JP4434853B2 - ミスト発生装置および空気調和機 - Google Patents

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Description

この発明は、ミスト発生装置およびミスト発生装置を備える空気調和機に関する。
機外の空気を取り込み、所定の処理を施して機外に排出することにより室内の空気調和を行うための空気調和機として、機外の空気を機内に取り込むために回転されるファンと、機内に取り込まれた空気が通過するフィルタとを備えた空気清浄機が知られている。機内に取り込まれた空気は、フィルタを通過することによって、その空気中に含まれる塵埃などが除去されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されているような空気清浄機では、空気中に含まれる塵埃などは除去されるものの、フィルタでは除菌できない微小な雑菌などを殺菌したり、臭いを脱臭したりすることはできない。そこで、殺菌機能や脱臭機能を備えた空気清浄機が提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示されているような空気清浄機では、殺菌作用や脱臭作用を有する液体を貯水部に収容して、その液体を用いて生成したミストを機外に排出することによって、雑菌を殺菌したり、臭いを脱臭したりすることができる。
特開2003−102816号公報 特開2003−79714号公報
しかしながら、特許文献2に開示されているような空気清浄機では、一度運転を開始すると、機外の温度や湿度などの雰囲気の変化にかかわりなく運転を継続する。一方で、たとえば、空気中に存在するカビ菌やウィルスの活動性(活動範囲)は気温および湿度により異なり、また、床に落ちている(床に積もった)塵埃は、人の動きによって舞い上がる。すなわち、空気を清浄する必要性は、機外の雰囲気に応じて変化するものであるため、上記のような空気清浄機では、機外の雰囲気に応じた適切な運転がされているとは言い難い場合がある。また、ミストを生成するための専用の液体を貯水部に収容しなければならず、面倒であるという問題もある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、装置周囲の雰囲気に応じた適切な運転を行うことのできるミスト発生装置および空気調和機を提供することを目的とする。
また、この発明は、専用の液体を用意することなく、殺菌機能や脱臭機能を達成することができるミスト発生装置および空気調和機を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ミストを放出するためのミスト発生装置(12)であって、水を貯めることのできる貯水部(15)と、上記貯水部に貯められた水を電気分解して電解水を生成するための電極(35)と、装置周囲の雰囲気情報(3A,3B,3C,10B)を検知する情報検知手段と、上記情報検知手段によって検知された雰囲気情報に応じて制御される、上記貯水部の電解水中に空気を送り込んで泡を発生させるための泡発生機構(13,18,20,21)と、上記泡発生機構によって発生された泡が大気中に解放される際に弾けることによって発生したミストを装置外へ放出するためのミスト放出手段(4)と、泡を発生させるために電解水中に送り込まれる空気に含まれる塵埃を捕獲するフィルタ(6)と、を備えることを特徴とするミスト発生装置である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、雰囲気情報に応じて、ミストが発生させられて装置外に放出される。たとえば、装置周囲の大気が汚れているという雰囲気情報に応じてミストを装置外に放出するようにすれば、雰囲気に応じた適切な運転を行うことができ、無駄な運転動作を省くことができる。
また、電極への通電を行って貯水部に貯められた水(たとえば、水道水)を電気分解することにより、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。そして、この生成された電解水に対して泡発生機構により泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができ、このミストを装置外に放出することで、専用の液体を用意することなく殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。
請求項2に記載の発明は、上記情報検知手段は、装置周囲の温度を検知する温度検知手段(10B)と、装置周囲の湿度を検知する湿度検知手段(10B)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置(12)である。
この構成によれば、検知された装置周囲の温度および湿度に応じて、ミストが発生させられて装置外に放出される。一般的に、カビ菌やウィルスが活動しやすい雰囲気は、温度および湿度によって定まる。すなわち、装置周囲の空気がカビ菌やウィルスが活動しやすい温度および湿度となった場合に、ミストを発生させて装置外に放出することで適切(効率的)な運転を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、上記情報検知手段は、装置周囲のものの動きを検知する動作検知手段(3A)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のミスト発生装置(12)である。
この構成によれば、装置周囲のものの動きに応じて、ミストが発生させられて装置外に放出される。たとえば、床に落ちている(床に積もった)塵埃は、人が動くことにより空気に流れが生じ、この空気の流れによって塵埃が舞い上がり、空気が汚れる。すなわち、装置周囲にものの動きが生じた場合に、ミストを発生させて装置外に放出することで適切(効率的)な運転を行うことができる。
なお、装置周囲のものの動きとは、たとえば、人の動きやペットの動きである。
請求項4に記載の発明は、上記情報検知手段は、装置周囲に所定のガスが存在することを検知するガス検知手段(3B)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のミスト発生装置(12)である。
この構成によれば、装置周囲に所定のガスが存在することに応じて、ミストが発生させられて装置外に放出される。よって、ガスの存在に応じた適切(効率的)な運転を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、上記情報検知手段は、装置周囲に所定量以上の塵埃が浮遊していることを検知する塵埃検知手段(3C)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミスト発生装置(12)である。
この構成によれば、装置周囲に所定量以上の塵埃が浮遊していることに応じて、ミストが発生させられて装置外に放出される。よって、塵埃が浮遊することに応じた適切な(効率的)な運転を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、上記ミスト放出手段は、発生したミストを装置外へ放出するための風供給手段(4)を含み、検知した雰囲気情報に応じて、上記泡発生機構(13,18,20,21)による泡の発生量および上記風供給手段による風の強弱を調整する(T1〜T9)ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のミスト発生装置(12)である。
この構成によれば、ミストを発生させるべき必要性の度合い、つまり雰囲気情報に応じて、ミストの発生量および風の強弱が調整される。たとえば、装置周囲の温度および湿度が、カビ菌およびウィルスが極めて活動しやすいものであれば、ミストを大量に発生させ、さらに、ミストを装置外に放出するための風の勢いを強くすることで、大量のミストを遠方まで拡散することができ、殺菌機能や脱臭機能が向上する。このようにして、装置周囲の雰囲気に応じて、より適切(効率的)な運転を行うことができる。
請求項7に記載の発明は、機外の空気を取り込み、所定の処理を施して機外に排出することにより空気調和を行なう空気調和機であって、請求項1〜6のいずれかに記載のミスト発生装置(12)を備え、空気調和機に取り込まれる空気を前記フィルタ(6)に通して、その空気に含まれる塵埃を捕獲するようにしたことを特徴とする空気調和機(1)である。
この構成によれば、請求項1〜6のいずれかに記載のミスト発生装置と同様の効果を奏する空気調和機を提供することができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る空気清浄機1の外観構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す矢印A−Aに沿って見た概略断面図であり、図3は、図1に示す矢印B−Bに沿って見た概略断面図である。図1における右奥側を後方、左手前側を前方として説明する。
図1〜図3を参照して、この空気清浄機1は、たとえば室内に設置されて、機外の空気を取り込み、その空気を清浄する処理を施して機外に排出することにより、室内の空気清浄を行うためのものである。空気清浄機1の外形は、左右方向の長さに比べて前後方向の長さが短い薄型のハウジング2により区画されている。ハウジング2の前面には、略矩形の前面板3が取り付けられている。また、前面板3の上方には、左から順に、機外のもの(主として、人)の動きを検知する人感センサ3Aと、機外に所定のガスが存在することを検知するガス検知センサ3Bと、機外の空気中に浮遊している塵埃を検知する塵埃検知センサ3Cとが備えられている(詳しくは後述する)。
ハウジング2内には、前後方向に軸線が延びるように配置され、機外の空気を機内に取り込むために回転されるファン4と、このファン4に回転軸5Aが取り付けられ、ファン4を回転させるために駆動されるモータ5と、機外の空気が機内に取り込まれる際に通過するフィルタ6とが備えられている(図3では、ファン4、回転軸5Aおよびモータ5を省略して示している。)。
フィルタ6は、通過する空気に含まれる塵埃などを捕獲して空気を清浄するためのものであって、ハウジング2の前面に形成された略矩形の開口7内に着脱可能に取り付けられている。フィルタ6の厚みは開口7の奥行きよりも小さく形成され、フィルタ6は、開口7の後側部分に取り付けられている。前面板3は、フィルタ6の前方に一定の空間が形成されるように配置されていて、その下端面および左右両端面には、ハウジング2内に空気を取り込むための吸気口8が形成されている。
ファン4は、いわゆるシロッコファンであって、ファン4が回転されると、前方側(軸線方向の一方側)からファン4側に空気が流れて、その空気が径方向に放出されるようになっている。したがって、ファン4が回転されると、図2および図3において矢印D1で示すように、機外の空気が吸気口8からフィルタ6を通過してハウジング2内に取り込まれ、ファン4側に流れることとなる。
ハウジング2には、その左右側部の前端部に、それぞれハウジング2の上端から下端まで延びる断面略楕円形状の筒部10が形成されている。一方(たとえば、右側)の筒部10内の空間は、ハウジング2内に配置された区画壁10Aによってハウジング2内のその他の空間(ファン4やモータ5などが配置されている空間)から区画されている。右側の筒部10の上方には、機外の温度および湿度を検知する温度・湿度検知センサ10Bが備えられており(詳しくは後述する)、側面には、通気口11が形成されている。また、開口7を形成する右側面壁の前側部分(フィルタ6よりも前側)には、上記右側の筒部10内の空間に連通する貫通孔10Cが形成されている。このような構成により、ファン4が回転されると、機外の空気が通気口11から右側の筒部10内に吸い込まれ、図3において矢印D3で示すように、貫通孔10Cからフィルタ6の前方へと導かれ、フィルタ6を通過してハウジング2内に取り込まれるようになっている。
ハウジング2の上面には、ファン4の径方向の延長線上(ファン4によって放出される空気の流路内)に複数の排気口9が形成されていて、フィルタ6を通過することによって清浄された空気は、ファン4によって径方向に放出され、図2において矢印D2で示すように排気口9から上方に向かって機外に排出される。
他方(たとえば、左側)の筒部10内の上端部には、ミストを発生するためのミスト発生装置12が配置されている。ハウジング2内の下部には、ハウジング2内の空気(フィルタ6を通過した後の空気)を吸い込むためのエアポンプ13が配置されていて、ミスト発生装置12は、このエアポンプ13から吸い込んだ空気を用いてミストを発生させることができるようになっている。ミスト発生装置12から発生したミストは、左側の筒部10の上端面に形成された噴霧口14から上方に向かって機外に放出される。
図4は、図3における左側の筒部10の近傍の断面を拡大して示す拡大断面図である。また、図5は、図4に示す矢印C−Cに沿って見た断面図であり、図6は、図4に示す矢印D−Dに沿って見た断面図である。
図4〜図6を参照して、ミスト発生装置12には、上端面に開口を有し、規定量(たとえば、160cc程度)の水を貯めることができる貯水タンク15と、この貯水タンク15の上端面の開口を塞ぐための蓋16とが備えられている。蓋16の下面には、複数の通水孔17A,17B,17Cが形成された樹脂製で中空状の挿入部材17が取り付けられている。
挿入部材17の側面を構成する区画壁のうち、挿入部材17内の電解室19の左面を区画する左面壁19Aの上端から下端部にかけての部分と、電解室19の右面を区画する右面壁19Bの上端から下端部にかけての部分と、電解室19の後面を区画する後面壁19Cの上端から下端部にかけての部分とが、一体的に形成された平面視略コ字状の着脱部191を構成している。そして、左面壁19A、右面壁19Bおよび後面壁19Cに、それぞれ複数の通水孔17Bが形成されている。
貯水タンク15内に水を貯めた状態で、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16を貯水タンク15の上端部に被せれば、挿入部材17が貯水タンク15内の水に浸かって、貯水タンク15内の水が通水孔17A,17B,17Cを通って挿入部材17内に流入するようになっている。挿入部材17内には、それぞれ上下方向に長く延びる泡発生室18と電解室19とが、前後に並ぶように区画形成されている。
蓋16には、泡発生室18に対向する位置に、上方に向かって窪んだ凹部が左右方向に延びるように形成されていて、この凹部内の空間は、エアポンプ13からミスト発生装置12へと送られてきた空気を貯水タンク15内(泡発生室18内)に供給するための空気供給路20を構成している。空気供給路20の右方には、エアポンプ13からの空気を供給するための供給口21が配置されていて、この供給口21の周縁部には、たとえばゴム製のパッキン22が取り付けられている。空気供給路20の右端部は左右方向に開放されていて、この空気供給路20の右端部がパッキン22に押さえ付けられることにより、エアポンプ13から供給される空気を、供給口21から空気供給路20へと漏らすことなく送ることができるようになっている。
電解室19内には、それぞれ電極保持部材34によって保持された1対の電極板35および水位検知用電極36が配置されている。1対の電極板35および水位検知用電極36は、たとえば、チタンまたはルテニウム系材料に白金をコーティングし、その外側にイリジウムをコーティングすることにより形成されている。1対の電極板35は、電解室19の底部において左右方向に互いに一定間隔を空けて配置されていて、各電極板35には上下方向に長尺な端子37の下端部が結合されている。水位検知用電極36は、上下方向に長尺であって、その下端部が電解室19の底部(1対の電極板35の下端よりも上方)に位置している。また、蓋16の上方には、誘導部材26が配置されていて、誘導部材26の内部は、左右に延びる区画板27によって第1区画室28と第2区画室29とに区画されていている。そして、2本の端子37および水位検知用電極36の各上端部は、蓋16を貫通して第2区画室29内に臨んでいる。第2区画室29の右側の壁面には、当該壁面を貫通して誘導部材26から右方に突出する3本のピン38が取り付けられていて、2本の端子37および水位検知用電極36の各上端部は、それぞれ、配線を介して別々のピン38に接続されている。
平面視において、ミスト発生装置12の右側には(誘導部材26の右側には)、1対の電極板35および水位検知用電極36を電源に接続するための接続ボックス39が配置されている。接続ボックス39内には、3本のピン38を差し込むための3つのジャック40が配置されていて、各ジャック40は配線を介して電源に接続されている。誘導部材26から右方に突出する3本のピン38が、それぞれ対応するジャック40に差し込まれることにより、1対の電極板35および水位検知用電極36に対して通電を行うことが可能になる。
貯水タンク15の上端部の前面および背面には、それぞれ、当該貯水タンク15に誘導部材26を連結するためのフック41が取り付けられている。各フック41は、回動軸41Aを中心に前後方向に沿った鉛直面内で回動可能となっていて、各先端が最も高い位置まで回動された状態(図5に示す状態)で誘導部材26の下端縁に引っ掛かって、誘導部材26が貯水タンク15側に押さえ付けられるようになっている。この状態では、貯水タンク15の上端と誘導部材26の下端とによって蓋16が挟持され、貯水タンク15、蓋16および誘導部材26が一体的に連結されることとなる。
ハウジング2の左側の筒部10の上部(ミスト発生装置12を取り囲む部分)は、ハウジング2に対して着脱可能なカバー2Aを構成している。カバー2Aの後側上部には、当該カバー2Aをハウジング2から取り外す際に操作される操作部42が取り付けられている。操作部42は、ハウジング2に形成された係合孔43に係合可能な爪部44と、カバー2Aの後面を貫通して後方側に露出し、カバー2Aをハウジング2から取り外す際に前方に向かって押圧される押圧部45と、押圧部45が押圧されるのに伴って弾性変形し、爪部44を前方側に回動させるための弾性変形部46とを備えている。押圧部45を押圧して爪部44を前方側に回動させると、爪部44の係合孔43に対する係合が外れて、カバー2Aをハウジング2から取り外すことが可能になる。カバー2Aをハウジング2から取り外すと、ミスト発生装置12が機外に露出した状態となる。
カバー2Aをハウジング2から取り外した状態でミスト発生装置12を水平方向左側にスライドさせると、3本のピン38が対応するジャック40から抜けるとともに、空気供給路20の右端部が供給口21(パッキン22)から離間する。このようにして、ミスト発生装置12を空気清浄機1から取り外した後、2つのフック41を回動させて各先端の誘導部材26に対する係合を解除すれば、誘導部材26を貯水タンク15から取り外すことができる。誘導部材26を貯水タンク15から取り外すと、さらに蓋16を貯水タンク15から取り外すことが可能になり、挿入部材17を貯水タンク15から抜き出すようにして蓋16を貯水タンク15から取り外すことにより、貯水タンク15内に水を補給することが可能になる。
また、電解室19の前面を区画する前面壁19Dの左右両端部には、それぞれ後方に突出する係止爪19Eが形成されており、着脱部191の左面壁19Aを区画する部分の前端部、および右面壁19Bを区画する部分の前端部には、それぞれ対応する係止爪19Eを引っ掛けて係止させるための係止孔19Fが形成されている。これにより、着脱部191が取り外し可能となり、電解室19を開放して、電解室19内のメンテナンス(たとえば、電極板35や水位検知用電極36に付着した水に含まれるミネラル分(いわゆるスケール)の除去など)を行うこともできる。
貯水タンク15内に水を補給した後、挿入部材17を貯水タンク15内に挿入するようにして蓋16で貯水タンク15の開口を塞ぎ、さらに蓋16の上方に誘導部材26を配置して2つのフック41を回動させることにより、各フック41を誘導部材26に係合させて、貯水タンク15、蓋16および誘導部材26を一体的に連結することができる。その後、一体となったミスト発生装置12を右方向にスライドさせるようにしてハウジング2内に挿入することにより、3本のピン38を対応するジャック40に挿入させるとともに、空気供給路20の右端部をパッキン22に押し当て、ミスト発生装置12を空気清浄機1に装着することができる。
貯水タンク15に水が貯められた状態で、1対の電極板35に互いに逆極性となるように所定の電圧(たとえば、10V)が印加されると、1対の電極板35間にある水に電流が流れる。塩素を含む水道水を貯水タンク15内に貯めた状態で1対の電極板35に通電を行った場合には、陽極、陰極および電極板間において下記のような電気化学反応が起こる。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2
2Cl-→Cl2+2e-
2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
(電極板間)
++OH-→H2
上記のような電気化学反応により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。また、水位検知用電極36と、1対の電極板35のうちの一方とに通電が行われ、そのときの通電状態によって、貯水タンク15内の水が所定水位(水位検知用電極36の下端の水位)未満であるか否かが検知され得る。
また、貯水タンク15内に水を貯めた状態でエアポンプ13を駆動すると、空気供給路20を通って送られてきた空気が泡発生室18内に供給され、その圧力で泡発生室18内の水が攪拌されて、多数の泡が発生する。挿入部材17の前面下部には、前方に張り出して泡発生室18を前方に延設するための張出部23が形成されていて、泡発生室18内で発生した泡の一部は、この張出部23の上面に形成された多数の小孔24から挿入部材17の外部に流出するようになっている。泡発生室18内で発生する泡の直径は、たとえば0.1〜10mm程度であり、小孔24の直径は、たとえば0.5mm程度である。したがって、小孔24から流出する泡の直径は、0.1〜0.5mm程度となる。
小孔24から流出した泡は、挿入部材17の外側における貯水タンク15内の水の水中を通って浮上し、貯水タンク15内の水の水面から大気中(貯水タンク15内の空気中)に解放される。この際、泡が弾けることによってミストが発生することとなる。
また、貯水タンク15が透明な部材によって形成されるとともに、左側の筒部10の一部(前面側)に形成された開口31に透明カバー32が取り付けられており、透明カバー32を介して貯水タンク15内の水に発生している泡を視認することができる。さらに、貯水タンク15の下方には、上方に向かって光を照射する発光素子33(たとえば、青色LEDなどのLED素子)が配置されており、発光素子33を発光させることにより、貯水タンク15内の水を明るく照らし出すこともできる。
また、蓋16には、小孔24の上方の位置に、貯水タンク15内で発生したミストを貯水タンク15外に排出するための排出口25が形成されている。排出口25は、第1区画室28の後部に臨んでいる。誘導部材26の上面の前端部には、噴霧口14に連通する連通口30が形成されている。蓋16の排出口25と、誘導部材26の連通口30とは、互いに水平方向にずれた位置(上下方向に重ならない位置)に配置されていて、これにより、第1区画室28が緩衝室として機能するようになっている。すなわち、排出口25から第1区画室28内に流入したミストは、排出口25の上方における誘導部材26(第1区画室28)の内壁面に当たって第1区画室28全体に拡がり、その後に連通口30を介して噴霧口14から機外に排出されるようになっている。
このようにしてミストを発生させる際に、上述の電解水の生成が並行して行われる。すなわち、生成された電解水に対してエアポンプ13から空気供給路20を介して空気を送り込み、泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。このようにして発生された殺菌作用や脱臭作用を有するミストを噴霧口14から機外へと放出すれば、専用の液体を用意することなく、水道水を用いて殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。殺菌作用を有するミストを機外に放出することにより、アレルギーの抑制も期待できる。
さらに、噴霧口14が排気口9の近傍に配置されているので、噴霧口14から機外へと放出されるミストを、排気口9から排出される空気に混入させることができる(排気口9から放出される風により、機外に放出させることができる)。したがって、殺菌作用や脱臭作用を有するミストが混入した空気が機外の比較的広範囲に広がることとなり、殺菌効果や脱臭効果をより向上できる。
図7は、空気清浄機1の電気的構成を示すブロック図である。
人感センサ3A、ガス検知センサ3B、塵埃検知センサ3C、温度・湿度検知センサ10B、モータ5およびエアポンプ13は、制御部60に接続されている。制御部60は、CPUやROMなどを含むマイクロコンピュータを中心に構成されており、後述するように、人感センサ3A、ガス検知センサ3B、塵埃検知センサ3Cおよび温度・湿度検知センサ10Bから入力された信号に応答して、モータ5およびエアポンプ13の動作を制御する。
人感センサ3Aは、機外周囲のものの動きを検知するもので、たとえば、赤外線センサを利用しており、主として人の動きを検知する。
ガス検知センサ3Bは、たとえば、ガスにより生じるセンサの電気抵抗の変化を読取ることで、ガスの存在を検知するものである。ガスとは、メタンやエタンなどのいわゆる還元性ガスであり、たとえば、タバコの煙や殺虫剤の存在を検知することもできる。
塵埃検知センサ3Cは、たとえば、所定空間内において、空気中に光を照射し、光の乱れまたは光の照射量を読取ることで、空気中に所定量以上の塵埃が浮遊していることを検知する。
温度・湿度検知センサ10Bは、たとえば、サーミスタなどを備えており、空気中の温度および相対湿度を検知する。
空気清浄機1を運転させるべき状況は、機外の空気の状態に応じて変化する。すなわち、一般的に、空気清浄機は空気が汚れている場合に運転を行い、空気がきれいな場合には運転を停止させることが効率的な運転であるといえる。また、そのような運転を行うことで、省エネを達成することもできる。そこで、この実施形態では、人感センサ3A、ガス検知センサ3B、塵埃センサ3Cおよび温度・湿度検知センサ10Bを備え、以下のように運転する。
空気清浄機1は、ユーザにより、図示しない操作部が操作されると、モータ5が駆動されて、ファン4が回転させられて空気の清浄が開始される。そして清浄運転中において、ミストは、各センサの検知に応じて放出される。
たとえば、温度・湿度検知センサ10Bを例に挙げて説明する。
図8は、カビ菌およびウィルスの活動しやすい空気の状態を説明するための図であり、カビ菌が一般的に活動しやすい範囲が領域61で示されており、ウィルスが一般的に活動しやすい範囲が領域62で示されている。
すなわち、カビ菌は、温度にかかわりなく、湿度が約65%以上となると活動しやすい。一方、ウィルスは、温度が約10〜12℃以下のときに活動すると共に、湿度が45%以下の場合には、湿度が低くなるに伴い温度が高くても活動する。
このような、カビ菌およびウィルスが活動する状態において、ミストを機外に放出させることが望ましい。よって、空気清浄機1は、温度・湿度検知センサ10Bの検知に応じて以下のように制御される。
図9は、温度・湿度検知センサ10Bの検知に応じた制御部60の制御手順を示すフローチャートである。
まず、温度・湿度検知センサ10Bにより検知された機外の温度が、12℃以下であるか否かが判断される。そして、温度が12℃以下であれば(ステップS1でYES)、一対の電極板35に通電されて電解水が生成されるとともに、生成された電解水に対してエアポンプ13から空気供給路20を介して空気が送り込まれ、泡が発生させられることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストが発生させられる(ステップS2)。そして、噴霧口14から機外へと放出されるミストが、排気口9から放出される風により機外に放出させられる。
また、機外の温度が12℃より大きければ(ステップS1でNO)、さらに25℃以下であるか否かが判断される。機外の温度が12℃より大きく25℃以下であれば(ステップS3でYES)、次いで、湿度が35%以下であるか否か、または65%より大きいか否かが判断される。そして、湿度が35%以下であるか、または65%より大きければ、上記と同様にして、ミストが機外に放出される(ステップS4でYES→S2)。
また、機外の温度が25℃より大きければ(ステップS3でNO)、さらに湿度が25%以下であるか否か、または65%より大きいか否かが判断される。そして、湿度が25%以下であるか、または65%より大きければ、上記と同様にして、ミストが機外に放出される(ステップS5でYES→S2)。
一方、機外の温度が25℃より大きく、かつ、湿度が25%より大きく65%以下である場合には(ステップS5でNO)、一対の電極板35への通電が停止されて、電解水の生成が停止されるとともに、エアポンプ13からの空気の供給も停止される。そして、機外へのミストの放出が停止される(ステップS6)。同様にして、機外の温度が25℃以下であり、かつ、湿度が35%より大きく65%以下である場合にも(ステップS4でNO)、機外へのミストの放出が停止される。
このようにして、温度・湿度検知センサ10Bの検知内容に応じて、ミストが機外へ放出される。すなわち、機外の温度および湿度が、図8に示す領域61または領域62に、ほぼ含まれるとみなされる場合にミストを放出するので、適切(効率的)なミストの放出が可能である。
また、他のセンサについては、検知があったことに応じて、ミストが放出される。すなわち、人感センサ3A、ガス検知センサ3Bおよび塵埃検知センサ3Cについては、それぞれの検知があったことに応じて、一対の電極板35に通電されて電解水が生成されるとともに、生成された電解水に対してエアポンプ13から空気が送り込まれてミストが発生させられ、機外へと放出させられる。これにより、機外の雰囲気に応じた適切な運転が可能である。
以上のように、この実施形態では、人感センサ3A、ガス検知センサ3B、塵埃検知センサ3Cおよび温度・湿度検知センサ10Bにより検知された装置周囲の雰囲気情報に応じて、ミストが発生させられて装置外に放出されるので、適切(効率的)な運転を行うことができる。
また、電極35への通電を行って貯水タンク15に貯められた水(たとえば、水道水)を電気分解することにより、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成し、電解水に対して泡を発生させることにより、殺菌作用や脱臭作用を有するミストを発生させることができる。そして、このミストを機外に放出することで、専用の液体を用意することなく殺菌機能や脱臭機能を達成することができる。
なお、この実施形態では、空気清浄機1(排気口9)から機外へと放出される風の強弱およびミスト発生量は一定のものとして説明したが、これらを以下のように制御することも可能である。
図10は、この発明の他の実施形態にかかる制御部60の制御手順を示すフローチャートである。
他の実施形態として、制御部60は、各センサの検知内容を1〜4のレベルに分け、検知のレベルに応じて空気清浄機1の運転を制御する。制御部60における検知のレベル分けは、各センサによる検知の頻度や、検知内容に応じて行われる。
たとえば、温度・湿度検知センサ10Bの検知においては、図8に示すような、機外の温度および湿度を示す図において、カビ菌およびウィルスが活動する範囲を4つの領域に区分する。そして、最もカビ菌およびウィルスが活動しやすい領域をレベル4の領域とし、次にカビ菌およびウィルスが活動しやすい領域をレベル3の領域とし、次にカビ菌およびウィルスが活動しやすい領域をレベル2の領域とし、カビ菌およびウィルスの活動がそれほど活動しない領域をレベル1の領域とする。そして、温度・湿度検知センサ10Bの検知内容がいずれのレベルの領域に含まれるものであるかによって、検知内容をレベル1〜4に分ける。
また、たとえば、人感センサ3Aの検知においては、単位時間当たりの検知回数の頻度によって、検知のレベル分けをする。具体的には、10秒間に3回以上、ものの動きを検知することを1単位と定め、この単位が5回以上連続すればレベル4と、4回連続すればレベル3と、3回連続すればレベル2と、1回であれば(連続しなければ)レベル1として、検知内容をレベル1〜4に分ける。また、他のセンサ(ガス検知センサ3Bおよび塵埃検知センサ3C)においても、同様の検知が行われる。
なお、各センサの検知内容のレベル分けは上記のものに限らず種々の変更が可能である。
そして、空気清浄機1の運転中においては、まず、制御部60において、各センサの検知内容のうち、レベル4の検知が存在するか否かが判断される。そして、いずれかのセンサにおいて、レベル4の検知が存在すれば(ステップT1でYES)、一対の電極板35に印加される電圧が上げられ、濃度の高い(次亜塩素酸や活性酸素を多量に含む)電解水が生成されるとともに、エアポンプ13から送られる空気の量が増やされて、次亜塩素酸や活性酸素を多く含むミストが大量に発生させられ、機外へと放出させられる(ミスト発生量が「強」とされる)。また、モータ5の回転数が上げられることで、排気口9から機外に放出される風の勢いが増す(風量が「強」にされる)(ステップT2)。これにより、より殺菌効果や脱臭効果の高いミストが遠方まで拡散する。
なお、この説明においては、排気口9から機外へと放出される風量は、モータ5の回転数の増減により、「強」、「中」、「弱」、「微」の4段階に制御される。また、ミストの発生量は「強」、「弱」の2段階に制御され、ミスト発生量が「強」の場合は、上記のように、一対の電極板35に印加される電圧が上げられ、濃度の高い電解水が生成されるとともに、エアポンプ13から送られる空気の量が増やされて、次亜塩素酸や活性酸素を多く含むミストが大量に発生させられる。また、ミスト発生量が「弱」の場合には、一対の電極板35に印加される電圧が下げられ、比較的濃度の低い電解水が生成されるとともに、エアポンプ13から送られる空気の量が減らされて、次亜塩素酸や活性酸素が比較的少ないミストが(「強」の場合と比べて少量)発生させられる。
そして、いずれのセンサの検知内容においてもレベル4の検知が存在しない場合には(ステップT1でNO)、次いで、レベル3の検知が存在するか否かが判断される。レベル3の検知が存在する場合には(T3でYES)、排気口9からの風の風量が「中」とされ、さらに、ミスト発生量が「弱」とされる(ステップT4)。
また、いずれのセンサの検知内容においてもレベル3の検知が存在しない場合には(ステップT3でNO)、次いで、レベル2の検知が存在するか否かが判断される。レベル2の検知が存在する場合には(T5でYES)、排気口9からの風の風量が「弱」とされ、さらに、ミスト発生量が「弱」とされる(ステップT6)。
また、いずれのセンサの検知内容においてもレベル2の検知が存在しない場合には(ステップT5でNO)、次いで、レベル1の検知が存在するか否かが判断される。レベル1の検知が存在する場合には(T7でYES)、排気口9からの風の風量が「微」とされ、さらに、一対の電極板35への通電が停止されて、電解水の生成が停止されるとともに、エアポンプ13からの空気の供給も停止される。そして、ミストの放出は停止される(ステップT8)。
また、いずれのセンサの検知内容においてもレベル1の検知が存在しない場合には(いずれのセンサにおいても検知がされない場合には)、一対の電極板35への通電が停止されて、電解水の生成が停止されるとともに、エアポンプ13からの空気の供給も停止されて、ミストの放出が停止される。そして、モータ5の駆動が停止されて、排気口9からの風の放出も停止される。
以上のように、この実施形態では、ミストを発生させるべき必要性の度合いに応じて、ミストの発生量および風量の強弱が調整されるので、より適切(効率的)な運転を行うことができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、上述の説明においては、発生したミストは排気口9から放出される風により、機外に放出されるとしたが、ミスト発生装置12内にミスト放出用のファンを備え、そのファンの回転により、ミストが機外に放出される構成であってもよい。
この発明の一実施形態に係る空気清浄機の外観構成を示す斜視図である。 図1に示す矢印A−Aに沿って見た概略断面図である。 図1に示す矢印B−Bに沿って見た概略断面図である。 図3における左側の筒部の近傍の断面を拡大して示す拡大断面図である。 図4に示す矢印C−Cに沿って見た断面図である。 図4に示す矢印D−Dに沿って見た断面図である。 空気清浄機の電気的構成を示すブロック図である。 カビ菌およびウィルスの活動しやすい空気の状態を説明するための図である。 温度・湿度検知センサの検知に応じた制御部の制御手順を示すフローチャートである。 この発明の他の実施形態にかかる制御部の制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
3A 人感センサ
3B ガス検知センサ
3C 塵埃検知センサ
4 ファン
9 排気口
10B 温度・湿度検知センサ
12 ミスト発生装置
13 エアポンプ
15 貯水タンク
18 泡発生室
20 空気供給路
21 供給口
35 電極板

Claims (7)

  1. ミストを放出するためのミスト発生装置であって、
    水を貯めることのできる貯水部と、
    上記貯水部に貯められた水を電気分解して電解水を生成するための電極と、
    装置周囲の雰囲気情報を検知する情報検知手段と、
    上記情報検知手段によって検知された雰囲気情報に応じて制御される、上記貯水部の電解水中に空気を送り込んで泡を発生させるための泡発生機構と、
    上記泡発生機構によって発生された泡が大気中に解放される際に弾けることによって発生したミストを装置外へ放出するためのミスト放出手段と、
    泡を発生させるために電解水中に送り込まれる空気に含まれる塵埃を捕獲するフィルタと、を備えることを特徴とするミスト発生装置。
  2. 上記情報検知手段は、
    装置周囲の温度を検知する温度検知手段と、
    装置周囲の湿度を検知する湿度検知手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置。
  3. 上記情報検知手段は、装置周囲のものの動きを検知する動作検知手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のミスト発生装置。
  4. 上記情報検知手段は、装置周囲に所定のガスが存在することを検知するガス検知手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のミスト発生装置。
  5. 上記情報検知手段は、装置周囲に所定量以上の塵埃が浮遊していることを検知する塵埃検知手段を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミスト発生装置。
  6. 上記ミスト放出手段は、発生したミストを装置外へ放出するための風供給手段を含み、
    検知した雰囲気情報に応じて、上記泡発生機構による泡の発生量および上記風供給手段による風の強弱を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のミスト発生装置。
  7. 機外の空気を取り込み、所定の処理を施して機外に排出することにより空気調和を行なう空気調和機であって、請求項1〜6のいずれかに記載のミスト発生装置を備え、空気調和機に取り込まれる空気を前記フィルタに通して、その空気に含まれる塵埃を捕獲するようにしたことを特徴とする空気調和機。
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