JP4721932B2 - 除菌装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、電解水ミストが到達しにくい大空間であっても効率よく空気中および物体表面の除菌を行うことが可能な除菌装置を提供することにある。
上記構成によれば、電解水生成部は、供給された水道水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成し、気液接触部材および電解水ミスト生成部に供給される。
これにより、気液接触部材には、電解水が浸透され、電解水ミスト生成部は、電解水ミストを生成する。
そして、送風部は、気液接触部材に対しては、気液接触部材内を通過させて空気を室内に吹き出すべく送風する。
一方、送付部は、電解水ミスト生成部に対しては、電解水ミストを室内に散布すべく送風することとなる。
また、前記制御部は、所定時刻に至ると、所定時間の間、前記電解水ミストを前記室内に散布させるようにしてもよい。
さらに、電解水ミスト生成部は、前記電解水を加振するための超音波振動子を備えているようにしてもよい。
さらにまた、前記電解水ミスト生成部は、電極を有し、水道水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットを備えて構成してもよい。
図1は、本発明の一実施形態を示す斜視図である。
図1において、床置き式除菌装置1は、箱形の筐体2を備え、この筐体2は、脚片2Aと、前パネル2Bと、天パネル2Cとを含み、この天パネル2Cの両側には、操作蓋2D、開閉蓋2Eがそれぞれ横並びに配置されている。
また、図3は、筐体の縦断面図である。
筐体2の内部には、図2に示すように、上下方向に延出する2枚の仕切り板51、52が設けられ、これら仕切り板51、52によって上記筐体2の内部は、3つの室(除菌室60、電装室61、給水室62)に区分けされている。筐体2の中央に形成された除菌室60の下部には、横長の吸込口3が形成され、この吸込口3の上方にはプレフィルタ3Aが配置されている。このプレフィルタ3Aの上方には、送風ファン7が支持板8を介して、上記仕切り板51、52に支持されている。この支持板8の上方には、保水性の高い気液接触部材5が、図3に示すように、筐体2の背面側から前面側に向けて下がるように斜めに配置されている。本実施形態では、この気液接触部材5は矩形形状に形成されており、当該気液接触部材5を筐体2内に斜めに配置することにより、この気液接触部材5の接触面積を減少させることなく、筐体2の高さ及び奥行きを小さくすることができ、この筐体2の小型化を図ることが可能となっている。
この吹出口4の一部であるミスト散布口4Aの下部には、電解水ミストMを散布すべく生成するためのミスト生成装置90が配置されている。
筐体2の左側に形成された電装室61には、図示を省略したが、当該空気調和装置1の運転制御を司るプリント基板などの電装部品が収容されている。
一方、筐体2の右側に形成された給水室62には、図2に示すように、上記水受皿9で受けた電解水を貯める給水タンク支持皿10と、この給水タンク支持皿10に貯めた電解水を汲み出す循環ポンプ13と、この循環ポンプ13で汲み出した水を電気分解して電解水を生成する電解槽31等が収容されている。
図4は、ミスト生成装置の断面図である。
ミスト生成装置90は、電解槽31により生成され、供給された電解水WEを蓄える電解水貯水部91と、電解水貯水部91内の電解水EWを加振して電解水ミストMを生成する超音波振動子92と、ミスト生成装置90の上部筐体93と、電解水貯水部91および上部筐体93により形成され、送風ファン7からの空気が下面開口94から導入され、電解水ミストMとともにミスト散布口4Aから放出されるための送風路95と、を備えている。
上記構成により、ミスト生成装置90の超音波振動子92は、電解水貯水部91内の電解水EWを加振して電解水ミストMを生成する。このとき、送風ファン7からの空気が下面開口94から導入され、生成された電解水ミストMとともにミスト散布口4Aから放出され、室内に散布されることとなる。
気液接触部材5の下方には、水受皿9が配置され、この水受皿9には、給水タンク支持皿10が連接されている。この給水タンク支持皿10には、当該支持皿10内に塩素イオンを含む水道水を供給する給水タンク11と、循環ポンプ13とが配置されている。この循環ポンプ13には電解槽31が接続され、この電解槽31には、三方弁35を介して電解水供給管17A、17Bが接続されている。電解水供給管17Aは、軸方向に沿って略等間隔で形成された多数の散水孔77を備えて構成されている。これら各散水孔77は、気液接触部材5の各エレメント部E(後述する)に対応する位置に形成されている。また、電解水供給感17Bは、ミスト生成装置90の電解水貯水部91に電解水EWを供給可能に接続されている。
電解槽31は、図6に示すように、水受皿9及び給水タンク支持皿10より上方に配置され、電解槽31には循環ポンプ13が運転を開始すると、給水タンク支持皿10から吸い上げられた水が貯留され、循環ポンプ13が運転を停止すると、電解槽31内の水は重力により給水タンク支持皿10に自然落下し、電解槽31が空になる。
電極32、33は、例えばベースがTi(チタン)で皮膜層がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された電極板であり、この電極32、33に流れる電流値は、電流密度で数mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)〜数十mA/cm2になるように設定され、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、
水に含まれる塩素イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
従って、電極32、33に通電することにより、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)を発生させ、この次亜塩素酸が供給された気液接触部材5に空気を通過させることにより、この気液接触部材5で雑菌が繁殖することを防止でき、気液接触部材5を通過する空気中に浮遊するウィルスを不活化することができる。また、空気中の臭気も気液接触部材5を通過する際に、次亜塩素酸と反応し、イオン化して溶解するので、空気が脱臭される。
図7は、気液接触部材の外観斜視図である。
気液接触部材5は、図7に示すように、電解水を浸透させるとともに空気を通過させる複数(本実施形態では5つ)のエレメント部Eと、これらエレメント部Eを支持するフレーム部Fとを備えて構成されている。このフレーム部Fは、下枠71と、この下枠71の両端に固定される一対の縦枠72、73と、一方の縦枠72の上部を貫通して他方の縦枠73の上部に先端が固定される電解水供給管17と、この電解水供給管17を覆うように一対の縦枠72、73の上端部間に固定される上枠(散水部)74とを備える。すなわち、電解水供給管17は、気液接触部材5の長手方向に沿って形成された上枠(散水部)74に挿入されている。
この上枠74は、図8に示すように、上板74A、前板74B及び背板74Cを有する断面略コ字状に形成され、これら前板74B及び背板74Cの内側の面には、それぞれ上板74Aに略平行に延出した各一対の支持部材75、75が形成されている。これら支持部材75、75の間には、電解水供給管17の下方に配置される第1分流シート76が差し込まれて支持されている。この第1分流シート76は、上記電解水供給管17に形成された多数の散水孔77から滴下された電解水を当該第1分流シート76全体に拡散させることにより、上記エレメント部Eの上面に均一に電解水を供給可能とするものである。
また、上板74Aの内側の面には、前板74B及び背板74Cに略平行に延出した一対のガイド片79A、79Bが形成されている。また、下枠71の下面には、エレメント部Eに滴下された余剰の電解水を、水受け皿9に排出する排水口71Aが形成されている。
エレメント部Eは、図9に示すように、波板状の波板部材81と平板状の平板部材82とが積層されて構成され、これら積層された波板部材81及び平板部材82の両端に、当該エレメント部の縦枠を構成する一対の枠部材83が配置されている。この枠部材83は、プラスチック等の樹脂によって形成されており、この枠部材83を、積層された波板部材81及び平板部材82の両端に配置することにより、当該エレメント部Eの取り扱いが容易となる。また、エレメント部Eは、上記波板部材81及び平板部材82を積層させることにより、これら波板部材81と平板部材82との間に略三角状の多数の開口85が形成され、気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
各エレメント部Eは、フレーム部Fの縦枠72、73間に並べて配置されており、これらエレメント部Eの上面(上縁部)には、複数枚の第2分流シート84がそれぞれ配置されている。この第2分流シート84は、第1分流シート76を介して、各エレメント部Eの上面に供給された電解水を当該エレメント部Eの上面全体に拡散させるものである。
上述のように、気液接触部材5は矩形形状に形成されるとともに、筐体2内に斜めに配置されている。このため、電解水を単に滴下した場合には、この電解水は第1分留シート76の下部76Bに集中することにより、エレメント部Eの背面側には電解水が浸透するものの、当該エレメント部Eの前面側には電解水が浸透しにくく、結果的に均一に電解水をエレメント部Eへ浸透できないことにより、十分な除菌効果が得られないことが考えられる。
このため、本実施形態では、第1分留シート76の全面に均一に電解水を供給すべく、電解水供給管17Aには、筐体2の前面側に向けて略横向きに散水孔77が形成されている。本明細書では、略横向きとは水平方向のみならず、第1分留シート76もしくはエレメント部Eの上面に均一に電解水を供給可能な角度を含む。
具体的には、散水孔77は、図6に示すように、上枠74の前板74B側に形成されたガイド片(内壁)79Aに対向する位置に形成されており、気液接触部材5の傾斜角度をθ(度)とした場合、上記散水孔77は、水平面に対する仰角が90−θ(度)となる位置に形成されている。また、散水孔77は、電解水供給管17の軸方向の所定間隔ごとに略一直線上に形成されている。
さらに、上記散水孔77からの当該孔径に対応する総散水量は、循環ポンプ13の吐出量よりも少なく設定されている。このため、電解水供給管17内の電解水圧力が高められ、電解水が末端の散水孔77にまでくまなく供給され、これによって、気液接触部材5の長手方向の隅々にまで電解水を均等に浸透させることができる。
図10は、実施形態の処理フローチャートである。
本実施形態においては、床置き式除菌装置1は、タイマ運転により起動されるものとする。
まず、床置き式除菌装置1の図示しない制御装置(マイクロコンピュータなどとして構成)は、タイマ装置を監視しており、起動予定時刻である所定時刻に至ったか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において、未だ起動予定時刻に至っていない場合には(ステップS1;No)、待機状態(あるいはスリープ状態)となる。
ステップS1の判別において、起動予定時刻に至った場合には、床置き式除菌装置1の運転が開始される。
そして、床置き式除菌装置1の図示しない制御装置は、循環ポンプ13を駆動し、これにより、給水タンク支持皿10に溜まった水道水が、電解槽31に供給される。
このとき、三方弁35は、電解水供給感17B側に切り替えられており、電解水貯水部91内に所定量の電解水EWが供給される。
これにより、ミスト生成装置90の超音波振動子92は、電解水貯水部91内の電解水EWを加振して電解水ミストMを生成する。
これと並行して、床置き式除菌装置1の図示しない制御装置は、送風ファン7を駆動する。この結果、送風ファン7からの空気がミスト生成装置90の下面開口94から導入され、生成された電解水ミストMとともにミスト散布口4Aから放出され、室内に散布されることとなる(ステップS2)。
この結果、室内の机、棚、テーブル、椅子など物体の表面(特に上面)には、電解水ミストが付着し、当該物体の表面の除菌がなされることとなる。
なお、床置き式除菌装置1の起動予定時刻としては、散布中には室内に人がいないような始業開始前時刻などに設定されているのが好ましい。
ステップS3の判別において、いまだ電解水ミストMの散布終了時間が経過していない場合には(ステップS3;No)、処理を再びステップS2に移行して、電解水ミストMの散布を継続する。
ステップS3の判別において、電解水ミストMの散布終了時間が経過した場合には(ステップS3;Yes)、電解水ミストMの散布を終了し、通常運転に移行する(ステップS4)。
通常運転時においては、三方弁35は、電解水供給感17A側に切り替えられており、
この電解水EWは、電解水供給管17の散水孔77(図6)から吐出され、上枠74に形成されたガイド片79に当たって、第1分流シート76上に滴下される。これにより、電解水が第1分流シート76全体に拡散し、この電解水が第2分流シート84に落下する。この落下した電解水は第2分流シート84に浸透して、この第2分流シート84全体に拡散し、エレメント部Eの上部全体に電解水を供給し、これによって、電解水がエレメント部Eの波板素材81及び平板素材82の隅々に浸透するようになっている。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
O2 -+e-+2H+→H2O2
のように、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
この場合、電極の極性を反転(電極のプラスとマイナスを切り替える)させることが効果的である。カソード電極をアノード電極として電気分解することで、カソード電極上に堆積したスケールを取り除くことができる。この極性反転制御では、例えばタイマを利用して定期的に反転させてもよいし、運転起動の度に反転させる等、不定期的に反転させてもよい。また、電解抵抗の上昇(電解電流の低下、あるいは電解電圧の上昇)を検出し、この結果に基づいて、極性を反転させてもよい。
4A ミスト散布口
5 気液接触部材
7 送風装置(送風部)
17A、17B 電解水供給管
31 電解槽(電解水生成部)
35 三方弁
90 ミスト生成装置
91 電解水貯水部
92 超音波振動子
93 上部筐体
94 下面開口
95 送風路
77 散水孔
E エレメント部
F フレーム部
Claims (5)
- 供給された水道水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成する電解水生成部と、
前記電解水が供給されて前記電解水が浸透される気液接触部材と、
前記電解水が供給され、前記電解水から電解水ミストを生成する電解水ミスト生成部と、
前記気液接触部材内を通過させた空気を吹出口から室内に吹き出すとともに、前記気液接触部材内を通過させた空気の一部を前記電解水ミスト生成部に導入し、前記電解水ミストを、前記吹出口の一部であり前記電解水ミスト生成部の上部に配置されたミスト散布口から前記室内に散布すべく送風する送風部と、
を備えることを特徴とする除菌装置。 - 請求項1記載の除菌装置において、
前記気液接触部材、或いは、前記電解水ミスト生成部に択一的に前記電解水を供給する三方弁と、
前記三方弁を切り替えて、前記電解水を前記電解水ミスト生成部に供給し、前記電解水ミストを前記室内に散布させる制御部と、を備えたことを特徴とする除菌装置。 - 請求項2記載の除菌装置において、
前記制御部は、所定時刻に至ると、所定時間の間、前記電解水ミストを前記室内に散布させることを特徴とする除菌装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の除菌装置において、
電解水ミスト生成部は、前記電解水を加振するための超音波振動子を備えていることを特徴とする除菌装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の除菌装置において、
前記電解水ミスト生成部は、電極を有し、水道水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットを備えて構成されていることを特徴とする除菌装置。
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