JP2001226595A - 蛍光性樹脂微粒子およびその用途ならびに蛍光性樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

蛍光性樹脂微粒子およびその用途ならびに蛍光性樹脂微粒子の製造方法

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JP2001226595A
JP2001226595A JP2000019146A JP2000019146A JP2001226595A JP 2001226595 A JP2001226595 A JP 2001226595A JP 2000019146 A JP2000019146 A JP 2000019146A JP 2000019146 A JP2000019146 A JP 2000019146A JP 2001226595 A JP2001226595 A JP 2001226595A
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Kimiya Takeshita
公也 竹下
Toshifumi Shiratani
俊史 白谷
Shinkiyuushi Takasu
真弓子 高巣
Munehiro Sakamoto
宗寛 坂本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機蛍光顔料として有用な平均粒径90nm以
下の蛍光性樹脂微粒子およびその用途を提供する。ま
た、蛍光性樹脂微粒子の工業的に有利な製造方法を提供
する。 【解決手段】(1)有機蛍光物質を含有する樹脂粒子か
ら成りその平均粒子径が90nm以下である蛍光性樹脂
微粒子、(2)当該蛍光性樹脂微粒子から成る有機蛍光
顔料、(3)少なくとも、モノマー、モノマーに溶解可
能な有機蛍光物質、界面活性剤および共界面活性剤を水
中で分散乳化させることにより、着色ミニエマルション
を形成し、次いで、重合開始剤の存在下に重合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光性樹脂微粒子
およびその用途ならびに蛍光性樹脂微粒子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】有機蛍光物質を含有する樹脂粒子は有機
蛍光顔料として各種の用途が期待される。ところで、一
般に有機蛍光顔料は、粒子径が小さくなるにつれて発色
性が向上するため、粒子径の小さい有機蛍光顔料が望ま
しい。特に、蛍光顔料に高い透明性が要求される蛍光マ
ーカ等の用途の場合、可視光の散乱を極力抑える必要が
ある。一般に、粒子が波長λでの可視光を散乱する効率
は、粒子径がλ/2に相当する粒子の場合に最大とな
り、粒子径がλ/4以下に相当する粒子の場合の散乱効
率は非常に小さいとされている。最も短波長の可視光の
波長は380nmであるので、可視光の散乱を極力抑え
るためには粒子径を380nmの1/4以下(約90n
m以下)にすることが望まれる。また。インクジェット
記録の印字ヘッドの径が数ミクロン程度と小さいため、
特にインクジェット記録用インクの場合、有機蛍光顔料
の粒子径は可及的に小さいことが望まれている。
【0003】しかしながら、有機蛍光顔料の製造方法に
は、主として、塊状樹脂粉砕法、乳化重合法、樹脂析出
法があるが、以下に説明する様に、これらの公知の方法
では、工業的有利に90nm以下の有機蛍光顔料を得る
ことは困難である。
【0004】塊状樹脂粉砕法は、蛍光染料で着色された
樹脂を粉砕する方法であり、この方法は、樹脂、蛍光染
料、添加剤の種類や濃度などを調節し易いが、粉砕に大
きなエネルギーと費用が必要である。そして、実際に
は、現在採用できる粉砕法で数ミクロン以下の顔料粒子
を得ることは困難である。
【0005】乳化重合法は、蛍光染料の存在下で乳化重
合を行うか、または、乳化重合物を蛍光染料で染着する
方法である。この方法は、直接に有機蛍光顔料粒子を得
ることができる利点を有するが、樹脂組成の多様性など
の点で塊状樹脂粉砕法に劣り、また、小粒径の有機蛍光
顔料を得るには、特殊な界面活性剤が必要である。更
に、乳化重合法では大量の界面活性剤を使用するため、
重合後に界面活性剤を除去するために多大な費用が掛か
る欠点がある。
【0006】樹脂析出法は、適当な溶剤に溶解させた樹
脂溶液の溶解性を減少させて粒子を析出させる方法であ
り、蛍光染料は樹脂溶液に添加しておくか、または、析
出後に染色する。この方法は、廃溶剤を含んだ排水が大
量に発生する問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、有機蛍光顔料と
して有用な平均粒径90nm以下の蛍光性樹脂微粒子お
よびその用途を提供することにある。そして、本発明の
他の目的は、蛍光性樹脂微粒子の工業的に有利な製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定の重合手段の採用により上記の目的
を容易に達成し得るとの知見を得、次の(1)〜(9)
の本発明の完成に至った。
【0009】(1)有機蛍光物質を含有する樹脂粒子か
ら成りその平均粒子径が90nm以下であることを特徴
とする蛍光性樹脂微粒子。
【0010】(2)有機蛍光物質の含有量が0.01〜
10重量%である(1)に記載の蛍光性樹脂微粒子。
【0011】(3)油溶性有機蛍光物質を含有する微小
油滴を油滴中で重合するミニエマルション重合法で得ら
れた(1)又は(2)に記載の蛍光性樹脂微粒子。
【0012】(4)上記の何れかに記載の蛍光性樹脂微
粒子から成ることを特徴とする有機蛍光顔料。
【0013】(5)顔料として上記の何れかに記載の蛍
光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とするインク。
【0014】(6)顔料として上記の何れかに記載の蛍
光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とするインクジェ
ット記録用インク。
【0015】(7)顔料として上記の何れかに記載の蛍
光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とする塗料。
【0016】(8)顔料として上記の何れかに記載の蛍
光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とする着色樹脂。
【0017】(9)少なくとも、モノマー、モノマーに
溶解可能な有機蛍光物質、界面活性剤および共界面活性
剤を水中で分散乳化させることにより、着色ミニエマル
ションを形成し、次いで、重合開始剤の存在下に重合を
行うことを特徴とする蛍光性樹脂微粒子の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】先ず、説明の便宜上、本発明に係
る蛍光性樹脂微粒子の製造方法について説明する。本発
明の製造方法の特徴は、蛍光性樹脂微粒子の製造方法に
ミニエマルション重合法を採用した点にある。
【0019】ミニエマルション重合法は、例えば、P.L.
Tang, E.D.Sudol, C.A.SilebiおよびM.S.El-Aasserによ
り、Journal of Applied Polymer Science,第43巻、
1059〜1066頁(1991年)に記載されている。ミ
ニエマルションは、重合可能なモノマーの水性エマルシ
ョンであり、界面活性剤と共界面活性剤(cosurfactan
t)の存在下にモノマーを機械的に微分散することによ
り得られ、その粒径は通常50〜500nmである。重
合には水溶性または油溶性の開始剤を使用することが可
能であり、モノマーの重合は水相中ではなく油滴内で起
こる。この点、水相中のミセルで重合が開始する乳化重
合とは異なる。すなわち、乳化重合法では水相中の界面
活性剤濃度をCMC以上に保ち、重合は油滴中ではなく
界面活性剤ミセル中で起こるためである。
【0020】本発明で使用するモノマーとしては、水に
難溶性であって分散乳化でき、しかも、ラジカル重合ま
たはレドックス重合可能なビニルモノマーであれば制限
なく使用することが出来る。斯かるモノマーの具体例と
しては、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等の重合性不飽
和芳香族類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸などの重合性不飽和カルボン酸類;スチ
レンスルホン酸ソーダ等の重合性不飽和スルホン酸もし
くはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸グリシジル、エチレングリコール−ジ−(メタ)
アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフ
ェニル等の重合性カルボン酸エステル類;(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリ
ルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタ
ジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N
−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル等の不飽和カルボン酸アミド類、重合性不飽和
ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類などが
挙げられる。
【0021】上記の重合性不飽和カルボン酸としては、
二重結合を有する重合性のカルボン酸であれば、特に限
定されず、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸などが挙げられる。また、上記の重合
性不飽和スルホン酸もしくはその塩としては、二重結合
を有する重合性のスルホン酸であれば、特に限定され
ず、例えば、スチレンスルホン酸ソーダが挙げられる。
前記のモノマーは、単独使用の他、2種以上の混合物と
して使用することが出来る。
【0022】本発明においては、2種以上の前記モノマ
ーを使用して共重合することも出来、また、架橋反応を
行うことも出来る。架橋剤としては、例えば、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミ
ド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロール
マレイミド、N−エチロールマレイミド、N−メチロー
ルマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸
エステル、ビニル芳香族酸のN−アルキロールアミド
(例えばN−メチロール−p−ビニルベンズアミド
等)、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド等が
挙げられる。
【0023】また、種々の多官能性化合物もしくはモノ
マーも架橋剤として使用することが出来る。斯かる例と
しては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビ
ニルシクロヘキサン、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ブチレングリコール、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】本発明で使用する有機蛍光物質は、モノマ
ーに溶解し得る限りその種類は特に制限されないが、特
にモノマーより水に溶解し難い油溶性有機蛍光物質が好
ましい。斯かる油溶性有機蛍光物質としては、ベンゾチ
オキサンテン、キサンテン、クマリン、ナフタルイミ
ド、ベンゾキサンテン、ペリレン、アクリジンなどの各
種の蛍光染料(又は蛍光増白剤)が挙げられる。これら
は、ノニオン又はカチオンに荷電してよい。そして、市
販品としては、蛍光増白剤「UVITEX OB」(2,5-thioph
enediylbis(5-tert-butyl-1,3-benzoxazole、Chiba S
peciality Chemicals社製)、クマリン系黄色蛍光染料
「MACROLEX Fluorescent Yellow 10GN」(Solvent Y
ellow 160:1、BAYER社製)、クマリン系赤色蛍光染料
「MACROLEXFluorescent Red G」(BAYER社製)が挙
げられる。その他、「Basic Red 1」(BASFよりBasonyl
Red 482 として市販のカチオンRhodamine F5G 染
料)、「Basic Violet 10」(BASFよりBasonyl Red 540
として市販のカチオンRhodamineB 染料)、「Basic Vi
olet 11」(BASFよりBasonyl Red 560 として市販のBas
ic Violet 11:1 のカチオンRhodamine B 染料)、「Bas
ic Violet 16」(BASFよりBasacryl Brilliant Red BG
として市販のメチン染料)、「BasicYellow 40」(Ciba
-Gigy よりMaxilon Brilliant Flavine 10GFF として市
販のノニオンCoumarin染料)、「Solvent Yellow 43」
(Day-Glo Color 社よりHudson Yellowとして市販のノ
ニオンNaphthalimide 染料)、「Solvent Yellow 44」
(Day-Glo Color 社よりYukon Yellowとして市販のノニ
オンNaphthalimide 染料)、「SolventYellow 135」(D
ay-Glo Color社よりAlberta Yellowとして市販のノニオ
ンCoumarine染料)、「Solvent Yellow 160」(Day-Glo
Color社よりPotomac Yellowとして市販のノニオンCoum
arine 染料)等が挙げられる。これらは2種以上を混合
して使用してもよい。なお、後述の共界面活性剤が同時
に有機蛍光物質である場合は、当該有機蛍光物質のみを
使用して共界面活性剤の使用を省略してもよい。
【0025】本発明で使用する界面活性剤(乳化剤)と
しては、従来のラテックス重合に使用できるものであれ
ば特に制限されない。例えば、アニオン系界面活性剤と
しては、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼ
ンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、ト
リデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホ
ネート並びにこれらのナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム塩などのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル
硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩などが挙げられ、
カチオン系界面活性剤としては、セチルトリメチルアン
モニウムプロミド、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩
化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられ
る。また、ノニオン系界面活性剤としては、各種のもの
が市販されており、例えば、ユニオンカーバイド社製の
「Triton」(X−100、X−114、X−30
5、N−101)、アイ・シー・アイ社製の「Twee
n」(20、40、60、80、85)、アイ・シー・
アイ社製の「Brij」(35、58、76、98)、
シェル社製の「Nonidet」(P−40)、ローヌ
・プーラン社製の「Igepol」(CO530、CO
630、CO720、CO730)等が挙げられる。ま
た、ポリビニルアルコールも好適に使用し得る。
【0026】本発明で使用する共界面活性剤(補助安定
剤)としては、ミニエマルション重合法で使用されてい
る公知のものを適宜使用することが出来る。適当な共界
面活性剤の例としては、(a)C8〜C30−アルカ
ン、例えばヘキサデカン、(b)C8〜C30(好まし
くはC10〜C30、更に好ましくはC12〜C30)
−アルキルアクリレート、例えば、ステアリルメタクリ
レート、ドデシルメタクリレート、(c)C8〜C30
−アルキルアルコール、例えばセチルアルコール、
(d)C8〜C30−アルキルチオール、例えばドデシ
ルメルカプタン、(e)ポリマー、例えばフリーラジカ
ル重合したポリマー、ポリアダクト、例えばポリウレタ
ンまたは重縮合物、例えば、ポリエステル、ポリスチレ
ン、(f)その他、カルボン酸類、ケトン類、アミン
類、香料など挙げられる。本発明においては、水に対す
る溶解度がモノマーより低い共界面活性剤を選択して使
用するのが好ましい。
【0027】本発明で使用する重合開始剤としては、ラ
ジカル系重合開始剤およびレドックス系重合開始剤の何
れであってもよい。
【0028】ラジカル系重合開始剤の例としては、例え
ば2,2’− アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
− アゾビス−(2−メチルプロパンニトリル) 、2,
2’− アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリ
ル) 、2,2’− アゾビス−(2−メチルブタンニト
リル) 、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカル
ボニトリル) 、2,2’− アゾビス−(2,4-ジメ
チル−4−メトキシバレロニトリル) 、2,2’− ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’− アゾビス−(2−アミジノプロパン)ヒドロク
ロリド等のアゾ(アゾビスニトリル)タイプの開始剤、
過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化
水素、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過硫酸塩
(例えば過硫酸アンモニウム)、過酸エステル(例えば
t−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバ
レート及びt−ブチルペルオクテート)等の過酸化物タ
イプの開始剤が挙げられる。
【0029】レドックス系開始剤としては、例えば、ア
スコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキシ二硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキ
シメタンスルフィン酸が挙げられる。なお、個々の成
分、例えば還元成分は、混合物、例えばヒドロキシメタ
ンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムと
の混合物であってもよい。
【0030】本発明においては、得られる蛍光性樹脂微
粒子の安定化を改良するため、従来公知の酸化防止剤、
紫外線吸収剤などをミニエマルションに添加することが
出来る。
【0031】先ず、本発明の製造方法においては、有機
蛍光物質含有率が通常0.01〜10重量%である着色
ミニエマルションを調製する。斯かるミニエマルション
の調製は、公知の方法を利用し、界面活性剤の水溶液
(A液)と共界面活性剤と有機蛍光物質とのモノマー溶
液(B液)とを高度なせん断混合装置によって均一に乳
化する方法で行うことが出来る。この際、界面活性剤の
使用量は、形成されるミニエマルションの存在下におい
て臨界ミセル濃度(CMC)以下となる様に選択され、
共界面活性剤の使用量は、モノマーに対して通常0.1
〜40重量%の範囲から選択され、水に対するモノマー
の使用量(重量比)は通常0.1〜50%の範囲から選
択される。上記の有機蛍光物質含有率はミニエマルショ
ンを形成するモノマーに対する有機蛍光物質の重量%を
意味する。有機蛍光物質含有率は、好ましくは0.01
〜5重量%、更に好ましくは0.01〜2.5重量%の
範囲である。また、せん断混合装置としては、例えば、
ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(Microf
luidizer:登録商標)、超音波分散機などが使用され
る。得られるミニエマルションの粒子径は90nm以下
とされるが、好ましくは10〜90nm、更に好ましく
は20〜90nm、更に好ましくは20〜80nm、特
に好ましくは40〜80nmである。斯かる粒子径は、
乳化時のせん断力によって調節することが出来る。
【0032】次いで、本発明の製造方法においては、重
合開始剤の存在下にミニエマルションの重合を行う。重
合開始剤は、前記のA液およびB液の何れに添加しても
よく、その使用量は、モノマーに対し、通常0.1〜3
0重量%の範囲から選択される。重合温度は、通常30
〜95℃、好ましくは50〜95℃の範囲から選択され
る。また、重合時間は通常5〜6時間以内で十分であ
る。ミニエマルション重合法を利用した本発明の製造方
法は、マイクロエマルション重合法と異なって界面活性
剤の使用量が極めて少量(通常CMC以下)であるた
め、精製などの特別な後処理を必要としない。
【0033】次に、本発明の蛍光性樹脂微粒子およびそ
の応用について説明する。本発明の蛍光性樹脂微粒子
は、上記の様なミニエマルション重合法で得られ、その
特徴は、平均粒径が250nm以下である点に存する。
【0034】前述の本発明の製造方法によれば、直接的
には蛍光性樹脂微粒子の分散体が得られる。従って、本
発明の蛍光性樹脂微粒子は上記の分散体から分離した後
に必要に応じて乾燥することにより得られる。また、蛍
光性樹脂微粒子を分離して乾燥した後に再び水などに分
散させて分散体にすることも出来る。
【0035】本発明の蛍光性樹脂微粒子の粒径は、90
nm以下であるが、好ましくは10〜90nm、更に好
ましくは20〜90nm、更に好ましくは20〜80n
m、特に好ましくは40〜80nmである。そして、本
発明の蛍光性樹脂微粒子の有機蛍光物質含有率は、通常
0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%
の範囲である。この様に粒径が小さく且つ有機蛍光物質
濃度が高い着蛍光性樹脂微粒子は、通常の乳化重合では
得られず、ミニエマルション重合法で得られる。
【0036】そして、本発明の蛍光性樹脂微粒子は、粒
径が小さいため、散乱光による白色化(色純度不足)が
問題とならず、着色層の薄膜化に優れる。また、本発明
の蛍光性樹脂微粒子は、有機蛍光物質含有率が高いた
め、着色性が要求される各種の用途に効率的に使用する
ことが出来る。勿論、本発明の蛍光性樹脂微粒子は有機
蛍光物質の脱着による色褪せがない。本発明の蛍光性樹
脂微粒子(及びその水分散体)の主な用途は有機蛍光顔
料である。そして、斯かる有機蛍光顔料は、インク、特
にインクジェット記録用インク、塗料、着色樹脂の調製
に好適に使用される。
【0037】なお、本発明においては、前記の方法で得
られた本発明の蛍光性樹脂微粒子(及びその水分散体)
に対し、必要に応じ、コアシェル構造などの複合化処理
を行うことも出来る。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0039】実施例1 蒸留水60gに炭酸水素ナトリウム0.0134gとラ
ウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)1.72gを添加
して溶解し、溶液Aを調製した。スチレン15gに共界
面活性剤のステアリルメタクリレート0.3g、クマリ
ン系黄色蛍光染料「MACROLEX Fluorescent Yello
w 10GN」(Solvent Yellow 160:1BAYER社製)
0.0375gを添加して溶解し、溶液Bを調製した。
溶液Aに溶液Bを注入し、スターラーで10分間攪拌し
た後、超音波分散機にて所定時間超音波処理を行った。
得られたミニエマルションを4つ口フラスコに移し、1
5分間窒素置換した後、0.04gの過硫酸カリウムを
溶解した水溶液3.5mlを添加し、4時間80℃に加
熱して重合を行った。その後、冷却して表面に油層のな
い、鮮やかな蛍光色を有する黄色ラテックスを得た。後
述の方法によるスチレンの転化率は約95%であり、得
られた有機蛍光顔料の粒径は後述の方法による動的光散
乱測定の結果、平均で約50nmであった。また、動的
光散乱測定に使用した分散液は、透明であり可視光を散
乱していなかった。
【0040】(1)スチレンの転化率:スチレンの転化
率は、スチレンモノマーが重合する割合を意味し、重合
後の溶液を所定量サンプリングし、加熱により水とスチ
レンモノマーを蒸発させ、残存している重量から算出し
た。
【0041】(2)動的光散乱測定:マイクロトラック
社製「Microtrack UPA」を使用し、動的光散乱法にて
行った。
【0042】比較例1 実施例1において、ラウリル硫酸ナトリウムの使用量を
0.086gに変更した以外は、実施例1と同様にして
ラテックスを得た。スチレンの転化率は約94%であ
り、有機蛍光顔料の粒径は平均で約120nmであっ
た。また、動的光散乱測定に使用した分散液は、乳白色
であり可視光を散乱していた。
【0043】評価 イオン交換水90gにポリビニルアルコール(東京化成
社製「#500})10gを溶解させた水溶液2.5g
と上記の各テックス2.5gとを混合し、評価用インク
を作成し、バーコーターでポリエステルフイルム上に塗
布して乾燥し、黒色紙上にて、塗膜の透明性を目視にて
評価した。その結果、実施例1のラテックスより得られ
たインクの塗膜は透明であったが、比較例1のラテック
スより得られたインクの塗膜は白濁して透明性に劣って
いた。
【0044】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、有機蛍光
顔料として有用な平均粒径90nm以下の蛍光性樹脂微
粒子およびその用途ならびに蛍光性樹脂微粒子の工業的
に有利な製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/46 C09B 67/46 C 4J039 C09D 7/12 C09D 7/12 A 11/02 11/02 (72)発明者 高巣 真弓子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 坂本 宗寛 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA17 AA18 AA19 AA22 AA28 AA29 AA30 AA32 AA33 AA34 AA35 AA40 AC35 AC45 AC50 AD04 AE04 AE08 AE14 DA26 DA28 DC07 DC13 4H056 DD16 EA11 FA02 4J002 AA011 BC031 BG001 BG031 BG091 BG131 EL096 FD096 4J011 AA05 KA04 KA12 KA16 KB22 KB29 PA22 PA35 PB25 PB40 4J038 CA022 CC022 CC072 CC082 CC102 CD022 CD082 CF032 CG032 CG072 CG142 CG162 CG172 CH032 CH122 CH172 CH232 CK032 EA011 KA08 MA02 NA01 4J039 BC53 BC55 BC65 BC68 BC74 BE02 BE07 EA28 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機蛍光物質を含有する樹脂粒子から成
    りその平均粒子径が90nm以下であることを特徴とす
    る蛍光性樹脂微粒子。
  2. 【請求項2】 有機蛍光物質の含有量が0.01〜10
    重量%である請求項1に記載の蛍光性樹脂微粒子。
  3. 【請求項3】 油溶性有機蛍光物質を含有する微小油滴
    を油滴中で重合するミニエマルション重合法で得られた
    請求項1又は2に記載の蛍光性樹脂微粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の蛍光性樹
    脂微粒子から成る有機蛍光顔料。
  5. 【請求項5】 顔料として請求項1〜3の何れかに記載
    の蛍光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とするイン
    ク。
  6. 【請求項6】 顔料として請求項1〜3の何れかに記載
    の蛍光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とするインク
    ジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 顔料として請求項1〜3の何れかに記載
    の蛍光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とする塗料。
  8. 【請求項8】 顔料として請求項1〜3の何れかに記載
    の蛍光性樹脂微粒子を使用したことを特徴とする着色樹
    脂。
  9. 【請求項9】 少なくとも、モノマー、モノマーに溶解
    可能な有機蛍光物質、界面活性剤および共界面活性剤を
    水中で分散乳化させることにより、着色ミニエマルショ
    ンを形成し、次いで、重合開始剤の存在下に重合を行う
    ことを特徴とする蛍光性樹脂微粒子の製造方法。
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