１】請求項１０記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし９いずれか一記載の排気浄化装置において、移
動手段は、フィルタを回行移動させるもので、移動手段
にてフィルタを回行移動させるため、フィルタの移動に
必要なスペースが少なく、容易に小型化が図れる。

【００２２】請求項１１記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１０いずれか一記載の排気浄化装置において、
移動手段は、フィルタを保持するフィルタ保持部と、こ
のフィルタ保持部を移動させる駆動手段とを具備したも
ので、フィルタを保持するフィルタ保持部を駆動手段に
て移動させるため、フィルタの形状が維持されたまま容
易に移動可能で、移動の際の負荷によるフィルタの損傷
を防止するとともに、フィルタの着脱が容易となり、製
造性および保守管理が容易となる。

【００２３】請求項１２記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし８いずれか一記載の排気浄化装置において、移
動手段は、フィルタを保持する枠状のフィルタ保持部
と、このフィルタ保持部を回転移動させる駆動手段とを
具備したもので、フィルタを保持する枠状のフィルタ保
持部を駆動手段にて回転移動させるため、フィルタの移
動に必要なスペースが少なく容易に小型化が図れ、フィ
ルタの形状が維持されたまま容易に移動可能で、移動の
際の負荷によるフィルタの損傷を防止するとともに、フ
ィルタの着脱が容易となり、製造性および保守管理が容
易となる。

【００２４】請求項１３記載の排気浄化装置は、排気風
が流入する流入口および前記排気風が排気される排気口
を有した本体と、この本体内に配設され前記流入口から
流入した前記排気風を流過させて前記排気口から流出さ
せる通気性を有したフィルタと、このフィルタに洗浄液
を噴出して少なくとも一部を洗浄する噴出部を有した洗
浄手段と、この洗浄手段の前記噴出部を移動させて前記
フィルタの洗浄位置を変化させる移動手段とを具備した
もので、流入口から本体内に流入した排気風は、本体内
に配設された通気性を有したフィルタを流過して本体の
排気口から排出される際に、排気風中の汚染物質がフィ
ルタに捕捉されて分離除去され、フィルタに捕捉した汚
染物質はフィルタに洗浄液を噴出する洗浄手段の噴出部
を移動手段にて移動させて洗浄位置を変化して洗浄する
ことにより洗い流されるので、洗浄作業が略自動化され
て効率よく排気風が浄化され保守管理が容易となる。

【００２５】請求項１４記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１３いずれか一記載の排気浄化装置において、
フィルタは、難燃性または不燃性および耐蝕性を有した
もので、フィルタを難燃性または不燃性および耐蝕性に
形成したため、洗浄液による洗浄にて劣化せず、熱負荷
を受ける雰囲気でも使用可能となる。

【００２６】請求項１５記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１４いずれか一記載の排気浄化装置において、
フィルタは、細長い金属線および細長い金属薄板の少な
くともいずれか一方が集綿されて形成されたもので、細
長い金属線および細長い金属薄板の少なくともいずれか
一方を集綿してフィルタを形成するため、柔軟性、不燃
性、耐蝕性および高強度が容易に得られるとともに、製
造が容易で製造性が向上し安価に得られる。

【００２７】請求項１６記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１５いずれか一記載の排気浄化装置において、
フィルタは、ステンレス鋼にて形成されたもので、ステ
ンレス鋼にてフィルタを形成したため、不燃性、高耐蝕
性および高強度が容易に得られる。

【００２８】請求項１７記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１６いずれか一記載の排気浄化装置において、
本体は、床面上に移動可能に載置する脚部を有したもの
で、本体にこの本体を床面上に移動可能に載置する脚部
を設けたため、排気風が発生する状況に対応して移動す
ることにより、効率よく排気風を浄化する。

【００２９】請求項１８記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし１７いずれか一記載の排気浄化装置において、
洗浄手段は、洗浄液を供給および排出する洗浄液給排手
段を備えたもので、洗浄手段に洗浄液を供給および排出
する洗浄液給排手段を設けたため、洗浄液給排手段によ
り洗浄手段への洗浄液の供給および排出が他部位を汚さ
ずに効率よく円滑に行える。

【００３０】請求項１９記載の排気浄化装置は、請求項
２ないし１８いずれか一記載の排気浄化装置において、
洗浄液は、不燃性で植物性であるもので、不燃性で植物
性の洗浄液を用いるため、排気風中から除去した汚染物
質を含有する洗浄液の処理が容易で、熱負荷を受ける雰
囲気でも利用可能である。

【００３１】請求項２０記載の排気浄化装置は、請求項
２ないし１９いずれか一記載の排気浄化装置において、
洗浄液は、トール油を原料としたアミンソープを主成分
とし、高級アルコール系非イオン界面活性剤を含有する
もので、トール油を原料としたアミンソープを主成分と
し、高級アルコール系非イオン界面活性剤を含有する洗
浄液を用いるため、処理容易性、不燃性、取扱容易性お
よび高洗浄力が得られる。

【００３２】請求項２１記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし２０いずれか一記載の排気浄化装置において、
フィルタは、排気風が直線上に流過不可能な流通孔を有
した流過規制体にて覆われたもので、排気風が直線上に
流過不可能な流通孔を有した流過規制体にてフィルタを
覆ったため、排気風は、流過規制体の流通孔を非直線上
に流過して排気風中の汚染物質の一部が除去された後に
フィルタを流過して浄化されるので、フィルタの汚染物
質の除去負荷が低減するとともに、排気風中の汚染物質
の除去率が向上し、洗浄性が向上し、効率よく排気風が
浄化される。

【００３３】請求項２２記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし２１いずれか一記載の排気浄化装置において、
洗浄手段は、平面面積がフィルタの平面面積以上の広さ
に形成されて前記フィルタの下方に配設された受け槽を
有したもので、平面面積がフィルタの平面面積以上の広
さに形成された受け槽をフィルタの下方に配設したた
め、フィルタの洗浄および洗浄後の洗浄液の回収が簡単
な構成で容易となる。

【００３４】請求項２３記載の排気浄化装置は、請求項
１ないし２２いずれか一記載の排気浄化装置において、
本体は、火災を検知する火災検知手段と、排気口を閉塞
するシャッタ体とを設けたもので、本体に火災を検知す
る火災検知手段および排気口を閉塞するシャッタ体を設
けたため、仮に火災が発生してもシャッタ体にて排気口
を閉塞することにより、装置内への火炎の侵入が抑制さ
れて、火炎による損傷が容易に防止される。

【００３５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の排気浄化装置の実
施の一形態の構成を図面を参照して説明する。

【００３６】図１および図２において、１は厨房設備
で、この厨房設備１は、調理器具２が載置可能なガスレ
ンジなどの火源３を有した燃焼設備４と、この燃焼設備
４の上方に配設され、調理の際に生ずる排気風５を吸気
し屋外に排出する排気設備６とを有している。

【００３７】また、排気設備６は、厨房室７の図示しな
い天井に取り付けられた天蓋８を有している。この天蓋
８は、下面に流入開口部９を開口した略箱状で、上面略
中央部には流出開口部10を開口形成している。そして、
天蓋８の流出開口部10には、この流出開口部10の開口状
態を可変、すなわち火災の発生などにより流出開口部10
を閉塞させるシャッタ体としての防火ダンパ11が設けら
れている。なお、この防火ダンパ11は、手動にて流出開
口部10を開閉させたり、図示しない煙や火炎、熱などを
検知するセンサの検知により動作するいずれのものでも
よい。

【００３８】さらに、天蓋８の流入開口部９の周縁、例
えば前面および両側面には、内方に向けて屈曲形成され
た凹溝状の樋12が設けられている。また、天蓋８の上部
には、一端が流出開口部10を覆うように連通され他端が
屋外に導出し図示しないファンやブロワなどを有した排
気ダクト14が接続されている。さらに、天蓋８内には、
排気浄化装置本体15が配設されている。

【００３９】そして、この排気浄化装置本体15は、耐熱
性および耐腐蝕性の不燃材である例えばステンレス鋼板
にて略等脚台形板状に形成された一対の端板部16，16
と、これら端板部16，16の側縁に一対設けられたステン
レス鋼板にて略長方形板状に形成された側板部17，17と
にて上下面を開口し上方に向けて拡開する箱状に形成さ
れた本体としての本体ケース18を有している。なお、端
板部16の一方には図示しない蓋体にて開閉自在で本体ケ
ース18内を点検可能な略円形の点検口が設けられ、一対
の側板部17，17は流入口19，19をそれぞれ開口する枠状
に形成され、これら流入口19，19から本体ケース18内に
流入した空気は本体ケース18の上面の開口である排気口
20から排出される。さらに、側板部17は、平面が水平方
向に対して略４５度傾斜した状態となるように設けられ
ている。

【００４０】また、この本体ケース18の下部には、下面
の開口を覆うように上面を開口する箱状の受け槽となる
洗浄液槽22が一体的に設けられている。そして、本体ケ
ース18の側板部17，17の内面側には、流入口19，19を閉
塞するように、流過規制体としてのルーバ構造のグリス
フィルタ23，23が着脱自在にそれぞれ取り付けられてい
る。なお、このグリスフィルタ23は、従来のグリスフィ
ルタと同様に、排気風５が非直線上に流過する図示しな
い流通孔を複数有したルーバ構造で、略４５度に傾斜す
る側板部17に取り付けられた状態で、付着する油脂分や
タール状物質などの汚染物質などが下方に滴下しない構
造に形成されている。また、汚染物質などが下方に滴下
しないように別途回収部材などを設けてもよい。

【００４１】さらに、本体ケース18の下方には、排気浄
化装置本体15から滴下する液体を回収する平皿状の回収
部24が設けられている。

【００４２】そして、本体ケース18には、一対の端板部
16の対向方向に沿って軸方向を有する回転軸25a ，25b
が、両端部を端板部16，16にそれぞれ設けられた図示し
ないベアリングにて回転自在に保持されて複数、例えば
３本配設されている。これら回転軸25a ，25b は、端板
部16，16の形状に沿って略逆三角形の頂点に位置するよ
うに配設され、下方に位置する回転軸25b は洗浄液槽22
内に位置するようになっている。そして、回転軸25a の
１本は、一端部が端板部16より突出され、突出する端部
に本体ケース18の端板部16の外面側に配設された駆動手
段としてのモータ26の出力軸27が連結されている。な
お、このモータ26は、電源線28を介して図示しない制御
手段にて適宜位相制御された商用交流電源が供給されて
駆動され、移動手段29が構成されている。

【００４３】また、回転軸25a ，25b の両端部には歯車
30，30がそれぞれ設けられ、歯車30，30には無端状のチ
ェーン31，31がそれぞれ掛け渡されて、モータ26の駆動
により回転軸25a ，25b が同方向に回転するようになっ
ている。回転軸25a ，25b の両端部に位置するチェーン
31，31には、それぞれ連結するように無端ベルト状のフ
ィルタ33の両側縁が取り付けられている。

【００４４】そして、フィルタ33は、図３に示すよう
に、両側縁がチェーン31，31にそれぞれ取り付けられる
例えばステンレス鋼線にて網目状に形成された無端状の
ネット34と、このネット34の外面に一体的に設けられた
例えばステンレス鋼線にてマット状に集綿されたマット
部35とにて構成されている。なお、フィルタ33を構成す
るステンレス鋼線は、例えば１００μｍ程度の細線状の
ステンレス鋼線や細長いリボン状であるステンレス鋼薄
板などが用いられ、マット部35はマイクロファイバ化さ
れた繊維状に集綿されて通気性を有するマット状に構成
されている。そして、このフィルタ33は、略逆三角形の
頂点に位置するように配設された回転軸25a ，25b に掛
け渡されるチェーン31，31に両側が取り付けられて、内
部に空間部36を区画して略三角筒状に構成され、下端角
部分が洗浄液槽22内に位置するようになっている。

【００４５】なお、フィルタ33は、上方に位置する回転
軸25a ，25a 間に掛け渡される部分の上面が本体ケース
18の上端縁と略同位置で、この上面部分が流出開口部10
を隙間なく覆うようになっている。また、フィルタ33
は、上方に位置する回転軸25a，25a と下方に位置する
回転軸25b と間に掛け渡されるの部分の外側面がグリス
フィルタ23，23の内面に略当接して密接されている。

【００４６】さらに、フィルタ33の排気口20を覆う上面
部分の平面面積は、洗浄液槽22の上面開口面積と略同程
度、すなわち平面視で洗浄液槽22の方が同程度もしくは
大きい状態で、フィルタ33から洗浄液などが滴下しても
洗浄液槽22に回収されるようになっている。

【００４７】なお、グリスフィルタ23に付着する油脂分
やタール状物質、フィルタ33から滴下した洗浄液などは
グリスフィルタ23に滴下してもグリスフィルタ23がルー
バ構造であるため、洗浄液槽22に導かれて回収される。
また、グリスフィルタ23は、従来のような汚染物質の除
去率ほど高い除去率でなくてよい。すなわち、フィルタ
33にて汚染物質を除去するので、補助的に除去もしくは
ほとんど除去できなくてもよく、フィルタ33を外部から
見えないようにして保護するとともに、外部から調理器
具が移動するフィルタ33に挟み込まれないようにするカ
バー部材としての機能を有する構造であればよい。

【００４８】そして、排気浄化装置本体15は、本体ケー
ス18の上端部が天蓋８の上部下面に流出開口部10を覆っ
て本体ケース18の上面の排気口20を流出開口部10に気密
に連通させ、フィルタ33の上面部分が流出開口部10を閉
塞すなわち隙間なく覆うように密接して取り付けられて
いる。なお、排気浄化装置本体15は、天蓋８の流入開口
部９から流入した排気風５、すなわち調理の際に調理油
の蒸発した油脂分やこの油脂分が空気中の塵埃と付着し
たタール状物質を含んだ空気である排気風５が、排気浄
化装置本体15の流入口19，19からグリスフィルタ23，2
3、フィルタ33のグリスフィルタ23に密接する側面部、
フィルタ33内の空間部36、フィルタ33の流出開口部10を
覆う状態の上面部を介して防火ダンパ11が設けられた流
出開口部10より排気ダクト14を通り、屋外に排出される
ように排気風路を構成している。

【００４９】また、洗浄液槽22の一端側上部は、天蓋８
の外面側正面に取り付けられた洗浄液40を貯溜するタン
ク41に供給バルブ42を有した供給管43を介して接続さ
れ、タンク41から供給管43を介して洗浄液40が洗浄液槽
22内に供給されて貯溜されている。なお、この洗浄液40
は、例えば松材などの植物から抽出されたオレイン酸や
リノール酸などにて調整されたトール油にて作製された
アミンソープを主成分とし、このアミンソープに高級ア
ルコール系非イオン界面活性剤などが混合された組成で
あり、その他、特に油脂に対して洗浄性が高く、抗菌性
を有し、中性で、防腐剤を含まず、無リン、無着色、不
燃性のものが好ましい。

【００５０】さらに、洗浄液槽22の他端側底部には、洗
浄液槽22内に貯溜される洗浄液40を排出する排出バルブ
45を有した排出管46が接続されている。また、他端側上
部には、洗浄液槽22に貯溜される洗浄液40を一定量に調
整するオーバーフロー管47の一端が接続され、このオー
バフロー管47は排出管46の排出バルブ45より下流側に接
続されて、洗浄液槽22内に洗浄液40が所定量以上供給さ
れた場合には、オーバフロー管47から排出管46にオーバ
ーフローして排出される。なお、この洗浄液40の量は、
洗浄液槽22内に下端部が位置するフィルタ33が、洗浄液
40に浸漬する量となるように設定される。そして、洗浄
液40、タンク41、供給バルブ42を有した供給管43、排出
バルブ45を有した排出管46およびオーバーフロー管47に
て洗浄液給排手段48が構成されている。

【００５１】また、洗浄液槽22内には、微細振動する振
動子50が配設され、この振動子50には天蓋８の外面側の
正面に配設された超音波発信装置51に導線52などにて接
続されて超音波洗浄手段53が構成されている。そして、
この超音波洗浄手段53は、超音波発信装置51の操作によ
り振動子50が振動して、洗浄液槽22内に貯溜された洗浄
液40が超音波振動し、洗浄液槽22内の洗浄液40に一部が
浸漬するフィルタ33を超音波洗浄するようになってい
る。

【００５２】そして、この超音波洗浄手段53と洗浄液給
排手段48と洗浄液槽22とにて洗浄手段55が構成されてい
る。

【００５３】さらに、洗浄液槽22には、外部から洗浄液
40の液面が目視可能に図示しないケージが設けられてい
る。

【００５４】次に、上記実施の一形態の動作を説明す
る。

【００５５】まず、あらかじめ天蓋８内に組み付けられ
た排気浄化装置本体15に天蓋８に配設されたタンク41お
よび超音波発振装置51をそれぞれ接続して排気設備６を
組み立て形成する。そして、タンク41内に洗浄液40を充
填し、排出バルブ45が閉じていることを確認した後、供
給バルブ42を開いて排気浄化装置本体15の洗浄液槽22内
に図示しないゲージを見つつ洗浄液40を所定量供給す
る。なお、所定量以上の洗浄液40が流入された場合に
は、オーバーフロー管47を介して排出管46からオーバー
フローして排出される。

【００５６】そして、排気ダクト14の図示しないファン
やブロワなどを動作させて吸気を行う。さらに、モータ
26を駆動させてフィルタ33を循環する回行移動させると
ともに、超音波洗浄手段53を作動させて、調理準備す
る。

【００５７】この調理準備後、燃焼設備４の火源３に点
火して、火源３の上方に載置した調理器具２にて調理す
る。

【００５８】次に、上記実施の一形態の排気風５の浄化
の動作を説明する。

【００５９】調理により、油脂分の蒸気が発生し、この
蒸気を含んだ空気である排気風５がファンやブロワなど
の動作にて天蓋８の流入開口部９から吸引される。さら
に、天蓋８内に吸引された排気風５は、排気浄化装置本
体15の流入口19，19から吸引されてグリスフィルタ23，
23の図示しない流通孔を非直線上に流過する。このグリ
スフィルタ23の流過の際に、空気中の塵埃や油脂分、タ
ール状物質の一部が付着して排気風５から分離除去され
る。

【００６０】また、このグリスフィルタ23を流過した排
気風５は、グリスフィルタ23に密接するフィルタ33の側
面部分を流過してフィルタ33内の空間部36に流入する。
なお、このフィルタ33の流過の際に、フィルタ33が細い
ステンレス鋼線が集綿された構成であるため、排気風５
はフィルタ33の内部の狭い隙間をステンレス鋼線を縫う
ように非直線上に流過する。そして、フィルタ33は、細
いステンレス鋼線が集綿されて形成されているのでグリ
スフィルタ23に比して比表面積がきわめて広く、排気風
５が流過する流路も非常に狭く、さらには、グリスフィ
ルタ23と同様に、縮流が頻繁に繰り返されて、排気風５
中の微細な塵埃や油脂分、タール状物質などの汚染物質
のほとんどがフィルタ33に捕捉されて分離除去される。

【００６１】さらに、空間部36に吸引されて流入した排
気風５は、フィルタ33の上部を流過する。このフィルタ
33を再度流過することにより、同様の作用により排気風
５中の汚染物質がほぼ完全に分離除去されて浄化され
る。そして、防火ダンパ11の流出開口部10を介して排気
ダクト14に吸引されて、屋外に排気される。

【００６２】また、フィルタ33は、モータ26の駆動によ
る回行移動にて、排気風５から分離除去した汚染物質を
付着する部分が、超音波洗浄手段53が作動する洗浄液40
が貯溜された洗浄液槽22に浸漬し、洗浄液40による洗浄
および超音波による洗浄の相乗作用によりフィルタ33か
ら汚染物質がほぼ確実に除去され、貯溜液槽22内に洗浄
された新しい部分が流入口19に対向する状態となる。

【００６３】なお、所定時間の使用により洗浄液40が汚
染された場合には、排出バルブ45を開いて内部に貯溜す
る汚染された洗浄液40を排出管46を介して流出させる。
この後、再び排出バルブ45を閉じ、供給バルブ42を開い
て排気浄化装置本体15の洗浄液槽22内にゲージを見つつ
洗浄液40を所定量供給する。なお、洗浄液40は、別途廃
液容器などにて回収して、別途処理することにより下水
処理負荷を低減することが好ましい。

【００６４】また、使用中に、洗浄液40の汚染状態が低
く、洗浄液40を交換する必要がないが、揮発などにより
洗浄液40が少なくなったことをゲージにて認められた場
合には、供給バルブ42を開いて排気浄化装置本体15の洗
浄液槽22内にゲージを見つつ洗浄液40を供給して補給す
る。

【００６５】上記実施の一形態によれば、排気浄化装置
本体15の流入口19，19から流入した排気風５を通気性を
有するフィルタ33を流過させて排気風５中の汚染物質を
フィルタ33にて捕捉して分離除去して浄化した後に排気
口20に連通する流出開口部10から排出し、排気風５中か
ら分離除去した汚染物質が付着するフィルタ33は洗浄手
段55にて洗浄液40を接触、すなわち洗浄液40中にフィル
タ33を浸漬させて洗浄するため、厨房設備１の使用後
に、各部位を取り外して洗浄したり、排気ダクト14内を
洗浄するなどの洗浄作業が不要となり、略自動的に洗浄
でき、効率よく容易に排気風５を浄化でき、容易に保守
管理できる。

【００６６】また、フィルタ33を移動させて洗浄液40が
貯溜する洗浄液槽22に浸漬して洗浄するため、洗浄液40
が飛び散るなどの他部位の汚染を防止でき、飛び散った
洗浄液が排気ダクト14を介して排気風５とともに排気さ
れることによる洗浄液40の損失がなく、洗浄液40を効率
よく洗浄に利用できる。

【００６７】さらに、フィルタ33を排気風５が排気され
る排気口20に連通する流出開口部10を閉塞した状態で移
動させるため、排気風５中の汚染物質を分離除去しつつ
移動先でフィルタ33の洗浄が同時にでき、自動化により
フィルタ33を洗浄するために調理を中断して排気浄化装
置本体15を停止させる必要がない。さらには、従来の固
定されたフィルタにて排気風５を浄化する場合では同一
面で排気風５が浄化されることにより、フィルタの一部
分に偏って汚染物質が捕捉されて効率よく浄化できなく
なり偏った排気風５の流過に伴う風切り音などの騒音を
生じるおそれがあるが、フィルタ33を移動させることに
より、フィルタ33の全面で偏りなく汚染物質を捕捉で
き、効率よく排気風５の浄化ができる。

【００６８】また、無端ベルト状のフィルタ33を掛け渡
して内部に空間部36を区画して略逆三角筒状に構成し回
行移動させたため、簡単な構造で容易に排気風５をフィ
ルタ33に２回流過させることができ、排気風５中の汚染
物質をほぼ確実に除去でき、掃除の困難な防火ダンパ11
や排気ダクト14、ファンやブロワなどを汚染せず、防火
ダンパ11やファンまたはブロワなどのが正常に作動で
き、保守管理が容易となるとともに、フィルタ33も薄型
化できる。さらには、いずれの形状に自由に変形するフ
ィルタ33であるため、掛け渡しなどの組み付け作業が容
易となるとともに、排気浄化装置本体15を取り付ける設
置スペースに対応してフィルタ33を自由に変形させるこ
ともでき、施工性および製造性を向上できる。また、筒
状に構成したフィルタ33を回行運動させるので、別途移
動先のスペースを必要とせず、容易に小型化できる。

【００６９】そして、フィルタ33を細長いステンレス鋼
線やステンレス鋼薄板を集綿して形成したため、フィル
タ33を柔軟性で、不燃性、高耐蝕性、高強度に形成で
き、厨房設備１などの熱負荷の掛かる雰囲気でも使用で
き、洗浄液40による洗浄や油脂分などの汚染物質が付着
しても腐蝕や錆などを生じず、長期間にわたって安定し
た排気風５の浄化ができ、保守管理が容易となるととも
に、従来の金属線の集綿工程をそのまま利用して製造で
きるため、安価で容易に製造でき、製造性を向上でき
る。

【００７０】また、フィルタ33をモータ26にて回転軸25
a ，25b に掛け渡したチェーン31，31に取り付けて回行
移動させるため、直接フィルタ33に移動のための負荷が
掛からず、フィルタ33の損傷を防止できるとともに、回
転軸25a ，25b によりフィルタ33の筒状形状が軸方向で
弛まずに保持でき、弛みによる排気風５の偏った浄化を
防止できるとともに他部位に引っ掛かるなどを防止でき
る。

【００７１】一方、フィルタ33の洗浄は、洗浄液40によ
る化学的な洗浄と超音波洗浄手段53による物理的な超音
波洗浄との相乗作用により洗浄するため、フィルタ33に
捕捉した汚染物質をほぼ確実に除去でき、フィルタ33の
目詰まりを防止でき、長期間にわたって効率よく排気風
５を浄化できる。

【００７２】また、超音波洗浄手段53の超音波の発振を
天蓋８の外部に設けた超音波発信装置51にて調整、制御
するため、容易に操作できる。

【００７３】そして、洗浄液槽22を上面開口面積が、フ
ィルタ33の平面面積と略同等の広さとなるように形成し
てフィルタ33の下方に配設したため、フィルタ33の洗浄
液40への浸漬洗浄が簡単な構成で容易にできるととも
に、フィルタ33が洗浄液40から上方に移動した際にフィ
ルタ33から洗浄液40が滴下しても下方に位置する燃焼設
備４などに滴下せずに回収でき、他の部位を汚すことが
ない。

【００７４】また、フィルタ33が浸漬する洗浄液槽22に
貯溜する洗浄液40を、洗浄液給排手段48にて供給および
廃棄するため、洗浄液40を洗浄液槽22に注ぎ込むなどの
作業が不要で、この注ぎ込む際に溢れ流れたり、飛び散
って他部位を汚すこともなく、補充が容易な外部に設け
たタンク41に適宜洗浄液40が貯溜されていれば、供給バ
ルブ42および排出バルブ45の開閉動作のみで容易に洗浄
液40を給排できる。

【００７５】さらに、洗浄液槽22にゲージを設けたた
め、洗浄液40の給排が容易にできるとともに、洗浄液40
が所定量貯溜されていることを容易に確認できる。

【００７６】また、洗浄液40として、不燃性で植物性の
中性洗剤であるトール油を原料としたアミンソープを主
成分として高級アルコール系非イオン界面活性剤を含有
するものを用いたため、高洗浄力が得られるとともに、
微生物でも分解可能な植物性であることから洗浄後の洗
浄液40を容易に処理でき、手に触れても刺激がなく、取
り扱いが容易で、厨房設備１などの熱負荷の掛かる雰囲
気でも使用できる。さらに、洗浄液40が中性植物洗剤で
あるため、フィルタ33に付着する洗浄液40に排気風５中
の異臭成分が結合して消臭効果も得られる。

【００７７】一方、フィルタ33の排気風５が流過する方
向の上流側にフィルタ33を覆うように、排気風５が直線
的に流過不可能な流通孔を有するグリスフィルタ23を密
接して配設したため、フィルタ33による汚染物質の除去
の前に、ある程度の汚染物質を分離除去できるので、フ
ィルタ33の汚染物質の除去負荷を低減でき、フィルタ33
の洗浄負荷も低減するとともに、汚染物質の除去率を向
上でき、長期間にわたって効率よく排気風５を浄化でき
る。さらに、フィルタ33がルーバ構造のグリスフィルタ
23にて覆われていることから、外部にフィルタ33が臨む
ことはなく、外観が向上する。

【００７８】そして、グリスフィルタ23を傾斜して取り
付けた際、グリスフィルタ23に付着する汚染物質が滴下
しないルーバ構造に形成したため、他部位を汚すことが
ない。

【００７９】さらに、グリスフィルタ23を略４５度に傾
斜させて配設したため、小さいスペースで排気風５が円
滑に流過する風路となるように排気浄化装置本体15内に
流入させることができ、効率よく排気風５を吸引浄化で
き、排気風５の浄化効率を向上できる。

【００８０】また、排気口20に防火ダンパ11を設けたた
め、仮に調理中になどに火災が発生しても排気口20を閉
塞することにより、排気浄化装置本体15内への火炎の侵
入が抑制されて、火炎による各部位の損傷を容易に防止
できるとともに、浄化された排気風５が流過する排気口
10の位置に設けたため、防火ダンパ11に汚染物質が付着
することを防止して正常に作動でき、容易に保守管理で
きる。

【００８１】そして、本体ケース18に点検口を設けたた
め、保守管理が容易にできる。

【００８２】また、洗浄液槽22の下方に回収部24を設け
たため、洗浄液槽22の外周面に付着した汚染物質が下方
に滴下することを防止できる。すなわち、洗浄液槽22
は、洗浄液40が貯溜させているため、外面が冷やされて
いる状態となっていることから、排気風５中の汚染物質
が洗浄液槽の外面に結露するような状態となり、この汚
染物質が滴下するおそれがあるが、回収部24は、平皿状
であるため、調理の際の熱にて暖められて、汚染物質が
結露しにくく、仮に結露したとしても再び蒸発するの
で、回収部24の下面から滴下するおそれはほとんどな
い。

【００８３】なお、上記実施の一形態において、フィル
タ33を無端ベルト状に形成し、チェーン31，31に取り付
けて回行移動する構成について説明したが、回転軸25a
，25b の両端部に位置するチェーン31，31に、それぞ
れを連結するようにフィルタ保持部としての例えばステ
ンレス鋼板にて細長板状の架橋部材を所定間隔で設け、
無端ベルト状のフィルタ33を架橋部材に保持して取り付
け、回転軸25a ，25b の回転に伴うチェーン31，31の回
行移動に伴って、フィルタ33を回行移動するようにして
もよい。この構成によれば、回転軸25a ，25b 間に位置
するフィルタ33の弛みも防止でき、さらに弛みによる排
気風５の偏った浄化および他部位に引っ掛かるなどの移
動障害を防止でき、円滑にフィルタ33を回行移動でき
る。

【００８４】さらに、例えば図４に示すように、長手方
向の両側に互いに可動可能に係合し合う蝶板などを有し
た窓61を有する枠状に形成したフィルタ保持部としての
保持部材62に、マット状のフィルタ63やグリスフィルタ
23などを窓61を閉塞するように保持して無端連鎖状態に
連結して無端ベルト状に構成し、保持部材62の両端部を
チェーン31，31に取付金具62a などにて接続して略筒状
に構成し、回行移動可能とするなどしてもよい。この図
４に示す構成によれば、直接フィルタ63に移動のための
負荷が掛からず、フィルタ63の損傷を防止でき、フィル
タ63を弛まずに移動できるとともに、フィルタ63を保持
部材62に窓61から着脱するのみで容易にフィルタ63を着
脱でき、フィルタ63も長方形状の簡単な形状に形成で
き、製造性およびフィルタ63の交換などの保守管理を向
上できる。

【００８５】なお、フィルタ33を３本の回転軸25a ，25
b に掛け渡して略逆三角形の筒状に構成して説明した
が、多角形、円柱形、例えば図５および図６に示すよう
な円筒形状、さらには例えば図７に示すように無端ベル
ト状のフィルタ33を多数回折り返すように掛け渡して筒
状形状に構成、また、例えば図８に示すようなベルトコ
ンベヤ状の偏平型の筒状など、掛け渡しにより筒状に構
成したり一体構造の筒状に構成するなどしてもよい。

【００８６】そして、図５および図６に示す円筒形状に
形成、すなわち、マット状のフィルタ65をドラム枠状に
形成したフィルタ保持部66に保持させて一体構造の円筒
形状のフィルタ体67に形成し、このフィルタ体67をフィ
ルタ保持部66を中心軸を回転軸として回転させて排気風
５の浄化および洗浄を行う構成とした場合には、フィル
タ体67がドラム状のアタッチメント構造となり、フィル
タ65の交換などもフィルタ体67の交換により容易にでき
るとともに、図４に示す構成と同様に、直接フィルタ65
に移動のための負荷が掛からず、フィルタ65の損傷を防
止でき、フィルタ65を弛まずに移動できる。

【００８７】さらに、図７に示す無端ベルト状のフィル
タ33を多数回折り返すように掛け渡して筒状形状に構成
したものでは、排気風５を複数回フィルタ33に流過させ
ることができ、特に汚染状態の悪化した排気風５でもほ
ぼ完全に浄化することができる。

【００８８】また、多角形や図８に示すような偏平型の
筒状に構成することにより、角部分や偏平の一側を洗浄
液槽22内の洗浄液40に浸漬する構成にできるため、容易
に小型化できる。なお、図８に示す構成において、フィ
ルタ33を１対対称状に配設したが、１方のみでもでき
る。この場合には、偏平型のフィルタ33は小さいスペー
スで配設できるため、さらに小型化できる。

【００８９】すなわち、図９および図１０に示すよう
に、無端ベルト状のフィルタ33を偏平筒形状で平面が換
気扇70に対向し上方が換気扇から離間する方向に傾斜し
た状態となるように掛け渡し、フィルタ33の下面側とな
る換気扇70と対向しない面側に流通孔19をパンチング形
成された流過規制体となるグリスフィルタ71が着脱可能
に位置するように天蓋８内に配設することにより、小型
化し、家庭用にも利用できる。なお、傾斜させずに略垂
直方向に掛け渡してもよい。

【００９０】一方、洗浄液40としては、アミンソープを
主成分するものに限らず、洗浄性が高く、フィルタ33，
63，65や洗浄液槽22などの各部位を腐蝕しないいずれの
ものでもよいが、処理が容易で取扱性が高く、特に厨房
などの熱負荷を受ける場所で使用する場合には、不燃性
であることが好ましい。

【００９１】また、フィルタ33，63，65は、ステンレス
鋼線などを集綿したものに限らず、排気風５が流過可能
な通気性を有し排気風５中の汚染物質を除去可能で洗浄
液40が接触しても損傷しないいずれのものでもできる
が、厨房などの熱負荷を受ける場所で使用する場合に
は、例えばアルミニウム合金線などの腐蝕や錆を生じに
くい不燃性のものを用いることが好ましい。その他、排
気風５中に有害ガス成分が含まれるような場合には、フ
ィルタ33，63，65に活性炭粒子を担持させたり、通気性
を有する活性炭シート（英国国防省開発 SGS Yarsley
International Certification Services Ltd製 商品名
ＡＣＣ）をフィルタとして用いたり、空間部36側に活性
炭シートが位置するようにフィルタ33，63，65と重ねあ
わせて用いたり、繊維状の活性炭を集綿してフィルタと
して用いてもよい。これら活性炭を用いる場合には、有
害ガス成分が吸着除去され、また臭いもとれる。

【００９２】そして、排出管40の先端側に汚染された洗
浄液40を浄化処理する浄化処理装置などを設けたり、こ
の浄化処理された洗浄液40を洗浄液槽22に戻す循環装置
などを設けてもよい。これら構成によれば、洗浄液40を
効率よく利用できるとともに、汚染された洗浄液40をそ
のまま下水に流すことによる下水処理負荷を低減でき
る。

【００９３】また、洗浄液槽22内に洗浄液40の量を検知
する手段を設け、洗浄液40が少なくなったことを検知す
ることにより、洗浄液40をタンク41から供給させる構
成、例えばフロート弁などを設けてもよい。この構成に
よれば、洗浄液が少なくなってフィルタ33，63，65が洗
浄できなくなることを防止でき、確実に長期にわたって
効率的な排気風５の浄化ができる。

【００９４】さらに、洗浄液40からフィルタ33，63，65
が移動する側にローラや空気噴出手段などを設けて、フ
ィルタ33，63，65から洗浄液40を水切りする構成を設け
てもよい。この構成によれば、フィルタ33，63，65から
の洗浄液40の滴下を防止でき、他部位を汚すことを防止
できるとともに、ローラなどを設けることにより排気風
５をフィルタ33，63，65に流過させる風路が簡単な構造
で同時に構成でき、排気風５を漏れなく浄化処理でき、
浄化処理効率の向上も簡単な構成で容易に図れる。さら
に、ローラを設けることにより、グリスフィルタ23に密
接してフィルタ33，63，65が回行および回転移動する際
に騒音を発生するおそれがあるが、フィルタ33，63，65
の回行および回転に伴って回転するローラにて騒音の発
生もなく、密接による摩擦にて回転移動の負荷を低減で
き、円滑にフィルタ33，63，65を移動できる。

【００９５】また、フィルタ33を排気口20に密接させる
とともに、グリスフィルタ23に密接させて配設したが、
例えば図５および図６に示す実施の形態のように、本体
としての本体ケース75の排気口20を略中央に開口する天
板部76にコイルスプリング77などにて付勢された一端側
が自由端の可動板78を設け、この可動板78をフィルタ体
67の外周面に付勢力にて密接させる構成を用いて、フィ
ルタ65の外面側に可動板78を密接させるようにしてもよ
い。この構成によれば、フィルタ33，63，65を排気口20
およびグリスフィルタ23に密接させずとも、簡単な構成
で確実に排気風５がフィルタ33，63，65を流過でき、排
気風５を漏れなく浄化処理でき、浄化処理効率の向上も
簡単な構成で容易に図れる。特に、図５および図６に示
す実施の形態のように、外面が曲面状で排気風５が漏れ
なく流過可能な風路を構成させるための構造の場合に簡
単な構成で適用できる。さらに、フィルタ33，63，65の
水切り効果も得られる。

【００９６】一方、グリスフィルタ23を配設して説明し
たが、例えば図９および図１０に示すように、網目状や
パンチング形成された格子体を本体ケース18の側板部17
の流入口19に着脱自在に設けたり、側板部17を直接パン
チング加工して、パンチング孔を流入口19としてもよ
い。これらの構成は、油脂分がさほどの多くない環境で
使用する場合に、小型軽量の排気浄化装置本体15を提供
できる。

【００９７】また、超音波洗浄手段53を作動させてから
排気風５の浄化を行って説明したが、浄化当初は洗浄液
40の洗浄能力のみでフィルタ33，63，65を洗浄し、洗浄
力が低下し始めてから超音波洗浄を行うようにしてもよ
い。この構成によれば、運転コストを低減できる。さら
に、排気風５の汚染状態が低い場合や洗浄液にて容易に
汚染物質を除去可能な場合には、別途超音波洗浄手段53
を設けずに簡単な構成で安価な構造として、製造性の向
上および小型化を図ってもよい。

【００９８】一方、フィルタ33，63，65を排気風５の浄
化の際に回行および回転移動させて一部を洗浄液40中に
浸漬して洗浄も合わせて行ったが、連続運転する時間が
短く、間欠運転にて排気風５の浄化を行う場合には、例
えば排気風５の浄化時はフィルタ33，63，65を移動させ
ず、運転停止時にフィルタ33，63，65を平行移動した
り、洗浄液槽22を移動させて、フィルタ33，63，65の全
体を洗浄液40中に浸漬して洗浄する構成としてもよい。
さらには、フィルタ33，63，65の移動を間欠に移動させ
たり、適宜逆回行および逆回転移動させるなどしてもよ
い。

【００９９】なお、厨房設備１に排気浄化装置本体15を
組み付けて説明したが、調理により生ずる排気風５を浄
化処理する場合に限られず、いずれの排気風をも対象と
することができる。例えば、ごみ処理の際に生ずる排気
風や砕石の粉砕の際に生じる排気風、セメントクリンカ
などの焼成炉から生ずる排気風などを浄化する場合、天
蓋８の代わりに排気ダクトや煙突内に直接排気浄化装置
本体15を組み付けて、排気ダクトや煙突内を流過する汚
染された排気風を浄化処理するなどしてもできる。な
お、粉砕施設に組み付ける場合において、排気中の粉砕
の際に生じた微細塵を除去して浄化する場合で化学的に
洗浄する必要がない場合には、水を洗浄液として用いて
もよい。さらに、硫酸系ガスや塩素系ガスなどを含有す
る場合には、吸着や中和などの作用を有する水溶液を洗
浄液として用いてもよい。

【０１００】また、洗浄液槽22の外面などから汚染物質
などが滴下するおそれがない場合には、回収部24を設け
ずに簡単な構成で製造が容易な小型の排気浄化装置本体
15を提供してもよい。

【０１０１】次に、他の実施の形態を図１１ないし図１
３を参照して説明する。

【０１０２】この図１１ないし図１３に示す実施の形態
は、図１ないし図３に示す実施の形態の排気設備６を移
動可能な構成としたものである。

【０１０３】すなわち、図１１ないし図１３において、
81は排気設備で、この排気設備81は、下面に流入開口部
９を開口した略箱状で、上面略中央部に防火ダンパ11が
取り付けられた流出開口部10を開口形成したフード82を
有している。また、フード82の流出開口部10には、ファ
ン83を有した排気ダクト84が煙突状に突出するように設
けられている。

【０１０４】そして、フード82の下端角部分には、上下
方向に沿って軸方向を有する略棒状の伸縮可能な脚部85
がそれぞれ着脱可能に設けられている。この脚部85は、
継手86にてフード82に取り付けられる上部脚部87と下端
部に平板状の載置部88をフランジ状に有した下部脚部89
とが同軸上に連結され、継手86により長さ寸法が可変す
る伸縮可能に構成されている。

【０１０５】また、フード82内には、排気浄化装置本体
91が取り付けられている。この排気浄化装置本体91は、
図１ないし図３に示す実施の形態の排気浄化装置本体15
にグリスフィルタ23を設けず、側板部92をパンチング加
工して略円形の流入口93を複数設けて形成した本体とし
ての本体ケース94を有したものである。

【０１０６】そして、使用に際しては、燃焼設備である
ガスフライヤ96の上方にフード82が位置するように、排
気設備81を移動した後、図１ないし図３に示す実施の形
態と同様に、調理準備して調理、すなわちガスフライヤ
96を点火してガスフライヤ96内の揚げ油97を加熱し揚げ
物98を調理する。この調理により生じた排気風５は、図
１ないし図３に示す実施の形態と同様に、ファン83の駆
動によりフード82内に吸引されて流入口93から排気浄化
装置本体91内に流入し、空気中の塵埃などの比較的大き
な汚染物質を分離除去しつつ、さらにフィルタ33の側面
部分、空間部36、フィルタ33の上面部分を流過して浄化
され、防火ダンパ11の排気開口部10を介して排気ダクト
84に流過し、排気ダクト84の上部から厨房室７内に排気
される。なお、洗浄液40は、消臭作用を有するため、排
気される浄化された排気風５はさほど臭わず、厨房室７
内に悪臭が漂う環境の悪化を生じることを防止できる。

【０１０７】上記図１１ないし図１３に示す実施の形態
によれば、フード82に脚部85を設けて排気浄化装置本体
91を備えた排気設備81を移動可能な移動型としたため、
ガスフライヤ96などの燃焼設備の使用形態などの排気風
５の発生する状況に対応して適宜移動させればよく、効
率よく排気風５を浄化できる。そして、複数の燃焼設備
４が設けられている場合において、調理は１箇所で行う
場合には、その燃焼設備４の上方にフード82が位置する
ように移動させればよく、燃焼設備４に対応してそれぞ
れ排気設備６を設ける必要もなく、厨房設備１のコスト
を低減できる。

【０１０８】また、脚部85を伸縮可能に形成したため、
燃焼設備４，96などの排気風５が発生する状況に応じて
高さを可変でき、効率よく排気風５を浄化できるととも
に、フード82や排気浄化装置本体91の保守点検などの作
業が容易にできる。

【０１０９】さらに、脚部85をフード82に着脱自在に取
り付けたため、脚部85を取り付けていない状態では容積
が小さくなり、製造後の保管や搬送時のスペースを縮小
でき、使用しない場合の分解収納が容易にできるととも
に、排気浄化装置本体91などの保守点検が容易にでき
る。

【０１１０】なお、この図１１ないし図１３に示す実施
の形態において、脚部82の下端部に載置部88を設けて床
面上に載置する構造にて説明したが、載置部88の代わり
に回転止めを有する車輪などをそれぞれ設けてもよい。
この構成によれば、容易に排気設備81を円滑に移動で
き、移動性を向上できる。

【０１１１】また、フード82の下端縁に難燃または不燃
性のシートを吊下げ支持してもよい。この構成によれ
ば、排気風５をほぼ確実に排気浄化装置本体91にて浄化
処理でき、厨房環境の悪化を防止できるとともに、厨房
室７内の各部位に浄化しきれない排気風５中の汚染物質
が付着して汚れてしまうことを防止できる。なお、この
シートは、透光性であれば内部状況が確認できるため、
透光性のものを用いることが好ましい。

【０１１２】そして、脚部85をフード82に取り付けて説
明したが、排気風５の状態によりフード82にて吸気する
構成が不要な場合には、直接排気浄化装置本体91の本体
ケース94に脚部85を取り付けてもよい。

【０１１３】次に、本発明の排気浄化装置のさらに他の
実施の形態について図１４および図１５を参照して説明
する。

【０１１４】この図１４および図１５に示す実施の形態
は、図１ないし図３に示す実施の形態のフィルタ33を円
板状に形成したものである。

【０１１５】すなわち、排気浄化装置本体101 は、図１
ないし図３に示す実施の形態の排気浄化装置本体15の本
体ケース18と同材質で、略長方形板状の一対の端板部10
2 ，102 と、これら端板部102 ，102 の側縁に一対設け
られたステンレス鋼板にて略長方形板状に形成された側
板部103 ，103 とにて上下面を開口した箱状に形成され
た本体としての本体ケース104 を有している。なお、一
方の端板部102 には、同様に点検口が設けられ、側板部
103 ，103 は図１１ないし図１３に示す実施の形態と同
様にパンチング加工にて略円形の流入口93を略半円状に
位置するように複数設けて形成されている。

【０１１６】そして、この本体ケース104 の下部には、
同様に下面の開口を覆うように洗浄液給排手段48、回収
部24および超音波洗浄手段53の振動子50が設けられた上
面を開口する箱状の洗浄液槽22が一体的に設けられてい
る。

【０１１７】また、本体としての本体ケース104 の側板
部103 には、対向方向に沿って軸方向を有する回転軸10
6 が、両端部を側板部103 ，103 にそれぞれ設けられた
図示しないベアリングにて回転自在に保持されて配設さ
れている。この回転軸106 は、一端部が側板部103 より
突出して先端部に側板部103 の外面側に配設されたモー
タ26の出力軸27が連結されて回転されるようになってい
る。そして、この回転軸106 の両端部に、略円板状のフ
ィルタ体107 が一対に設けられている。

【０１１８】そして、フィルタ体107 は、リング状に形
成され両端面に窓108 を開口する外周部109 とこの外周
部109 の両端縁に径方向に架橋する補強部材110 ，110
とにて円形枠状に形成されたフィルタ保持部111 を有し
ている。また、フィルタ保持部111 の補強部材110 ，11
0 が交差する中心となる中央部分には、回転軸106 が嵌
合する金具部材112 が設けられている。さらに、外周部
109 の一面側には、軸方向にリング状に突出するゴムな
どの弾性部材113 が設けられている。また、フィルタ保
持部111 内には、窓108 から補強部材110 ，110 間に位
置して、同様にステンレス鋼線などの金属線などにてマ
ット状に集綿された略円板形のフィルタ115 が保持され
て、フィルタ体107 が構成されている。

【０１１９】そして、このフィルタ体107 は、回転軸10
6 の端部が金具部材112 に嵌合されて本体ケース104 の
側板部103 に弾性部材113 の先端部が当接して弾性部材
113の内側に流入口93が位置するように対向させて、本
体ケース104 内にフィルタ体107 の中心を回転の中心と
してモータ26により回転可能に配設されている。この弾
性部材113 が側板部103 の内面に当接することにより、
流入口93から本体ケース104 内に流入する排気風５は弾
性部材113 に密閉された内側を通ってフィルタ体107 の
フィルタ115 を流過するようになっている。さらに、こ
のフィルタ体107 は、下端部が洗浄液槽22内に位置して
洗浄液40に浸漬するようになっている。

【０１２０】また、本体ケース104 は、上端部が天蓋８
の上部下面に流出開口部10を覆って本体ケース104 の上
面の排気口20を流出開口部10に気密に連通させて取り付
けられて、排気浄化装置本体101 が天蓋８内に配設され
ている。そして、排気風５は、流入口93からフィルタ体
107 のフィルタ115 を流過して防火ダンパ11が設けられ
た流出開口部10より排気ダクト14を通り、屋外に排出さ
れる。

【０１２１】なお、一対のフィルタ体107 ，107 の対向
する間隔およびフィルタ体107 の径寸法は、ともに流出
開口部10の同方向の長さ寸法以上であることが好まし
い。すなわち、フィルタ体107 ，107 間の間隔が狭くな
るとフィルタ115 を通過するまでの排気風５の風速より
フィルタ体107 ，107 間から流出開口部10へ至る風速が
早くなり、再び排気ダクト14内に流入した際には風速が
遅くなる状態が生じ、風切り音が生じたり、排気風５の
吸引抵抗が増大して効率よく排気風５が吸引できなくな
り、浄化効率が低下するなどのおそれがあるため、フィ
ルタ体107 ，107の対向する間隔およびフィルタ体107
の径寸法を所定値以上に設定することが好ましい。

【０１２２】この図１４および図１５に示す実施の形態
によれば、フィルタ115 を有したフィルタ体107 が略円
板状に構成されているため、フィルタ体107 の占める体
積が小さいので、本体ケース104 内のスペースを小さく
形成でき、容易に小型化できる。

【０１２３】さらに、この略円板状のフィルタ体107 を
回転させるため、別途移動するスペースを必要とせず、
容易に小型化できる。

【０１２４】また、一対の略円板状のフィルタ体107 ，
107 を１本の回転軸106 で回転でき、簡単な構成で容易
にフィルタ体107 ，107 を移動でき、排気浄化装置本体
101の簡略小型化が容易で、製造性も向上できる。

【０１２５】そして、フィルタ保持部111 にてマット状
のフィルタ115 を保持して略円板状に構成したため、フ
ィルタ115 が弛むなどがなく、容易で確実に回転移動で
きる。

【０１２６】また、排気風５をフィルタ115 に流過させ
る弾性部材113 をフィルタ保持部111 に設けたため、簡
単な構成で排気風５を容易で確実に漏れずにフィルタ11
5 に流過させることができ、効率よく排気風５を浄化で
きる。

【０１２７】なお、上記図１４および図１５に示す実施
の形態において、一対のフィルタ体107 ，107 を対向さ
せて１本の回転軸106 に軸支して説明したが、フィルタ
体107 ，107 を軸方向が交差する方向、すなわち対向す
る面が上方に向けて拡開するようにそれぞれ回転自在に
保持してもできる。

【０１２８】また、フィルタ体107 は、２枚に限らず、
図９および図１０に示すように配設するなどすることに
より１枚でもでき、さらには複数枚を重ね合わせるよう
に配設したり、放射状に対向するように配設するなどし
てもよい。なお、１枚のみを配設した場合には、フィル
タ体107 を配設するスペースを縮小化でき、家庭用など
の小型軽量な装置を提供できるとともに、製造性も向上
できる。また、複数枚を重ね合わせて配設した場合に
は、排気風５が複数回フィルタ115 を流過することとな
り、排気風５の洗浄性を向上できる。

【０１２９】そして、フィルタ体107 に設けた弾性部材
113 やローラなどを側板部103 に設けて先端部がフィル
タ体107 に密接するようにしてもよい。

【０１３０】次に、本発明の排気浄化装置のさらに他の
実施の形態について図１６を参照して説明する。

【０１３１】この図１６に示す実施の形態は、図１ない
し図３に示す実施の形態の無端ベルト状のフィルタ33を
帯状にしたフィルタ120 を用いたものである。

【０１３２】すなわち、図１ないし図３に示す実施の形
態のフィルタ33と同様に金属線などを集綿して可撓性を
有した帯状にフィルタ120 を形成し、このフィルタ120
の長手方向の両端部を洗浄液槽22内に位置して回転自在
に設けた回転軸121a，121aに固定するとともに、上方に
位置する回転軸121b ，121bに流出開口部10を隙間なく
覆うように掛け渡し、一方の回転軸121aが回転すること
によりフィルタ120 がシャッタのように巻き取られ、他
方の回転軸121aに巻き取られていた部分が巻き戻される
ように、平行移動するようになっている。

【０１３３】この図１６に示す排気浄化装置本体122 の
構成によれば、フィルタ120 を筒状に構成せずとも排気
風５をフィルタ120 に複数回流過させることができ、容
易に小型化できる。

【０１３４】また、有端であるため、回転軸121a，121b
に弛まずに容易に掛け渡すことができ、フィルタ120 の
着脱が容易にでき、保守管理性を向上できる。

【０１３５】なお、この図１６に示す実施の形態におい
て、フィルタ120 をシャッタのような巻回可能なベルト
状に構成して説明したが、例えば図１７および図１８に
示すように、一体的にフィルタ体125 を構成し、このフ
ィルタ体125 を平行移動させるようにしてもできる。

【０１３６】すなわち、図５および図６に示す実施の形
態の略円筒状に形成したフィルタ体67を偏平させ、さら
に軸方向の両側が同方向に拡開するように傾斜する形状
にフィルタ保持部126 にて無端ベルト状のフィルタ33を
保持してフィルタ体125 を一体構造に構成する。そし
て、このフィルタ体125 を両側の傾斜する部分が下方に
向けて拡開するように、本体としての本体ケース127 内
に配設して傾斜する部分の方向に平行移動させることに
より、流出開口部10を閉塞した状態でフィルタ体125 を
洗浄液40に浸漬洗浄できる排気浄化装置本体128 を構成
してもよい。

【０１３７】次に、本発明の排気浄化装置のさらに他の
実施の形態について図１９を参照して説明する。

【０１３８】この図１９に示す実施の形態は、図１ない
し図３に示す実施の形態の洗浄液槽22内の洗浄液40にフ
ィルタ33を浸漬して洗浄する方法に代えて、洗浄液40を
フィルタ33に接触、すなわち噴出させて洗浄する構成で
ある。

【０１３９】すなわち、洗浄液40を貯溜するタンク41に
洗浄液40を圧送するポンプなどの噴出手段131 を連結
し、この噴出手段131 に先端部に噴出部としてのノズル
132 を有した噴出管133 を接続する。そして、ノズル13
2 をフィルタ33に対向するように配設し、洗浄液40をフ
ィルタ33に噴出して捕捉した汚染物質を洗浄分離する。
なお、ノズル132 は、洗浄液槽22内に位置するようにす
る。

【０１４０】そして、洗浄された廃液は、洗浄液槽22内
に回収されて再び噴出手段131 に循環するようになって
いる。

【０１４１】この図１９に示す排気浄化装置本体135 の
構成によれば、超音波洗浄による騒音が発生するおそれ
がない。

【０１４２】また、洗浄液槽22内にノズル132 が位置す
るように配設したため、噴出された洗浄液40は、下方の
洗浄液槽22に回収されるので、簡単な構成で容易に排気
風５を浄化しつつ洗浄して洗浄液40を回収できる。

【０１４３】なお、ノズル132 からの洗浄液40の噴出に
より洗浄液40が霧状となっても、流出開口部10に密接す
る部分のフィルタ33にて回収されて排気ダクト14までは
吸い込まれず、排気ダクト14内を汚すことを防止でき
る。さらに、洗浄液槽22内に貯留する洗浄液40内にノズ
ル132 が浸漬するように位置させることにより、噴出さ
れる洗浄液40が霧状とならず、周りをよごすことがな
い。

【０１４４】また、フィルタ33の表側である排気風５が
流過する方向の上流側から洗浄液40を噴出させるため、
霧状に洗浄液40が舞ってもフィルタ33に捕捉されて流過
することがほとんどなく、他の部位を汚さないととも
に、洗浄液40の回収も容易で、ノズル132 の配設やフィ
ルタ33の組み付けも容易にできる。

【０１４５】さらに、洗浄液40を噴出させるため、噴出
する運度エネルギにて物理的な洗浄力も付与できる。

【０１４６】なお、洗浄液40を噴出させて説明したが、
上方からフィルタ33に流し落とすようにして洗浄液40を
接触させるようにしてもよい。

【０１４７】また、例えば噴出部としてのノズル132
を、フィルタ33の平面に水平方向に沿って長手方向を有
しフィルタ33と対向する面に洗浄液を噴出する噴出口を
有した管状に噴出部を形成し、この管状の噴出部を両端
部をレール部などにて保持してフィルタ33の平面に沿っ
て移動可能にし、この噴出部に洗浄液を供給するように
して、移動する噴出部にてフィルタ33を洗浄するように
してもよい。

【０１４８】

【発明の効果】請求項１記載の排気浄化装置によれば、
流入口から本体内に流入した排気風を、本体内の移動す
る通気性のフィルタに流過して本体の排気口から排出し
て、排気風中の汚染物質をフィルタにて捕捉して分離除
去し、フィルタに捕捉した汚染物質は移動手段にて移動
するフィルタを位置を変化しつつ洗浄手段にて洗い流す
ので、洗浄作業を略自動化でき効率よく排気風を浄化で
き、容易に保守管理できる。

【０１４９】請求項２記載の排気浄化装置によれば、請
求項１記載の排気浄化装置の効果に加え、洗浄手段の噴
出部にてフィルタに洗浄液を噴出させて洗浄するため、
簡単な構成で容易に自動化でき容易にフィルタの洗浄が
できる。

【０１５０】請求項３記載の排気浄化装置によれば、請
求項２記載の排気浄化装置の効果に加え、排気風の流過
方向の上流側から噴出部にてフィルタに洗浄液を噴出さ
せて洗浄するため、外部への洗浄液の噴出を容易に防止
でき効率よくフィルタを洗浄できるとともに、噴出した
洗浄液および汚染物質が混入する洗浄液を容易に回収で
き構成を簡略化できる。

【０１５１】請求項４記載の排気浄化装置によれば、流
入口から本体内に流入した排気風を、本体内の移動する
通気性のフィルタに流過させて本体の排気口から排出
し、排気風中の汚染物質をフィルタにて捕捉して分離除
去し、フィルタは移動手段にて移動されて洗浄手段の洗
浄液中に少なくとも一部を位置が変化されつつ浸漬され
て捕捉した汚染物質を洗い流すので、洗浄作業を略自動
化でき効率よく排気風を浄化でき、容易に保守管理でき
る。

【０１５２】請求項５記載の排気浄化装置によれば、請
求項１ないし４いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、フィルタを移動手段にて排気口を覆った状態で移
動させるため、フィルタの同一面で排気風中の汚染物質
を捕捉することによる目詰まりなどの弊害を防止でき、
簡単な構成でフィルタの洗浄も容易にでき、排気風中の
汚染物質の捕捉およびフィルタの洗浄が同時に行え、排
気風の浄化効率およびフィルタの洗浄効率を向上でき
る。

【０１５３】請求項６記載の排気浄化装置によれば、請
求項４または５記載の排気浄化装置の効果に加え、洗浄
手段の超音波洗浄手段により洗浄液に浸漬するフィルタ
を超音波洗浄するため、洗浄性を向上でき、長期にわた
って排気風を効率よく浄化できる。

【０１５４】請求項７記載の排気浄化装置によれば、請
求項１ないし６いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、排気風をフィルタに少なくとも２回以上流過させ
るため、排気風中の汚染物質の除去率を向上でき、良好
に排気風の浄化ができる。

【０１５５】請求項８記載の排気浄化装置によれば、請
求項１ないし７いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、フィルタを内部に空間部を有した略筒状に形成し
たため、フィルタの効率的な洗浄が容易にでき洗浄手段
の構成を簡略化できるとともに、排気風を複数回フィル
タに流過させて浄化効率を向上させる構成も容易にでき
る。

【０１５６】請求項９記載の排気浄化装置によれば、請
求項１ないし８いずれか一記載の排気浄化装置の効果に
加え、フィルタを無端ベルト状に形成したため、フィル
タの配置自由度を向上でき、製造性および施工性を向上
できるとともに容易に小型化できる。

【０１５７】請求項１０記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし９いずれか一記載の排気浄化装置の効果
に加え、移動手段にてフィルタを回行移動させるため、
フィルタの移動に必要なスペースを少なくでき、容易に
小型化できる。

【０１５８】請求項１１記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１０いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、フィルタを保持するフィルタ保持部を駆動手
段にて移動させるため、フィルタの形状を維持したまま
容易に移動でき、移動の際の負荷によるフィルタの損傷
を防止でき、長期間安定して効率的な排気風の浄化がで
きる。

【０１５９】請求項１２記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし８いずれか一記載の排気浄化装置の効果
に加え、フィルタを保持する枠状のフィルタ保持部を駆
動手段にて回転移動させるため、フィルタの移動に必要
なスペースを少なくでき容易に小型化でき、フィルタの
形状が維持されたまま容易に移動でき、移動の際の負荷
によるフィルタの損傷を防止できるとともに、フィルタ
を容易に着脱でき、製造性および保守管理性を向上でき
る。

【０１６０】請求項１３記載の排気浄化装置によれば、
流入口から本体内に流入した排気風を、本体内の通気性
のフィルタに流過して本体の排気口から排出して、排気
風中の汚染物質をフィルタにて捕捉して分離除去し、フ
ィルタに捕捉した汚染物質は移動手段にて移動する洗浄
液をフィルタに噴出する洗浄手段の噴出部を移動させて
位置を変化しつつ洗い流すので、洗浄作業を略自動化で
き効率よく排気風を浄化でき、容易に保守管理できる。

【０１６１】請求項１４記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１３いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、フィルタを難燃性または不燃性および耐蝕性
に形成したため、洗浄液による洗浄にて劣化せず、熱負
荷を受ける雰囲気でも使用でき、長期間安定して効率的
な排気風の浄化ができる。

【０１６２】請求項１５記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１４いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、細長い金属線および細長い金属薄板の少なく
ともいずれか一方を集綿してフィルタを形成するため、
柔軟性、不燃性、耐蝕性および高強度が容易に得られる
とともに、容易に製造でき製造性を向上でき安価に形成
でき、長期間安定して効率的な排気風の浄化ができる。

【０１６３】請求項１６記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１５いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、ステンレス鋼にてフィルタを形成したため、
不燃性、高耐蝕性および高強度が容易に得られ、長期間
安定して効率的な排気風の浄化ができる。

【０１６４】請求項１７記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１６いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、本体にこの本体を床面上に移動可能に載置す
る脚部を設けたため、排気風が発生する状況に対応して
移動させることにより、効率よく排気風を浄化できる。

【０１６５】請求項１８記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし１７いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、洗浄手段に洗浄液を供給および排出する洗浄
液給排手段を設けたため、洗浄液給排手段により洗浄手
段への洗浄液の供給および排出が他部位を汚さずに効率
よく円滑にできる。

【０１６６】請求項１９記載の排気浄化装置によれば、
請求項２ないし１８いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、不燃性で植物性の洗浄液を用いるため、取り
扱いが容易で、排気風中から除去した汚染物質を含有す
る洗浄液を容易に処理できるとともに、熱負荷を受ける
雰囲気でも利用できる。

【０１６７】請求項２０記載の排気浄化装置によれば、
請求項２ないし１９いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、トール油を原料としたアミンソープを主成分
とし、高級アルコール系非イオン界面活性剤を含有する
洗浄液を用いるため、処理容易性、不燃性、取扱容易性
および高洗浄力が得られ、良好に効率よく長期間安定し
て排気風を浄化できる。

【０１６８】請求項２１記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし２０いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、排気風が直線上に流過不可能な流通孔を有し
た流過規制体にてフィルタを覆ったため、排気風は、流
過規制体の流通孔を非直線上に流過して排気風中の汚染
物質の一部が除去された後にフィルタを流過して浄化さ
れるので、フィルタの汚染物質の除去負荷を低減できる
とともに、排気風中の汚染物質の除去率を向上でき、洗
浄性を向上でき、排気風を効率よく長期間にわたって安
定して浄化できる。

【０１６９】請求項２２記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし２１いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、平面面積がフィルタの平面面積以上の広さに
形成された受け槽をフィルタの下方に配設したため、フ
ィルタの洗浄および洗浄後の洗浄液の回収を他の部位を
汚すことなく簡単な構成で容易にできる。

【０１７０】請求項２３記載の排気浄化装置によれば、
請求項１ないし２２いずれか一記載の排気浄化装置の効
果に加え、本体に火災を検知する火災検知手段および排
気口を閉塞するシャッタ体を設けたため、仮に火災が発
生してもシャッタ体にて排気口を閉塞することにより、
装置内への火炎の侵入を抑制でき、火炎による損傷を容
易に防止できるとともに、汚染物質がほとんど除去され
た排気風が流過する排気口にシャッタ体が設けられてい
るため、シャッタ体が汚染物質にて汚染されず、シャッ
タ体が正常に作動でき、保守管理が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の排気浄化装置の実施の一形態を示す正
面断面図である。

【図２】同上一部を切り欠いた斜視図である。

【図３】同上フィルタ部分を示す斜視図である。

【図４】本発明の排気浄化装置の他の実施の形態を示す
フィルタ部分の斜視図である。

【図５】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形態
を示す正面断面図である。

【図６】同上一部を切り欠いた斜視図である。

【図７】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形態
を示す正面断面図である。

【図８】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形態
を示す本体ケースの可動板近傍を示す正面断面図であ
る。

【図９】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形態
を示す斜視図である。

【図１０】同上排気浄化装置本体を示す一部を切り欠い
た斜視図である。

【図１１】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形
態を示す斜視図である。

【図１２】同上正面断面図である。

【図１３】同上排気浄化装置本体を示す一部を切り欠い
た斜視図である。

【図１４】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形
態を示す正面断面図である。

【図１５】同上一部を切り欠いた斜視図である。

【図１６】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形
態を示す正面断面図である。

【図１７】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形
態を示す正面断面図である。

【図１８】同上一部を切り欠いた斜視図である。

【図１９】本発明の排気浄化装置のさらに他の実施の形
態を示す正面断面図である。

【図２０】従来例の排気浄化装置を示す斜視図である。

【図２１】同上正面断面図である。

【図２２】同上グリスフィルタのルーバ構造を示す断面
図である。

【図２３】従来の他の排気浄化装置のグリスフィルタの
ルーバ構造を示す断面図である。

【図２４】従来のさらに他の排気浄化装置のグリスフィ
ルタのルーバ構造を示す断面図である。

【図２５】従来のさらに他の排気浄化装置のグリスフィ
ルタのルーバ構造を示す断面図である。

【符号の説明】

５ 排気風 11 シャッタ体としての防火ダンパ 15，91，101 ，122 ，128 ，135 排気浄化装置本体 18，75，94，104 ，127 本体としての本体ケース 19，93 流入口 20 排気口 22 受け槽としての洗浄液槽 23 流過規制体としてのグリスフィルタ 26 駆動手段としてのモータ 29 移動手段 33，63，65，115 ，120 フィルタ 36 空間部 40 洗浄液 48 洗浄液給排手段 53 超音波洗浄手段 55 洗浄手段 62 フィルタ保持部としての保持部材 66，111 ，126 フィルタ保持部 85 脚部 132 噴出部としてのノズル

Claims (23)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気風が流入する流入口および前記排気
   風が排気される排気口を有した本体と、 この本体内に配設され前記流入口から流入した前記排気
   風を流過させて前記排気口から流出させる通気性を有し
   たフィルタと、 このフィルタの少なくとも一部を洗浄する洗浄手段と、 前記フィルタを移動させて前記洗浄手段による前記フィ
   ルタの洗浄位置を変化させる移動手段とを具備したこと
   を特徴とする排気浄化装置。
2. 【請求項２】 洗浄手段は、洗浄液を有し、フィルタに
   前記洗浄液を噴出させる噴出部を備えたことを特徴とす
   る請求項１記載の排気浄化装置。
3. 【請求項３】 噴出部は、排気風の流過方向の上流側か
   らフィルタに洗浄液を噴出させることを特徴とした請求
   項２記載の排気浄化装置。
4. 【請求項４】 排気風が流入する流入口および前記排気
   風が排気される排気口を有した本体と、 この本体内に前記排気口を覆って配設された通気性を有
   したフィルタと、 このフィルタの少なくとも一部が浸漬される洗浄液を貯
   溜する洗浄手段と、 前記フィルタを移動させて前記洗浄手段による前記フィ
   ルタの洗浄位置を変化させる移動手段とを具備したこと
   を特徴とする排気浄化装置。
5. 【請求項５】 移動手段は、排気口を覆った状態でフィ
   ルタを移動させることを特徴とする請求項１ないし４い
   ずれか一記載の排気浄化装置。
6. 【請求項６】 洗浄手段は、洗浄液に浸漬するフィルタ
   を超音波洗浄する超音波洗浄手段を備えたことを特徴と
   する請求項４または５記載の排気浄化装置。
7. 【請求項７】 排気風は、少なくとも２回以上フィルタ
   を流過されることを特徴とした請求項１ないし６いずれ
   か一記載の排気浄化装置。
8. 【請求項８】 フィルタは、内部に空間部を有した略筒
   状に形成されたことを特徴とする請求項１ないし７いず
   れか一記載の排気浄化装置。
9. 【請求項９】 フィルタは、無端ベルト状に形成された
   ことを特徴とする請求項１ないし８いずれか一記載の排
   気浄化装置。
10. 【請求項１０】 移動手段は、フィルタを回行移動させ
    ることを特徴とした請求項１ないし９いずれか一記載の
    排気浄化装置。
11. 【請求項１１】 移動手段は、 フィルタを保持するフィルタ保持部と、 このフィルタ保持部を移動させる駆動手段とを具備した
    ことを特徴とする請求項１ないし１０いずれか一記載の
    排気浄化装置。
12. 【請求項１２】 移動手段は、 フィルタを保持する枠状のフィルタ保持部と、 このフィルタ保持部を回転移動させる駆動手段とを具備
    したことを特徴とする請求項１ないし８いずれか一記載
    の排気浄化装置。
13. 【請求項１３】 排気風が流入する流入口および前記排
    気風が排気される排気口を有した本体と、 この本体内に配設され前記流入口から流入した前記排気
    風を流過させて前記排気口から流出させる通気性を有し
    たフィルタと、 このフィルタに洗浄液を噴出して少なくとも一部を洗浄
    する噴出部を有した洗浄手段と、 この洗浄手段の前記噴出部を移動させて前記フィルタの
    洗浄位置を変化させる移動手段とを具備したことを特徴
    とする排気浄化装置。
14. 【請求項１４】 フィルタは、難燃性または不燃性およ
    び耐蝕性を有したことを特徴とした請求項１ないし１３
    いずれか一記載の排気浄化装置。
15. 【請求項１５】 フィルタは、細長い金属線および細長
    い金属薄板の少なくともいずれか一方が集綿されて形成
    されたことを特徴とする請求項１ないし１４いずれか一
    記載の排気浄化装置。
16. 【請求項１６】 フィルタは、ステンレス鋼にて形成さ
    れたことを特徴とする請求項１ないし１５いずれか一記
    載の排気浄化装置。
17. 【請求項１７】 本体は、床面上に移動可能に載置する
    脚部を有したことを特徴とする請求項１ないし１６いず
    れか一記載の排気浄化装置。
18. 【請求項１８】 洗浄手段は、洗浄液を供給および排出
    する洗浄液給排手段を備えたことを特徴とする請求項１
    ないし１７いずれか一記載の排気浄化装置。
19. 【請求項１９】 洗浄液は、不燃性で植物性であること
    を特徴とした請求項２ないし１８いずれか一記載の排気
    浄化装置。
20. 【請求項２０】 洗浄液は、トール油を原料としたアミ
    ンソープを主成分とし、高級アルコール系非イオン界面
    活性剤を含有することを特徴とした請求項２ないし１９
    いずれか一記載の排気浄化装置。
21. 【請求項２１】 フィルタは、排気風が直線上に流過不
    可能な流通孔を有した流過規制体にて覆われたことを特
    徴とする請求項１ないし２０いずれか一記載の排気浄化
    装置。
22. 【請求項２２】 洗浄手段は、平面面積がフィルタの平
    面面積以上の広さに形成されて前記フィルタの下方に配
    設された受け槽を有したことを特徴とする請求項１ない
    し２１いずれか一記載の排気浄化装置。
23. 【請求項２３】 本体は、火災を検知する火災検知手段
    と、排気口を閉塞するシャッタ体とを設けたことを特徴
    とする請求項１ないし２２いずれか一記載の排気浄化装
    置。