JP2002035096A - 気体の殺菌方法、及び殺菌気体の供給装置 - Google Patents

気体の殺菌方法、及び殺菌気体の供給装置

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JP2002035096A
JP2002035096A JP2000231695A JP2000231695A JP2002035096A JP 2002035096 A JP2002035096 A JP 2002035096A JP 2000231695 A JP2000231695 A JP 2000231695A JP 2000231695 A JP2000231695 A JP 2000231695A JP 2002035096 A JP2002035096 A JP 2002035096A
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electrolyzed water
water
sterilizing
air
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Mamoru Tomita
守 富田
Toyohiko Doi
豊彦 土井
Kiyoshi Suzuki
潔 鈴木
Teiichi Nakamura
悌一 中村
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なHAPAフィルタ−を使用することな
く、微小なウィルス、ファ−ジ等までも安全確実に除去
・失活することができ、ランニングコストが安価な気体
の殺菌方法、殺菌気体の供給装置を提供する。 【解決手段】 電解水に気体を接触させ、接触させた気
体を殺菌することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の殺菌方法、
及び殺菌気体の供給装置に関する。更に詳しくは、本発
明は、電解水を使用して気体を殺菌する方法、及びこの
方法を利用した殺菌気体の供給装置に関する。本発明に
おいて、「電解水」とは、塩素イオンを含有する水を電
気分解して得られ、塩素ガスが溶解している殺菌作用の
ある水を意味する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品産業、医薬品産業、医療現場
等においては、ト−タルサニテ−ションの考え方が広ま
りつつあり、現場における衛生管理のあり方にも一石を
投じている。特に、空気の清浄化は、衛生管理の上で最
も大きな課題となっている。
【0003】例えば、食品工場では、クリ−ンル−ム、
バイオロジカルクリ−ンル−ム等を設けることが推奨さ
れており、このような微生物的に隔離された空間の中
で、衛生的に厳しい条件が要求される各種の工程、例え
ば、食品を容器に充填する工程等を行うのである。
【0004】このように、食品工場、医薬品工場、医療
現場等においては、清浄な無菌空気が必要とされること
が多く、このため、空気中に浮遊する塵埃・微生物を除
去するための空気清浄化技術が求められている。
【0005】通常、空気中に浮遊する塵埃・微生物を除
去する技術としては、空気を濾過するフィルタ−装置が
実用化されており、求められる空気の清浄度や微生物レ
ベルに応じて、各種のフィルタ−が使い分けられてい
る。この中でも、微生物的に厳しい水準が要求される場
合には、HAPAフィルタ−と呼ばれる超高性能の除菌
フィルタ−が使用されることが多い。
【0006】特に危険な病原体等を扱う空間では、その
空間からの排気に対してもHAPAフィルタ−で濾過す
る操作が行われており、また必要に応じて排気を加熱殺
菌する処置等がとられている。これは、バイオハザ−ド
を厳重に防止するためである。
【0007】ところで、乳業技術においても、前記の充
填工程の他にも、様々な製造工程において清浄な空気が
必要とされており、例えばヨ−グルトの発酵において
も、清浄化空気が必要とされている。一般に、ヨ−グル
トは、乳原料に発酵スタ−タ−を添加し、良く撹拌混合
した後、最終製品が撹拌型ヨ−グルトである場合は発酵
タンクにおいて発酵し、静置型ヨ−グルトである場合
は、小売用容器に分注した後に発酵する。
【0008】このような一連の工程は、可及的に微生物
数の少ない雰囲気で実施することが望ましく、このため
に、ヨーグルト工場には各種の空気清浄化装置が配置さ
れている。例えば、発酵タンクの内部、又は発酵タンク
を設置した区域全体に対して、清浄化された空気が導入
されているのである。
【0009】特に、ヨ−グルトが無菌的に製造される場
合は、発酵タンクを密閉型の構造とし、このような密閉
タンクに無菌空気を供給し、無菌条件下にて発酵を行
う。このような場合の無菌空気も、やはり各種のフィル
タ−によって濾過されたものが供給されている。
【0010】以上のように、一般に、気体を清浄化、無
菌化するためには、従来は、専ら、その気体の供給側に
除菌フィルタ−を設置するという技術(以下、従来技術
と記載する。)が実用化されていたのである。
【0011】一方、近年、種々の溶液を電気分解して得
られる電解水に、殺菌効果があることが知られ始めてお
り、このような電解水は、種々の殺菌、消毒に利用され
ている(芝紀代子ら著、「強電解水ハンドブック」、医
学情報社、平成7年)。例えば、野菜、鶏卵等の食材の
洗浄・殺菌や、手指の消毒、うがい水、医療分野におけ
る種々の消毒等に利用されている。
【0012】従来の電解水の製造方法としては、例え
ば、特開平1−180293号公報に開示された技術が
知られている。この技術においては、塩化ナトリウムを
添加した水を隔膜付きの電解槽に通液し、これを電気分
解し、陽極側に生成する強酸性水を電解水として取得す
るものであり、この電解水のpHは1.5以上3.2以
下であり、単なる低pH液に比して殺菌効果が高いとさ
れている。
【0013】また、特許第2627100号の公報に開
示された技術においては、塩化ナトリウムを添加した水
と、塩酸を添加した水とを混合し、これを無隔膜電解槽
によって電気分解し、電解水を取得する。この塩化ナト
リウムを添加した水は、電解する際の効率を増加するた
めに不可欠の添加物とされている。
【0014】更に、本発明者らは、実質的に塩化ナトリ
ウムを含有しない塩酸を、無隔膜電解槽に通液して電気
分解し、電解水を得る技術を発明し、特願平8−309
920号として既に特許出願を行っている(以下、先願
技術1と記載する。)。 これらの技術によって製造さ
れた電解水は、例えば、次亜塩素酸ソ−ダを水に溶解し
て調製した塩素水に比して、低塩素濃度であっても殺菌
効果が高く、また、毎回使用する度に微妙な濃度調整を
行なう必要がないので、殺菌剤として好適である。
【0015】このような電解水の原料となる水は、例え
ば、塩化ナトリウム水溶液、塩酸等のように塩素イオン
を含有する水である。このような原料となる水を電気分
解し、電解酸化の作用により塩素ガスを発生させ、発生
した塩素ガスを水に溶解させて、水中に次亜塩素酸を生
成させる。この次亜塩素酸の作用によって電解水は殺菌
効果を呈するのである。
【0016】一方、一般に電解槽において、複数の電極
板で構成された電解槽にあっては、電極の形式として、
従来、単極式及び複極式の二種類の形式が公知であった
(社団法人電気化学協会編、「電気化学便覧」、第51
0ペ−ジ、丸善、昭和29年)。
【0017】単極式とは、電極板の全てが陰極又は陽極
のいずれかである形式であり、複極式とは、例えば、複
数の電極を一定間隔で相互に絶縁して重ね合わせた構造
を有し、電源の陽極に接続された電極板と、電源の陰極
に接続された電極板との間に、いずれの極とも接続され
ない電極(中間電極)が、少なくとも1枚存在する形式
である。本発明者らは、このような複極式の電解槽を利
用した経済的な電解水の製造方法を発明し、特願平10
−189744号として既に特許出願を行っている(以
下、先願技術2と記載する。)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】一般に、空気の清浄化
の技術分野においては、前記従来技術のように除菌フィ
ルタ−を使用する技術にあっては、除菌するべき対象が
微小であるほど細密なフィルタ−を必要とするが、概し
てこのような細密なフィルタ−は高価であり、使用する
ほどランニングコストが増加するという問題があった。
また、細密なフィルタ−は気体の圧力損失も大きいた
め、気体を供給する際の動力エネルギ−費も高価にな
り、やはりランニングコストの増加要因となっていた。
【0019】例えば、HEPAフィルタ−であれば、
0.05〜0.1μm程度のウィルスをも捕獲すること
が可能であると言われているが、このような極端に細密
なフィルタ−を使用することは、コストの面では大きな
不利となる。
【0020】また、一般にフィルタ−は破損しやすい傾
向にあり、しかも、仮に破損した場合には、重大な微生
物的な事故が発生する可能性がある。逆に言えば、この
ような事故が発生するまでは、フィルタ−が破損した事
実を発見することができないという問題があった。即
ち、前記従来技術では、品質管理、衛生管理の上で、十
分な安全性を確保することができなかったのである。
【0021】一方、ヨ−グルトの分野においては、希
に、ヨ−グルト製品の発酵が不良になるという事故が発
生することがあるが、これはヨ−グルトを製造するため
の乳酸菌がバクテリオファ−ジに感染したために起こる
ものである。バクテリオファ−ジは、平均長0.18〜
0.20ミクロン程度であり、乳酸菌が感染すると発酵
が阻害されてしまう。
【0022】このようなバクテリオファ−ジの感染を防
止するためには、従来は、空気を無菌化する段階で高性
能のHEPAフィルタ−を使用する他はなかったが、一
般に、医薬品よりも大幅に製品単価が安い食品工業の分
野では、HEPAフィルタ−を使用することはコスト的
に高価になってしまい、実用的とはいえなかった。結
局、食品工業においては、低コストで、ウィルス、ファ
−ジ等に対しても安全性が高い気体の殺菌技術が待望さ
れていたのである。
【0023】本発明者らは、前記先願技術1及び2を研
究していく過程で、電解水を気体の殺菌に適用すれば効
果的であることを発見し、本発明を想到した。
【0024】本発明の目的は、高価なHAPAフィルタ
−を使用することなく、微小なウィルス、ファ−ジ等ま
でも安全確実に除去・失活することが可能であり、ラン
ニングコストが安価な気体の殺菌方法を提供することで
ある。また、本発明の他の目的は、そのような気体の殺
菌方法を利用した殺菌気体の供給装置を提供することで
ある。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第一の発明は、電解水に気体を接触させ、接
触させた気体を殺菌する気体の殺菌方法である。
【0026】また、本発明の第一の発明は、電解水に気
体を接触させる操作が、気体を電解水中に通気すること
によって行なわれること、気体を電解水中に通気する操
作が、電解水を貯留し、貯留した電解水中に気体を吹き
込むことによって行われること、電解水を貯留する操作
が、新規な電解水を適宜補充して塩素濃度を所定の範囲
に制御しつつ行われること、電解水が、実質的に塩化ナ
トリウムを添加しない塩酸を無隔膜電解槽に通液し、通
液した塩酸を電気分解し、電気分解した後の電解水を取
得して得られること、電解水が、pH4.0以上である
こと、及び、気体が空気であること、を望ましい態様と
している。
【0027】また、本発明の第二の発明は、次のa)及
びb)、 a)気体供給源、 b)前記気体供給源に先端が接続され末端から気体を排
出する気体供給管路、を有する気体の供給装置であっ
て、次のc)〜e)、 c)電解水を作成する電解水作成手段、 d)前記電解水作成手段に先端が接続され電解水を送水
する電解水送水管路、 e)前記電解水送水管路の末端に接続され電解水を貯留
する電解水貯留容器、を備え、前記e)の電解水貯留容
器の中に貯留される電解水の中に前記b)の気体送給管
路の末端を開口させたことを特徴とする殺菌気体の供給
装置、である。
【0028】また、本発明の第二の発明は、前記e)の
電解水貯留容器は密閉容器であり、電解水中に通気した
後の気体を排出する殺菌気体排出部を備えていること、
前記c)の電解水作成手段が、次のc1)〜c3)、 c1)塩酸を貯留する塩酸容器、 c2)前記塩酸容器に先端が接続され塩酸を送液する塩
酸送液管路、 c3)前記塩酸送液管路の末端に接続され、送液された
塩酸を電気分解して排出する無隔膜電解槽、を備え、前
記c3)の無隔膜電解槽の排出側に前記d)の電解水送
水管路の先端が連通されること、前記c)の電解水作成
手段が、次のc4)、 c4)電解水に希釈水を混合して希釈する電解水希釈手
段、を備えたこと、及び、次のc5)、 c5)電解水から不要な水素ガスを除去する水素ガス除
去手段、を備えていること、を望ましい態様としてい
る。
【0029】
【発明の実施の形態】前記課題を解決するための本発明
の第一の発明は、電解水に気体を接触させ、接触させた
気体を殺菌する気体の殺菌方法である。電解水とは、前
記したように殺菌能力のある水であるから、これに気体
を接触させることによって当該気体を殺菌するのであ
る。
【0030】このように気体を電解水に接触させる操作
は、公知の気液接触装置で行うことが可能であり、例え
ば、充填塔、スプレ−塔、スクラバ−等によって行うこ
とができる。
【0031】充填塔とは、塔状の容器の内部に充填物を
詰めたものであり、上部から液を流し込んで下部から排
出し、また下部から気体を圧入して上部から排出するこ
とによって、充填物表面を流下する液体と、充填物の間
隙を上昇する気体とを接触させる装置である。またスプ
レ−塔、スクラバ−は、空間を流れる気体の中で、液
を、多数の微細な液滴、液膜、液柱として分散させるこ
とによって、液と気体とを接触させる装置であり、この
ように液を分散する態様に応じて、サイクロンスクラバ
−、ベンチュリ−スクラバ−等の種類がある。
【0032】これらの各種装置を用いて気体を電解水に
接触させれば、気体を殺菌することができるのである。
【0033】本発明の気体の殺菌方法は、例えば、バイ
オハザ−ドを防止する目的で用いることができる。即
ち、危険な微生物等を隔離した空間において、当該空間
から排出される空気に対して、本発明の気体の殺菌方法
を適用するのである。本発明の気体の殺菌方法を適用す
ることによって、このような排気を無菌化し、安全に外
気に放出することができる。
【0034】本発明の気体の殺菌方法は、電解水に気体
を接触させる操作を、気体を電解水中に通気して行うこ
とを望ましい態様としている。
【0035】例えば、配管内を流れる電解水に対して気
体を通気して混合し、その後で、液体サイクロン等の気
液分離装置によって殺菌気体を取り出すという態様を例
示することができる。
【0036】しかしながら、本発明では、電解水を、例
えば各種の容器に一旦貯留し、貯留した電解水の中に気
体を吹き込んで通気することが望ましく、このような操
作は、公知の装置で簡便に実施することが可能である。
このような公知の装置としては、例えば、気泡塔を例示
することができる。
【0037】気泡塔は、塔型容器に液を貯留しておき、
この容器の底部から気体を吹き込み、気体を泡状に上昇
させることにより、気体と液とを接触させる装置であ
る。このような気泡塔に電解水を貯留し、気体を吹き込
んで通気すれば、全ての気体を確実に殺菌することが可
能であり、効率が良い。
【0038】このように貯留した電解水に気体を通気す
る態様であれば、例えば、気体中に電解水を噴霧するよ
うな態様に比して、気体が電解水に接触する確率が高
く、殺菌効果をより完璧に近づけることができるのであ
る。
【0039】また、この場合は、貯留した電解水につい
ては、塩素濃度が低下した場合に新規な電解水を適宜補
充し、電解水の塩素濃度を所定の範囲に制御することが
望ましい。また、このように電解水を補充した場合は、
適量の電解水を排出し、電解水を適宜入れ替えることが
好ましい。
【0040】また、本発明の気体の殺菌方法は、電解水
が、実質的に塩化ナトリウムを添加しない塩酸を無隔膜
電解槽に通液し、通液した塩酸を電気分解し、電気分解
した電解水を取得して得られるものであることを望まし
い態様としている。特に、前記先願技術1又は2によっ
て得られる電解水が、最も好適な電解水といえるのであ
る。
【0041】ここに、塩酸は、実質的に塩化ナトリウム
を添加しない塩酸である。このような塩酸は、例えば、
実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し
て調製される。ここに「水」は、水道水、地下水、伏流
水、脱塩水、蒸留水、精製水(RO水、膜処理水)、こ
れらの混合水等であって、実質的に塩化ナトリウムを含
有しない水を意味している。
【0042】「実質的に塩化ナトリウムを添加しない」
の意味は、人為的に塩化ナトリウムを添加することがな
いということである。この場合、塩酸の原料となる水に
自然に含有されている微量の塩化ナトリウムは考慮しな
い。
【0043】塩酸に塩化ナトリウムが添加されていない
ということは、塩酸のナトリウムイオン濃度が、前記
「水」に含有されていたナトリウムイオン濃度を越える
ことがないことを意味している。例えば、このような
「水」は、一般にナトリウムイオン濃度200ppm以
下であるから、本発明における塩酸も、ナトリウムイオ
ン濃度は200ppm以下である。尚、本発明において
は、塩化ナトリウムのみならず、全般的にアルカリ金属
塩化物は添加しないことが望ましい。
【0044】また、塩酸の塩化水素濃度は、適切な反応
を起させるためには0.01%(重量。以下、特に断り
のない限り同じ。)以上であることが望ましく、特に
0.1%以上であることが推奨される。ただし、経済性
を追及する場合には、塩化水素濃度は、1.0%以上、
21.0%以下であることが望ましい。即ち、塩化水素
濃度が1.0%以上であれば、工業的に安定した反応を
得ることが可能であり、また21.0%以下であれば、
常温で発煙することがなく、保管、取扱いの点で望まし
いからである。
【0045】このような塩酸を無隔膜電解槽に通液した
後、陰陽両極に通電し、電気分解する。尚、無隔膜電解
槽は、隔膜を有しない電解槽である。
【0046】この無隔膜電解槽は、単極式の電解槽であ
っても良いが、複極式の電解槽であることが望ましい。
即ち、前記先願技術2の製造方法によって電解水を得る
のである。
【0047】このように電解水を製造した後は、得られ
た電解水は希釈しても良い。一般に、電解水の製造にお
いては、塩素濃度が高い水を少量だけ製造し、その後こ
れを適宜希釈して使用することが経済性の上からは望ま
しい。従って、電気分解した後は、希釈した上で、電解
水を採取するのである。希釈の度合いは、pHが4.0
以上、好ましくは4.5〜7.0の範囲になるように希
釈することが好ましい。
【0048】本発明の製造方法により製造された電解水
は、有効塩素濃度が1ppm乃至2ppmの濃度まで希
釈されたとしても殺菌効果が消失することがない。尚、
有効塩素濃度は、オルトトリジン法(日本薬学会編、
「衛生試験法・注解 1980」、第746頁、金原出
版株式会社、1980年3月20日)又はヨウ素滴定法
(社団法人日本水道協会、「上水試験方法 1993年
版」、第218〜219頁、平成5年11月15日)に
よって測定することが可能である。
【0049】また、電解水は、中和剤により中和しても
良い。有効塩素濃度が高い電解水を得た場合に、その電
解水のpHが低くなる場合があるが、一般に、塩素が溶
解した水は、pHによってその殺菌力が変化することが
知られており(株式会社フジ・テクノシステム発行、
「食品工業の微生物制御総合技術資料集」、第242〜
243ペ−ジ、昭和52年)、電解水のpHも7.0以
下、好ましくは6.5以下であれば殺菌力が高いものと
なるため望ましいのである。また、電解水が強酸性であ
れば、使用する場所、方法等に制約を受けることになる
ため、電解水のpHは4.0以上、好ましくは4.5以
上であることが好ましい。このような中和剤としては、
アルカリ性の薬品が好適であり、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等を
使用することができるが、水酸化ナトリウムが最も望ま
しい。
【0050】このように電解水を希釈する場合は、中和
剤の添加は、希釈の前であっても後であっても良いが、
後の方が望ましい。
【0051】従来の電解水は、水を電気分解して得られ
るものであるが、電解効率を増加させるために塩化ナト
リウムを添加することが常識であった。即ち、ナトリウ
ムイオン濃度が200ppm以下の電解水を空気の殺菌
に使用するという着想は従来知られていなかったもので
ある。
【0052】また、本発明の方法において使用される電
解水は、pH値が4.0以上、好ましくは4.5〜7.
0の中性付近であることを好ましい特徴としている。特
に、pHが4.0以上、好ましくは4.5以上である理
由は、後記試験例に示したとおりである。
【0053】従って、本発明において使用する電解水
は、塩化ナトリウムを添加しない電解水であり、しかも
pHが中性付近の電解水であるため、自然水と同様に取
り扱うことが可能であり、周囲に何ら悪影響を与えるこ
とがなく、空気の殺菌用としては特に好適なのである。
また、この電解水は、前記従来の電解水に比して、殺菌
作用も強力であるため、長時間貯留した場合であって
も、雑菌が増殖することが困難である。
【0054】また、本発明で使用する電解水は、塩化ナ
トリウムを添加しない電解水であるから、電解水が蒸発
した後に食塩が析出することはない。従って、例えば使
用した後の器具を洗浄することが容易であり、塩の析出
による洗浄性の悪化がない。また、金属を腐食させるこ
とがないため、ステンレス製の器具を永く安全に使用す
ることが可能である。
【0055】尚、本発明の気体の殺菌方法においては、
電解水の製造、気体の接触を連続的に行っても良い。即
ち、前記の無隔膜電解槽に対し、実質的に塩化ナトリウ
ムを添加しない塩酸を連続的に通液し、通液した塩酸を
連続的に電気分解し、電気分解した電解水を連続的に取
得し、取得した電解水に気体を連続的に接触させ、接触
させた気体を連続的に殺菌する。この場合、電解水に気
体を連続的に接触させる操作は、連続的な気液接触装置
を使用して行えば良い。
【0056】本発明を適用する気体は、いかなる気体で
も良い。例えば、食品を容器に充填して密封する際に、
容器内部の空気を窒素に置換する操作を行うことがある
が、このような窒素に対して本発明の殺菌方法を適用す
れば、充分に殺菌された窒素によって、食品をより衛生
的に充填密封することが可能となる。
【0057】しかしながら、本発明では、気体が空気で
あることを望ましい態様としている。空気は、最も広範
に利用される気体であり、クリ−ンル−ム、バイオロジ
カルクリ−ンル−ム、クリ−ンベンチ、手術室、実験動
物室、アイソレ−タ−等の分野において、本発明の殺菌
方法を好適に利用することができるのである。
【0058】また、ヨ−グルトの発酵タンクが設置され
た区域や、密閉型発酵タンクの内部に供給される空気に
対して、本発明の殺菌方法を適用した場合には、通常の
除菌フィルタ−では完璧には捕捉できないサイズのバク
テリオファ−ジを失活させることができるため、製品の
工程管理の上で、極めて効果的である。
【0059】特に、ヨ−グルトを無菌的に製造する場合
にあっては、密閉タンクにてスタ−タ−培養する場合、
又は密閉式発酵タンクにおいてヨ−グルトを発酵させる
場合に、当該タンクに供給する空気に対して、本発明の
殺菌方法を適用すれば、完全にバクテリオファ−ジから
フリ−になるため、製造の工程管理の上では大きな効果
を得ることができるのである。
【0060】結局、本発明では、高価なHEPAフィル
タ−を使用することがないため、安価なコストでバクテ
リオファ−ジの危険を予防することが可能となるのであ
る。尚、本発明は、このような従来技術のフィルタ−と
組み合わせて実施しても差支えないことはいうまでもな
い。
【0061】次に本発明の殺菌気体の供給装置について
説明する。以下に前記課題を解決するために案出した本
発明の装置の発明を説明するが、本発明の要素には後述
する実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の
要素の符号をカッコで囲んだものを付記している。本発
明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、
本発明の理解を容易にするためであって、本発明の技術
的範囲を実施例に限定するためではない。
【0062】図1は、本発明の殺菌気体の供給装置の一
実施例について、概略構造を説明するための説明図であ
り、図2は、本発明の殺菌気体の供給装置の他の実施例
について、概略構造を説明するための説明図である。ま
た、図3は、図1における電解水作成手段の拡大図であ
る。
【0063】本発明の殺菌気体の供給装置(1、2)
は、気体を供給するための気体供給源(400)と、こ
の気体供給源(400)に先端が接続される気体供給管
路(500)を備えている。気体供給源(400)とし
ては、各種気体が充填されたガスボンベの他、空気であ
ればコンプレッサ−、送風機等を例示することができ
る。空気の場合は、比較的に圧力が高いコンプレッサ−
が好ましい。このようなコンプレッサ−としては、タ−
ボ送風機、タ−ボ圧縮機、往復式圧縮機等を例示するこ
とができる。
【0064】気体供給管路(500)は、このような気
体供給源(400)に先端が接続されており、気体を供
給する管路である。このような管路は、例えば、一般的
な圧縮気体配管であり、また気体が空気である場合はダ
クトであっても良い。
【0065】以上気体供給源(400)と気体供給管路
(500)とは、気体を供給する装置として機能するの
である。そして本発明は、このような気体供給源(40
0)及び気体供給管路(500)に、電解水作成手段
(100)、電解水送水管路(200)、及び電解水貯
留容器(300、600)を備えたことを特徴とする。
【0066】電解水作成手段(100)には電解水送水
管路(200)の先端が接続されており、この電解水送
水管路(200)の末端には電解水貯留容器(300、
600)が接続される。尚、電解水送水管路(200)
には、別途、電解水を送水するためのポンプ等(20
1)を設けてもよい。
【0067】電解水作成手段(100)は、電解水を作
成する手段であり、電解水送水管路(200)は作成さ
れた電解水を送水する管路であり、電解水貯留容器(3
00、600)は送水された電解水を貯留する容器であ
る。尚、電解水貯留容器(300、600)は、密閉容
器であっても開放容器であっても良い。
【0068】そして、以上のような本発明の装置におい
ては、電解水貯留容器(300、600)に貯留された
電解水(C)の中に、気体供給管路(500)の末端
(500a)を開口させることを大きな特徴としてい
る。
【0069】以上のような本発明の殺菌気体の供給装置
(1、2)の作用は次のとおりである。
【0070】気体供給源(400)は気体を発生し、発
生した気体は気体供給管路(500)によって供給され
る。一方、電解水作成手段(100)は電解水を作成す
るが、作成された電解水は、電解水送水管路(200)
によって電解水貯留容器(300、600)に送水さ
れ、貯留される。
【0071】そして、気体供給管路(500)の末端
(500a)は、電解水貯留容器(300、600)に
貯留された電解水(C)の中に開口しており、この末端
(500a)から、気体が電解水(C)の中に吹き込ま
れる。吹き込まれた気体は、電解水(C)中を泡状にな
って上昇し、ここで電解水(C)の作用によって殺菌さ
れる。殺菌された気体は、そのまま電解水貯留容器(3
00、600)の外側に排気され、これによって殺菌気
体が供給されることになる。
【0072】このように、本発明の殺菌気体の供給装置
(1、2)によれば、ウィルス、バクテリオファ−ジ等
を含む全ての微生物を殺菌した殺菌気体を供給すること
ができるため、高価なHEPAフィルタ−を使用する必
要がなく、ランニングコストは安価である。
【0073】このような本発明の装置(1、2)におい
ては、電解水貯留容器(300、600)に撹拌手段
(図示せず)を設け、電解水(C)を撹拌することによ
って、吹き込まれた気体を機械的に分散させ、気体の殺
菌効率を向上させることも可能である。
【0074】また、気体を吹き込む形式も、いかなるも
のでも良く、例えば、気体供給管路(500)の末端
(500a)に気体分散装置(503)を設置し、気体
を微細な泡状にして吹き込むこともできる。このような
気体分散装置(503)は、焼結体によって構成するこ
とができる。
【0075】尚、気体供給管路(500)の途中に、除
塵フィルタ−、除菌フィルタ−等を設け、事前に気体を
ある程度濾過しておくこともできる。この場合でも、後
工程に電解水(C)による殺菌工程が入るため、フィル
タ−の目は荒いものでも良く、コストは安価で済むので
ある。
【0076】尚、電解水貯留容器(300、600)に
は、貯留された電解水を排出するための電解水排出管路
(302、602)を備えることが望ましく、余分な電
解水を排出しながら気体を殺菌することが好ましい。
【0077】以上の本発明の装置(1、2)は、電解水
貯留容器(300、600)が密閉容器であることを望
ましい態様とする(図2参照)。具体的に言えば、電解
水貯留容器(300、600)が密閉された容器(60
0)であり、この電解水貯留容器(600)には、殺菌
された気体を排出する殺菌気体排出部(610)を備え
るのである。
【0078】このような構造であれば、気体供給源(4
00)から送られる気体を、効率良く殺菌し、殺菌気体
排出部(610)を介して殺菌気体として供給すること
が可能となる。
【0079】また、本発明の装置(1、2)は、電解水
作成手段(100)が次のような構造を備えるものであ
ることを望ましい態様とする(図3参照。)。
【0080】即ち、本発明の装置(1、2)において
は、電解水作成手段(100)が、塩酸容器(10
1)、塩酸送液管路(102)、及び無隔膜電解槽(1
04)を備えていることを望ましい態様とする。
【0081】塩酸容器(101)は、適宜濃度を調整さ
れた塩酸を貯留するための容器であり、公知の容器を利
用することができる。塩酸送液管路(102)は、この
塩酸容器(101)に貯留された塩酸を送液するための
管路であるが、塩酸を送液するための塩酸送液手段(1
03)を配設することが望ましい。
【0082】無隔膜電解槽(104)は、塩酸送液管路
(102)の末端に接続され、内部に陰陽両極(10
5、106)を備えている。尚、電極は、複極式の形式
(前記先願技術2の形式)の方が効率的であるため好ま
しい。
【0083】尚、本発明の装置(1、2)は、前記無隔
膜電解槽(104)には塩酸容器(101)及び塩酸送
液管路(102)のみが配設されることが望ましい。即
ち、無隔膜電解槽(104)には、実質的に塩化ナトリ
ウムを添加しない塩酸を通液することが好ましいのであ
る。そして、無隔膜電解槽(104)の排出側は、最終
的に、前記電解水送水管路(200)の先端が連通され
る。
【0084】以上のような電解水作成手段(100)の
作用は、次のとおりである。即ち、塩酸容器(101)
に貯留された塩酸は、塩酸送液管路(102)によって
無隔膜電解槽(104)に送液され、無隔膜電解槽(1
04)において電気分解される。電気分解された電解水
は、無隔膜電解槽(104)より排出されるが、ここに
無隔膜電解槽(104)の排出口(104a)の側に
は、前記のように電解水送水管路(200)が連通して
いるため、最終的に、電解水は、この電解水送水管路
(200)を介して前記電解水貯留容器(300、60
0)に送水され、貯留されるのである。
【0085】以上のような電解水作成手段(100)で
あれば、実質的に塩化ナトリウムを添加しない塩酸を使
用することができるため、電解水が乾いた後でも食塩の
結晶が析出することがない等の利点を得ることができ
る。
【0086】以上の電解水作成手段(100)の一例と
しては、市販の電解水製造装置であるピュアスタ−(商
標。森永エンジニアリング社製、以下同じ。)を例示す
ることができる。この装置に、21%(重量。以下、特
に断りのない限り同じ。)の塩酸又は3%の塩酸を貯留
したタンクを設置し、前者の場合は21%の塩酸を水で
希釈した後に無隔膜電解槽に通水し、後者の場合には3
%の塩酸をそのまま無隔膜電解槽に通水し、連続的に電
気分解し、電気分解液を製造することが可能である。こ
の際は、得られた電解水が、pH4.0以上、好ましく
は4.5〜6.8の範囲になるような条件で、無隔膜電
解槽の電解条件を調節しても良い。
【0087】また、本発明の装置(1、2)は、電解水
作成手段(100)が、電解水希釈手段(110)を備
えることを望ましい態様としている。例えば、この電解
水希釈手段(110)は、電解水に希釈水を混合して希
釈する手段である。
【0088】電解水希釈手段(110)は、例えば、先
端が、希釈水を供給する希釈水供給源(110a)に接
続される。 希釈水供給源(110a)は、希釈水(電
解水を希釈する水)の供給源であり、例えば水道、井水
等の供給元である。また、この電解水希釈手段(11
0)の末端は、前記無隔膜電解槽(104)の排出側の
配管の、適宜の個所に連結される。
【0089】以上の例では、希釈水供給源(110a)
より供給される希釈水が、電解水希釈手段(110)を
介して送水され、無隔膜電解槽(104)により作成さ
れた電解水に混合され、電解水が希釈される。そして、
希釈された電解水は、前記電解水送水管路(200)を
介して電解水貯留容器(300、600)に至り、貯留
されるのである。
【0090】このような装置(100)であれば、一旦
濃厚な電解水を作成した上で希釈して供給することにな
るため、エネルギ−効率が良くなり、電力コストを削減
することが可能である。
【0091】また、本発明の電解水作成手段(100)
は、電解水から不要な水素ガスを除去する水素ガス除去
手段(130)を備えることを望ましい態様とする。水
素ガス除去手段(130)としては、例えば、図3に示
すように、電解水を一旦容器(130a)に貯留し、そ
の容器(130a)に空気を吹き込んで、水素を同伴さ
せて除去するものを例示できる。この場合、容器(13
0a)内の気体を吸引する形式であっても良い。
【0092】以上、説明した本発明の気体の殺菌方法、
及び殺菌気体の供給装置は、いかなる気体にも適用する
ことが可能であり、清浄化した気体を必要とする全ての
環境に、好適に利用することができる。
【0093】次に試験例を示して本発明について説明す
る。 試験例 この試験は、本発明における電解水の適正なpHを調べ
るために行った。 1)試料の調製 図3に示す電解水作成装置を稼動し、運転条件を調節す
ることによって、pHが2.2、3.0、4.0、及び
5.1である4種類の電解水を調製し、各々試料1〜4
とした。得られた試料1〜4の有効塩素濃度は、順に、
30.8ppm、28.2ppm、28.4ppm、及
び32.0ppmであった。
【0094】2)試験方法 150l容器に試料50lを貯留した。別途、空気パイ
プの先端に散気管を設け、この散気管を前記貯留した試
料の中に埋没させた。試料を貯留した容器は、塩素ガス
検知管(ガステック社製、No.8La)を設置した上
で入り口を閉塞して密閉した。この結果、容器内の密閉
上部空間は100lとなった。尚、塩素ガス検知管の末
端は、気体測定器(ガステック社製、GV−100)に
接続した。
【0095】空気パイプから散気管を介し、空気を15
0l/minの流量で試料に吹き込み、1分後における
容器内の上部空間における塩素ガス濃度を、塩素ガス検
知管及び気体測定器によって測定した。
【0096】3)試験結果 この試験の結果は、図4に示すとおりである。図4は、
電解水のpHと塩素ガス濃度との関係を示すグラフであ
る。図4において、横軸は電解水(試料1〜4)のpH
を示し、縦軸は容器の上部空間における塩素ガス濃度
(ppm)を示す。
【0097】図4を見れば、電解水のpHが高いほど塩
素ガスの濃度は減少しており、電解水のpHが4.0以
上である場合には塩素ガスは希少となり、特に、電解水
のpHが4.5以上であれば、塩素ガスの発生はほとん
どなくなり、5.0であれば皆無といえることが明らか
である。
【0098】この試験の結果、本発明においては、使用
する電解水のpHは4.0以上であることが望ましく、
好ましくは4.5以上であり、特に5.0以上であれば
理想的であることが判明した。
【0099】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を詳述するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 図1は、本発明の殺菌気体の供給装置の一実施例につい
て、概略構造を説明するための説明図である。図1にお
いて、本発明の殺菌気体の供給装置1は、電解水製造装
置ピュアスタ−100(森永エンジニアリング社製。特
許請求の範囲でいう「電解水作成手段」)、を備えてお
り、更に電解水送水管200(即ち、特許請求の範囲で
いう「電解水送水管路」)、及び空気殺菌槽300(即
ち、特許請求の範囲でいう「電解水貯留容器」)を備え
ている。このピュアスタ−100と空気殺菌槽300と
は、電解水送水管200を介して接続されている。
【0100】図3は、図1における電解水作成手段(即
ち、図1におけるピュアスター100)の拡大図であ
る。ピュアスタ−100は、3%塩酸が貯留された塩酸
容器101(即ち、特許請求の範囲でいう「塩酸容
器」)を備えており、塩酸容器101には、塩酸配管1
02(即ち、特許請求の範囲でいう「塩酸送液管路」)
が接続されている。塩酸配管102には、定量ポンプ1
03が配設されており、末端には無隔膜電解槽104
(即ち、特許請求の範囲でいう「無隔膜電解槽」)が接
続されている。
【0101】無隔膜電解槽104には、電極105及び
106が内設されている。尚、図1乃至図3では電極1
05及び106を一対の電極として簡略化して図示して
いるが、実際は電極105及び106は複極式の電極で
ある。この電極105及び106は電源107に結線さ
れている。無隔膜電解槽104の排出口104aには、
電解水排出管108が接続されており、この電解水排出
管108の末端は、水素除去槽130(即ち、特許請求
の範囲でいう「水素ガス除去手段」)に至る。
【0102】また、電解水排出管108には、電解水を
希釈する電解水希釈管路110(即ち、特許請求の範囲
でいう「電解水希釈手段」)が接続されている。この電
解水希釈管路110は、基本的には、水道タップ110
aと、この水道タップ110aに接続される水供給管1
11によって構成されている。水供給管111には、自
動開閉弁112及び定流量弁113が配設されている。
水供給管111の末端111aは、前記電解水排出管1
08に合流する。
【0103】水素除去槽130は、電解水を一旦貯留す
る容器130aを有しており、この容器130aには、
図示しない空気源からの空気管131の末端が接続され
ており、更に、容器130aの上面には、水素排出口1
32が備えられている。また、容器130aには、レベ
ル計133が設置されているが、このレベル計133
は、水素除去槽130の内部の電解水のレベルをチェッ
クする計器である。
【0104】以上の水素除去槽130には、前記電解水
送水管200の先端が接続され、電解水送水管200に
は、定量ポンプ201が備えられている。尚、前記の自
動開閉弁112、定量ポンプ103、無隔膜電解槽の電
源107、及びレベル計の検出部134、及び定量ポン
プ201は、各々信号線112a、103a、107
a、134a、及び201aによって、コントロ−ラ−
120に結線されている。
【0105】以上の図1の電解水作成手段(即ち、図1
におけるピュアスター100)の作用について説明す
る。
【0106】電解水製造装置ピュアスタ−100におい
て、塩酸容器101には3%塩酸が貯留されており、こ
の塩酸は、塩酸配管102を介して定量ポンプ103に
よって無隔膜電解槽104に送液される。
【0107】無隔膜電解槽104においては、電極10
5及び106に電流が通電され、塩酸は電気分解され、
電解水となる。電解水は、無隔膜電解槽104の排出口
104aより排出され、電解水排出管108を介して水
素除去槽130に至る。
【0108】ここで、水道タップ110aより、水供給
管111を介して水が供給されるが、この場合の水量は
定流量弁113によって一定に保たれる。この水は、水
供給管111を介して末端111aにおいて電解水排出
管108に合流し、ここで電解水は希釈された上で、水
素除去槽130に送水される。
【0109】水素除去槽130においては、レベル計1
33によって液位が検知されており、液位が所定位置よ
りも下がった場合は、検出部134より、信号線134
aを介してコントローラー120に信号が出力され、こ
の信号を受けて、コントローラー120が、信号線11
2a、103a、107aを通じて、自動開閉弁11
2、定量ポンプ103、無隔膜電解槽の電源107を稼
動し、電解水を作成かつ希釈して水素除去槽130に補
充するのである。尚、液位が所定位置よりも上がった場
合は、同様に電解水の作成を中断する。
【0110】一方、水素除去槽130には、図示しない
空気源からの空気管131の末端が接続されており、上
部の空間には常時空気が少量供給される。供給された空
気は水素排出口132よりが排出されるが、この際、水
素除去槽130内部の電解水から発生した水素ガスも同
伴され、水素ガスが除去される。
【0111】以上の作用によって、水素除去槽130に
おいては、水素が除去された電解水が、所定の液位で貯
留されているのである。
【0112】尚、コントローラー120は、信号線20
1aを通じて定量ポンプ201を稼動又は停止する機能
を有しており、必要に応じて、電解水送水管200を介
して、以後の工程に電解水を送水する。
【0113】次に、このようなピュアスター100が設
置された図1の殺菌気体の供給装置1について説明す
る。
【0114】図1において、前記ピュアスター100の
水素除去槽130には、電解水送水管200の先端が接
続されており、電解水送水管200の末端200aは、
空気殺菌槽300(即ち、特許請求の範囲でいう「電解
水貯留容器」)に接続されている。この空気殺菌槽30
0は、上部に開口部301が開口しており、この開口部
301を介して空気殺菌槽300の内外は導通されてい
る。換言すれば、空気殺菌槽300は、開口部301を
通じて開放された容器なのである。
【0115】前記電解水送水管200の末端200a
は、空気殺菌槽300の下部に接続されており、その空
気殺菌槽300の上部には、電解水排出管302が配設
されている。電解水排出管302の末端302aは開口
しており、その下方には洗い場303が設置されてい
る。洗い場303の内部には、排出用タンク(図示せ
ず)が内設されており、この排出用タンクは、一定レベ
ル以上の電解水がたまった場合に排出口304より電解
水を排出する機能を有する。
【0116】尚、このような空気殺菌槽300及び洗い
場303は、微生物的な清浄度が要求される空間Eの内
部に設置されている。
【0117】また、空気殺菌槽300には、内部の電解
水Cの塩素濃度を測定する塩素濃度センサ−310が設
置されている。この塩素濃度センサー310は、信号線
310aによって、コントロ−ラ−120に結線されて
いる。
【0118】一方、気体の供給側としては、コンプレッ
サ−ユニット400(即ち、特許請求の範囲でいう「気
体供給源」)を備えている。このコンプレッサ−ユニッ
ト400には、空気配管500(即ち、特許請求の範囲
でいう「気体供給管路」)が連設されている。
【0119】コンプレッサ−ユニット400は、コンプ
レッサ−401を有しており、コンプレッサ−401の
排気側にはミストセパレ−タ−402及びアフタ−ク−
ラ−403を備えている。ミストセパレ−タ−402は
コンプレッサ−の排気に混入している塵埃、油滴、水滴
等を除去する装置であり、アフタ−ク−ラ−403は空
気を冷却する装置である。
【0120】また、コンプレッサ−ユニット400は、
空気槽404を備えている。空気槽404は圧力センサ
−(図示せず)を有しており、空気槽404内の圧力が
所定の圧力より低くなった場合に、コンプレッサ−40
1が自動的に稼動するよう配線されている。また、空気
槽404は、空気槽404内の圧力が所定の圧力より高
くなりすぎた場合に、空気槽404より空気を排気する
安全弁405を備えている。
【0121】このコンプレッサ−ユニット400には、
空気配管500が連設されており、この空気配管500
には、減圧弁501及び逆止弁502が配設されてい
る。
【0122】また空気配管500の末端500aには散
気管503が配設されている。この散気管503は焼結
金属で作成されており、焼結金属の微細な気孔を介して
管の内外が導通される構造を有している。
【0123】そして、空気配管500は、空気殺菌槽3
00を貫通して、空気殺菌槽300の底部にて開口して
おり、この開口箇所に前記散気管503が接続されてい
る。換言すれば、散気管503は、空気殺菌槽300の
底部に配置されている。
【0124】以上説明した、実施例1の装置1の作用は
次のとおりである。電解水製造装置ピュアスタ−100
において、水素除去槽130には、水素が除去された電
解水が貯留されている。一方、空気殺菌槽300には、
電解水Cが貯留されているが、塩素濃度センサー310
によって電解水Cの塩素濃度が検出されている。塩素濃
度の値は、信号線310aを介してコントローラー12
0に送信され、コントローラー120は、受信した塩素
濃度が、所定の値よりも低い場合は、信号線201aを
介して定量ポンプ201を稼動し、空気殺菌槽300に
新規な電解水を補充するのである。かくして、空気殺菌
槽300に貯留された電解水Cは、常に一定範囲の塩素
濃度に維持される。
【0125】また、空気殺菌槽300においては、上部
の電解水排出管302の水位までは電解水Cが貯留され
ており、新規な電解水が補充された際に、電解水Cは電
解水排出管302から漏れ出して、洗い場303に排出
される。これによって、空気殺菌槽300の水位も一定
に保たれる。
【0126】尚、洗い場303には、洗浄・殺菌を必要
とする器具等を置いておき、排出される電解水でシャワ
リングすれば洗浄・殺菌を行うことが可能である。
【0127】空気殺菌槽300より排出された電解水
は、洗い場303の内部に設置された排出用タンク(図
示せず)に一旦貯留され、一定レベル以上の電解水がた
まった場合には、排出口304より電解水が排出され
る。
【0128】一方、コンプレッサ−ユニット400にお
いては、コンプレッサ−401が稼動し、所定圧力の空
気が空気槽404に貯留される。この空気は、空気配管
500を経て送給されるが、減圧弁501によって減圧
され、空気配管500の末端500aに設置された散気
管503まで空気が送給される。
【0129】散気管503は、空気殺菌槽300の底部
に配置されているため、貯留された電解水Cの中に、散
気管503を介して空気が吹き込まれる。この際、空気
は、散気管503によって微細な泡状となって吹き込ま
れる。尚、逆止弁502によって、電解水Cが空気配管
500の側に逆流することは防止される。
【0130】空気は、電解水Cの中を泡状に浮上し、空
気殺菌槽300の開口部301を介して、微生物的な清
浄度が要求される空間Eの内部に拡散する。かくして、
空間Eには、殺菌空気が供給されるのである。
【0131】実施例2 図2は、本発明の殺菌気体の供給装置の他の実施例につ
いて、概略構造を説明するための説明図である。図2に
おいて、図1及び図3と共通する要素には、図1又は図
3と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0132】図2において、殺菌気体の供給装置2は、
密閉式の空気殺菌槽600(即ち、特許請求の範囲でい
う「電解水貯留容器」)を備えている。その他の、電解
水製造装置ピュアスタ−100、電解水送水管200、
コンプレッサ−ユニット400の構造については、前記
実施例1と同様である。
【0133】密閉式の空気殺菌槽600には、電解水製
造装置ピュアスタ−100からの電解水送水管200の
末端200aが開口しているが、この末端200aは、
空気殺菌槽600の比較的上の方の位置で開口してい
る。また、電解水送水管200には、逆止弁202が設
置されている。
【0134】また、空気殺菌槽600の比較的下の位置
には電解水排出管602が配設されている。また、電解
水排出管602には、コントロ−ル弁605が設置され
ており、コントロ−ル弁605は信号線605aによっ
てコントロ−ラ−120に結線されている。
【0135】また、空気殺菌槽600には水位センサ−
601が設置されており、この水位センサ−601は信
号線601aによってコントロ−ラ−120に結線され
ている。
【0136】一方、コンプレッサ−ユニット400から
の空気配管500の末端500aには、散気管503が
設置されており、空気殺菌槽600の底部において開口
していることは、前記実施例1と同様である。
【0137】また、空気殺菌槽600の頂部には、殺菌
空気排出管610(即ち、特許請求の範囲でいう「殺菌
気体排出部」)が接続されており、この殺菌空気排出管
610には、ミストセパレ−タ−611が設置されてい
る。
【0138】この殺菌空気排出管610の末端は、殺菌
空気が必要な各種機器(図示せず)、例えば、ヨ−グル
トの無菌発酵タンク等に接続される。以上のような殺菌
気体の供給装置2においては、空気殺菌槽600は密閉
されているため、コンプレッサ−ユニット400からの
空気が空気配管500を介して送給され、この空気は、
減圧弁501を介して減圧された上で、空気殺菌槽60
0に吹き込まれる。
【0139】この際、空気殺菌槽600の内部は、大気
圧よりも高圧になっている。このために、電解水送水管
200には逆止弁202を設け、電解水が逆流すること
を防止しているのである。
【0140】電解水製造装置ピュアスタ−100が電解
水を作成し、水素除去槽130に水素を除去した電解水
を貯留している。電解水送水管200を介して定量ポン
プ201によって電解水が空気殺菌槽600に送水され
る。空気殺菌槽600には電解水Cが貯留される。この
際、水位センサ−601は、電解水Cの水位を感知して
信号線601aを介してコントロ−ラ−120に送信す
る。コントロ−ラ−120は、信号線605aを介して
コントロ−ル弁605を操作し、空気殺菌槽600から
電解水を排出し、電解水Cの水位を所定の範囲に維持す
るのである。即ち、コントローラー120は、水位セン
サー601の検出値に応じて、定量ポンプ201及びコ
ントロール弁605を稼動し、空気殺菌槽600の水位
を、一定の範囲にコントロールする。
【0141】また、このようなコントロールとは別に、
塩素濃度センサ−310が電解水Cの塩素濃度を検出
し、検出した塩素濃度のデ−タを信号線310aを介し
てコントロ−ラ−120に送信し、コントロ−ラ−12
0が定量ポンプ201を稼動し、新規な電解水を空気殺
菌槽600に補充することは、前記実施例1と同様であ
る。
【0142】以上のような殺菌気体の供給装置2におい
て、コンプレッサ−ユニット400からの空気は、減圧
弁501を介して減圧された上で、空気殺菌槽600に
吹き込まれる。尚、この際、散気管503を介して吹き
込まれることは前記実施例1と同様である。
【0143】吹き込まれた空気は、電解水Cの中を泡状
に上昇し、殺菌空気となり、空気殺菌槽600の頂部に
至る。そして、殺菌空気排出管610を介して、系外に
排出されるが、この際、殺菌空気に同伴された電解水の
水滴は、ミストセパレ−タ−611によって除去され
る。かくして、殺菌空気排出管610の末端に設けられ
た各種機器に、殺菌空気が供給されるのである。
【0144】例えば、殺菌空気排出管610の末端を、
ヨ−グルトの無菌発酵タンクに接続すれば、ヨーグルト
の無菌発酵タンクに殺菌空気が供給される。この場合
は、供給される殺菌空気は、電解水処理によってバクテ
リオファ−ジに対しても安全な空気となっているため、
工場におけるヨ−グルトの発酵管理を安全に行うことが
できるのである。
【0145】実施例3 次に、図1の装置を使用した方法の発明の実施例につい
て説明する。図1の、電解水製造装置ピュアスタ−10
0を稼動し、塩酸容器101に貯留された3%塩酸を無
隔膜電解槽104に送液し、電気分解し、同時に水道タ
ップ110より水供給管111を介して希釈水を送水
し、空気殺菌槽300に電解水Cを貯留した。貯留した
電解水の有効塩素濃度は20ppmであり、pHは6.
0であった。また、塩素濃度センサ−310によって電
解水Cの塩素濃度を感知し、塩素濃度が低下した場合に
は、適宜、電解水製造装置ピュアスタ−100を稼動
し、新規な電解水を補充することによって、電解水Cの
塩素濃度が18ppm以上に維持されるように制御し
た。
【0146】コンプレッサ−ユニット400において、
コンプレッサ−401を稼動し、空気槽404に圧縮空
気を貯留した。そして、空気配管500を介して散気管
503より空気を吹き出し、空気殺菌槽300中の電解
水Cと接触させ、空気を殺菌した。
【0147】殺菌した空気は、空気殺菌槽300の開口
部301を介して排出されたが、開口部301からの排
気に対し、光散乱式粒子計数器を用いて日本工業規格B
9920に従って微生物数の測定を行ったが、微生物は
全く検出されなかった。
【0148】
【発明の効果】本発明の気体の殺菌方法又は殺菌気体の
供給装置は、高価なHAPAフィルタ−を使用すること
なく、微小なウィルス、ファ−ジ等までも安全確実に除
去・失活することができ、ランニングコストが安価であ
る。また、本発明の気体の殺菌方法又は殺菌気体の供給
装置を利用すれば、ヨ−グルトの製造工程におけるバク
テリオファ−ジによる製品事故を確実に防止することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の殺菌気体の供給装置の一実施
例について、概略構造を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本発明の殺菌気体の供給装置の他の実
施例について、概略構造を説明するための説明図であ
る。
【図3】図3は、図1における電解水作成手段の拡大図
である。
【図4】図4は、電解水のpHと発生塩素ガスの濃度と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 殺菌気体の供給装置 2 殺菌気体の供給装置 100 ピュアスタ−(電解水作成手段) 101 塩酸容器(塩酸容器) 102 塩酸配管(塩酸送液管路) 103 定量ポンプ 104 無隔膜電解槽(無隔膜電解槽) 110 電解水希釈管路(電解水希釈手段) 110a 水道タップ 111 水供給管 130 水素除去槽(水素ガス除去手段) 200 電解水送水管(電解水送水管路) 300 空気殺菌槽(電解水貯留容器) 400 コンプレッサ−ユニット(気体供給源) 500 空気配管(気体供給管路) 503 散気管 600 空気殺菌槽(電解水貯留容器) 610 殺菌空気排出管(殺菌気体排出部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 潔 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社分析センター内 (72)発明者 中村 悌一 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB05 HH03 KK08 MM01 QQ11 4D061 DA02 DA03 DB07 EA03 EA04 EB14 EB19 EB37 EB39 ED12 GA18 GA21 GA22 GC18

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解水に気体を接触させ、接触させた気
    体を殺菌することを特徴とする気体の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 電解水に気体を接触させる操作が、気体
    を電解水中に通気することによって行なわれる請求項1
    に記載の気体の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 気体を電解水中に通気する操作が、電解
    水を貯留し、貯留した電解水中に気体を吹き込むことに
    よって行われる請求項2に記載の気体の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 電解水を貯留する操作が、新規な電解水
    を適宜補充して塩素濃度を所定の範囲に制御しつつ行わ
    れる請求項3に記載の気体の殺菌方法。
  5. 【請求項5】 電解水が、実質的に塩化ナトリウムを添
    加しない塩酸を無隔膜電解槽に通液し、通液した塩酸を
    電気分解し、電気分解した後の電解水を取得して得られ
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の気体の殺菌
    方法。
  6. 【請求項6】 電解水が、pH4.0以上である請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の気体の殺菌方法。
  7. 【請求項7】 気体が空気である請求項1乃至請求項6
    のいずれかに記載の気体の殺菌方法。
  8. 【請求項8】 次のa)及びb)、 a)気体供給源、 b)前記気体供給源に先端が接続され末端から気体を排
    出する気体供給管路、を有する気体の供給装置であっ
    て、次のc)〜e)、 c)電解水を作成する電解水作成手段、 d)前記電解水作成手段に先端が接続され電解水を送水
    する電解水送水管路、 e)前記電解水送水管路の末端に接続され電解水を貯留
    する電解水貯留容器、を備え、前記e)の電解水貯留容
    器の中に貯留される電解水の中に前記b)の気体送給管
    路の末端を開口させたことを特徴とする殺菌気体の供給
    装置。
  9. 【請求項9】 前記e)の電解水貯留容器は密閉容器で
    あり、電解水中に通気した後の気体を排出する殺菌気体
    排出部を備えている請求項8に記載の殺菌気体の供給装
    置。
  10. 【請求項10】 前記c)の電解水作成手段が、次のc
    1)〜c3)、 c1)塩酸を貯留する塩酸容器、 c2)前記塩酸容器に先端が接続され塩酸を送液する塩
    酸送液管路、 c3)前記塩酸送液管路の末端に接続され、送液された
    塩酸を電気分解して排出する無隔膜電解槽、を備え、前
    記c3)の無隔膜電解槽の排出側に前記d)の電解水送
    水管路の先端が連通される請求項8又は請求項9に記載
    の殺菌気体の供給装置。
  11. 【請求項11】 前記c)の電解水作成手段が、次のc
    4)、 c4)電解水に希釈水を混合して希釈する電解水希釈手
    段、を備えた請求項8乃至請求項10のいずれかに記載
    の殺菌気体の供給装置。
  12. 【請求項12】 前記c)の電解水作成手段が、次のc
    5)、 c5)電解水から不要な水素ガスを除去する水素ガス除
    去手段、を備えている請求項8乃至請求項11のいずれ
    かに記載の殺菌気体の供給装置。
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