JP4423738B2 - エアバッグ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車等に設けられるエアバッグに係り、特に、内部のガスを流出させるベントホールを有するエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エアバッグ装置は、周知の通り、自動車の衝突時等にエアバッグ内にガスを供給してエアバッグを急速に展開させるよう構成されている。
【0003】
展開したエアバッグに対し乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ内の気体をエアバッグ外に流出させてエアバッグに加えられる衝撃を小さくするために、エアバッグにベントホールが設けられている。
【0004】
エアバッグが展開を開始した初期のうちにこのベントホールからガスが流出すると、それだけガス発生器(インフレータ)の出力を大きくしなければならない。そこで、ベントホールにゴム又は樹脂製のフィルムを取り付け、エアバッグ内圧が所定以上になるとこのフィルムが破断されるよう構成したものが考えられている。
【0005】
また、エアバッグの基布にスリットを入れておき、このスリットを覆うようにエアバッグにフィルムを貼着しておき、エアバッグ内圧が所定以上になると、このフィルムが破断し、スリットが開放するようにしたものがある。
【0006】
さらに、エアバッグのベントホールを糸で縫合して閉鎖しておき、エアバッグ内圧が所定以上になるとこの糸が切れ、ベントホールが開くようにしたものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来のエアバッグのいずれにおいても、エアバッグが展開する初期にあっては破断しないフィルムや糸を選定する必要があり、また、フィルムや糸は安定した破断強度を必要とするため、高価な材料を選定しなければならなかった。即ち、エアバッグが展開するときにはエアバッグの基布に対し展開方向に引張る力が加えられる。この力は、フィルムや糸に対して張力として作用するため、フィルムや糸はこの張力に耐える必要がある。フィルムや糸の破断が早めに起こると、ベントホールは所定のタイミングよりも早く開放し、逆に、フィルムや糸の破断が遅れるとベントホールは所定のタイミングよりも遅く開放することとなる。
【0008】
また、フィルムや糸等によってベントホールが完全に閉鎖され、エアバッグが密封されている場合、エアバッグ膨張初期の段階において、エアバッグが折り畳まれ、このエアバッグを構成する布材同士が密着した状態となっているときには、インフレータからのガスの供給のみでは密着していた布材同士が離反し難く、エアバッグの展開が遅れることがある。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解消し、エアバッグ膨張初期にはベントホールの一部が開放され且つ大部分が閉鎖されており、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはベントホールが必要な面積まで確実に開放するエアバッグを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)のエアバッグは、エアバッグ内部のガスを流出させるためのベントホールを有するエアバッグであって、該ベントホールの一部を開放し且つ大部分を閉鎖するカバーが設けられており、該カバーは、該エアバッグ内圧が所定圧力以上になるとその一部がガス圧によってベントホール外にはみ出し、これにより、該ベントホールの開放量を増大させるエアバッグにおいて、前記カバーの辺縁の一部がベントホール縁部からベントホール内側へ離隔しており、これにより該ベントホールの一部が開放した構成となっており、該エアバッグのベントホール周縁の一部が該カバーと結合されており、該ベントホール周縁の他部は該カバーに対し非結合となっており、少なくともこのカバーの非結合部がエアバッグ外にはみ出すことにより該ベントホールの開放量が増大するものであることを特徴とするのである。
本発明(請求項4)のエアバッグは、エアバッグ内部のガスを流出させるためのベントホールを有するエアバッグであって、該ベントホールの一部を開放し且つ大部分を閉鎖するカバーが設けられており、該カバーは、該エアバッグ内圧が所定圧力以上になるとその一部がガス圧によってベントホール外にはみ出し、これにより、該ベントホールの開放量を増大させるものであるエアバッグにおいて、該カバーが、該ベントホールの周縁部に重なるようにエアバッグの内面に沿って配置されており、該カバーには該エアバッグの内外を連通する連通部が設けられており、該カバーの周縁部の一部が該ベントホールの周縁部に結合され、該カバーの周縁部の他部が該ベントホールの周縁部とは結合していない非結合部とされており、該非結合部の少なくとも一部に保持部材が重ねられ、該保持部材のうち該非結合部よりも外周側の部分が該ベントホールの周縁部に結合されており、これにより、該非結合部の少なくとも一部が該ベントホールの周縁部及び該保持部材によって挟持されて保持され、該エアバッグの内圧が所定圧力以上となったときに該非結合部の少なくとも一部が該ベントホールの周縁部と該保持部材の間から抜け出して該ベントホールの外部にはみ出すように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
かかる本発明のエアバッグによると、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはベントホールはカバーによってその一部が開放され且つ大部分が閉鎖されている。これにより、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階において、エアバッグが折り畳まれ、このエアバッグを構成する布材同士が密着した状態となっている場合であっても、エアバッグはその内部と外部とが連通しており、エアバッグの膨張に伴ってベントホールの一部から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグが迅速に展開し始める。また、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホールから流出しないため、エアバッグは急速に膨張する。エアバッグ内圧が所定圧力以上になると、カバーはガスの押圧力によってベントホールの外部にはみ出し、ベントホールの開放量を増大させる。なお、大部分とはベントホール開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0012】
このエアバッグは、カバーにエアバッグ内外を常時連通する連通部が設けられ、該連通部によりベントホールの一部が開放した構成とすることができる。また、カバーの辺縁の一部がベントホール縁部からベントホール内側へ離隔しており、これにより該ベントホールの一部が開放した構成とすることもできる。
【0013】
本発明(請求項1)のエアバッグは、エアバッグのベントホール周縁の一部がカバーと結合されており、ベントホール周縁の他部はカバーに対し非結合となっており、少なくともこの非結合部がエアバッグ外にはみ出すことによりベントホールの開放量が増大する。
【0014】
このように構成することにより、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはベントホールはカバーによって一部が開放され且つ大部分が閉鎖されており、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバーの非結合部がベントホール外にはみ出し、ベントホールの開放量が確実に増大する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態及び参考例について説明する。第1図は、参考例に係るエアバッグの後方からの斜視図、第2図はカバーの取付状態を示す分解斜視図、第3図はエアバッグのベントホール部分の平面図、第4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図及びこの断面におけるエアバッグ膨張過程のカバーの態様を示す説明図、第5図はベントホール部分の開放状態を示す斜視図である。
【0020】
このエアバッグ1は、その後部にインフレータ(図示略)からのガスを受け入れるための開口2を有する。このエアバッグ1は布製のものであり、開口2の周縁部3には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔4が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ1がエアバッグ装置のコンテナ(図示略)に連結可能とされている。
【0021】
このエアバッグ1の後面には、略半円形状のベントホール5が設けられている。エアバッグ1が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール5は、カバー6によって覆われている。このカバー6は、ベントホール5と略相似形状で且つベントホール5と重なっている略半円形状の面の表面積がベントホールよりも大きい布或いは樹脂シート等から構成される。このカバー6にはエアバッグ内外を連通する孔状の連通部6cが設けられている。この連通部6cにより、カバー6は、ベントホール5の一部を開放し且つ大部分を閉鎖するものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホールの開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0022】
第3図に示すように、ベントホール5は弧状部5a及び弦状部5bを有している。また、カバー6は弧状部6a及び弦状部6bを有している。連通部6cは、カバー6のベントホールの周縁部によって覆われない位置に設けられている。
【0023】
カバー6は、その表面の弧状部6a及び弦状部6bがそれぞれベントホール5の弧状部5a及び弦状部5bの周縁部と重なるようにエアバッグ1の内面に沿って配置されてベントホール5を覆っており、カバー6の弧状部6aとベントホール5の弧状部5aとの重なり合った部分は縫糸7や接着、溶着等の結合手段によって結合され、カバー6の弦状部6bは非結合にてベントホール5の弦状部5bの周縁部に重なっている(以下、カバー6のベントホール5と非結合にて重なっている部分を非結合部と称する場合がある。)。
【0024】
なお、カバー6は、エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときはベントホール5の大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって第4図に示すように変形し、カバー6の、ベントホール5の開口部と重なった部分がベントホール5から押し出されると共にカバー6の非結合部がベントホール5の開口縁部に向かって移動してベントホール5の外部にはみ出してベントホールの開放量を増大させるものとなっている。
【0025】
このエアバッグ1は、周縁部3がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ1は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグが膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0026】
このエアバッグ1は、開口2を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第1図に示す形状に展開される。
【0027】
なお、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ1は折り畳まれ、このエアバッグ1を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ1は連通部6cによってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ1の膨張に伴ってこの連通部6cから外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ1が迅速に展開し始める。
【0028】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール5はその大部分がカバー6によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール5から流出しないため、エアバッグ1は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー6はガスの押圧力によって変形し、カバー6の非結合部はベントホール5の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール5の開放量が増大し、エアバッグ内部の余分なガスを流出させる。これにより、エアバッグ1に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ1内の余分なガスがこのベントホール5を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0029】
ここで、一般に、エアバッグは、エアバッグを構成する布材として経糸及び緯糸から構成される平織りの布が使用される場合が多いため、エアバッグ1にベントホール5を形成するにあたっては、ベントホール5の弦状部5bがエアバッグ1の布材の織目に沿って延在するように形成することにより、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール5が大きく変形したり、ベントホール5が形成されたことによってエアバッグ1の強度が著しく低下することを防止できる。
【0030】
一方、カバー6はエアバッグ1と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー6が所定圧力以上のガス圧によって変形した際、カバー6の非結合部がスムーズにベントホール5の外部にはみ出すようにするために、カバー6は、エアバッグ1のベントホール周縁部に対して比較的高い伸縮性を有していることが望ましい。従って、例えば、この実施の形態においてエアバッグ1と同一の布材にてカバー6を作製する場合には、カバー6の布材の織目がカバー6の弦状部6bの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー6が弦状部の延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー6の布材の織目が弦状部6bの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0031】
この参考例にあっては、ベントホール5の開口部及びカバー6は略半円形状にて構成されているが、これに限られるものではない。ベントホール5の開口部は、エアバッグ1の強度を損なわない範囲において、円形状、三角形状、長穴状等の他の形状にて構成されてもよく、複数個の開口より構成されてもよい。ベントホール5の周囲には、補強布(図示略)が縫合或いは接着等によって設けられていてもよく、補強縫い(ベントホールを取り囲むように設けられた縫い目(図示略)。)が施されていてもよい。また、カバー6は、ベントホール5を覆う方形その他の形状にて構成され、一部がエアバッグのベントホール周縁部に結合され、他部がベントホール周縁部に対し非結合とされてもよい。この場合においても、カバー6は、エアバッグ1に対して比較的高い伸縮性を有することが望ましい。以下に、このようなベントホール及びカバーを備えたエアバッグについて、第6,7図を参照し、具体的に例を挙げて説明する。
【0032】
第6図は別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の開放状態を示す説明図である。
【0033】
第6図(a)に示されるように、エアバッグ10には長穴形状のベントホール15が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ10は前述のエアバッグ1と同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ10は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ10がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0034】
ベントホール15は、エアバッグ10の後面に設けられている。エアバッグ10が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期においてエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール15は、連通部16aを有するカバー16によって覆われている。このベントホール15は、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール15が大きく変形したり、ベントホール15を設けたことによってエアバッグ10の強度が著しく低下することを防止するために、ベントホール15の長穴形状の開口部の長軸が、エアバッグ10を構成する布材の放射方向の織目に沿って延在するように形成されている。
【0035】
カバー16は、ベントホール15の長軸方向に沿って延在する帯状であり、エアバッグ10の内側からベントホール15の周縁部に重なってベントホール15を覆っている。カバー16の短辺側の両縁部は、エアバッグ10のベントホール15の両端側の周縁部付近に配置され、縫糸17や接着、溶着等の結合手段によって、重なり合うエアバッグ10のベントホール15周縁部付近に結合されている。カバー16の長辺側の両縁部は、ベントホール15の長軸方向の縁部に沿って延在し、非結合にてベントホール15の長軸方向の周縁部と重なるように配置されている(以下、カバー16の長辺側の両縁部を非結合部と称する場合がある。)。連通部16aは、カバー16のベントホール15の周縁部によって覆われない位置に設けられている。
【0036】
このカバー16は前述のカバー6と同様に、エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには連通部16aを介してベントホール15の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはその押圧力によって変形し、ベントホール15の開口部と重なった部分がベントホール15から押し出されるとともにカバー16の非結合部がベントホール15の開口縁部に向かって移動してベントホール15の外部にはみ出してベントホール15の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホールの開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0037】
なお、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにガスの押圧力によってカバー16がスムーズに変形し、カバー16の非結合部がベントホール15からはみ出すようにするために、カバー16はエアバッグ10に対して比較的伸縮性の高いものとなっている。例えば、カバー16がエアバッグ10と同一の布材にて作製された場合、カバー16は、カバー16の布材の織目がカバー16の長辺側の縁部の延在方向に対して斜交するように構成される。これにより、カバー16はその長辺方向並びに長辺と直交する方向に比較的伸縮し易いものとなり、エアバッグ内圧が所定圧力以上となった場合には確実にカバー16が変形してベントホール15からはみ出し、ベントホール15を開放させることができる。カバー16の布材の織目が長辺側の縁部の延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0038】
このエアバッグ10は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ10は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグが膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0039】
このエアバッグ10は、開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第1図に示すエアバッグ1と同様の形状に展開される。
【0040】
なお、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ10は折り畳まれ、このエアバッグ10を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ10は連通部16aによってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ10の膨張に伴ってこの連通部16aから外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ10が迅速に展開し始める。
【0041】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール15はその大部分がカバー16によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール15から流出しないため、エアバッグ10は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー16はガスの押圧力によって変形し、カバー16の非結合部はベントホール15の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール15の開放量が増大し、エアバッグ内部の余分なガスを流出させる。これにより、エアバッグ10に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ10内の余分なガスがこのベントホール15を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0042】
第7図はさらに別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の開放状態を示す説明図である。
【0043】
第7図(a)に示されるように、エアバッグ20には連続した2個のベントホール25,26が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ20はエアバッグ1と同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ20は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ20がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0044】
ベントホール25,26はエアバッグ20の後面に設けられている。エアバッグ20が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール25,26は、ともに単一の布或いは樹脂シート等よりなるカバー27によって覆われている。カバー27には貫通孔よりなる連通部27a及び27bが設けられている。
【0045】
ベントホール25,26は、ともに略半円形状の開口形状を有し、互いに離反する側の縁部には弦状の縁部25b,26bが設けられている。これらのベントホール25,26の縁部25b,26b(以下、それぞれ単に「弦状部25b」、「弦状部26b」と称する場合がある。)は互いに平行なものとなっている。また、これらの弦状部25b,26bはともにエアバッグ20の織目に沿って平行に設けられており、これにより、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール25,26が伸長してベントホール25,26の開口面積が大きく変動することが防止される。
【0046】
カバー27は、エアバッグ20の内面に沿ってベントホール25,26を覆う単一の帯状のものであり、カバー27の長辺側の両縁部はベントホール25とベントホール26が連続する方向に沿ってベントホール25,26の周縁部付近に重なるように配置され、縫糸28や接着、溶着等の結合手段によってエアバッグ20に結合されている。カバー27の短辺側の両縁部はそれぞれベントホール25,26の弦状部25b,26bの周縁部付近に非結合にて重なっている(以下、カバー27の短辺側の両縁部を「非結合部」と称する場合がある。)。連通部27a,27bは、ベントホール25,26の周縁部によって覆われない位置に設けられている。
【0047】
このカバー27は、前述のカバー6と同様に、エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには連通部27a,27bを介してベントホール25,26の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となつたときにはその押圧力によって変形し、ベントホール25,26の開口部と重なった部分がベントホール25,26から押し出されるとともにカバー27の非結合部がベントホール25,26の開口縁部に向かって移動してベントホール25,26の外部にはみ出してベントホール25,26の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホールの開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0048】
なお、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにガスの押圧力によってカバー27がスムーズに変形し、カバー27の非結合部がベントホール25,26からはみ出すようにするために、カバー27はエアバッグ20に対して比較的伸縮性の高いものとなっている。例えば、カバー27がエアバッグ20と同一の布材にて作製された場合、カバー27は、カバー27の布材の織目がカバー27の短辺側縁部の延在方向に対して斜交するように構成される。これにより、カバー27はその短辺方向並びに短辺と直交する方向に比較的伸縮し易いものとなり、エアバッグ内圧が所定圧力以上となった場合には確実にカバー27が変形してベントホール25,26からはみ出し、ベントホール25,26を開放させることができる。カバー27の布材の織目が短辺側縁部の延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0049】
このエアバッグ20は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ20は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグが膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0050】
このエアバッグ20は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第1図に示すエアバッグ1と同様の形状に展開される。
【0051】
なお、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ20は折り畳まれ、このエアバッグ20を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ20は連通部27a,27bによってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ20の膨張に伴ってこの連通部27a,27bから外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ20が迅速に展開し始める。
【0052】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール25,26はその大部分がカバー27によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール25,26から流出しないため、エアバッグ20は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー27はガスの押圧力によって変形し、カバー27の非結合部はベントホール27の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール25,26の開放量が増大し、エアバッグ内部の余分なガスを流出させる。これにより、エアバッグ20に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ20内の余分なガスがこのベントホール25,26を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0053】
なお、このエアバッグ20にあっては、ベントホールを連続する2個の略半円形状の開口として構成しているが、エアバッグの強度を損わない範囲内において、ベントホールの形状及び個数はこれに限られるものではなく、円形その他の形状を有していてもよく、2個以上の連続した開口であってもよい。また、カバーは、複数のベントホールを単一のカバーにて覆うように構成してもよく、それぞれ別個のカバーにてベントホールを覆うように構成してもよい。
【0054】
次に、第8〜12図を参照して本発明のさらに別の参考例について説明する。第8図は、別の参考例に係るエアバッグを示す斜視図、第9図はカバーの取付状態を示す分解斜視図、第10図はエアバッグ内圧が所定圧力以下のときのスリット部分を示す説明図、第11図はエアバッグ内圧が所定圧力以上となったときのスリット部分を示す説明図、第12図は排気口を露出した状態におけるスリット部分の斜視図である。
【0055】
このエアバッグ50は、その後部にインフレータ(図示略)からのガスを受け入れるための開口52を有する。このエアバッグ50は布製のものであり、開口52の周縁部53には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔54が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ50がエアバッグ装置のコンテナ(図示略)に連結可能とされている。
【0056】
このエアバッグ50の後面には、スリット55が設けられている。エアバッグ50が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及びエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、このスリット55は布或いは樹脂シート等よりなるカバー56によって覆われている。また、エアバッグ50は円形のものであり、エアバッグ50を構成する布材はエアバッグ1と同様に、平織の布を使用している。スリット55はこのエアバッグ50の織目に沿って設けられている。これにより、エアバッグ膨張時にスリット55の長さが変化しにくいものとなっている。
【0057】
スリット55は、第10図に示すように、後述の連通部56aの径よりもわずかに大きい幅を有した細長い略長穴形状にて形成されている。
【0058】
カバー56はスリット55の開裂方向に沿って延在する帯状のものであり、エアバッグ50の内側からスリット55の周縁部に重なってスリット55を覆っている。カバー56の両端側の縁部はスリット55の両端側の周縁部付近と重なるように配置され、縫糸57や接着、溶着等の結合手段によってエアバッグ50に結合されている。カバー56のその他の部分はエアバッグ50に対して非結合にてスリット55の周縁部付近に重なっている(以下、このような部位を非結合部と称する場合がある。)。このカバー56の非結合部には、エアバッグ50のスリット55の周縁部と重なってエアバッグ50に覆われている部分に円孔形状の排気口58が設けられている。また、カバー56の略中央部分には、スリット55の周縁部によって覆われない位置に小孔状の、エアバッグ50の内外を連通する連通部56aが設けられている。
【0059】
このカバー56は、エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには連通部56aを介してスリット55の一部を開放し、排気口58がエアバッグ50のスリット55の周縁部によって覆われており、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときには、その押圧力によってカバー56の非結合部が変形してスリット55を押し開き、排気口58を露出させるものとなっている。また、この排気口58の開度(スリット55の辺縁部と、このスリット55の辺縁部から露出した排気口58の辺縁部とによって形成される開口の開口面積)はエアバッグ内圧に応じて自動的に変化するものとなっている。
【0060】
このエアバッグ50にあっては、これらスリット55及びカバー56に設けられた各開口部によってベントホールが形成される。このベントホールは、上述のような構成により、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはカバー56によって一部が開放され且つ大部分が閉鎖されており、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはエアバッグ内圧に応じて開放されるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホールの各開口部の開度が全開となったときの開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0061】
なお、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときに確実にガスの押圧力によってカバー56の非結合部が変形してスリット55を押し開き、排気口58を露出させるようにするために、カバー56はエアバッグ50に対して比較的高い伸縮性を有するように構成されることが好ましい。このカバー56は、エアバッグ50と同一の布材より作製されてもよく、異なった素材から作製されてもよいが、例えば、エアバッグ50と同一の布材から作製される場合、カバー56の織目がカバー56の長さ方向の縁部の延在方向に対して斜交するように構成することにより、カバー56は長さ方向及び幅方向に対して比較的伸縮し易いものとなり、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときには確実にカバー56が変形してスリット55を押し開き、排気口58を露出させることができる。カバー56の布材の織目が長さ方向の縁部の延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0062】
このエアバッグ50は、周縁部53がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ50は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグが膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0063】
このエアバッグ50は、開口52を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第8図に示す円形に展開される。
【0064】
なお、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ50は折り畳まれ、このエアバッグ50を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ50は連通部56aによってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ50の膨張に伴ってこの連通部56aから外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ50が迅速に展開し始める。
【0065】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、スリット55はその大部分がカバー56によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール55から流出しないため、エアバッグ50は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定内圧以上となったときには、カバー56がガスの押圧力によって変形し、スリット55を押し開いて排気口58を露出させる。この結果、ガスが排気口58から流出してエアバッグ内圧を低下させる。その後、エアバッグ内圧が低下して所定圧力以下となったときには、カバー56は、ガスの押圧力が小さくなったことにより初期の状態に復元し、これに伴って、カバー56によって押し開かれていたスリット55も元の状態に復元して排気口55を覆ってガスの流出量を減少させる。これにより、エアバッグ内圧がほぼ所定圧力にて維持され、エアバッグ50に乗員が突っ込んできた場合においても確実にエアバッグ50が乗員を受けとめるとともに衝撃が吸収される。
【0066】
この参考例にあっては、カバー56には円孔形状の排気口58が設けられているが、排気口の形状はこれに限られるものではなく、例えば、カバー56には、第13図に示すようにスリット55の開裂方向と直交する方向に延在する長軸を有する長穴形状の排気口60が設けられてもよく、第14図に示すようにスリット55の開裂方向と直交する方向に連なる多孔状の排気口62が設けられてもよい。また、第15,16図に示すように、スリット55の近傍に頂点の一つが配置され、スリット55から離隔するにつれてスリット55の延在方向に拡幅した略三角形状を有する排気口64が設けられてもよい。
【0067】
このように、カバー56に、スリット55の開裂方向と直交する方向に偏向した開口形状を有する排気口60,62,64が設けられた場合、カバー56は、図示のように、エアバッグ内圧の高さに応じて自動的に適当な開度で排気口60,62,64を露出させるため、ガスの流出を過不足なく行うことができ、よりきめ細かくエアバッグ内圧の圧力変化に対応してエアバッグの内圧を適切な圧力にて維持することが可能となる。
【0068】
また、第15,16図に示すように、エアバッグ50の、スリット55の周縁部に補強布65が設けられてもよく、これによりスリット55の周縁部が補強され、エアバッグ膨張時或いはスリット55がカバー56によって押し広げられた際にエアバッグ50が破損することをより確実に防止することもできる。
【0069】
第15,16図において、この補強布65は、縫糸57によってカバー56と共にスリット55の周縁部に縫製され、また、スリット55の近傍においてこのスリット55を取り囲むように縫糸66によってエアバッグ50と結合しているが、補強布65の取り付け方法はこれに限られるものではなく、補強布65は単独にて縫製又は接着等の手段によってエアバッグ50に設けられてもよい。また、図示はしないが、この補強布65に代わって、スリット55を取り囲むように縫目が設けられる、いわゆる補強縫いによってスリット55の周縁部が補強されてもよい。
【0070】
なお、この参考例にあっては、スリット55は、連通部56aの径よりもわずかに大きい幅を有した細長い略長穴形状の開口により形成され、この略長穴状の開口部分から連通部56aを露出させることによって常時エアバッグ50の内外を連通するように構成しているが、スリット55の構成はこれに限られるものではない。例えば、第36図に示すように、このスリット55を切り込み状のものとし、このスリット55の中央付近に、連通部56aよりもわずかに大きい開口径を有する円形の開口形状を呈した大径部55aを設け、この大径部55aを介して連通部56aがスリット55から露出することにより常時エアバッグ50の内外を連通するように構成してもよい。
【0071】
このように構成したエアバッグ50にあっては、スリット55及び大径部55a並びにカバー56に設けられた各開口部によってベントホール(図示略)が形成される。
【0072】
エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、カバー56は大径部55aを介して連通部56aが露出し、排気口58がエアバッグ50のスリット55の周縁部によって覆われており、これによりベントホールの一部が開放され且つ大部分が閉鎖されたものとなっている。エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときには、その押圧力によってカバー56の非結合部が変形してスリット55を押し開き、排気口58を露出させてベントホールを開放するものとなっている。この排気口58の開度はエアバッグ内圧に応じて自動的に変化する。これにより、このように構成した場合にあっても、エアバッグ50は、前述の構成と同様の効果を奏することができる。
【0073】
また、このエアバッグ50に設けられるスリットは、第37図に示すように、同一軸線上に断続的に延在する2条のスリット67,68であってもよい。この場合、エアバッグ50の、これらのスリット67,68の間の部分に連通部56aの径よりもわずかに大きな径を有する円形の開口69が設けられ、この開口69を介して連通部56aが露出し、常時エアバッグ50の内外を連通するように構成される。この際、エアバッグ50の、開口69と各スリット67,68との間の部分はエアバッグ内圧が所定圧力以上となったときに破断するものとなっている。
【0074】
このように構成された場合、エアバッグ50は、スリット67,68及び開口69並びにカバー56に設けられた各開口部によってベントホール(図示略)が形成される。
【0075】
カバー56は、エアバッグ膨張時においてエアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、連通部56aが開口69を介して露出してエアバッグの内外を連通していると共に排気口58がエアバッグ50のスリット67,68及び開口69の周縁部によって覆われており、これによりベントホールの一部が開放され且つ大部分が閉鎖されたものとなっている。このとき、エアバッグ50の開口69と各スリット67,68との間の部分はカバー56及びインフレータからのガスの押圧力によっては破断せず、スリット67,68の各縁部がカバー56によって押し開かれることが阻止されているため、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには確実に排気口68が露出しないものとなっている。
【0076】
また、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときには、そのガス圧によってカバー56の非結合部が変形して開口69の周縁部を押圧する。この押圧力によりエアバッグ50の開口69と各スリット67,68との間の部分が破断してスリット67とスリット68とが連通し、カバー56は、容易にこれらのスリット67,68を押し開いて排気口58を露出させてベントホールを開放するものとなっている。このとき露出する排気口58の開度はエアバッグ内圧に応じて自動的に変化する。
【0077】
このように構成されたエアバッグ50にあっては、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはより確実にベントホールの一部が開放され且つ大部分が閉鎖された状態に維持することが可能であると共に、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはエアバッグ50の開口69と各スリット67,68との間の部分が破断して容易に排気口58を露出させて前述の構成と同様の効果を奏することができる。
【0078】
さらに、この実施の形態にあっては、カバー56に排気口58を設け、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー56がスリット55を押し開いてこの排気口58を露出させてガスを流出させるように構成しているが、この排気口58は省略されてもよく、この場合、カバー56は、スリット55を押し開いた後にカバー56の非結合部がスリット55からはみ出し、スリット55を押し開いた状態でスリット55を開放させてガスを流出させることができ、前述の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0079】
上述の実施の形態においては、カバーにエアバッグの内外を常時連通する孔状の連通部を設け、この連通部によってベントホールの一部が開放した構成となっているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばカバー辺縁の一部がベントホール縁部からベントホールの内側に離隔しており、これによりベントホールの一部が開放した構成となっていてもよい。
【0080】
以下に、第17〜35図を参照して、本発明のさらに別の参考例及び実施の形態について具体的に例を挙げて説明する。第17図は本発明の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の分解斜視図、第18図はこのエアバッグのベントホール部分の上面図、第19図はこのエアバッグの展開時における後方からの斜視図である。
【0081】
エアバッグ70には略半円形状のベントホール75が設けられている。エアバッグ70は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口72を備えている。また、このエアバッグ70は布製のものであり、開口72の周縁部73には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔74が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ70がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0082】
ベントホール75はエアバッグ70の後面に設けられている。エアバッグ70が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール75は、カバー76によって覆われている。このカバー76は、ベントホール75と略相似形状で且つベントホール75と重なっている略半円形状の面の表面積がベントホールよりも大きい布或いは樹脂シート等から構成される。
【0083】
ベントホール75は弧状部75a及び弦状部75bを有している。また、カバー76は弧状部76a及び弦状部76bを有している。
【0084】
カバー76は、その表面の弧状部76a及び弦状部76bがそれぞれベントホール75の弧状部75a及び弦状部75bの周縁部と重なるようにエアバッグ70の内面に沿って配置されてベントホール75を覆っており、カバー76の弧状部76aとベントホール75の弧状部75aとの重なり合った部分は縫糸77や接着、溶着等の結合手段によって結合され、カバー76の弦状部76bは非結合にてベントホール75の弦状部75bの周縁部に重なっている(以下、カバー76のベントホール75と非結合にて重なっている部分を非結合部と称する場合がある。)。
【0085】
また、第17図に示すように、カバー76の弦状部76bには切欠き状の凹部76cが設けられている。この凹部76cは、カバー76が所定の位置に配置された際に、弦状部76bの辺縁部からベントホール75の開口部の内側へ向かって延在し、ベントホール75の弦状部75bの縁部と共にベントホール75の一部を開放する開口部分を形成するように構成されている。この凹部76cと該弦状部75bとによって形成された開口部分は、エアバッグ70の内部と外部とを連通する連通部78となっている。
【0086】
カバー76は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはベントホール75の周縁部と重なってベントホール75の大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって変形し、非結合部がベントホール75の外部にはみ出すものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール75の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0087】
エアバッグ70にベントホール75を形成するにあたっては、ベントホール75の弦状部75bがエアバッグ70の布材の織目に沿って延在するように形成することにより、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール75が大きく変形したり、ベントホール75が形成されたことによってエアバッグ70の強度が著しく低下することを防止できる。
【0088】
また、カバー76はエアバッグ70と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー76が所定圧力以上のガス圧によって変形した際、カバー76の非結合部がスムーズにベントホール75の外部にはみ出すようにするために、カバー76は、エアバッグ70のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ70と同一の布材にてカバー76を作製する場合には、カバー76の布材の織目がカバー76の弦状部76bの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー76が弦状部76bの延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー76の布材の織目が弦状部76bの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0089】
エアバッグ70は、周縁部73がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ70は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ70が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグ70が車両室内に展開する。
【0090】
このエアバッグ70は、開口72を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第19図に示す形状に展開される。
【0091】
図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ70は折り畳まれ、このエアバッグ70を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ70は連通部78によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ70の膨張に伴ってこの連通部78から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ70が迅速に膨張する。
【0092】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール75はその大部分がカバー76によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール75から流出しないため、エアバッグ70は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー76はガスの押圧力によって変形し、カバー76の非結合部はベントホール75の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール75の開放量が増大し、エアバッグ内部の余分なガスを流出させる。これにより、エアバッグ70に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ70内の余分なガスがこのベントホール75を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0093】
第20図は本発明の別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の分解斜視図、第21図はこのエアバッグのベントホール部分の上面図、第22図はこのエアバッグの展開時における後方からの斜視図である。
【0094】
エアバッグ80には円形状のベントホール85が設けられている。エアバッグ80は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口82を備えている。また、このエアバッグ80は布製のものであり、開口82の周縁部83には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔84が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ80がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0095】
ベントホール85はエアバッグ80の後面に設けられている。エアバッグ80が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール85は、布或いは樹脂シート等から構成される略半円形状のカバー86によって覆われている。
【0096】
第21図に示すように、カバー86は弧状部86a及び弦状部86bを有している。
【0097】
カバー86は、その弧状部86aがベントホール85の周縁部と重なり、弦状部86bがベントホール85を横切って延在するようにエアバッグ80の内面に沿って配置されている。この際、カバー86はベントホール85の大部分を閉鎖しており、且つ、ベントホール85の周縁部と弦状部86bとに取り囲まれた開口部分によってベントホール85の一部を開放している。このベントホール85の周縁部と弦状部86bとによって形成された開口部分は、エアバッグ80の内外を連通する連通部88となっている。カバー86の弧状部86aとベントホール85との重なり合った部分は縫糸87や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0098】
カバー86は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときにはベントホール85のの大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって伸長し、第22図に示すようにベントホール85の外部にはみ出してベントホール85の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール85の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0099】
なお、カバー86はエアバッグ80と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー86が所定圧力以上のガス圧によって伸長して確実にベントホール85の外部にはみ出すようにするために、カバー86は、エアバッグ80のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ80と同一の布材にてカバー86を作製する場合には、カバー86の布材の織目がカバー86の弦状部86bの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー86が弦状部86bの延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー86の布材の織目が弦状部86bの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0100】
エアバッグ80は、周縁部83がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ80は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ80が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグ80が車両室内に展開する。
【0101】
このエアバッグ80は、開口82を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって第22図に示す形状に展開される。
【0102】
図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ80は折り畳まれ、このエアバッグ80を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ80は連通部88によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ80の膨張に伴ってこの連通部88から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ80が迅速に展開を開始する。
【0103】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール85はその大部分がカバー86によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール85から流出しないため、エアバッグ80は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー86はガスの押圧力によって伸長してベントホール85の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール85の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ80に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ80内のガスがこのベントホール85を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0104】
第23図(a)はさらに別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、第23図(b)は第23図(a)のB−B線に沿う断面図、第24図はこのエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0105】
第23図(a)に示されるように、エアバッグ90には円形状のベントホール91が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ90は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ90は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ90がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0106】
ベントホール91は、エアバッグ90の後面に設けられている。エアバッグ90が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期においてエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール91は、布或いは樹脂シート等から構成されたカバー92によって覆われている。
【0107】
第23図(a)に示すように、カバー92は、ベントホール91よりも大径の略円形状の円形部92aと、この円形部92aの辺縁の一部から張り出した張出部92bとを有している。このカバー92は、円形部92aの周縁部がベントホール91の周縁部と略同心状に重なるようにエアバッグ90の内面に沿って配置されている。そして、このように配置されたカバー92の、エアバッグ90の内方を向いた側の周縁部には、内周の径が円形部92aの径よりも小さく且つ外周の径が円形部92aの径よりも大きい環状の保持部材95が、円形部92a及びベントホール91と略同心状に重なっている。
【0108】
カバー92の円形部92aの中央付近には、ベントホール91の一部を開放し、エアバッグ90の内外を連通する小孔状の連通部93が設けられている。また、円形部92aの、連通部93をはさんで張出部92bと反対側の縁部には、この縁部の辺縁から切り込まれ、且つ連通部93に連通した形状のスリット94が設けられている。これにより、ベントホール91は、カバー92によって一部が開放され、且つ大部分が閉鎖されたものとなっている。
【0109】
カバー92は、張出部92bにおいて、縫糸97や接着、溶着等の結合手段によってエアバッグ90のベントホール91の周縁部と結合されている。また、保持部材95は、張出部92bと共に縫糸97や接着、溶着等の結合手段によって、カバー92の円形部92aの外周を取り囲むようにエアバッグ90のベントホール91の周縁部と結合されている。カバー92の円形部92aは、エアバッグ90及び保持部材95とは非結合となっている。この円形部92aは、エアバッグ90のベントホール91の周縁部及び保持部材95の内周側の周縁部とによって挟持され、不正には抜け出さないように保持されている。
【0110】
カバー92は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには円形部92aがエアバッグ90のベントホール91の周縁部と保持部材95とによって保持されてベントホール91の大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときには円形部92がガスの押圧力によって舌片状に変形してエアバッグ90と保持部材95の間から抜け出し、ベントホール91の外部にはみ出すものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール91の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0111】
なお、カバー92はエアバッグ90と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良い。
【0112】
エアバッグ90は、周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ90は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ90が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグ90が車両室内に展開する。
【0113】
このエアバッグ90は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前記の実施の形態と同様の形状に展開される。
【0114】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ90は折り畳まれ、このエアバッグ90を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ90は連通部93によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ90の膨張に伴ってこの連通部93から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ90が迅速に展開し始める。
【0115】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、カバー92の円形部92aがエアバッグ90及び保持部材95によってベントホール91から抜け出さないように保持されていることから、ベントホール91はその大部分がカバー92によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール91から流出しないため、エアバッグ90は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー92の円形部92aはガスの押圧力によって変形してエアバッグ90及び保持部材95の間から抜け出し、カバー92の円形部92aはベントホール91の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール91の開放量が増大し、エアバッグ内部の余分なガスを流出させる。これにより、エアバッグ90に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ90内の余分なガスがこのベントホール91を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0116】
第25図(a)はさらに別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、第25図(b)は第25図(a)のB−B線に沿う断面図、第26図はこのエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0117】
第25図(a)に示されるように、エアバッグ100には円形状のベントホール101が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ100は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ100は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ100がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0118】
ベントホール101はエアバッグ100の後面に設けられている。エアバッグ100が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール100は、布或いは樹脂シート等から構成されるカバー102,103によって覆われている。
【0119】
第25図(a)に示すように、カバー102,103は共に略半円形状に形成されており、カバー102は弧状部102a及び弦状部102bを有し、カバー103は弧状部103a及び弦状部103bを有している。カバー102の弦状部102bには、その中央付近の辺縁部から切り欠き状の凹部102cが設けられている。
【0120】
カバー102及びカバー103は、それぞれ、その弧状部102a及び弧状部103aがベントホール101の周縁部と重なり、弦状部102bと弦状部103bとが互いに重なり合うようにエアバッグ100の内面に沿って配置されている。この際、弦状部102b及び弦状部103bは、弦状部103bの縁部がカバー102の凹部102cを完全には覆わないように重ね合わせられ、凹部102cと弦状部103bの辺縁部同士が開口部分を形成するように配置される。この開口部分は、ベントホール101の一部を開放し、且つエアバッグ100の内外を連通する連通部105となっている。これにより、ベントホール101は、カバー102及びカバー103によって一部が開放され、且つ大部分が閉鎖されたものとなっている。カバー102の弧状部102a及びカバー103の弧状部103aとベントホール101との重なり合った部分は縫糸104や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0121】
カバー102及びカバー103は、共に、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには前述のようにベントホール101の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって伸長し、第26図に示すようにベントホール101の外部にはみ出してベントホール101の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール101の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0122】
なお、カバー102,103はエアバッグ100と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー102,103が所定圧力以上のガス圧によって伸長して確実にベントホール101の外部にはみ出すようにするために、カバー102,103は、エアバッグ100のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ100と同一の布材にてカバー102,103を作製する場合には、カバー102,103の布材の織目が、それぞれ弦状部102b及び弦状部103bの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー102,103がそれぞれ弦状部102b,103bの延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー102,103の布材の織目が弦状部102b,103bの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0123】
このエアバッグ100は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ100は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ100が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0124】
このエアバッグ100は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前記の実施の形態のエアバッグと同様の形状に展開される。
【0125】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ100は折り畳まれ、このエアバッグ100を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ100は連通部105によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ100の膨張に伴ってこの連通部105から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ100が迅速に展開を開始する。
【0126】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール101はその大部分がカバー102,103によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール101から流出しないため、エアバッグ100は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー102及びカバー103はガスの押圧力によって伸長してベントホール100の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール101の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ100に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ100内のガスがこのベントホール101を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0127】
なお、この実施の形態にあっては、カバー102,103をエアバッグ100のベントホール101の周縁部に結合する際に、エアバッグ100とカバー102,103との間に、ベントホール101と略同径の開口106aを有する補強布106を配置し、カバー102,103と共にエアバッグ100のベントホール101の周縁部に縫糸104や接着、溶着等の結合手段によって結合してエアバッグ100の膨張時及びベントホール101の開放時にベントホール101の周縁部が破損することを防止しているが、この補強布106の構成、配置及び結合方法等はこれに限られるものではない。
【0128】
第27図(a)はさらに別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、第27図(b)は第27図(a)のB−B線に沿う断面図、第27図(c)は第27図(a)のB−B線に沿う断面におけるエアバッグ膨張時のベントホール部分の態様を示す説明図、第28図はこのエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0129】
第27図(a)に示されるように、エアバッグ110には略長方形状のベントホール111が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ110は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ110は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ110がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0130】
ベントホール111はエアバッグ110の後面に設けられている。エアバッグ110が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール111は、布或いは樹脂シート等から構成される細長い帯状のカバー112によって覆われている。
【0131】
略長方形状に形成されたベントホール111は、それぞれ一対の長辺部111a及び短辺部111bを有している。細長い帯状に形成されたカバー112は長辺部112aを有している。また、カバー112の幅Wはベントホール111の長辺部111aよりも所定の長さ分だけ短いものとなっている。
【0132】
カバー112は、その長辺部112aの延在方向がベントホール111の長辺部111aの延在方向と直交し、且つ該長辺部112aとベントホール111の短辺部111bとの間に所定の間隔をあけてベントホール111を横切るようにエアバッグ110の内面に沿って配置されている。
【0133】
この際、カバー112はベントホール111の大部分を閉鎖するが、ベントホール111の短辺部111b側の辺縁部とカバー112の長辺部112aの辺縁部とによってベントホール111の一部を開放する開口部分が形成される。この開口部分は、エアバッグ110の内外を連通する連通部114となっている。これにより、ベントホール111はカバー112によって一部が開放され、大部分が閉鎖されたものとなっている。
【0134】
カバー112はベントホール111の周縁部において縫糸113や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0135】
ベントホール111とカバー112の間には、ベントホール111と略同形状の開口115aを有し、ベントホール111の周縁部と結合してこのベントホール111の周縁部を補強するための補強布115が配置されている。この補強布115は、エアバッグと同じ材料よりなる布等により構成されてもよく、異なった材料により構成されてもよい。この補強布115は、カバー112と共に、ベントホール111の周辺部において縫糸113や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0136】
カバー112は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには前述のようにベントホール111の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって伸長し、第28図に示すようにベントホール111の外部にはみ出してベントホール111の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール111の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0137】
なお、エアバッグ110にベントホール111を形成するにあたっては、ベントホール111の長辺部111a及び短辺部111bがエアバッグ110の布材の織目に沿って延在するように形成することにより、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール111が大きく変形したり、ベントホール111が形成されたことによってエアバッグ110の強度が著しく低下することを防止できる。
【0138】
また、カバー112はエアバッグ110と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー112が所定圧力以上のガス圧によって伸長して確実にベントホール111の外部にはみ出すようにするために、カバー112は、エアバッグ110のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ110と同一の布材にてカバー112を作製する場合には、カバー112の布材の織目が、長辺部112aの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー112が長辺部112aの延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー112の布材の織目が長辺部112aの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0139】
このエアバッグ110は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ110は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ110が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0140】
このエアバッグ110は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前記の実施の形態のエアバッグと同様の形状に展開される。
【0141】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ110は折り畳まれ、このエアバッグ110を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ110は連通部114によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ110の膨張に伴ってこの連通部114から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ110が迅速に展開を開始する。
【0142】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール111はその大部分がカバー112によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール111から流出しないため、エアバッグ110は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー112はガスの押圧力によって伸長してベントホール110の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール111の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ110に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ110内のガスがこのベントホール111を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0143】
なお、この実施の形態にあっては、カバー112をエアバッグ110のベントホール111の周縁部に結合する際に、エアバッグ110とカバー112との間に、ベントホール111と略同形状の開口115aを有する補強布115を配置し、カバー112と共にエアバッグ110のベントホール111の周縁部に縫糸113や接着、溶着等の結合手段によって結合してエアバッグ110の膨張時及びベントホール111の開放時にベントホール111の周縁部が破損することを防止しているが、この補強布115の構成、配置及び結合方法等はこれに限られるものではない。
【0144】
第29図(a)はさらに別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、第29図(b)は第29図(a)のB−B線に沿う断面図、第29図(c)は第29図(a)のB−B線に沿う断面におけるエアバッグ膨張時のベントホール部分の態様を示す説明図、第30図はこのエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0145】
第29図(a)に示されるように、エアバッグ120には所定の開口幅を有したスリット状のベントホール121が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ120は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ120は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ120がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0146】
ベントホール121はエアバッグ120の後面に設けられている。エアバッグ120が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール121は、布或いは樹脂シート等から構成される略方形又は帯状のカバー122によって覆われている。ベントホール121の開口幅は、後述の連通部124の開口径よりも大きいものとなっている。
【0147】
カバー122はエアバッグ120の内面に沿ってベントホール121を覆っている。カバー112の中央付近には小孔状の連通部114が設けられている。カバー122は、その一対の対向する辺縁部がスリット状のベントホール121の延在方向に略平行となるように延在し、且つ連通部114がベントホール121から露出するように配置されている。
【0148】
この連通部124は、ベントホール121の一部を開放し、エアバッグ120の内外を連通するものとなっている。これにより、ベントホール121はカバー122によって一部が開放され、大部分が閉鎖されたものとなっている。
カバー122はベントホール121の周縁部において縫糸123や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0149】
ベントホール120とカバー122の間には、ベントホール121と略同形状の開口125aを有し、ベントホール121の周縁部と結合してこのベントホール121の周縁部を補強するための補強布125が配置されている。この補強布125は、エアバッグと同じ材料よりなる布等により構成されてもよく、異なった材料により構成されてもよい。この補強布125は、カバー122と共に、ベントホール121の周辺部において縫糸123や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0150】
カバー122は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには前述のようにベントホール121の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって伸長し、第30図に示すようにベントホール121の外部にはみ出してベントホール121の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール121の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0151】
なお、カバー122はエアバッグ120と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー122が所定圧力以上のガス圧によって伸長して確実にベントホール121の外部にはみ出すようにするために、カバー122は、エアバッグ120のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ120と同一の布材にてカバー122を作製する場合には、カバー122の布材の織目が、その辺縁部の延在方向に対して斜交するように構成し、カバー122がその辺縁部の延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー122の布材の織目が該辺縁部の延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0152】
このエアバッグ120は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ120は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ120が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0153】
このエアバッグ120は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前述の実施の形態のエアバッグと同様の形状に展開される。
【0154】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ120は折り畳まれ、このエアバッグ120を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ120は連通部124によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ120の膨張に伴ってこの連通部124から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ120が迅速に展開を開始する。
【0155】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール121はその大部分がカバー122によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール121から流出しないため、エアバッグ120は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー122はガスの押圧力によって伸長してベントホール120の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール121の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ120に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ120内のガスがこのベントホール121を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0156】
なお、この実施の形態にあっては、カバー122をエアバッグ120のベントホール121の周縁部に結合する際に、エアバッグ120とカバー122との間に、ベントホール121と略同形状の開口125aを有する補強布125を配置し、カバー122と共にエアバッグ120のベントホール121の周縁部に縫糸123や接着、溶着等の結合手段によって結合してエアバッグ120の膨張時及びベントホール121の開放時にベントホール121の周縁部が破損することを防止しているが、この補強布125の構成、配置及び結合方法等はこれに限られるものではない。
【0157】
第31図はさらに別の実施の形態に係るエアバッグの構成を示す分解斜視図、第32図(a)はこのエアバッグのベントホール部分の上面図、第32図(b)は第32図(a)のB−B線に沿う断面図、第33図はこのエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0158】
エアバッグ130には略半円形状のベントホール131が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ130は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ130は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ130がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0159】
ベントホール131はエアバッグ130の後面に設けられている。エアバッグ130が膨張する前の状態(即ち、折り畳まれてコンテナ内に収納された状態)及び膨張初期のエアバッグ内圧が所定圧力以下の状態にあっては、このベントホール131は、布或いは樹脂シート等から構成されるカバー132によって覆われている。
【0160】
カバー132は、弧状部132c及び弦状部132dを有する半円形状の大径部132aと、弦状部132bから延出した、大径部132aよりも小径の小径部132bとを有している。小径部132bの径は、ベントホール131の径よりもわずかに大きいものとなっている。
【0161】
カバー132は、大径部132aの弧状部132cがベントホール131の弧状部131aの周縁部と重なり、小径部132bがベントホール131の弦状部131bの縁部と重なるようにエアバッグ130の内面に沿って配置され、大径部132aの弦状部132dがベントホール131の弦状部131bと略平行で、且つカバー132の、弦状部132dと小径部132bとの境界部分が該弦状部131bに沿ってわずかにベントホール131から露出するように配置されている。
【0162】
カバー132のベントホール131から露出する部分には、ベントホール131の一部を開放し、エアバッグ130の内外を連通する小孔状の連通部135が設けられている。これにより、ベントホール131はカバー132によって一部が開放され、大部分が閉鎖されたものとなっている。
【0163】
カバー132の大径部132aはベントホール131の周縁部において縫糸134や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0164】
カバー132の小径部132bは、エアバッグ130の内面側において、エアバッグ130のベントホール131の弦状部131b側の縁部と重なった状態で保持部材133によって保持されている。この保持部材133は、エアバッグ130の内面に沿って、該小径部132bのエアバッグ130の内側を向いた面に重なるように配置され、エアバッグ130と共に該小径部132bを挟持している。また、保持部材133は、弧状部133aと弦状部133bとを有し、該小径部132bよりも大径の略半円形状のものであり、この弦状部133bがベントホール131の弦状部131bとほぼ一致するか、或いは略平行で且つベントホール131の開口部からわずかに離隔して延在するように配置されている。この保持部材133は、エアバッグと同じ材料よりなる布等により構成されてもよく、異なった材料により構成されてもよい。この保持部材133は、カバー132と共に、ベントホール131の周辺部において縫糸134や接着、溶着等の結合手段によって結合されている。
【0165】
このカバー132は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには前述のようにベントホール131の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって変形して小径部132bがエアバッグ130及び保持部材133の間から抜け出し、第33図に示すようにベントホール131の外部にはみ出してベントホール131の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール131の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0166】
なお、エアバッグ130にベントホール131を形成するにあたっては、ベントホール131の弦状部131bがエアバッグ130の布材の織目に沿って延在するように形成することにより、エアバッグ膨張時の張力によってベントホール131が大きく変形したり、ベントホール131が形成されたことによってエアバッグ130の強度が著しく低下することを防止できる。
【0167】
また、カバー132はエアバッグ130と同一の材料で構成されても良く、異なっていても良いが、カバー132が所定圧力以上のガス圧によって変形して確実にベントホール131の外部にはみ出すようにするために、カバー132は、エアバッグ130のベントホール周縁部に対して比較的伸縮性が高いものとなっている。例えば、この実施の形態においてエアバッグ130と同一の布材にてカバー132を作製する場合には、カバー132の布材の織目が、その弦状部132dの延在方向に対して斜交するように構成し、カバー132が弦状部132dの延在方向及びこの延在方向と直交する方向に比較的容易に伸縮するように構成される。カバー132の布材の織目が弦状部132dの延在方向に対して斜交する角度は30°〜60°程度が好ましい。
【0168】
このエアバッグ130は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ130は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ130が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグ130が車両室内に展開する。
【0169】
このエアバッグ130は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前述の実施の形態のエアバッグと同様の形状に展開される。
【0170】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ130は折り畳まれ、このエアバッグ130を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ130は連通部135によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ130の膨張に伴ってこの連通部135から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ130が迅速に展開を開始する。
【0171】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール131はその大部分がカバー132によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール131から流出しないため、エアバッグ130は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー132はガスの押圧力によって伸長してベントホール131の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール131の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ130に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ130内のガスがこのベントホール131を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0172】
第34図(a)はさらに別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、第34図(b)は第34図(a)のB−B線に沿う断面図、第35図はこのエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【0173】
第34図(a)に示されるように、エアバッグ140には略C字形状の環状スリット141が設けられている。なお、図示はしないが、エアバッグ140は前述のエアバッグと同様の構成を有し、その後部にインフレータからのガスを受け入れるための開口を備えている。また、このエアバッグ140は布製のものであり、開口の周縁部には、複数個のボルト又はリベットの挿通孔が設けられており、このボルト又はリベットによってエアバッグ140がエアバッグ装置のコンテナに連結可能とされている。
【0174】
スリット141はエアバッグ140の後面に設けられている。スリット141に取り囲まれた領域は舌片状のカバー142となっている。このスリット141のエアバッグ140の外方を向いた側の周縁部には、エアバッグ140の外面に沿ってスリット141を覆うように重なった、中央に円形のベントホール144を有する環状の保持部材143が設けられている。この保持部材143の中央に設けられたベントホール144の径は略環状のスリット141の径よりも小さく、保持部材143の外周径は該スリット141よりも大きいものとなっている。カバー142は、保持部材143の裏側からベントホール144の周縁部に重なってこのベントホール144を覆っている。
【0175】
また、スリット141のエアバッグ140の内方を向いた側の周縁部には、エアバッグ140の内面に沿ってスリット141を覆うように重なった、前記保持部材143と略同形状の保持部材145が設けられている。この保持部材145の中央部にはベントホール144とほぼ同径の開口145aが設けられており、保持部材144は、この開口145aとベントホール144とが同心状となるように配置されている。保持部材145の開口145aの周縁部は、エアバッグ140の内面側からカバー142の周縁部に重なって、前記保持部材144のベントホール144の周縁部と共にカバー142の周縁部を挟持している。これにより、カバー142は、保持部材143及び保持部材145によって保持され、不正に抜け出すことが防止されている。
【0176】
カバー142の中央付近には、保持部材143及び保持部材145によって覆われない位置に小孔状の連通部147が設けられている。この連通部147は、ベントホール144の一部を開放し、エアバッグ140の内外を連通するものとなっている。これにより、ベントホール144はカバー142によって一部が開放され、大部分が閉鎖されたものとなっている。
【0177】
保持部材143及び保持部材145は、共に、スリット141の外側の周縁部において縫糸146や接着、溶着等の結合手段によってエアバッグ140と結合されている。これらの保持部材143,145は、エアバッグ140と同じ材料よりなる布等により構成されてもよく、異なった材料により構成されてもよい。
【0178】
カバー142は、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには前述のようにベントホール144の一部を開放し且つ大部分を閉鎖し、エアバッグ内圧が所定圧力以上となったときにはガスの押圧力によって変形してその周縁部が保持部材143及び保持部材145の間から抜け出し、第35図に示すようにベントホール144の外部にはみ出してベントホール144の開放量を増大させるものとなっている。なお、ここでいう「大部分」とは、ベントホール144の開口面積の80〜99.8%程度をいう。
【0179】
このエアバッグ140は、後部の開口周縁部がコンテナにボルト等により連結される。そして、このエアバッグ140は折り畳まれてコンテナ内に収容され、このコンテナにリッドが装着される。コンテナにはインフレータが設けられている。自動車の衝突時等にインフレータがガス噴出作動し、エアバッグ140が膨張を開始し、リッドが開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0180】
このエアバッグ140は、後部の開口を通って内部に導入されるインフレータからのガスによって前述の実施の形態のエアバッグと同様の形状に展開される。
【0181】
また、図示はしないが、インフレータが作動を開始した直後のエアバッグ膨張初期の段階にあっては、エアバッグ140は折り畳まれ、このエアバッグ140を構成する布材同士が密着した状態となっている。このとき、エアバッグ140は連通部147によってその内部と外部とが連通しており、エアバッグ140の膨張に伴ってこの連通部147から外気が導入されることによって、密着していた布材同士が離反し易くなり、エアバッグ140が迅速に展開を開始する。
【0182】
その後、エアバッグ内圧が所定圧力以下のときには、ベントホール144はその大部分がカバー144によって閉鎖されており、インフレータから発生したガスは大量にはこのベントホール144から流出しないため、エアバッグ140は急速に膨張する。そして、エアバッグ内圧が所定圧力以上になったときにはカバー142はガスの押圧力によって変形してその周縁部が保持部材143及び保持部材145の間から抜け出し、ベントホール144の外部に向かって押し出される。この結果、ベントホール144の開放量が増大し、エアバッグ内部のガスを流出させる。これにより、エアバッグ144に乗員が突っ込んできた場合に、エアバッグ140内のガスがこのベントホール144を通って外部に流出するようになり、乗員に加えられる衝撃が吸収されるようになる。
【0183】
上記の各態様は、運転席用エアバッグのほか、助手席用エアバッグ、後席用エアバッグ、サイド用エアバッグなど各種のエアバッグに適用できる。第34〜40図はその一例を示すものであり、第38図及び第39図は助手席用エアバッグ380,390を示し、第40図はサイド用エアバッグ400を示す。なお、381,391はガスの導入口、382,392,402はベントホール、383,393,403はベントホールのカバー(開いた状態)を示している。また、404は自動車のシートを示す。
【0184】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のエアバッグでは、エアバッグの内圧が所定圧力以下のときはカバーがベントホールの一部を開放し、大部分を閉鎖しているため、エアバッグ膨張開始時においてエアバッグが折り畳まれ、このエアバッグを構成する各パネルが密着した状態となっている場合でも、該ベントホールの一部から外気が導入されることにより、エアバッグが迅速に膨張を開始し、また、ベントホールから大量にはガスが流出しないため、エアバッグが急速に展開する。従って、本発明によると、エアバッグの容量を大きくしたり、インフレータの出力を小さくしても、エアバッグを十分に迅速に展開させることが可能となる。もちろん、本発明のエアバッグは、エアバッグ内圧が所定圧力以上になるとカバーがベントホールの開放量を増大させるので、乗員がエアバッグに突っ込んできた場合の衝撃が十分に吸収される。また、エアバッグ内圧が適切な圧力にて維持されるように構成することもできる。
【0185】
本発明では、カバーによるベントホールの閉、開の切替がきわめて確実であると共に、エアバッグの製作が容易であり、またカバー等の材料選択の自由度が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係るエアバッグを示す断面図である。
【図2】 図1のエアバッグのカバーの取付状態を示す分解斜視図である。
【図3】 図1のエアバッグのベントホール部分の平面図である。
【図4】 図1のエアバッグの膨張過程におけるカバーの態様を示す説明図である。
【図5】 図1のエアバッグのベントホール部分の開放状態における斜視図である。
【図6】 別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の開放状態を示す説明図である。
【図7】 更に別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の開放状態を示す説明図である。
【図8】 異なる参考例に係るエアバッグを示す斜視図である。
【図9】 図8のエアバッグのカバーの取付状態を示す分解斜視図である。
【図10】 図8のエアバッグのエアバッグ内圧が所定圧力以下のときのスリット部分を示す説明図である。
【図11】 図8のエアバッグのエアバッグ内圧が所定圧力以上となったときのスリット部分を示す説明図である。
【図12】 図8のエアバッグの排気口を露出した状態におけるスリット部分の斜視図である。
【図13】 長穴形状の排気口を有するカバーを備えた図8のエアバッグのスリット部分の平面図である。
【図14】 多孔状の排気口を有するカバーを備えた図8のエアバッグのスリット部分の平面図である。
【図15】 略三角形状の排気口を有するカバーを備えた図8のエアバッグのスリット部分の平面図である。
【図16】 第15図のエアバッグのスリット部分の開放状態を示す平面図である。
【図17】 本発明の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の構成を示す分解斜視図である。
【図18】 第17図のエアバッグのベントホール部分の上面図である。
【図19】 第17図のエアバッグの展開時における後方からの斜視図である。
【図20】 本発明の別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の構成を示す分解斜視図である。
【図21】 第20図のエアバッグのベントホール部分の上面図である。
【図22】 第21図のエアバッグの展開時における後方からの斜視図である。
【図23】 (a)図は本発明の別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【図24】 第23図のエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図25】 (a)図は別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【図26】 第25図のエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図27】 (a)図は本発明の別の実施の形態に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のB−B線に沿う断面におけるエアバッグ膨張時のベントホール部分の態様を示す説明図である。
【図28】 第27図のエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図29】 (a)図は別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のB−B線に沿う断面におけるエアバッグ膨張時のベントホール部分の態様を示す説明図である。
【図30】 第29図のエアバッグの展開時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図31】 本発明の別の実施の形態に係るエアバッグの構成を示す分解斜視図である。
【図32】 (a)図は第31図のエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【図33】 第31図のエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図34】 (a)図は別の参考例に係るエアバッグのベントホール部分の上面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【図35】 第34図のエアバッグの膨張時におけるベントホール部分の斜視図である。
【図36】 図8のエアバッグのスリットの変形例を示す上面図である。
【図37】 図8のエアバッグのスリットの変形例を示す上面図である。
【図38】 実施の形態に係る助手席用エアバッグの斜視図である。
【図39】 実施の形態に係る助手席用エアバッグの斜視図である。
【図40】 実施の形態に係るサイド用エアバッグの斜視図である。

Claims (6)

  1. エアバッグ内部のガスを流出させるためのベントホールを有するエアバッグであって、
    該ベントホールの一部を開放し且つ大部分を閉鎖するカバーが設けられており、
    該カバーは、該エアバッグ内圧が所定圧力以上になるとその一部がガス圧によってベントホール外にはみ出し、これにより、該ベントホールの開放量を増大させるエアバッグにおいて、
    前記カバーの辺縁の一部がベントホール縁部からベントホール内側へ離隔しており、これにより該ベントホールの一部が開放した構成となっており、
    該エアバッグのベントホール周縁の一部が該カバーと結合されており、該ベントホール周縁の他部は該カバーに対し非結合となっており、少なくともこのカバーの非結合部がエアバッグ外にはみ出すことにより該ベントホールの開放量が増大するものであることを特徴とするエアバッグ。
  2. 請求項1において、該ベントホールは円形状であり、
    該カバーは弧状部及び弦状部を有する略半円形状であり、
    該カバーは、該弧状部が該ベントホールの周縁部と重なり、該弦状部が該ベントホールを横切って延在するように該エアバッグの内面に沿って配置されており、該弦状部と該ベントホールの周縁部とによって該エアバッグの内外を連通する開口部分が形成されており、
    該弧状部と該ベントホールの周縁部との重なり合った部分が結合されており、該弦状部のうち該ベントホールを横切って延在する部分が該非結合部となっていることを特徴とするエアバッグ。
  3. 請求項1において、該ベントホールは略長方形状であり、
    該カバーは帯状であり、該カバーの長辺が該ベントホールの短辺よりも長く、該カバーの幅が該ベントホールの長辺よりも短くなっており、
    該カバーは、その長辺方向が該ベントホールの長辺方向と直交し、かつ該カバーの長辺と該ベントホールの短辺との間に間隔をあけて該ベントホールを横切るように該エアバッグの内面に沿って配置されており、該ベントホールの短辺と該カバーの長辺とによって該ベントホールの一部を開放する開口部分が形成されており、
    該ベントホールの2つの長辺の周縁部と該カバーとの重なり合った部分が結合されており、該カバーの長辺のうち該ベントホールを横切っている部分が該非結合部となっていることを特徴とするエアバッグ。
  4. エアバッグ内部のガスを流出させるためのベントホールを有するエアバッグであって、
    該ベントホールの一部を開放し且つ大部分を閉鎖するカバーが設けられており、
    該カバーは、該エアバッグ内圧が所定圧力以上になるとその一部がガス圧によってベントホール外にはみ出し、これにより、該ベントホールの開放量を増大させるものであるエアバッグにおいて、
    該カバーが、該ベントホールの周縁部に重なるようにエアバッグの内面に沿って配置されており、該カバーには該エアバッグの内外を連通する連通部が設けられており、
    該カバーの周縁部の一部が該ベントホールの周縁部に結合され、該カバーの周縁部の他部が該ベントホールの周縁部とは結合していない非結合部とされており、
    該非結合部の少なくとも一部に保持部材が重ねられ、該保持部材のうち該非結合部よりも外周側の部分が該ベントホールの周縁部に結合されており、これにより、該非結合部の少なくとも一部が該ベントホールの周縁部及び該保持部材によって挟持されて保持され、該エアバッグの内圧が所定圧力以上となったときに該非結合部の少なくとも一部が該ベントホールの周縁部と該保持部材の間から抜け出して該ベントホールの外部にはみ出すように構成されていることを特徴とするエアバッグ。
  5. 請求項4において、該ベントホールは円形状であり、
    該カバーは、該ベントホールよりも大径の円形部と、該円形部の辺縁の一部から張り出した張出部とを有しており、該円形部の周縁部が該ベントホールの周縁部と略同心状に重なるように該エアバッグの内面に沿って配置されており、
    該保持部材は、内周の径が該円形部の径よりも小さく且つ外周の径が円形部の径よりも大きい環状となっており、該保持部材が該円形部及び該ベントホールと略同心状に重なっており、
    該連通部は、該円形部の中央付近に小孔状に設けられたものであり、
    該円形部の縁部の辺縁から該連通部に連通した形状のスリットが設けられており、
    該カバーは、該張出部において該ベントホールの周縁部と結合されており、該円形部の周縁部が該非結合部となっており、
    該保持部材は、該円形部の外周を取り囲むように該ベントホールの周縁部と結合されており、
    該円形部は、該ベントホールの周縁部と該保持部材の内周側の周縁部とによって挟持されていることを特徴とするエアバッグ。
  6. 請求項4において、該ベントホールは略半円形状であり、
    該カバーは、弧状部及び弦状部を有する半円形状の大径部と、該弦状部から延出した、該大径部よりも小径の小径部とを有しており、該小径部の径は該ベントホールの径よりも大きいものとなっており、
    該カバーは、該大径部の弧状部が該ベントホールの弧状部の周縁部と重なり、該小径部が該ベントホールの弦状部の縁部と重なるように該エアバッグの内面に沿って配置されており、
    該大径部が該ベントホールの周縁部において結合されており、該小径部が該非結合部となっており、
    該保持部材は、該小径部と重なり、該小径部の弧状部の外周を囲むようにして該ベントホールの該弦状部の周縁部に結合されており、これにより、該小径部が該ベントホールの弦状部の縁部と該保持部材とによって挟持されていることを特徴とするエアバッグ。
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