JP2002331215A - オイルミスト除去装置及び運転方法 - Google Patents
オイルミスト除去装置及び運転方法Info
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Abstract
トをフィルタにより高効率に捕獲除去すると共に,フィ
ルタを自動洗浄し再生することにより,フィルタ交換期
間の大幅な長期化を図り,メンテナンスを大幅低減す
る。 【解決手段】 排気中に含まれるオイルミストをフィル
タに捕捉させて除去した後,フィルタを洗浄液中に移動
させ,高温にした洗浄液でフィルタを洗浄する。フィル
タを洗浄した後,分解菌により洗浄液を浄化させる。
Description
産業設備などで発生した排気中に含まれるオイルミスト
を除去するオイルミスト除去装置とその運転方法に関す
る。
を使用する各種機械加工工場等の各種産業設備などにお
いては,オイルミストを多く含んだ排気が発生する。こ
のような排気は,屋外外壁等の汚れや周辺空気の汚染な
どといった環境汚染を防ぐために,オイルミストを除去
した後,大気中に排気されることとなる。
去する装置として,特開昭60−105848号の除煙
除油装置,特開平7−100413号の塗料ミスト除去
装置,特開2000−205623号のキッチンフード
用フィルタなどが公知である。また,本出願人は実用新
案登録第2559360号のオイルミスト除去装置を開
示している。これらの装置においては,排気中に含まれ
るオイルミストをフィルタに付着させて捕捉し,洗浄液
によってフィルタに付着したオイルミストを洗浄してい
る。
は,洗浄液によってフィルタを洗浄する場合,効率良く
オイルミストを洗い流すことができれば,それだけフィ
ルタの目詰まりを防いで除去性能もより高く維持でき,
また,フィルタを長寿命で利用できるので,フィルタの
交換回数が少なくて済み,低コストであり,メンテナン
スも楽になる。また,使用済みのフィルタは産業排気物
となるので,フィルタの交換回数が少なくなれば,それ
だけ産業排気物の増加を抑制でき,環境保全につなが
る。
く長寿命で利用できれば,更なる低コスト化をはかるこ
とができる。また,使用済みの洗浄液を排気する場合
は,洗浄液中のオイルミストを少なくしてから排気する
ことが,環境保護の面から好ましい。
でき,更に使用済みの洗浄液を排気する場合にオイルミ
ストを可及的に低減できるオイルミスト除去装置と運転
方法を提供することにある。
中に含まれるオイルミストを除去するオイルミスト除去
装置であって,オイルミストを捕捉するフィルタを,排
気中と洗浄液中とに往復移動させる移動手段と,洗浄液
を加熱する加熱手段と,これら移動手段と加熱手段を制
御する制御手段を備えることを特徴としている。
子(一般大気塵など)の除去性能が所定の効率以上(例
えば0.3ミクロンの粒子の除去率90%以上)のもの
で,かつ耐水性とくり返し使用に耐える機械的強度があ
る素材からなるものが用いられ,樹脂製のフィルタが好
適である。洗浄液は,市水などの一般水の他,例えば中
水,雨水,井水,河川水等が利用され,界面活性剤等の
洗浄剤やオイルミスト(有機成分)を分解浄化できる分
解菌などを含んでいても良い。加熱手段は,洗浄水の温
度を30℃〜90℃に加熱できるよう制御されることが
望ましい。これは,後述するフィルタ濾材の再生と排水
の浄化を簡単かつ効率よく達成することに貢献する。
り,フィルタを排気中と洗浄液中とに往復移動させるも
のであり,移動手段によってエンドレスフィルタを移動
させるものが例示できる。加熱手段は,例えば電熱線な
どからなるヒータである。これら移動手段と加熱手段の
稼働は制御手段によって制御され,フィルタを排気中と
洗浄液中との間で適宜移動させたり,停止させたりする
ことができる。また,加熱手段によって洗浄液を所望の
温度に加熱することができる。
洗浄液の供給手段を備え,この供給手段を制御手段によ
り制御するように構成しても良い。また,洗浄液の攪拌
手段を備え,この攪拌手段を制御手段により制御するよ
うに構成しても良い。また,洗浄液中に空気を供給する
エアレーション手段を備え,このエアレーション手段を
制御手段により制御するように構成しても良い。更に,
洗浄液を超音波振動させる超音波発生手段や,フィルタ
を洗浄するブラシ手段などを備えていても良い。
中に移動させ,排気中に含まれるオイルミストをフィル
タに捕捉させて除去する。こうして,ミストを除去した
後,大気中に排気することにより,屋外外壁等の汚れや
周辺空気の汚染などといった環境汚染を防ぐことができ
る。
に付着させた場合,付着量が多くなると次第に目詰まり
を起こすので,適当なタイミングで,フィルタを洗浄液
中に移動させる。そして,洗浄液を例えば約50℃まで
加熱し,高温にした洗浄液でフィルタを洗浄する。これ
により,フィルタに付着したオイルミストを,熱水を用
いて効率よく洗い落とすことができる。
当な攪拌手段によって洗浄液を攪拌することにより,洗
浄効果を更に向上させることもできる。また,洗浄液中
に洗浄剤を存在させても良い。更に,洗浄液に超音波を
加えたり,ブラシを用いてフィルタを洗浄したりするこ
とも,フィルタの再生,洗浄能力の維持に有効な手段で
ある。
タを洗浄した後,例えば市水などの洗浄液を新たに供給
するなどして洗浄液を冷却し,洗浄液の温度を分解菌が
活性化する温度(30℃以上50℃未満)にさせて,分
解菌により洗浄液を浄化させても良い。そうすれば,洗
浄液の汚染レベルを低くでき,排水が容易となり,環境
保護も達成できる。また,浄化処理した洗浄液を再利用
することで,排水量を極限まで低減することも可能であ
る。本発明では,油脂分を濾材から確実に分離させる工
程と,遊離した油脂分を分解する工程とを有し,この2工
程を洗浄槽内の水温制御で達成する。油脂を分解するた
めに好気性微生物を用いることができる。好気性微生物
が生育するのに好適な温度は30℃以上50℃未満であ
るので,この範囲に洗浄水の水温を制御するのが望まし
い。
る場合,分解菌の種菌は,一般空気中にも多く存在して
いることから,特に洗浄液中に供給する必要はないが,
特定の分解菌を洗浄液に対して供給しても良い。また,
分解菌の増殖促進手段として,有機成分以外の栄養分を
洗浄液に供給しても良い。また,洗浄液中に空気を供給
することにより,一般環境中に広く無数に存在している
好気性分解菌をエアレーションにより活性化させて,オ
イルミストなどの有機成分の分解浄化を促進させること
も有効である。
態を,図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実
施の形態にかかるオイルミスト除去装置1を備えた排気
設備10の概略図であり,図2は,オイルミスト除去装
置1の説明図である。
厨房11において,コンロ12などから発生したオイル
ミストを多量に含む排気を,ダクト13を介して屋外に
排気する構成になっている。厨房11の天井にレンジフ
ード15が取り付けてあり,このレンジフード15で集
められた厨房11内の排気が,先ず慣性衝突原理による
グリスフィルター16で大まかに(例えば,除去率75
%程度で)オイルミストを除去された後(オイルミスト
の除去率はこの時点で75%であり,残りの25%のオ
イルミスとを本発明に係るオイルミスト除去装置で除去
する),ダクト13内を流れ,更にオイルミスト除去装
置1によってオイルミストを効率よく除去され,オイル
ミストが少ない状態となって屋外へ排気される。
1にあっては,ダクト13の上下に駆動ロール20,2
1を配置してあり,上方の駆動ロール20は,モータ2
2の稼動によって正逆回転方向に任意に回転される。モ
ータ22の稼動は,回転コントローラ23を介して,制
御手段24によって制御されている。下方の駆動ロール
21は,図示しない伝達機構により動力が伝えられるこ
とによって,上方の駆動ロール20と同期して正逆回転
方向に任意に回転される。
あり,この洗浄槽30内には,洗浄液としての水31
が,給水管32から供給されている。洗浄液として,例
えば市水,中水,雨水,井水,河川水等が利用される。
給水管32の先端には,洗浄槽30内に所定量の水31
を充填したときに給水を停止させるフロート33を装着
してある。こうして洗浄槽30内に充填された水31
に,少なくともその一部を浸漬させて下方の駆動ロール
21が配置されている。なおフロート33を用いて洗浄
槽30内の水位の変動による給水のほかに,水位計と電
動弁による給水方法を適用しても良い。
のフィルタ35が掛け渡されている。フィルタ35の下
部は洗浄槽30内の洗浄水31中に水没している。この
フィルタ35には,例えば排気中のオイルミストを0.
3ミクロンの粒子について除去率90%で除去できる,
耐水性のある樹脂製のフィルタが用いられる。フィルタ
35は,ダクト13と同程度の幅を有している。フィル
タ35の上端は,ダクト13の上に配置された駆動ロー
ル20に巻き付けられており,フィルタ35の下端は,
ダクト13の下に配置された駆動ロール21に巻き付け
られている。これにより,フィルタ35はダクト13内
を横断するように配置され,ダクト13内を流れる排気
は,フィルタ35を通過してから屋外へ排気されること
となる。
更に下方にガイドロール36が配置されており,駆動ロ
ール20から下方に垂れ下げられたフィルタ35が,こ
のガイドロール36を迂回してから,駆動ロール21に
巻き付けられている。これにより,駆動ロール20から
垂れ下げられたフィルタ35が駆動ロール21に巻き付
けられる際には,フィルタ35は,必ず洗浄槽30内の
水31中を通過してから,駆動ロール21に巻き付けら
れることとなる。
トローラ23を介してモータ22の稼動を制御し,駆動
ロール20,21を同期させて正逆回転させることによ
り,フィルタ35を駆動ロール20から繰り出して駆動
ロール21に巻き付けるようにして,フィルタ35を下
方に移動させ,また逆に,フィルタ35を駆動ロール2
1から繰り出して駆動ロール20に巻き付けるようにし
て,フィルタ35を上方に移動させることが可能であ
る。更に,フィルタ35をダクト13内に停止させてお
くことも可能である。
のヒータ40と,エアレーション手段としての給気ノズ
ル41が配置されている。ヒータ40は,例えば電熱線
などからなり,加熱コントローラ42から給電される。
また,洗浄槽30の内壁面には温度センサ43が設けら
れており,この温度センサ43で測定された洗浄槽30
内の水31の温度が,加熱コントローラ42に入力され
ている。制御手段24は,加熱コントローラ42を司る
ことにより,温度センサ43で測定される水31の温度
が所望の温度(最高で約90℃,それを超えると部分的
に洗浄水31が煮沸されるようになり,好ましくない)
になるようにヒータ40によって加熱を行わせることが
できる。
空気が供給される。制御手段24は,給気ポンプ45の
稼動を司り,給気ノズル41から空気を吐出させること
によって,洗浄槽30内の水31を曝気処理することが
できる。また,このように給気ノズル41から空気を吐
出させて空気(泡)を浮上させることに伴い,洗浄槽3
0内において,水31の上昇流を発生させることが可能
である。
は,仕切り板46が配置されており,この仕切り板46
によって,洗浄槽30内は,下降領域47と上昇領域4
8に分割されている。仕切り板46の上端は,水31の
液面よりも低い位置に配置されており,仕切り板46の
下端は,洗浄槽30の底面よりも高い位置に配置されて
いる。これにより,仕切り板46の上端を乗り越えて上
昇領域48から下降領域47に水31が流れ込むことが
でき,仕切り板46の下端と洗浄槽30の底面の隙間を
通じて下降領域47から上昇領域48に水31が流れ込
むことができる。
接続されており,ドレイン管50には,弁51が設けら
れている。制御手段24は,この弁51の開閉操作を司
り,弁51を開くことによって,洗浄槽30内の水31
を,ドレイン管50を通じて排液することができる。
て,レンジフード15で集められた厨房11内の排気
が,先ず慣性衝突式のグリスフィルター16で大まかに
(重量法で75%程度)オイルミストを除去された後,
ダクト13内に流れ込む。そこで,オイルミスト除去装
置1において,先ず,制御手段24は,モータ22の稼
動を停止させ,フィルタ35をダクト13内に停止させ
ておく。こうして,ダクト13内を横断するように配置
させたフィルタ35で濾過し,排気中のオイルミストを
フィルタ35に捕捉して,オイルミストをなるべく低減
してから屋外へ排気する。
ィルタ35にはオイルミストが付着し,次第に付着量が
増えていく。あまり付着量が多くなると,フィルタ35
は次第に目詰まりを起こしてしまい,排気が円滑に行わ
れなく恐れがある。
る間に,フィルタ35を水31中に移動させ,洗浄す
る。このようにフィルタ35を洗浄する場合は,制御手
段24は,モータ22の稼動を開始し,駆動ロール2
0,21を同期させて回転させることにより,フィルタ
35を駆動ロール20から繰り出して駆動ロール21に
巻き付けるように下方へ移動させる。また,フィルタ3
5の下方への移動を開始する前までに,洗浄槽30内に
は,給水管32から水31が所定量供給されている。そ
して,制御手段24は,ヒータ40による加熱を行い,
洗浄槽30内の水31をオイルミストの洗浄に適した高
温度(例えば約50℃)まで加熱しておく。そして,予
め高温にされている水31中にフィルタ35を浸漬させ
ることにより,フィルタ35に付着したオイルミストを
効率よく洗い流すことができる。つまり高温(50℃以
上)ではオイルミスト特に動物性オイルミストが固形化
して濾材(フィルタ35)に強固に付着するのを避け,
濾材(フィルタ35)から油脂分を好適に除去できる。
は,給気ノズル41から空気を吐出させると良い。そう
すれば,給気ノズル41から吐出させた空気(泡)が浮
上することに伴い,洗浄槽30内の上昇領域48では,
水31の上昇流が発生する。そして,上昇領域48を上
昇してきた水31は,仕切り板46の上端を乗り越えて
下降領域47に流れ込み,下降領域47を下降する際に
ヒータ40で加熱されて,仕切り板46の下端と洗浄槽
30の底面の隙間を通じて再び上昇領域48に流れ込む
こととなる。このように洗浄槽30内において水31を
循環させることにより,水31を攪拌して洗浄効果を更
に向上させることができるようになる。
タ35を洗浄した後,洗浄槽30内の水31の温度を分
解菌が最も好適に活性化する温度(例えば約30℃)に
させて,分解菌により油脂分を分解して水31を浄化せ
る。この場合,水31を浄化させる分解菌としての種菌
は,一般空気中にも多く存在していることから,特に水
31中に供給する必要はないが,特定の分解菌を水31
に対して供給しても良い。
有機成分以外の栄養分を洗浄槽30内の水31に供給し
ても良い。また,給気ノズル41から空気を吐出させて
曝気を行うことにより,槽内水31中に存在しあるいは
一般環境中に広く無数に存在している好気性分解菌で槽
内水31中に取り込まれたものをエアレーションにより
活性化させて,オイルミストなどの有機成分の分解浄化
を促進させることができる。給気ノズル41は駆動ロー
ル62の真下の位置に設けられている。バブリングを濾
材(フィルタ35)に向けることで,酸素供給と洗浄能
力の向上の2つの機能を実現し,フィルタ35の再生が
良好に達成される。
により水31を浄化するまでに時間の余裕がある場合
は,水31が冷却するのを待っても良いが,フィルタ3
5を洗浄後すぐに水31を浄化させるような場合は,給
水管32から新たに水31を供給して,洗浄槽30内の
水31を冷却することにより,水31の温度を分解菌が
活性化する温度(常温を超えて50℃未満の温度,例え
ば約30℃)にさせると良い。あるいは,槽内の水温を
下げる手段としてはエアレーションによっても行なえ
る。必要に応じて洗浄槽30の断熱を省略してもよい。
せた後,制御手段24は,弁51を開くことによって,
水31をドレイン管50を通じて排液させる。また,制
御手段24は,モータ22の稼動を開始して駆動ロール
20,21を同期回転させることにより,オイルミスト
を洗浄除去したフィルタ35を,上方へと移動させる。
こうして,フィルタ35を,再びダクト13内を横断す
るように配置させ,排気中のオイルミストをフィルタ3
5に捕捉して濾過を行う。
によれば,フィルタ35に付着したオイルミストを,た
とえ凝固していても高温水を用いて効率よく洗い落とす
ことができ,フィルタ35の目詰まりを有効に防止して
除去性能も高く維持できる。また,フィルタ35を長寿
命で利用できるので,低コストでメンテナンスも楽にな
り,産業排気物の増加も抑制して環境保全につながる。
加えて,水31も浄化しているので,排水が容易で環境
保護も達成できる。浄化処理した水31を再利用すれ
ば,排水量を極限まで低減できる。
態は,図2に示したオイルミスト除去装置1に限られな
い。以下に,本発明のオイルミスト除去装置の他の形態
を例示して説明する。
置1と異なる実施の形態のオイルミスト除去装置2の説
明図である。このオイルミスト除去装置2では,フィル
タ60はダクト13と同程度の幅を有する無端ベルト形
状に構成されている。このフィルタ60も,先に図2で
説明したフィルタ35と同様な樹脂製のフィルタが好適
に用いられる。この無端ベルト形状のフィルタ60は,
ダクト13の上方に配置された駆動ロール61とダクト
の下方に配置された従動ロール62に巻き掛けられてい
る。駆動ロール61は,制御手段24によって制御され
るモータ22の稼動によって任意に回転され,それに伴
って従動ロール62も同期回転する。この実施の形態で
はフィルタ60は,図1のように上下往復の動作はせ
ず,1方向に回転する。
流側と下流側に圧力センサ65,66が設けてあり,フ
ィルタ60の上流側と下流側の差圧が,差圧計67によ
って測定されている。また,洗浄槽30の底部に超音波
発生手段68が配置してある。制御手段24は,この超
音波発生手段68を司ることにより,洗浄槽30内の水
31を超音波振動させることができる。
スト除去装置2は,図2に示したオイルミスト除去装置
1と概ね同様の構成を有する。よって,図3において,
図2と同じ構成要素については共通の符号を付し,重複
説明を省略する。
フィルタ60の上流側と下流側の差圧を差圧計67によ
って測定し,圧損が所定の値以上になった場合に目詰ま
りと判断してフィルタ60を洗浄することが可能であ
る。また,超音波発生手段68で洗浄槽30内の水31
を超音波振動させることにより,フィルタ60の洗浄能
力を大幅に改善でき,例えば洗浄時間を1/3以下にす
ることも可能である。また,無端ベルト形状のフィルタ
60は1方向のみに回転させればよい。加えて,オイル
ミストの発生する間中濾材(フィルタ60)を同じ位置
に固定するのでなく,排気処理中でもフィルタ60の洗
浄再生処理が可能なので,特に24時間稼働の排気処理
に適している。
去装置1,2と異なる実施の形態のオイルミスト除去装
置3の説明図である。このオイルミスト除去装置3にお
いても,図3に示したオイルミスト除去装置2と同様
に,無端ベルト形状のフィルタ60を駆動ロール61と
従動ロール62に巻き掛けた構成を有している。
0内の水31を機械的に攪拌するための,攪拌羽70及
びモータ71を備えた攪拌手段72を有している。制御
手段24は,モータ71の稼動を司り,攪拌羽70を回
転させて洗浄槽30内の水31を攪拌することができ
る。但し,このオイルミスト除去装置3では,仕切り板
46は省略されている。
スト除去装置3は,図2に示したオイルミスト除去装置
1と概ね同様の構成を有する。よって,図4において,
図2と同じ構成要素については共通の符号を付し,重複
説明を省略する。
洗浄槽30内の水31を攪拌することによってフィルタ
60の洗浄能力を改善でき,また,オイルミストを分解
させる場合は,分解性能も向上させることができる。
ト除去装置1,2,3と異なる実施の形態のオイルミス
ト除去装置4の説明図である。このオイルミスト除去装
置4においても,図3,4に示したオイルミスト除去装
置2,3と同様に,無端ベルト形状のフィルタ60を駆
動ロール61と従動ロール62に巻き掛けた構成を有し
ている。また,図4に示したオイルミスト除去装置3と
同様に,攪拌羽70及びモータ71を備えた攪拌手段7
2を有している。
剤などの洗浄剤を蓄えたタンク80と供給ポンプ81を
備えた洗浄剤供給手段82を有している。制御手段24
は,供給ポンプ81の稼動を司り,タンク80に蓄えた
洗浄剤を洗浄槽30内の水31に供給させることができ
る。但し,このオイルミスト除去装置4では,給気ノズ
ル41及び給気ポンプ45は省略されている。
スト除去装置4は,図2に示したオイルミスト除去装置
1と概ね同様の構成を有する。よって,図5において,
図2と同じ構成要素については共通の符号を付し,重複
説明を省略する。
洗浄効果の向上および洗浄槽30の汚れ進行を防止でき
る。洗浄剤の使用により,付着オイルの洗浄能力は向上
するが,排水の汚染レベルは生物分解による処方に比べ
て高くなる。従って排水汚染レベルが排水基準値を上回
る場合には,排水時に補給水による希釈を行うことで対
処する。なお,中性の界面活性剤などの洗浄剤を使用す
れば,生物分解性能も向上できるという効果が期待で
き,前記汚染レベルが高くなるという問題が軽減でき
る。
本発明は以上に説明した形態に限定されない。例えば,
フィルタは帯形状でもいいし,無端ベルト形状でも良
い。また,攪拌手段,エアレーション手段,超音波発生
手段,ブラシ手段などを適宜組み合わせて利用しても良
い。ブラシも用いてフィルタを洗浄することも,洗浄能
力の向上に有効な手段である。また,洗浄槽30への給
水は,ボールタップ給水方式の他,電動弁により給水量
を制御しても良い。また,加熱手段として電熱線のほ
か,温水コイルや蒸気コイルを用いても良い。なお,本
発明の実施の形態として厨房排気に含まれるオイルミス
トを例に説明したが,本発明は機械工場における切削油
の油煙の除去にも好適に適用できる。その場合,オイル
ミスト除去装置1をユニット化したものを作業空間に天
吊りして使用できる。
した排気設備10において,図6に示すように,厨房1
1からの排気処理を,10時〜20時(飲食店の開店時
間は11〜20時)まで行い,排気中のオイルミストを
除去した。排気中の10時〜20時の間は,図2に示し
たオイルミスト除去装置1において,フィルタ35をダ
クト13内に停止させた。排気の停止後,ヒータ40で
加熱し,予め洗浄槽30内に供給しておいた水31を加
熱するとともに,給気ノズル41から空気を吐出させ
た。水31の温度が約50℃に達した後,フィルタ35
を下方に移動させ,高温にされている水31中にフィル
タ35を浸漬させることにより,フィルタ35に付着し
たオイルミストを洗浄した。
5を約30分洗浄した後,洗浄槽30内の水31の温度
を分解菌が活性化する温度(約35℃)にさせて,分解
菌により水31を浄化した。約6時間エアレーション
(曝気)することにより水31中の酸素濃度の低下を防
ぐとともに水温を下げ,洗浄したオイルミストの分解を
行った。分解後の水を排水した。分解後の排水中のオイ
ル成分濃度(ノルマルヘキサン換算値)は10ppm以
下となり,排水基準値(30ppm)を十分クリアでき
た。なお,分解処理せずに洗浄剤による洗浄処理の場合
でも,排水濃度は23ppmで排水基準値をクリアして
いた。生物分解処理をして排水する場合は,中性の界面
活性剤を少量注入することで,油分を一様に溶解させ得
て,分解菌による分解効率が向上し,さらに界面活性剤
自身が分解菌の餌になるため,洗浄槽30内の汚れの蓄
積は簡単に防止できる。
技術との比較実験も行い,本発明の実施例と比較した。
本発明の実施例と従来技術の,フィルタ圧損と送風量
(排気量)の経時変化の測定結果を図7に示した。ま
た,本発明の実施例と従来技術の,オイルミスト除去性
能の経時変化を図8に示した。本発明の実施例では,フ
ィルタ圧損および送風量は共に5日間変化がなく,捕集
したオイルミストの洗浄がほぼ完全に行われていること
を示している。一方,従来技術では,フィルタの圧損は
加速的に増加し,圧損の増加に伴い送風量は低下してい
る。5日目には圧損は初期の約3倍になっており,交換
が必要なレベルまで目詰まりが進行している。実際,無
端ベルト形状のフィルタを使用した場合,フィルタの濾
過面積は処理風動断面積の通常3倍程度あるので,交換
頻度は5×3=15日と試算される。一方,本発明の実
施例では,多くても1年に1回程度フィルタを交換すれ
ば十分である。オイルミストの除去性能に関しては両者
ほぼ同じであるが,従来技術はフィルタが目詰まりした
分,除去率がやや向上している。なお,図8において本
発明の除去率が低下しているが,これは計測器の誤差と
考えられ,除去率は従来例とほぼ同等と評価できる。
取式ロールフィルタを用い,濾材の自動水洗浄による再
生を行なわないもの)の排気設備について,年間コスト
を比較した。結果を表1に示す。従来技術の排気設備の
年間コストが121万7千円となったのに対して,本発
明の実施例の排気設備の年間コストは10万1千円とな
り,1/10以下までの大幅な低減が達成できることが
分かった。設備コスト(初期コスト)は本発明の実施例
の排気設備の方が高くなるが,年間ランニングコスト差
を考慮すれば,1〜1.5年で償却できる。
ス頻度およびコストの大幅な低減とともに,産業排気物
の低減も達成できることが証明された。なお,24時間
稼動の設備,例えば機械工場などにおいては,バッチ式
で段階的に濾材を移動させ,オイルミスト捕集をしなが
ら給水→加熱・油分解→生物分解による水の浄化→別途
設けた排水タンクに排水,という工程を採ることができ
る。そのほか,はじめから35℃〜45℃の中温水の供
給と連続的に移動する濾材への気泡の放射をすること
で,濾材を毎時数cmで移動させ,油分離と水の浄化を
同時に行うことができる。
イルミストを効率よく洗い落とすことができ,フィルタ
の目詰まりを有効に防止して除去性能も高く維持でき
る。また,フィルタを長寿命で利用できるので,低コス
トでメンテナンスも楽になり,産業廃棄物の増加も抑制
して環境保全につながる。加えて,洗浄液も浄化してい
るので,水圏の環境保護も達成できる。浄化処理した洗
浄液を再利用すれば,排水量を極限まで低減できる。
図である。
装置の説明図である。
置の説明図である。
去装置の説明図である。
ト除去装置の説明図である。
ムスケジュールの説明図である。
送風量(排気量)の経時変化の測定結果を示すグラフで
ある。
去性能の経時変化を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 排気中に含まれるオイルミストを除去す
るオイルミスト除去装置であって,オイルミストを捕捉
するフィルタを,排気中と洗浄液中とに往復移動させる
移動手段と,洗浄液を加熱する加熱手段と,これら移動
手段と加熱手段を制御する制御手段を備えることを特徴
とする,オイルミスト除去装置。 - 【請求項2】 洗浄液の供給手段を備え,この供給手段
を制御手段により制御するように構成したことを特徴と
する,請求項1のオイルミスト除去装置。 - 【請求項3】 洗浄液の機械的な攪拌手段を備え,この
攪拌手段を制御手段により制御するように構成したこと
を特徴とする,請求項1又は2のオイルミスト除去装
置。 - 【請求項4】 洗浄液中に空気を供給するエアレーショ
ン手段を備え,このエアレーション手段を制御手段によ
り制御するように構成したことを特徴とする,請求項
1,2又は3のいずれかのオイルミスト除去装置。 - 【請求項5】 請求項1,2,3又は4のいずれかのオ
イルミスト除去装置を運転する方法であって,フィルタ
を排気中に移動させ,排気中に含まれるオイルミストを
フィルタに捕捉させて除去する工程と,フィルタを洗浄
液中に移動させ,高温にした洗浄液でフィルタを洗浄す
る工程を有することを特徴とする,運転方法。 - 【請求項6】 フィルタを洗浄後,洗浄液の温度を分解
菌が活性化する温度にさせて,分解菌により洗浄液を浄
化させる工程を有することを特徴とする,請求項5の運
転方法。 - 【請求項7】 洗浄液中に洗浄剤を存在させることを特
徴とする,請求項5又は6の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001139892A JP2002331215A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | オイルミスト除去装置及び運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001139892A JP2002331215A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | オイルミスト除去装置及び運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002331215A true JP2002331215A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=18986591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001139892A Pending JP2002331215A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | オイルミスト除去装置及び運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002331215A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009139040A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | Inax Corp | オイルフィルタの洗浄装置 |
KR100938938B1 (ko) * | 2009-05-13 | 2010-01-27 | 주식회사 강남 | 주방 후드의 폐열 회수 온수기 |
WO2019073723A1 (ja) * | 2017-10-12 | 2019-04-18 | 株式会社デンソー | フィルタ装置 |
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-
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- 2001-05-10 JP JP2001139892A patent/JP2002331215A/ja active Pending
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