JP2012052166A - 塩徐放用カートリッジを備えた電解水生成装置、及びこの電解水生成装置を備えた除菌装置若しくは空気清浄装置 - Google Patents

塩徐放用カートリッジを備えた電解水生成装置、及びこの電解水生成装置を備えた除菌装置若しくは空気清浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水を電気分解して次亜塩素酸を生成するシステムにおいて、塩化物イオン濃度が低い原水が電解部へ供給される状況の場合、その原水の塩化物イオン濃度を上昇させるために、食塩を原水に拡散させて電解部の水の塩化物イオン濃度が所期の値となる簡単な手段を提供する。
【解決手段】カートリッジ本体部102内にNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液が充填され、この水溶液が染み込みこの水溶液から塩化物イオンが塩化物イオン濃度を高めたい水に拡散する拡散機能部材104が、カートリッジ本体部の供給端部に露出するようにカートリッジ本体部内に配置され、供給端部の拡散機能部材部分を除いて密閉可能構造である塩徐放用カートリッジ100と、水の電気分解によって次亜塩素酸を含む電解水114を生成する電解部110を備え、供給端部から露出する拡散機能部材部分が電解部の水に浸るように、電解部に塩徐放用カートリッジを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解部によって水を電気分解して次亜塩素酸を生成する技術において、この水の中の塩化物イオン(Cl)濃度が低い状況の場合、その水の塩化物イオン濃度を上昇させる簡素化された技術に関し、特に、水の塩化物イオン濃度を上昇させる塩徐放用カートリッジを備えた電解水生成装置及び除菌装置若しくは空気清浄装置に関する。
水を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成し、この電解水を除菌や脱臭を行なう部位に連続的または断続的に供給するが回収しない方式、所謂非循環系供給方式とする技術は従来から存在する。この技術として、水道水が供給される電解槽で生成した次亜塩素酸を含む電解水を加湿エレメントへ供給して、この加湿エレメントの除菌、脱臭を行なうものとして、特許文献1がある。
また、次亜塩素酸を含む電解水を霧状にして室内や出入り口に散布し、殺菌・脱臭を行なう装置として、特許文献2、3及び4がある。
また、次亜塩素酸を含む電解水を野菜に噴霧して殺菌する方法として、特許文献5がある。
次亜塩素酸を含む電解水によって所定の除菌、脱臭の効果を得るためには、次亜塩素酸を生成するために電解部へ供給される水道水やその他の水(以下、原水という)の中の塩化物イオン濃度が所定の値以上でなければ、その目的が達成されない。このため電解水の次亜塩素酸濃度を測定し、その濃度が所定値よりも低い場合は、ポンプの運転によって、薬液タンク内の次亜塩素酸ソーダ等の次亜塩素酸塩を補充する技術として、特許文献6がある。
特開2002−181358号公報 特開2000−197689号公報 特開2009−261596号公報 特開2010−142560号公報 特開2009−072065号公報 特開2006−026214号公報
水の電気分解によって生成される次亜塩素酸を含む電解水によって、所定の除菌、脱臭の効果を得るためには、原水の中の塩化物イオン濃度が所定の値以上でなければ、所期の濃度の次亜塩素酸を生成できず、除菌、脱臭の所期の目的が達成されない。ところが、水道水等の水質は地域によって異なり、その中に含まれる塩化物イオン濃度にも差異がある。このため、塩化物イオン濃度が低い原水を使用する場合は、その供給された原水の塩化物イオン濃度を高めた状態で電気分解をする必要がある。
本発明は、電解部によって水を電気分解して次亜塩素酸を生成するシステムにおいて、この水の中の塩化物イオン(Cl)濃度が低い原水が電解部へ供給される状況の場合、その原水の塩化物イオン濃度を上昇させる簡素化された技術を提供するものである。
本発明では、特許文献6のように、次亜塩素酸濃度の測定を行なって、その濃度が低い場合に特別な薬剤をポンプによって補充する、という複雑且つ高価なものではなく、薬剤ポンプの不要な構成によって、電解部の水の塩化物イオン濃度が所期の値となる簡単な手段を提供するものである。
このため、本発明では、上記原水に拡散させる塩化物イオン源として、簡単に手に入る食塩を使用する構成とする。そして、電解部の水に塩化物イオンを補充する手段として、上記原水よりも塩化物イオン濃度が高い、所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液となるように、食塩が水に溶けた所定濃度の水溶液が充填された塩徐放用カートリッジを用意し、この塩徐放用カートリッジを上記電解部に取り付け、塩徐放用カートリッジ内の前記水溶液から塩化物イオンが、自然に電解部の水に徐々に拡散して、所期の塩化物イオン濃度の水が電解部に形成される技術を提供する。
このため、塩徐放用カートリッジは、その中の前記水溶液が染み込むと共にこの水溶液を保水する機能のフェルトが、塩徐放用カートリッジの内部から供給端部に亘って配置された構成とし、このフェルトの一部が電解部の水に浸る状態とすることによって、塩徐放用カートリッジ内の前記水溶液から塩化物イオンが、このフェルト部分を通して電解部の水へ拡散する構成の塩徐放装置を提供する。
また、本発明は、貯水タンクの原水をポンプで汲み上げて電解部へ供給し、電解部で生成した次亜塩素酸を含む電解水を除菌の必要部へ供給し、再びその水を貯水タンクへ帰還させる循環式除菌装置において、貯水タンクの原水が塩化物イオン濃度の低い原水である場合、上記塩徐放用カートリッジによって所期の塩化物イオン濃度の水が電解部に形成される技術を提供する。
第1発明は、カートリッジ本体部内に所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液が充填され、この水溶液が染み込みこの水溶液から塩化物イオン(Cl)が塩化物イオン(Cl)濃度を高めたい水に拡散する拡散機能部材が、前記カートリッジ本体部の供給端部に露出するように前記カートリッジ本体部内に配置され、前記供給端部の拡散機能部材部分を除いて密閉可能構造である塩徐放用カートリッジと、水の電気分解によって次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解部を備え、前記供給端部から露出する拡散機能部材部分が前記電解部の水に浸るように、前記電解部に前記塩徐放用カートリッジを備えたことを特徴とする。
第2発明は、第1発明の電解水生成装置において、前記拡散機能部材がフェルトで構成されたことを特徴とする。
第3発明は、第2発明の電解水生成装置において、前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部が筒状を形成し、前記先端の前記拡散機能部材部分は全周で前記供給端部に密着した状態で、前記供給端部に露出した構成であることを特徴とする。
第4発明は、第2発明または第3発明の電解水生成装置において、前記塩徐放用カートリッジは、前記先端の前記拡散機能部材部分が前記電解部内の水に浸るように前記供給端部が前記電解部内の底部に配置されたことを特徴とする。
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれかの電解水生成装置において、前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部に露出した拡散機能部材部分は、空気中では、前記所定濃度の水溶液が垂れない状態を維持し、電解部の水に接触した状態では、前記塩徐放用カートリッジ内の水溶液から塩化物イオンが連続拡散の作用をする連続通路構成であることを特徴とする。
第6発明は、第1発明乃至第5発明のいずれかの電解水生成装置において、前記塩徐放用カートリッジは、前記電解部に対し交換可能な取り付け構成であることを特徴とする。
第7発明は、第1発明乃至第6発明のいずれかの電解水生成装置において、前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部に露出した拡散機能部材部分の表面積によって、拡散量を設定する構成であることを特徴とする。
第8発明は、第1発明乃至第7発明のいずれかの電解水生成装置において、前記電解部の水は、貯水タンクの水を汲み上げるポンプの運転にて前記供給端部に露出した拡散機能部材部分が浸る水位となり、前記ポンプの停止にて前記供給端部に露出した拡散機能部材部分が前記電解部の水の上位へ露出することを特徴とする。
第9発明は、第1発明乃至第8発明のいずれかに記載の電解水生成装置を備えたことを特徴とする。
電解部によって水を電気分解して次亜塩素酸を生成するシステムにおいて、塩化物イオン(Cl)濃度が低い原水が電解部へ供給される状況の場合、電解部の原水の塩化物イオン濃度を上昇させる手段として、本発明の塩徐放用カートリッジの採用により、内部に充填された所定濃度の水溶液が、供給端部の拡散機能部材の部分からの拡散によって、電解部の水の塩化物イオン濃度を高めることができる。このため、特別な薬剤の補充や薬剤供給ポンプの運転も不要であり、簡単且つ安価な手段によって、原水の電解部の塩化物イオン濃度を高めることができるものとなる。また、塩化物イオン濃度を高めたい水に拡散機能部材の一部を浸すことによって、電気分解するための水の塩化物イオン濃度を高めることができるため、電解部に塩徐放用カートリッジを取り付けるだけでよく、充填された高濃度の水溶液を供給するための特別な配管も不要であり、簡素な構成でもって所期の目的が達成できるものとなる。
第2発明は、拡散機能部材がフェルトで構成されることによって、低コストでもって前記水溶液から塩化物イオンの拡散機能が保たれるため、塩化物イオン濃度が低い原水への塩化物イオンの供給として好適である。
また、第3発明によって、塩徐放用カートリッジは、供給端部が筒状を形成し、拡散機能部材であるフェルト部分は、拡散機能部材部分の全周で供給端部に密着した状態であるため、供給端部から露出したフェルト部分は、塩化物イオン濃度を高めたい水に浸った状態では前記水溶液から塩化物イオンを拡散する拡散部となり、水との接触が断たれた状態が長時間継続した場合は、この部分へ塩の結晶が生成されることによって、内部のNaCl溶液の封止効果が得られるものとなる。そして、再びこのフェルト部分が水に浸れば、この塩の結晶が自然に融けて、再び前記水溶液から塩化物イオンの拡散部として作用することとなる。このため、フェルト部分への水の供給の有無によって、自然に拡散機能の回復が得られるものとなり、機能回復に特別な構成が必要なく、構造的にも簡素化され、低コスト化に適するものとなる。
また、第4発明によって、塩徐放用カートリッジは、先端の拡散機能部材部分が電解部内の水に浸るように供給端部が電解部内の底部に配置される構成により、電解部内の有効水位内で電気分解が有効に行なえるものとなる。
また、第5発明によって、供給端部のフェルト部分は連続通路構成であり、塩化物イオン濃度を高めたい水に浸った状態では、塩化物イオンの拡散部として機能するが、システムの動作に応じて電解水生成部の動作を停止している時間中のように、水との接触が断たれて空気中に晒された状態では、この部分へ塩の結晶が生成されるまでは、所定濃度の水溶液が垂れない状態を維持するため、所定濃度の水溶液の無駄な流出を防止できるものとなる。
また、第6発明は、内部に充填された所定濃度の水溶液が不足した場合、電解部に対して新規な塩徐放用カートリッジと交換すれば、適用されたシステムの継続稼動が維持できると共に、メンテナンスも簡単である。
また、第7発明によって、供給端部に露出したフェルト部分の表面積によって、前記水溶液からの塩化物イオンの拡散量を設定することができるため、電解部によって水を電気分解して次亜塩素酸を生成するシステムに応じた塩徐放用カートリッジを作製すればよく、システム毎の塩添加手段として好適である。
また、第8発明は、電解部の水位は、ポンプの運転によって供給端部に露出した拡散機能部材部分が浸る水位となり、ポンプの停止にて供給端部に露出した拡散機能部材部分が露出する状態となるため、除菌動作の開始にてポンプを運転し、電解部での電解作用を行なうことにより、所期の電解水を生成できる。また、除菌動作の停止状態ではポンプを停止すれば、拡散機能部材部分が露出するため、除菌動作の停止期間中における塩化物イオンの拡散を停止でき、塩徐放用カートリッジからの塩化物イオンの不必要な拡散を抑制でき、塩徐放用カートリッジの使用期間を長くできるものとなる。
また、第9発明は、水道水等の水質が異なる地域において使用される家庭用または業務用の電気機器に適用される除菌装置として、第1発明乃至第8発明の効果を奏することにより、所期の除菌・脱臭効果を得る電気機器の提供ができるものとなる。
本発明に係る塩徐放用カートリッジを取り付けた電解水生成装置の概略構成図である。 本発明に係る塩徐放用カートリッジの供給端部の断面図である。 本発明に係る塩徐放用カートリッジの他の形態の供給端部の断面図である。 本発明に係る塩徐放用カートリッジにより塩化物イオン(Cl-)の拡散を確認する構成図である。 図4の構成における塩化物イオン濃度を高めた場合の水の導電率の経時変化を示す図である。 本発明に係る塩徐放用カートリッジを取り付けた他の形態の電解水生成装置の概略構成図である。 本発明の電解水生成装置を組み込んだ空気清浄装置の外観を示す斜視図である。 図7に示す空気清浄装置の内部構成を示す斜視図である。 図7に示す空気清浄装置の内部構成を示す右側断面視図である。 図7に示す空気清浄装置の電解水の供給の様子を説明する空気除菌機構の構成を示す模式図である。 本発明に係る塩徐放用カートリッジを取り付けた電解水生成装置を組み込んだ貯水槽の除菌装置の構成図である。
本発明は、カートリッジ本体部内に所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液が充填され、この水溶液が染み込みこの水溶液から塩化物イオン(Cl)が塩化物イオン(Cl)濃度を高めたい水に拡散する拡散機能部材が、前記カートリッジ本体部の供給端部に露出するように前記カートリッジ本体部内に配置され、前記供給端部の拡散機能部材部分を除いて密閉可能構造である塩徐放用カートリッジと、水の電気分解によって次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解部を備え、前記供給端部から露出する拡散機能部材部分が前記電解部の水に浸るように、前記電解部に前記塩徐放用カートリッジを備えたことを特徴とする電解水生成装置であり、以下に、その実施例を記載する。
以下、電解部において次亜塩素酸を含む電解水を生成する場合について、本発明に係る塩徐放用カートリッジ、この塩徐放用カートリッジを備えた電解水生成装置、及びこの電解水生成装置を備えた除菌装置の実施例を図に基づき説明する。
図1には、本発明に係る塩徐放用カートリッジ100を電解部110に備えた電解水生成装置120の構成を示している。電解水生成装置120は、所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液103(塩水溶液103と称することもできる)が充填された塩徐放用カートリッジ100と、水の電気分解によって次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解部110を備え、塩徐放用カートリッジ100内に配置した拡散機能部材104を通して、水溶液103から塩化物イオン(Cl)が電解部110の水に拡散して、電解部110の水の塩化物イオン(Cl)濃度を高める構成である。
図1において、電解部110は、電解槽110A内にアノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bが対向配置されており、アノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bへ電池111Dからの通電によって、電解槽110A内の水が電気分解され、それによって生成される次亜塩素酸を含む電解水114が、電解部110からパイプ119を通って除菌機能部へ導出される。この除菌機能部は、後述の空気清浄装置の空気浄化エレメント等である。
電解部110のアノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bは、例えば、Ti(チタン)のベース板の表面にIr(イリジウム)、Pt(白金)の被覆膜が形成された構成であり、電解槽110A内の水が所定濃度の塩素濃度状態であれば、このアノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bに印加する電流密度は20mA/cmとした場合、例えば、1mg/Lの所定の遊離残留塩素濃度を発生させるものである。実施例では、電解部110によって生成される次亜塩素酸濃度が、10mg/L〜200mg/Lであり、その範囲において、例えば10mg/Lを採用することにより、安定した除菌、脱臭を行なうことができるものとなる。
この次亜塩素酸による除菌、脱臭効果を得るためには、アノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111B間に電池111Dから電圧を印加して通電する。
アノード電極(陽極)111Aでは、下記式(1)に示すように水が電気分解される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(1)
これと共に、アノード電極(陽極)111Aにおいては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl)が下記式(2)に示すように酸化反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl- →Cl2+2e- ・・・(2)
更に、この塩素は下記式(3)に示すように加水分解し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(3)
一方、カソード電極(陰極)111Bでは、下記式(4)に示す反応が行なわれる。
2H++2e-→H2 ・・・(4)
塩徐放用カートリッジ100は、カートリッジ本体部102内に所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液103が充填され、この水溶液103が染み込みこの水溶液103から塩化物イオン(Cl)が、塩化物イオン(Cl)濃度を高めたい水に拡散する拡散機能部材104として、フェルト104が、本体部102の先端の供給端部101に露出するように、供給端部101の略中心軸上に配置されている。供給端部101は筒状を形成しており、先端のフェルト部分104Aは少なくとも一部が、全周で供給端部101に密着した状態で、先端のフェルト部分104Aが供給端部101に露出しており、供給端部101に露出したフェルト部分104Aを除いて、本体部102内は密封構造である。所定濃度の水溶液103は、簡単に手に入る食塩が純水に溶解した状態である。
塩徐放用カートリッジ100は、先端のフェルト104部分が電解部110内の電解槽110A内の水に浸るように、供給端部101が電解槽110Aの底部に配置されるように、供給端部101が電解槽110Aに着脱自在に取り付けられている。図1に示す塩徐放用カートリッジ100は、容器状の本体部102の底部から横方向に筒状の供給端部101が延びており、フェルト104は、その供給端部101内において供給端部101の略中心軸上に配置され、先端のフェルト部分104Aが電解槽110A内の水に浸る状態である。
フェルト104は、本体部102の内部の所定濃度の水溶液103が染み込むと共にこの染み込んだ水溶液を保水し、先端のフェルト部分104Aが塩化物イオン濃度の低い水(原水という)に浸った状態で、フェルト部分104Aからこの原水に、水溶液103から塩化物イオン(Cl)等のイオンが拡散する機能を備えたものである。フェルト104は、例えばフェルトペンのような状態維持であり、水溶液103を保水した状態において、供給端部101のフェルト部分104Aは、空気中では、所定濃度の水溶液103が垂れない状態を維持し、水に接触した状態では、原水にカートリッジ100内の高濃度の水溶液103が連続拡散作用をするための連続通路構成と密度を保った棒状に形成されている。
フェルト104の種類は多数あるが、上記のような拡散機能を備えるものであれば、粗毛フェルト、植物繊維系フェルト、動物繊維系フェルト、合成繊維系フェルトのいずれでもよい。
塩徐放用カートリッジ100の供給端部101内に配置されたフェルト部分104Aは、図1に示すように、先端が供給端部101から突出する状態でもよいが、図2または図3に示す形態とすることもできる。図2は、塩徐放用カートリッジ100の供給端部101内に配置されたフェルト部分104Aの拡大図である。この構成では、供給端部101の先端は、供給端部101の中心軸方向に開口101Aを形成しており、フェルト部分104Aの先端は、供給端部101の先端の開口101Aに内方から臨むように、開口101Aよりも内側に位置した状態である。このため、フェルト部分104Aの先端が、開口101Aを通して電解槽110A内の水に浸る状態である。供給端部101の先端の開口101Aの内面101A1には、撥水処理加工がされている。後述のように、電解槽110A内の水が減少または無くなる状態にて、撥水処理された開口101Aでは水が弾かれ、開口101Aに臨むフェルト部分104Aの先端には、時間の経過と共に水溶液103の塩が結晶化し、その結晶塩103Aとなる。その結晶塩103Aによって、このフェルト部分104Aが覆われ、この部分からの水溶液103の蒸発及びまたは水垂れが防止される。
図3は、他の実施形態として、塩徐放用カートリッジ100の供給端部101内に配置されたフェルト部分104Aの拡大図である。この構成では、供給端部101の先端は、供給端部101の中心軸方向に対して上向きの開口101Aを形成した受け皿型加工がされており、フェルト部分104Aの先端は、供給端部101の先端の開口101Aに内方から臨むように、開口101Aよりも内側に位置した状態である。このため、フェルト部分104Aの先端が電解槽110A内の水に浸る状態である。フェルト部分104Aの先端は、図2のように上下方向に切断した端面であってもよいが、拡散面積を確保する形状として、開口101Aに対して直角状の段落部104A1を形成する加工がされており、後述のように、電解槽110A内の水が減少または無くなる状態にて、開口101Aの部分において、先端のフェルト部分104Aの段落部104A1には、時間の経過と共に水溶液103の塩が結晶化し、その結晶塩103Aとなる。その結晶塩103Aによって、このフェルト部分104Aが覆われ、この部分からの水溶液103の蒸発及びまたは水垂れが防止される。
図5には、塩化物イオン濃度を高めたい水106に、塩徐放用カートリッジ100の水溶液103から塩化物イオンを拡散させて、塩化物イオン濃度を高めた場合の水の導電率の経時変化を示している。この場合の実施構成は、図4に示すように、円筒形等の筒状本体部102内には、所定濃度の水溶液103として、NaClの重量パーセントが1.8wt%の濃度の水溶液103が10mL(mLはミリリットルを意味する)充填された塩徐放用カートリッジ100を用意し、純水(精製水)106を100mL入れた容器105内の純水106に、塩徐放用カートリッジ100の先端のフェルト部分104Aの全体が浸るようにセットする。この状態で、塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103から塩化物イオンが、先端のフェルト部分104Aから純水106に拡散されるが、この拡散によって、純水106の塩(NaCl)の濃度がどのように変化するかを、純水106の導電率で確認した結果が図5である。塩(NaCl)の濃度が高いほど導電率が高くなる。
この確認において、72時間経過したとき容器105内の純水106を新たな純水106に入れ替えた場合の純水106の導電率を調べたものを図5に示している。これから明らかなように、時間の経過に伴う導電率の変化は、略一定していることが判る。このため、塩化物イオン濃度を高めたい水(これを原水107ということとする)に、先端のフェルト部分104Aから連続して塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103から塩化物イオンを拡散すれば、所期の除菌・脱臭効果を得るための電解水を生成できることが解る。
なお、図4に示す装置によって、長い時間に亘って塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103から塩化物イオンを拡散させることによって、塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103が、全て純水106へ溶け込んだときの導電率4100μs/cmに達するまでの時間は、1966.92時間(約82.0日=約2.7ヶ月)であることが判明している。このため、重量パーセントが1.8%の高濃度の水溶液103が10mL充填された塩徐放用カートリッジ100を用意し、この塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103から塩化物イオンを拡散すれば、約82日間に亘って塩を補充し続けることができるものとなり、除菌・脱臭を目的とする大概の機器の電解水生成装置へ適用可能となる。
図1を参照して、本発明の電解水生成装置120において、電解部110への水の供給は、水源113としての貯水タンク113の水は原水107であり、貯水タンク113の原水107は、ポンプ108の運転にて汲み上げられて密閉状態の電解槽110Aへ供給される。上記のように、電解部110には塩徐放用カートリッジ100が取り付けられており、塩徐放用カートリッジ100の先端のフェルト部分104Aから、塩徐放用カートリッジ100内の水溶液103から塩化物イオンが、先端のフェルト部分104Aから電解槽110A内の原水107に拡散され、所期の塩化物イオン濃度の食塩水となった改良原水107Aが電解部110に形成される。このため、電解部110内の水の塩化物イオン濃度が高められた状態となる。塩徐放用カートリッジ100内の所定濃度の水溶液103は、実施例では、NaClが1.8wt%の高濃度のものである。電解部110に供給される原水107は、上水道水である場合が一般的であるため、本発明では、この原水107に塩化物イオンを拡散させるものであるため、上記の高濃度の意味は、原水107である上水道水と比較すれば高い濃度という意味である。
このように、塩化物イオン濃度が高められた電解部110内の水中には、アノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bが配置されており、このアノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bへ電池111Dからの通電によって、電解槽110A内の水が電気分解され、それによって生成される次亜塩素酸を含む電解水114が生成される。そして、この電解水114は、ポンプ108の運転に伴って、電解部110からパイプ119を通って除菌機能部へ導出される。この除菌機能部は、後述の空気清浄装置の空気浄化エレメント等である。
電解水生成装置120を備えた除菌装置としては、後述の空気清浄装置、水処理装置、洗濯機等、種々に装置や機器がある。この除菌装置の除菌動作の開始にてポンプ108が運転されると共に、アノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bへ電池111Dから通電され、上記のように、電解槽110A内の水が電気分解され、次亜塩素酸を含む電解水114が生成される。除菌装置の除菌動作の停止にてポンプ108が運転を停止し、アノード電極(陽極)111Aとカソード電極(陰極)111Bへの電池111Dからの通電も絶たれる。ポンプ108の運転停止によって、電解槽110A内の水はポンプ108を通して貯水タンク113へ流下し、電解槽110A内の水は減少または無くなり、開口101Aに臨む先端のフェルト部分104Aが空気に晒される状態となる。この状態にて、図2または図3に示す形態において、開口101Aに臨むフェルト部分104Aの先端には、時間の経過と共に水溶液103の塩が結晶化し、その結晶塩103Aが形成される。
このように、本発明に係る電解水生成装置120において、除菌動作の開始にてポンプ108を運転し、電解部110での電解作用を行なうことにより、所期の電解水を生成できる。また、ポンプ108が停止すれば、供給ライン109の水が減少または無くなる構成にて、先端のフェルト部分104Aが空気に晒される状態となる。このため、除菌動作の停止状態ではポンプ108を停止すれば、先端のフェルト部分104Aが露出するため、除菌動作の停止期間中におけるNaClの拡散を停止でき、不必要なNaClの拡散を抑制でき、塩徐放用カートリッジの使用期間を長くできるものとなる。また、この状態が長時間に亘る場合は、先端のフェルト部分104Aに付着した所定濃度の水溶液103の塩が結晶化し、その結晶塩103Aにてこのフェルト部分104Aが覆われることによって、この部分からの水溶液103の蒸発が防止される状態となる。なお、供給端部101のフェルト部分104Aは、空気中では、所定濃度の水溶液が垂れない状態を維持する密度の連続通路構成であるが、万一、フェルト部分104Aからの水溶液103の水垂れが懸念される場合でも、フェルト部分104Aが結晶塩103Aで覆われることにより、この部分からの水溶液103の水垂れが防止される状態となる。
塩徐放用カートリッジ100は、電解水生成装置120に取り付けた状態において、上記のような拡散によって内部に充填された高濃度の水溶液103が不足した場合または無くなった場合、高濃度の水溶液103を再充填する方式ではなく、新規な塩徐放用カートリッジ100と交換する方式である。このため、電解槽110Aの側壁に塩徐放用カートリッジ100の供給端部101が着脱自在な取り付け部110A1を設け、取り付け部110A1に供給端部101をネジや差込式にて着脱自在である。なお、取り付け部110A1には、供給端部101が差し込まれることに伴って自動的に開き、供給端部101が電解槽110A内に侵入し、供給端部101を引き抜いたときは自動的に閉じる自動開閉弁機構を備えるようにすれば、塩徐放用カートリッジ100の着脱もし易く、また、塩徐放用カートリッジ100を取り外した状態で、電解槽110A内への塵埃、虫等の侵入を防止できるものとなる。
塩徐放用カートリッジ100は、供給端部101から露出したフェルト部分104Aの表面積によって、単位時間あたりの塩化物イオンの拡散量が決まるため、塩徐放用カートリッジ100が適用される装置に応じた拡散量とするように、フェルト部分104Aの表面積によって塩化物イオンの拡散量を設定することができる。
また、供給端部101のフェルト部分104Aは、空気中では、高濃度の水溶液103が垂れない状態を維持し、水に接触した状態では、電解部110へ供給される原水107にカートリッジ100内の高濃度の水溶液103から塩化物イオンが連続拡散の作用をする密度の連続通路構成である。
なお、図1に示すように、供給端部101からフェルト部分104Aの先端の一部分が突出し露出する状態とすることもできる。この場合も、上記同様に、フェルト部分104Aの先端の露出部分には、結晶塩103Aが形成され、結晶塩103Aにてこのフェルト部分104Aが覆われる状態となる。
また、塩徐放用カートリッジ100は、図4に示す形態のものを図6に示すように、電解槽110Aの上壁から電解槽110A内に侵入するように取り付けた構成とすることができる。図4に示す形態の塩徐放用カートリッジ100は、先端の供給端部101が先細り形状をなす略円筒状の中空のカートリッジ本体部102を形成した筒型であり、本体部102の内部に高濃度の水溶液103が充填され、この水溶液103が染み込みこの水溶液103から塩化物イオンを拡散する拡散機能部材104として、フェルト104が、本体部102の先端の供給端部101に露出するように、本体部102の略中心軸上に配置されている。この塩徐放用カートリッジ100が、電解槽110Aの上壁を貫通して、取り付けナット109によって、電解槽110A内に所定位置まで侵入するように取り付けられている。フェルト104による水溶液103からの塩化物イオンの拡散機能は、上記同様である。
本発明に係る電解水生成装置120を組み込んだ除菌装置1とすることができる。図7には、この除菌装置1を家庭や事務所等で使用される空気清浄装置1として示している。
図7に示すように、空気清浄装置1は縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11には、この筐体11の両側面の下部に吸込グリル12が形成されるとともに、この筐体11の前面の下端部に空気の吸込口15が形成されている。
また、筐体11の上面には吹出口13が形成され、この吹出口13には空気を吹き出す方向を変化させるためのルーバー20が設けられている。このルーバー20は、運転停止時には上記吹出口13を閉塞するように構成されている。
空気清浄装置1は、吸込グリル12及び吸込口15を介して空気清浄装置1の設置室内の空気を吸い込んで除菌し、この除菌された空気を吹出口13から排出することで、室内空気を清浄化させる装置である。ここで、室内空気の清浄化とは、室内空気を後述の空気浄化エレメントを通過させることによって、室内空気中に含まれる細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物を不活化させたり、臭い成分を吸着分解して脱臭することにより、室内空気を清浄することを意味する。
筐体11の上面には、吹出口13の前面側に配置された操作蓋16Aと、この操作蓋16Aに横並びに配置されたタンク用開閉蓋14Aとが形成されている。操作蓋16Aを開くと、空気清浄装置1の各種操作を行う操作パネル16(図8参照)が露出し、タンク用開閉蓋14Aを開くと、タンク取出口14を介して後述する給水タンク41を出し入れ可能となっている。
また、筐体11の両側面の上部にはそれぞれ把持部17が形成されている。これら把持部17は筐体11を手持ちする際に手を掛けるための凹部であり、運搬時に空気清浄装置1を一人で持ち上げて移動できるようになっている。
また、筐体11の前面には、上下方向に並べられた上側カバー部材18及び下側カバー部材(カバー部材)19がそれぞれ着脱自在に配置されており、これら上側カバー部材18及び下側カバー部材19を取り外すと筐体11の内部構成が露出するようになっている。また、下側カバー部材19は、この下側カバー部材19の下端部に、筐体11の背面側に向けて湾曲した円弧部19Aを備え、この円弧部19Aに空気の吸込口15が形成されている。
次に、空気清浄装置1の内部構成を説明する。
筐体11には、図8に示すように、この筐体11の内部を上下に仕切る支持板21が設けられ、上側の室22と下側の室23とに区分けされている。この下側の室23には、送風ファン31及びファンモータ32が配置されるとともに、仕切板24を介して、把手部57Aを有する排水タンク57が筐体11の前面側に引き出し可能に収容されている。これら送風ファン31及びファンモータ32と排水タンク57とは横並びに配置されている。
また、送風ファン31と吸込口15との間、すなわち、下側の室23における下側カバー部材19との対向する位置には、図8に示すように、フィルタユニット34が着脱自在に配置されている。このフィルタユニット34は、仕切板24および支持板21等によって形成された枠部にはめ込まれて配置されており、この枠部に形成された適宜の留め付け部材(図示せず)によって当該枠部に、着脱自在に固定されている。
フィルタユニット34は、図8に示すように、捕集効率の異なる粗塵フィルタ25と中性能フィルタ26の2枚のフィルタを備えた構成である。下側カバー部材19側に配置される粗塵フィルタ25は、吸込グリル12及び吸込口15を通じて吸い込まれた空気中の塵埃など粒径の大きなものを捕集し、粗塵フィルタ25の内側に配置される中性能フィルタ26は、粗塵フィルタ25を通過した例えば粒径10μm以上の粒子を高効率(例えば、捕集効率95%程度)に捕集するものである。このフィルタユニット34によって空気中に浮遊する花粉や塵埃等が除去され、この除去された空気が送風ファン31を介して上側の室22に供給される。
次に、筐体11の支持板21で仕切られた上側の室22内の構成について説明する。上側の室22には、図8に示すように、送風ファン31及びファンモータ32の上方に電装ボックス39が配置され、この電装ボックス39の上方に空気浄化エレメント53が配置されている。この空気浄化エレメント53と電装ボックス39との間には、空気浄化エレメント53から滴下した水を受ける水受皿42が配置されている。この水受皿42は、深底に形成された貯留部42Aを備え、この貯留部42Aは上記排水タンク57の上方に延在している。電装ボックス39には、空気清浄装置1を制御する制御部(図示せず)を構成する各種デバイスが実装された制御基板や、ファンモータ32に電源電圧を供給する電源回路等の各種電装部品が収容されている。
貯留部42Aの上には給水タンク41が配設され、給水タンク41から貯留部42Aに水を供給可能な構成となっている。詳細には、給水タンク41の下端に形成された給水口にはフロートバルブが設けられ、貯留部42Aの水面が給水口よりも下になると、このフロートバルブが開放されることにより、給水タンク41から必要量の水が供給され、貯留部42Aの水位が一定に保たれる仕組みである。
空気清浄装置1において、給水タンク41と貯留部42Aは、上記の貯水タンク113に相当し、電解水生成ユニット45は、上記の電解水生成装置120に相当し、循環ポンプ44は上記のポンプ108に相当し、電解槽46は上記の電解部110の電解槽110Aに相当する。電解槽46には上記のように、塩徐放用カートリッジ100が取り付けられている。
この対応において、貯留部42Aの上には、空気浄化エレメント53に供給する電解水を生成する電解水生成ユニット45が配置されている。この電解水生成ユニット45は、循環ポンプ44と、電解槽46とを備えて構成され、循環ポンプ44は、制御部の制御に従って回転数を変更することにより、循環量を変更可能に動作する。循環ポンプ44の吐出口には、貯留部42Aに貯留された水を汲み上げて空気浄化エレメント53に供給する供給管119が接続され、この供給管119には電解槽46が接続されている。この電解槽46は、上記のように、電極111Aと111Bを内蔵し、これら電極111A、111B間に、制御部から供給される電池111Dの電圧を印加することにより、水を電解して電解水を生成する。実施例の電解水は、前述のように次亜塩素酸を含む電解水114である。この電解槽46で生成した電解水は、パイプ119から電解水供給器51へ供給される。
塩化物イオン(Cl-)濃度が低い水が給水タンク41から貯留部42Aに供給される場合や、貯留部42Aの塩素が自然消滅して減少した場合において、電解槽46は、電解部110と同様に、塩徐放用カートリッジ100が取り付けられているため、電解槽46では、上記で説明したように、所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水114が生成される。
また、本実施形態では水受皿42に貯留された水を適宜排出可能に構成されている。具体的には、図10示すように、貯留部42Aの下部には排水管55が連結されるとともに、この排水管55を開閉させる排水バルブ56が設けられている。そして、排水管55の先端は、上記排水タンク57の上方に延びており、排水バルブ56を開放することにより、水受皿42上の水が排水タンク57に排出される。
空気浄化エレメント53の上部には、この空気浄化エレメント53上に均一に電解水を分散させるための電解水供給器51が組み付けられている。この電解水供給器51には供給管119から電解水が供給されるように接続されている。この電解水供給器51は、電解水を一時的に貯留するトレー部材を備え、このトレー部材の底面に複数の供給孔が開口し、この供給孔から空気浄化エレメント53に対して電解水を流下するようになっている。
空気浄化エレメント53は、電解水に次亜塩素酸を含む電解水114を使用するため、活性酸素に対する耐性が高い繊維の組み合わせによって、その繊維相互間に空気の通過する隙間を形成した気液接触部材の構成である。空気浄化エレメント53は略垂直状態となるように縦設置され、この空気浄化エレメント53の裏側から表側へ向けて空気が通過する状態で使用される。
循環ポンプ44の運転によって、空気浄化エレメント53の上端の電解水供給器51へ導入された電解水は、空気浄化エレメント53を伝って下方へ流下しつつ、空気浄化エレメント53の略全体がこの電解水で濡れた状態となる。この状態で、送風ファン31からの空気Xが、図9に示すように、空気入り口1Aから空気出口1Bへ流れる間に、この電解水で濡れた状態の空気浄化エレメント53を通過して電解水に接触し、電解水中の次亜塩素酸によってその空気中の細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物を不活化させたり、臭い成分を吸着分解して脱臭することにより、除菌・脱臭が行なわれる。
また図11には、本発明に係る電解水生成装置120を組み込んだ除菌装置1として、ビルの屋上に設置された貯水槽90に貯留している市水を浄化するための除菌装置1を示している。図1と同様の機能部は同じ符号で示している。
上水道水である市水は、一旦シスターン91に貯留された後、揚水ポンプ92の稼動によって、水位制御部93によって所定の水位となるように、貯水槽90に送り込まれ貯留される。貯水槽90に貯留している市水は、電解部110で生成される次亜塩素酸を含む電解水114によって浄化されるように、制御部94の制御によって電磁弁95が開き、ポンプ108が稼動して、電解水114がフィルタ96を通して循環する。97は制御部94によって制御される排水用電磁弁である。
電解部110の構成及び機能は、上記で説明したことと同じである。このため、貯水槽90に貯留する市水の塩化物イオン濃度が低い場合は、上記同様に、電解部110に取り付けた塩徐放用カートリッジ100の作用によって、電解部110では、所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水114が生成される。これによって、貯水槽90に貯留している市水の除菌が行えるものとなる。
また、本発明に係る電解水生成装置120を組み込んだ除菌装置1として、衣類を洗濯する自動洗濯機がある。これは、洗濯、脱水、すすぎの各工程を実行する際、複数回のすすぎを行う場合の最後のすすぎ水を自動洗濯機内の下部に設置した貯水タンク(貯水タンク113に相当)へ溜めておき、次回の洗濯水として使用する場合、この貯水タンクへ溜めた水をポンプ(ポンプ108に相当)で洗濯槽へ供給する。この場合、貯水タンクから洗濯槽へ供給される水の塩化物イオン濃度が低い場合において、上記で説明したように、本発明に係る電解水生成装置120の効果が有効に作用し、洗濯槽へ供給される水の除菌・脱臭を行うことができるものとなる。
また、別の方式として、衣類を洗濯する自動洗濯機において、洗濯、脱水、すすぎの各工程を実行する際、洗濯工程またはすすぎ工程において、洗濯水またはすすぎ水中のごみを除去するために、洗濯槽へ供給された水がフィルタを通って一旦洗濯槽の外へ出て、循環ポンプを経由して再び洗濯槽へ帰還する循環を行う構成において、本発明に係る電解水生成装置120を組み込んだ除菌装置として機能する自動洗濯機とすることができる。
この場合、次亜塩素酸を含む電解水114によって除菌しようとするとき、この洗濯水またはすすぎ水中の塩化物イオン濃度が低い場合において、上記で説明したように、本発明に係る電解水生成装置120の効果が有効に作用し、洗濯槽へ循環する洗濯水またはすすぎ水の除菌・脱臭を行うことができるものとなる。
上記では、拡散機能部材104としてフェルト104を採用したが、このフェルトと同様の機能をするものであれば、他の材質であってもよい。
本発明に係る塩徐放用カートリッジ、及び電解部は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態の電解水生成装置、及びこの電解水生成装置を組み込んだ除菌装置に適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
1・・・・・・・除菌装置(空気清浄装置)(貯水槽の除菌装置)
100・・・・・塩徐放用カートリッジ
101・・・・・供給先端部
102・・・・・カートリッジ本体部
103・・・・・水溶液
104・・・・・拡散機能部材(フェルト)
105・・・・・容器
106・・・・・純水
107・・・・・原水
108・・・・・ポンプ
109・・・・・供給ライン
110・・・・・電解部
111A・・・・アノード電極(陽極)
111B・・・・カソード電極(陰極)
113・・・・・水源(貯水タンク)
114・・・・・電解水
120・・・・・電解水生成装置

Claims (9)

  1. カートリッジ本体部内に所定濃度のNaCl等のClが化合した無機塩の水溶液が充填され、この水溶液が染み込みこの水溶液から塩化物イオン(Cl)が塩化物イオン(Cl)濃度を高めたい水に拡散する拡散機能部材が、前記カートリッジ本体部の供給端部に露出するように前記カートリッジ本体部内に配置され、前記供給端部の拡散機能部材部分を除いて密閉可能構造である塩徐放用カートリッジと、水の電気分解によって次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解部を備え、前記供給端部から露出する拡散機能部材部分が前記電解部の水に浸るように、前記電解部に前記塩徐放用カートリッジを備えたことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 前記拡散機能部材がフェルトで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
  3. 前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部が筒状を形成し、前記先端の前記拡散機能部材部分は全周で前記供給端部に密着した状態で、前記供給端部に露出した構成であることを特徴とする請求項2に記載の電解水生成装置。
  4. 前記塩徐放用カートリッジは、前記先端の前記拡散機能部材部分が前記電解部内の水に浸るように前記供給端部が前記電解部内の底部に配置されたことを特徴とする請求項2または3に記載の電解水生成装置。
  5. 前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部に露出した拡散機能部材部分は、空気中では、前記所定濃度の水溶液が垂れない状態を維持し、電解部の水に接触した状態では、前記塩徐放用カートリッジ内の水溶液から塩化物イオンが連続拡散の作用をする連続通路構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電解水生成装置。
  6. 前記塩徐放用カートリッジは、前記電解部に対し交換可能な取り付け構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電解水生成装置。
  7. 前記塩徐放用カートリッジは、前記供給端部から露出した拡散機能部材部分の表面積によって、拡散量を設定する構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電解水生成装置。
  8. 前記電解部の水は、貯水タンクの水を汲み上げるポンプの運転にて前記供給端部に露出した拡散機能部材部分が浸る水位となり、前記ポンプの停止にて前記供給端部に露出した拡散機能部材部分が前記電解部の水の上位へ露出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電解水生成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電解水生成装置を備えたことを特徴とする除菌装置若しくは空気清浄装置。
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