JP2001131213A - 着色樹脂微粒子およびその分散体およびその製造方法 - Google Patents

着色樹脂微粒子およびその分散体およびその製造方法

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JP2001131213A
JP2001131213A JP2000027478A JP2000027478A JP2001131213A JP 2001131213 A JP2001131213 A JP 2001131213A JP 2000027478 A JP2000027478 A JP 2000027478A JP 2000027478 A JP2000027478 A JP 2000027478A JP 2001131213 A JP2001131213 A JP 2001131213A
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polymerization
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JP2000027478A
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Toshifumi Shiratani
俊史 白谷
Munehiro Sakamoto
宗寛 坂本
Kimiya Takeshita
公也 竹下
Kanji Shimizu
完二 清水
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短時間に且つ比較的容易な方法で得られ、しか
も、可視光を散乱せず且つ高濃度で均一に着色された新
規な着色微粒子を提供する。また、着色微粒子の分散体
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】(1)染料を溶解したモノマーのミニエマ
ルション重合法で得られ且つ平均粒子径が90nm以下
である着色微粒子、(2)上記の着色微粒子が水に分散
されている着色樹脂微粒子の分散体、(3)少なくと
も、モノマー、モノマーに溶解可能な染料、界面活性剤
および共界面活性剤を水中で分散乳化させることによ
り、平均粒子径が90nm以下である着色ミニエマルシ
ョンを形成し、次いで、重合開始剤の存在下に重合を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色樹脂微粒子およ
びその分散体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】着色微粒子の一例として、特開平10−
206428号公報には、着色剤として油溶性染料の有
機溶媒溶液中にラテックス粒子群を添加し、加温または
加熱撹拌して油溶性染料をラテックス粒子群に含有させ
ることにより得られ、着色剤含有率が10重量%以上で
ある着色ラテックスが提案されている。また、WO99
/40123号公報には、ミニエマルション重合法で得
られ、平均粒子径が95nm以上で且つ染料含有率が
0.01〜35重量%である着色微粒子が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な染色法により得られる着色ラテックスの場合は、製
造に著しく長い時間を必要とする欠点がある。具体的に
は、上記の特開平10−206428号公報の実施例1
には、着色剤含有率が12.0重量%の着色ラテックス
を得るに際し、45℃で3日間の撹拌処理時間を要して
いる。更に、上記の着色ラテックスの場合は、着色の均
一性も必ずしも十分とは言えず、着色剤の含有率も十分
に高くすることが出来ない。因に、上記の公開公報に
は、実施例2において着色剤含有率が15.6重量%の
着色ラテックスが開示されている。しかも、上記の様な
染色法による場合は、着色ラテックスの製造過程中に染
料の濃度が低下しない様にするための注意深い制御が必
要となる。更に、染料を溶解するために必要な溶媒は、
ラテックス自体を溶解する溶媒であってはならないた
め、例えば、アルコール等に制限され、その結果、斯か
る溶媒に溶解する染料の種類も限定されてしまう欠点が
ある。
【0004】また、WO99/40123号公報に記載
の着色微粒子は、最小のものでも平均粒径が95nmと
大きいため、可視光を散乱し、色純度が低下するという
欠点がある。一般に、着色微粒子を使用したインクや塗
料などは用途により高い透明性が要求されるが、その場
合は、可視光の散乱を極力抑える必要があり、そのた
め、着色微粒子の平均粒径を90nm以下まで小さくす
る必要がある。その理由は次の通りである。すなわち、
一般に、粒子が波長λでの可視光を散乱する効率は、粒
子径がλ/2に相当する粒子の場合に最大となり、粒子
径がλ/4以下に相当する粒子の場合の散乱効率は非常
に小さいとされている。従って、最も短波長の可視光の
波長は380nmであるので、可視光の散乱を極力抑え
るためには粒子径を380nmの1/4以下(約90n
m以下)にすることが望まれる。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、短時間に且つ比較的容易な方法で得
られ、しかも、可視光を散乱せず且つ高濃度で均一に着
色された新規な着色微粒子を提供することにある。更
に、本発明の他の目的は、上記の着色微粒子の分散体お
よびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定の重合手段を採用し且つ得られる着
色微粒子の平均粒径を90nm以下にするならば上記の
目的を容易に達成し得るとの知見を得、次の(1)〜
(5)の本発明の完成に至った。
【0007】(1)染料を溶解したモノマーのミニエマ
ルション重合法で得られ且つ平均粒子径が90nm以下
であることを特徴とする着色微粒子。
【0008】(2)染料含有率が0.01〜50重量%
である上記(1)の着色微粒子。
【0009】(3)染料含有率が1〜40重量%である
上記(1)に記載の着色微粒子。
【0010】(4)上記の何れかに記載の着色微粒子が
水に分散されていることを特徴とする着色樹脂微粒子の
分散体。
【0011】(5)少なくとも、モノマー、モノマーに
溶解可能な染料、界面活性剤および共界面活性剤を水中
で分散乳化させることにより、平均粒子径が90nm以
下である着色ミニエマルションを形成し、次いで、重合
開始剤の存在下に重合を行うことを特徴とする着色微粒
子の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】先ず、説明の便宜上、本発明に係
る着色微粒子の製造方法について説明する。本発明の製
造方法の特徴は、平均粒子径が90nm以下である着色
微粒子の製造方法として、ミニエマルション重合法を採
用した点にある。
【0013】ミニエマルション重合法は、例えば、P.L.
Tang, E.D.Sudol, C.A.SilebiおよびM.S.El-Aasserによ
り、Journal of Applied Polymer Science,第43巻、
1059〜1066頁(1991年)に記載されている。ミ
ニエマルションは、重合可能なモノマーの水性エマルシ
ョンであり、界面活性剤と共界面活性剤(cosurfactan
t)の存在下にモノマーを機械的に微分散することによ
り得られ、その粒径は通常20〜500nmである。重
合には水溶性または油溶性の開始剤を使用することが可
能であり、モノマーの重合は水相中ではなく油滴内で起
こる。この点、水相中のミセルで重合が開始する乳化重
合とは異なる。すなわち、乳化重合法では水相中の界面
活性剤濃度をCMC以上に保ち、重合は油滴中ではなく
界面活性剤ミセル中で起こるためである。
【0014】本発明で使用するモノマーとしては、水に
難溶性であって分散乳化でき、しかも、ラジカル重合ま
たはレドックス重合可能なビニルモノマーであれば制限
なく使用することが出来る。斯かるモノマーの具体例と
しては、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等の重合性不飽
和芳香族類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸などの重合性不飽和カルボン酸類;スチ
レンスルホン酸ソーダ等の重合性不飽和スルホン酸もし
くはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸グリシジル、エチレングリコール−ジ−(メタ)
アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフ
ェニル等の重合性カルボン酸エステル類;(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリ
ルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタ
ジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N
−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル等の不飽和カルボン酸アミド類、重合性不飽和
ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類などが
挙げられる。
【0015】上記の重合性不飽和カルボン酸としては、
二重結合を有する重合性のカルボン酸であれば、特に限
定されず、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸などが挙げられる。また、上記の重合
性不飽和スルホン酸もしくはその塩としては、二重結合
を有する重合性のスルホン酸であれば、特に限定され
ず、例えば、スチレンスルホン酸ソーダが挙げられる。
前記のモノマーは、単独使用の他、2種以上の混合物と
して使用することが出来る。
【0016】本発明においては、2種以上の前記モノマ
ーを使用して共重合することも出来、また、架橋反応を
行うことも出来る。架橋剤としては、例えば、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミ
ド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロール
マレイミド、N−エチロールマレイミド、N−メチロー
ルマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸
エステル、ビニル芳香族酸のN−アルキロールアミド
(例えばN−メチロール−p−ビニルベンズアミド
等)、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド等が
挙げられる。
【0017】また、種々の多官能性化合物もしくはモノ
マーも架橋剤として使用することが出来る。斯かる例と
しては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビ
ニルシクロヘキサン、1,3−ジプロペニルベンゼン、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコール、
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0018】本発明で使用する染料は、モノマーに溶解
し得る限りその種類は特に制限されず、油溶性染料、直
接染料、酸性染料、塩基性染料、アゾイック染料、水性
染料、反応染料などの中から、使用するモノマーの種類
に応じて適宜選択される。本発明においては、特にモノ
マーより水に溶解し難い油溶性染料が好ましく、その具
体例としては、ソルベントブルー、ソルベントレッド、
ソルベントオレンジ、ソルベントグリーン等が挙げられ
る。また、筆記記録液に通常使用されている染料、例え
ば、クマリン系、ペリレン系、ジシアノピニル系、アゾ
系(例えば、ピリドンアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ
系、ベンゼンアゾ系、ヘテロ環アゾ系など)、キノフタ
ロン系、アミノピラゾール系、メチン系、ジシアノイミ
ダゾール系、インドアニリン系、フタロシアニン系も好
適に使用し得る。これらの中では、アゾ系、フタロシア
ニン系、アントラキノン系が好ましい。これらの染料
は、2種以上を混合して使用してもよい。なお、後述の
共界面活性剤が同時に染料である場合は、当該染料のみ
を使用して共界面活性剤の使用を省略してもよい。
【0019】本発明で使用する界面活性剤(乳化剤)と
しては、従来のラテックス重合に使用できるものであれ
ば特に制限されない。例えば、アニオン系界面活性剤と
しては、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼ
ンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、ト
リデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホ
ネート並びにこれらのナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム塩などが挙げられ、カチオン系界面活性剤として
は、セチルトリメチルアンモニウムプロミド、塩化ヘキ
サデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウム等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性
剤としては、ポリビニルアルコールの他、各種のものが
市販されており、例えば、ユニオンカーバイド社製の
「Triton」(X−100、X−114、X−30
5、N−101)、アイ・シー・アイ社製の「Twee
n」(20、40、60、80、85)、アイ・シー・
アイ社製の「Brij」(35、58、76、98)、
シェル社製の「Nonidet」(P−40)、ローヌ
・プーラン社製の「Igepol」(CO530、CO
630、CO720、CO730)等が挙げられる。
【0020】本発明で使用する共界面活性剤(補助安定
剤)としては、ミニエマルション重合法で使用されてい
る公知のものを適宜使用することが出来る。適当な共界
面活性剤の例としては、(a)C8〜C30−アルカ
ン、例えばヘキサデカン、(b)C8〜C30(好まし
くはC10〜C30、更に好ましくはC12〜C30)
−アルキルアクリレート、例えば、ステアリルメタクリ
レート、ドデシルメタクリレート、(c)C8〜C30
−アルキルアルコール、例えばセチルアルコール、
(d)C8〜C30−アルキルチオール、例えばドデシ
ルメルカプタン、(e)ポリマー、例えばフリーラジカ
ル重合したポリマー、ポリアダクト、例えばポリウレタ
ンまたは重縮合物、例えば、ポリエステル、ポリスチレ
ン、(f)その他、カルボン酸類、ケトン類、アミン
類、香料など挙げられる。本発明においては、水に対す
る溶解度がモノマーより低い共界面活性剤を選択して使
用するのが好ましい。
【0021】本発明で使用する重合開始剤としては、ラ
ジカル系重合開始剤およびレドックス系重合開始剤の何
れであってもよい。
【0022】ラジカル系重合開始剤の例としては、例え
ば2,2’− アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
− アゾビス−(2−メチルプロパンニトリル) 、2,
2’− アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリ
ル) 、2,2’− アゾビス−(2−メチルブタンニト
リル) 、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカル
ボニトリル) 、2,2’− アゾビス−(2,4-ジメ
チル−4−メトキシバレロニトリル) 、2,2’− ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’− アゾビス−(2−アミジノプロパン)ヒドロク
ロリド等のアゾ(アゾビスニトリル)タイプの開始剤、
過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化
水素、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過硫酸塩
(例えば過硫酸アンモニウム)、過酸エステル(例えば
t−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバ
レート及びt−ブチルペルオクテート)等の過酸化物タ
イプの開始剤が挙げられる。
【0023】レドックス系開始剤としては、例えば、ア
スコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキシ二硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキ
シメタンスルフィン酸が挙げられる。なお、個々の成
分、例えば還元成分は、混合物、例えばヒドロキシメタ
ンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムと
の混合物であってもよい。
【0024】本発明においては、得られる着色微粒子の
安定化を改良するため、従来公知の酸化防止剤、紫外線
吸収剤などをミニエマルションに添加することが出来
る。
【0025】先ず、本発明の製造方法においては染料含
有率が0.01重量%以上であるミニエマルションを調
製する。斯かるミニエマルションの調製は、公知の方法
を利用し、界面活性剤の水溶液(A液)と共界面活性剤
と染料とのモノマー溶液(B液)とを高度なせん断混合
装置によって均一に乳化する方法で行うことが出来る。
この際、界面活性剤の使用量は、形成されるミニエマル
ションの存在下において臨界ミセル濃度(CMC)以下
となる様に選択され、共界面活性剤の使用量は、モノマ
ーに対して通常0.1〜40重量%の範囲から選択さ
れ、水に対するモノマーの使用量(重量比)は通常0.
1〜50%の範囲から選択される。上記の染料含有率は
ミニエマルションを形成するモノマーに対する染料の重
量%を意味する。染料含有率は、好ましくは0.01〜
50重量%、更に好ましくは1〜40重量%の範囲であ
る。また、せん断混合装置としては、例えば、ピストン
ホモジナイザー、マイクロ流動化装置(Microfluidize
r:登録商標)、超音波分散機などが使用される。得ら
れるミニエマルションの粒子径は、90nm以下とされ
るが、好ましくは10〜90nm、更に好ましくは20
〜90nm、更に好ましくは20〜80nmである。斯
かる粒子径は、乳化時のせん断力によって調節すること
が出来る。
【0026】次いで、本発明の製造方法においては、重
合開始剤の存在下にミニエマルションの重合を行う。重
合開始剤は、前記のA液およびB液の何れに添加しても
よく、その使用量は、モノマーに対し、通常0.1〜3
0重量%の範囲から選択される。重合温度は、通常30
〜95℃、好ましくは50〜95℃の範囲から選択され
る。また、重合時間は通常5〜6時間以内で十分であ
る。ミニエマルション重合法を利用した本発明の製造方
法は、マイクロエマルション重合法と異なって界面活性
剤の使用量が極めて少量(通常CMC以下)であるた
め、精製などの特別な後処理を必要としない。
【0027】次に、本発明の着色樹脂微粒子およびその
分散体について説明する。本発明の着色樹脂微粒子は、
染料を溶解したモノマーのミニエマルション重合法で得
られ且つ染料含有率が10重量%以上であることを特徴
とし、本発明に係る着色樹脂微粒子の分散体は、上記の
着色微粒子が水に分散されていることを特徴とする。
【0028】前述の本発明の製造方法によれば、直接的
には着色樹脂微粒子の分散体が得られる。従って、本発
明の着色微粒子は上記の分散体から分離した後に必要に
応じて乾燥することにより得られる。また、着色微粒子
を分離して乾燥した後に再び水などに分散させて分散体
にすることも出来る。
【0029】本発明の着色微粒子の粒径は、90nm以
下とされるが、好ましくは10〜90nm、更に好まし
くは20〜90nm、更に好ましくは20〜80nmで
ある。そして、本発明の着色微粒子の染料含有率は、好
ましくは0.01〜50重量%、更に好ましくは15〜
40重量%の範囲である。この様に粒径が小さく且つ染
料濃度が高い着色微粒子は、通常の乳化重合では得られ
ず、ミニエマルション重合法で得られる。
【0030】そして、本発明の着色微粒子は、粒径が小
さいため、散乱光による白色化(色純度不足)が問題と
ならず、着色層の薄膜化に優れる。また、本発明の着色
微粒子は、染料含有率が高いため、着色性が要求される
各種の用途に効率的に使用することが出来る。勿論、本
発明の着色微粒子は染料の脱着よる色褪せがない。本発
明の着色微粒子(及びその水分散体)の特に好適な用途
は、インクジェットプリンター用インク、印刷機用水性
インク、筆記具用水性インク、水性塗料、化粧品である
が、本発明の着色微粒子(及びその水分散体)は、トナ
ー、コーティング剤、診断薬用担体などとしても有用で
ある。
【0031】なお、本発明においては、前記の方法で得
られた本発明の着色微粒子(及びその水分散体)に対
し、必要に応じ、コアシェル構造などの複合化処理を行
うことも出来る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1(青色着色微粒子の製造) 蒸留水80gに炭酸水素ナトリウム0.0179gとド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
0.345gを添加して溶解し、溶液Aを調製した。ス
チレン16gに共界面活性剤兼用のフタロシアニン系青
色染料(チバ スペシャルティ ケミカルズ製「 ORASOL
BLUE GL」Solvent blue60)4gを添加して溶解し、溶
液Bを調製した。溶液Aに溶液Bを注入し、スターラー
で10分間攪拌した後、超音波分散機にて所定時間超音
波処理を行った。ミニエマルション中の染料の濃度は2
0重量%であった。得られたミニエマルションを4つ口
フラスコに移し、15分間窒素置換した後、所定量の過
硫酸カリウム水溶液を添加し、4時間80℃に加熱して
重合を行った。その後、冷却して表面に油層がない青色
液体を得た。後述の方法によるスチレンの転化率は約9
0%であり、得られた着色微粒子の粒径は後述の方法に
よる動的光散乱測定の結果、平均で約85nmであっ
た。また、動的光散乱測定に使用した分散液は、透明で
あり可視光を散乱していなかった。
【0034】(1)スチレンの転化率:スチレンの転化
率は、スチレンモノマーが重合する割合を意味し、重合
後の溶液を所定量サンプリングし、加熱により水とスチ
レンモノマーを蒸発させ、残存している重量から算出し
た。
【0035】(2)動的光散乱測定:マイクロトラック
社製「Microtrack UPA」を使用し、動的光散乱法にて
行った。
【0036】実施例2(マゼンタ着色微粒子の製造) 蒸留水80gに炭酸水素ナトリウム0.09gとラウリ
ル硫酸ナトリウム(界面活性剤)4.14gを添加して
溶解し、溶液Aを調製した。スチレン17gにステアリ
ルメタクリレート(共界面活性剤)0.6gとアゾ系マ
ゼンタ染料「HSR-2150」(三菱化学社製)2.
5gと「 HSR-2164」(三菱化学社製)0.5g
を添加して溶解し、溶液Bを調製した。以下、実施例1
と同様にミニエマルションの調製および重合を行った。
その後、ロータリーエバポレーターで未反応のスチレン
モノマーを除去し、更に、濾過により沈殿物を除去し
た。上記において、ミニエマルション中の染料の濃度は
15重量%であった。スチレンの転化率は約80%であ
り、得られた着色微粒子の粒径は平均で約20nmであ
った。また、動的光散乱測定に使用した分散液は、透明
であり可視光を散乱していなかった。
【0037】比較例1 蒸留水80gに炭酸水素ナトリウム0.09gとラウリ
ル硫酸ナトリウム(界面活性剤)0.92gを添加して
溶解し、溶液Aを調製した。スチレン16gにステアリ
ルメタクリレート(共界面活性剤)0.4gとアゾ系マ
ゼンタ染料「HSR-2150」(三菱化学社製)4g
とを添加して溶解し、溶液Bを調製した。以下、実施例
1と同様にミニエマルションの調製および重合を行っ
た。その後、ロータリーエバポレーターで未反応のスチ
レンモノマーを除去し、更に、濾過により沈殿物を除去
した。スチレンの転化率は約50%であり、得られた着
色微粒子の粒径は平均で約180nmであった。また、
動的光散乱測定に使用した分散液は、薄くマゼンタ色に
着色した乳白色であり可視光を散乱していた。
【0038】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、短時間に
且つ比較的容易な方法で得られ、しかも、可視光を散乱
せず且つ高濃度で均一に着色された新規な着色微粒子が
提供される。
フロントページの続き (72)発明者 竹下 公也 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 清水 完二 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA08 KA01 KA04 KA08 KA16 KA28 KB08 PA23 PA27 PA35 PA38 PA43 PA44 PB25 4J039 AD03 AD04 AD05 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AD15 AD23 BE02 BE03 BE04 BE05 BE06 BE07 BE22 CA06 DA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を溶解したモノマーのミニエマルシ
    ョン重合法で得られ且つ平均粒子径が90nm以下であ
    ることを特徴とする着色微粒子。
  2. 【請求項2】 染料含有率が0.01〜50重量%であ
    る請求項1に記載の着色微粒子。
  3. 【請求項3】 染料含有率が1〜40重量%である請求
    項1に記載の着色微粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の着色微粒
    子が水に分散されていることを特徴とする着色樹脂微粒
    子の分散体。
  5. 【請求項5】 少なくとも、モノマー、モノマーに溶解
    可能な染料、界面活性剤および共界面活性剤を水中で分
    散乳化させることにより、平均粒子径が90nm以下で
    ある着色ミニエマルションを形成し、次いで、重合開始
    剤の存在下に重合を行うことを特徴とする着色微粒子の
    製造方法。
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