JP2022113450A - 空気清浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気と次亜塩素酸との接触効率が高められた空気清浄装置の提供。【解決手段】空気清浄装置1は、次亜塩素酸水Wを収容する容器10と、被処理空気を取り入れて、容器10内の次亜塩素酸水W中に被処理空気を気泡Bの状態で供給する気泡発生部20と、を備え、容器10は、収容する次亜塩素酸水Wの体積よりも大きい容積を有し、次亜塩素酸水Wの中で気泡Bを発生させることによって、収容する次亜塩素酸水Wの上方に気体状の次亜塩素酸を含む殺菌雰囲気を形成する構成を備えている。【選択図】図1

Description

本技術は、空気清浄装置に関する。
空気中には、塵やほこりの他、目で見ることはできない細菌やウィルス等の微生物が混在し、浮遊している場合がある。細菌やウィルスの中には、ヒトや動物、植物等に病をもたらすものもあり、ヒト、動物、および植物が多数存在する半閉鎖空間、例えば、住宅、学校、病院、工場、農業用ハウス等の空気から、微生物を安全に殺菌することが望まれる。このような細菌やウィルス等の微生物を殺菌する装置として、例えば、次亜塩素酸水を利用した空間除菌脱臭機(例えば、非特許文献1等参照)が知られている。この空間除菌脱臭機は、揮発させた気体状の次亜塩素酸を空間に放出することで次亜塩素酸と空気を接触させ、空気中の微生物を殺菌する構成を備えている。
次亜塩素酸空間除菌脱臭機ジアイーノ(登録商標)製品情報、[online]、パナソニック株式会社、2021年、[令和3年1月1日検索]、インターネット<URL:https://panasonic.jp/ziaino/>
しかしながら、気体状の次亜塩素酸と空気、とりわけ浮遊菌等との接触効率は決して高いとはいえず、改善の余地があった。
本技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、空気と次亜塩素酸水との接触効率が高められ、これにより殺菌効果の向上を可能とし得る空気清浄装置を提供することにある。
(1)本技術に係る空気清浄装置は、次亜塩素酸水を収容する容器と、被処理空気を取り入れて、前記容器内の前記次亜塩素酸水中に前記被処理空気を気泡の状態で供給する気泡発生部と、を備え、前記容器は、収容する前記次亜塩素酸水の体積よりも大きい容積を有し、前記次亜塩素酸水の中で前記気泡を発生させることによって、収容する前記次亜塩素酸水の上方に気体状の次亜塩素酸を含む殺菌雰囲気を形成する構成を備えている。上記構成によると、被処理空気は次亜塩素酸水中に気泡として供給されるため、被処理空気と次亜塩素酸との接触効率が高度に高められる。加えて、次亜塩素酸水中に気泡が生成されることにより、容器内には次亜塩素酸やその分解生成物である塩素ガスを含む殺菌雰囲気が形成され得る。このことにより、被処理空気に含まれる細菌やウィルス等の微生物は、まずは、液体状の次亜塩素酸と気液接触することができ、次いで、気体状の次亜塩素酸(塩素ガスであってよい)と気気接触することができる。その結果、被処理空気に含まれる微生物をより確実に殺菌(不活性化を含む。以下同じ。)することができる。また、単位時間当たりの被処理空気の殺菌処理量を増大させることができ、例えば従来よりも短時間でより多量の空気を殺菌することができる。
(2)また、本技術の一実施形態では、上記(1)の構成に加え、前記気泡発生部は、前記被処理空気を直径100μm未満のファインバブルとして発生することができる構成を備えていてもよい。このような構成によると、被処理空気は次亜塩素酸中にファインバブルとして供給されるため、気液界面の面積が拡大するとともに、ファインバブルは次亜塩素酸水中をゆっくりと浮上することから被処理空気との接触効率が高度に高められる。これにより、上記効果がより一層高められる。また、被処理空気をファインバブルとして発生させるため、気泡形成に伴う騒音の発生が抑制される。
(3)また、本技術の一実施形態では、上記(1)または(2)の構成に加え、前記気泡発生部は、前記被処理空気を直径1μm未満のウルトラファインバブルとして発生することができる構成を備えていてもよい。このような構成によると、ファインバブルをウルトラファインバブルとすることにより、上記効果がより一層高められる。またウルトラファインバブルの圧壊時にはヒドロキシラジカルや塩素ラジカルが発生し得ることから、これらラジカルによって更なる殺菌効果の向上が図られる。
(4)また、本技術の一実施形態では、上記(1)~(3)のいずれか1つの構成に加え、前記被処理空気を取り入れて、前記被処理空気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタ部を備え、前記フィルタ部は、光触媒活性を有する二酸化チタンを含んでいてもよい。二酸化チタンの光触媒活性として、殺菌作用が知られている。また、二酸化チタンを塗布した表面は親水性が高められることも知られている。上記構成によると、フィルタ部において、被処理空気に含まれるウィルスや細菌等の微生物を効率よく捕集(吸着)して、殺菌することができる。これにより、被処理空気の殺菌効果がさらに高められる。
(5)本技術の一実施形態では、上記(1)~(4)のいずれか1つの構成に加え、前記次亜塩素酸水中に供給された前記被処理空気を通過させることで次亜塩素酸および塩素成分を除去する塩素除去部を備えていてもよい。上記構成によると、塩素除去部によって、被処理空気の殺菌に利用した次亜塩素酸およびその分解成分である塩素を除去することができる。これにより、殺菌成分を除去した安全な状態の処理空気を空間に戻すことができる。なお、塩素除去部は、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタおよび活性炭フィルタの少なくとも一方であってよい。
(6)本技術の一実施形態では、上記(1)~(5)のいずれか1つの構成に加え、塩素を含む水を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部を備えていてもよい。上記構成によると、任意のタイミングで次亜塩素酸水を用意することができる。これにより、被処理空気の処理によって次亜塩素酸水の殺菌作用が低下すると、殺菌作用の高い新しい次亜塩素酸水を使用することができ、高い殺菌効果を安定して維持することができる。その結果、空気の殺菌を連続して実行することができる。
本技術によれば、空気と次亜塩素酸水との接触効率が高められ、これにより殺菌効果の向上を可能とし得る空気清浄装置を提供できる。
一実施形態に係る空気清浄装置の正断面図 一実施形態に係る空気清浄装置の側断面図 一実施形態に係る空気清浄装置の平断面図 一実施形態に係る空気清浄装置の平断面図(図2のA-A線断面図) 他の実施形態に係る空気清浄装置の要部概念図 他の実施形態に係る空気清浄装置の利用について例示する図 他の実施形態に係る空気清浄装置の要部概念図 他の実施形態に係る空気清浄装置の構成を概念的に示す側断面図
≪実施形態1≫
一実施形態に係る空気清浄装置について、図1ないし図4に基づいて説明する。この空気清浄装置1は、空気を取り込んで空気中に含まれる細菌やウィルス等を殺菌または徐菌(以下、単に殺菌という。)する機能を有している。各図に示す符号F,Rr,L,R,U,Dはそれぞれ、空気清浄装置1を正面から視たときの前(手前),後(奥),左,右,上,下を表す。ただし、これらの方向は便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
空気清浄装置1は、概して、タンク10(容器の一例)と、気泡発生部20と、を備えている。また、空気清浄装置1は、塩素除去部30と、フィルタユニット40(フィルタ部の一例)と、送風機50と、を備えている。これらの要素は、全体として略直方体形状をなす箱状の筐体60に収容ないし取付されている。筐体60は、仕切り板によって、上方のスペースと下方のスペースとに区画されている。以下、各要素について説明する。
タンク10は、次亜塩素酸水Wを収容する液体貯槽用タンクである。タンク10は、筐体60の下方のスペースに出し入れ可能に収容できるようになっている。タンク10を構成する材料は、次亜塩素酸雰囲気に対して耐食性を備えるものであれば特に制限されず、例えばポリエチレンやポリ塩化ビニル等の軽量で比較的高強度な合成樹脂によって構成することができる。タンク10の容量は、被処理空気の単位時間当たりの処理量等によって適宜決定することができ、次亜塩素酸水Wを収容したときに、次亜塩素酸水Wの上方に十分な空間を確保できるように設計されている。すなわち、タンク10は、収容する次亜塩素酸水の体積の約1.5倍以上、3倍以下程度(例えば1.8~2.5倍)の容積を有するものであるとよい。本実施形態のタンク10は、例えば150Lの次亜塩素酸水を収容するものとして、容量300Lの液体貯槽用タンクを用いている。このような構成によって、タンク10に次亜塩素酸水Wを収容したとき、タンク10の内部において、下方には次亜塩素酸水Wからなる液相領域A1が、そしてこの液相領域A1の上方には十分な気相領域A2が用意される。
また、本実施形態のタンク10には、後述する気泡発生部20の接続部材23と、塩素除去部30の通気管31と、が装着されている。そしてタンク10は、例えばメンテナンス時等に接続部材23や通気管31の脱着が可能なように、上面に開口を有する本体部11と、この開口を蓋する蓋部12と、から構成されている。本体部11および蓋部12と、接続部材23および通気管31の周縁とは、例えば弾性シール部材が介されるなどして気密に封止できる構成となっている。また、タンク10の側面の下方には、収容していた次亜塩素酸水Wを排出するための排液部14が設けられている。排液部14は、タンク10内を水密に維持できるように構成されている。
なお、次亜塩素酸水Wは、次亜塩素酸(HClO)を含む水溶液であり、本技術における殺菌剤である。次亜塩素酸水としては、典型的には、塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られるものを好ましく用いることができる。次亜塩素酸水は、pHや有効塩素濃度等によって、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水、および微酸性次亜塩素酸水等に分類されることがある。ただし、これらの全ての次亜塩素酸水について、細菌およびウィルス等の微生物に対する殺菌作用、および植物や食品等に対する殺菌作用を有することが確認されており、次亜塩素酸水としてはいずれのものを用いてもよい。なかでも、次亜塩素酸水は、人肌に触れたときの危険性の低い、弱酸性次亜塩素酸水および微酸性次亜塩素酸水の少なくとも一方を含むことが好ましい。また、比較的容易に作製できるとの観点からは、次亜塩素酸水は、微酸性次亜塩素酸水を含むものであってよい。
なお、強酸性次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸水のうち、代表的にはpHが2.7以下のものをいう。強酸性次亜塩素酸水は、典型的には、0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる水溶液であり、有効塩素10~60mg/kg(例えば20~60mg/kg)を含み得る。
また、弱酸性次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸水のうち、代表的にはpHが2.7を超えて5.0以下のものをいう。弱酸性次亜塩素酸水は、典型的には、適切な濃度の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる水溶液、または、陽極から得られる水溶液に陰極から得られる水溶液を加えたものであり、有効塩素10~60mg/kgを含み得る。
微酸性次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸水のうち、代表的にはpHが5.0を超えて6.5以下のものをいう。微酸性次亜塩素酸水は、典型的には、塩酸および必要に応じ塩化ナトリウム水溶液を加えて適切な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液であり、有効塩素10~80mg/kgを含み得る。
気泡発生部20は、被処理空気を取り入れて、タンク10内の次亜塩素酸水W中に被処理空気を気泡の状態で供給する要素である。本実施形態の気泡発生部20は、散気部21と、エアポンプ22と、接続部材23と、を備えている。散気部21は、筒状をなす多孔質体21Aを主体として構成されており、その一端は開口されるとともに他端は閉塞部材によって封止されている。多孔質体21Aは、例えば多孔質セラミック等からなり、その内部に微細な細孔を多数有している。ここで複数の微細な細孔は連続し、筒の内側の内表面と外側の外表面とを連通する連通孔となっている。本実施形態の散気部21は、図4に示すように、複数の筒状の多孔質体21Aを備えている。エアポンプ22は、一方から気体を取り入れて他方に送る要素であり、気体を取り入れる気体取入口22Aと、気体を送り出す気体排出口22Bと、を備えている。本実施形態のエアポンプ22は、これに限定されるものではないが、渦流式のブロアである。このエアポンプ22は、筐体60の上方のスペースであって、右側寄りの位置において、気体取入口22Aが後方を向く姿勢で収容されている。接続部材23は、エアポンプ22の気体排出口22Bと、散気部21の開口(ここでは、複数の多孔質体のそれぞれの開口)とを気密に連通する筒状の要素である。
本実施形態の接続部材23は、複数の塩化ビニル製のT字管を、互いの直線部分(T字の横線に相当する部分)において連結することで構成されており、分岐部分(T字の縦線に相当する部分)の先端に多孔質体21Aがそれぞれ接続されている。複数の多孔質体21Aは、同一平面において互いの中心軸が平行となるように、かつ、所定の寸法ずつ離間して配列した状態で、接続部材23に支持されている。散気部21は、タンク10内において、タンク10の底面からやや上方の位置に配されている。散気部21は、例えば、タンク10に収容される次亜塩素酸水Wの水深に対して、50%よりも深い位置(下方)に配されている。これにより、エアポンプ22が駆動することで、エアポンプ22の周辺の被処理空気が気体取入口22Aからエアポンプ22内に取り込まれ、気体排出口22Bから接続部材23を介して散気部21(ここでは、それぞれの多孔質体21Aの筒内部)に送られる。多孔質体21Aの筒内部に送られた被処理空気は、貫通孔を半径方向外側に向けて送られ、次亜塩素酸水W中に排出される。このとき、被処理空気は、例えば多孔質体21Aの細孔径に対応した寸法の微細かつ多数の気泡Bとなり、次亜塩素酸水W中を浮上する。つまり、被処理空気が液相領域A1に送られると、この液相領域A1は気液混合状態となる。そして被処理空気は、気泡Bと次亜塩素酸水Wとの界面(気液界面)において次亜塩素酸と接触し、被処理空気内に含まれる微生物は当該界面において殺菌され得る。気泡Bは、次亜塩素酸水Wの表面に達すると開裂し、被処理空気はタンク10内の上方の空間(気相領域A2)に放出される。
散気部21によって形成する気泡Bの平均直径は、気泡Bと次亜塩素酸水Wとの接触面積を拡大するとの観点から、10mm以下であることが好ましく、例えば、1mm以下(未満であり得る)であってよい。さらに気泡Bは、ISO 20480-1:2017に規定される、体積相当の直径(以下、単に「直径」という場合がある。)が100μm未満や10μm未満のファインバブルであってよく、さらには体積相当の直径が1μm未満のウルトラファインバブルであってよい。本実施形態における散気部21は、平均直径が1mm以下程度の気泡Bを発生することができる多孔質体21Aを備えている。なお、気泡の直径は、例えば、粒子軌跡解析法(PTA法)、レーザ回折・散乱法、動的光散乱法等に基づく粒度分布測定装置を利用して測定することができる。
一方で、被処理空気が液相領域A1に送られると、次亜塩素酸水Wは気泡Bによって懸濁され、その作用によって一部が気化または霧化されて気相領域A2を浮遊する。このとき、次亜塩素酸水W中の次亜塩素酸は分解が促進されて、塩素ガス(Cl2)を発生する。次亜塩素酸の分解は、次亜塩素酸水WのpHが低いほど顕著となる。その結果、気相領域A2には、大気(空気)の他に、気化または霧化された次亜塩素酸や、塩素ガスが含まれる。このことによって、気相領域A2は、高い殺菌作用を有する次亜塩素酸や塩素ガスを含む殺菌雰囲気となる。このような気相領域A2に、気泡Bが開裂してなる被処理空気が晒されることで、被処理空気に含まれる微生物は殺菌され得る。このように、被処理空気は気相領域A2においても殺菌処理が施され、殺菌処理が行われた処理空気となる。
塩素除去部30は、通気管31と、この通気管31の内部に充填された吸着剤32と、を備える。通気管31は、タンク10内で処理された処理空気をタンク10外に排出するための流路であり、また、本実施形態の通気管31は、吸着剤32を保持する担体としての役目を果たす要素である。通気管31としては、次亜塩素酸雰囲気に対する耐食性を有する材料(例えば、ポリエチレンや塩化ビニル等の合成樹脂)によって構成された筒状体を特に制限なく用いることができる。通気管31は、一端(上流側の端部)がタンク10の内部に配され、他端(下流側の端部)がタンク10の外部に配されている。本実施形態の通気管31は、他端が筐体60の上方のスペースに配されている。吸着剤32は、通気管31内を通過する処理空気等の気体から、殺菌に用いた気化または霧化された次亜塩素酸や塩素ガスを吸着し、除去する要素である。吸着剤32としては、次亜塩素酸や塩素ガスに対する吸着性能を有するものであれば特に制限されず、例えば、粒状の活性炭やゼオライト等を用いることができる。吸着剤32は、例えば粒状ないしは多孔質状のものが、気体流路としての適切な空隙を内部に備えた状態で、通気管31内に充填されて保持される。このような構成によって、タンク10の内部から外部に排出される気体(処理空気)に含まれる、次亜塩素酸や塩素ガス等の含有量を低減することができる。
フィルタユニット40は、エアポンプ22の気体取入口22Aと対向する位置において、筐体60に取付けられている。具体的には、フィルタユニット40は、上下に区画されている筐体60の上方の側面(ここでは背面)であって、エアポンプ22に取り込まれる気流の上流にあたる右側において、筐体60に取付けられている。フィルタユニット40は、エアフィルタ部41と、二酸化チタン層42とを備えている。エアフィルタ部41は、エアポンプ22が取り込む前の非処理空気中に含まれる埃や塵等の粒子状物質を補足する要素である。エアフィルタ部41のフィルタ性能は特に制限されず、例えば、JIS Z8122:2000において規定される、粗じん用エアフィルタ、中性能エアフィルタ、HEPAフィルタ、およびULPAフィルタなどであってよい。エアフィルタ部41は、これらのフィルタのうち、いずれか1種または2種以上の組み合わせであってよい。本実施形態におけるエアフィルタ部41は、主として粒径が5μmより小さい粒子に対して中程度の粒子捕集効率を持つ中性能エアフィルタであり、典型的には、50m/分以上(例えば70m/分)の大風量での粒子の捕集を可能とする。二酸化チタン層42は、エアフィルタ部41の粒子捕捉表面(換言すれば、筐体60の外側に配される面)に備えられ、微細な二酸化チタン粒子が概ね層状に配されることで構成されている。二酸化チタンは、その光触媒作用に基づいて菌やウィルス等の微生物を殺菌する作用を有することが確認されており、二酸化チタン層42は、エアフィルタ部41を通過する気体に含まれる菌やウィルス等の微生物を殺菌することができる。また、二酸化チタンは、超親水性(濡れ性)表面を形成し得ることが知られている。したがって、二酸化チタン層42の表面に二酸化チタン層42を設けることで、エアフィルタ部41の表面を菌やウィルス等の微生物で濡らす(付着させる)ことができ、微生物の補足作用を高めることができる。二酸化チタン層42を構成する二酸化チタンは、アナターゼ型およびルチル型のいずれの結晶構造を備えていてもよく、例えば光触媒活性の高いアナターゼ型の二酸化チタンであることがより好ましい。また、二酸化チタンは、TiOで表される平均組成を有するものであってもよいし、例えば、銅系化合物で修飾した酸化チタン(銅系化合物修飾酸化チタン)や、鉄系化合物で修飾した酸化チタン(鉄系化合物修飾酸化チタン)等であってもよい。なかでも、銅系化合物修飾酸化チタンは、菌やウィルスを殺菌(不活性化)する能力が高く、光照射のない環境においても殺菌作用を発現し得る点において好ましい。
送風機50は、塩素除去部30の通気管31の他端の近傍に設置され、通気管31を通過した処理空気を筐体60の外部に送るための要素である。本実施形態において、送風機50は、筐体60の上方のスペースであって、左側寄りの位置において、仕切り板の上に載置されている。つまり、送風機50とエアポンプ22とは、左右に並んで配置されている。この送風機50は、通気管31よりも後方において、後方から前方に向けて送気する姿勢で配置されている。そして、筐体60の前面の左側の部分は、面格子状とされている。これにより、送風機50を駆動することで、通気管31から排出された処理空気が、後方からの気流に乗って、筐体60の前面から前方に向けて送り出されることとなる。送風機50における送風機構は特に制限されず、空気清浄装置1が設置される空間の形状や広さ、物品の配置等に応じて、適宜選択することができる。送風機50としては、例えば、シロッコファン、リミットロードファン、ターボファン等の遠心式送風機、プロペラファン等の軸流式送風機、クロスフローファン等の斜流式送風機または横流式送風機等であってよい。本実施形態における送風機50は、高い流速で遠くにまで空気を送ることができる、プロペラファンを備える軸流式送風機である。このような構成によると、例えば処理空気を密閉または半密閉空間の遠くにまで送り対流させることができ、広い空間であっても効率的に被処理空気の殺菌を実施することができる。
以上の構成の空気清浄装置1は、次亜塩素酸水Wを収容するタンク10(容器の一例)と、被処理空気を取り入れて、タンク10内の次亜塩素酸水W中に被処理空気を気泡Bの状態で供給する気泡発生部20と、を備えている。またタンク10は、収容する次亜塩素酸水Wの体積よりも大きい容積を有し、次亜塩素酸水Wの中で気泡Bを発生させることによって、収容する次亜塩素酸水の上方に気体状の次亜塩素酸を含む殺菌雰囲気を形成する構成を備えている。このような構成によると、被処理空気は次亜塩素酸水W中に気泡Bとして供給されるため、被処理空気と次亜塩素酸との接触効率が高度に高められる。加えて、次亜塩素酸水W中に気泡Bが生成されることにより、タンク10内には殺菌作用を有する次亜塩素酸や塩素ガスを含む雰囲気(殺菌雰囲気)が形成される。このことにより、被処理空気に含まれる細菌やウィルス等の微生物は、まずは、液体状の次亜塩素酸と気液接触することができ、次いで、気体状の次亜塩素酸(および塩素)と気気接触することができる。その結果、被処理空気に含まれる微生物をより確実に殺菌することができる。また、このことにより、単位時間当たりの被処理空気の殺菌処理量を増大させることができ、例えば従来よりも短時間でより多量の空気を殺菌処理することができる。
上記構成の空気清浄装置1は、被処理空気を取り入れて、被処理空気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタユニット40(フィルタ部の一例)を備え、フィルタユニット40は、光触媒活性を有する二酸化チタンを含んでいる。このような構成によると、フィルタユニット40において、被処理空気に含まれるウィルスや細菌等の微生物を効率よく捕集(吸着)して、殺菌することができる。これにより、被処理空気の殺菌効果がさらに高められる。
≪実施形態2≫
実施形態2に係る空気清浄装置101について、図5および図6を参照しつつ説明する。空気清浄装置101は、農業用ハウス102(図6)等の内部に設置され、ハウス内の空気を清浄化する用途の空気清浄装置である。農作物等の病害の約8割は、糸状菌と呼ばれる、いわゆる「かび」が原因であるといわれており、この糸状菌は、主に胞子が空気中を伝播することで増殖する。本実施形態の空気清浄装置101は、ハウス内の農作物等が病害に侵されたときには、病害菌を含む空気を取り込んで殺菌・清浄化することができる。この空気清浄装置101は、気泡発生部120の構成が異なる点において、上記実施形態1と異なる。その他の構成については上記実施形態1と同様であり、同様の構成、作用および効果についての説明は省略する。
より詳細には、気泡発生部120は、実施形態1と同様の第1散気部121およびエアポンプ122と、第1散気部121およびエアポンプ122を連通する第1接続部材123と、を備えている。第1接続部材123には、第1散気部121とエアポンプ122との間において弁体123Bを介して分岐する分岐管123Aが備えられており、分岐管123Aの末端部は、タンク10内の気相領域A2に配されている。このような構成において、弁体123Bが閉状態のときはエアポンプ122を駆動しても分岐管123Aに気体(エアポンプ122の周辺の空気)が送られることはなく、上記実施形態1の気泡発生部20と同様に動作する。そして、例えば、弁体123Bを閉状態から開状態へと切り替えることで、エアポンプ122が送る被処理空気の一部(または全部)がエアポンプ122から分岐管123Aを通じてタンク10内の気相領域A2に送気される。これにより、気相領域A2に貯留されていた気体状の次亜塩素酸や塩素ガス等を含む空気(殺菌雰囲気であり得る)によって被処理空気を殺菌するとともに、液相領域A1から気相領域A2に放出される被処理空気を気相領域A2の殺菌雰囲気中によく撹拌させることができ、気相領域A2における殺菌作用を高めることができる。加えて、気相領域A2において処理された処理空気をタンク10の外部に効率よく送ることができる。
また、気泡発生部120は、付加的に、第2散気部124と、圧力ポンプ125と、これらの第2散気部124および圧力ポンプ125を接続する第2接続部材126と、噴霧ノズル127と、を備えている。第2散気部124は、ウルトラファインバブル発生装置によって構成されている。本実施形態の第2散気部124は、加圧溶解析出式またはベンチュリー式のウルトラファインバブル発生装置(例えば、株式会社芝田製、ウルトラファインバブル発生エンジン、U10N)であり、大まかには内部流路を備える筒状をなすとともに、この内部流路が急激に絞られたのちに急激に拡幅されていることにより、この流路に流入される液体の溶存ガス成分をウルトラファインバブルとして発生できるようになっている。本実施形態の第2散気部124は、例えば1pas程度の水圧の水道水を通水することで、中心径が約100nmのウルトラファインバブルを1mLあたり1億個以上の割合で発生させることができるものである。ウルトラファインバブルは、圧壊時に発生する臨界場の作用によって、ヒドロキシラジカル(OH・)や塩素ラジカル(Cl・)等のラジカル種を発生させる。これらのラジカル種は、強力な殺菌作用を呈するため、次亜塩素酸水Wに高い殺菌力を付与することができる。この第2散気部124は、内部流路に液体を流入させる流入口124Aと、内部流路から液体を排出する流出口124Bと、を備えている。圧力ポンプ125は、第2散気部124に次亜塩素酸水Wを高圧(例えば、1MPa以上)で送るための液送ポンプであり、液体を取り入れる吸液口125Bと、取り入れた液体をより高い圧力で排出する送液口125Aと、を備えている。第2接続部材126は、圧力ポンプ125の送液口125Aと第2散気部124の流入口124Aとを接続する接続管126Aと、タンク10内の液相領域A1と圧力ポンプ125の吸液口125Bとを連通する液回収管126Bと、接続管126Aの途中において弁体126Cを介して接続される分岐管126Dと、を備えている。分岐管126Dの末端には噴霧ノズル127が装着されており、この噴霧ノズル127は、タンク10内の気相領域A2の上方に配されている。
このような構成において、弁体126Cは、通常時は接続管126Aと分岐管126Dとを遮断している。この状態で圧力ポンプ125を駆動すると、タンク10内の次亜塩素酸水Wを第2散気部124により高い水圧で通水することができ、例えば、生成されるウルトラファインバブルの発生濃度および流量を、上記に例示した値よりも増大させることができる。その結果、次亜塩素酸水W中に発生するラジカル種の量も増大され、次亜塩素酸水Wの殺菌力をより一層高めることができる。延いては、第1散気部121を通じて次亜塩素酸水W中に生成される被処理空気をより確実に殺菌することができる。また、弁体126Cは、接続管126Aと分岐管126Dとを連通するように流路を切り替えることができる。この状態で圧力ポンプ125を駆動すると、接続管126Aを流れる次亜塩素酸水Wの一部または全部を分岐管126Dに送ることができるとともに、その次亜塩素酸水Wを噴霧ノズル127によって気相領域A2に噴霧することができる。この次亜塩素酸水Wは、次亜塩素酸に加えてラジカル種を含んでいることから、気相領域A2においてもなお被処理空気が細菌やウィルス等の微生物を含む場合、その被処理空気に対して更なる殺菌処理を施すことができる。
以上のようにして処理された処理空気は、塩素除去部30を通じて塩素成分等が取り除かれた状態で筐体60の上方のスペースに放出され、送風機50によって、空気清浄装置101の前方に向けて遠くまで送られる。これにより、空気清浄装置101は、通常時にはハウス内の被処理空気を取り込んで殺菌処理することに加え、作物が病害に侵されている場合は病害菌等を被処理空気とともに取り込んで殺菌処理し、清浄化された処理空気をハウス内の空間に放出(戻す)することができる。なお、これまでの農業における病害等の防除手法は、化学農薬を利用した種子消毒、土壌消毒、地上部薬剤散布等に代表される化学的防除が主であった。これに対し、ここに開示される空気清浄装置101を利用すると、例えば人手を多く要することなく、農業用ハウス内の空気を清浄にするとともに、病害を防除・予防することができる。なお、農業用ハウス等の広い空間(例えば天井の高い)の空気を洗浄する場合、空気の清浄化効率等を勘案して、例えば、容量300Lの液体貯槽用タンクを備える空気清浄装置101を、凡そ100~500坪(例えば、300坪)あたりに1台程度設置することが例示される。これにより、広い空間の空気を、過度に大きな送風機を要することなく効率よく清浄化することができる。
≪実施形態3≫
実施形態3に係る空気清浄装置201について、図7を参照しつつ説明する。空気清浄装置201は、気泡発生部220の構成が異なる点において、上記実施形態1または2と異なる。その他の構成については上記実施形態1または2と同様であってよく、同様の構成、作用および効果についての説明は省略する。
すなわち、気泡発生部220は、散気部221と、エアポンプ222と、散気部221およびエアポンプ222を連通する第1接続部材223と、圧力ポンプ224と、散気部221および圧力ポンプ224を連通する第2接続部材225と、噴霧ノズル226と、を備えている。本実施形態の散気部221は、ガス吸入機構付きのウルトラファインバブル発生装置によって構成されている。具体的には、散気部221は、加圧溶解析出式またはベンチュリー式のウルトラファインバブル発生装置(例えば、株式会社芝田製、ウルトラファインバブル発生エンジン、U20H)であり、大まかには直線状の内部流路と、この内部流路に気体を導入するためのエア導入路と、を備える略T字の筒状をなしている。散気部221には、内部流路に液体を流入させる流入口221Aと、内部流路からウルトラファインバブルを含む液体を排出する流出口221Bと、エア導入路に気体を導入する導入口221Cと、が備えられている。エア導入路は内部流路の流入口221Aの近傍に接続されており、内部流路はこの接続部よりも下流側において急激に絞られたのちに、急激に拡幅される構成を備えている。第1接続部材223は、エアポンプ222と散気部221の導入口221Cとを接続する接続管223Aと、接続管223Aに介装された弁体223Bと、弁体223Bを介して接続管223Aに接続される分岐管223Cと、を備えている。分岐管223Cの末端は、タンク10内の気相領域A2に配されている。第2接続部材225は、圧力ポンプ224の送液口224Aと散気部221の流入口221Aとを接続する接続管225Aと、タンク10内の液相領域A1と圧力ポンプ224の吸液口224Bとを連通する液回収管225Bと、接続管225Aの途中において弁体225Cを介して接続される分岐管225Dと、を備えている。分岐管225Dの末端には噴霧ノズル226が装着されており、この噴霧ノズル226は、タンク10内の気相領域A2の上方に配されている。
このような構成において、弁体223B,225Cを閉状態とし、エアポンプ122および圧力ポンプ224を駆動させると、エアポンプ122の周辺の被処理空気とタンク10内の次亜塩素酸水Wとが散気部221に送られる。このとき、エアポンプ122は、圧力ポンプ224が送る次亜塩素酸水Wの水圧と同じかそれよりも高い圧力で被処理空気を散気部221に送る。これにより、内部流路内において次亜塩素酸水Wと被処理空気とを混合するとともに、縮幅部分でこれらを一体化し、その後、拡幅部分における急激な減圧作用によって次亜塩素酸水W中の溶存ガス成分ならびに被処理空気をウルトラファインバブルとして次亜塩素酸水W中に発生させることができる。被処理空気はウルトラファインバブルとして次亜塩素酸水W中に生成されるため、被処理空気と次亜塩素酸水Wの界面が大幅に拡大されて、接触効率が向上される。また、次亜塩素酸水W中には、マイクロバブルの圧壊によりラジカル種が含まれていることから、次亜塩素酸水Wの殺菌作用はより高められている。これにより、上記実施形態1および2の場合と比較して、次亜塩素酸水Wによる被処理空気の殺菌処理効率をより一層高めることができる。
なお、例えば、弁体223Bを閉状態から開状態へと切り替えることで、エアポンプ222が送る空気の一部または全部がエアポンプ222から分岐管223Cを通じてタンク10内の気相領域A2に送気される。これにより、上記実施形態2におけるのと同様の効果を得ることができる。また、例えば、弁体225Cを閉状態から開状態へと切り替えることで、実施形態2におけるのと同様に、霧状の次亜塩素酸水Wの一部(または全部)を噴霧ノズル226によって気相領域A2に噴霧することができ、気相領域A2においても被処理空気に対し、霧状の次亜塩素酸水Wによる殺菌処理を施すことができる。
≪実施形態4≫
実施形態4に係る空気清浄装置301について、図8を参照しつつ説明する。空気清浄装置301は、塩素除去部330として、HEPAフィルタ部331および活性炭フィルタ部332を備え、各要素が縦長の略直方体形状をなす箱状の筐体360内に収容されている点において、上記実施形態1~3と異なる。また、その他の構成については上記実施形態1~3と同様であってよく、同様の構成、作用および効果についての説明は省略する。なお、図8における矢印は空気の流れを示し、矢印の軸線が太線→細線→一点鎖線と変化するにつれて空気が清浄化される様子を模式的に示している。
より詳細には、空気清浄装置301は、タンク10と、気泡発生部20と、塩素除去部330と、フィルタユニット40と、送風機50と、を備えている。筐体360は、タンク10を収容できる程度の設置面積を有し、左右方向および前後方向の寸法に比して、高さ(上下)方向の寸法が十分大きくなるように構成されている。筐体360は、上下方向の中央付近に送風機50を支持することができる構成となっており、この送風機50よりも下方のスペースに、タンク10と気泡発生部20(エアポンプ22を含む)とが収容され、この送風機50よりも上方のスペースに、塩素除去部330が設置されている。タンク10および気泡発生部20が収容される筐体360の下後方には、被処理空気をエアポンプ22に取り入れるための通気孔が設けられている。そして本実施形態におけるタンク10は、送風機50の側である上方が開口されている。また、筐体360の中央付近の前方および後方の側面であって、送風機50に対向する位置には、送風機50に取り入れる空気を通過させるためのフィルタユニット40がそれぞれ取り付けられている。そして本実施形態における送風機50は、シロッコファンであり、筐体360の前方および後方から取り入れた空気を上方に向けて送る姿勢で筐体360内に配置されている。また、塩素除去部330は、HEPAフィルタ部231と、活性炭フィルタ部232とを備えている。送風機50の上方には、下側から順に、HEPAフィルタ部231と、活性炭フィルタ部232とが、フィルタ面が水平方向に沿う姿勢で、かつ、フィルタと筐体360の側壁との間に隙間が形成されないように、取り付けられている。筐体360の上面には、処理空気を放出するための排出孔が設けられている。
このような構成の空気清浄装置301において、エアポンプ22と送風機50とを駆動させると、前方および後方のフィルタユニット40および通気孔からそれぞれ、筐体360の内部に、被処理空気が取り込まれる。エアポンプ22によって取り込まれた被処理空気は、散気部21に送られるとともに、次亜塩素酸水W中に気泡として放出される。これにより、被処理空気の殺菌処理が行われる。処理空気は、タンク10の上方に設けられた開口を通じて上方のスペースに送られる。上方のスペースに送られた空気は、送風機50によって形成される気流に乗って、さらに上方のHEPAフィルタ部231と、活性炭フィルタ部232とに送られる。一方で、送風機50によって取り込まれた被処理空気は、フィルタユニット40を通過して筐体360に侵入する。フィルタユニット40は、二酸化チタン層42を備えており、その光触媒作用に基づいて菌やウィルス等の微生物を殺菌することができる。二酸化チタン層42による殺菌作用は、例えば、太陽光や紫外線等が照射される環境下において発揮され易い。これにより、被処理空気に含まれる菌やウィルス等の微生物の一部(または全部)が殺菌され得る。
フィルタユニット40を通過した被処理空気は、送風機50によってさらに上方のHEPAフィルタ部231と、活性炭フィルタ部232とに送られる。HEPAフィルタ部231は、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有するものであり、被処理空気を通過させることによって、殺菌に利用した次亜塩素酸およびその分解成分である塩素を除去することができる。また、HEPAフィルタ部231は、約0.1μmの大きさのウィルスを一部補足し得る。一方で、活性炭は、次亜塩素酸および塩素に対する吸着特性を有し、比較的安価であることから、活性炭フィルタ部232は塩素除去部として好ましく用いることができる。このように被処理空気がHEPAフィルタ部231および活性炭フィルタ部232を通過することで、殺菌に利用した次亜塩素酸およびその分解成分である塩素成分が除去され、殺菌成分を除去した安全な状態の処理空気を空間に戻すことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1において、散気部21は、平均直径が1mm以下程度の気泡Bを発生することができる多孔質体21Aであった。しかしながら、散気部21としての多孔質体の構成は上記実施形態に限定されず、例えば、ファインバブルやウルトラファインバブルを発生できるものであってよい。このような多孔質体の構成は具体的には限定されないが、細孔径分布、細孔体積、および細孔形状等が制御された多孔質セラミックからなる多孔質体(例えば、ノリタケカンパニーリミテド製、ファインバブル発生器)等が好適例として挙げられる。ファインバブル(ウルトラファインバブルを含む。以下同様。)は、気泡の体積が微小であるため、被処理空気の気泡をファインバブルとすることで、被処理空気と次亜塩素酸水Wとの気液界面が拡大されるとともに、気泡の次亜塩素酸水W中での上昇速度が遅延されて、被処理空気の気泡を次亜塩素酸水W中に相対的に長い時間滞留させることができる。このことにより、被処理空気中に含まれる微生物と次亜塩素酸水Wとの接触の機会が大幅に増大され、その結果、次亜塩素酸水Wによる微生物の殺菌作用が高度に高められる。また、ウルトラファインバブルは、圧壊時に発生する臨界場の作用によって、ヒドロキシラジカル(OH・)や塩素ラジカル(Cl・)等のラジカル種を発生する。これらのラジカル種は、強力な殺菌作用を呈するため、気相領域A2の殺菌雰囲気をより殺菌力の高いものとすることができる。これにより、被処理空気と次亜塩素酸水との接触効率がより一層高められるとともに、殺菌性能がさらに向上された空気清浄装置が提供される。
(2)上記実施形態以外にも、散気部21の構成は適宜変更可能である。上記実施形態において、散気部21は、多孔質体21Aによって構成されていたが、これに限られない。例えば、散気部21は、微細な開口を有する弾性材料からなる濾過膜(例えば、散気ゴム膜)や、複数の中空糸が束ねられた中空糸膜等であってよい。すなわち、微細な開口を有する隔離膜を備えるものであればよい。また、散気部は、上記のような様々な種類および構成のもののなかから、いずれか1つを単独で、あるいは、2つ以上を組み合わせて用いることができる。
(3)上記実施形態では、タンク10を本体部11と蓋部12とに分離可能に構成し、本体部11と蓋部12との間において接続部材23および通気管31を装着する構成であった。しかしながら、タンク10への接続部材23および通気管31の装着態様は上記実施形態に限定されず、適宜変更可能である。例えば、タンク10は、接続部材23や通気管31を挿通することができる挿通孔を備え、接続部材23や通気管31を挿抜自在に固定できる構成を備えていてもよい。また、タンク10は、内外方向において貫通する貫通孔と、この貫通孔の周縁に備えられた固定部材(例えば締結部材)とを備え、接続部材23や通気管31をタンクの内部と連通する形で固定できる構成を備えていてもよい。
(4)上記実施形態で以外にも、フィルタユニット40の構成は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、塩素除去部としてHEPAフィルタを用いていたが、HEPAフィルタはフィルタ部としても機能させることもできる。また、フィルタ部または塩素除去部として、JIS Z8122:2000にて、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタとして規定される、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタを用いてもよい。
(5)上記実施形態において、次亜塩素酸水Wは、別途用意したものをタンク10に供給して用いるようにしていた。しかしながら、空気清浄装置は、塩素を含む水を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部を備えていてもよい。上記構成によると、任意のタイミングで次亜塩素酸水を作成して殺菌に用意することができる。これにより、被処理空気の処理によって次亜塩素酸水の殺菌作用の低下の程度に応じて、殺菌作用の高い新しい次亜塩素酸水を使用することができ、高い殺菌効果を安定して維持することができる。次亜塩素酸水生成部は、例えば、タンク10を、有隔膜と、電圧印加部と、を備えた有隔膜電解槽とすることで構成することができる。また、タンク10を、電圧印加部を備えた無隔膜電解槽とすることでも構成することができる。次亜塩素酸水生成部の具体的な構成については、例えば、2018年11月6日に出願された日本国特許出願第2018-208805号の明細書および2018年10月9日に出願された日本国特許出願第2018-190720号の明細書等に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
1,101,201…空気清浄装置、10…タンク(容器)、20,120…気泡発生部、30,230…塩素除去部、40…フィルタユニット、41…エアフィルタ部、42…二酸化チタン層、50…送風機、60,260…筐体、231…HEPAフィルタ部、232…活性炭フィルタ部

Claims (6)

  1. 次亜塩素酸水を収容する容器と、
    被処理空気を取り入れて、前記容器内の前記次亜塩素酸水中に前記被処理空気を気泡の状態で供給する気泡発生部と、
    を備え、
    前記容器は、収容する前記次亜塩素酸水の体積よりも大きい容積を有し、前記次亜塩素酸水の中で前記気泡を発生させることによって、収容する前記次亜塩素酸水の上方に気体状の次亜塩素酸を含む殺菌雰囲気を形成する構成を備えている、空気清浄装置。
  2. 前記気泡発生部は、前記被処理空気を直径100μm未満のファインバブルとして発生することができる構成を備えている、請求項1に記載の空気清浄装置。
  3. 前記気泡発生部は、前記被処理空気を直径1μm未満のウルトラファインバブルとして発生することができる構成を備えている、請求項1または2に記載の空気清浄装置。
  4. 前記被処理空気を取り入れて、前記被処理空気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタ部を備え、
    前記フィルタ部は、光触媒活性を有する二酸化チタンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
  5. 前記次亜塩素酸水中に供給された前記被処理空気を通過させることで次亜塩素酸および塩素成分を除去する塩素除去部を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
  6. 塩素を含む水を電気分解することで前記次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
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WO2024048215A1 (ja) * 2022-08-30 2024-03-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 空間浄化装置
WO2024161816A1 (ja) * 2023-01-31 2024-08-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 空間浄化装置

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