JP2007037589A - 空気清浄機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気清浄機1内に、電解ミスト発生装置30を設ける。電解ミスト発生装置30は、水を溜めるためのトレー33と、トレー33の水を電気分解するための一対の電極板41と、トレー33の水を振動付与室46へ導き、超音波振動子50によってミストを発生させる構成と、発生したミストを充満させるドーム56およびミストを漂わせるミスト漂流室60を有している。ミスト漂流室60を漂うミストは、空気清浄機内で清浄化された空気を用いて、機外へと放散される。
【選択図】 図4
Description
しかしながら、特許文献1に開示されているような空気清浄機では、空気中に含まれる塵挨などは除去されるものの、空気を殺菌したり脱臭したりすることはできない。そこで、殺菌機能や脱臭機能を備えた空気清浄機も提案されている。(特許文献2参照)
特許文献2に開示されている空気清浄機は、殺菌作用や脱臭作用を有する液体を貯水部に収容し、その液体を用いて生成したミストを機外に排出することによって、空気を殺菌したり脱臭したりすることができる。
一方、昨今の高気密化住宅の普及等に伴い、空気清浄機は室内空気を清浄化するのに不可欠な装置として普及しつつある。かかる空気清浄機で清浄化された空気を有効活用し、清浄化された空気が殺菌作用や脱臭作用を有するようになれば、より良い空気清浄機とすることが可能である。つまり、空気清浄機で清浄化された空気が脱臭機能や除菌機能を具備するようになれば、より高品質な空気清浄機とすることができる。
この発明は、また、空気清浄機と電解水ミスト発生装置とを有機的に結合させて、空気清浄機から放出される清浄化された空気が、電解水のミストを含んだ空気になるように創作された新規な空気清浄機を提供することを他の目的とする。
請求項3記載の発明は、前記ミスト放散手段は、前記送風手段により送られる前記清浄化された空気の流れにより生じる負圧を利用して、発生したミストを放出させることを特徴とする、請求項1記載の空気清浄機である。
請求項5記載の発明は、前記ミスト確認手段は、略半球状に上方へ膨らみ、発生したミストが内部に充満するドームと、ドームの下方に形成され、ドーム内のミストを周囲へ漏れさせるための開口と、少なくとも正面側は透明部材で形成され、ドームの周囲を取り囲み、ドームから漏れてくるミストを漂わせるためのミスト漂流室と、を含むことを特徴とする、請求項4記載の空気清浄機である。
請求項7記載の発明は、前記ミスト確認手段を照明するためのライトが設けられていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の空気清浄機である。
請求項8記載の発明は、前記バイパス流路は、清浄化された空気の一部がミスト漂流室の上方から正面内側に沿って下方へ流れるように取入れる取入流路と、取り入れられた清浄化空気がミスト漂流室の下方から少なくともドーム周囲を通って前記放散口へと流れる放出流路と、を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の空気清浄機である。
請求項3記載の発明では、清浄化された空気が通過する空気流路を電解水ミスト発生装置と関連づけることによって、流路を通過する清浄化空気により生じる負圧を利用して、発生した電解水ミストを清浄化空気へ送り込むことができる。かかる構成は、清浄化された空気の流速が速い場合等に特に有効である。
請求項5記載の発明によれば、ドームおよびドームを取り囲むミスト漂流室が設けられているので、発生した電解水ミストは、まずドーム内に溜まり、ドーム下方の開口を通じてミスト漂流室へと漏れて漂う。それゆえ、ドームの周囲を電解水ミストが柔らかく漂っていることを使用者は目視することができ、電解水ミスト発生の状況を使用者に対して視覚的に良好な形で報知することができる。また、どむにより大きなミストは遮られ、微細なミストがドーム下方の開口より漂流室へ漂い、機外へ放出される。このことでミストはより遠くまで放散可能である。
請求項6記載の発明では、ドーム内に電解水ミストが充満すると、その電解水ミストによってドーム内壁が濡れて透明化するので、ドーム内の電解水ミストも目視できる。
請求項7記載の発明では、ライトによってミスト確認手段が照明されるので、電解水ミストがより確実にかつライトの光による演出効果を受けて目視可能になる。
請求項8記載の発明では、バイパス流路を流れる清浄化された空気は、ミスト漂流室およびドーム下方を漂う電解水ミストを取り込みながら通過するので、電解水ミストを効率良く機外へと放散させることができる。
たとえば、上段の送風手段の風力と、下段の送風手段の風力とに差がある場合、たとえば上段の風量<下段の風量のときには、上段の空気流と下段の空気流とがそれぞれ別々に流れるように仕切られていなければ、電解水ミストの放散に用いられる風量が少なくなって、電解水ミストが放散されない場合も考えられる。
以上のように、この発明によれば、電解水ミスト発生装置が空気清浄機内で有機的に結合され、清浄化された空気を用いて電解水ミストを効率良くかつ良好に機外へと放散させることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る空気清浄機1の縦断面図である。図1において、左側が空気清浄機1の正面(前)である。
空気清浄機1は、前後方向(図1において左右方向)に厚みが薄く、上下方向に長手のハウジング2を有している。ハウジング2の正面側には、ハウジング2の正面上部の表示・操作パネル領域3を除いた領域を覆う、着脱可能に取り付けられた正面パネル4が備えられている。正面パネル4の内側(図1において右側)には、フィルタ配置空間5が形成されていて、このフィルタ配置空間5内に、プレフィルタ6およびメインフィルタ7が、正面から奥側に向かって重なるように配置されている。プレフィルタ6は上下方向に長手の薄い網状フィルタで、空気中に含まれる比較的大きな塵挨を捕獲するためのものである。プレフィルタ6には前方に突出する突起8が備えられている。突起8は、プレフィルタ6を着脱する際につまむ操作部であるとともに、正面パネル4が後方に撓んでも、正面パネル4との間で隙間を確保するためのスペーサとしての機能を有している。
ハウジング2内の後方側に形成されたファン配置空間12は、上室121および下室122に区画されている。上室121には、中央壁11に取り付けられたモータ13と、モータ13により回転される遠心ファン16が備えられている。同様に、下室122には、中央壁11に取り付けられたモータ14と、モータ14により回転される遠心ファン17が備えられている。上方の遠心ファン16は、上メインフィルタ71を通過してきた空気をハウジング2上部の出口18から機外へ放出する。下方の遠心ファン17は下メインフィルタ72を通過してきた空気をハウジング2の左右両側(下室122の左右両側)に形成された図1には表われていない出口を介して機外へ放出する。
図2は、空気清浄機1の正面図であり、正面パネル4、プレフィルタ6およびメインフィルタ7が取り外された状態の図である。図2では、ファン配置空間12内に形成されている空気流を誘導するためのファンケーシング151、152が破線で示されている。
中央壁11の下方にも、モータ14および遠心ファン17(図1参照)により吸い込まれる空気を通過させるために、同様に、リブ25で区画された多数の小孔からなる空気通路26が全体としてドーナツ形状に形成されている。
また、下方の空気通路26を通って後方に入った空気は、遠心ファン17(図1参照)により、図2に白抜き矢印A4で示すように、ハウジング2の左右両側方へと放出される。
空気清浄機1の正面上部の表示・操作パネル領域3の左側には、窓77が形成されており、内部の電解ミスト発生装置30が発生する電解水ミストの状況を目視できるようになっている。
図3において、18はハウジング2の上面の後方左寄りに形成された出口であり、出口18の前方側内部に、電解ミスト発生装置30が収容されている。電解ミスト発生装置30は、正面側から見て、左側に配置された電解ミスト発生部31と、右側に配置された貯水タンク32とを含んでいる。電解ミスト発生部31の左側には電気接続部54が設けられている。
図4は、電解ミスト発生装置30を正面から見た断面図である。電解ミスト発生装置30は、装置下部を区画するトレー33と、トレー33内に収容されるようにトレー33と係合されるメインケース34と、メインケース34の左側上部を覆うカバー35と、メインケース34の右側上部に着脱可能に装着されている貯水タンク32とを有している。カバー35はメインケース34に固定されている。メインケース34とカバー35とにより、電解ミスト発生部31が構成されている。そしてメインケース34はトレー33と係合され、トレー33の右端に設けられたクランプ36により、トレー33とメインケース34とが固定されている。
電解ミスト発生部31には、図4において右方に電解室40が備えられている。電解室40内には、電極保持部材44によって保持された一対の電極板41が設けられている。また、電極保持部材44によって水位検知用電極45も保持されている。一対の電極板41および水位検知用電極45は、たとえば、チタンまたはルテニウム系材料に白金をコーティングし、その外側にイリジウムをコーティングすることにより形成されている。電解室40はその周囲に多数の通水孔42,43が形成されており、トレー33に溜まった水が自由に電解室40内に出入りする。そして電解室40内の水位39は、トレー33の水位39と等しい。電解室40内の一対の電極板41は水に浸っており、一対の電極板41にリード線43を介して電圧が印加されることにより、電解室40内の水は電気分解される。電気分解された水はトレー33内の水と混じり合い、トレー33内の水全体が電解水となる。
4H2 O−4e- →4H+ +O2 ↑+2H2 O
2Cl- →Cl2 +2e-
H2 O+Cl2 ⇔HClO+H+ +Cl-
(陰極側)
4H2 O+4e- →2H2 ↑+4OH-
(電極板間)
H+ +OH- →H2 O
上記のような電気化学反応により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。この生成された電解水からミストを生成することにより、殺菌作用や脱臭作用を有する電解ミストを発生することができる。
メインケース34の左端には、電気接続部54が形成されており、電気接続部54には下方に向かって突出する複数のピン55が備えられている。ピン55と一対の電極板41と接続されたリード線43、水位検知用電極45、および超音波振動子50のリード線53とは、図示しないが電気的に接続されており、一対の電極板41、水位検知用電極45および超音波振動子50には、ピン55を経由して電力が付与される。ピン55は、電解ミスト発生装置30が空気清浄機1にセットされたとき(図3参照)、空気清浄機1側に備えられたジャックと連結され、空気清浄機1から電力が供給される。
また、ドーム56の下方には、開口58が形成されていて、ドーム56内のミストが周囲へ漏れ出るようにされている。
ドーム56と透明ケース59とで区画される空間はミスト漂流室60となっている。ドーム56内から開口58を通じて漏れ出てくるミストは、このミスト漂流室60を漂う。よって、ドーム56は、その周囲が漂うミストで取り囲まれ、あたかも白い霧の中に浮かび上がった半球状の物体として目視され得る。
なお、透明ケース59を覆っているカバー35は、その正面側に大きな開口(図示せず)が形成されており、内部の透明ケース59および透明ケース内のドーム56が目視できるようにされている。
ミスト漂流室60を漂うミストおよびドーム56下方のミストは、後述するように、透明ケース59の背面側に形成されたミスト出口61から放出通路62を通って空気清浄機の機外へ放散される。
図5は、図4におけるV−Vに沿う縦断面側面図で、清浄化空気取入口63および清浄化空気取入流路64の構成がわかるように示されており、ドーム56等は上記切断線V−Vに沿ったものではなく中央断面とされている。
図6は、図4の切断線VI−VIに沿う電解ミスト発生装置30の縦断面側面図である。なお、図6において、清浄化空気取入流路64および上端開口66が現れるように、この部分については切断線VI−VIに沿った部分以外の断面が示されている。
図7は、この発明の一実施形態に係る空気清浄機1の上部左寄り部分の部分縦断面図である。図7には、電解ミスト発生装置30の縦断面が示されるとともに、表示・操作パネル領域3の内部上方に配置されたLED68が示されている。LED68の発する光は、隔壁69に形成された孔70を介して電解ミスト発生装置30の透明ケース59を前方上方から照らす。LED68の光は透明ケース59を介してドーム56に届き、ミストで充満されたドーム56およびドーム56の下方周囲のミスト漂流室60を漂っているミストを照明する。これにより、ドーム56がミスト漂流室60を漂うミストの中に照明によってくっきりと浮かび上がり、清涼感、幻想感等の視覚的効果を使用者に与えることができる。
図8は、この発明の他の実施形態に係る空気清浄機100の構成を説明するための部分縦断面図である。図8において、2はハウジング、3は表示・操作パネル領域、4は正面パネル、5はフィルタ配置空間、6はプレフィルタ、7はメインフィルタ、13はモータ、16は遠心ファンであり、これらは先に説明した実施形態と同じ構成である。この実施形態の特徴は、電解ミスト発生装置30にバイパス流路が設けられていないという点である。電解ミスト発生装置32はバイパス流路は設けられていないが、ドーム56内に充満され、開口58からドーム56の周囲のミスト漂流室60へ漂い出たミストは、ハウジング2の上部出口18から上方へ放出される清浄化空気の流れにより生じる負圧により、清浄化空気に引かれて、清浄化空気と共に放散されるという構成が採用されている。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
6 プレフィルタ(空気清浄化手段)
7 メインフィルタ(空気清浄化手段)
13、14 モータ(送風手段)
16、17 遠心ファン(送風手段)
30 電解ミスト発生装置
31 電解ミスト発生部
32 貯水タンク
33 トレー
34 メインケース
35 カバー
40 電解室
41 一対の電極板
46 振動付与室
50 超音波振動子
56 ドーム
57 ドームの内面
58 開口
59 透明ケース
60 ミスト漂流室
61 ミスト出口
62 放出通路
63 清浄化空気取入口
64 清浄化空気取入流路
67 放散口
68 LED
Claims (10)
- 通過する空気を清浄化するための空気清浄化手段、
空気が入口から入り前記空気清浄化手段を通過した後出口から出るように、空気を送るための送風手段、および
電解水ミスト発生装置を有し、
前記電解水ミスト発生装置は、
水を溜めるための貯水室と、
貯水室の水を電気分解するための電極板と、
貯水室の水からミストを発生させるための超音波振動子と、
発生したミストを前記送風手段で送られる前記空気清浄化手段を通過した後の清浄化された空気を用いて放散させるためのミスト放散手段と、
を含むことを特徴とする空気清浄機。 - 前記ミスト放散手段は、前記送風手段により送られる前記清浄化された空気の一部をバイパスし、発生したミスト内を通して放散口へと送るバイパス流路を含むことを特徴とする、請求項1記載の空気清浄機。
- 前記ミスト放散手段は、前記送風手段により送られる前記清浄化された空気の流れにより生じる負圧を利用して、発生したミストを放出させることを特徴とする、請求項1記載の空気清浄機。
- 前記電解水ミスト発生装置は、発生したミストを目視できる状態にするミスト確認手段を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の空気清浄機。
- 前記ミスト確認手段は、
略半球状に上方へ膨らみ、発生したミストが内部に充満するドームと、
ドームの下方に形成され、ドーム内のミストを周囲へ漏れさせるための開口と、
少なくとも正面側は透明部材で形成され、ドームの周囲を取り囲み、ドームから漏れてくるミストを漂わせるためのミスト漂流室と、
を含むことを特徴とする、請求項4記載の空気清浄機。 - 前記ドームは、内部が水で濡れると透明化する半透明部材で形成されていることを特徴とする、請求項5記載の空気清浄機。
- 前記ミスト確認手段を照明するためのライトが設けられていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の空気清浄機。
- 前記バイパス流路は、
清浄化された空気の一部がミスト漂流室の上方から正面内側に沿って下方へ流れるように取入れる取入流路と、
取り入れられた清浄化空気がミスト漂流室の下方から少なくともドーム周囲を通って前記放散口へと流れる放出流路と、
を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の空気清浄機。 - 前記空気清浄化手段は、上下2段に区画されており、
それに対応させて、前記送風手段も、上下2段に配置されており、
上下に区画された前記空気清浄化手段を通過した空気が、それぞれ、上段の送風手段および下段の送風手段で別々に送られるようにするための仕切部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の空気清浄機。 - 前記上下2段に区画されたうちの上方に位置する空気清浄化手段を通過して清浄化された空気が前記ミスト放散手段で用いられることを特徴とする、請求項9記載の空気清浄機。
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