JP4383657B2 - 染料含有水性ポリマー分散液の製法 - Google Patents
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Description
本発明は、エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル水性乳化重合による染料含有水性ポリマー分散液の製法に関し、ここで、モノマーの少なくとも一部を、分散相が少なくとも1つの油溶性染料を有する水中油型エマルションE1の形で使用する。
【0002】
染料含有ポリマーは、主に、2つの異なる方法で製造できる。一つの方法では、場合により高温でポリマーに十分溶解した染料を獲得し、それをポリマー中に均一に溶解させる。この方法の利点は、特に、製造される色の光沢レベルが高く、強い色濃さを有する点で、すなわち少量の染料しか要しない。しかし、この方法は、熱負荷をかけたりポリマーが溶剤と接触する場合に、染料が移染するという欠点を有する;基質の表面に移行した染料分子が、光または酸素に攻撃されたりあるいは溶剤により溶脱されるので、結果的に、気候および移染の面で堅ろう性が低下する。もう1つの方法では、不溶性着色顔料をポリマーマトリクス中に分散させる。この方法であれば、染料がポリマーマトリクス中に均一に溶解している場合に誘起される欠点が回避される。しかし、この方法の欠点は、顔料結晶中の個々の染料分子が相互作用して吸光帯の幅を広げる事であり、これにより、色彩純度および着色強度が不所望に低下する。さらに、ポリマーマトリクス中に組み込む際、顔料結晶の形状異方性により、チキソトロープ化のようなレオロジーの問題が生じる。
【0003】
いずれの方法の欠点も、基本的に、着色顔料を染料含有ポリマー分散液に代替えすることで回避でき、該染料含有ポリマー分散液中では、ポリマー粒子中に染料が均一に分配している。この種の“顔料”は、ポリマー粒子が球形であるので、一方で高い色光沢および色彩純度を有し、他方でレオロジーの問題に殆ど影響されない。
【0004】
広義に染料、特に蛍光染料に分類される蛍光増白剤では、顔料結晶中に比較的高分子量の会合を有する構造であるために、蛍光収量が減少するという問題が生じる。蛍光増白剤がポリマーマトリクスの内部から表面に移行する場合に、比較的高分子量の会合を有する構造の危険性が現れる。
【0005】
染料含有ポリマー分散液は、基本的に公知である。例えば、EP−A−691390およびDE−A−4436892には、第一工程において、有機溶剤中のポリマー化合物を製造し、この際1個またはそれ以上の可溶性染料を重合の前、間または後に該有機溶剤へ添加し、第2工程において、得られた染料含有ポリマー溶液を水性ポリマー分散液に変換して獲得できる、エチレン性不飽和モノマーを基礎とする染料含有水性ポリマー分散液が記載されている。この種の染料含有ポリマー分散液は、しかし、染料の移染安定性の点でまだ不十分である。
【0006】
ポリウレタンをを基礎とする染料含有ポリマー分散液は、DE−A−19521500から公知である。これらは同様に、前記の欠点を伴う2次的な分散液である。
【0007】
EP−A−566448には、第一工程において、エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル水性乳化重合を実施し、得られた分散液を有機溶剤中の染料の溶液で含浸することにより得られる、エチレン性不飽和モノマーを基礎とする染料含有水性ポリマー分散液が記載されている。このようにして得られた分散液は、しかし、同様に、染料の移染安定性の点で満足いくものではない。この文献は、十分に水に相溶性の染料を重合の間にも添加できることを示している。しかし、文献には、実施態様のような具体的開示はない。この方法に必須な、かなり大量の有機溶剤の使用は不利である。
【0008】
US4680332は、同様に、水性ポリマー分散液を、トルエンまたはクロロベンゼンのような溶剤中の有機染料溶液で含浸することによる、またそのような染料溶液の水中油型エマルションで含浸することによる、染料含有ポリマー分散液の製造を推奨している。この方法でも満足な製品を製造できない。
【0009】
DE−A−4424817には、“蛍光顔料”が記載されており、ここで蛍光染料は、架橋ポリ(メタ)アクリレートを基礎とするポリマーマトリクス中の溶液中に存在する。この種のポリマーは、少なくとも1つの架橋モノマーを含むエチレン性不飽和モノマーを、蛍光染料の存在下にフリーラジカル懸濁重合させることによって得られる。いわゆる“蛍光顔料”の特徴は、蛍光染料の移染傾向の低下にある。しかし、製法が、>2μmの粒度の顔料に限られるという欠点を有する。さらに、この方法で得られるポリマー分散液は、沈降に不安定である。従って、このような“蛍光顔料”は、インキジェット法をはじめとする様々な適用に不適である。
【0010】
本発明の課題は、染料含有ポリマー分散液の製法の提供であり、その際、ポリマー粒子は、均一に分配された、すなわち分子分散形の、少なくとも1つの有機染料を含有し、該ポリマー粒子は、その中に存在する染料の有する高い移染安定性により特徴づけられる。さらに、この方法は、良好で安定な染料含有ポリマー分散液の獲得を可能にするものでなくてはならない。
【0011】
この課題が、水中油型モノマーエマルションを使用したフリーラジカル水性乳化重合の方法により達成されることが見出され、ここでモノマーは染料を溶解した形で含有し、ただし、モノマー小滴は本質的に直径<500nmを有する。他方、従来の乳化重合では課題を達成し得なかった。
【0012】
従って本発明は、フリーラジカル開始剤の存在下にエチレン性不飽和モノマーをフリーラジカル水性乳化重合させることから成る、染料含有水性ポリマー分散液の製法を提供し、この際、モノマーの少なくとも一部を、その分散相に少なくともひとつの油溶性染料を含有する水中油型エマルションE1の形で使用し、ここでE1の分散相は、本質的に、直径<500nmを有する染料含有モノマー小滴を形成する。
【0013】
本発明において、油溶性染料は有機蛍光増白剤、すなわち拡張、共役したπ−電子系を有する有機分子を含有し、これは従来の有機染料のπ−電子系と異なり、可視光線よりも紫外線を吸収し、青っぽい蛍光を発する(Roempp Chemielexikon, 第9版参照)。蛍光増白剤は、例えばそれを処理した白色基質、例えば紙または繊維の白さを増大するために使用する。
【0014】
本発明の方法は、ポリマー化されるモノマーエマルションの小滴の粒度の点で、従来の方法と本質的に異なっている。従来の乳化重合技術では、本発明と異なり、重合容器中のモノマー小滴が通常1000nmを上回る直径を有する。染料含有ポリマーの製造に関する従来の乳化重合の欠点は、実際の重合反応が、水性分散液媒体中または重合時に形成されるポリマー粒子上で起こるにもかかわらず、従来の乳化重合では、モノマーの小滴が、ポリマー化されるモノマーの唯一の貯蔵庫として働くことに起因すると思われる。この場合、一般的に、ある程度水に可溶性のモノマーが、モノマー小滴から重合中心に拡散する(フリーラジカル水性乳化重合の機序に関する詳細は例えばA. Echte, Handbuch der technischen Polymerchemie, 322〜345頁に記載されている)。他方、一般的に、水にほとんど溶解しない染料は、モノマー小滴中に残留する;従って、染料のポリマー粒子への均一な組込が保証されない。前記した重合過程と異なり、本発明の方法では、重合がモノマー小滴中で起こると考えられる。従って、染料はポリマーマトリクスへ均一に組込まれる。
【0015】
本発明の好適なエチレン性不飽和モノマーは、原則的に、フリーラジカル水性マクロ乳化重合に関連して典型的に使用できる全てのモノマーである。有利に、ポリマー化されるモノマーの大部分は、水溶性>0.01g/lを有するモノエチレン性不飽和モノマーAである。例えば、オレフィン、例えばエチレンまたはプロペン、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレンまたはビニルトルエン、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデン、ビニルアルコールとC1〜C8−モノカルボン酸とのエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−ブチル酸ビニルまたはヘキサン酸ビニル、アリルアルコールとC1〜C8−モノカルボン酸とのエステル、例えば酢酸アリル、プロピオン酸アリル、n−ブチル酸アリルおよびヘキサン酸アリル、有利にC3〜C6α,β−モノエチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸、例えば特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸と通常C1〜C12、有利にC1〜C8、および特に有利にC1〜C4のアルカノール、例えば、特に、メチル、エチル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチルおよび2−エチルヘキシルアクリレートおよびメタクリレートとのエステル、ジメチルマレイン酸またはジ−n−ブチルマレイン酸、およびC4〜8共役ジエン、例えば1,3−ブタジエンおよびイソプレンがある。
【0016】
モノマーAは、付加的に、そのホモポリマーがより高い水への溶解性(すなわち25℃で>60g/l)を示すモノマーA′も含む。このようなモノマーA′は、改質モノマーとして使用され、一般的にポリマー化される全モノマー量の<20質量%、有利に<10質量%の量で使用され、例えばポリマー化されるモノマー量の0.1〜20質量%である。モノマーA′には、少なくとも1つの酸性基、例えば塩の形で存在していてもよいCOOH、SO3HまたはPO3H2基(下記のアニオン性モノマー参照)を有するモノエチレン性不飽和モノマー;特に四級アンモニウム基(すなわちR3N+基で、式中Rは、水素またはアルキル、特にメチルまたはエチルである)またはイモニウム基(すなわち=N+(R)基で、式中Rは、水素またはアルキル、特にメチルまたはエチル)を有するモノエチレン性不飽和カチオン性モノマー;およびモノエチレン性不飽和天然モノマーのいずれも含まれる。全モノマー量に対するモノマーA′の量は、モノマーAの全量に対して30質量%までであってよい。
【0017】
モノエチレン性不飽和アニオン性モノマーA′の例は、C3〜C6−モノエチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミドグリコール酸、メタクリルアミドグリコール酸、アクリロイルオキシグリコール酸、メタクリロイルオキシグリコール酸、モノエチレン性不飽和スルホン酸およびホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸および(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、また、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、メタリルホスホン酸、スチレンホスホン酸、および(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、およびそれらの水溶性の塩、例えばアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、特にそのナトリウム塩である。天然モノマーA′の例は、特に、モノエチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸のアミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミドおよびマレイミド、また、炭素原子3〜8個を有するN−ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム、およびアクリロニトリルである。特に好適なカチオン性モノマーA′は、モノエチレン性不飽和アミンを四級化および水素化した生成物であり、例えばモノエチレン性不飽和カルボン酸のジアルキルアミノアルキルエステルの四級化生成物、例えばジメチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリレートの四級化生成物、およびジエチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリレートの四級化生成物、また、1−ビニルイミダゾールの四級化生成物、例えばC2〜C10オキシラン、C1〜C10ハロゲン化アルキルまたはC1〜C10ジアルキル硫酸;例えばハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、メチル硫酸またはエチル硫酸;を有する1−ビニルイミダゾールおよび1ービニル−2−メチルイミダゾールである。このようなモノマーは、例えばEP−A−246580およびUS4859756から公知である。1−ビニルイミダゾールの四級化生成物もまた、ビニルイミダゾリウム塩として、アミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートの四級化生成物は(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウム塩として以下に参照されている。
【0018】
ポリマー化されるモノマーが、水溶性>0.01g/lを有するモノマーAだけでなく、水溶性<0.01g/lをを有するモノマーBも含有する場合に、本発明の方法、特にエマルションE1の安定性の利点が確立される(25℃、1気圧)。
【0019】
ポリマー化されるエチレン性不飽和モノマーは、モノマーAおよびBの総量に対し、少なくともひとつのモノマーAを有利に50〜99.5質量%、特に有利に80〜99質量%、非常に有利に90〜98質量%含有し、少なくともひとつのモノマーBを有利に0.5〜50質量%、特に有利に1〜20質量%、非常に有利に2〜10質量%含有する。
【0020】
前記で所望される低い水溶性を有するモノマーBの例には、2−および4−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、C3〜C6−α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と少なくともC12(一般的にC30まで)のアルカノールとのエステル、例えばラウリルアクリレートおよびステアリルアクリレートがある。このようなモノマーBは、しかし、少なくともC9(一般的にC30まで)のアルカンカルボン酸とビニルアルコールまたはアリルアルコールとのエステル、例えばノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニルおよびステアリン酸ビニルも含み、市販のモノマーVEOVA(R)9−11(VEOVA Xは、シェル(Shell)の商品名であり、Versatic(R)X酸という名のカルボン酸のビニルエステルを意味する)も含有する。さらに、このようなモノマーBには、マクロモノマー、例えばオリゴプロペンアクリレートも含まれる(多くの場合、マクロモノマーは、通常末端部に、少なくともひとつのエチレン性不飽和二重結合を有するポリマーまたはオリゴマー化合物を意味し;最低の水溶性を有するモノマーBとして利用でき、その相対平均分子量は有利に100000を越えず;一般的に相対平均分子量は、1000〜50000または2000〜50000であり;マクロモノマーは当業者に公知であり;その製造について、例えばMakromol. Chem. 223 (1994) 29〜46に記載されている)。一般的に、最低の水溶性を有する好適なモノマーBは、25℃1気圧での分子水溶性が、相応するラウリルアクリレートの水溶性を下回る全てのモノマーである。さらに、このようなモノマーBの例は、Toa Gosei Kgaku KK(日本)由来のメタクリロイル−ポリブチルアクリレートAB−6およびメタクリロイル−ポリスチレンA5−6であり、いずれも相対平均分子量6000である。低い水溶性を有するマクロモノマーとして使用できるその他の化合物Bは、Huels AG由来のポリオール130およびポリオール110である(20℃における動粘度が3000mPa.sである低粘度立体特異的ポリブタジエン(1,4−シス75%、1,4−トランス24%、ビニル1%))。
【0021】
モノマーBを使用するよりも、水溶性<0.01g/lを有する非共重合性化合物B′を使用することによりエマルションE1の安定性が向上する。このような化合物B′は、モノマーBと一緒にあるいはモノマーBの代わりに使用できる。化合物B′は、モノマーAおよびBの総量に対し、有利に10質量%を下回る量で使用される。
【0022】
化合物B′のひとつの例は、BASF AG由来のポリ−n−ブチルアクリレートであるAcronal(R)A150Fで、その酢酸エチル中の50%濃度溶液は、23℃1気圧において、33mPa.sの粘度を有する(ISO3219、DIN53019に従って、250s-1で測定)。
【0023】
その他の好適な化合物B′は、PnBaであり、イソプロパノール中で25℃で測定したK値が24である、n−ブチルアクリレート(イソプロパノール中120℃)のポリマーの高温溶液である。K値は、DIN53726に類似した方法で測定した相対粘度である。この方法は、同一の溶剤中の0.1%濃度のポリマー溶液の流速を、純粋な溶剤の流速と比較することにより成る(Cellulosechemie 13 (1932), 58〜64およびKirk- Othmer, Ehcyclopedia of Chemical Technology, vol. 23, 967〜968頁)。K値は、ポリマーの平均分子量の測定値である。高いK値は、高い平均分子量に相当する。
【0024】
さらに可能な化合物B′は、ロジンのような樹脂(Ullmanns Encycl. Techn. Chem., 第4版 (1976), Vol. 12, 525〜538頁)および炭化水素樹脂(Encycl. Polym. Sci. Eng. (1987) Vol. 7, 758〜782頁)、例えばHercules由来のKristalexF85である。例としては、Hercules由来の高水素化樹脂のグリセリルエステルであるForal(R)85E(軟化点:86℃)がある。さらに好適な化合物B′は、ポリスチレンである(C.M. Miller等、J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 32、2365〜2376、1994参照)。
【0025】
さらに、しかし、他の水不溶性、油溶性物質、例えば脂肪族および芳香族炭化水素(例えばヘキサデカン)、膜形成性助剤または可塑剤例えばBASF由来のPlastilit(R)3060(C4〜C6ジカルボン酸のジ−n−ブチルエステル混合物の工業銘柄)も可能な化合物B′として好適である。
【0026】
ポリマー化されるモノマーが架橋性モノマーCを有する場合に、本発明の方法はさらに利点を有する。特に、このようなモノマーCは、少なくとも2つの非共役二重結合を有する。このようなモノマーCは、場合により、ポリマー化されるモノマーの全量に対し0.1〜30質量%の量で、有利に0.5〜20質量%の量で、特に有利に1〜10質量%の量で使用する。
【0027】
好適なモノマーCは、例えば、前記エチレン性不飽和カルボン酸のビニル、アリルおよびメタリルエステルであり、これらの酸のトリシクロデセニルアルコールとのエステル、特にメタクリル酸およびアクリル酸のエステル、前記エチレン性不飽和カルボン酸と多価アルコールとのエステル、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールトリメタクリレート、トリス(ヒドロキシメチル)エタントリアクリレートおよびトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、および多官能性カルボン酸のアリルおよびメタリルエステル、例えばマレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリルおよびフタル酸ジアリルである。更なる典型的なモノマーCは、例えばジビニルベンゼン、ジビニルウレア、トリアリルシアヌレート、およびN,N′−ジビニル−およびN,N′−ジアリルイミダゾリジン−2−オン、およびメチレンビスアクリルアミドおよびメチレンビスメタクリルアミドのような化合物である。モノマーCとして、更に、モノエチレン性不飽和カルボン酸の無水物、例えばメタクリル酸の無水物がある。
【0028】
モノマーCの代わりにあるいは、モノマーCと一緒に、モノエチレン性不飽和モノマーDを使用してもよく、モノマーDは、少なくとも1個またはそれ以上のエチレン性不飽和結合の代わりに、その後のポリマーの架橋または染料の発色団に属さない染料の官能基との反応に適した官能基を有する。この種の官能基は、エポキシ、ヒドロキシル、N−メチロールおよびカルボニル基から典型的に選択される。モノマーDの例は、前記エチレン性不飽和カルボン酸のN−アルキロールアミド、例えばN−メチロール(メタ)アクリルアミド、前記エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、特にヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、前記エチレン性不飽和カルボン酸のビスアセトニルアミド、特にN,N−ビスアセトニル(メタ)アクリルアミド、およびビニル、アリルおよびメタリルグリシジルエーテル、前記エチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、および、さらに、前記エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルとアセチル酢酸とのエステル、例えばアセチルアセトキシエチル(メタ)アクリレートである。該モノマーDは、ポリマー化されるモノマーの総量に対し、0.1〜30質量%の量で場合により共重合される。一般的に、モノマーCおよびモノマーDの総量は、ポリマー化されるモノマーの総量に対し、30質量%、有利には20質量%、特に有利に10質量%を越えない。ひとつの有利な実施態様において、ポリマー化されるモノマーは少なくともひとつのモノマーCおよび/またはモノマーDを、ポリマー化されるモノマーの総量に対し、>0.1質量%の量で、有利に0.5〜20質量%の量で、特に有利に1〜15質量%の量で含有する。ひとつの有利な実施態様において、ポリマー化されるモノマーは、モノマーAおよび場合によりBを含有するだけでなく、もっぱらモノマーCをも、0.5〜20質量%の量で、有利に1〜15質量%の量で含有する。モノマーCの代わりに、またはモノマーCと一緒に、エチレン性不飽和ジカルボン酸の無水物を使用することも可能である。
【0029】
さらに、本発明の方法を有機珪素化合物の存在下に実施することもでき、該有機珪素化合物は、加水分解時にシラノール基を形成し、少なくともひとつの重合−活性基を有する。重合−活性基とは、フリーラジカル重合反応において、伸長しているポリマー鎖と反応して共役結合を形成する官能基を意味する。有利な共重合−活性基は、特にメルカプト基およびエチレン性不飽和二重結合である。このような化合物の例として、ビニル−、アリル−およびメタリルトリアルコキシシラン、例えばビニル−、アリル−およびメタリルトリメトキシシラン、さらにアクリルオキシアルキル−およびメタクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、例えばメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、また、γ−メルカプトアルキルトリアルコキシシラン、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。この型の化合物は同様にモノマーDのひとつと考えられ、ポリマー化されるモノマーの総量に対し20質量%までの量で、有利に10質量%までの量でコポリマー化できる。
【0030】
本発明の方法に好適な油溶性染料は、ポリマー化されるモノマーに十分溶解する染料の全てである。特に好適な染料は、モノマー中の溶解性>0.01質量%、有利に>0.05質量%、特に有利に>0.1質量%、非常に有利に>0.5質量%、さらに有利に>1質量%を有する。染料を、一般的にポリマー化されるモノマーに対し、0.001〜20質量%、有利に0.01〜10質量%、特に有利に0.02〜5質量%で使用する。ポリマー化されるモノマー中の染料の所望の色深さおよび溶解性に応じて、ポリマー化されるモノマーに対し、50質量%まで、特に40質量%まで、例えば5〜30質量%で使用できる。
【0031】
染料を例えば8〜22個の炭素原子から成る長鎖カルボン酸、リン酸ジアルキル、リン酸モノアルキル、またはドデシル硫酸のようなアルキル硫酸を用いて塩交換を実施する場合、通常塩の形で存在しそのためにモノマー中の溶解性が小さい塩基性アミノ基を有する染料を、本発明で使用してもよい。すなわち、酸性官能基またはその塩を有する染料を、例えば8〜22個の炭素原子を有する長鎖カルボン酸を用いて塩交換することによりモノマー−溶解形へ変換できる。好適な長鎖カルボン酸の例は、カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸のような脂肪酸であり;好適なアミンは、例えば、炭素原子8〜22個を有する第1級、直鎖または分枝鎖アルキルアミンである。通常、染料をモノマー中で長鎖カルボン酸またはアミンあるいはそれらの塩と結合させることで十分に塩交換でき、この混合物を、酸素を排気しかつ場合により攪拌しながら、染料が溶解するまで加熱する。
【0032】
本発明で使用する染料は、通常、伸長π−電子形を有する発色団に特徴があり、非極性媒体またはモノマーのような低い極性を有する媒体中での染料の溶解性を向上させるような置換基を有利に少なくとも1個またはそれ以上含有する。好適な置換基には、ヘテロ原子で中断されてないまたは中断され、かつ、非置換あるいはヒドロキシルまたはハロゲンで置換されたアルキルが含まれ、さらにアルコキシ、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールアミノカルボニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロゲンが含まれる。
【0033】
以後アルキルはいずれも長鎖または分枝鎖のアルキルであり、記載したアルキルに関しては、1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子、硫黄原子、イミノ基またはアルキルイミノ基で中断されていてよく、かつ/あるいはハロゲンまたはヒドロキシルで1個またはそれ以上置換されていてよい。置換アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシルが含まれる。酸素で中断されたアルキル基の例には、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−または3−メトキシプロピル、2−または3−エトキシプロピル、2−または3−プロポキシプロピル、2−または3−イソプロポキシプロピル、2−または3−ブトキシプロピル、2−または3−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)等が含まれる。ハロゲン−置換アルキル基には、特に、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基が含まれ、例えばトリフルオロメチルがある。ヒドロキシ置換アルキル基の例には、ヒドロキシメチル、1−または2−ヒドロキシエチル、1−、2−または3−ヒドロキシプロピルおよび1,2−ビスヒドロキシエチルがある。
【0034】
アリールとは特に、非置換またはC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルオキシ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択された1、2または3個の置換基によって置換され、場合によりエトキシル化されていてよいフェニルまたはナフチルである。アリールアルキルとは、有利に1〜6個の、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を介して結合するアリール基を意味する。C1〜C4−アルキレンの例には、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、2,2−プロピレン、1,3−プロピレンおよび1,4−ブチレンが含まれる。アリールアルキルの例には、特にベンジルおよび2−フェニルエチルが含まれ、場合により置換されていてもよい。
【0035】
シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのような単環式脂肪族、およびアリールのように置換されていてよいノルボルニル、アダマンチルまたはデカヒドロナフチルのような多環式脂肪族が挙げられる。ヘテロシクロアルキルとは、環の中に少なくとも1つのヘテロ原子、例えばS、Oおよび/またはNを有する単環または多環式脂肪族基を意味する。このような基の例には、ピロリジニル、フラニル、ピペリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニルおよびテトラヒドロピラニルがある。ヘテロアリールとは、非置換または置換された、未縮合またはベンゾ−縮合したヘテロ芳香族化合物基を意味し、例えばチオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キナゾリン、およびその類似化合物がある。
【0036】
本発明の方法において、有機油溶性染料は、例えばナフタレン、ペリレン、テリレン、クワテリレン、ジケトピロロピロールの油溶性誘導体から、ペリノン染料、クマリン染料、オキサジン染料、アントラセン染料、ナフタセン染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、メチン染料、アザメチン染料、イソインドリン染料およびイソインドリノン染料から、ポルフィリン、フタロシアニンおよびナフタロシアニンおよび最後の3つの染料クラスの金属錯体から選択される。以後、染料の油溶性とは、染料がポリマー化されるモノマーに少なくとも限定した範囲まで溶解でき、従って、重合条件下に、溶液中場合によりモノマー中で分子分散形で(すなわち、バイオモレキュラー集合体または高度ポリマー集合体の形でモノマー相中に均一に分配している)存在することを意味する。
【0037】
好適な油溶性クマリン染料の例は、US−A−3880869およびDE−A−4424817中に記載されており、参照することによりここに全内容を記載したものとする。
【0038】
好適な非極性ペリレン染料は、US−A−4618694、DE−A−2451782、US−A−4379934、US−A−4446324、EP−A−277980、EP−A−657436またはWO9622332に記載されている。さらに好適な非極性ペリレン染料を、例えばEP−A−73007に見出すことができる。引用した文献は、参照することによりここに全内容を記載したものとする。
【0039】
好適なナフタレン染料には、特に、非置換の直鎖または分枝鎖C1〜C20−アルキルまたはアリールでイミド窒素を置換した、ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミドがあり、これはナフタレン環系の4および/または5位にC1〜C6−アルコキシ置換基を有していてよい。
【0040】
好適なアントラセン染料には、特に9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビスフェニルエチニルアントラセンおよび1,8−ジクロロ−9,10−ビスフェニルエチニルアントラセンが含まれる。好適なアントラセン染料の例を、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Vol A2、402頁fに見出すことができる。好適なポルフィリン染料には、テトラフェニルポルフィリンおよびオクタエチルポルフィリンおよびその亜鉛またはニッケル錯体が含まれる。好適なフタロシアニン染料の例には、メタロフタロシアニン、特に銅フタロシアニンがあり、これは発色団のフェニレン単位上に有利に10〜20個の炭素原子から成る可溶性のアルキル基を有し、アルキル基は発色団に直接結合しても、官能基を介して;例えばスルホンアミド基を介して結合してもよい。商業用として公知なのは、モノ−またはポリスルホン化したメタロフタロシアニンとC10〜C20−アルキルアミンとのスルホンアミドであり、テトラスルホン化した銅フタロシアニンとステアリルアミンとのテトラスルホンアミドが例として挙げられる。
【0041】
以下の染料は特に記載すべき染料である:
【0042】
【化7】
【0043】
[式中、R1は、アルキル基、特にC1〜C13アルキル基である]。
【0044】
【化8】
【0045】
[式中、
R2は、水素原子またはシアノ基であり、
R3は、C1〜C11−アルキル基である]。
【0046】
【化9】
【0047】
[式中、
R4は、1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子で中断されないまたは中断されたC5〜C20−アルキルであるか、非置換あるいはC1〜C13−アルキルまたはC1〜C13−アルコキシで1個またはそれ以上置換されたフェニルであり、さらに、
R5およびR6は、相互に独立して水素、塩素、臭素、フェノキシまたはハロゲン−、シアノ−、C1〜C4−アルキル−またはC1〜C4−アルコキシ置換フェノキシである]。
【0048】
本発明において、油溶性染料には、ポリマー化されるモノマー中に溶解できる、すなわち油溶性の蛍光増白剤も含まれる。好適な蛍光増白剤の例は、ビススチリルベンゼン、スチルベン、ベンズオキサゾール、クマリン、ピレンおよびナフタレンのクラスに由来する化合物である。
【0049】
ナフタレンのクラスに由来する蛍光増白剤は例えば、式:
【0050】
【化10】
【0051】
[式中、
R7は、酸素原子で中断されないかまたは中断されたC5〜C20−アルキル、あるいはC1〜C13−アルキルまたはC1〜C13−アルコキシで、1個またはそれ以上置換されたフェニル、および有利に3−ペンチルまたは
【0052】
【化11】
【0053】
であり、
R8およびR9は、C1〜C6−アルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはtert−ブチルである]の化合物である。
【0054】
ビススチリルベンゼンのクラスに由来する好適な蛍光増白剤は、特に、式:
【0055】
【化12】
【0056】
[式中、
基A0は、相互に独立してH、Cl、Br、I、CN、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルコキシカルボニルまたはC1〜C4−アルキルスルホニルである]の化合物である。相互に独立して、中央の二重結合は有利にE配置を有する。相互に独立して、基A0は、中央の二重結合に対してオルト、メタまたはパラ位に配置されてよい。有利に、少なくとも1つの基A0は、CN基である。この型の化合物の例は、o,o−ジシアノビススチリルベンゼン(=1,4−ビス(2′−シアノスチリル)ベンゼン)、o,m−ジシアノビススチリルベンゼン、o,p−ジシアノビススチリルベンゼン、m,m−ジシアノビススチリルベンゼン、m,p−ジシアノビススチリルベンゼン、p,p−ジシアノビススチリルベンゼン、o−シアノ−p−メトキシカルボニルビススチリルベンゼン(=1−(2−シアノスチリル)−4−(4−メトキシカルボニルスチリル)ベンゼンおよびp,p−ジメトキシカルボニルビススチリルベンゼン(=1,4−ビス(4′−メトキシカルボニルスチリル)ベンゼン)である。
【0057】
スチルベンのクラスに由来する好適な蛍光増白剤は、例えば式:
【0058】
【化13】
【0059】
[式中、
A1は、相互に独立して各々C1〜C4−アルコキシカルボニルまたはシアノであり、
A2は、相互に独立して、C1〜C4−アルキル、特にメチルで1箇所または2箇所置換されたベンズオキサゾール−2−イル、またはC1〜C4−アルコキシカルボニルまたは3−(C1〜C4−アルキル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである]の形である。
【0060】
ベンズオキサゾールのクラスに由来する蛍光増白剤は、例えば、式:
【0061】
【化14】
【0062】
[式中、
A4は、相互に独立して、各々水素またはC1〜C4−アルキル、特にメチルであり、
Lは、式:
【0063】
【化15】
【0064】
(式中、nは0、1または2である)の基である]の形である。
【0065】
クマリンのクラスに由来する好適な蛍光増白剤は、例えば、式:
【0066】
【化16】
【0067】
[式中、
A5は、水素またはC1〜C4−アルキルであり、
A6は、フェニルまたは3−ハロピラゾール−1−イル、特に3−クロロピラゾール−1−イルである]の形である。
【0068】
ピレンのクラスに由来する好適な蛍光増白剤は、例えば、式:
【0069】
【化17】
【0070】
[式中、
A7は、相互に独立して、各々水素またはC1〜C4−アルコキシ、特にメトキシである]の形である。
【0071】
前記の増白剤を、単独でまたは相互に混合して使用できる。
【0072】
前記の蛍光増白剤は、一般的に自体公知の商業製品である。これらは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Vol. A18、156〜161頁に記載されており、そこに特記される方法で獲得できる。
【0073】
本発明のひとつの有利な実施態様において、染料の発色団に属さない、少なくとも1つの共重合性エチレン性不飽和二重結合を有する染料を使用する。通常、このような場合の染料は、式I:
Q−X−S−P (I)
[式中、
Xは、単結合、エチニレンまたは−(CH2)k−X′から選択され、ここで
k=0、1、2、3または4であり、
X′は、−O−;−N(R)−;−S−;−O−C(O)−;−O−C(O)−O−;−O−C(O)−N(R′);−N(R′)−C(O)−;−N(R′)−C(O)−O−;N(R′)−C(O)−N(R″)−;−C(O)−;−C(O)−O−:−C(O)−N(R′)−;−S(O)2−O−;−S(O)2−N(R′)−;−O−S(O)2−;−N(R′)−S(O)2−;であり、ここで、
Rは、水素、直鎖または分枝鎖のC1〜C6−アルキル、アリール、アリール−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルキルカルボニル、アリールカルボニルまたはホルミルであり、
R′、R″は、相互に独立して、水素、直鎖または分枝鎖のC1〜C6−アルキル、場合によりOH、ハロゲン、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルキルオキシで置換されたアリールまたはアリール−C1〜C6−アルキルであり、
Sは、単結合、1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子、硫黄原子または(アルキル)イミノ基で中断されていてよいC1〜C12−アルキレン、あるいは場合によりC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルオキシまたはハロゲンから選択された1個または2個の置換基を有する1,2−、1,3−または1,4−フェニレン、あるいは場合によりフェニレンが置換された1,2−、1,3−、1,4−キシレンであり、および
Pは、式II:
【0074】
【化18】
【0075】
(式中、
AおよびBは、相互に独立して、水素、C1〜C6−アルキルまたはフェニルであり、あるいはAおよびBは一緒になって、それらが結合している二重結合と共にシクロペンテンまたはシクロヘキセン環を形成し、
mは0、1、2または3であり、
zは、単結合であり、X′のために前記された定義のひとつを有する)の重合性基であり、および
Qは、有機染料の発色団である]で示される染料である。
【0076】
式Iにおいて、Xは、有利に単結合、エチニレンまたはX′(k=0)である。Sは、有利に単結合、C1〜C12−アルキレン、特にC1〜C6−アルキレン、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンから選択される。Qは、有利に前記染料の1つに由来し、特にペリレン染料に由来する。Pは、有利に式IIの基であり、ここでAは、水素またはC1〜C4−アルキル、特にメチルであり、Bは、水素またはメチルであり、mは、0または1である。特に、Pは、ビニル、アリル、メタリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、3−ビニルウレイド、3−アリルウレイド、3−メタリルウレイド、N−ビニルアミノカルボニルオキシ、N−アリルアミノカルボニルオキシまたはN−メタリルカルボニルオキシである。
【0077】
式Iの共重合性染料は、本質的に公知である。例えばEP−A−090282およびEP−A−260687には、式Iの共重合性アントラキノン染料が記載されている。さらに、EP−A−090282には、共重合性アゾ染料が記載されている。
【0078】
本発明の1つの特に有利な実施態様において、式III:
【0079】
【化19】
【0080】
の共重合性ペリレン染料が使用され、ここで基X1〜X4、Y1〜Y4の1個または2個が式IV:
−X−S−P (IV)
[式中、X、SおよびPは、前記の定義と同様である]基であるか、または、X1はX4と一緒になって、および/またはX2はX3と一緒になって、各々式V:
【0081】
【化20】
【0082】
[式中、SおよびPは、前記の定義の1つを有する]の基であってよく、残りの基X1〜X4、Y1〜Y4は相互に独立して、水素、場合により1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子、硫黄原子により、または(アルキル)イミノ基により中断されており、かつ/またはOHおよび/またはハロゲンにより置換されていてよい直鎖または分枝鎖のC1〜C12−アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜C6−アルキル、ヘテロアリール−C1〜C6−アルキル、C2〜C18−アルキニル、アリールエチニル、トリス(C1〜C4−アルキル)シリルエチニル、シアノ、ニトロ、ハロゲンから選択されたものを表わし、および/または−O−R;−O−C(O)−R′;−N(R′)−C(O)−R″;−NRR′;−C(O)−R′;−C(O)−OR′;−C(O)−NR′R″;−N(R′)−C(O)−OR″;−N(R′)C(O)−NRR″、−O−S(O)2−R′、N(R′)S(O)2R′′から選択された原子団を表わす。R、R′およびR″は、前記の定義を有する。
【0083】
残りの基X1〜X4において、X1はX4と一緒になって、および/またはX2はX3と一緒になって各々、X″−C(O)−、−C(O)−N(R″′)−C(O)−または−C(O)−O−C(O)−を表してよく、ここでR″′はR′およびR″各々に関して記載したものを表し、X″は、−CH=CH−、1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレンまたは2,3−ピリジニレンであり、それぞれが非置換またはC1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルコキシまたはハロゲンで1箇所または2箇所置換されている。
【0084】
X1はX4と一緒になって、前記に記載した式Vの基を表し、X2はX3と一緒になって式−C(O)−N(R″′)−C(O)−を表す、式IIIの染料は、US−A−4667036およびEP−A−422535から公知である。これらの染料は本発明の方法に好適である。しかし、このような染料は、その非対称的な置換パターンおよび製造に付随する複雑性のため、容易には獲得できない。
【0085】
X1とX4が一緒になって式Vの基を表し、かつX2がX3と一緒になって式−C(O)−N(R″′)−C(O)−表す場合を除く式IIIの染料は、新規であり、本発明により同様に提供される。
【0086】
式IIIの有利な染料において、X1およびX4は、前記で定義した式Vの基(染料IIIa)または式−C(O)−N(R″′)−C(O)−の基(染料IIIb)のいずれかを形成する。
【0087】
染料IIIaにおいて、残りの基X2およびX3は、有利に−X−S−P−とは異なる意味を有し、特に相互に独立して、水素、1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子、硫黄原子または(アルキル)イミノ基で中断されないかまたは中断され、かつ/あるいは非置換またはハロゲンで置換されていてよい直鎖または分枝鎖のC1〜C12−アルキルから選択され、およびアルコキシ、非置換または置換アリールまたはアリールオキシ、およびハロゲンから選択される。染料IIIa中のY1〜Y4は、X−S−P−以外の前記に定義されたひとつを有する。
【0088】
染料IIIbにおいて、基X2およびX3のひとつは、有利に基−X−S−Pである。残りの基X2またはX3は、X−S−P−以外の前記に定義されたひとつを有する。
【0089】
式IIIのペリレン染料は有利であり、ここで
X1、X3およびX4は、相互に独立して水素、1個またはそれ以上の、隣接していない酸素原子、硫黄原子または(アルキル)イミノ基で中断されていないか、または中断され、かつ/あるいは非置換またはOHおよび/またはハロゲンで置換されていてよい直鎖または分枝鎖のC1〜C12−アルキルから選択され、アルキルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C2〜C8−アルキニル、トリス(C1〜C4−アルキル)シリルエチニル、アリール、アリールオキシ、ハロゲンおよびシアノから選択され、
X2は、式IV:
−X−S−P (IV)
[式中、X、SおよびPは前記の定義と同様である]の基であり、
Y1〜Y4は、−X−S−P−以外の前記に定義したひとつを有する(染料IIIc)。
【0090】
式IIIの染料の4番目のクラスは、X1とX4およびX2とX3の両方が前記に定義した式Vの基を有する染料である(染料IIId)。
【0091】
式IIIのY1〜Y4は、有利に水素またはハロゲン、あるいはフェノキシであり、後者は非置換または置換されていてもよい。この場合の有利な置換基は、ハロゲン、特に塩素および臭素であり、C1〜C4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルおよびtert−ブチル、またはC1〜C4−アルキルオキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、n−ブチルオキシまたはtert−ブチルオキシである。
【0092】
式IVまたはV中の基Sは、有利に、単結合、直鎖または分枝鎖、有利には直鎖のC1〜C12−アルキレン、1,4−フェニレンまたは1,4−フェニレン−C1〜C4−アルキレンである。Xは、有利にエチニレンまたは単結合である。
【0093】
非常に有利な式IIIのペリレン染料は、式IVまたはVの基を有し、ここでPは、ビニル、アリル、メタリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、3−ビニルウレイド、3−アリルウレイド、3−、メタリルウレイド、N−ビニルアミノカルボニルオキシ、N−アリルアミノカルボニルオキシまたはN−メタリルアミノカルボニルオキシである。
【0094】
本発明の式IIIの染料は、公知のペリレン誘導体から出発して、慣用の方法で製造できる。出発化合物として好適なペリレン誘導体は、例えばEP−A−238436、EP−A−465410、WO9722607およびWO9622332さらに、Rademacher等によるChem. Ber. 115, 1982, 2972、Quante等によるMacromol. Chem. Phys. 197, 1996, 4029、Feiler等によるLiebigs Ann. 1995, 1229、Schlichting等によるLiebigs Ann. /Recueil 1997, 395およびKaiser等によるChem. Ber. 124, 1991, 529に記載されている。
【0095】
通常、公知のペリレン誘導体において、慣用の方法、例えばペリレンカルボン酸のエステル化またはアミド化により、ペリレンジカルボン酸のイミド化により、ヒドロキシル官能性ペリレンのエステル化またはエーテル化により、ペリレンカルボキシアミドまたはペリレンカルボキシイミド(またはペリレンテトラカルボキシジイミド)のアルキル化により、基−X−S−Rfまたは基−X−S−P−を導入する。これらの基のX、SおよびPは、前記の定義と同様である。Rfは、重合性基Pに変換される官能基、またはRfを補足する反応性基Rwを有するエチレン性不飽和化合物との化学結合を形成できる官能基である。
【0096】
原則的に、反応性基Rfは潜伏型であり、連続した化学修飾によってのみ反応型のRfに変換され得る。典型的な反応性基Rfは、ヒドロキシル基、第1級および第2級アミノ基を含み、これはエチレン性不飽和カルボン酸またはカルボン酸誘導体、例えば塩化カルボニル、無水カルボン酸と、あるいはイソシアネートまたはハロゲン化アリルと反応して、所望の最終生成物を獲得する。基−X−S−Rfおよび−X−S−Pを、遷移金属で触媒したアリール/アリール結合、アリール/アルキニル結合またはヘッケ反応によって、ペリレン化合物中に導入できる。前記のような反応の型は、本質的に当業者に公知であり、本発明のペリレン化合物の製造に類似して使用できる(この点に関しては、J. March, Advanced Organic Chemistry, John Wiley & Sons, New York, 1992,; Larock, Comprehensive Organic transformation, VCH, verlagsgesellschaft, Weinfeim, 1989を参照)。
【0097】
染料IIIbおよびIIIcは、例えば式VI:
【0098】
【化21】
【0099】
[式中、X1、X3およびX4さらにY1〜Y4は、ハロゲンおよび−X−S−P以外の前記に定義したひとつを有し、Halはハロゲンであり、特に臭素である]のペリレン化合物から出発して、獲得できる。有利に、X1およびX4は、独立して、水素、C1〜C12−アルキルおよびアリールから選択される。X1およびX4は、一緒になって−C(O)−N−(R″′)−C(O)−を表してもよい。X3は特に水素である。このような化合物は、例えばSchlichting 等(前記参照)およびWO9622332に記載されている。式VIの化合物は、Schlichting等(前記参照)の記載する方法と同様に、好適なω−官能性アルキンと反応させることができる(Tetrahedron Lett. 50, 1975, 4467も参照)。反応性基、例えばOH基またはNH2基を、慣用の方法(Schlichting等の文献とその引用文献を参照のこと)を用いて、直接または以下のようなエチニル基の水素化により、結合基から有利させてよく、これらの基は引き続き反応性エチレン性不飽和化合物W、例えば塩化アクリロイルのようなエチレン性不飽和カルボン酸の酸塩化物、アリルイソシアネートのようなエチレン性不飽和イソシアネート、と反応させて、所望の化合物IIIaおよびIIIbをそれぞれ獲得することができる。最後に述べた反応は、不活性の中性溶剤;例えば脂肪族または環式脂肪族エーテル、芳香族炭化水素または窒素含有溶剤、例えばピリジン、キノリンまたはN−メチルピロリドン;中で実施するのが一般的である。
【0100】
酸塩化物の反応は、有利に塩基の存在下に実施する。典型的な塩基は、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンさらにジアザビシクロオクタンおよびジアザシクロウンデセンである。酸塩化物あたりの塩基の選択率は、通常等molである。
【0101】
ペリレン中の反応性基に対し、酸塩化物を1〜5mol等量の量で、イソシアネートを1〜3mol等量の量で有利に使用する。
【0102】
反応温度は通常20〜150℃の範囲内であり、化合物Wの反応性および重合傾向により調節する。ヒドロキシアルキルペリレンを塩化アクリロイルと反応させる場合、温度は20〜70℃の範囲であり;塩化メタクリロイルと反応させる場合、40〜90℃の範囲であり;イソシアネートと反応させる場合、80〜140℃の範囲である。
【0103】
式VIの化合物を、パラジウム(0)化合物の存在下に、アリールボロン酸エステルと非対称なアリール/アリール結合させてもよい。有利に、アリールボロン酸は予め共重合性二重結合を有する、というのもこれは結合条件下に攻撃されないからである。共重合性二重結合を有する好適なアリールボロン酸の例は、o−、m−、p−スチレンボロン酸である。アリールボロン酸はもちろん官能性のRfを有し、これは場合により、エチレン性不飽和化合物Wにより化学修飾されて反応し、式IIIで示される所望の最終生成物を得る。
【0104】
ペリレンVIの反応は、通常、無機塩基の水溶液と水に混和しない有機溶剤との混合物中で実施する。
【0105】
好適な塩基は、アルカリ金属の水酸化物および炭酸塩である。好適な有機溶剤は芳香族アルキル、例えばトルエンおよびキシレンである。
【0106】
好適なパラジウム(0)化合物は、特に、テトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウムおよびテトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。パラジウム(0)化合物を、有利に、ペリレンVIに対し8〜10mol%の量で使用する。アリールボロン酸を、有利に、ペリレンVIに対し1.1〜1.4mol等量の量で使用する。
【0107】
反応温度は、一般的に80〜120℃の温度範囲であり、反応時間は10〜18時間である。
【0108】
染料IIIaおよびIIIbは、式VIIaのペリレンジカルボン酸または式VIIbのペリレンテトラカルボン酸、有利にその分子内酸無水物:
【0109】
【化22】
【0110】
[式中、X2、X3およびY1〜Y4は−X−S−P以外の前記の定義を有する]を、エチレン性不飽和二重結合を有する第1級アミン、例えばアリルアミンと反応させるか、または別の反応基Rf(前記参照)を有する第1級アミンと反応させ、次いで反応基Rfを前記の方法で重合性基Pに変換するという簡単な方法で獲得できる。このジカルボン酸VIIaまたはテトラカルボン酸と第1級アミンとの反応は公知の方法と同様にして実施する(例えばWO9622331およびその引用文献参照)。
【0111】
本発明の方法は、一般的に、第一工程においてエマルションE1をポリマー化するモノマーと染料とから製造し、その際、該エマルション中のモノマー小滴が<500nm、有利に100〜400nmの直径を有するように実施する。次いで、開始剤がエチレン性不飽和結合のフリーラジカル重合を誘発するような温度条件下に、エマルションE1を少なくとも1つの開始剤と接触させる。
【0112】
本発明で使用する水性エマルションE1の分散相の小滴の大きさの平均は、準弾性動的光散乱法の原理に基づいて測定できる。
【0113】
【外2】
【0114】
この明細書の実施例では、コールターサイエンティフィックインストロメンツ(Coulter Scientific Instruments)社製のコールターN4プラスパーティクルアナライザー(Coulter N4 Plus Particle Analyser)(1bar、25℃)を用いて測定した。測定は、非水性成分が0.01質量%である希釈水性エマルションE1を用いて実施した。希釈は、水性エマルション中に存在するモノマーで予め飽和させた水を使用して実施した。測定は、小滴直径の変化に伴う希釈を防止することを意図する。
【0115】
【外3】
【0116】
本発明で使用する水性エマルションの製造は、有利に、染料がすでに溶解しているかまたはモノマー小滴中に分子分散している、慣用のモノマー水中油型エマルションから出発する。このような慣用のエマルション(以下にマクロエマルションとしても参照される)は、例えばモノマー中に染料を溶解し、この溶液を公知の方法;例えば染料/モノマー溶液を乳化剤を含有する水性媒体中で攪拌する;で水性エマルションに変換することによって獲得できる。ここで、慣用のエマルションの小滴の大きさの平均は、1000nmを上回る。マクロエマルションを引き続き公知の技術でエマルションE1に変換する(以下にミニエマルションとしても参照される)(P.L. Tang, E.D. Sudol, C.A. SilebiおよびM. S. E1- Aasser、Journal of Applied Polymer Science、Vol 43(1991)1059〜1066参照)。
【0117】
高圧ホモジナイザーを例えばこの目的のために使用できる。この装置では、局部的な高エネルギーの投入により、成分を微細に分散できる。この点に関して、特に2つの形式が考えられる。
【0118】
1つの形式では、水性マクロエマルションを、ピストンポンプを用いて1000barを上回る圧力で圧縮し、次いで狭い隙間を通じて放出させる。この場合、装置の働きは、高い剪断力および圧力変化および隙間のキャビテーションの相互作用に基づいている。この原理に基づいて作動する高圧ホモジナイザーの例には、Niro-Soavi高圧ホモジナイザーNS1001L型パンダがある。
【0119】
2つ目の形式では、圧縮された水性マクロエマルションを、相互に逆の方向に向いた2つのノズルを通じて混合容器中に放出させる。この場合の微細な分散の作用は、とりわけ混合容器内の流体力学条件に依存する。この型のホモジナイザーの例には、マイクロフルイディクスコーポレーション(Macrofluidics Corp.)社製のマイクロ流動化装置タイプM120E(Microfluidizer type M120E)がある。この高圧ホモジナイザーでは、空気圧で作動するピストンポンプを使用して1200atmまでの圧力で水性マクロエマルションを圧縮し、“相互作用容器(interaction chamber)”を介して放出させる。この容器中では、マイクロチャンネルシステムにおいて、エマルションの噴流を180゜の角度で公差した2つの噴流に分離させる。このようにして均質化を行うホモジナイザーの別の例は、ナノジェットエンジニアリング有限責任会社(Nanojet Engineering GmbH)社製のナノジェットモデルエクスポ(Nanojet model Expo)である。しかし、ナノジェットでは、固体チャンネルシステム(solid channel system)の代わりに、機械的に調節可能な2つの均質化バルブが取り付けられている。
【0120】
前記の原理に追加して、均質化を、例えば超音波(例えばBranson Sonifier II 450)を使用して実施してもよい。この場合、微細な分散はキャビテーション機構の結果である。超音波による均質化の原理において好適なのは、GB2250930AおよびUS5108654に記載されている装置である。音波領域(sonic field)で製造される水性エマルションE1の品質は、この場合、音波の照射量だけでなくその他の要因、例えば混合容器中での超音波強度の配分、滞留時間、温度、乳化される物質の物理的特性、例えば靭性、表面張力および水蒸気圧の影響を受ける。これに関連して、得られる小滴の大きさは、特に、乳化剤の濃度および均質化するために投入されるエネルギーの量に依存し、従って、均質化圧力および/または相応の超音波エネルギーを適当に変化させることにより、特異的に調節できる。
【0121】
慣用のエマルションから超音波を使用してエマルションE1を製造するためには、以前のドイツ特許明細書DE19756874.2に記載される装置が特に適している。これは反応容器またはスルーフロー反応チャンネル(through-flow reaction channel)および超音波を反応容器またはスルーフロー反応チャンネルに伝達する少なくとも1つの手段を有する装置であり、超音波を伝達するための該手段は、反応容器全体またはひとつの小セクション中のスローフルー反応チャンネルが超音波で均一に音波破砕できるように配置されている。この目的のために、超音波伝達手段の放射表面を、基本的に反応容器の表面に対応するように配置し、また、反応容器がスローフルー反応チャンネルの小セクションである場合には、基本的にチャンネルの全体の幅にわたって、反応容器の放射表面に対して本質的に鉛直な深さが、超音波伝達手段の最大有効深さよりも低くなるように配置する。
【0122】
“反応容器の深さ”とは、ここでは本質的に、超音波伝達手段の表面と反応容器の底面との間の隔たりを意味する。
【0123】
反応容器の深さは有利に100mmまでである。反応容器の深さは、特に有利に70mmを越えず、非常に有利に50mmを越えない。例えば市販の高圧ホモジナイザーの隙間高さよりも深く、通常10mmより深い反応容器深さであれば、目詰まりの危険性が最小限に抑えられ、洗浄が容易であり、多量の製造物を出し入れできるという有利性を有するものの、反応容器は本質的に非常に浅くてもよい。有利には、反応容器の深さは、例えば異なる長さでハウジングに装入できる超音波伝達手段を用いて変化させることが可能である。
【0124】
この装置の初めの実施態様において、超音波伝達手段の放射表面を本質的に反応容器の表面と対応させる。この実施態様を、エマルションE1をバッチワイズで製造する際に使用する。本発明の装置に関し、超音波は反応容器全体に作用する。
【0125】
反応室においては、軸方向圧力の音照射線により、著しい交差混合を生じる乱れ運動をもたらす。
【0126】
2番目の態様により、この種類の装置は、フローセルを有する。この場合、ハウジングを入口および出口を備えたスルーフロー反応チャネルとして形成し、その際反応室は、スルーフロー反応チャネルの小セクションである。チャネルの幅は、本質的に流動方向に対して垂直に流れているチャネルの範囲を拡張している。この配置では、放射面積は、流動方向に対して横方向にフローチャネルの幅全体を覆う。この幅に対して垂直である放射面積の長さは、言い換えれば、流動方向の放射面積の長さが、超音波の有効範囲を決定する。この最初の態様の有利なバリアントにより、スルーフロー反応チャネルは本質的に四角形の横断面を有する。同様に適当な大きさの四角形の超音波伝達装置が、四角形の一つの側面に組み込まれている場合には、超音波破砕は特に有効であり、かつ一定である。しかし、超音波領域を支配する状況のため、円形伝達装置を用いることが可能であり、かつ不利ではない。さらに、シングル超音波伝達装置の代わりに、流動方向から見て、連続して連結している2個以上の分離伝達装置を配置することもできる。そのような配置では、放射面積も反応室の深さも、言い換えれば、放射面積とスルーフローチャネルの底との間の距離を変化させることができる。
【0127】
特に有利には、超音波の伝達方法を自由放射面積からのその末端リモートが超音波変換器と連結するソノトロード(sonotrode)として設計する。超音波は、例えば、逆圧電効果を活用することで発生させることができる。この場合、発生器を高周波の電気的振動を発生させるために使用し(一般に、10〜100kHzの範囲、有利には20と40kHzの間)、かつこれらは、圧電変換器により、同じ周波の機械的振動に変換し、および、ソノトロードを伝達要素として用いて、超音波破砕すべき媒体に連結させる。
【0128】
特に有利には、ソノトロードを棒形で垂直に放射するλ/2(または複数のλ/2)長さの発振器として形成する。そのようなソノトロードは、例えば、振動の接続点のうちの1つにフランジを設けることにより、ハウジングの開口部に固定することができる。このように、ハウジングへのソノトロードの入口点は、反応室が過圧下においても超音波破砕ができるように気密な設計にすることができる。ソノトロードの振動の振幅は、調節可能であるのが有利である;言い換えれば、確立している特定の振動の振幅をオンラインで観測し、場合により、自動的の訂正するのが有利である。瞬間的な振動の振幅は、例えば、ソノトロード上に取り付けられた圧電変換器を用いるか、または下流に評価エレクトロニクスを備えた歪ケージを用いることにより観測することができる。
【0129】
そのような装置のさらに有利な態様において、反応室は、流動挙動および撹拌挙動を改善するための内部装置を含む。これらの内部装置は、例えば、単純な偏向板であるか、または広範な任意の多孔性構造であってよい。
【0130】
場合により、付加的な撹拌機構により混合を増強することができる。反応室は温度調節可能であるのが有利である。
【0131】
本発明の方法を実施するのに原則的に適当な乳化剤は、通常フリーラジカルの水性マクロエマルション重合に使用される全ての水溶性乳化剤を含む。これらは、アニオン性およびカチオン性だけではなく、非イオン性の乳化剤も含む。有利には、アニオン性および/または非イオン性の乳化剤の使用が挙げられる。適当な中性乳化剤の例は、エトキシル化モノ−、ジ−およびトリアルキルフェノール(EO単位:3〜50、アルキル:C4〜C9)、エトキシル化脂肪族アルコール(EO単位:3〜50、アルキル:C8〜C36)およびエトキシル化オキソアルコール(EO単位:3〜50、アルキル:C8〜C36)である。適当なアニオン性乳化剤の例は、アルキルスルフェート(アルキル:C8〜C12)、エトキシル化アルカノール(EO単位:4〜30、アルキル:C12〜C18)およびエトキシル化アルキルフェノール(EO単位:3〜50、アルキル:C4〜C9)のスルホン酸モノエステル、アルキルスルホン酸(アルキル:C12〜C18)、スルホン化脂肪酸およびアルキルアリールスルホン酸(アルキル:C9〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。30mol%までのエチレンオキシド単位を他のアルキレンオキシド単位、特にプロピレンオキシド単位で交換することができる。
【0132】
さらに適当なアニオン性乳化剤は、スルホコハク酸のジ−C4〜C20−アルキルエステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、特にジ−n−オクチルエステルおよびジ−2−エチルヘキシルエステルである。またアニオン性の乳化剤として適当なのは、少なくとも1種のフェニルスルホニル基上に、C4〜C24−アルキル基を有するビス(フェニルスルホニル)エーテルの塩である。このアルキル基は、炭素原子6〜18個、特に炭素原子6、12または16個を有する直鎖または分枝鎖であることができる。含有する塩は、有利にはナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩またはこれらの塩が混合したものであり、特に有利にはナトリウム塩が挙げられる。ナトリウム塩は、炭素原子12個の少なくとも1つのアルキル基を含有し、かつ分枝鎖である場合に特に有利である。モノアルキル化生成物50〜90質量%の割合を含有する工業用品質の混合物を使用するのが普通であり、1つの例は、Dowfax(R)2Al(商標 Dow Chemical Company)である。該化合物は、例えば、米国特許第4269749号明細書から公知であり、かつ市販されている。
【0133】
さらに、適当な乳化剤は、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie、第XIV/l 巻、Makromolekulare Stoffe [Macromolecular substances]、Georg-Thieme Verlag、Stuttgart、1961、192〜208頁、およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、VCH Weinheim 1987、9a巻、313-318頁から見い出すことができる。
【0134】
これらの乳化剤は、言うまでもなく保護コロイドと混合した形で使用することもできる。保護コロイドは、水溶性有機ポリマーである。これらは、乳化剤とは異なり、かろうじて水の表面張力を減少させることができ、かつ一般に、1000以上、有利には2000以上の相対分子量を有する。
【0135】
乳化剤のように、アニオン性、カチオン性および中性の保護コロイドがある。一般的なアニオン性保護コロイドの例は、上記のモノエチレン性不飽和モノマーA’のホモポリマーおよびコポリマーであり、これはそのようなホモポリマーおよびコポリマーの少なくとも1種の酸基、および塩、特にアルカリ金属塩およびアンモニウム塩を有する。有利には、例えば、オレフィン、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、イソブテンおよびジイソブテン、ビニル芳香族化合物、例えば、スチレン、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル、およびその塩から選択される中性コモノマーを有するか有さない、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸および/または2−アクリルアミド−2−メチルプロピオンスルホン酸のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。さらに、アニオン性保護コロイドは、アニオンにより変性させたスターチおよびリグニンスルホネートである。
【0136】
カチオン性保護コロイドの例は、モノエチレン性不飽和カチオン性モノマーのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、4級化N−ビニルイミダゾールまたは4級化ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートと、例えば、N−ビニルピロリドンおよび/またはN−ビニルカプロラクタムとのホモポリマーおよびコポリマーである。カチオン性保護コロイドの中に、カチオンにより変性させたスターチも含まれる。
【0137】
中性保護コロイドの例は、ポリビニルアルコール、特に酢酸ビニルを部分的に加水分解したホモポリマーおよびコポリマー、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマー、変性スターチ、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、およびビニルピロリドンと中性モノマー、例えば、ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートとの、またはメチルメタクリレートとのコポリマーである。
【0138】
水性エマルションE1を製造するための乳化剤の量は、本発明により、最終的に得られる水性エマルションE1中の水相内で使用する乳化剤の臨界ミセル形成濃度を本質的に越えないように適切に選択される。水性エマルションE1中に存在するモノマーの量に対して、この乳化剤の量は、一般に、0.1〜5質量%の範囲内である。すでに記載したように、保護コロイドは、乳化剤に並んで添加させることができ、かつ最終的に得られる水性ポリマー分散液の分散分布を安定させる能力を有する。使用する乳化剤の量とは無関係に、保護コロイドは、重合させるモノマーに対して、50質量%までの量、例えば、1〜30質量の量で使用することができる。
【0139】
本発明方法の有利な1つの態様は、初電荷の全てのエマルションE1を重合容器中に導入することを包含する。重合は、例えば、少なくとも開始剤の一部を添加し、次に、該混合物を重合温度まで加熱することにより開始することができる。次に開始剤の残りを連続的に、少しずつ同時に、または一度に重合反応に添加する。同様に、有利な態様において、混合物をはじめに重合温度に加熱し、次に開始剤を上記の方法で添加する。
【0140】
本発明のその他の態様において、重合すべきモノマーおよび油溶性染料から染料溶液をはじめに製造し、この溶液を水および大部分、有利には、全てのエマルションと、場合により保護コロイドとを一緒に常用のエマルションに変換する。引き続き、このエマルションを上記の方法でホモジナイズしてエマルションE1が得られる。次に、得られたエマルションE1を連続的に、一定または高い添加速度で、または少しずつ同時に、有利には重合の進行に従って、反応温度で、かつ水、有利には開始剤の一部、特に開始剤の全量に対して、1〜20%を含有している重合容器中に添加する。開始剤は、モノマーの添加と平行して添加する。この場合、エマルションを重合の開始の前の分離段階で、またはそれが消費される速度で連続的に、例えばドイツ国特許第19756874.2に記載されている装置を用いて製造することができる。
【0141】
フリーラジカル重合開始剤は、水溶液の形で使用するのが有利である。一般に、開始剤はモノマーエマルションE1中には存在しない。
【0142】
適当なフリーラジカル重合開始剤は、原則的にフリーラジカル重合を引き起こすことができる全てのものである。それらは、過酸化物、水酸化物、およびアゾ化合物であってよい。
【0143】
本発明方法に一般に使用するフリーラジカル重合開始剤は、重合条件下で水中に可溶なものである。このうち、有利にはモノマー中で不溶性であるか、または僅かにしか溶解しない開始剤が挙げられる。そのような重合開始剤の例は、ペルオキソ二硫酸およびそのアンモニウムおよびアルカリ金属塩、および水素過酸化物またはヒドロペルオキシド、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、または類似塩アゾ化合物、例としては、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパンジヒドロクロリドである。使用する水溶性フリーラジカル重合開始剤は、少なくとも1種の還元剤および少なくとも1種の過酸化物および/またはヒドロペルオキシドから成る結合系(combined system)を包含していてよい(以下のレドックス開始剤を参照)。適当な還元剤の例は、ヒドロキシメタンスルホン酸のナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、二硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセトン−亜硫酸水素塩アダクト、トリエチルアミン、ヒドラジンまたはヒドロキシルアミン、およびアスコルビン酸、グリコール酸およびタルタル酸である。
【0144】
結合系は、水性媒体中で可溶であり、かつその金属成分が複数の酸化数(レドックス活性金属化合物)を示すことができる少量の金属化合物を大抵は含む。使用する例は、銅(II)塩、鉄(II)塩、または水溶性鉄イオンとバナジウム塩との組合せである。
【0145】
少なくとも1種の非イオン性過酸化物、特に、過酸化水素を含有する水溶性開始剤を使用するのが特に有利であることが見いだされた。この種類の開始剤は、大抵少なくとも1種の上記の還元剤(レドックス開始剤)と一緒に使用する。そのような組合せの例は、過酸化水素/ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、t−ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、および過酸化水素/アスコルビン酸である。上記の非イオン性開始剤は、還元剤を用いずに使用することもできる。この場合、上記の水溶性のレドックス−活性金属化合物のうちの1つを重合媒体中に添加するのが有利である。本発明の分散液中のポリマー粒子において、比較的高いレベルの染料を達成させることを目的とする場合には、および特に染料レベルが重合させるモノマーまたはポリマーマトリックスの全量に対して少なくとも3質量%、特に少なくとも5質量%、殊には5〜30質量%の染料レベルを目的とする場合には、この種類の中性開始剤系を特に本発明方法中で使用する。特に、塩基性染料を重合の際に使用する場合には、非イオン性開始剤も使用する、というのも、通常使用するイオン性開始剤の崩壊により酸性物質が生じ−ペルオキソ二硫酸塩を使用する場合には、硫酸水素塩が生じ−これは塩基性染料をプロトン化し、従ってその油溶性を減少させる。
【0146】
フリーラジカル重合させるモノマーに対して、使用するフリーラジカル重合開始剤は、一般に、0.1〜10質量%、有利には0.2〜8質量%、大抵は0.5〜5質量%である。言うまでもなく、本発明のフリーラジカル水性エマルション重合は、例えば化学線に照射させることによっても開始させることができる。
【0147】
一般に、本発明の重合方法は、分散液の全質量の対して、全染料を含有しているポリマーを50%までの含有率で有している水性ポリマー分散液を製造する。全染料を含有しているポリマーの高い含有率は、一般に分散液中の不所望な粘度の上昇を伴って生じる。そのような高い固体含有率が必要な場合は、本発明方法をドイツ国特許出願公開第19628143号明細書の詳細によって形成するのが適切である。このことは、水性エマルションE1を、少なくともエチレン性不飽和モノマーの一部、および染料の全量から製造し、場合により、残りのモノマーからモノマー液滴が1000nm以上の直径を有する常用のエマルションE2を製造することを意味する。
【0148】
この場合、重合反応自体は、少なくとも水性エマルションE1の一部を重合反応中にフィードIとして連続的に供給し、常用のエマルションE2をフィードIの間に、平行してまたは少しずつ同時に重合反応に供給する。常用のエマルションE2は、水溶性が<0.01g/lである化合物、および特に染料を含まないのが有利である。
【0149】
これに関連して、本発明により、モノマーエマルションE1を90%より少なく、有利には50%より少なく、特に有利には30%より少なく、殊に有利には20%より少なくフィードIとして重合容器中に供給する。その他の詳細については、ドイツ国特許出願公開第19628143号明細書を参照することができ、ここにそのまま引用よって組み込まれている。
【0150】
本発明方法の状況において、供給物を上から、横からまたは反応器の底を通して重合反応器に供給することができる。
【0151】
本発明方法において、重合温度は、一般に使用するフリーラジカル重合開始剤の分解温度によって左右される。レドックス開始剤系は、一般に特に低温で分解する。そのような温度は、本発明により、凝集物の形成が減少したという見地から有利である。一般的な重合温度は、0℃〜95℃、大抵は30℃〜90℃である。高められた圧力を使用する場合には、重合温度は、120℃まで、またはそれ以上であってもよい。通常、重合は大気圧(1atm)で実施する。
【0152】
本発明方法は、ポリマー粒子が分子的に分散した形であり、さらに粒度が1000nm以下である少なくとも1種の油溶性の染料含有水性ポリマー分散液の製造が可能である。水性懸濁液ポリマーとは異なり、そのようなポリマー分散液は、沈殿に安定である。さらに、ポリマー分散液は、それらに含有されている低い移動傾向の染料分子が傑出している。
【0153】
本発明により得られる染料含有水性ポリマー分散液は、ポリマーマトリックスが、水溶性>0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーA、および
−水溶性<0.01g/lを有するモノエチレン性不飽和モノマーB、
−少なくとも2個の非共役結合、エチレン性不飽和二重結合を含むモノマーC、
−架橋モノマーD
から選択される少なくとも1種のモノマーをさらに包含する場合に、公知の染料含有ポリマー分散液よりも特に優れている。
【0154】
この種類のポリマー分散液も同様に本発明により提供される。
【0155】
優れた特性を有する染料含有水性ポリマー分散液は、本発明の方法により、上記の水溶性>0.01g/lを有するモノマーA、場合によりモノマーB、CおよびDを染料発色団の部分ではない少なくとも1種の共重合可能な官能基を有する油溶性の有機染料と一緒に重合させる場合にも得られる。この種類のポリマー分散液も同様に本発明により提供される。
【0156】
油に適当な染料の種類とは無関係に、ポリマーマトリックスは、有利には、
−モノマーAを50〜99.5質量%、特に80〜99質量%、殊には90〜98質量%、
−モノマーBを0.5〜50質量%、特に1〜20質量%、殊には2〜10質量%、
−モノマーCを0〜30質量%、特に0.5〜20質量%、殊には1〜10質量%、および
−モノマーDを30質量%まで、有利には20質量%まで、特に10質量%までを包含し、その際、モノマーCとモノマーDの全量は、全部のモノマー量に対して、有利には30質量%、特に10質量%を越えない。使用する油溶性染料が、共重合可能な官能基を有さない場合は、共重合された形でモノマーCおよび/またはDを少なくとも0.1質量%、特に少なくとも0.5質量%、および殊には少なくとも1質量%の量で包含しているポリマーマトリックスを選択するのが有利である。ポリマーマトリックスは、モノマーCを特に0.5〜20質量%、特に1〜15質量%、これらのうち、特に有利にはジビニルベンゼン、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレートおよびトリエチレングリコールジメタクリレートを含有し、かつモノマーDは含有しない。
【0157】
本発明の染料含有ポリマー分散液の有利な態様は、上記のような共重合可能な染料を有するポリマー分散液から成り、これらのうち、さらにポリマーマトリックスがモノマーCおよび/またはDが共重合された形で含有しているポリマー分散液から成る。
【0158】
本発明の染料含有水性ポリマー分散液は、共重合されたモノマーA’を含有していない染料含有ポリマーのポリマーマトリックスを形成することができる。この種類の分散液は、非極性媒体中に組み込むことを意図する染料含有ポリマーを得るために特に適している;例えば、印刷用のインキ中の着色成分、アルキド樹脂塗料、例えば、メラミン−アルキド樹脂焼付エナメル、または着色ポリマー繊維またはプラスチック成分として。
【0159】
本発明のポリマー分散液のその他の態様において、ポリマー粒子のポリマーマトリックス中に共重合されたモノマーAは、以下:
−水溶性>60g/l(それぞれの場合25℃および1atmで)を有する少なくとも1種のモノマーA1 0.5〜30質量%、特に1〜20質量%、特に2〜15質量%、および
−水溶性<60g/l(それぞれの場合25℃および1atmで)を有する少なくとも1種のモノマーA2をそれぞれ全モノマーの量に対して 70〜99.5質量%、特に80〜99質量%、殊に85〜98質量%
を包含する。
【0160】
モノマーA1は、上記のモノマーA’だけではなく、エチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートおよびヒドロキシブチルアクリレート、およびエチレン性不飽和カルボン酸のN−アルキルオールアミドも含まれる。この態様において、モノマーA1は、A’に記載した少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カチオン性モノマーか、A’に記載した少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーを含有するのが有利であり、これは、遊離した形か、または脱プロトン化した形の酸基を少なくとも1つ有し、その際脱プロトン化した形の方が有利である。
【0161】
特に有利なモノマーA1は、例えば、アンモニウムまたはナトリウム塩の形のアクリル酸、メタクリル酸およびアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートである。
【0162】
モノマーA2は、モノマーに記載された全てのモノマーを含む。モノマーA’とは異なるAは、従って、0.01〜60g/lの範囲の水溶性を有する。この態様中の特に有利なモノマーA2は、スチレン、アクリル酸およびメタクリル酸のC1〜C8−アルキルエステル、例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、および脂肪族カルボン酸のビニルエステル、例えば、酢酸ビニルおよびビニルプロピオネートである。
【0163】
本発明方法の1つの有利な態様において、分散液の染料含有ポリマー粒子は、それらの粒度の単峰性の分布を有している。このことは、分散液中のポリマー粒度の分布が、例えば、光散乱試験によりまたは超遠心分離器を用いて測定して、1粒度の場合に著しい最高値を示すことを意味する。一般に、この最大値は、<1000nmにおいてである。特に有利な態様において、ポリマー粒度は、100〜400nm、特に100〜300nm、および殊には100〜200nmの範囲のz−平均粒子直径dz(準弾性動的光散乱により測定、上記参照)を有する。
【0164】
本発明の分散液中のポリマー粒子の粒度は、狭い分布を有する、すなわち、動的光散乱により測定したポリマー粒度分布曲線のピークの中央の幅対平均粒子直径dzが、一般に<1,有利には<0.75,特に<0.5である。
【0165】
多数の最終用途のため、特に本発明の染料含有ポリマー粒子を常用の有機顔料の代用物として使用することを意図する場合には、ポリマーマトリックスのガラス転移温度Tgは、少なくとも60℃であることが有利であることが見出された。これ以下のガラス転移温度は、ASTM-D3418-82によりDTAを用いて測定した中間温度である。
【0166】
本発明のポリマー分散液は、通常の方法で、常用の乾燥法を用いて、例えば;凍結乾燥によるか、または有利には噴霧乾燥によりポリマー粉末に変換することができる。そのようなポリマー粉末も同様に本発明により提供される。
【0167】
噴霧乾燥操作による場合には、例えば、乾燥されるポリマー分散液を通常の乾燥塔内で熱風流中で噴霧する。この場合、熱風流の入口温度は、100〜200℃、有利には120〜160℃の範囲、および出口温度は、30〜90℃、有利には60〜80℃の範囲である。水性ポリマー分散液は、例えば、単一材料ノズルまたは複数材料ノズルを用いて、または回転ディスクにより、熱風流中で噴霧することができる。ポリマー粉末は、通常、サイクロンまたはフィルター分離器を用いて析出することができる。噴霧した水性ポリマー分散液および熱風流は、平行して移動させるのが有利である。
【0168】
本発明のポリマー分散液は、常用の乾燥助剤の存在下で乾燥させる。これらの例は、ポリビニルアルコール(例えば、EP-A-56622、EP-A-680993、DE-A-2214410およびDE-A-2614261参照)、ポリビニルピロリドン(例えば、DE2238903およびEP576844)、フェノールスルホン酸−ホルムアルデヒド凝縮物(例えば、EP-A407889、WO98/03576参照)、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド凝縮物(例えば、wo98/03577参照)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーおよびコポリマー(例えば、EP-A629650、EP-A671435およびDE-A19539460参照)、エチレン性不飽和カルボン酸、例えば特にアクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸と疎水性コモノマー、例えば、スチレン(例えば、EP467103参照)またはオレフィン(例えば、EP9169参照)またはヒドロキシアルキルエステル(例えば、JP59162161参照)とのコポリマーである。ここにすでに完全に記載されていない場合は、以下に乾燥助剤として記載する水溶性ポリマーPWを使用することもできる。固化防止剤、例えば、高分散シリカを使用することもできる。
【0169】
本発明の染料含有ポリマー分散液およびそれらから得られる染料含有粉末は、ポリマー量の塗装媒体、例えば、ワニス、印刷インキ、プラスチックまたは無機材料に組み込んだ後にも、色の高濃度、優れた光沢および良好な透明度が顕著である。常用の顔料との対比では、明度はポリマー粒度に依存しないことが観察される。さらに本発明の“着色顔料”としてのポリマー分散液は、常用の顔料とは異なり、形状異方性およびレオロジーに関連する問題を示さず、狭い粒度分布を有する。さらに、平均粒度は、使用するモノマーエマルションの粒度により簡単に調節することができる。さらに、本発明の染料含有ポリマー分散液は、極少量の高価な発色団の常用の顔料に対して、同様の色彩効果を達成できるという特徴がある。この染料は、UV、または空気にさらされる結果としての漂白に備えて、常用の染料または顔料よりも、ポリマーマトリックス中で良好に保護される。同様のことは、蛍光増白剤を有する本発明のポリマーにも当てはまる。従って、蛍光増白剤を含有する本発明のポリマー分散液で処理した支持体は、特に、UVに照射するか、または高温にさらす場合に黄変に対して減少傾向を示す。さらに、ポリマー分散液を使用することは、常用の蛍光増白剤と比較して、少量の蛍光増白剤で匹敵する白さを達成した。蛍光増白剤を包含する本発明のポリマー分散液は、特に紙用塗料の増白成分として適当である。さらに、それらを白さを改善するための増白成分として紙パルプそれ自体に添加することができる。
【0170】
これらの有利な特徴に基づき、本発明の染料含有ポリマー分散液は、塗装のホストとして適当である。ここで、高分子量の有機および無機材料の顔料、印刷インキ、特に、セキュリティー印刷のためのもの、および紙および繊維のインキジェットプリント用のインキの例を挙げることができる。さらに、本発明の染料含有ポリマー分散液は、電子写真トナー用の着色成分として適当である。蛍光染料を包含している本発明のポリマー分散液は、昼光蛍光着色剤および蛍光または再帰反射コーティング剤の成分として使用することができる。本発明ポリマー分散液およびそれらから得られるポリマーを太陽エネルギーの受動的または能動的な利用度のためのシステムで使用することも同様に可能である。さらに、本発明のポリマー分散液から得られるポリマーは、ソッリドステートレーザーにおいて使用するのが適当である。
【0171】
本発明の染料含有ポリマー分散液およびそれらを乾燥させて得られるポリマー粉末は、染料含有水性組成物、例えば、インキ、例えば、特に紙および繊維のインキジェットプリント用のインキにおける着色成分として使用するのが特に適当である。この適用において、本発明の染料含有ポリマー粒子は、常用の顔料含有水性組成物において顔料粒子の代用品として用いられる。
【0172】
従って、本発明は、以下:
i.分散したポリマー粒子の形で組成物中に存在し、かつ本発明の染料含有水性ポリマー分散液中に存在するポリマーから選択される少なくとも1種の本発明の染料含有ポリマー、ならびにそれらから製造されるポリマー粉末、および
ii.通常の助剤
を包含する染料含有水性組成物もまた提供する。
【0173】
染料含有水性組成物、特にインキジェット方法(例えば、熱インキジェット、圧電インキジェット、連続インキジェット、およびバルブインキジェットの技術)で使用するインキは、一連の要求を受ける:表面張力および印刷に適当な粘度を有していなければならないこと、貯蔵安定性でなくてはならないこと、すなわち、凝固または凝集してはならないこと、および分散した溶けていない着色剤が沈降してはならないこと、およびプリンターノズルの目詰まりを起こしてはならないことであるが、これは顔料含有インキの場合のみ、すなわち、インキが分散した着色粉末を含有する場合のみに問題となる。最終的に、連続インキジェットの場合は、導電塩を添加する場合に安定でなくてはならず、イオン含有率が増加した場合に凝集の傾向を示してはならない。さらに、得られた印刷物は、色彩上の要求−すなわち、コーティングされていない紙においても、高度な光沢および色の深み、および良好な堅牢度特性、すなわち、耐摩擦堅牢度、耐光堅牢度、耐水堅牢度および湿式耐摩擦堅牢度を満足させる必要がある。
【0174】
好適に使用される着色顔料の代わりに本発明の染料含有ポリマーを包含している本発明の染料含有水性組成物は、既に相当な範囲でこれらの要求にこたえている。そのうえ、常用の顔料含有組成物と比較して、これらはより優れた明度を有する特徴がある。乾燥によるか、またはインキジェットインキの場合のプリンターノズルのブッロケージを回避することができる方法により組成物を濃縮する場合に、特に重要である顔料含有組成物に課せられる着色成分の再分散性の要求は、本発明の染料含有組成物が少なくとも1種の水溶性ポリマーPWを包含している場合に、意外にもその他の挙動特性による損失を被ること無く、確実にすることができる。
【0175】
水溶性ポリマーPWは、基本的には本発明の染料含有水性組成物の水性分散媒体中で、使用に選択される量で完全に溶解可能なポリマーである。適当な水溶性ポリマーPWは、原則として、保護コロイドとして、または乾燥助剤として既に記載した全てのものである。イオン性ポリマーPWが有利である。有利なイオン性ポリマーPWは、カチオン官能基、特に4級アンモニウム基またはインモニウム基を有するか、または酸官能基を、有利には脱プロトン化型(すなわち、アニオン基)で有する。
【0176】
以下にカチオン性ポリマーPWとして言及するカチオン官能基を有する有利なポリマーPWは、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和、カチオン性モノマー、特に、少なくとも1個の4級化アンモニウム基またはインモニウム基を有するモノマー、さらに少なくとも1種の中性コモノマーを包含するコポリマーである。適当なカチオン性モノマーは、A’に関して明記したモノエチレン性不飽和カチオン性モノマーの全てであり、例は、4級化N−ビニルイミダゾール、例えば、1−ビニル−3−メチルイミダゾリウムクロリドまたはメトスルフェート、または4級化ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレート、例えば、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはメトスルフェートである。中性コモノマーは、例えば、オレフィン、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、イソブテンおよびジイソブテン、ビニル芳香族、例えば、スチレン、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキシド単位2〜50個を有するポリエチレングリコールアクリレートおよびメタアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニルおよびアクリルニトリルから選択する。有利なコモノマーは、ビニルアミド、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、特に、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピペリドンおよびN−ビニルピロリドンである。
【0177】
適当なカチオン性ポリマーPWは、一般に、それぞれの場合、カチオン性ポリマーを構成しているモノマーの全量に対して、少なくとも1種のカチオン性モノマー5〜95質量%、特に10〜50質量%、および少なくとも1種の中性モノマー5〜95質量%、特に50〜100質量%を包含する。それらの分子量は、一般に>1000ドルトン、有利には2000〜50000ドルトンの範囲内である。
【0178】
特に重要なカチオン性ポリマーPWは:
1−ビニルピロリドンと1−ビニル−3−アルキルイミダゾリニウム塩、特に、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリニウムクロリドまたはメトスルフェートとのコポリマー;1−ビニルピロリドンとメタクリロイルオキシエチルトリアルキルアンモニウム塩、特に、メタクリロイルオキシエチルトリアルキルアンモニウムクロリドまたはメトスルフェートとのコポリマー;およびビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタムと1−ビニル−3−アルキルイミダゾリニウム塩、特に、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリニウムクロリドまたはメトスルフェートとのターポリマーである。
【0179】
この種類のポリマーPWは、原則的に例えば、欧州特許出願公開第246580号明細書、同544148号明細書、米国特許第4859756号明細書および欧州特許出願公開第715843号明細書から当業者に公知であり、その含有率は、ここで参照により明白に組み込まれている。ポリマーは、市販されている例えば、LUVIQUAT(R)FC 370、LUVIQUAT(R)FC 550、LUVIQUAT(R)HM 552、LUVIQUAT(R)FC 905、LUVIQUAT(R)MS 370、LUVIQUAT(R)PQ 11およびLUVIQUAT(R) BASF Hold(Ludwigshafen)から入手可能である。
【0180】
酸官能基を有するポリマーPWは、一般に、中和させた形で、例えば、それらの塩、特にそれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩の形で用いる。本発明の染料含有組成物の水性分散液媒体において、それらは少なくとも部分的に脱プロトン化した形で存在する。このため、それらは、アニオン性ポリマーPWとして以下を参照することもできる。
【0181】
適当なアニオン性ポリマーPWの例は、少なくとも1種の酸基を有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマー、例えば、A’で記載したうちの1つのモノマー、特に、少なくとも1個のCOOHまたはSO3H基を有するモノマー、場合により、さらに酸基を有する少なくとも1種の中性コモノマーから成るホモポリマーおよびコポリマーである。酸基との特別なモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。この場合に適当な中性コモノマーは、上記の中性コモノマー、特に、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C10−アルキルエステル、とりわけC1〜C4−アルキルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ビニル芳香族モノマー、オレフィン、アクリルアミドおよびメタクリルアミドである。共重合したマレイン酸を有するポリマーは、無水マレイン酸コポリマーを加水分解により出発させることで製造することもできる。有利には、酸基を有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1種の中性コモノマーから成るアニオン性ポリマーPWを挙げることができる。
【0182】
特に有利には、上記のアニオン性ホモポリマーおよびコポリマーの塩、特にアルカリ金属塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。アニオン性ポリマーがカルボキシル基を有する場合は、これらの基のうちのいくつかをポリアルキレンオキシドまたはそれらのモノアルキルエーテルでエステル化させることができる(この点に関しては、例えば EP-A367049を参照)。
【0183】
適当なアニオン性ポリマーPWの例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩のホモポリマーおよびコポリマーである。この種類のポリマーは、当業者に十分公知である。
【0184】
特に有利なアニオン性コポリマーPWは、一般に、それぞれの場合、アニオン性ポリマーを構成しているモノマーの全量に対して、少なくとも1種のアニオン性モノマー5〜95質量%、特に30〜90質量%、および少なくとも1種の中性モノマー5〜90質量%、特に10〜70質量%から成る。それらの分子量は、一般に、少なくとも1000ドルトン、有利には2000〜50000ドルトンの範囲内である。
【0185】
特に重要なアニオン性ポリマーPWは:
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーおよびコポリマー;アクリル酸および/またはメタクリル酸とスチレンとのコポリマー;アクリル酸および/またはメタクリル酸とアクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C4−アルキルエステルとのコポリマー;マレイン酸または無水マレイン酸とオレフィン、特にジイソブテンとのコポリマー;アリールスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物;および上記のアニオン性ポリマーPWの塩、有利にはアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、特にナトリウム塩である。
【0186】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の適当なホモポリマーおよびコポリマーは、例えば、ドイツ国特許出願第19539460号明細書、欧州特許出願公開第671435号明細書および同629650号明細書から公知である。該文書中の内容は、引用によりそのまま組み込まれている。この種類のポリマーは、それらのナトリウム塩またはアンモニウム塩の形で使用するのが有利である。
【0187】
有利なスチレン−アクリル酸コポリマーおよびスチレン−メタクリル酸コポリマーは、約20〜60質量%、有利には35〜50質量%のスチレン含有率、および130〜250の酸価を有する。それらの平均分子量Mwは、有利には1000〜15000である。コポリマーのガラス転移温度は、有利には60〜90℃である。これらのコポリマーのカルボキシル基は、部分的にエステル化された形、例えば、エトキシル化またはプロポキシル化された形である。有利には、そのようなポリマーのアンモニウム塩、特にナトリウム塩を挙げることができる。そのようなポリマーは公知であり(例えば、EP-A-68024、96901および467103)、市販の例えば Joncryl(R)、Carboset(R)、Morez(R)または Glascol(R)の名称で入手可能である。
【0188】
マレイン酸(または加水分解に続く無水マレイン酸)とオレフィン、有利にはC4〜C12−オレフィン、特にイソブテンおよびジイソブテンとの有利なコポリマー、およびそれらの製造方法は、例えば、欧州特許出願公開第9169号明細書、同9170および同367049から公知である。これらのポリマーにおいて、共重合したマレイン酸対共重合したオレフィンのモル比は、有利に5:1〜1:5の範囲内である。有利には、これらのポリマー中のカルボキシル基は、部分的に中和されている。有利には、そのようなポリマーのアンモニウム塩、特にナトリウム塩を挙げることができる。これらのコポリマーのカルボキシル基も、部分的にエステル化、例えば、エトキシル化またはプロポキシル化された形であってもよい。酸性、すなわち、中和されていない形のポリマーのk値は、一般に、5〜100、有利には10〜60の範囲である(1%濃度溶液としてFikentscherの方法により測定、Cellulose-Chemie 13、1932、58-64および71-74頁)。この種類のポリマーは、市販の、例えば、BASF社のSokalan(R) CP9 の名称で入手可能である。
【0189】
アリールスルホン酸の有利なホルムアルデヒド縮合物は、特にベンゼンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸の縮合物、例えば、αまたはβ異性体、またはそれらの混合物である。それらは、一般に、500〜10000ドルトンの範囲、特に700〜2500ダルトンの範囲の平均分子量を有する。有利には、アルカリ金属塩、特にナトリウム塩を挙げることができる。芳香族スルホン酸のホルムアルデヒド縮合物は、例えば、ドイツ国特許出願公開第2445813号明細書、欧州特許出願公開第78449号明細書、同407889号明細書、WO98/03576およびWO98/03577から噴霧助剤として当業者に公知である。これらの文書中で噴霧助剤に関して開示された内容は、ここに引用により明確に組み込まれている。適当なホルムアルデヒド縮合物は、市販の、例えば、BASF社のTAMOL(R) NN 4501としておよびTAMOL(R) NN 9104 からも入手できる。
【0190】
上記の水溶性ポリマーPWは、本発明の染料含有組成物に好適に組み込むことができる、すなわち、ポリマーPWを本発明の本発明の染料含有ポリマーの水性分散液中に添加することにより可能である。それらは、本発明の染料含有ポリマー分散液の製造の間に、例えば保護コロイドの形で添加することもできる。選択的に、それらは本発明の染料含有ポリマー分散液を乾燥するための乾燥助剤として使用することもでき、従って、その方法で得られるポリマー粉末中に組み込まれる。
【0191】
組成物中の染料含有ポリマーに対するポリマーPWの質量割合は、一般に、0.5〜100質量%の範囲内、有利には1〜60質量%の範囲内、特に2〜30質量%の範囲内である。
【0192】
意外にも、水溶性ポリマーPWを使用することは、ポリマーの再分散性を改善するだけではなく、本発明の染料含有ポリマー分散液を製造する間に、凝塊の形成を減少させ、かつ染料含有ポリマー分散液の貯蔵安定度を促進する。このことは、比較的高い染料含有率、例えば重合すべきモノマーの全量に対して、2質量%以上、特に5質量%以上を有するポリマー分散液を製造することを意図する場合に特に重要である。
【0193】
さらに、そのような本発明の染料含有ポリマー分散液を乾燥させることにより得られる、ポリマーPW不含の本発明のポリマー粉末は、ポリマーPWの水溶液で処理することにより分散させることができる。これは、特に染料含有ポリマーのガラス転移温度が少なくとも60℃である場合である。
【0194】
本発明の染料含有ポリマーの有効な再分散性は、本発明の染料含有ポリマー分散液の製造の間に、全モノマーの量に対して、0.5〜30質量%、有利には1〜20質量%、特に2〜15質量%の少なくとも1種のモノマーA1、とりわけ、少なくとも1種のカチオン性モノマーまたは酸基を1つ有する少なくとも1種のモノマー、および特にアクリル酸もしくはメタクリル酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩を包含するモノマー混合物を使用する場合に達成させることもできる。そのようなポリマーは、ポリマーPWを使用せずに再分散させることができるが、しかしこの場合、ポリマーPWにより再分散性は改善される。
【0195】
多くの場合、本発明による染料含有水性組成物は、付加的に少なくとも1種の有機もしくは無機塩基を助剤として包含する。
【0196】
適当な塩基の例は、アルカリ金属水酸化物、アンモニアおよび塩基性アンモニウム塩、例えば、炭酸アンモニウム、脂肪族アミン、例えば、一般に、4つまでの炭素原子を有するモノ−、ジ−およびトリアルキルアミン、複素環式アミン、例えば、モルホリンおよびピペラジン、およびアルカノールアミン、例えば、モノ−、ジ−およびトリアルカノールアミン、および一般に4つまでの炭素原子を有するモノ−およびジアルカノールアルキルアミンである。揮発性の塩基を用いるのが有利である。記載できる特に有利な塩基(D)の例は、は、アンモニアである。
【0197】
本発明の染料含有水性組成物は、所望のpHにより、一般に、0.1〜10質量%の塩基を含有する。
【0198】
本発明の染料含有水性組成物のpHは、一般に7以上、例えば、9〜11の範囲である。
【0199】
水は、本発明の組成物の主要成分を構成する。水の含有率は、一般に35〜90質量%、有利には45〜80質量%である。
【0200】
本発明の組成物は、水−保持作用を有する水溶性薬剤を助剤としてさらに含有するのが有利であり、これはインジェット方法に特に適当なものにする。
【0201】
水−保持作用を有する適当な水溶性薬剤は、多価アルコール、特に炭素原子3〜8個を含有するもの、例えば、グリセロール、エロトリトール、ペンタエリトリトール、ペンチトール、例えば、アラビトール、アドニトールおよびキシリトール、およびヘキシトール、例えば、ソルビトール、マンニトールおよびズルシトールだけではなく、ポリアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、その際、低級(ジ−、トリ−およびテトラ−)のアルキレングリコールおよびアルキレングリコールエーテルを含むことを意図する。これらの化合物は、平均分子量100〜1500を有するのが有利であり、特に有利には、平均分子量≦800を有するポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールエーテルを挙げることができる。これらの化合物(F)の例は、ジ−、トリ−およびテトラエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチル、モノエチル、モノプロピルおよびモノブチルエーテル、およびトリエチレングリコールモノメチル、モノエチル、モノプロピルおよびモノブチルエーテルである。
【0202】
水−保持作用を有するさらに適当な薬剤は、ピロリドンおよびN−アルキルピロリドン、例えば、N−メチルピロリドンであり、これは、さらに支持材料(例えば紙)へのインキの浸透を補助する。
【0203】
水−保持作用を有する薬剤の特に有利な例は、モノ−、ジ−およびトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびN−メチルピロリドンである。
【0204】
本発明の染料含有組成物中の、水−保持作用を有する薬剤の割合は、一般に、0.1〜35質量%、特に5〜25質量%である。
【0205】
このような関係においては、大抵は水−保持作用を有する該薬剤と組み合わせて使用するのが適切である。例えば、特に適当な組合せは、N−メチルピロリドンおよびトリエチレングリコールモノブチルエーテルである。
【0206】
本発明の組成物は、言うまでもなく、特に(水性)インキジェットインキ用、および印刷工業および塗装工業において常用のものである助剤をさらに包含することもできる。例えば、防腐剤(例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびそのアルカリ金属塩、グルタルアルデヒドおよび/またはテトラメチロールアセチレンウレア)、抗酸化剤、脱気剤/脱泡剤(例えば、アセチレンジオールおよびエトキシル化アセチレンジオール、これは一般にアセチレンジオール1mol当たりに、エチレンオキシド20〜40molを含有し、かつ同時に分散作用を有する)、粘度調節剤、レベリング剤、湿潤剤、沈殿防止剤、光沢増強剤、潤滑剤、定着剤、艶消剤、乳化剤、安定剤、疎水化剤、光安定添加剤、手触り改善剤、静電防止剤を挙げることができる。これらの助剤が、本発明の顔料組成物の部分である場合には、それらの全量は、組成物の質量に対して一般に≦1質量%である。
【0207】
特にインキジェットプリンター用のインキとして使用する場合には、本発明の染料含有水性組成物は、動的粘度が1〜20mm2/s、特に2〜10mm2/sを有するのが有利である。本発明の染料含有水性組成物の表面張力が20〜70mN/m、特に30〜50mN/mであるのが有利であることが見出された。
【0208】
この目的のために使用する染料含有ポリマーのポリマーマトリックスが、60℃以上のガラス転移温度Tgを有する場合にも有利である。
【0209】
本発明の染料含有水性組成物を製造する方法は、以下のようなものが適当である:
例えば、粉末または水性分散液の形の本発明の染料含有ポリマーを、助剤、場合により、水溶液の形で使用するのが有利であるポリマーPWとを水の存在下で混合する。最終的に、適当な量の水、および場合により、1種以上の助剤、例えば、水−保持作用を有する薬剤を組成物中に混合し、次に通常10〜1μmの範囲の微細分離能を備えた濾過装置を用いて濾過し、有利には引き続きさらに1〜0.5μmの範囲の微細分離能を備えた濾過装置を用いて濾過する組成物の最終調整を通常行う。本発明の染料含有ポリマー分散液は、例えば、インキ用としても用いることができる。
【0210】
本発明の染料含有水性組成物は、本発明のように、インキジェット技術においてシートまたは三次元的に構成した支持体を印刷する方法のための方法を用いることが有利であり、該方法は、染料含有水性組成物で支持体を印刷し、次に得られた印刷物を固定することを包含する。
【0211】
インジェット方法では、一般に、水性インキを小滴として支持体上に直接噴霧する。インキをノズルを通して一定に加圧し、かつ印刷すべきパターンに依存する電場によって、ジェットを支持体へ偏向させる連続した形の方法、および、色点を置くべき箇所のみにインキを噴射する断続的なインク噴射または“ドロップオンディマンド”法がある。ドロップオンディマンド法は、圧電結晶または加熱された中空針(バブルジェットまたはターボジェット方法)を使用し、インキ系に圧力をかけ、インキ液滴を押し出す。これらの技術は、Text.Chem.Color、19(1987)、No.8、23-29頁、および21(1989)、No.6、27-32に記載されている。
【0212】
本発明の染料含有水性組成物は、特に、バブルジェット法用、および圧電結晶を用いる方法用のインキに適当である。
【0213】
本発明の染料含有水性組成物は、あらゆる種類の支持材料の上に印刷することができる。支持材料の例は、以下
−塗布または未塗布のセルロース系材料、例えば、紙、板紙、厚紙、木材および木台材料、
−塗布または未塗布の金属材料、例えば、アルミニウム、鉄、銅、銀、金、亜鉛またはその合金から作られたホイル、シートまたは加工物、
−塗布または未塗布のシリケート材料、例えば、ガラス、磁器およびセラミックス
−任意の種類のポリマー材料、例えば、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドンおよび相応するコポリマーおよびブロックコポリマー、生分解性ポリマーおよび天然に存在するポリマー、例えば、ゼラチン、
−繊維材料、例えば、ファイバー、ヤーン、加工糸、メリヤス、織布、不織布、およびポリエステル、改変ポリエステル、ポリエステル配合織物、セルロース系材料、例えば、綿、綿配合織物、ジュート、亜麻、大麻およびチョ麻、ビスコース、ウール、シルク、ポリアミド、ポリアミド配合織物、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルミクロ繊維およびガラス繊維織物から成る衣料品、
−革−天然および人工の両方−スムーズ革、ナッパ革またはベロア革の形、および
−食料品および化粧品
を含む。
【0214】
支持材料は、シート状または三次元構造であってよく、本発明の染料含有水性組成物で均等におよび像様式の両方で印刷することができる。
【0215】
本発明の染料含有水性組成物は、全体的に有利な挙動特性、特に良好な流動特性を有するインキ、特にインキジェットインキとして傑出し、および高度な耐摩擦堅牢度、湿式耐摩擦堅牢度、耐光堅牢度および耐水堅牢度の印刷物を製造する。染料含有水性組成物は、筆記用インキの製造にも著しく適している。
【0216】
本発明は、さらに以下:
i.組成物中に分散したポリマー粒子の形で存在し、かつ本発明の染料含有水性ポリマー分散液およびそれから得られるポリマー粉末から選択され、かつその染料が少なくとも1種の蛍光増白剤を含有している少なくとも1種の染料含有ポリマー、
ii.エチレン性不飽和モノマーを含有している、少なくとも1種の染料不含、膜形成性非水溶性ポリマー、
iii.少なくとも1種の無機白色顔料および場合により無機充填剤、および
iv.通常の助剤
を包含する顔料含有水性組成物を提供する。
【0217】
このような組成物は、コーティング材として、特に、紙用のコーティング材として、より詳細には、紙用塗料として用いられる。蛍光増白剤を溶解または分散した形で含有している常用のコーティング材と比較して、本発明の水性塗料は、同様の白さのレベルを達成するために必要な蛍光増白剤の量が非常に少なくてよい事が顕著である。さらに、そのような組成物は、UV線または熱にさらした結果、黄変する傾向が著しく低い。
【0218】
そのような組成物中で使用される本発明のポリマーは、一般に、ポリマーマトリックスの質量に対して、蛍光増白剤を0.001〜5質量%、有利には0.01〜2質量%、特に0.05〜1質量%を含有する。本発明の顔料含有水性組成物は、本発明の顔料含有組成物の固体含有率に対して、その染料が少なくとも1種の蛍光増白剤を含有している少なくとも1種の染料含有ポリマーを一般に1〜20質量%、特に2〜15質量%、殊に3〜10質量%含有している。
【0219】
そのような組成物中に用いられる膜形成性染料不含ポリマーは、常用の顔料含有水性組成物中で結合剤として一般的に使用されるものである。そのような膜形成性ポリマーは、一般に常用のエマルションポリマーである。本発明の組成物中で、それらは分散ポリマー粒子の形で存在する。
【0220】
膜形成性非水溶性ポリマーは、本質的に上記のエチレン性不飽和モノマーA2を包含する。この場合、一般的なモノマーA2は、酢酸ビニル、ビニルプロピオネートを単独、またはエチレンと一緒にコポリマーであってよく、ビニル芳香族モノマー、特にスチレン、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C10−アルキルエステル、特にメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、およびブタジエンである。特に一般的であるのは、酢酸ビニルと上記のアクリル酸のエステル、エチレンおよびビニルプロピオネートから選択されるコモノマーとのコポリマーおよびホモポリマー、メチルメタクリレートと上記のアクリル酸のエステルとのコポリマー、スチレンと上記のアクリル酸のエステルとのコポリマーおよびブタジエンとスチレンとのコポリマーである。膜形成性ポリマーは、モノマーA1を有利には0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%を含有する。さらに、膜形成性ポリマーは、モノマーB、CおよびDを含有してもよい。有利には、膜形成性ポリマーは、モノマーB、CおよびDを含有しない。
【0221】
膜の形成を確実にするために、膜形成性ポリマーは、一般に50℃以下、有利には40℃以下、特に30℃以下のガラス転移温度(ASTM-D3418-82による)を有するが、しかし、一般に−80℃である。膜形成性ポリマーのガラス転移温度は、言うまでもなく特別な最終用途に依存する。エマルション塗料用の結合剤の場合は、大抵は、−20℃以上である。エマルション塗料用の場合は、溶剤を使用せずに製造し、ガラス転移温度は、大抵15℃以下である。凹板印刷分野用の紙用塗料は、膜形成性ポリマーのガラス転移温度は、有利には−30〜−10℃の範囲内、特に−25〜−20℃の範囲内であり;オフセット分野用の紙用塗料の場合は、有利には0〜40℃の範囲内、特に0〜25℃の範囲内である。
【0222】
これに関連して、分散ポリマーのガラス転移温度Tgを測定するのが有利であることが判明した。Fox(T.G.Fox, Bill. Am,Phys. Soc.(Ser. II) 1 [1956] 123 およびUllmanns Enzyklopaedie der technischen Chemis, Weinheim (1980), 17, 18頁)により、高分子量でのコポリマーのガラス転移温度は、良好な近似式
【0223】
【化23】
【0224】
[式中、
X1、X2、...、Xnは、モノマー1、2、...、nのマスフラクションを表し、およびTg1、Tg2、...、Tgnは、それぞれモノマー1、2、...、nのホモポリマーのケルビン度でのガラス転移温度を表す]
により得られる。ケルビン度でのガラス転移温度は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, VCH, Weinheim, Vol. A21(1992) 169頁、またはJ. Brandrup, E. H. Immergut, Polymer Handbook 第3版、J. Wiley, New York 1989から公知である。従って、ガラス転移温度は、公知の方法でモノマーの選択により改変させることができる。
【0225】
膜形成性ポリマーは、一般に当業者の公知の方法で、少なくとも1種の重合開始剤および上記の乳化剤ならびに保護コロイドから選択される少なくとも1種の表面活性物質の存在下で、モノマーのフリーラジカル水性乳化重合により製造される。
【0226】
このように得られる染料不含の膜形成性ポリマーの分散液は、一般に、20〜1000nmの範囲、特に50〜800nmの範囲の質量平均粒度を有する。2頂または複頂の粒度分布も有利である。
【0227】
本発明の顔料含有組成物において、染料不含の膜形成性ポリマーは、無機白色顔料および充填剤用の結合成分である。そのような組成物は、組成物の全固体含有率に対して、有利には1〜50質量%、特に2〜40質量%の量で膜形成性ポリマーを結合剤として包含している。紙用塗料は、膜形成性ポリマーを紙用塗料の全固体含有率に対して、特に3〜30質量%で包含している(数値は分散液にではなく、ポリマー自体に関する)。結合剤含有率は、言うまでもなく、使用する印刷インキ、特殊なタイプの紙、および印刷方法に依存する。凹印刷分野では、特にソルベントボーン(solventborne) 印刷インキを使用する場合に、結合剤の含有率は3〜6質量%であり、水性印刷インキの場合は15〜20質量%であり、かつオフセット分野では8〜20質量%である。ここでは、結合剤のように作用する蛍光増白剤を包含するポリマーのポリマーマトリックスが、塗膜形成に適当なガラス転移温度を提供することを考慮するのがよい。紙用塗料に適当な膜形成性ポリマーは、例えば、欧州特許出願公開第307816号明細書、および同833752号明細書から公知である。有利には、光沢剤および染料不含ポリマーを有するポリマーの全量は、組成物の全固体含有率に対して、50質量%を越えず、特に40質量%、殊には30質量%を越えない。
【0228】
一般に、無機白色顔料および有機充填剤は、本発明の顔料含有組成物の主成分を構成している。それらの存在レベルは、組成物の全固体含有率に対して、一般に50〜98質量%、特に60〜90質量%である。通常使用される顔料および充填剤の例は、長石、シリケート、カオリン、タルク、マイカ、マグネサイト、ドロマイト、アルカリ金属スルフェート、例えば、硫酸カルシウムおよび硫酸バリウム、二酸化チタン、スルホアルミン酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、チョークおよびコーティングクレーである。
【0229】
本発明の顔料含有組成物は、常用の分散剤を助剤として包含することもできる。適当な分散液は、ポリアニオン、例えば、ポリリン酸またはポリアクリル酸であり、これは一般に、顔料/充填剤の量に対して、一般に0.1〜3質量%の量で存在する。
【0230】
さらに、本発明の顔料含有組成物は、コバインダーとして公知の助剤および増粘剤を包含していてもよい。挙げることができる天然に存在するコバインダーおよび増粘剤は、スターチ、カゼイン、ゼラチンおよびアルギネートを含有するのに対して、改変した天然生成物は、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、およびカチオン性改変スターチを含む。しかし、通常の合成コバインダーおよび増粘剤、例えば、酢酸ビニルまたはアクリレートをベースとするものを使用することもできる。それらは、顔料の量に対して、0.1〜10質量%の量で存在させることができる。
【0231】
その他の末端用途に依存する助剤は、消泡剤、保存剤、疎水化剤、殺生剤、線量および/またはファイバーである。ポリマーAの膜形成特性を調節するために、ポリマー組成物は、溶剤または可塑剤を含有してもよい。
【0232】
本発明の顔料含有組成物を製造するために、一般に水性分散液の形の染料不含ポリマーを用いて成分を混合する。
【0233】
本発明の顔料含有組成物中、特に紙用塗料中の水のレベルは、一般に紙用塗料に対して30〜75質量%に調製する。
【0234】
本発明の顔料含有組成物は、特に紙用塗料として使用するのに適している。紙用塗料は、紙をコーティングするために使用され、特に、例えば、オフセットまたは凹印刷法のような印刷法のための紙に使用する。
【0235】
紙用塗料は、常用の方法で紙に塗布し、コーティングすることができる(Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、17巻、603頁以下参照)。種々の厚みの紙コーティングするために適当な紙は、厚紙およびそのようなものを含む。紙は、有利には2g(m2)〜50g(m2)の紙用塗料(乾燥)でコーティングする。
【0236】
本発明の紙用塗料の特別な特徴は、それらでコーティングした紙は、熱またはUV放射線にさらしても著しく黄変することがないことにある。さらに、比較可能な白さのレベルを達成するために、水溶性蛍光増白剤を含有している紙用塗料の場合よりも、非常に少量の蛍光増白剤しか必要としない。
【0237】
実施例
I.分析
分散液のpHを、ガラス電極を用いて測定した。
【0238】
LTを、水に対してそれぞれ濃度0.01質量%のポリマー分散液の試料(層厚2.5cm)の光透過率を比較することによって測定した。
【0239】
【外4】
【0240】
を、ポリマーの粒度(dz)に関して、それぞれ濃度0.01質量%の分散液またはエマルションの試料上で、クールターN4プラス粒子分析機(Coulter N4 Plus Particle Analyzer)を用いて前記の方法で測定した。
【0241】
染料含有ポリマー分散液の表面張力を、ラウダ(Lauda)からの環状表面張力計(ring tensiometer TE 1C)を用いて、ISO1409に基づく方法で20℃で、かつ1atmで測定した。
【0242】
着色されたポリマーの色特性を、凍結乾燥させたポリマー分散液の相対評価(視覚的)によって、かつDIN53775(蛍光着色剤についての発色団濃度0.02質量%および非蛍光着色剤についての発色団濃度0.05質量%、値は分散液の乾燥質量に基づいた)と同様に可塑化PVC中での前記着色性から測定した。この目的のために、可塑化PVCのシートを印刷し、かつ可塑化PVCの白色シートと一緒にカレンダー加工した(160℃でのダブルロールミル上でのホットローリング、200回転、ロール間隙0.3mm;カレンダー加工したシートの160℃、200バール、3分間に亘っての圧縮、スペーサーフレームの厚さ1mm)。使用された塗料は、分散液の乾燥質量に対して5質量%の顔料着色性を有するアルキドメラミン焼き付けエナメルであった(湿った膜厚100μm;焼き付け条件 30分、130℃)。用いられた彩色上の比較対象物は、比較可能なレベルの発色団(第2表参照)の添加によって、それぞれの場合において使用されるモノマー染料から成っていた。
【0243】
II.本発明によって使用された染料、ならびに式IIIの本発明の共重合性ペリレン染料の製造
次の染料は、本発明によって使用され、かつIIIで記載されたモノマーエマルションを製造するためおよびIVで記載された本発明のポリマー分散液を製造するために使用される。
【0244】
染料1:ルモゲン(Lumogen(登録商標))Fイエロー083:(1,7−ビス(イソブチロキシカルボニル)−6,12−ジシアノペリレン)
染料2:ルモゲン(Lumogen(登録商標))Fオレンジ240(BASFより;ペリレンテトラカルボン酸ジイミド蛍光染料);
染料3:ルモゲン(Lumogen(登録商標))Fレッド300(BASFより;ペリレンテトラカルボン酸ジイミド蛍光染料);
染料4:ルモゲン(Lumogen(登録商標))Fバイオレット570(BASFより;ナフチルイミド蛍光塗料);
染料5:ネオペン(Neopen(登録商標))イエロー075(BASFより;ソルベントイエロー162;モノアゾ染料);
染料6:ネオペン(Neopen(登録商標))シアン742(BASFより;アザメチン染料)
染料6a:ネオペン(Neopen(登録商標))マゼンダ525(BASFより;アザメチン染料)
染料6b:C.I.ソルベントレッド49(45170:1)(3´,6´−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン);
染料7:ネオペン(Neopen(登録商標))ブルーFF4012(BASFより;銅フタロシアニン染料);
染料7a:ネオペン(Neopen(登録商標))ブルー807(BASFより;銅フタロシアニントリスルホクロリドおよび銅フタロシアニンテトラスルホクロリドと3−(2−エチルヘキソキシ)プロピルアミン)との混合物の反応生成物);
染料8:5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン(アルドリッヒ(Aldrich)より);
染料9:ウルトラホルア(Ultraphor(登録商標))SF−OO(BASFより;0,0−ジシアノジスチリルベンゼン);
染料10:N−(n−ノニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド;
染料11:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9−トリス(p−t−ブチルフェノキシ)−ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド
【0245】
【化24】
【0246】
【化25】
【0247】
【化26】
【0248】
【化27】
【0249】
本発明によって使用された染料の製造
例1:N−ノニルペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料10)
ペリレン−3,4−ジカルボン酸無水物5g(15.5mモル)(Liebigs Ann. 1995, 1229-1244に従って製造された)、n−ノニルアミン2.44g(17mモル)およびN−メチルピロリドン(NMP)75mlの混合物を175℃で、窒素下で、1.5時間に亘って加熱した。室温に冷却した後に、生じる沈殿物を濾別し、メタノールで洗浄し、かつ減圧下で、80℃で乾燥させた。これによって、望ましい生成物5.5g(79%)を融点201℃を有する暗赤色の結晶の形で得た。
【0250】
染料10の分析データ:
【0251】
【外5】
【0252】
例2:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9−トリス(p−t−ブチルフェノキシ)−ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料11)
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9−トリブロモペリレン−3,4−ジカルボキシイミド32.3g(45mモル)(WO96/22332の例1aに従って製造された)、p−t−ブチルフェノール27.0g(180mモル)、微粉化された炭酸カリウム無水物16.6g(120mモル)およびN−メチルピロリドン(NMP)1200mlの混合物を、120℃で、6時間に亘って撹拌しながら加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物を、撹拌しながら濃度6質量%の塩酸水溶液4500g中に装入し、次にこの混合物を2時間に亘って撹拌し、かつ沈殿した固体を濾別し、中性にするために水で洗浄し、かつ減圧下で100℃で乾燥させた。溶離剤として塩化メチレンを使用して、短いシリカゲルカラムを通す濾過および減圧下での溶剤の除去によって、望ましい生成物38.9g(93%)を、軟化点156℃を有する帯赤紫色の結晶の形で得た。
【0253】
染料11の分析データ:
【0254】
【外6】
【0255】
例3:3−ヘキシル−9(10)−(6−メタクリルオキシ−1−ヘキシニル)の製造(染料12a)
3−ヘキシル−9(10)−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)ペリレン1g(2.3mモル)(Liebigs Ann./Recueil 1997, 395-407に従って、3−(6−アセトキシ−1−ヘキシニル)−9(10)−ヘキシルペリレンをアルカリ加水分解することによって製造された)を、ジオキサン無水物60ml中で溶解させ、窒素下で45℃に加熱し、トリエチルアミン0.75mlおよび塩化メタクリロイル0.52mlと混合させ、45℃で4時間に亘って撹拌し、その後に塩化メタクリロイル0.52mlと混合し、45℃でさらに12時間に亘って撹拌し、室温に冷却し、水250mlと混合し、かつ総量350mlの塩化メチレンで抽出した。溶剤を減圧下で蒸留によって除去し、かつ残留物を溶離剤としての塩化メチレンを用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理した。減圧下での溶剤の除去後に、望ましい生成物790mg(68%)を黄色の微細結晶質固体として単離した。
【0256】
染料12aの分析デ−タ:
【0257】
【外7】
【0258】
例4:3−ヘキシル−9(10)−(6−メトアクリロキシヘキシル)ペリレンの製造(染料12b)
例3と同様に3−ヘキシル−9(10)−(6−ヒドロキシヘキシル)ペリレン(Liebigs Ann./Recueil 1997, 395-407に従って製造された)をメタクリロイルと反応させ、引き続き溶離剤としての塩化メチレンを用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、望ましい生成物を74%の収率で、暗黄色の結晶の形で得た。
【0259】
染料12bの分析データ:
【0260】
【外8】
【0261】
例5:3−(N−アリルアミノカルボニルオキシヘキシル)−9(10)−ヘキシルペリレンの製造(染料13)
3−ヘキシル−9(10)−(6−ヒドロキシルヘキシル)ペリレン1g(2.29mモル)(Liebigs Ann./Recueil 1997, 395-407に従って製造した)およびアリルイソシアネート0.57g(6.87mモル)を、不活性ガス下でトルエン無水物200ml中で溶解させ、かつ溶液を撹拌しながら還流下で12時間に亘って加熱した。室温に冷却した後に続けて蒸留によって溶剤を除去し、固体残留物を少量の塩化メチレン中に入れ、撹拌しながらメタノールを用いて沈殿させ、濾別し、メタノールで洗浄し、かつ乾燥させた。これによって、望ましい生成物1.1g(85%)を融点118℃を有する黄色の粉末として得た。
【0262】
染料13の分析データ:
【0263】
【外9】
【0264】
例6:N−アリルペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料14)
ペリレン−3,4−ジカルボン酸無水物5g(15.5mモル)(Liebigs Ann. 1995, 1229-1244に従って製造された)、アリルアミン11.4g(0.2モル)およびN−メチルピロリドン1200mlを85℃で、2lのオートクレーブ中で7時間に亘って加熱し、その後に室温に冷却し、オートクレーブを放圧させ、溶剤をその本来の容量を濃縮することで約25%に減少させ、かつ粗生成物の沈殿を、4倍量のメタノールの添加によって完了させた。形成された沈殿物を、濾過によって単離し、メタノールで洗浄し、かつ減圧下で60℃で乾燥させた。溶離剤としてクロロホルム/メタノール40:1を用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理による分離、引き続くクロロホルムからの2回の再結晶化により、望ましい最終生成物4.83g(86%)を、260℃を上廻る温度で分解される帯褐赤色の結晶の形で得た。
【0265】
染料14の分析データ:
【0266】
【外10】
【0267】
例7:N−(5−アクリルオキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド(染料15a)
1.ペリレン−3,4−ジカルボン酸無水物10g(31mモル)(Liebigs Ann. 1995, 1229-1244に従って製造された)、5−アミノ−1−ペンタノール3.6g(35mモル)およびNMP250mlの混合物を、窒素下で175℃で1.5時間に亘って加熱した。室温に冷却した後に、帯赤褐色の沈殿物を濾別し、メタノールで洗浄し、かつ減圧下で100℃で乾燥させた。これによって、N−(5−ヒドロキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド9.0g(71%)を、融点274〜276℃を有する帯褐赤色粉末の形で得た。
【0268】
N−(5−ヒドロキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの分析データ:
【0269】
【外11】
【0270】
2.1からのN−(5−ヒドロキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド2g(5mモル)を窒素下で80℃に加熱しながらピリジン60ml中に溶解させ、65℃に冷却し、かつこの温度で、ジオキサン無水物30ml中の塩化アクロイル0.81ml(10mモル)の溶液を滴加した。この混合物を65℃で、さらに1.5時間に亘って撹拌し、溶剤を留去し、残留物をクロロホルム20ml中に入れ、濾過をおこない、この濾過物をヘキサン100mlと混合させ、かつ沈殿した生成物を濾過によって単離した。溶離剤として塩化メチレンを用いる短いシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィー処理によって、望ましい生成物1.5g(65%)を、加熱時に重合する傾向の強い帯褐赤色粉末の形で得た。
【0271】
染料15aの分析データ:
【0272】
【外12】
【0273】
【外13】
【0274】
例8:N−(5−メタクリルオキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料15b)
例7.1からのN−(5−ヒドロキシペンチル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド2g(5mモル)を、窒素下で、80℃に加熱しながらピリジン60ml中に溶解させ、かつこの温度でジオキサン無水物30ml中の塩化メタクリロイル0.97ml(10mモル)の溶液を滴加した。撹拌を、80℃でさらに1.5時間に亘って続け、溶剤を蒸留によって除去し、残留物をクロロホルム30ml中に生じ、濾過をおこない、濾過物をヘキサン100mlと混合させ、かつ沈殿した生成物を濾過によって単離した。溶離剤として塩化メチレンを用いる短いシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーで精製し、望ましい生成物1.6g(70%)を帯褐赤色粉末として得た。
【0275】
染料15bの分析データ:
【0276】
【外14】
【0277】
例9:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(p−スチリル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料16)
9−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド5g(9mモル)(出発材料としてWO97/22607の例28からのN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドを用いて、WO96/22332の例6aと同様に製造した)、p−スチレンホウ素酸1.6g(10.8mモル)、Pd(PPh3)40.9g、2N炭酸カリウム溶液100mlおよびトルエン500mlの混合物を、還流温度(115〜120℃)で、アルゴン雰囲気中で12時間に亘って撹拌しながら加熱し、冷却し、かつ氷上で沈殿させ;有機相を分離除去し、水相を2回に亘って塩化メチレン200mlで抽出し、かつ組合わせた有機相を硫酸カリウム上で乾燥させた。その後に溶剤を減圧下で除去し、かつ残留物を最少量の塩化メチレン中に入れた。この生成物をメタノールの添加によって、この溶液から沈殿させた。溶離剤として塩化メチレンを用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理によって精製し、望ましい生成物4.89g(93%)を、300℃を上廻る融点を有する鮮明な赤色の結晶質固体として得た。
【0278】
染料16の分析データ:
【0279】
【外15】
【0280】
例10:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−メタクリルオキシ−1−ヘキシニル)−ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料17a)
1.9−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド2.0g(3.56mモル)(出発材料としてWO97/22607の例28からのN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドを用いてWO96/22332の例6aと同様に製造した)を、不活性ガス下で、テトラヒドロフラン無水物(THF)1質量部とピペリジン無水物1質量部との混合物500ml中で溶解し、連続してPd(PPh3)44モル%(164mg、0.14mモル)、CuI 5モル%(32mg、0.18mモル)および6−アセトキシ−1−ヘキシン1.14g(7.12mモル)を混合させ;この混合物を穏やかに70℃に加熱し、かつこの温度で1時間に亘って維持した。室温に冷却した後に、反応混合物を、3倍量の氷と濃硫酸質量比3:1の混合物に添加し、有機相を分離除去し、水相を塩化メチレン200mlで3回に亘って抽出し、組合せた有機相抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ溶剤を減圧下で除去した。溶離剤として塩化メチレンを用いるシリカゲル上のクロマトグラフィー処理によって、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−アセトキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド1.98g(90%)を、300℃を上廻る融点を有する赤色の粉末として得た。
【0281】
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−アセトキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの分析データ:
【0282】
【外16】
【0283】
2.N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−アセトキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド1.98g(3.2mモル)、水酸化カリウム2.2g(38mモル)、イソプロパノール400mlおよび水250mlの混合物を、還流下で12時間に亘って加熱し、有機溶剤の留去によって濃縮し、かつ氷冷した希塩酸を用いて酸性化した。沈殿物を分離除去し、かつ、氷酢酸から再結晶化した。これによってN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド1.8g(97%)を、300℃を上廻る融点を有する赤色粉末として得た。
【0284】
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの分析データ:
【0285】
【外17】
【0286】
3.ジオキサン無水物100ml中のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド1g(1.72mモル)の溶液を、窒素下で45℃に加熱し、トリエチルアミン0.4mlおよび塩化メタクリロイル0.28mlと混合させ、45℃で4時間に亘って撹拌し、塩化メタクリロイル0.28mlと混合させ、45℃でさらに12時間に亘って撹拌し、室温に冷却し、再び水200mlと混合させ、かつ総量400mlで塩化メチレン抽出した。溶剤を減圧下で留去し、かつ残留物を、溶離剤としての塩化メチレンを用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理をおこなった。減圧下での溶剤の除去に続いて、望ましい生成物800mg(78%)を赤色の微細な結晶質固体として単離した。
【0287】
染料17aの分析データ:
【0288】
【外18】
【0289】
例11:N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−メタクリルオキシヘキシル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドの製造(染料17b)
Liebigs Ann./Recueil 1997、第395頁〜第407頁でアルキニルペリレンを必要とする水素化方法に従って、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−アセトキシ−1−ヘキシニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミド2g(3.2mモル)(例えば例10 1.)の還元によって、例10、2.のように水素化されてもよい相当するアセトキシヘキシル誘導体の定量的収率(quantitative yield)を、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(6−ヒドロキシヘキシル)ペリレン−3,4−ジカルボキシイミドに対して98%の収率で得た。これは例10、3.に従って塩化メタクリロイルと反応される場合には、望ましい生成物を収率81%で、赤い非晶質の固体として得た。
【0290】
染料17bの分析:
【0291】
【外19】
【0292】
【外20】
【0293】
例12:N,N′−ビス(5−メタクリルオキシペンチル)−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミドの製造(染料18)
1.1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸二無水物5g(8.6mモル)(PCT/EP96/05519より)、5−アミノ−1−ペンタノール2.1g(20mモル)およびN−メチルピロリドン75mlの混合物を、窒素下で1.5時間に亘って175℃に加熱した。室温に冷却した後に、深い紫色の沈殿物を濾別し、多量のメタノールで洗浄し、かつ減圧下で100℃で乾燥させた。これによって、N,N′−ビス(5−ヒドロキシペンチル)−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミド5.9g(92%)を、300℃を上廻る融点を有する帯黒紫色の粉末の形で得た。
【0294】
N,N′−ビス(5−ヒドロキシペンチル)−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミドの分析データ:
【0295】
【外21】
【0296】
2.1からのN,N′−ビス(5−ヒドロキシペンチル)−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジミドを、ピリジン75ml中に溶解し、かつこの溶液を窒素下で80℃に加熱し、かつこの温度でジオキサン無水物20ml中の塩化メタクリロイル1.5ml(15.2mモル)の溶液を滴加した。この混合物を80℃でさらに1.5時間に亘って撹拌し、溶剤を留去し、残留物を少量のクロロホルム(約20ml)中に入れ、濾過をおこない、濾過物をヘキサン約100mlで混合させ、かつ沈殿された生成物を濾過によって単離した。溶離剤として塩化メチレンを用いて短いシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィー処理をおこない、望ましい生成物1.5g(45%)を加熱時に重合する傾向のある帯黒紫色粉末として得た。
【0297】
染料18の分析データ:
【0298】
【外22】
【0299】
III.本発明によって使用されたモノマーエマルションの製造(一般的な製造方法)
撹拌機を有する反応容器に、乳化水溶液(最初の装入材料)を装入した。この溶液の組成は第1表に示されている。この最初の装入材料を2分間に亘って、重合されるべきモノマー中のそれぞれの染料の溶液(モノマー/染料溶液)と混合させた。この溶液の組成は第1表に示されている。その後にこの混合物を10分以上に亘って撹拌する。生じた通常の、染料含有モノマーエマルションを、次のように、超音波を用いて均質化することによって、水性モノマーのマイクロエマルションを得た。
【0300】
使用される超音波源は、ブランゾン音波発生器(Branson Sonifier)II 450であった。それぞれ1lの水性マクロエマルションを、設定デューティサイクル25%、出力調整10で5分間に亘って、かつデューティサイクル100%および出力調整10で10分間に亘って撹拌しながら音波破砕をした。これは、結果として水性の、染料を含有するミニエマルションを生じた。
【0301】
【外23】
【0302】
は、第2表に示されている。
【0303】
IV.本発明のポリマー分散液の製造
IIIに従って得ることができるミニエマルションを、重合容器中に装入し、かつ85℃に加熱した。その後に、このミニエマルションをすべて一度に、撹拌しながら水中のペルオキソ二硫酸ナトリウムの溶液(開始剤溶液)と混合した。開始溶液の組成は第1表に示されている。開始剤の添加終了後にバッチを撹拌しながら反応のために80〜85℃で2.5時間に亘って置き、その後に25℃に冷却した。このようにして得られた水性ポリマー分散液の特性および凍結乾燥によって前記のものから得られた着色されたポリマー粉末の色特性は、第2表にまとめられている。
【0304】
【表1】
【0305】
【表2】
【0306】
【表3】
【0307】
【表4】
【0308】
【表5】
【0309】
【表6】
【0310】
【表7】
【0311】
【表8】
【0312】
7)dz ME:モノマー小滴の平均粒径
8)SC:固体含量(対象:20.0質量%)、LT:光の透過率、dz PE:ポリマー粒子の平均粒径、n.b:測定していない。
【0313】
9)視覚的に測定した;(M):分子的な分散、すなわち、凝集のない染料の吸収帯;(A):高い染料の凝集を有する吸収帯。
【0314】
10)可塑物中の着色上での視覚的な測定;(W):弱い(発色団の同様の濃度を有する相当する染料溶液の蛍光強度の約0〜30%);(m):中程度(発色団の同様の濃度を有する相当する染料溶液の蛍光強度の約30〜70%):強い(発色団の同様の濃度を有する相当する染料溶液の蛍光強度の約70%を上廻る)。
【0315】
V.再分散可能な染料含有ポリマーの製造(例64〜101)
1.バッチ法による製造(一般的な方法):
1.1染料含有ミニエマルションの製造
撹拌機を有する反応容器は、乳化水溶液(最初の装入材料)を装入した。この溶液の組成は、第3表に示されている。この最初の装入材料を、重合されるべきモノマー中のそれぞれの染料の溶液(モノマー/染料溶液)と2分間に亘って混合させた。この溶液の組成は、第3表に示されている。その後に混合物を10分間以上に亘って撹拌した。生じた通常の、染料含有モノマーエマルションを、超音波を用いて次のように均質化し、水性モノマーミニエマルションを得た:
使用された超音波源は、ドイツ特許出願公開第19756874号明細書の第4表に記載された装置であり、これは容器直径42mmおよび高さ25mmを有するフロー電池(flow cell)を備えている。ソノトロード(sonotrode)は直径40mmおよび出力1000Wを有する。流動速度30l/hを有する水性マクロエマルションそれぞれ約0.5lを、出力1000Wで、撹拌しながら音波破砕した。これによって、水性の染料含有ミニエマルションを得た。
【0316】
【外24】
【0317】
は第5表に示されている。
【0318】
1.2染料含有ミニエマルションの重合
生じたミニエマルションを、重合容器に装入し、かつ85℃に加熱した。その後に開始剤溶液(第3表参照)を撹拌しながら一度に添加し、かつこの混合物を反応のために、80〜85℃で、2.5時間に亘って置き、その後に25℃に冷却した。生じたポリマー分散液の特性は第5表に示されている。
【0319】
2.供給工程による製造(一般的な方法):
最初に、ミニエマルションを最初の装入材料1およびモノマー/染料溶液からのV1.1で記載された方法で製造した。このミニエマルションの組成は、第4表に示されている。
【0320】
生じたミニエマルションを供給容器に移した。重合容器を水および開始剤溶液(IS)(最初の装入材料2;第4表参照)の一部を装入した。最初の装入材料2を85℃に加熱し、その後になおも85℃で同時に開始することにより、染料含有ミニエマルションおよび水性開始溶液を、重合容器に3時間に亘って添加した。染料含有ポリマー分散液の特性は第5表に示されている。
【0321】
第3表〜第14表において、次の略語を使用する:
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩
AN:アクリロニトリル
AA:アクリル酸
BA:n−ブチルアクリレート
BDDA:ブタンジオールジアクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
E:乳化剤
HD:ヘキサデカン
IS:開始溶液
L370:ルビクエート(Luviquat(登録商標))FC370
LA:ラウリルアクリレート
LH:ルビクエート(Luviquat(登録商標))ホールド(Hold)
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
NaPS:ペルオキソ二硫酸ナトリウム
PW:水溶性ポリマー
S:スチレン
SA:ステアリルアクリレート
T:ターモル(Tamol(登録商標))NN4501
V50:2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド
ルビクエート(Luviquat(登録商標))FC370は、ビニルピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウムクロリドとの質量比7:3のコポリマーの約40質量%濃度の水溶液であり、K値を41〜49の範囲で有する(製造:BASF社、Ludwigshafen)。
【0322】
ルビクエート(Luviquat(登録商標))ホールド(Hold)は、ビニルカプロラクトン、ビニルピロリドンおよび1−ビニル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルホネートの質量比5:4:1のターポリマーの約20質量%濃度の水溶液であり、粘性を1.5〜4の範囲で有する(Broolfield LVから; DIN53018に基づく方法で、1質量%濃度の溶液として測定された)(製造:BASF社、Ludwigshafen)。
【0323】
ターモル(Tamol(登録商標))NN4501は、α−ナフタレンスルホン酸およびβ−ナフタレンスルホン酸の異性体混合物を有するホルムアルデヒドの凝縮物の低分子量生成物の粉末状ナトリウム塩であり、この場合、45質量%の水溶液は約70mPa・s(23℃で測定された)の平均粘度(Brookfieldによる)を有する(製造:BASF社、Ludwigshafen)。
【0324】
別記しない限りは、使用された乳化剤はスルホコハク酸のビス−2−エチルヘキシルエステルであった(ナトリウム塩として、60質量%の濃度の水溶液の形)(BASF社からのLumiten(登録商標)IRA)。
【0325】
【表9】
【0326】
【表10】
【0327】
【表11】
【0328】
VI.例64〜101の分散液の特性試験
1.再分散性:
本発明の染料含有ポリマーの再分散性は、固体含量を20質量%に調整したそれぞれの染料含有ポリマー分散液試料の1滴をペトリ皿中に置き、かつそれを乾燥させるために一晩置くことによって測定された。その後に、水3滴をペトリ皿中の乾燥したポリマーに適用し、ポリマーを再分散させるために穏やかに振盪させた。再分散の度合いは、視覚的に次のように評価された:1=完全な再分散、2=ほとんど完全な再分散、3=約50%の再分散、4=部分的な再分散;5=再分散はみられない。
【0329】
例64〜101のすべての再分散液は、再分散性の度合い1を示した。
【0330】
2.印刷特性:
2.1インク調剤の製造:例64〜101の純粋な分散液を、トリエタノールアミンを用いてpH7に調整した。印刷適性を、中和した分散液および中和した分散液9質量部ならびにブチルトリグリコール1質量部を有する調剤の双方で試験した。
【0331】
2.2印刷特性の測定:
2.1での本発明のインク調剤を、エプソン(Epson Stylus color 500)からの市販のインクジェットプリンター中で、レーザープリンター(80g/m2;インターコピー)のための市販紙および高解像度のインクジェット印刷のための特別紙(720 dpi 印刷のための紙;Epson)の上で印刷した。使用された試験的な印刷パターンは、チェスボードパターンであった(フルカラー/印刷されていないもの:1×1cm)。
【0332】
印刷の摩擦堅ろう性を試験するために、印刷された領域および印刷されていない領域を、穏やかな指の圧力下で、円運動を用いて10秒間に亘って数回走行させた。印刷スメアリング(smearing)のないものには等級1を与え、かつ、激しいスメアリングには等級6を与えた。
【0333】
湿式で摩擦堅ろう性を、印刷物が、摩擦前にDI水でリンスされることを以外は同様に試験した。ブリーディング/スメアリングがない印刷物には、等級1を与え、かつ激しいブリーディング/スメアリングは等級6であった。
【0334】
例64〜101の中性化された分散液で得られた印刷物および相当する溶剤を担体とするインクで得られた印刷物の摩擦堅ろう性および湿性の摩擦堅ろう性を、度合い1を有するものすべてにおいて評価した。
【0335】
VII.本発明の染料含有ポリマー分散液の製造(例102〜118)
1.撹拌機を備えた反応容器に、主モノマー100質量部に対して、水約430〜450質量部、硫酸ドデシルナトリウム0.6質量部および第6表に記載されている水溶性ポリマーPWを装入した。この溶液のために、重合されるべきモノマー中のそれぞれの染料の溶液(モノマー/染料溶液)を2分間に亘って添加した。この溶液の組成は、第6表に示されている。その後にこの溶液をさらに10分間に亘って撹拌した。生じた通常の、染料含有モノマーエマルションをIIIで記載された方法で超音波によって均質化した。
【0336】
生じたミニエマルションを重合容器に装入し、かつ85℃に加熱した。モノマー100質量部に対して、水中10質量%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液10質量部を、撹拌しながらすべて一度に添加した。開始剤の添加終了後に、バッチを、反応のために撹拌しながら80〜85℃で3.5時間に亘って置き、かつその後に25℃に冷却した。生じた水性ポリマー分散液の特性は、第7表にまとめられている。
【0337】
2.ポリマーPW:
タイプAは、無水マレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーのアンモニア加水分解によって得られるマレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーのアンモニウム塩である。無水マレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーは、ヨーロッパ特許出願公開第9169号明細書の例3に従って得ることができる。ヨーロッパ特許出願公開第9169号明細書の例3のように噴霧乾燥によって加水分解されていないコポリマーを単離することにかわって、水325質量部を懸濁液に添加し、かつ過剰のジイソブテンを水蒸気蒸留によって留去する(浴温度80℃)。内部温度が98℃に達する場合には、水蒸気をさらに1時間に亘って通過させる。さらに水200部および25質量%濃度のアンモニア170部の添加後に、混合物を60℃で、視覚的に透明な水溶液が得られるまで撹拌する(約1時間)。その後に固体含量を、水を用いて22%に調整する。溶液のpHを9にする。コポリマーのK値は30〜40の範囲にする(ジメチルホルムアミド中の1質量%濃度の溶液として、Fikentscherに従って測定された)。
【0338】
タイプBは、無水マレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーの加水分解によって得られたマレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーのナトリウム塩である。無水マレイン酸と2,4,4−トリメチルペント−1−エンとのコポリマーは、ヨーロッパ特許出願公開第9169号明細書に従って得ることができる。ヨーロッパ特許出願公開第9169号明細書の例3のように噴霧乾燥によって加水分解されていないコポリマーを単離することにかわって、水325部を懸濁液に添加し、かつ過剰のジイソブテンを水蒸気蒸留によって留去する(浴温度80℃)。内部温度が98℃に達する場合には、水蒸気をさらに1時間に亘って通過させる。さらに水220部および50質量%濃度の水酸化ナトリウム溶液200部の添加後に、この混合物を100℃で視覚的に透明な水溶液が得られるまで撹拌した(約4時間)。その後に固体含量を水を用いて25%に調整する。溶液のpHは10である。コポリマーのK値は30〜40の範囲である(ジメチルホルムアミド中の1質量%濃度の溶液として、Fikentscherに従って測定された)。
【0339】
タイプCは、無水マレイン酸54質量%および2,4,4−トリメチルペント−1−エン46質量%から成るコポリマー420質量部と、C13/15−アルキロキシヘプタエチレン酸化物261質量部との反応によって得られる反応生成物の水溶液44質量%濃度であり、後にエステル化されていない酸の群を水酸化物ナトリウムを用いて、ヨーロッパ特許出願公開第367049号明細書の例7に従って中和する。この溶液のpHは約7.5である。コポリマーのK値は14〜18の範囲である(シクロヘキサノン中の1質量%濃度のポリマー溶液上で、Fikentscherによって測定された)。
【0340】
【表12】
【0341】
VIII.例102〜118の分散液の特性試験
1.第7表に示された例102〜118の分散液の再分散性を、VI 1で記載された方法で測定した。
【0342】
【表13】
【0343】
2.ポリマーPWの不在下で製造されたポリマー分散液の再分散性を、ポリマーPW水溶液の添加前および添加後に、VI 1で記載された方法で試験した。第8表には本発明の結果がまとめられている。
【0344】
【表14】
【0345】
3.凍結乾燥された染料含有ポリマー分散液の分散性試験(R12〜R15の試験)
a)ポリマーPWを含む分散液
本発明の例104、108および118の分散液およびさらにはタイプBのポリマーPWの添加後の例115の分散液は、減圧を適用させ、ドライアイス/アセトン浴中で冷却しながら凍結乾燥させた。生じた粉末を、4倍量の水と1日間に亘って完全に混合させた。粉末のすべては完全に分散可能である。また、第9表は、凍結乾燥前の乾燥させた分散液および凍結乾燥された粉末から得られる分散液の再分散性を示す(それぞれの場合において、VI.1で記載された方法に従って測定された)。
【0346】
【表15】
【0347】
b)ポリマーPWを含まない分散液
本発明の例115の分散液を、a)で記載された方法に従って凍結乾燥した。生じた粉末を、4倍量の水および第10表に示された量のポリマーPW(水溶液として)を用いて、1日間に亘って完全に混合した。すべての粉末は完全に分散可能であった。さらに、第10表は、凍結乾燥された粉末から得られる分散液の再分散性を示している(VI 1で記載された方法に従って測定された)。
【0348】
【表16】
【0349】
IX.高い染料含量を有する染料含有水性ポリマー分散液の製造(例119〜122):
例119〜122の染料含有分散液を、VII 1に記載された方法と同様に製造した。出発材料は第11表に示されている。
【0350】
それぞれのミニエマルションを、重合容器中に装入し、かつ85℃に加熱した。開始剤を、撹拌しながらすべて一度に添加し、その後にバッチを撹拌しながら反応のために80〜85℃で3.5時間に亘って置き、その後に25℃に冷却した。生じた水性ポリマー分散液の特性は、第12表にまとめられている。任意の試料を用いての重合中に、著しい量の凝集が形成されることはなかった。
【0351】
【表17】
【0352】
1)すべての百分率は主モノマーの総量に対するそれぞれの活性物質の質量割合を示す。
【0353】
2)染料は、モノマー中でオレイン酸1質量部と共に溶解された(染料100質量部につき)。
【0354】
3)A1:過酸化水素1質量%、主モノマー100質量%に対してヒドロキシメタンスルフィナートナトリウム塩0.15質量%。
【0355】
A2:過酸化水素0.3質量%、主モノマー100質量部に対してヒドロキシメタンスルフィナートナトリウム塩0.3質量%。
【0356】
A3:過酸化水素0.3質量%、主モノマー100質量部に対してアスコルビン酸0.3質量%。
【0357】
【表18】
【0358】
X.蛍光増白剤を用いての水性ポリマー分散液の製造
蛍光増白剤:
タイプ1:
N−(2−ペンチル)−4,5−ビスメトキシナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド;
タイプ2:0,0−ジシアノビススチリルベンゼン=1,4−ビス(4′−シアノスチリル)ベンゼン;
タイプ3:1,4−ビス(4′−メトキシカルボニルスチリル)ベンゼン;
タイプ4:1−(4′−メトキシカルボニルスチリル)−4−(4″−シアノスチリル)ベンゼン。
【0359】
1.例123〜148
撹拌機を備えた反応容器に、水中の硫酸ラウリルナトリウム溶液を装入した(最初の装入材料;使用量は第13表参照)。重合されるべきモノマー中のそれぞれの蛍光増白剤の溶液(モノマー/増白剤溶液)を、2分間に亘って添加した。この溶液の組成は、第13表に示されている。その後に、この混合物を10分以上に亘って撹拌した。次に、生じた通常の、モノマーエマルションをV1.1で記載された方法で均質化した。使用された開始剤は、水中にペルオキソ二硫酸ナトリウム0.5gの溶液であった。ミニエマルションおよび生じたポリマー分散液の特性は、第14表に示されている。
【0360】
【表19】
【0361】
2.例149〜158
撹拌機を備えた反応容器に、水中のビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(BASFからのLumiten(登録商標)IRA)の溶液(最初の装入材料;使用量は第13a表参照)を装入した。重合されるべきモノマー(モノマー/増白剤溶液)中のそれぞれの蛍光増白剤の溶液を、2分間に亘って添加した。この溶液の組成は、第13表に示されている。その後に、この混合物を10分以上に亘って撹拌した。次に、生じた通常のモノマーエマルションをV1.1で記載された方法で均質化し、その後に重合した。使用された開始剤は、水19ml中のペルオキソ二硫酸ナトリウム1gの溶液であった。ミニエマルションおよび生じたポリマー分散液の特性は、第14表に示されている。
【0362】
【表20】
【0363】
【表21】
【0364】
XI.本発明の顔料調剤の製造と特性試験(ペーパーコーティングスリップ(paper coating slip)の形)(例A1〜A10および比較例CA1、CA2)
製造(例A1〜A10):
蛍光増白剤を有する本発明のポリマーを、下記に記載された成分と一緒に配合し、着色されたペーパーコーティングスリップを形成した(部は質量部)。示された固体含量を水の添加によって設定した。
【0365】
微粉化されたチョーク70部(Hydrocarb 90)
微粉化された粘土30部(Amazon 88)
カルボキシメチルセルロース0.5部(CMC 7 L2T)
分子量4000を有するポリアクリル酸ナトリウム塩0.4部(BASF社からのPolysalz S)
スチレン/アクリル酸ブチルを基にした水性エマルションの形での結合剤ポリマー14部(BASF社からのAcronal (登録商標) S728)
蛍光増白剤を有するポリマー6部(第15表)
固体含量:60%
pH:8.8〜9.1(NaOHを用いて設定した)
比較例CA1を同様の方法で製造した。例A1〜A10との対比において、CA1は蛍光増白剤を含むポリマーを含有しないが、結合剤ポリマー20部(14部よりはむしろ)を含有する。
【0366】
CA1との対比において、比較例CA2は、スチルベン(バイエル社、LeverkusenからのBlankophor (登録商標) PSG)に対してさらに水溶性増白剤0.9質量部を有する。
【0367】
方法:
これらのペーパーコーティングスリップを、さらに次のように処理した:
使用された未処理の紙は、基本重量38g/cm2を有する機械的に未処理のコーティング紙(梨地化されていない)である。コーティングスリップを1面当たり6g/m2で、パイロットプラントコーティングマシーン(適用技術:ローラー、計測技術:ブランド)上で1000m/分の速度で両面に適用した。ペーパーウェブを、IR乾燥装置および風乾によってペーパー含水量5.0%に調整した。
【0368】
ペーパーウェブを、スーパーカレンダーを通して単一経路によって平滑化した。ここで、直接圧は250kN/mであり、ベルト速度は300m/分であり、かつ温度は80℃であった。
【0369】
分析:
コーティング紙の性質は、DIN6174に従って、CIE白色度に基づいて分析した。エレホ型データカラー2000分光光度計(Elrepho type Datacolor 2000 spectro photometer)を用いて測定した。結果は第15表中に示されている。
【0370】
熱安定性を測定するために、コーティング紙を120℃で48時間に亘って置き、その後に記載されたように測定をおこなった。結果は第15表に示されている。
【0371】
UV安定性を測定するために、コーティング紙を250W/m2の出力密度を有するアトラス サンテスト XLSプラス ゼノンランプ(Atlas Suntest XLS Plus xenon lamp)を用いて、8時間に亘って、300〜800nmの範囲で(λmax450nm)露光させ測定をおこなった。結果は第15表中に示されている。
【0372】
【表22】
Claims (12)
- その分散相が少なくとも1種の油溶性染料を含有する水中油型エマルションE1の形でモノマーの少なくとも1部を使用し、ラジカル形成性開始剤の存在下に、エチレン性不飽和モノマーを水性乳化重合することにより染料含有水性ポリマー分散液を製造する方法において、E1の分散相が主に直径<500nmを有する染料含有モノマー小滴から形成されており、その際、エチレン性不飽和モノマーが、水溶性>0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーAおよび水溶性<0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーBを包含することを特徴とする染料含有水性ポリマー分散液の製法。
- エチレン性不飽和モノマーが、水溶性>0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーA80〜99質量%および水溶性<0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーB1〜20質量%を包含し、その際、モノエチレン性不飽和モノマーAが、ビニル芳香族モノマー、ビニルアルコールとC1〜C8−モノカルボン酸とのエステル、アリルアルコールとC1〜C8−モノカルボン酸とのエステル、および、C3〜C6−α,β−モノエチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸とC1〜C8アルカノールとのエステルから選択されており、かつ、モノエチレン性不飽和モノマーBが、C3〜C6−α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とC12〜C30アルカノールとのエステル、および、ビニルアルコールまたはアリルアルコールとC9〜C30アルカンカルボン酸とのエステルから選択されている、請求項1記載の方法。
- エチレン性不飽和モノマーが、
− 少なくとも2個の非共役二重結合を有するモノマーC、および
− 架橋に作用するモノエチレン性不飽和モノマーD
から選択されている少なくとも1種の他のモノマーを包含する、請求項1または2記載の方法。 - 水中油型エマルションE1を超音波を用いるモノマーの慣用の染料含有水中油型エマルションの均質化により製造し、その際慣用のエマルションのモノマー小滴中に染料が溶けて存在するかまたは分子分散状に分散して存在する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 請求項3記載の方法により得られた染料含有水性ポリマー分散液において、ポリマー粒子が平均直径dz<1000nmを有し、少なくとも1種の油溶性染料少なくとも5質量%を分子分散形で含有し、かつ水溶性>0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーAと、水溶性<0.01g/lを有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーBと、場合によりこれとは異なる少なくとも1種の重合活性化合物とから構成されていて、この重合活性化合物が、
− 少なくとも2個の非共役のエチレン性不飽和二重結合を有する、モノマーC、および
− 架橋に作用するモノエチレン性不飽和モノマーD、
から選択されている、
ことを特徴とする染料含有水性ポリマー分散液。 - 共重合したモノマーA、B、並びに場合によりCおよびDから構成されたポリマーマトリックスが、
モノマーA 80〜99質量%、
モノマーB 1〜20質量%、
場合によりモノマーC 0.1〜30質量%、および
場合によりモノマーD 0.1〜30質量%から構成されている、請求項5記載の染料含有水性ポリマー分散液。 - ポリマー粒子中に共重合したモノマーAが、
− 水溶性>60g/l(それぞれ25℃および1気圧において)を有する少なくとも1種のモノマーA1を全モノマー量に対して0.5〜30質量%、および
− 0.01〜60g/lの水溶性(それぞれ25℃および1気圧において)を有する少なくとも1種のモノマーA2を全モノマー量に対して70〜99.5質量%、
包含する、請求項5または6記載の染料含有水性ポリマー分散液。 - 請求項5から7までのいずれか1項記載の水性ポリマー分散液を乾燥することにより得られる、染料含有ポリマー粉末。
- 染料含有水性組成物において、
i 組成物中に分散したポリマー粒子の形で存在し、かつ請求項5から7までのいずれか1項記載の染料含有水性ポリマー分散液中に存在するポリマーおよび請求項8記載のポリマー粉末から選択された、少なくとも1種の染料含有ポリマー、および
ii 常用の助剤
を含有する染料含有水性組成物。 - インキとしての、請求項9記載の染料含有水性組成物の使用。
- 顔料含有水性組成物において、
i 組成物中に分散したポリマー粒子の形で存在し、かつ請求項5から7までのいずれか1項記載の染料含有水性ポリマー分散液のポリマーおよび請求項8記載のポリマー粉末から選択され、かつ油溶性染料として少なくとも1種の蛍光増白剤を包含する、少なくとも1種の染料含有ポリマー、
ii 水性分散液の形の、エチレン不飽和モノマーから構成されている、少なくとも1種の染料不含、膜形成性非水溶性ポリマー、
iii 少なくもと1種の無機白色顔料および場合により無機充填剤、および
iV 助剤
を含有する顔料含有水性組成物。 - 紙用塗料としての、請求項11記載の組成物の使用。
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