JP6454873B2 - 空気浄化装置 - Google Patents

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本発明は、水に通電することにより得られる電解水を用いて、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭いなどの除去を行う空気浄化装置に関するものである。
従来のこの種の空気浄化装置の構造は、以下のようになっていた。
すなわち、水を電気分解して電解水を生成させ、この電解水をフィルター部に供給し、空気と電解水を接触させ、空気中に細菌、ウイルス、臭気等の除去を図る構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
特開2012−052699号公報
この種の電解水を室内空気に接触させて、細菌、ウイルス、臭気などの除去を行う空気浄化装置においては、湿度が高い場合に、加湿量を下げても除菌脱臭効果を維持することが求められる。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、加湿量によらず除菌、脱臭性能を維持することができる空気浄化装置を提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために本発明は、吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、前記本体ケース内には、空気浄化手段と、前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段と、被処理空気の湿度を検知する湿度検知手段と、を備え、前記空気浄化手段は、水を貯水するトレイと、前記トレイ内で水を電解水へ生成する電解ユニットと、中空円筒状にして回転可能に形成し前記電解水に一部が浸漬するように配置したフィルター部と、前記フィルター部の回転速度を可変する駆動部とを有し、前記湿度検知手段によって検知した湿度の値に基づいて、前記駆動部は前記フィルター部の回転速度を調整し、前記電解ユニットは電解強度を調整する空気浄化装置であって、前記湿度検知手段によって検知した湿度の値が50%以上100%未満の場合に、前記駆動部は、前記フィルター部の回転速度を小さくして加湿量を下げて、前記電解ユニットは、電解強度を大きくして除菌、脱臭性能を維持することを特徴としたものである。そして、これら手段により、初期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、検知した被処理空気の相対湿度の値に基づいてフィルター部の回転速度を調整し、さらに加湿量を下げるために回転速度を小さくした場合には電解ユニットの電解強度を大きくし、生成される電解水の濃度を上げることによって、フィルター部で被処理空気が接触する電解水の量が少なくなっても、電解生成物の濃度を上げることで、フィルター上において十分電解成分が含有した状態となり、細菌、ウイルス、臭気などを含む室内空気と電解成分と反応する効率を高め、高い脱臭、除菌効果を保つことできる。
本発明の実施の形態1の空気浄化装置の概略図 同空気浄化装置の概略断面を示す図 同空気浄化装置のフィルター部の概略構成を示す図 同空気浄化装置の吸気口の周辺に温度検知手段と湿度検知手段を備えた構成を示す図
本発明の請求項1記載の空気浄化装置は、吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、前記本体ケース内には、空気浄化手段と、前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段と、被処理空気の湿度を検知する湿度検知手段と、を備え、前記空気浄化手段は、水を貯水するトレイと、前記トレイ内で水を電解水へ生成する電解ユニットと、中空円筒状にして回転可能に形成し前記電解水に一部が浸漬するように配置したフィルター部と、前記フィルター部の回転速度を可変する駆動部とを有し、前記湿度検知手段によって検知した湿度の値に基づいて、前記駆動部は前記フィルター部の回転速度を調整し、前記電解ユニットは電解強度を調整する空気浄化装置であって、前記湿度検知手段によって検知した湿度の値が50%以上100%未満の場合に、前記駆動部は、前記フィルター部の回転速度を小さくして加湿量を下げて、前記電解ユニットは、電解強度を大きくして除菌、脱臭性能を維持することを特徴とする。
これにより、被処理空気の湿度が高く、加湿量を下げるためにフィルター部の回転速度を小さくした場合に、電解ユニットで電解する強度を大きくし、生成される電解水中の電解成分の濃度を上げることで、フィルター部上において十分電解成分が含有した状態となり、細菌、ウイルス、臭気などを含む室内空気と電解成分の反応効率を高め、加湿量を下げた場合であっても、電解水に細菌、ウイルス、臭気を取り込み、脱臭、除菌効果を維持することができる効果を奏する。
また、湿度が高い季節にあっても、加湿による不快感を減らし、脱臭、除菌効果を得ることができる効果を奏する。
特に、人が高湿度で不快感をおぼえる範囲である50%から100%の相対湿度を指標として加湿量を下げるために回転速度を小さく、電解ユニットで電解する強度を大きく制御することにより、人が存在する環境において、人が不快に感じることを防ぎつつ、脱臭、除菌効果を得ることができる効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態の空気浄化装置においては、略箱形状の本体ケース1を備えている。本体ケース1の両側面には、略四角形状の吸気口2を設け、また本体ケース1の天面には、略四角形状の吹出口3を設けている。
図2に示すように、この本体ケース1内には、送風手段4と空気浄化手段5を備えている。
送風手段4は、本体ケース1の上部に設けられ、モータとモータにより回転する羽根車とそれらを囲むケースとから構成したシロッコファンである。
空気浄化手段5は、水を貯水するトレイ6と、トレイ6に水を供給する給水タンク7と、トレイ6内の水で電解水を生成する電解ユニット8と、トレイ6内の電解水に一部を浸漬したフィルター部9とから構成している。
トレイ6は、天面を開口した箱形状をしており、水を貯水できる構造となっており、本体ケース1の下部に配置され、本体ケース1から水平方向にスライドして着脱可能となっている。
給水タンク7は本体ケース1内部の正面側に、トレイ6に内蔵される形で設置され、トレイ6から着脱可能な構造となっている。
給水タンク7は水栓10を設けたキャップ11により密閉できる構造となっている。トレイ6に給水タンク7を設置すると、キャップ11に設けた水栓10が解放し、水をトレイ6に供給する構造となっている。水面が水栓10まで上昇してくると、水面により水栓10が閉じて給水タンク7が密閉され、水の供給が停止し、常に一定量の水を供給することができる。
電解ユニット8は、複数枚の電極板で構成されており、この電極板がトレイ6内の水に浸かるように設置されている。これらの電極に通電することによりトレイ6内の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解することとなり、電解水を生成する。塩化物イオンを含む水は、例えば、水道水に塩化ナトリウムを溶解させた水を用いることができる。電解ユニット8では、そこに通電する電流値を変えることで、電解強度を変更することができる。このとき、生成する電解水中の有効な成分の濃度も変更され、電解強度が大きいと、生成する電解成分も増やすことができる。
フィルター部9は、トレイ6において電解ユニット8により生成された電解水と、送風手段4によって本体ケース1内に吸込まれた室内空気とを接触させる部材である。さらにフィルター部9は、中空円筒状に構成され、円筒部分に空気が流通可能な孔を備えており、その円筒部分の一部がトレイ6の電解水に浸漬できるように、トレイ6に回転自在に内蔵されている。空気浄化手段5において浄化された室内空気は、連通する空気流路12を通じて吹出口3から再び室内に放出される。
図3に示すように、フィルター部9は、駆動部13による回転がされ、電解水と室内空気を連続的に接触させる構造となっている。駆動部13の回転速度は変更でき、例えばあらかじめ設定された、いくつかの値を選択できるようにするとよく、被処理空気の温度や湿度、環境条件や部屋のサイズなどによって選択できるとよい。フィルター部9の回転速度を大きくすると、フィルター部9全体に付着する電解水の量が増え、加湿量が増加することが知られている。また、逆に回転速度を小さくすると、加湿量を減らすことができる。そのため、室内環境の温度および湿度に応じた回転数の設定を行うと、過剰な加湿による不快感や、乾燥時の加湿不足を防ぐことができるため、好ましい。
被処理空気の温度を検知するための温度検知手段として温度センサ14、湿度を検知するための湿度検知手段として湿度センサ15を吸気口2の周辺に配し、検知した室内空気の温度および湿度に基づいて、空気条件を判定し、回転速度を自動で判定させ、駆動部13を制御する。湿度が高い季節には、例えば、人が不快感をおぼえる相対湿度50%を上回る場合があり、そのような湿度を検知した場合には、加湿量を下げるために、回転速度を小さくするように制御する。これにより、人が存在している環境においても、人が不快感をおぼえることを防ぎつつ脱臭、除菌を行うことができる。なお、この場合の湿度の閾値は高湿度季節であることを安定して判定することができればよく、この限りではない。
フィルター部9を構成する材料としては、電解水に反応性の少ない材料、即ち、電解水による劣化が少ない材料、例えばポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタラート樹脂)、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料又はセラミック系材料等が使用され、本実施例では、ポリエステルが採用される。
給水タンク7により水道水がトレイ6に供給される。このときユーザーにより、塩化ナトリウムが同時にトレイ6に投入される。通電された電解ユニット8は、塩化物イオンを含んだ水を電気分解して、活性酸素種を含む電解水を生成する。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)等といった所謂広義の活性酸素を含むものである。
電解水中の活性種の濃度が高いほど、臭気成分や捕集した微生物との反応効率が高まり、反応速度を上げることができる。そのため、脱臭効果や除菌効果を高めたい場合には、電解水中の成分の濃度を上げることで、それを実現することができるといえる。
また、加湿量を下げるためにフィルター部9の回転速度を下げると、電解水と被処理空気の接触効率が減少するため、臭気成分や微生物の除去効率が低減してしまうと考えることができる。そこで、除去性能を維持するために、回転速度を小さくした場合に、電解強度を上げて活性種の濃度を高め、反応効率を上げると、減少した効率分を補完することができ、高い除去性能を維持することができる。
これにより電解水をフィルター部9に含ませることができ、結果として除菌、脱臭性能を高めた空気浄化装置を提供することができる。
以上のように、本実施例によれば、除菌、脱臭性能を高めることができる空気浄化装置を簡単な構成で提供することができる。
家庭用や事務用、公共空間などの、除菌・脱臭などの空気浄化装置としての活用が期待されるものである。
1 本体ケース
2 吸気口
3 吹出口
4 送風手段
5 空気浄化手段
6 トレイ
7 給水タンク
8 電解ユニット
9 フィルター部
10 水栓
11 キャップ
12 空気流路
13 駆動部
14 温度センサ
15 湿度センサ

Claims (1)

  1. 吸気口と吹出口とを有した本体ケースと、
    前記本体ケース内には、
    空気浄化手段と、
    前記吸気口から前記空気浄化手段を介して前記吹出口までを連通する空気流路と、
    前記空気流路に前記吸気口から空気を送風する送風手段と
    処理空気の湿度を検知する湿度検知手段と、を備え、
    前記空気浄化手段は、
    水を貯水するトレイと、
    前記トレイ内で水を電解水へ生成する電解ユニットと、
    中空円筒状にして回転可能に形成し前記電解水に一部が浸漬するように配置したフィルター部と、
    前記フィルター部の回転速度を可変する駆動部とを有し
    記湿度検知手段によって検知した湿度の値に基づいて、前記駆動部は前記フィルター部の回転速度を調整し、
    前記電解ユニットは電解強度を調整する空気浄化装置であって、
    前記湿度検知手段によって検知した湿度の値が50%以上100%未満の場合に、
    前記駆動部は、前記フィルター部の回転速度を小さくして加湿量を下げて、
    前記電解ユニットは、電解強度を大きくして除菌、脱臭性能を維持することを特徴とする空気浄化装置。
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