JP2008036135A - 空気除菌装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解水を用いた空気除菌装置において、電解水を循環させて利用する構成とした場合の水の入れ替えを簡単に行えるようにする。
【解決手段】電解槽46において生成した電解水を気液接触部材53の上側から供給し、気液接触部材53から流下する電解水を水受皿42に受けて貯留し、貯留した電解水を循環ポンプ44により汲み上げて再び気液接触部材53に供給する電解水循環部2を具備し、この電解水循環部2から分岐して電解水を排出する排水管55と、排水管55を開閉する排水バルブ56と、この排水バルブ56の開放時に排水管55から排出される電解水を受けて貯留する排水受け57とを設けた。
【選択図】図3
【解決手段】電解槽46において生成した電解水を気液接触部材53の上側から供給し、気液接触部材53から流下する電解水を水受皿42に受けて貯留し、貯留した電解水を循環ポンプ44により汲み上げて再び気液接触部材53に供給する電解水循環部2を具備し、この電解水循環部2から分岐して電解水を排出する排水管55と、排水管55を開閉する排水バルブ56と、この排水バルブ56の開放時に排水管55から排出される電解水を受けて貯留する排水受け57とを設けた。
【選択図】図3
Description
本発明は、細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物(以下、単に「ウィルス等」という)の除去が可能な空気除菌装置に関する。
従来、水道水を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成させ、この電解水を用いて空気中に浮遊するウィルス等の除去を図った除菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この除菌装置は、不織布等からなる加湿エレメントに電解水を供給して、加湿エレメント上で空気中のウィルス等を電解水に接触せしめ、ウィルス等を不活化することにより、空気を除菌しようとするものである。
特開2002−181358号公報
上記従来の除菌装置等においては、加湿エレメントに供給された電解水は、一部が蒸発し、残りは排水される。そこで本出願人は、電解水の有効利用を図るべく、電解水を循環利用した空気除菌装置を提案している。この空気除菌装置によれば、電解水の有効利用を図ることが可能な上、水の消費量を抑えることでランニングコストの低減をも図ることができる。
ところで、電解水を循環させて利用する場合、消費される水は蒸発により失われた分に止まるが、残りの水についても定期的に入れ替えを行うと、高い除菌能力をより確実に保つことができる等の利点がある。
そこで、本発明の目的は、電解水を用いた空気除菌装置において、電解水を循環させて利用する構成とした場合の水の入れ替えを簡単に行えるようにすることにある。
そこで、本発明の目的は、電解水を用いた空気除菌装置において、電解水を循環させて利用する構成とした場合の水の入れ替えを簡単に行えるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、電解槽において水を電気分解して電解水を生成し、生成した電解水を気液接触部材に浸潤させ、送風ファンにより前記気液接触部材に空気を送ることにより当該空気を除菌する空気除菌装置において、前記気液接触部材の上側から前記電解水を供給し、前記気液接触部材の下に位置する水受皿により前記気液接触部材から流下する電解水を受けて貯留し、貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材に供給する循環経路を設け、前記循環経路から分岐して前記電解水を外部に排出可能な排水管と、この配水管を開閉する止水バルブと、この止水バルブの開放時に前記排水管から排出される電解水を受けて貯留する排水受けと、を設けたことを特徴とする空気除菌装置を提供する。
本発明によれば、電解水を気液接触部材に循環して供給する循環経路から分岐する排水管と止水バルブとを備え、止水バルブを開くことで排水受けに電解水が排水される。これにより、循環経路の電解水を容易に排出でき、水の入れ替えを簡単に行うことができる。また、排水受けに排出された電解水を、掃除用水等に利用することも可能であり、この場合、例えば床面等に付着したウィルス等やアレルギー物質の抑制を図ることが可能になり、空気除菌以外の目的で、除菌能力を有する電解水を有効に利用できる。
本発明によれば、電解水を気液接触部材に循環して供給する循環経路から分岐する排水管と止水バルブとを備え、止水バルブを開くことで排水受けに電解水が排水される。これにより、循環経路の電解水を容易に排出でき、水の入れ替えを簡単に行うことができる。また、排水受けに排出された電解水を、掃除用水等に利用することも可能であり、この場合、例えば床面等に付着したウィルス等やアレルギー物質の抑制を図ることが可能になり、空気除菌以外の目的で、除菌能力を有する電解水を有効に利用できる。
上記構成において、前記水受皿の一部には、より深底の貯留部が形成され、前記排水管は前記水受皿の貯留部から前記水受皿の下方に位置する前記排水受けに延びる管である構成としてもよい。
この場合、止水バルブを開くことで、水受皿の電解水が自然に排水受けに排出されるので、シンプルな構成により確実に電解水を排出できる。
この場合、止水バルブを開くことで、水受皿の電解水が自然に排水受けに排出されるので、シンプルな構成により確実に電解水を排出できる。
また、上記構成において、前記止水バルブの開閉を制御する制御手段と、当該空気除菌装置の運転時間を計時する計時手段とを備え、前記制御手段は、前記計時手段により計時される運転時間が所定の時間に達した場合に、前記止水バルブを開く構成としてもよい。
この場合、運転時間が所定の時間に達すると循環経路の電解水が排出され、水の入れ替えが行われるので、定期的に水の入れ替えを行うことができる上、水の入れ替えのタイミングを自動的に制御できる。
この場合、運転時間が所定の時間に達すると循環経路の電解水が排出され、水の入れ替えが行われるので、定期的に水の入れ替えを行うことができる上、水の入れ替えのタイミングを自動的に制御できる。
また、上記構成において、前記電解槽は、複数の電極間に電圧を印加することにより電解水を生成する構成を有し、通常運転時には、前記複数の電極間に電圧を印加して電解水を生成し、前記循環経路において電解水を循環させるとともに、前記送風ファンにより送風を行い、前記止水バルブを開いて排水を行う際には、まず前記複数の電極間における極性を反転させて前記電解水を生成させ、前記循環経路により電解水を循環させ、その後に前記止水バルブを開くものとしてもよい。
この場合、止水バルブを開いて排水を行う際に、通常運転時とは電極の極性が反転された状態で電解水が生成され、その後に止水バルブが開かれて排水が行われる。ここで電解槽においては、通常運転の際に電極に付着する炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のスケールが、電極の反転により電極から剥離する。そして、剥離したスケールが浮遊した電解水が排水受けに排出される。従って、循環経路から排水受けに排水する際に、電解槽内に蓄積したスケールを排出するので、水の入れ替えと同時にスケールの除去を行うことができる。これにより、長期にわたって装置を良好な状態に保つことが可能となり、メンテナンスに係る負担を大幅に軽減できる。さらに、水の入れ替えを行う一連の動作において送風ファンを動作させないことで、不要な電力消費を抑えられる。
さらに、上記構成において、前記電解槽が備える複数の電極間における極性を反転させて水を電気分解することにより、次亜塩素酸やオゾン等の活性酸素物質を生成させるものとしてもよい。
この場合、強力な酸化作用を有する次亜塩素酸やオゾン等の活性酸素物質を含む水を循環させた後に電解水を排出するので、水の入れ替え時に循環経路及び気液接触部材の洗浄及び殺菌を行うことが可能となる。特に、通常時に生成させた活性酸素種とは違う活性酸素種を生成すれば、水の入れ替え時に、通常運転時とは異なる活性酸素種(活性酸素物質)を用いて、循環経路及び気液接触部材の洗浄及び殺菌を行うことが可能となる。
この場合、強力な酸化作用を有する次亜塩素酸やオゾン等の活性酸素物質を含む水を循環させた後に電解水を排出するので、水の入れ替え時に循環経路及び気液接触部材の洗浄及び殺菌を行うことが可能となる。特に、通常時に生成させた活性酸素種とは違う活性酸素種を生成すれば、水の入れ替え時に、通常運転時とは異なる活性酸素種(活性酸素物質)を用いて、循環経路及び気液接触部材の洗浄及び殺菌を行うことが可能となる。
さらにまた、上記構成において、前記気液接触部材を通過した空気を排出する排気口と、この排気口を閉鎖可能な蓋体とを備え、前記電解槽が備える複数の電極間における極性を反転させて、これら複数の電極間に電圧が印加される間は、前記蓋体により前記排気口が閉鎖されるものとしてもよい。
この場合、例えばオゾンや次亜塩素酸等の活性酸素種(活性酸素物質)を生成させて電解水を循環させる間、排気口が閉じられるので、上記活性酸素種の特有の臭気が排気口から漏れることがない。これにより、この空気除菌装置の設置室内における環境を快適な状態に保ちつつ、循環経路及び気液接触部材を洗浄及び殺菌し、水の入れ替えを行うことができる。また、上述のように水の入れ替えを行う一連の動作において送風ファンは動作しないので、臭気の漏れがより確実に抑制される。
この場合、例えばオゾンや次亜塩素酸等の活性酸素種(活性酸素物質)を生成させて電解水を循環させる間、排気口が閉じられるので、上記活性酸素種の特有の臭気が排気口から漏れることがない。これにより、この空気除菌装置の設置室内における環境を快適な状態に保ちつつ、循環経路及び気液接触部材を洗浄及び殺菌し、水の入れ替えを行うことができる。また、上述のように水の入れ替えを行う一連の動作において送風ファンは動作しないので、臭気の漏れがより確実に抑制される。
本発明によれば、電解水を気液接触部材に循環供給する空気除菌装置を実現するとともに、循環経路の電解水を容易に排出して、簡単に水の入れ替えを行える。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る空気除菌装置1の外観斜視図である。
図1に示すように、空気除菌装置1は縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11の前面下部には吸込グリル12が設けられる一方、筐体11の上面には排気口としての吹出口13が設けられる。
空気除菌装置1は、吸込グリル12を介して設置室内の空気を吸い込んで除菌し、吹出口13から排出することで、室内空気を清浄化させる装置である。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る空気除菌装置1の外観斜視図である。
図1に示すように、空気除菌装置1は縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11の前面下部には吸込グリル12が設けられる一方、筐体11の上面には排気口としての吹出口13が設けられる。
空気除菌装置1は、吸込グリル12を介して設置室内の空気を吸い込んで除菌し、吹出口13から排出することで、室内空気を清浄化させる装置である。
筐体11の上面には、後述する給水タンク41(図2)を出し入れするための給水タンク取出口14が設けられ、筐体11の前面には、後述する排水受け57を出し入れするための排水受け取出口15が設けられる。これら給水タンク取出口14及び排水受け取出口15には開閉可能な蓋が取り付けられている。
さらに、吹出口13には、空気を吹き出す方向を変化させるためのルーバー20が設けられている。
さらに、吹出口13には、空気を吹き出す方向を変化させるためのルーバー20が設けられている。
また、筐体11の両側面の上部にはそれぞれ把持部17が形成されている。把持部17は筐体11を手持ちする際に手を掛けるための凹部であり、運搬時に空気除菌装置1を一人で持ち上げて移動できるようになっている。
次に、図2〜図6を参照して、空気除菌装置1の内部構成を説明する。
図2は、空気除菌装置1の内部構成を示す斜視図である。図2には、参考として筐体11の外形を仮想線で示す。また、図3は、空気除菌装置1の構成を示す一部破断正面図であり、図4は左側断面視図であり、図5は右側断面視図であり、図6は上面図である。
図2は、空気除菌装置1の内部構成を示す斜視図である。図2には、参考として筐体11の外形を仮想線で示す。また、図3は、空気除菌装置1の構成を示す一部破断正面図であり、図4は左側断面視図であり、図5は右側断面視図であり、図6は上面図である。
筐体11の内部は支持板37によって上下に仕切られており、下部の室には、送風ファン31及びファンモータ32が収容される。送風ファン31は、ファンモータ32によって駆動され、吸込グリル12を介して設置室内の空気を吸い込み、送風口31Aから吹き出す。送風ファン31の送風口31Aは、筐体11の背面側部分において上向きに設けられており、支持板37には、送風口31Aの上に重なる位置において開口が設けられている。この支持板37の開口は、筐体11の背面側において上下に延びる空間1Aに連通する。空間1Aの上部には筐体11の前面側に傾斜する導風板38が配設され、導風板38の前端は、後述する散水ボックス51の上端に接している。
このため、送風ファン31の送風口31Aから吹き出された空気は、図5中に矢印で示すように空間1Aを通り、後述する気液接触部材53の背面に吹き付けられる。
このため、送風ファン31の送風口31Aから吹き出された空気は、図5中に矢印で示すように空間1Aを通り、後述する気液接触部材53の背面に吹き付けられる。
また、筐体11内には、吸込グリル12の裏面側に重ねてプレフィルタ34が配設される。プレフィルタ34は、例えば粒径10μm(マイクロメートル)以上の物を捕集するフィルタである。プレフィルタ34によって空気中に浮遊する花粉や塵埃が除去された空気が、送風ファン31によって吸い込まれる。
支持板37の上には、電装ボックス39及び電解水循環部2が配設される。電装ボックス39には、後述する制御部60を構成する各種デバイスが実装された制御基板(図示略)や、ファンモータ32に電源電圧を供給する電源回路等の各種電装部品が収容される。
循環経路としての電解水循環部2は、水受皿42、水受皿フロートスイッチ43、循環ポンプ44、電解槽46、散水ボックス51、及び気液接触部材53を備えて構成される。
水受皿42は、電装ボックス39の上方に位置して、気液接触部材53から滴下した水を受ける皿であり、所定量の水を貯留するための深さを有する。水受皿42の一端部は、より深底に形成されて貯留部42Aとなっており、貯留部42Aには水位を検出する水受皿フロートスイッチ43が配設される。水受皿フロートスイッチ43は、貯留部42Aの水位が所定水位を下回った場合にオンに切り替わるスイッチである。
水受皿42は、電装ボックス39の上方に位置して、気液接触部材53から滴下した水を受ける皿であり、所定量の水を貯留するための深さを有する。水受皿42の一端部は、より深底に形成されて貯留部42Aとなっており、貯留部42Aには水位を検出する水受皿フロートスイッチ43が配設される。水受皿フロートスイッチ43は、貯留部42Aの水位が所定水位を下回った場合にオンに切り替わるスイッチである。
貯留部42Aの上には給水タンク41が配設され、給水タンク41から貯留部42Aに水を供給可能な構成となっている。詳細には、給水タンク41の下端に形成された給水口41Aにはフロートバルブ(図示略)が設けられ、貯留部42Aの水面が給水口41Aよりも下になると、給水タンク41から必要量の水が供給され、貯留部42Aの水位が一定に保たれる仕組みとなっている。
また、貯留部42Aの上には循環ポンプ44が配設される。循環ポンプ44は、制御部60(図8)の制御に従って動作し、貯留部42Aに貯留された水を汲み上げて電解槽46に送り込む。電解槽46は、後述するように複数の電極を内蔵し、これら電極間に、制御部60(図8)から供給される電圧を印加することで、水を電解し、電解水を生成する。電解槽46により生成された電解水は、循環ポンプ44が排出する水によって電解槽46から押し出され、散水ボックス51に供給される。
散水ボックス51は、気液接触部材53の上部に組み付けられた管状部材であり、下面に複数の散水孔が開口し、この散水孔52から散水ボックス51に対して電解水を滴下する。気液接触部材53は、散水ボックス51から滴下される電解水に浸潤される略板状部材であり、散水ボックス51とともに水受皿42の上に配設される。図5に詳細に示すように、気液接触部材53はほぼ垂直に立設され、下端は水受皿42内に入り込んでいる。また、気液接触部材53の上に組み付けられた散水ボックス51は、導風板38の先端に接している。このため、空間1Aを通った送風ファン31の排気が導風板38により気液接触部材53側に導かれ、気液接触部材53を通過する。
気液接触部材53は、ハニカム構造を持ったフィルタ部材である。詳細には、気液接触部材53は、気体に接触するエレメント部をフレームにより支持する構造を有する。エレメント部は、波板状の波板部材と平板状の平板部材とが積層されて構成され、これら波板部材と平板部材との間に略三角状の多数の開口が形成されている。従って、エレメント部に空気を通過させる際の気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
また、気液接触部材53には、散水ボックス51から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材53の厚み方向断面に沿って1または複数設けられる。
さらに、気液接触部材53と給水タンク41との間は、仕切板36によって仕切られている。仕切板36は、空間1A及び気液接触部材53の側方を閉鎖して、空気が気液接触部材53をスムーズに通り抜けるようにするためのものである。
また、気液接触部材53には、散水ボックス51から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材53の厚み方向断面に沿って1または複数設けられる。
さらに、気液接触部材53と給水タンク41との間は、仕切板36によって仕切られている。仕切板36は、空間1A及び気液接触部材53の側方を閉鎖して、空気が気液接触部材53をスムーズに通り抜けるようにするためのものである。
ここで、気液接触部材53の各部(フレーム、エレメント部、及び分流シートを含む)には、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂を用いるものとする。
また、気液接触部材53の各部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材53の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と室内空気との接触が長時間持続される。さらに、気液接触部材53には防かび作用を持つ電解水が滴下されるため、気液接触部材53に防かび対策(防かび剤の塗布等)を施さなくても、かびの繁殖等を避けることができる。
また、気液接触部材53の各部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材53の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と室内空気との接触が長時間持続される。さらに、気液接触部材53には防かび作用を持つ電解水が滴下されるため、気液接触部材53に防かび対策(防かび剤の塗布等)を施さなくても、かびの繁殖等を避けることができる。
そして、気液接触部材53を通過した空気は、吹出口13の下方に配設された吹出口フィルタ35を通って排気される。
吹出口フィルタ35は、吹出口13から筐体11内部への異物の進入を防止するためのフィルタである。吹出口フィルタ35は、網や織物または不織布等(図示略)を備えており、これらの材料としては、合成樹脂、好ましくは気液接触部材53を構成する材料が好ましい。吹出口フィルタ35は、気液接触部材53を通過した空気の通風抵抗を著しく増加させないよう、適度に目の粗いものであることが好ましい。
吹出口フィルタ35は、吹出口13から筐体11内部への異物の進入を防止するためのフィルタである。吹出口フィルタ35は、網や織物または不織布等(図示略)を備えており、これらの材料としては、合成樹脂、好ましくは気液接触部材53を構成する材料が好ましい。吹出口フィルタ35は、気液接触部材53を通過した空気の通風抵抗を著しく増加させないよう、適度に目の粗いものであることが好ましい。
筐体11に設けられた吹出口13には、蓋体としてのルーバー20が配設されている。ルーバー20は、吹出口13を閉塞可能なサイズを有する上板21と、上板21の下方において上板21と平行に配設される下板22と、上板21と下板22とを連結する連結部23と、によって構成される。連結部23は、上板21及び下板22の左右の端部に各々設けられる板状部材であり、それぞれ、ピン24が立設されている。これら2本のピン24は、ルーバー20の両側端から筐体11側に突出しており、吹出口13の横に設けられた受け部(図示略)に嵌合して、ルーバー20を支持する。
2本のピン24は、上記受け部において回動自在に支持され、ルーバー駆動モータ68(図8)に連結されている。そして、ピン24は、ルーバー駆動モータ68によって駆動され、これに伴ってルーバー20が回動する。
ルーバー20が筐体11の上面に対してほぼ平行な状態では、吹出口13は上板21によってほぼ閉塞される。この状態を、ルーバー20の「閉状態」とする。一方、ルーバー20が筐体11の上面に対して傾いた状態を「開状態」とする。
ルーバー20が筐体11の上面に対してほぼ平行な状態では、吹出口13は上板21によってほぼ閉塞される。この状態を、ルーバー20の「閉状態」とする。一方、ルーバー20が筐体11の上面に対して傾いた状態を「開状態」とする。
ルーバー20の開状態では、気液接触部材53を通過した空気を吹出口13から排出できる。ここで、吹出口13から排出される空気は、ルーバー20の上板21及び下板22に沿って排出される。このため、ルーバー20の角度を変化させることにより、空気除菌装置1の排気方向を調整できる。
また、ルーバー20は、上板21と下板22とが所定の間隔を空けて平行に並ぶ2枚羽根構造であるため、吹出口13から吹き出される空気を整流する作用がある。これにより、ルーバー20の角度に合わせて滑らかに排気を行えるという利点がある。
また、ルーバー20は、上板21と下板22とが所定の間隔を空けて平行に並ぶ2枚羽根構造であるため、吹出口13から吹き出される空気を整流する作用がある。これにより、ルーバー20の角度に合わせて滑らかに排気を行えるという利点がある。
さらに、ファンモータ32を停止させた状態でルーバー20を閉状態にすれば、筐体11内の空気はほとんど外に漏れない。このため、後述するように、電解槽46においてオゾンを発生させ、或いは高濃度の活性酸素種を発生させる場合に、これらに特有の臭気が外に漏れ難くなる。このため、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適に保ちつつ、オゾンや高濃度の活性酸素種を利用できるという利点もある。
図7は、電解水の供給の様子を説明する図であり、図7(A)は電解水循環部2の構成を示す模式図であり、図7(B)は電解槽46の構成を詳細に示す図である。
この図7を参照して、気液接触部材53に対する電解水の供給について説明する。なお、本実施の形態では、給水タンク41に水道水を入れて空気除菌装置1を動作させる場合について説明する。
この図7を参照して、気液接触部材53に対する電解水の供給について説明する。なお、本実施の形態では、給水タンク41に水道水を入れて空気除菌装置1を動作させる場合について説明する。
水道水を入れた給水タンク41が空気除菌装置1にセットされると、上述のように、給水タンク41から水受皿42に水道水が供給され、水受皿42の水位が所定のレベルに達する。水受皿42内の水は循環ポンプ44によって汲み上げられて、電解槽46に供給される。
電解槽46は、図7(B)に示すように、二対の電極47、48を備え、電極47、48間に電圧を印加することにより、電解槽46に流入した水が電気分解されて活性酸素種を含む電解水が生成される。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質を含み、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。電解槽46は、気液接触部材53に近接して配置され、水道水を電気分解して生成された活性酸素種が、ただちに気液接触部材53に供給されるように構成される。
電極47は、例えばベースがチタン(Ti)で皮膜層がイリジウム(Ir)、白金(Pt)から構成された電極板であり、アノード電極として外部電源から正電位が与えられることにより活性酸素種として次亜塩素酸を生成する。
電極48は、例えば、ベースがチタンで被膜層が白金、タンタル(Ta)から構成された電極板であり、アノード電極として外部電源から正電位が与えられることにより活性酸素種としてオゾンを生成する。
上記電極47をアノード電極とし、電極48をカソード電極として、外部電源から電極47及び電極48の間に電圧を印加して通電すると、カソード電極としての電極48では、水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とが下記式(1)に示すように反応する。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
一方、アノード電極(陽極)としての電極47では、下記式(2)に示すように水が電気分解される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、電極47においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、電極47においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
電極47で発生した次亜塩素酸は広義の活性酸素種に含まれるもので、強力な酸化作用や漂白作用を有する。次亜塩素酸が溶解した水溶液、すなわち空気除菌装置1により生成される電解水は、ウィルス等の不活化、殺菌、有機化合物の分解等、種々の空気清浄効果を発揮する。
一方、上記電極47をカソード電極とし、電極48をアノード電極として、外部電源から電極47及び電極48の間に電圧を印加して、通電すると、アノード電極としての電極48では、下記式(5)〜(7)に示す反応が起こり、オゾンが生成される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(5)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(6)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(7)
一方、カソード電極としての電極47では、下記式(8)及び(9)に示す反応が起こり、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(8)
O2 -+e-+2H+→H2O2 ・・・(9)
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(5)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(6)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(7)
一方、カソード電極としての電極47では、下記式(8)及び(9)に示す反応が起こり、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(8)
O2 -+e-+2H+→H2O2 ・・・(9)
このように、本実施の形態の構成では、電極47を正電位とするよう電極47、48間に外部電源から電圧を印加することで、電極47の側から殺菌力の大きい次亜塩素酸を生成させて、次亜塩素酸を含む電解水を生成できる。
また、電極48を正電位とするよう電極47、48間に外部電源から電圧を印加することで、電極48の側から殺菌力の大きいオゾンを、電極47の側からは過酸化水素を生成させて、これらオゾンや過酸化水素を含んだ電解水を作ることができる。
また、電極48を正電位とするよう電極47、48間に外部電源から電圧を印加することで、電極48の側から殺菌力の大きいオゾンを、電極47の側からは過酸化水素を生成させて、これらオゾンや過酸化水素を含んだ電解水を作ることができる。
そして、電極47、48により殺菌力の大きい次亜塩素酸を生成させた場合、この次亜塩素酸を含む電解水が散水ボックス51から気液接触部材53に滴下されると、送風ファン31により吹き出された空気が気液接触部材53において次亜塩素酸と接触する。これにより、空気中に浮遊するウィルス等が不活化されるとともに、当該空気に含まれる臭気物質が次亜塩素酸と反応して分解され、或いはイオン化して溶解する。従って、空気の除菌及び脱臭がなされ、清浄化された空気が気液接触部材53から排出される。
また、電極47、48によりオゾンや過酸化水素を生成させた場合、送風ファン31により吹き出された空気が気液接触部材53においてオゾンや過酸化水素と接触する。これにより、空気中に浮遊するウィルス等が不活化されるとともに、当該空気に含まれる臭気物質がオゾンや過酸化水素と反応して分解され、或いはイオン化して溶解する。従って、空気の除菌及び脱臭がなされ、清浄化された空気が気液接触部材53から排出される。
また、電極47、48によりオゾンや過酸化水素を生成させた場合、送風ファン31により吹き出された空気が気液接触部材53においてオゾンや過酸化水素と接触する。これにより、空気中に浮遊するウィルス等が不活化されるとともに、当該空気に含まれる臭気物質がオゾンや過酸化水素と反応して分解され、或いはイオン化して溶解する。従って、空気の除菌及び脱臭がなされ、清浄化された空気が気液接触部材53から排出される。
活性酸素種によるウィルス等の不活化の作用機序として、インフルエンザウィルスの例を挙げる。上述した活性酸素種は、インフルエンザの感染に必須とされるインフルエンザウィルスの表面蛋白(スパイク)を破壊、消失(除去)する作用を有する。この表面蛋白が破壊された場合、インフルエンザウィルスと、インフルエンザウィルスが感染するのに必要な受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、感染が阻止される。このため、空気中に浮遊するインフルエンザウィルスは、気液接触部材53において活性酸素種を含む電解水に接触することにより、いわば感染力を失うこととなり、感染が阻止される。
従って、この空気除菌装置1が、例えば幼稚園や小・中・高等学校、介護保険施設、病院等のいわゆる大空間に設置された場合であっても、電解水により清浄化(除菌、脱臭等)された空気を大空間内で広く行き渡らせることが可能になり、大空間での空気除菌及び脱臭を効率よく行うことができる。
ここで、電解槽46内の電極47、48のうち任意の側に正電位を与えるための電極の切り替えは、電極の極性を反転させることで行うことができ、本実施の形態では、後述する制御部60(図8)によって電極47、48に印加する電圧を変化(反転)させることにより、実行可能である。
また、電解水中の活性酸素種の濃度は、除菌するウィルス等を不活化させる濃度となるように調整される。活性酸素種の濃度の調整は、電極47及び電極48の間に印加する電圧を調整して、電極47及び電極48の間に流す電流値を調整することにより行われる。
例えば、電極47に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)とすると、所定の有利残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。また、電極47、電極48の間に印加する電圧を変更して、電流値を高くすることで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を高い濃度にすることができる。電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素についても、上記と同様に、電極48に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を高くすれば、電解水中のオゾンもしくは過酸化水素の濃度を高くできる。
例えば、電極47に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)とすると、所定の有利残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。また、電極47、電極48の間に印加する電圧を変更して、電流値を高くすることで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を高い濃度にすることができる。電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素についても、上記と同様に、電極48に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を高くすれば、電解水中のオゾンもしくは過酸化水素の濃度を高くできる。
なお、本実施の形態では、上述のように、給水タンク41により水道水を供給する例について説明している。水道水には殺菌を目的として塩素化合物が添加されているため、塩化物イオンが含まれており、この塩化物イオンが、上記式(3)及び(4)に示すように反応し、次亜塩素酸及び塩酸が生成される。これは水道水を用いた場合に限定されるものではなく、電解槽46に供給された水が、ハロゲン化合物の添加または混入によりハロゲン化物イオンを含む水となっていれば、上記式(3)及び(4)と同様の反応によりハロゲンを含む活性酸素種が生成される。
また、空気除菌装置1において、イオン種が希薄な水(純水、精製水、井戸水、一部の水道水等を含む)を用いた場合も同様の反応を起こさせることが可能である。すなわち、イオン種が希薄な水にハロゲン化合物(食塩等)を添加すれば、上記式(3)及び(4)と同様の反応が起こり、活性酸素種を得ることができる。つまり、空気除菌装置1は、塩素化合物が十分に添加された水道水に限らず、他の水を用いた場合であっても、十分な空気清浄効果(ウィルス等の不活化、殺菌、脱臭)を発揮できる。
この場合、電解槽46に導入される水に、薬剤(ハロゲン化合物等)が供給される構成とすればよい。例えば、上記薬剤を供給する薬剤供給装置を空気除菌装置1に設けてもよく、この薬剤供給装置は、水受皿42に薬剤を注入するものであってもよいし、電解槽46に直接薬剤を注入する構成としてもよい。また、給水タンク41に薬剤を注入する構成としてもよいし、給水タンク41そのものに濃度を調整した薬剤を貯水させる構成としてもよい。
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解槽46中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解槽46において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解槽46に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解槽46中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解槽46において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解槽46に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
そして、散水ボックス51から気液接触部材53に滴下された電解水は気液接触部材53を伝って下方に移動し、水受皿42に落ちる。水受皿42に落ちた電解水は再び循環ポンプ44によって汲み上げられ、電解槽46を経て気液接触部材53に供給される。このように、本実施の形態における構成では水が循環式となっており、少量の水を有効に利用することで、長時間にわたって効率よく空気の除菌を行える。また、蒸発等により電解水循環部2を循環する水量が減った場合には、給水タンク41内の水が水受皿42に適量供給される。
さらに、空気除菌装置1においては、水受皿42に貯留された水を適宜排出することが可能である。
図2〜図7に示すように、貯留部42Aの下方には、所定深さを有し、上部に開口を有するタンク状の排水受け57が設置されている。排水受け57は、支持板37(図2)上に載置され、筐体11の排水受け取出口15(図1)から出し入れ可能である。また、水受皿42の貯留部42Aには排水管55が連結されるとともに、排水管55を開閉させる止水バルブとしての排水バルブ56が設けられている。そして、排水管55の先端は下方に延びて、排水受け57の開口から中に入り込んでいる。
図2〜図7に示すように、貯留部42Aの下方には、所定深さを有し、上部に開口を有するタンク状の排水受け57が設置されている。排水受け57は、支持板37(図2)上に載置され、筐体11の排水受け取出口15(図1)から出し入れ可能である。また、水受皿42の貯留部42Aには排水管55が連結されるとともに、排水管55を開閉させる止水バルブとしての排水バルブ56が設けられている。そして、排水管55の先端は下方に延びて、排水受け57の開口から中に入り込んでいる。
貯留部42Aの底面は、排水管55との連結部において開口しており、貯留部42A内の水が排水管55に流出する構成となっており、排水管55は貯留部42Aから下方に延びている。このため、制御部60(図8)の制御により排水バルブ56が開放されることで、水受皿42内の水が排水管55を通って排水受け57に流下する。このように、電解水循環部2から分岐する排水管55を用い、排水バルブ56の開閉を制御することにより、電解水循環部2の水を排水受け57によって回収・排出できる。また、排水受け57には、持ちやすいように取っ手57Aが設けられ、上述した排水受け取出口15(図1)から容易に出し入れ可能である。
図8は、空気除菌装置1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
この図8に示すように、上述したファンモータ32、循環ポンプ44、排水バルブ56、ルーバー20を開閉させるルーバー駆動モータ68、及び、上記各部に電源を供給する電源部67は、制御部60に接続されており、制御部60の制御に従って動作する。
また、制御部60には、操作パネル16に配設された各種スイッチやインジケータランプ等が接続されるとともに、水受皿フロートスイッチ43、電極47、48及び、電解槽46内の水位を検出する電解槽フロートスイッチ66が接続されている。
この図8に示すように、上述したファンモータ32、循環ポンプ44、排水バルブ56、ルーバー20を開閉させるルーバー駆動モータ68、及び、上記各部に電源を供給する電源部67は、制御部60に接続されており、制御部60の制御に従って動作する。
また、制御部60には、操作パネル16に配設された各種スイッチやインジケータランプ等が接続されるとともに、水受皿フロートスイッチ43、電極47、48及び、電解槽46内の水位を検出する電解槽フロートスイッチ66が接続されている。
制御部60は、空気除菌装置1全体の制御を行うマイコン61、マイコン61により実行される制御プログラムや制御パラメータ等のデータを記憶する記憶部62、マイコン61の制御に基づいて計時動作を行うタイマカウンタ63、操作パネル16における操作を検出して操作内容をマイコン61に出力する入力部64、及び、マイコン61の処理結果を操作パネル16のインジケータランプ(図示略)の点灯を制御する等して出力する出力部65を備える。
マイコン61は、予め記憶部62に記憶された制御プログラムを読み込んで実行するとともに、記憶部62に記憶された制御パラメータを読み込み、空気除菌装置1の各部を動作させる。
具体的には、マイコン61は、操作パネル16において動作開始を指示する操作が行われ、この操作を示す情報が入力部64から入力されると、マイコン61は循環ポンプ44を動作させて水の循環を開始させるとともに、電極47、48に電圧を印加して電解水を生成させる。さらに、マイコン61はルーバー駆動モータ68を動作させてルーバー20を開状態にさせ、その後、ファンモータ32の動作を開始させて、送風ファン31による送風を開始させる。以上の一連の動作により、空気除菌装置1の空気除菌運転が開始される。この空気除菌運転の開始に伴って、マイコン61は、出力部65によって運転中であることを示す表示を行わせる。
具体的には、マイコン61は、操作パネル16において動作開始を指示する操作が行われ、この操作を示す情報が入力部64から入力されると、マイコン61は循環ポンプ44を動作させて水の循環を開始させるとともに、電極47、48に電圧を印加して電解水を生成させる。さらに、マイコン61はルーバー駆動モータ68を動作させてルーバー20を開状態にさせ、その後、ファンモータ32の動作を開始させて、送風ファン31による送風を開始させる。以上の一連の動作により、空気除菌装置1の空気除菌運転が開始される。この空気除菌運転の開始に伴って、マイコン61は、出力部65によって運転中であることを示す表示を行わせる。
また、マイコン61は、空気除菌運転の開始に伴い、タイマカウンタ63によって運転時間のカウントを開始させる。タイマカウンタ63は、運転時間のカウントを累積的に行うことが可能であり、空気除菌装置1が空気除菌運転を停止した後もカウント値をリセットすることなく、空気除菌運転が再開された時には引き続きカウントを行う。
空気除菌運転の実行中、マイコン61は、電極47、48間の導電率をもとに電解槽46内の電解水の濃度(活性酸素種の濃度)を判別し、電極47、48間に印加する電圧を適宜調整する。また、マイコン61は、空気除菌装置1の空気除菌運転の実行中に、電解槽フロートスイッチ66によって電解槽46内の水位が低水位となったことが検出された場合、及び、水受皿フロートスイッチ43によって水受皿42の水位が低水位となったことが検出された場合には、電極47、48への電圧の印加を停止するとともに循環ポンプ44及びファンモータ32の運転を停止させ、出力部65によって警告を表示させる。
また、マイコン61は、操作パネル16において動作停止を指示する操作が行われ、この操作を示す情報が入力部64から入力されると、マイコン61は電極47、48に対する電圧印加を停止し、循環ポンプ44を停止させる。さらにマイコン61はファンモータ32を停止させて、送風ファン31による送風を止め、その後にルーバー駆動モータ68を動作させてルーバー20を閉状態にさせる。以上の一連の動作により、空気除菌装置1の空気除菌運転が停止される。この空気除菌運転の停止時に、マイコン61は、出力部65による運転中の表示を停止させるとともに、タイマカウンタ63による運転時間のカウントを停止させる。
また、マイコン61は、空気除菌装置1の空気除菌運転が一定時間に達した場合、すなわちタイマカウンタ63のカウント値が予め設定された値に達した場合に、水受皿42の水を排水受け57に排出する水交換運転を実行する。
以下、この水交換運転を中心として、空気除菌装置1の動作について説明する。
以下、この水交換運転を中心として、空気除菌装置1の動作について説明する。
図9は、空気除菌装置1の動作を示すフローチャートである。この図9に示す動作の実行中、マイコン61は制御手段としての機能を実現し、タイマカウンタ63は計時手段としての機能を実現する。
マイコン61は、操作パネル16における操作により運転開始が指示されると、上述したように空気除菌装置1の各部を制御して、空気除菌運転を開始する(ステップS1)。この空気除菌運転の開始に伴い、マイコン61は、タイマカウンタ63による運転時間Tのカウントを開始させる(ステップS2)。
マイコン61は、操作パネル16における操作により運転開始が指示されると、上述したように空気除菌装置1の各部を制御して、空気除菌運転を開始する(ステップS1)。この空気除菌運転の開始に伴い、マイコン61は、タイマカウンタ63による運転時間Tのカウントを開始させる(ステップS2)。
空気除菌運転中、マイコン61は、タイマカウンタ63による運転時間Tのカウント値が、予め設定された水交換時間T0を超えたか否かを判定し(ステップS3)、水交換時間T0を超えていない場合は、運転停止の指示があるまで引き続き判定を行う(ステップS4)。そして、操作パネル16の操作により空気除菌運転停止が指示された場合は(ステップS4;Yes)、マイコン61はタイマカウンタ63による運転時間Tのカウントを停止させ(ステップS5)、上述のように空気除菌装置1の空気除菌運転を停止させて、待機状態に移行する。
また、タイマカウンタ63による運転時間Tのカウント値が、予め設定された水交換時間T0を超えた場合(ステップS3;Yes)、マイコン61は、水交換運転を実行する(ステップS6)。水交換運転の詳細は図10を参照して後述する。この水交換運転が終了すると、マイコン61はステップS4の動作に移行する。
図10は、図9のステップS6に示す水交換運転を詳細に示すフローチャートである。
水交換運転の開始に伴い、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより水交換運転の開始を報知し(ステップS11)、通常の空気除菌運転を停止させる(ステップS12)。
次いで、マイコン61は、循環ポンプ44の運転を開始させるとともに、電解槽46の電極47、48への通電を開始する(ステップS13)。このステップS13では、ファンモータ32は停止したままである。さらにマイコン61は、排水バルブ56を開放し、水受皿42内の水を排水受け57へ排出させる(ステップS14)。
水交換運転の開始に伴い、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより水交換運転の開始を報知し(ステップS11)、通常の空気除菌運転を停止させる(ステップS12)。
次いで、マイコン61は、循環ポンプ44の運転を開始させるとともに、電解槽46の電極47、48への通電を開始する(ステップS13)。このステップS13では、ファンモータ32は停止したままである。さらにマイコン61は、排水バルブ56を開放し、水受皿42内の水を排水受け57へ排出させる(ステップS14)。
排水バルブ56を開放した後、マイコン61は、貯留部42Aに設置された水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS15)。上記のように、水受皿フロートスイッチ43は貯留部42Aの水位が所定レベルを下回るとオンに切り替わる。このため、水受皿フロートスイッチ43がオンになった時には、水受皿42の水位が所定レベルより下がっており、電解水循環部2内の水の大半が排水受け57に排出されたことになる。
また、水交換運転の開始時点で給水タンク41内に水が残っていた場合は、水受皿42の水の排出に伴って給水タンク41から水が供給される間は、水受皿42の水位は下がらない。従って、水受皿フロートスイッチ43がオンになったときには、給水タンク41内の水も十分に排出されたことになる。
また、水交換運転の開始時点で給水タンク41内に水が残っていた場合は、水受皿42の水の排出に伴って給水タンク41から水が供給される間は、水受皿42の水位は下がらない。従って、水受皿フロートスイッチ43がオンになったときには、給水タンク41内の水も十分に排出されたことになる。
マイコン61は、水受皿フロートスイッチ43がオンに切り替わると(ステップS15;Yes)、電極47、48への通電を停止するとともに循環ポンプ44を停止させ(ステップS16)、排水バルブ56を閉鎖させる(ステップS17)。
そして、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより排水の完了を報知するとともに、給水タンク41に水を補充する旨をユーザに案内し(ステップS18)、水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS19)。
そして、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより排水の完了を報知するとともに、給水タンク41に水を補充する旨をユーザに案内し(ステップS18)、水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS19)。
水を補充された給水タンク41が空気除菌装置1にセットされると、給水タンク41から水受皿42へ水が供給され、水受皿フロートスイッチ43がオフに切り替わる。このため、マイコン61は、水受皿フロートスイッチ43がオフになったことを検出すると(ステップS19;Yes)、通常運転を開始する(ステップS20)。
このように、空気除菌装置1は、電解槽46において水を電気分解して電解水を生成し、生成した電解水を気液接触部材53の上方から滴下し、送風ファン31によって気液接触部材53に送風することで空気を除菌する構成を備え、気液接触部材53から流下する電解水を水受皿42によって受けて貯留し、貯留した電解水を循環ポンプ44によって汲み上げて再び電解槽46に供給して、気液接触部材53に滴下させる電解水循環部2が設けられ、さらに、水受皿42の貯留部42Aから下方に延びる排水管55により、電解水循環部2を循環する電解水を排水受け57に排出する構成としているので、電解水循環部2を循環する電解水を容易に排出でき、水の入れ替えを簡単に行うことができる。
また、排水受け57に排出された電解水を掃除用水等に利用することも可能であり、この場合、例えば床面等に付着したウィルス等やアレルギー物質の抑制を図ることが可能になり、空気除菌以外の目的で、除菌能力を有する電解水を有効に利用できる。
また、排水受け57に排出された電解水を掃除用水等に利用することも可能であり、この場合、例えば床面等に付着したウィルス等やアレルギー物質の抑制を図ることが可能になり、空気除菌以外の目的で、除菌能力を有する電解水を有効に利用できる。
また、排水管55は水受皿42において、より深底に形成された貯留部42Aに連通し、水受皿42の下方に位置する排水受け57に達する管であるため、排水バルブ56を開状態とすれば水受皿42の電解水が自然に排水受け57に流下する。このため、シンプルな構成によって、確実に電解水の排出を行える。また、貯留部42Aに設置された水受皿フロートスイッチ43の状態を制御部60によって監視することにより、電解水の排出状態を監視することが可能となる。
さらに、電解水循環部2に水を供給する給水タンク41の給水口41Aは水受皿42に向けて開口しており、水受皿42の水位の低下に伴って給水タンク41内の水が供給される。このため、水交換運転の開始時点で給水タンク41内に水が残っていた場合、水受皿42の水の排出に伴って給水タンク41から新たに水が供給されるので、給水タンク41内に残った水により電解槽46、散水ボックス51、気液接触部材53及び水受皿42が洗浄される。これにより、単に水を入れ替えるだけでなく、電解水循環部2の洗浄をも行うことができる。
さらに、電解水循環部2に水を供給する給水タンク41の給水口41Aは水受皿42に向けて開口しており、水受皿42の水位の低下に伴って給水タンク41内の水が供給される。このため、水交換運転の開始時点で給水タンク41内に水が残っていた場合、水受皿42の水の排出に伴って給水タンク41から新たに水が供給されるので、給水タンク41内に残った水により電解槽46、散水ボックス51、気液接触部材53及び水受皿42が洗浄される。これにより、単に水を入れ替えるだけでなく、電解水循環部2の洗浄をも行うことができる。
また、制御部60のマイコン61は、タイマカウンタ63により計時された運転時間が所定の時間に達する毎に、排水バルブ56を開いて排水受け57に排水する水交換運転を行うので、定期的に水の入れ替えを行うことができる上、水の入れ替えのタイミングを自動的に制御できる。
ところで、上述したように、空気除菌装置1は、電極47、48の電位の反転を行うことで、電解槽46によって次亜塩素酸を含む電解水を生成する動作と、オゾンや過酸化水素を含む電解水を生成する動作とを切り替えることが可能である。このため、上述の水交換運転時に、電極を反転させてから電解水循環部2内の水を排水受け57に排出してもよい。以下、この場合について説明する。
図11は、図9のステップS6に示す水交換運転の別の例を詳細に示すフローチャートである。
この水交換運転で、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより水交換運転の開始を報知し(ステップS31)、通常の空気除菌運転を停止させる(ステップS32)。
次いで、マイコン61は、循環ポンプ44の運転を開始させ(ステップS33)、電解槽46の電極47、48への通電を開始してオゾンや過酸化水素を含む電解水を発生させる(ステップS34)。このステップS34で、マイコン61は、電極47をカソード電極とし、電極48をアノード電極として、電極47、48間に電圧を印加して通電する。これにより、アノード電極としての電極48ではオゾンが生成され、カソード電極としての電極47では過酸化水素が発生する。
この水交換運転で、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより水交換運転の開始を報知し(ステップS31)、通常の空気除菌運転を停止させる(ステップS32)。
次いで、マイコン61は、循環ポンプ44の運転を開始させ(ステップS33)、電解槽46の電極47、48への通電を開始してオゾンや過酸化水素を含む電解水を発生させる(ステップS34)。このステップS34で、マイコン61は、電極47をカソード電極とし、電極48をアノード電極として、電極47、48間に電圧を印加して通電する。これにより、アノード電極としての電極48ではオゾンが生成され、カソード電極としての電極47では過酸化水素が発生する。
ここで、電解槽46においてオゾンを生成させると、電解槽46から微量のオゾンが外部に漏出し、或いは、電解槽46から排出された電解水から微量のオゾンが揮発する可能性がある。オゾンは特有の臭気を有する気体であるから、オゾンの臭気が筐体11の外部に漏れ出た場合、利用者の違和感を招く可能性がある。オゾンの臭気は特に強いため、人体への影響が問題にならない程度のごく微量であっても、臭気が感じられてしまう。
そこで、上記ステップS34では、電解槽46における通電、及び、循環ポンプ44の運転を開始するが、ルーバー20は閉状態のままであり、かつ、ファンモータ32は停止したままにされる。これにより、オゾンの臭気が空気除菌装置1の外に漏れることは殆ど無く、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適に保つことができる。
そこで、上記ステップS34では、電解槽46における通電、及び、循環ポンプ44の運転を開始するが、ルーバー20は閉状態のままであり、かつ、ファンモータ32は停止したままにされる。これにより、オゾンの臭気が空気除菌装置1の外に漏れることは殆ど無く、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適に保つことができる。
ステップS34で電解槽46への通電を開始してから所定時間が経過した後、マイコン61は、電極47、48への通電を停止する(ステップS35)。ステップS34〜S35の間は、オゾン及び過酸化水素を含む電解水が電解水循環部2を循環する。
その後、マイコン61は排水バルブ56を開放し、水受皿42内の水を排水受け57へ排出させる(ステップS34)。
その後、マイコン61は排水バルブ56を開放し、水受皿42内の水を排水受け57へ排出させる(ステップS34)。
排水バルブ56を開放した後、マイコン61は、貯留部42Aに設置された水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS37)。そして、マイコン61は、水受皿フロートスイッチ43がオンに切り替わると(ステップS37;Yes)、給水タンク41内の水を含む空気除菌装置1内の水が十分に排水受け57に排水されたと判断して、循環ポンプ44を停止させ(ステップS38)、排水バルブ56を閉鎖させる(ステップS39)。
そして、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより排水の完了を報知するとともに、給水タンク41に水を補充する旨をユーザに案内し(ステップS40)、水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS41)。
そして、マイコン61は、出力部65を制御して操作パネル16のインジケータランプなどにより排水の完了を報知するとともに、給水タンク41に水を補充する旨をユーザに案内し(ステップS40)、水受皿フロートスイッチ43の状態を監視する(ステップS41)。
水を補充された給水タンク41が空気除菌装置1にセットされると、給水タンク41から水受皿42へ水が供給され、水受皿フロートスイッチ43がオフに切り替わる。このため、マイコン61は、水受皿フロートスイッチ43がオフになったことを検出すると(ステップS41;Yes)、通常運転を開始する(ステップS42)。
このように、水交換運転においてオゾンを含む電解水を発生させて、電解水循環部2を循環させることにより、電解水循環部2の各部がオゾンの強力な酸化作用により殺菌・脱臭され、清浄な状態を保つことができる。
また、通常運転においては電解槽46により次亜塩素酸を含む電解水が生成され、水交換運転において電極の反転を行い、オゾン及び過酸化水素を含む電解水を発生させるので、通常運転時とは異なる活性酸素種によって電解水循環部2の各部が洗浄されることとなる。このため、より確実に電解水循環部2の清浄性を保つことが可能となり、空気除菌装置1の各部を洗浄する手間を大幅に省くことができる。また、電極47、48に通電する電流を制御することで、水交換運転時における活性酸素種の濃度を、通常運転時に比べて高い濃度とすれば、より高い洗浄効果が期待できる。
また、通常運転においては電解槽46により次亜塩素酸を含む電解水が生成され、水交換運転において電極の反転を行い、オゾン及び過酸化水素を含む電解水を発生させるので、通常運転時とは異なる活性酸素種によって電解水循環部2の各部が洗浄されることとなる。このため、より確実に電解水循環部2の清浄性を保つことが可能となり、空気除菌装置1の各部を洗浄する手間を大幅に省くことができる。また、電極47、48に通電する電流を制御することで、水交換運転時における活性酸素種の濃度を、通常運転時に比べて高い濃度とすれば、より高い洗浄効果が期待できる。
また、本実施の形態の構成では、極性を反転させることにより、電解水に含ませる活性酸素種の種類を容易に切り替えることができるので、空気除菌装置1の構成を徒に複雑化することがない。
さらに、電極47、48の極性を反転させることにより、通常運転時にカソード電極に堆積したスケールが電極から剥離・脱落する。すなわち、通常運転時には、電解槽46に導入される水に含まれる無機物(イオンを含む)に由来するスケール(例えば、炭酸カルシウム等のカルシウム系スケール、炭酸マグネシウム等のマグネシウム系スケール)が、特にカソード側電極表面に堆積する。スケールが電極に堆積すると、電気伝導性が低下し、継続的な電気分解が困難となる。本実施の形態の構成では、水交換運転時に極性を反転させることで、電極に堆積したスケールが脱落し、循環ポンプ44の動作により電解槽46内を出入りする水に押し流されて、排水受け57に排出される。このため、水交換運転を実施することによって、電解槽46内に蓄積したスケールを空気除菌装置1の外に排出できる。
これにより、上述のように電解水循環部2の各部を洗浄できることと合わせ、各部の清掃及びメンテナンスの頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスに係る労力及び費用の負担を大幅に軽減できる。
これにより、上述のように電解水循環部2の各部を洗浄できることと合わせ、各部の清掃及びメンテナンスの頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスに係る労力及び費用の負担を大幅に軽減できる。
ここで、空気除菌装置1は、電極47、48に通電する電流を制御することにより、電解水中の活性酸素種の濃度を変化させることが可能である。そこで、図11を参照して説明した動作において、電極47、48の極性を反転させず、通常運転時よりも高い濃度で活性酸素種を生成するよう電極47、48への通電を制御すれば、電解水循環部2の各部が強力に洗浄され、確実に清浄性を保つことができる。この場合、通常より高い濃度の活性酸素種(次亜塩素酸等)を発生させることから、この活性酸素種の臭気が筐体11の外に漏れないよう配慮することが望ましい。図11に示した動作においてはルーバー20を閉じて臭気の漏れを防止できるので、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適な状態に保ちつつ、清浄性を保てるという利点がある。
そして、電解槽46においてオゾンを生成させる場合、及び、高濃度の活性酸素種(オゾン以外の活性酸素種を含む)を発生させる場合には、これらオゾン及び高濃度の活性酸素種に特有の臭気が生じる可能性があるが、ルーバー20によって吹出口13を閉鎖するとともに、送風ファン31を停止させた状態とすることで、この臭気が筐体11の外に排出されることが殆ど無い。このため、筐体11の外への臭気の漏れを確実に抑制し、空気除菌装置1の設置室内の環境を快適に保ちつつ、空気除菌装置1の内部の清浄性を確実に確保できる。
なお、本実施の形態に係る空気除菌装置1は、本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、上記実施の形態においては、電極47と電極48を対の電極として2対設け、各電極47、48の極性を反転させることにより、生成する電解水に含まれる活性酸素種の種類を次亜塩素酸またはオゾンもしくは過酸化水素に切り替えることとしたが、電解槽46に設ける電極の構成はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、電極47と電極48を対の電極として2対設け、各電極47、48の極性を反転させることにより、生成する電解水に含まれる活性酸素種の種類を次亜塩素酸またはオゾンもしくは過酸化水素に切り替えることとしたが、電解槽46に設ける電極の構成はこれに限定されるものではない。
すなわち、2つの電極47を並列接続するとともに、1つの電極48を用い、電解槽46内に3つの電極が配設された構成としてもよい。また、電解槽46内に、常に負の電位が与えられる第三の電極を2つ設け、電極47、電極48と、2つの第三の電極とが、それぞれ対をなす構成として、電極47と第3の電極の間、及び、電極48と第3の電極の間に、電圧を印加して水を電解するものとしてもよい。ここで、第三の電極としては、白金、カーボン(C)、ステンレス(Fe−Cr−(Ni)系合金)などを用いればよい。
また、複数の電解槽46を設けた構成とし、一方の電解槽46には電極47と第三の電極を対の電極として挿入し、他方の電解槽46には電極48と第三の電極とを対の電極として挿入し、水道水を電気分解させる電解槽46を適宜切り替えて、気液接触部材53に滴下または浸透させる電解水に含ませる活性酸素種の種類を切り替える構成としてもよい。
このように、第三の電極を新たに設けて、電極47と電極48とを切り替えて第三の電極と対をなすよう構成してもよい。この場合、前記第三の電極と対にする電極を前記電極47と前記電極48とに交互に切り替えることが好ましい。また、このように第三の電極と対にする電極を電極47と電極48に切り替えることで、活性酸素種として次亜塩素酸とオゾンを生成することが特に好ましい。
さらに、上記電極は板状電極としてもよいし、棒状や他の形状であってもよい。
さらに、上記電極は板状電極としてもよいし、棒状や他の形状であってもよい。
また、上記実施の形態においては、電解槽46において水道水を電気分解することにより、水道水中に含まれる塩素イオンを利用して活性酸素種を生成することとしたが、空気放電によりオゾンを生成するオゾン生成装置を備え、このオゾン生成装置により生成されたオゾンを水に溶解させて、気液接触部材53に供給する構成としてもよい。この場合のオゾン生成装置は、生成したオゾンを電解槽46に供給する構成としてもよいし、電解槽46において生成した電解水にオゾン生成装置により生成したオゾンを供給して、電解水にオゾンを溶解させる構成としてもよい。このような構成によれば、電解槽46に導入される水道水のイオン種が希薄で、水道水の電気分解によってはオゾンを生成させるのが困難な場合でも、活性酸素種としてのオゾンを含む電解水を生成して、気液接触部材に滴下または浸透させることができる。
さらに、上記実施の形態において、電極47、48の極性を最初から反転させた状態として、オゾン及び過酸化水素を含む電解水を用いて、空気除菌運転を行ってもよい。この場合、電解槽46に導入される水中のイオン種が希薄であっても、問題なく空気除菌を行える。
また、上記実施の形態では、出し入れ自在な給水タンク41による給水方式としたが、この給水タンク41の代わりに、例えば水道管を接続して、市水を直接導く水配管給水方式としてもよいことは云うまでもない。
さらに、上記実施の形態では、気液接触部材53に電解水を滴下させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、気液接触部材53によって電解水を吸い上げさせる構成としてもよい。この場合、例えば電解水を貯留する水受皿42において、気液接触部材53の下縁部が電解水の水位より下方に位置する構成とし、気液接触部材53の下部を水没させ、いわゆる毛細管現象によって電解水を吸い上げることにより、気液接触部材53に電解水を浸潤させる構成としてもよい。
1 空気除菌装置
2 電解水循環部(循環経路)
11 筐体
12 吸込グリル
13 吹出口(排気口)
14 給水タンク取出口
15 取出口
16 操作パネル
17 把持部
20 ルーバー(蓋体)
31 送風ファン
31A 送風口
32 ファンモータ
34 プレフィルタ
35 吹出口フィルタ
38 導風板
39 電装ボックス
41 給水タンク
42 水受皿
42A 貯留部
43 水受皿フロートスイッチ
44 循環ポンプ
46 電解槽
47、48 電極
51 散水ボックス
53 気液接触部材
55 排水管
56 排水バルブ(止水バルブ)
57 排水受け
60 制御部
61 マイコン(制御手段)
62 記憶部
63 タイマカウンタ(計時手段)
64 入力部
65 出力部
66 電解槽フロートスイッチ
67 電源部
68 ルーバー駆動モータ
2 電解水循環部(循環経路)
11 筐体
12 吸込グリル
13 吹出口(排気口)
14 給水タンク取出口
15 取出口
16 操作パネル
17 把持部
20 ルーバー(蓋体)
31 送風ファン
31A 送風口
32 ファンモータ
34 プレフィルタ
35 吹出口フィルタ
38 導風板
39 電装ボックス
41 給水タンク
42 水受皿
42A 貯留部
43 水受皿フロートスイッチ
44 循環ポンプ
46 電解槽
47、48 電極
51 散水ボックス
53 気液接触部材
55 排水管
56 排水バルブ(止水バルブ)
57 排水受け
60 制御部
61 マイコン(制御手段)
62 記憶部
63 タイマカウンタ(計時手段)
64 入力部
65 出力部
66 電解槽フロートスイッチ
67 電源部
68 ルーバー駆動モータ
Claims (6)
- 電解槽において水を電気分解して電解水を生成し、生成した電解水を気液接触部材に浸潤させ、送風ファンにより前記気液接触部材に空気を送ることにより当該空気を除菌する空気除菌装置において、
前記気液接触部材の上側から前記電解水を供給し、前記気液接触部材の下に位置する水受皿により前記気液接触部材から流下する電解水を受けて貯留し、貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材に供給する循環経路を設け、
前記循環経路から分岐して前記電解水を外部に排出可能な排水管と、この配水管を開閉する止水バルブと、この止水バルブの開放時に前記排水管から排出される電解水を受けて貯留する排水受けと、を設けたこと、
を特徴とする空気除菌装置。 - 前記水受皿の一部には、より深底の貯留部が形成され、前記排水管は前記水受皿の貯留部から前記水受皿の下方に位置する前記排水受けに延びる管であること、を特徴とする請求項1記載の空気除菌装置。
- 前記止水バルブの開閉を制御する制御手段と、
当該空気除菌装置の運転時間を計時する計時手段とを備え、
前記制御手段は、前記計時手段により計時される運転時間が所定の時間に達した場合に、前記止水バルブを開くこと、
を特徴とする請求項1または2記載の空気除菌装置。 - 前記電解槽は、複数の電極間に電圧を印加することにより電解水を生成する構成を有し、
通常運転時には、前記複数の電極間に電圧を印加して電解水を生成させ、前記循環経路により電解水を循環させるとともに前記送風ファンにより送風を行い、
前記止水バルブを開いて排水を行う際には、まず前記複数の電極間における極性を反転させて前記電解水を生成し、前記循環経路において電解水を循環させ、その後に前記止水バルブを開くこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の空気除菌装置。 - 前記電解槽が備える複数の電極間における極性を反転させて水を電気分解することにより、次亜塩素酸やオゾン等の活性酸素物質を生成させること、を特徴とする請求項4記載の空気除菌装置。
- 前記気液接触部材を通過した空気を排出する排気口と、この排気口を閉鎖可能な蓋体とを備え、
前記電解槽が備える複数の電極間における極性を反転させて、これら複数の電極間に電圧が印加される間は、前記蓋体により前記排気口が閉鎖されること、を特徴とする請求項5記載の空気除菌装置。
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