JP2011046921A - 着色粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単分散性が良好でかつ微細な着色粒子を提供すること。
【解決手段】 染料及び分散剤を含有する着色粒子であって、該着色粒子の平均粒子径は10nm以上80nm以下であり、該染料の式(1)で表される溶解性指数は9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは式(2)の関係を満たすことを特徴とする着色粒子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、着色粒子に関する。
顔料等の着色粒子を含有したインクを記録媒体に付与する際、着色粒子が微細化されたものであると、記録媒体上での着色粒子による光散乱を抑制することができる。従って、インク液の着色粒子の含有量増加に伴い、記録媒体上での画像濃度を良好に高めることができる。また、微細な着色粒子は記録媒体のインク受容層や支持体の細孔に密に充填しやすく、これらと物理的に相互作用し、耐擦過性が良好である。
着色粒子の微細化手段としては、従来、サンドミルやロールミル、ボールミル等の分散機を用いて機械的に行う方法がある(特許文献1、2参照)。
特開平05−112732号公報 特開平08−302229号公報
しかしながら、特許文献1及び2のような機械的な微細化方法では、過分散に起因する着色粒子の再凝集が生じるため、粒径を90nm程度にまで微細化するのが限界である。加えて、これらの方法によってさらなる微細化を試みることは、多大な処理時間や処理電力を要するため、製造コストの観点から現実的ではない。また、着色粒子を機械的に微細化すると、単分散性が損なわれる点も課題である。
従って、本発明の目的は、単分散性が良好でかつ微細な着色粒子を提供することである。
本発明の目的は、下記構成により達成される。即ち本発明は、染料及び分散剤を含有する着色粒子であって、該着色粒子の平均粒子径は10nm以上80nm以下であり、該染料の水に対する下記式(1)で表される溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは、下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする着色粒子である。
式(1)
溶解性指数=log(1/(染料の水溶解度<mol/L>))
式(2)
3/2≦(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)
(但し、着色粒子の染料の含有量、着色粒子の分散剤の含有量は共に質量基準である。)
本発明によれば、単分散性が良好でかつ微細な着色粒子を提供することができる。
本発明の着色粒子の製造方法を示す図である。 本発明のミニエマルションの粒径分布を示す図である。
本発明は、染料及び分散剤を含有する着色粒子であって、該着色粒子の平均粒子径は10nm以上80nm以下であり、該染料の下記式(1)で表される溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする着色粒子である。
式(1)
溶解性指数=log(1/(染料の水溶解度<mol/L>))
式(2)
3/2≦(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)
(但し、着色粒子の染料の含有量、着色粒子の分散剤の含有量は共に質量基準である。)
本発明における着色粒子は、水中における平均粒子径が10nm以上80nm以下である。好ましくは、50nm以下である。この範囲であると、記録媒体に画像を形成した際の、着色粒子による光散乱を抑制し、画像濃度を高めることができる。また、インク受容層や支持体に存在する微細孔と物理的に相互作用し、耐擦過性を向上させることができる。一方、10nm未満では、記録媒体に画像を形成した場合に、耐光性や耐ガス性が良好でなくなる傾向がある。また、80nmを超えると、記録媒体に画像を形成した場合に、光散乱によって画像濃度が低下したり、耐擦過性が低下する傾向がある。本発明の水中における平均粒子径は、動的光散乱法によって測定した値である。動的光散乱法による粒子径測定装置としては、例えば、DLS8000(大塚電子製)が挙げられる。
本発明において、着色粒子の平均粒子径の変動係数は60%以下であることが好ましい。より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。変動係数が60%より大きい場合には、水性インクとした場合の分散安定性が低下し、保存安定性や吐出安定性が劣化することがある。また、変動係数が60%より大きい場合には、記録媒体に画像を形成した場合に、インク受容層及び支持体の細孔への充填率やこれらとの相互作用が起こりづらく、耐擦過性が劣化する傾向がある。
本発明における着色粒子の平均粒子径の変動係数は、着色粒子の平均粒子径、及びその標準偏差から、下記式(3)で算出する。変動係数の算出は、乾燥状態、あるいは水中における平均粒子径の何れにも適用可能である。
式(3)
変動係数<%>=((着色粒子の粒子径の標準偏差)/(着色粒子の平均粒子径))×100
また、本発明において、着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは、式(2)の関係を満たす。(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)は、好ましくは7/3以上である。また、9/1以下である。3/2より小さいと、記録媒体に付与した際に、記録画像の画像濃度が不充分となる傾向がある。これは、実質的に発色に寄与しない分散剤が染料に対して多すぎるためである。また、9/1より大きい場合には、水性インクとした場合に十分な分散安定性を確保出来ない場合がある。
本発明における着色粒子の平均アスペクト比とは、前記着色粒子の分散質、即ち染料から構成される色材粒子の数に基づく平均アスペクト比(長径/短径)を意味する。本発明の着色粒子は、平均アスペクト比を1.0以上1.2以下として、真球性を高めたものとすることが好ましい。このような着色粒子は、水性インクとして用いる場合に良好な流動性を示すため、吐出特性において有利である。本発明における平均アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による観察画像から得られる色材粒子の長径と短径、1000個以上を計測し、その平均値を数平均で算出することで得られる。
本発明の着色粒子が有する染料とは、pH6.0〜11.0の水に対する式(1)で表される溶解性指数が9.20以上であることを特徴とする。式(1)で表される溶解性指数は、値が小さいほど染料の水溶解性が高く、大きいほど水溶解性が低いことを意味する。染料の溶解性指数は、水のpHに依存して変化する場合がある。本発明では、着色粒子の製造過程において、分散質中の染料が分散媒(第2の液体)に溶解してしまうと、水に微量ながら溶解する染料が着色粒子の分散安定性に影響を与えるため、単分散性が良好でかつ微細な着色粒子を得ることが困難となる。本発明の第2の液体は水であるが、そのpHの範囲は、広くても6.0〜11.0の範囲である。従って、水のpHが6.0〜11.0の間、常に染料の溶解性指数が9.20以上である、即ち6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても染料の溶解性指数が9.20以上であることにより、着色粒子を安定に形成することができる。
本発明における溶解性指数は、従来公知の実験方法によって染料のpH6.0〜11.0の水に対する溶解度(mol/L)を実測し、その値を式(1)に代入することによって算出可能である。本発明の溶解性指数は、ACD/Structure Design Suite(富士通製)によって算出される染料の水に対する溶解度(mol/L)を式(1)に代入することによって算出してもよい。本発明者らは、このようにして算出される溶解性指数と実験結果が極めてよく一致することを確認している。尚、金属錯体色素や造塩染料等においては、金属や塩を除外した状態でACD/Structure Design Suiteによって溶解度を算出し、その値をもとに溶解性指数を算出する必要がある。
本発明の染料は、上記内容を満たすものであれば、分散染料や金属錯体染料、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料等、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料等も含む。
また、本発明の着色粒子は、紫外線吸収剤や防腐剤、その他の添加物を助剤として含有してもよい。
次に、本発明の着色粒子の製造方法を説明する。本発明の着色粒子の製造方法は、第1の液体と染料とを混合した混合液と、第2の液体とを乳化して分散質を含有したミニエマルションを得る乳化工程と、該分散質から該第1の液体を除去する除去工程とを有する。上記染料水に対する下記式(1)で表される溶解性指数は、6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは下記式(2)の関係を満たす。
式(1)
溶解性指数=log(1/(染料の水溶解度<mol/L>))
式(2)
3/2≦(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)
本発明の着色粒子の製造方法を図1を用いて説明する。図1において、混合液Aは、第1の液体11に染料10を混合した液体である。この時、染料10が第1の液体11に溶解していることが、目的とする着色粒子を得る点で好ましい。次に、乳化工程において、混合液Aと第2の液体12を、分散剤13を介して乳化する。これにより、分散質14を有するミニエマルションBを得る。分散質14は、染料10と第1の液体11とを、分散剤13によって第2の液体12に分散させたものである。次に、除去工程において、分散質14から第1の液体11を除去し、分散質15を形成する。分散質15は、染料10を分散剤13によって第2の液体12に分散させたものである。この分散質15が、本発明の着色粒子である。
本発明では、除去工程後に、着色粒子及び第2の液体12で構成される液体組成物から、着色粒子の分散に関与しない分散剤等を精製・除去する精製工程を行うことが好ましい。尚、精製工程においては、除去工程で生じる可能性のある蒸発残留物等の不純物を精製・除去してもよい。
本発明における第1の液体は、本発明の第2の液体への溶解性が小さく、第2の液体と混合した際に界面を形成する有機溶剤である。第1の液体は、常温(20℃)において、第2の液体97質量%に対して3質量%以下の溶解する溶解性を有することが好ましい。この条件を満たせば、乳化工程においてミニエマルションを良好に形成できる。また、第1の液体として、第2の液体よりも沸点が小さい揮発性有機溶剤を用いると、ミニエマルション中の分散質から第1の液体を良好に除去できる。また、第1の液体は、常温(20℃)において本発明の染料を1質量%以上溶解する有機溶剤であることが好ましい。第1の液体となる有機溶剤の具体例を以下に例示する。例えば、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチルエーテル、イソブチルエーテル等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)が挙げられる。
本発明における第2の液体は、水である。第2の液体として用いる水は、本発明の第1の液体への溶解性が小さく、第1の液体と混合した際に界面を形成することができる。第2の液体として用いる水は、従来公知の酸試薬(塩酸等)や塩基試薬(水酸化カリウム等)によってpHを調製した水であっても良い。第2の液体として用いる水は、分散剤や水混和性有機溶剤を添加して水溶液としてもよいが、この場合、水含有率は50質量%以上である必要がある。第2の液体が上記条件を満たす場合に、乳化工程においてミニエマルションを良好に形成することができる。
本発明では、ミニエマルションや着色粒子の分散安定性を維持することを目的として、第1の液体、あるいは第2の液体の何れか一方、あるいは両方が分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては特に分子量1000以下の低分子分散剤が好ましい。分子量1000を超えるような高分子量の分散剤(以下、高分子分散剤と呼ぶ)を用いる場合、第1の液体、もしくは第2の液体、あるいは両方の液体の粘性が大きくなるため、乳化工程におけるミニエマルション形成が困難となる。また、一般に、高分子分散剤の分散力は低分子分散剤に劣るため、低分子分散剤と同様の分散安定性をミニエマルションや目的物である着色粒子に付与するためには、多量の高分子分散剤が必要となる。この結果、本発明で規定する式(2)を満たすことが難しくなり、良好な画像濃度を発現しにくくなる。また、高分子分散剤は分散質から除去することが難しく、式(2)を満たすことが困難となる。低分子分散剤としては、従来公知のアニオン性分散剤やカチオン性分散剤、ノニオン性分散剤を使用することが出来る。アニオン性分散剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート並びにこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性分散剤としては、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。ノニオン性分散剤としては、例えばオキシエチレン系アルキルエーテルが挙げられる。
本発明におけるミニエマルションは、染料と第1の液体の混合液を分散質として有する。また、本発明におけるミニエマルションは、図2に示すように、実質的に1ピークの粒径分布を有するものである。粒径分布が1ピークであるため、目的物である着色粒子の単分散性が大きく向上する。分散質の動的光散乱法に基づく平均粒子径は10nm以上1000nm以下であることが好ましい。本発明では、染料を溶解した第1の液体と第2の液体とを乳化してミニエマルションとし、さらにミニエマルションの分散質を鋳型にし、その後分散質から第1の液体を除去し、目的の分散液を得る。一方で、ミニエマルションではなく、通常の多分散エマルションや懸濁液の分散質を鋳型とした場合には、本発明の目的である、小粒径、単分散な分散液を得ることが困難である。
本発明では、油性溶剤に可溶であり、且つ、水性溶媒に対する溶解度が0.01g/L以下であるハイドロホーブ(疎水性物質)を油性溶剤に含有させておくことが好ましい。油性溶剤に可溶とは、常温(20℃)において、油性溶剤97質量%に対して3質量%以上溶解することをいう。こうすることで、エマルションを安定化しやすくなる。ハイドロホーブの具体例としては、例えば、ヘキサデカン、スクアラン、シクロオクタン等の炭素数8以上30以下の直鎖、分岐鎖、環状アルカン類、ステアリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等の炭素数8以上30以下のアルキルアクリレート、セチルアルコール等の炭素数8以上30以下のアルキルアルコール、デシルメルカプタン等の炭素数8以上30以下のアルキルチオール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン等のポリマー類、長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸類、長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸エステル類、長鎖脂肪族又は芳香族アミン類、ケトン類、ハロゲン化アルカン類、シラン類、シロキサン類、イソシアネート類等が挙げられる。このうち好ましくは、炭素数12以上のアルカン類である。また、炭素数20以下のアルカン類である。
本発明のように、式(1)で表される溶解度指数が9.20以上の疎水性染料を用いる場合、安定なミニエマルションを形成することが出来る。本発明における溶解度指数9.20以上の染料は、ハイドロホーブと同様のメカニズムによってミニエマルションを安定化し、目的物である着色粒子の単分散性向上に寄与すると考えられる。
本発明の乳化工程では、例えば、高せん断型ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、薄膜旋回高速ミキサー等、機械的エネルギー付与に基づく従来公知の乳化方法を適用することが出来る。中でも、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、薄膜旋回高速ミキサーを適用することが好ましい。また、本発明のミニエマルションは、SPG膜を利用する膜乳化や、マイクロチャネル乳化法やマイクロ流路分岐乳化法等のマイクロリアクター等、界面化学的なメカニズムに基づく乳化方法によっても得られる。これらの方法は、単独で用いることも、あるいは複数を組み合わせて用いることもできる。また、本発明のミニエマルションは1段階の乳化によって調製しても良いし、多段階の乳化によって調製しても良い。
本発明の除去工程における第1の液体の除去操作は、従来公知の何れの方法をも適用可能であるが、スループットの観点から減圧操作、あるいは透析操作、もしくはその両方を適用することが好ましい。除去工程として減圧操作を適用する場合、有機溶剤として揮発性有機溶剤が好適である。このような減圧操作には、例えば、エバポレーターのような従来公知の減圧装置を利用することができる。除去工程として透析操作を適用する場合、半透膜を用いる静的透析法の他、例えば限外ろ過装置のような従来公知の透析装置を利用することができる。
一般的な着色粒子の製造方法である高分子分散剤を用いるタイプの転相乳化法では、分散剤が着色粒子の表面と内部に分配することになる。これに対し、本発明の製造方法によれば、分散剤はほぼ着色粒子の表面にのみ分配することになる。従って、本発明の製造方法によれば、式(2)で示す通り、着色粒子の分散剤含有量に対して着色粒子の染料含有量をより多くすることができる。
本発明では、第1の液体の除去工程後、さらに減圧操作によって生じる蒸発残留物等の不純物や、過剰分散剤を取り除く精製工程を行ってもよい。精製工程として、従来公知の何れの方法をも適用可能であるが、半透膜による静的透析法や限外ろ過装置のような透析装置を利用する透析操作を適用することが好ましい。上記した除去工程として透析操作を適用する場合、除去工程と精製工程を同時に行うことも可能である。
以下、本発明の着色粒子、及びその製造方法の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。尚、実施例中で「部」或いは「%」とあるのはいずれも質量基準である。
<実施例1>
97.5gのクロロホルムに、下記染料1を5.0g添加して混合し、染料1を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム6.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料1のpH6.0の水に対する溶解性指数は、9.28であった。また、染料1の溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が650nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに透析によって精製した後、蒸留水中に再分散して目的の着色粒子1を得た。着色粒子1をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径48nm、変動係数56%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.2であった。
次に、前記着色粒子1を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料1のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子1の染料1の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子1の染料1の含有量)/(着色粒子1の分散剤の含有量)=71/29であり、3/2よりも大きな値であった。
Figure 2011046921
<実施例2>
97.5gのクロロホルムに、下記染料2を5.0g添加して混合し、染料2を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム6.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料2のpH6.0の水に対する溶解性指数は、9.55であった。また、染料2の溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が630nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散することで目的の着色粒子2を得た。着色粒子2をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径43nm、変動係数49%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.17であった。
次に、前記着色粒子2を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料2のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子2の染料2の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子2の染料2の含有量)/(着色粒子2の分散剤の含有量)=65/35であり、3/2よりも大きな値であった。
Figure 2011046921
<実施例3>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を7.0g添加して混合し、染料3を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム6.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH6.0の水に対する溶解性指数は、12.06であった。また、染料3の溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が810nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散することで目的の着色粒子3を得た。着色粒子3をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径76nm、変動係数58%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.13であった。
次に、前記着色粒子3を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子3の染料3の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子3の染料3の含有量)/(着色粒子3の分散剤の含有量)=73/27であり、3/2よりも大きな値であった。
Figure 2011046921
<実施例4>
0.95gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を0.5g添加して混合し、染料3を溶解させた混合液を得た。この混合液を、4gの水(ドデシル硫酸ナトリウム0.8g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、10分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH6.0の水に対する溶解性指数は、上述の通り12.06であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が142nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散することで目的の着色粒子4を得た。着色粒子4をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径12nm、変動係数59%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.10であった。
次に、前記着色粒子4を凍結乾燥することによって乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子4の染料3の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子4の染料3の含有量)/(着色粒子4の分散剤の含有量)=65/41であり、3/2よりも大きな値であった。
<実施例5>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を7.0g添加して混合し、染料3を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム7.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH6.0の水に対する溶解性指数は、上述の通り12.06であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が770nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散することで目的の着色粒子5を得た。着色粒子6をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径45nm、変動係数52%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.10であった。
次に、前記着色粒子5を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子5の染料3の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子5の染料3の含有量)/(着色粒子5の分散剤の含有量)=3/1であり、3/2よりも大きな値であった。
<比較例1>
97.5gのクロロホルムに下記染料4を5.0g添加して混合し、染料4を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム6.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料4のpH6.0の水に対する溶解性指数は、9.10であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が720nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、24時間攪拌保存したところ、凝集沈殿が生じ、着色粒子として再分散させることができなかった。
Figure 2011046921
<比較例2>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue35(染料5)を5.0g添加して混合し、染料5を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム6.0g含有、水酸化カリウムによりpH11.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料5のpH11.0の水に対する溶解性指数は、8.16であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が690nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、24時間攪拌保存したところ、凝集沈殿が生じ、着色粒子として再分散させることができなかった。
<比較例3>
実施例3において、分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムを、結果として得られる着色粒子が(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)=6/7となるように添加した。これ以外は実施例3と同様にして、着色粒子6を得た。
<比較例4>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を5.0g添加して混合し、染料3を溶解させた混合液を得た。この混合液を、400gの水(ドデシル硫酸ナトリウム1.0g含有、塩酸によりpH6.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH6.0の水に対する溶解性指数は、上述の通り12.06であった。しかしながら、このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、複数ピークの粒径分布を有しており、ミニエマルションではなかった。このエマルションは分散質の分散安定性に乏しく、平均粒子を決定することが出来なかった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散したところ、分散物と凝集物が同時に得られたため、凝集物をフィルター除去して分散物のみを単離することで着色粒子7を得た。着色粒子7をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布はブロードであるものの1ピークを示し、平均粒子径96nm、変動係数62%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.15であった。
次に、前記着色粒子7を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子7の染料3の含有量と分散剤であるドデシル硫酸ナトリウムの含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子7の染料3の含有量)/(着色粒子7の分散剤の含有量)=39/11であった。
<比較例5>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を1.0gとスチレン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量:5000、酸価:180mg・KOH/g)を4.0gとを添加して混合した。これにより、クロロホルムに染料3とスチレン−アクリル酸共重合体とを溶解させた混合液を得た。この混合液を、水(水酸化カリウムによりpH11.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH11.0の水に対する溶解性指数は、上述の通り12.06であった。このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、1ピークの粒径分布を有し、平均粒子径が790nmの分散質を有するミニエマルションであった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散することで目的の着色粒子8を得た。着色粒子8をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布は1ピークであり、平均粒子径72nm、変動係数59%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.12であった。
次に、前記着色粒子8を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子8の染料3の含有量と分散剤であるスチレン−アクリル酸共重合体の含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子8の染料3の含有量)/(着色粒子8の分散剤の含有量)=11/43であり、3/2よりも小さな値であった。
<比較例6>
97.5gのクロロホルムに、Solvent Blue97(染料3)を3.1gとスチレン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量:5000、酸価:180mg・KOH/g)を1.9gとを添加して混合した。これにより、クロロホルムに染料3とスチレン−アクリル酸共重合体とを溶解させた混合液を得た。この混合液を、水(水酸化カリウムによりpH11.0に調整)に加えた。さらに、超音波ホモジナイザー(200W)にて4℃、20分間の乳化処理を行い、エマルションを形成した。染料3のpH11.0の水に対する溶解性指数は、上述の通り12.06であった。しかしながら、このエマルションをDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、複数ピークの粒径分布を有しており、ミニエマルションではなかった。このエマルションは分散質の分散安定性に乏しく、平均粒子を決定することが出来なかった。
次に、エバポ―レータで減圧して、前記分散質からクロロホルムを除去し、さらに限外ろ過によって精製した後、蒸留水中に再分散したところ、分散物と凝集物が同時に得られたため、凝集物をフィルター除去して分散物のみを単離することで着色粒子9を得た。着色粒子9をDLS8000(大塚電子製)によって評価したところ、粒径分布はブロードであるものの1ピークを示し、平均粒子径162nm、変動係数68%であった。さらに、透過型電子顕微鏡によって観察したところ、平均アスペクト比は1.17であった。
次に、前記着色粒子9を凍結乾燥することによって色材粒子を乾固させ、さらにクロロホルムに溶解させた後、吸光度測定によって極大吸収波長、及びその吸光強度を評価した。前記吸光強度を、所定濃度に調製した染料3のクロロホルム溶液の吸光度測定から得られる検量線と比較し、着色粒子9の染料3の含有量と分散剤であるスチレン−アクリル酸共重合体の含有量の割合を測定した。
この結果、
(着色粒子9の染料3の含有量)/(着色粒子9の分散剤の含有量)=30/19であった。
以上の実施例及び比較例の結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2011046921
<画像濃度評価>
着色粒子6を、水及びグリセリンを含有した水溶液に添加し、染料含有量5.0%、グリセリン含有量10.0%であるインク組成物1を調整した。また、着色粒子3を、水及びグリセリンを含有した水溶液に添加し、染料含有量5.0%、グリセリン含有量10.0%であるインク組成物2を調整した。
インク組成物1及び2を用い、ピエゾ型インクジェットプリンター(PX−V630、エプソン製)によって記録媒体(オフィスプランナー、キヤノン製)に印字画像を形成し、印字画像を目視で評価した。この結果、インク組成物2で形成される印字画像は、インク組成物1で形成される印字画像と比較して、明らかに鮮明で、高い画像濃度を有するものであった。
<耐擦過性評価>
着色粒子3、着色粒子5、着色粒子7をそれぞれ、水及びグリセリンを含有した水溶液に染料含有量5.0%、グリセリン含有量20.0%になるように添加し、インク組成物3、インク組成物4及びインク組成物5を調整した。
インク組成物3、インク組成物4及び5を用い、ピエゾ型インクジェットプリンター(PX−V630、エプソン製)によって記録媒体(オフィスプランナー、キヤノン製)に印字画像を形成した。得られた各印字画像を室温で1日放置した後、各印字画像を、約500g過重となるよう指先で擦った(擦過)。その後、各印字画像を目視で確認して、耐擦過性の評価を行った。耐擦過性の評価基準は下記の通りである。
A:画像の表面に尾引きが生じなかった。
B:画像の表面に若干尾引きが生じたものの、記録媒体から色材が剥がれ落ちることはなかった。
C:画像の表面に尾引きが残り、かつ、記録媒体から色材がわずかに剥がれ落ちた。
この結果を表2にまとめて示す。
Figure 2011046921
印字画像の耐擦過性は、着色粒子の平均粒子径に依存し、80nm以下である場合に良好で、さらに50nm以下では特に良好であることが確認された。

Claims (5)

  1. 染料及び分散剤を含有する着色粒子であって、
    該着色粒子の平均粒子径は10nm以上80nm以下であり、該染料の水に対する下記式(1)で表される溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする着色粒子。
    式(1)
    溶解性指数=log(1/(染料の水溶解度<mol/L>))
    式(2)
    3/2≦(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)
    (但し、着色粒子の染料の含有量、着色粒子の分散剤の含有量は共に質量基準である。)
  2. 前記着色粒子の平均粒子径の変動係数は60%以下である請求項1に記載の着色粒子。
  3. 前記着色粒子の平均アスペクト比は1.0以上1.2以下である請求項1または2に記載の着色粒子。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の着色粒子を含有するインク組成物。
  5. 染料及び分散剤を含有する着色粒子の製造方法であって、
    第1の液体と染料とを混合した混合液と、第2の液体とを乳化して分散質を含有したミニエマルションを得る乳化工程と、該分散質から該第1の液体を除去する除去工程とを有し、
    該染料の水に対する下記式(1)で表される溶解性指数は、pH6.0〜11.0のいずれのpHの水に対しても9.20以上であり、該着色粒子の染料含有量と分散剤含有量とは下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする着色粒子の製造方法。
    式(1)
    溶解性指数=log(1/(染料の水溶解度<mol/L>))
    式(2)
    3/2≦(着色粒子の染料の含有量)/(着色粒子の分散剤の含有量)
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