JP4471742B2 - 空気調和機および電解水噴霧装置 - Google Patents
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Description
この特許文献2に開示されているような空気清浄機では、殺菌作用や脱臭作用を有する液体を貯水部に収容して、その液体を用いて生成したミストを機外に排出することによって、空気を殺菌したり脱臭したりすることができる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、専用の液体を用意することなく、殺菌機能や脱臭機能を達成することができる空気調和機および電解水噴霧装置を提供することを目的とする。
この構成によれば、電極への通電を行って貯水部に貯められた水(たとえば、水道水)を電気分解することにより、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。この生成された電解水に対して泡発生機構により泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。このようにして発生された殺菌作用や脱臭作用を有するミストをミスト供給手段によって機外へと供給すれば、専用の液体を用意することなく、水道水などの水を用いて、殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。
また、フィルタを通過することによって塵埃などが除去された空気を用いて泡を発生させるので、空気に含まれる塵埃などが泡発生機構に入り込んで目詰まりなどの弊害が生じるのを防止できる。
この構成によれば、水道水を貯水部に貯めることにより、塩素を含む水道水を電気分解して、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸を生成することができる。この次亜塩素酸を含む電解水を用いてミストを発生させれば、水道水を用いて殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。
この構成によれば、泡発生機構によって発生される泡が電極に接触することによって電気分解の性能が低下するのを防止することができる。したがって、より良好に電気分解を行って電解水を生成し、その電解水を用いてミストを発生させることができるので、殺菌効果や脱臭効果を向上できる。
この構成によれば、泡発生機構によって発生される泡が電極側に向かうのを規制部で規制することができるので、泡が電極に接触することによって電気分解の性能が低下するのを防止することができる。したがって、より良好に電気分解を行って電解水を生成し、その電解水を用いてミストを発生させることができるので、殺菌効果や脱臭効果を向上できる。
請求項6記載の発明は、上記挿入部材(17;50)には、上記挿入部材が上記貯水部(15)内に取り付けられた状態で、上記貯水部内の水を上記泡発生室(18)内に出入させることができるとともに、上記挿入部材を上記貯水部内から取り外したときに、上記泡発生室内の水を排出することができる泡発生室通水孔(17C)と、上記挿入部材が上記貯水部内に取り付けられた状態で、上記貯水部内の水を上記電解室(19)内に出入させることができるとともに、上記挿入部材を上記貯水部内から取り外したときに、上記電解室内の水を排出することができる電解室通水孔(17A)とが形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機(1)である。
この構成によれば、泡発生機構によって発生された泡は、泡発生室通水孔よりも泡放出口からの方が、上記貯水部に貯められた水中へと放出されやすい。したがって、泡発生機構によって発生された泡の全部または大部分が泡放出口から放出されることとなるので、より良好にミストを発生させることができる。
この構成によれば、(泡発生室通水孔と比較して)比較的大きな電解室通水孔を介して、貯水部内の水を電解室内に出入させることができるので、電解室に対する水の循環がよく、電気分解の効率がよい。
この構成によれば、着脱部を取り外すことにより、電解室を開放して、電解室内のメンテナンス(たとえば、電極に付着した水に含まれるミネラル分(いわゆるスケール)の除去など)を行うことができる。
この構成によれば、着脱部を取り外すことにより、電極の周囲を広く解放し、電極を電解室に対して容易に着脱することができるので、メンテナンスをより容易に行うことができる。
請求項12記載の発明は、上記貯水部(15)内における上記透明部と上記対向面(18A)との間に光を照射する発光部(33)を含み、上記発光部は、当該発光部から照射される光が上記泡発生室(18)に干渉しない位置に配置されていることを特徴とする請求項11記載の空気調和機(1)である。
請求項13記載の発明は、上記電極(72)よりも上方に配置され、上記泡発生機構(65,67)によって発生された泡が上記貯水部(61)に貯められた水中へと放出される複数の泡放出口(68)が形成された泡発生室(65)を含み、上記泡発生室の上記電極に対向する位置には、上記電極側から上記泡発生室側へと向かう上記貯水部内の水を、上記泡発生室を回避して上方へと導くための誘導部(74)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和機(1)である。
請求項15記載の発明は、上記ミスト供給手段(14,25,28,30;14,69,70,71)は、発生したミストが機外へと供給される前に通過する緩衝室(28;70)を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の空気調和機(1)である。
また、貯水部が緩衝室を介して機外に連通するような構成とすることにより、貯水部内で泡が弾ける際に生じる音を機外に漏れにくくすることができるので、消音効果を向上できる。
請求項16記載の発明は、上記貯水部(15)は、上記空気調和機(1)に対して着脱可能であり、上記貯水部が上記空気調和機に対して着脱されることにより、上記電極(35)および上記泡発生機構(18,20)が上記空気調和機に対して着脱されるようになっていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の空気調和機である。
特に、貯水部を空気調和機に対して着脱することによって、同時に、電極および泡発生機構を空気調和機に対して着脱することができるので、貯水部に水を入れる際の作業が容易になる。
この構成によれば、電極の空気調和機に対する接続部と、泡発生機構の空気調和機に対する接続部とが貯水部の上方側に配置されているので、貯水部内の水が泡発生機構を介して逆流するのを防止できるとともに、電極の端子部に貯水部内の水がかかって通電不良が生じたりするのを防止できる。
図1は、この発明の一実施形態に係る空気清浄機1の外観構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す矢印A−Aに沿って見た概略断面図であり、図3は、図1に示す矢印B−Bに沿って見た概略断面図である。図1における右奥側を後方、左手前側を前方として説明する。
他方(たとえば、左側)の筒部10内の上端部には、ミストを発生するためのミスト発生装置12が配置されている。ハウジング2内の下部には、ハウジング2内の空気(フィルタ6を通過した後の空気)を吸い込むためのエアポンプ13が配置されていて、ミスト発生装置12は、このエアポンプ13から吸い込んだ空気を用いてミストを発生させることができるようになっている。ミスト発生装置12から発生したミストは、左側の筒部10の上端面に形成された噴霧口14から上方に向かって機外に供給される。エアポンプ13は、その吸込口が、ファン4の径方向の延長線上(ファン4によって放出される空気の流路内)に位置していることが好ましい。
図4〜図7を参照して、ミスト発生装置12には、上端面に開口を有し、規定量(たとえば、160cc程度)の水を貯めることができる貯水タンク15と、この貯水タンク15の上端面の開口を塞ぐための蓋16とが備えられている。蓋16の下面には、複数の通水孔17A,17B,17Cが形成された樹脂製で中空状の挿入部材17が取り付けられている。貯水タンク15内に水を貯めた状態で、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16を貯水タンク15の上端部に被せれば、挿入部材17が貯水タンク15内の水に浸かって、貯水タンク15内の水が通水孔17A,17B,17Cを通って挿入部材17内に流入するようになっている。挿入部材17内には、それぞれ上下方向に長く延びる泡発生室18と電解室19とが、前後に並ぶように区画形成されている。
蓋16の上方には、排出口25から排出されたミストを噴霧口14に導くための誘導部材26が配置されている。誘導部材26の内部は、左右に延びる区画板27によって第1区画室28と第2区画室29とに区画されていて、排出口25は第1区画室28の後部に臨んでいる。誘導部材26の上面の前端部には、噴霧口14に連通する連通口30が形成されている。蓋16の排出口25と、誘導部材26の連通口30とは、互いに水平方向にずれた位置(上下方向に重ならない位置)に配置されていて、これにより、第1区画室28が緩衝室として機能するようになっている。すなわち、排出口25から第1区画室28内に流入したミストは、排出口25の上方における誘導部材26(第1区画室28)の内壁面に当たって第1区画室28全体に拡がり、その後に連通口30を介して噴霧口14から機外に排出されるようになっている。
さらに、空気調和機1が転倒した場合のように、貯水タンク15が傾いて貯水タンク15内の水が排出口25から漏れ出したときに、その漏れ出した水を第1区画室28で受け止めて、すぐに機外に漏れ出すのを防止することができる。
このような構成によれば、貯水タンク15内に貯められた水中を上昇する泡を、透明カバー32および透明な貯水タンク15を介して機外から視認したときに、前面壁18Aの前面が背景となって、泡が視認しやすい。特に、前面壁18Aの前面の面積を透明カバー32の面積よりも大きくすることにより、泡をより視認しやすくすることができる。なお、挿入部材17(少なくとも前面壁18Aの前面における透明カバー32に対向する部分)が青系の色などに着色されていれば、泡がさらに視認しやすい。ただし、前面壁18Aの前面は、平面に限らず、たとえば曲面となっていてもよい。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O
2Cl-→Cl2+2e-
H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
(電極板間)
H++OH-→H2O
上記のような電気化学反応により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。この生成された電解水に対してエアポンプ13から空気供給路20を介して空気を送り込み、泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。このようにして発生された殺菌作用や脱臭作用を有するミストを噴霧口14から機外へと供給すれば、専用の液体を用意することなく、水道水を用いて殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。殺菌作用を有するミストを機外に供給することにより、アレルギーの抑制も期待できる。
さらに、噴霧口14が排気口9の比較的近傍に配置されているので、噴霧口14から機外へと供給されるミストを、排気口9から排出される空気に混入させることができる。したがって、殺菌作用や脱臭作用を有するミストが混入した空気が機外の比較的広範囲に広がることとなり、殺菌効果や脱臭効果をより向上できる。
貯水タンク15内に水を補給した後、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16で貯水タンク15の開口を塞ぎ、さらに蓋16の上方に誘導部材26を配置して2つのフック41を回動させることにより、各フック41を誘導部材26に係合させて、貯水タンク15、蓋16および誘導部材26を一体的に連結することができる。その後、一体となったミスト発生装置12を右方向にスライドさせるようにしてハウジング2内に挿入することにより、3本のピン38を対応するジャック40に挿入させるとともに、空気供給路20の右端部をパッキン22に押し当て、ミスト発生装置12を空気清浄機1に装着することができる。
特に、貯水タンク15を空気清浄機1に対して着脱することによって、同時に、ピン38および空気供給路20を空気清浄機1に対して着脱することができるので、貯水タンク15に水を入れる際の作業が容易になる。
さらに、空気調和機1が転倒した場合のように、貯水タンク61が傾いて貯水タンク61内の水が排出口69から漏れ出したときに、その漏れ出した水を誘導部材70で受け止めて、すぐに機外に漏れ出すのを防止することができる。
この実施形態では、張出部66の前端面の左右方向中央部には、後方に向かって延びる凹部74が形成されており、これにより、張出部66は、平面視で略コ字状に形成されている。1対の電極板72は、凹部74の下方に位置している。すなわち、張出部66の電極板72に対向する位置に、凹部74が形成されている。1対の電極板72間で生成された電解水は、電極板72側から泡発生室65側へと上方に向かうこととなるが、このとき、電解水は、凹部74を通ることによって泡発生室65を回避して、上方へと導かれることとなる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
貯水タンク15,61内の水に泡を発生させるための空気は、エアポンプ13を用いて貯水タンク15,61側に導かれるような構成に限らず、たとえば、エアポンプ13を使用せずに、ファン4によって放出された空気の一部が貯水タンク15,61側に直接導かれるようになっていてもよい。
また、この発明を、空気調和機能を備えていない装置に適用することにより、電解水噴霧装置を提供することも可能である。
2 ハウジング
6 フィルタ
9 排気口
14 噴霧口
15 貯水タンク
17 挿入部材
17A,17C 通水孔
18 泡発生室
18A 前面壁
19 電解室
19C 前面壁
20 空気供給路
21 供給口
24 小孔
25 排出口
28 第1区画室
30 連通口
32 透明カバー
33 発光素子
35 電極板
40 ジャック
50 挿入部材
51 着脱部
61 貯水タンク
65 泡発生室
67 空気供給路
68 小孔
69 排出口
70 誘導部材
71 連通口
72 電極板
74 凹部
Claims (17)
- 機外の空気を取り込み、所定の処理を施して機外に排出することにより空気調和を行うための空気調和機であって、
上記空気調和機に取り込まれる空気を通過させることにより、その空気に含まれる塵埃を捕獲するフィルタと、
水を貯めることができる貯水部と、
上記貯水部に貯められた水を電気分解するための電極と、
上記貯水部に貯められた水に泡を発生させるための泡発生機構と、
上記泡発生機構によって発生された泡が上記貯水部に貯められた水の水面から大気中に解放される際に泡が弾けることによって発生したミストを機外へと供給するためのミスト供給手段とを含み、
上記泡発生機構は、上記フィルタを通過した後の空気を用いて泡を発生させるものであることを特徴とする空気調和機。 - 上記電極は、上記貯水部に貯められた水道水を電気分解して次亜塩素酸を生成することができることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 上記泡発生機構は、発生させる泡が上記電極に接触しないような位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
- 上記貯水部内には、上記泡発生機構によって発生される泡が上記電極側に向かうのを規制するための規制部が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
- 上記貯水部内に対して着脱可能な挿入部材を含み、該挿入部材には、上記電極を収容する電解室と、上記泡発生機構によって発生された泡が上記貯水部に貯められた水中へと放出される複数の泡放出口が形成された泡発生室とが区画形成されると共に、上記電解室を区画する区画壁の一部は、上記泡放出口から放出される泡が上記電極側に向かうのを規制するための前記規制部を形成していることを特徴とする請求項4記載の空気調和機。
- 上記挿入部材には、
上記挿入部材が上記貯水部内に取り付けられた状態で、上記貯水部内の水を上記泡発生室内に出入させることができるとともに、上記挿入部材を上記貯水部内から取り外したときに、上記泡発生室内の水を排出することができる泡発生室通水孔と、
上記挿入部材が上記貯水部内に取り付けられた状態で、上記貯水部内の水を上記電解室内に出入させることができるとともに、上記挿入部材を上記貯水部内から取り外したときに、上記電解室内の水を排出することができる電解室通水孔とが形成されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。 - 上記泡発生室通水孔は、複数形成されており、それらの面積が上記泡放出口の面積以下であり、それらの数が上記泡放出口の数よりも少ないことを特徴とする請求項6記載の空気調和機。
- 上記電解室通水孔は、その面積が上記泡発生室通水孔の面積よりも大きいことを特徴とする請求項6または7記載の空気調和機。
- 上記挿入部材の一部は、上記電解室を区画する着脱可能な着脱部を形成していることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の空気調和機。
- 上記着脱部は、上記電解室の少なくとも上記電極の周囲を区画するものであることを特徴とする請求項9記載の空気調和機。
- 上記空気調和機の外形を区画するハウジングを含み、
上記貯水部の少なくとも一部には透明部が形成されており、
上記ハウジングの上記透明部に対向する位置には、機外から上記透明部を介して上記貯水部内を視認するための窓が形成されていて、
上記挿入部材の上記窓に対向する位置には、上記窓の面積よりも大きい面積を有する対向面が備えられていることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の空気調和機。 - 上記貯水部内における上記透明部と上記対向面との間に光を照射する発光部を含み、
上記発光部は、当該発光部から照射される光が上記泡発生室に干渉しない位置に配置されていることを特徴とする請求項11記載の空気調和機。 - 上記電極よりも上方に配置され、上記泡発生機構によって発生された泡が上記貯水部に貯められた水中へと放出される複数の泡放出口が形成された泡発生室を含み、
上記泡発生室の上記電極に対向する位置には、上記電極側から上記泡発生室側へと向かう上記貯水部内の水を、上記泡発生室を回避して上方へと導くための誘導部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和機。 - 上記所定の処理が施された後の空気を機外に排出するための排気口を含み、
上記ミスト供給手段は、上記排気口の近傍からミストを機外へと供給するものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の空気調和機。 - 上記ミスト供給手段は、発生したミストが機外へと供給される前に通過する緩衝室を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の空気調和機。
- 上記貯水部は、上記空気調和機に対して着脱可能であり、
上記貯水部が上記空気調和機に対して着脱されることにより、上記電極および上記泡発生機構が上記空気調和機に対して着脱されるようになっていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の空気調和機。 - 上記電極の上記空気調和機に対する接続部と、上記泡発生機構の上記空気調和機に対する接続部とは、上記貯水部の上方側に互いに近接配置されていることを特徴とする請求項16記載の空気調和機。
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