JP3829098B2 - 保存安定性に優れたインクジェット用水性組成物の製造方法、その方法によって製造されたインクジェット用組成物及び該組成物を含むインクジェット用記録液 - Google Patents
保存安定性に優れたインクジェット用水性組成物の製造方法、その方法によって製造されたインクジェット用組成物及び該組成物を含むインクジェット用記録液 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料分散性、保存安定性、吐出安定性に優れたインクジェット用水性組成物の製造方法、その方法によって製造されたインクジェット用組成物及び該組成物を含むインクジェット用記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキや塗料を使用する分野では、取り扱いの容易性、安全性、環境問題、等の点から、水性化が急速に進んでいる。この目的で、インクジェット用インク組成物として、染料と水性媒体とからなる染料系の水性インク組成物が普及している。
【0003】
一方、これらの染料系の水性インク組成物では、染料の性質上、印刷物の耐光性、耐候性及び耐水性に劣ると言う問題があり、この問題を解決するために、染料に換えて顔料を用いることが検討されるようになった。
【0004】
しかし、顔料、特に有機顔料は、水中に分散させる場合に、水の表面張力が大きいことから、非水系に分散させるのに比べて、水系に分散させるのは極めて困難である。
【0005】
また、インクジェット用インク組成物おいて使用される着色剤としての顔料は、印刷の際に吐出安定性、発色性、透明性等を上げるためにできるだけ微細化し、微細化の状態が安定に保持されるのが望ましい。特に、インクジェット用組成物は、低粘度で高い色濃度が要求されることから、印刷用インクに比べて、顔料が一層高度に微細化されることが要求され、かかる微細化要求を満足させ得る顔料の分散機として、ビーズミル、ロールミル等が主流となってきた。また、ビーズミルの分散メディアも、ガラスビーズから、一層硬度の高いジルコニアビーズが使用されるようになってきた。
【0006】
しかし、顔料が微細になる程、顔料の表面エネルギーが増加することにより、凝集エネルギーが大きくなるために再凝集が起こりやすくなり、微細化された顔料の貯蔵安定性が損なわれることになる。
【0007】
通常、インクジェット用水性記録液においては、ノズル部分での乾燥、固化を防止し安定な記録液の噴射をするため、また、被印刷体への浸透剤としても、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類等の水溶性有機溶剤を配合する必要がある。しかしながら、これらの水溶性有機溶剤のうち比較的疎水性の強いものや、多量の水溶性有機溶剤を使用した場合、記録液の保存安定性が低下してしまうという問題がある。
【0008】
顔料系のインクジェット用水性インク組成物の貯蔵安定性を改良するために、種々の添加剤が加えられることが一般的に広く行われている。かかる添加剤としては、界面活性剤が最も一般的である。しかし、界面活性剤を用いて顔料を分散させた場合に、界面活性剤の分子量が小さいことから界面活性剤が表面にブリードしやすく、得られる画像の耐水性が極めて悪くなるという問題がある。
【0009】
顔料の分散性を改良する方法として、顔料を塩基で中和されたカルボキシル基を有する樹脂中に分散させ、得られた水性分散体に酸を加えて樹脂を疎水化することによって樹脂を顔料に固着させる、いわゆる酸析法が知られている。
【0010】
酸析法として、例えば、ロジンを酸析法により顔料に固着させて分散性の良好な粉末顔料を得る方法が提案されている。この場合、ロジンは分子量が小さいために被膜形成性樹脂となり得ず、インクジェットプリンター用水性記録液に使用した場合、ロジン単独では安定な水性記録液が得られず、また、得られた画像も性能の低いものとなってしまう、という問題点がある。
【0011】
この問題点を解決するために、特開昭50−122528号公報、特公昭61−11979号公報には、分子量が比較的高いアクリル系樹脂という限定した樹脂を使用して酸析を行い、粉末又は固形顔料を得る方法が開示されている。
【0012】
しかしながら、これらの方法では、いずれも、酸析後に粉末化或は固形化されるため、その過程でもって顔料が少なからず凝集してしまい、インクジェットプリンター用水性記録液に使用する際に、再び分散させなければならないという手間の掛かる工程が必要とならざるを得ない。しかも、これらの方法で得られる粉末または固形顔料は、未処理の粉末顔料に比べて分散が容易であるとはいえ、一度粉末化或は固形化された顔料であるため、インクジェットプリンター用水性記録液に使用できるような高度な発色性や着色力を発揮する程度に微分散させるのに、かなりの労力を要する、という問題点もある。
【0013】
一方、米国特許4,166,811号明細書には、親水性の高い水溶性樹脂を使用し、酸析後に塩基性化合物でもって再中和を行ない、水性媒体に分散し易い顔料を得る方法が開示されている。
【0014】
しかしながら、この方法の特徴は、塩基性化合物でもって再中和した後に、粉末化又は固形化するに在り、水性媒体中に再分散させる際には、一度粉末化あるいは固形化されたものは、やはり顔料の再凝集の問題を有し、高度なレベルで被塗物の発色性や着色力を発揮できない。また、粉末化又は固形化した後に水性媒体に再分散させ易くするために、この方法において使用できる樹脂は、分子量が低く、かつ、酸価がかなり高く、着色剤として塗装された塗膜の強靭性や耐水性が極めて低いものとなってしまう、という問題点もある。
【0015】
また、特開平9−31360号公報には、塩基性化合物を用いて中和されたカルボキシル基を有する樹脂によって微分散された顔料の水性分散体を、酸性化合物を用いてpHを中性又は酸性として樹脂を疎水性化することによって樹脂を顔料に強く固着し(いわゆる「酸析」)、次いで、必要に応じて、濾過及び水洗した後に、再度塩基性化合物を用いてカルボキシル基を中和して水に再分散させることによって、光沢、発色性、着色力を高度に発揮するに充分な程度に微分散され、しかも、貯蔵安定性にも優れた水性顔料分散体を得ることができると記載されている。
【0016】
しかし、インクジェットプリンター用水性記録液には、一般に、インクとしての印字特性を付加するため、エチレングリコール、グリセリン、pH調整剤、活性剤等が加えられるため、上記ヨーロッパ特許778,321号及び特開平9−31360号公報に記載されている方法により得られた水性顔料分散体をもってしても、上記したサンドミル、コボールミル、パールミルPM−DCP型、ダイノーミル、ボアミル、ビスコミル及びモーターミル等の流通式湿式ビーズミルによって製造されたインクジェットプリンター用水性記録液は、顔料の一次粒子が破砕されるのが避けられず、貯蔵中に粘度上昇や粒子径増大等を起こし、記録液の貯蔵安定性を実用的なレベルにまで改良するには至っていない。
【0017】
更に、特開平10−158562号公報には、特定のアクリル樹脂、特定のアルキレンオキサイド付加物、塩基性化合物及び水性媒体から構成されるインクジェット記録用水性組成物が開示されている。しかし、同公報に開示されるインクジェット記録用水性組成物は、有機溶媒量を多くすると、ゲル化する等、定着性不良の問題がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、インクジェット用水性組成物の製造方法において、従来技術では解決できなかった顔料分散性及びインクジェット用記録液に使用した際にも保存安定性に優れたインクジェット用水性組成物を製造する方法を見出すことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
本発明者等は、上述した課題を解決しようとして鋭意研究した結果、分散剤を使用して顔料を水中に分散させてインクジェット用水性組成物を製造するに、初めに特定の有機高分子化合物を分散剤として用いて顔料を分散液中に分散させた後に、更に特定の有機高分子化合物を分散液中に加えることにより分散液中及びインクジェット用記録液に使用した際にも顔料同士が凝集するのを防ぐことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
発明の開示
すなわち、本発明は、分散剤を使用して顔料を水中に分散させて分散体を形成するに、初めに分散剤として、Tgが50℃よりも高く、酸価が100〜300KOHmg/gである、重量平均分子量が2,000〜30,000の有機高分子化合物(A)を用いて顔料を水中に分散させた後に、Tgが50℃よりも高く、酸価が50〜200KOHmg/gである、重量平均分子量が10,000〜300,000の有機高分子化合物(B)を加えることを特徴とする長期保存性に優れたインクジェット用水性組成物の製造方法である。また、本発明は、その方法によって製造されたインクジェット用組成物及び該組成物を含むインクジェット用記録液でもある。
【0021】
【発明の実施の形態】
好ましい具体例の説明
本発明において分散剤として用いる有機高分子化合物(A)は、ガラス転移点(Tg)が50℃よりも高く、酸価が100〜300KOHmg/gであり、重量平均分子量が2,000〜30,000の範囲の有機高分子化合物を使用する。
【0022】
有機高分子化合物(A)及び(B)のガラス転移点(Tg)は、DSC法に従って測定する。有機高分子化合物(A)は、Tgが50℃よりも高いものが適している。Tgが50℃よりも低いと、べたつきが生じてブロッキングが発生する傾向にある。
【0023】
有機高分子化合物(A)及び(B)の酸価は、JIS−K3504に従って測定する。有機高分子化合物(A)は、酸価が100〜300KOHmg/gであり、150〜250KOHmg/gであるのが好ましい。有機高分子化合物(A)は、酸価が100よりも小さいと、疎水性が強くなり、水への溶解度が低くなり、顔料の分散が困難になり、他方、酸価が300よりも大きいと、親水性が強くなり、塗膜の耐水性が著しく低下するので、好ましくない。
【0024】
有機高分子化合物(A)及び(B)の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー法)に従って測定する。有機高分子化合物(A)は、重量平均分子量が2,000〜30,000の範囲であり、5,000〜20,000の範囲であるのが好ましい。重量平均分子量が2,000よりも小さいと、インクジェット用水性組成物を混練する際に混練機での機上安定性が悪く増粘してゲル化し易いこと及び記録液として使用した際に印刷被膜が脆くなるので、好ましくない。他方、重量平均分子量が30,000よりも大きいと、顔料が微細に分散された分散体を得るのが困難になり、実用上好ましくない。
【0025】
本発明において使用する顔料は、特に限定されず、従来当分野で用いられている任意の顔料を使用することができる。かかる顔料の例として、有機顔料、例えばキナクリドン系、キナクリドンキノン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、アントラピリミジン系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノンアントラキノン系、アゾ系顔料等、無機顔料、例えばカーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ等を挙げることができる。かかる顔料は、一種で使用しても又は二種以上で使用してもよい。
【0026】
有機高分子化合物(A)は、顔料に対して10〜150重量%の量で加え、10〜50重量%の量で加えるが好ましい。分散剤としての有機高分子化合物(A)の使用量が、顔料に対して10重量%よりも少ないと、顔料を微細に分散させるのに十分でなく、他方、顔料に対して150重量%よりも多いと、分散体中の顔料の割合が少なくなり、配合設計上の余裕がなくなるので、好ましくない。
【0027】
本発明においては、上記した成分を含む懸濁液を調製した後に、これに、有機高分子化合物(B)を加える。このように、一旦懸濁液を調製した後に、懸濁液に更に有機高分子化合物(B)を加えることにより、分散液中で顔料同士が凝集するのを防ぎ、従来技術では解決できなかった顔料分散性及び長期保存性に優れるばかりでなく、また吐出安定性に優れたインクジェット用水性組成物及び記録液を得ることができる。
【0028】
有機高分子化合物(B)は、Tgが50℃よりも高いものが適している。Tgが50℃よりも低いと、べたつきが生じてブロッキングが発生する傾向にある。
【0029】
有機高分子化合物(B)は、酸価が50〜200KOHmg/gであり、80〜150KOHmg/gであるのが好ましい。有機高分子化合物(B)は、酸価が50よりも小さいと疎水性が強くなり、水への溶解度が低くなり、他方、酸価が200よりも大きいと親水性が強くなり、塗膜の耐水性が著しく低下するので、好ましくない。
【0030】
有機高分子化合物(B)は、重量平均分子量が10,000〜300,000の範囲であり、20,000〜100,000の範囲であるのが好ましい。重量平均分子量が10,000よりも小さいと、インクジェット用水性組成物を製造した際に経時安定性が悪く、他方、重量平均分子量が300,000よりも大きいと、水への溶解性が悪くなりかつ粘度が高くなり、インクジェット用水性組成物が吐出不良を起こすため、好ましくない。
【0031】
また、本発明において、分散剤として用いる有機高分子化合物(A)及び有機高分子化合物(B)は、それらが有する構造上の特徴が、本発明の予期されない効果の達成に寄与するものと考えられる。
【0032】
すなわち、分散剤として用いる有機高分子化合物(A)は、下記の一般式(3)で表される反復単位:
【化3】
(式中、
Yは、H又はCH3を表し;
Rxは、炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキル基を表し;
Mは、最終的に用いる塩基剤によって変わり、アルカリ金属、アンモニウム、アミン基等を表し;
a、b及びcは、それぞれ重量割合を表し;
aは、0.05〜0.40、好ましくは0.10〜0.30であり;
bは、0.10〜0.40、好ましくは0.20〜0.30であり;
cは、0.20〜0.85、好ましくは0.40〜0.70であり;
a+b+c=1.00)
によって構成される。
【0033】
また、有機高分子化合物(B)は、下記の一般式(4)で表される反復単位:
【化4】
(式中、
Yは、H又はCH3を表し;
Rxは、炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキル基を表し;
Ryは炭素数が10〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表わし;
d、e、f及びgは、それぞれ重量割合を表し;
Mは、最終的に用いる塩基剤によって変わり、アルカリ金属、アンモニウム、アミン基等を表し;
dは、0.05〜0.30、好ましくは0.10〜0.20であり;
eは、0.05〜0.40、好ましくは0.10〜0.30であり;
f+g=0.30〜0.90、好ましくは0.50〜0.80;gは0.05〜0.40であるのが好ましく、0.10〜0.30であるのが一層好ましく;
d+e+f+g=1.00である)
によって構成される。
【0034】
このように、異なる部分構造を有する二種類の有機高分子化合物を、分けて加えることにより、驚くべきことに分散液中で顔料同士が凝集するのを防ぎ、顔料分散性、保存安定性、吐出安定性に優れたインクジェット用水性組成物ならびに記録液の調製が可能になる。
【0035】
まず、本発明で使用する異なる2種類の有機高分子化合物(A)及び(B)は、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の単量体成分を共重合させることによって得られる共重合体である:
(イ)の成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の、炭素数が1〜9のアルキル基を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルを挙げることができる。有機高分子化合物(A)は、主に顔料を分散させる役割を果たすことから、(イ)の成分としては、アルキル基の炭素数が1〜9と比較的小さいものを用い、アルキル基の炭素数が1〜7のものを用いるのが好ましい。
【0036】
(ロ)の酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、のようなα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体を挙げることができる。これらは単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0037】
(ハ)の成分としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体を挙げることができる。これらは単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0038】
(ニ)の成分としては、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル等の炭素数が10以上で30以下のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、及びマレイン酸エステル類を挙げることができるが、疎水性度及び溶解性から、特に炭素数12−24の長鎖アルキル基を有するものが好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0039】
本発明で使用する有機高分子化合物(A)は、上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分を、それぞれ0.05〜0.40、0.10〜0.40及び0.20〜0.85の重量割合で配合する。上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分を、それぞれ0.10〜0.30、0.20〜0.30及び0.40〜0.70の重量割合で配合するのが好ましい。有機高分子化合物(A)中の(イ)の成分の重量割合が0.05よりも少ないと、ガラス転移点が高すぎ、被膜がかたくなり強度が低下してしまい、他方、(イ)の成分の重量割合が0.40を超えると、顔料の分散性が低下するため、好ましくない。有機高分子化合物(A)中の(ロ)の成分の重量割合が0.10よりも少ないと、水性媒体中で良好な溶解性が得られず、他方、0.40を超えると、プリント画像の耐水性が低下するので好ましくない。有機高分子化合物(A)は、(イ)の成分のRxの炭素数が9以下と、比較的小さく、また、有機高分子化合物(A)の重量平均分子量が30,000以下と低いことから、主に顔料の水中への良好な分散性に寄与するものと考えられる。
【0040】
有機高分子化合物(B)は、(ロ)、(ニ)及び(イ)+(ハ)の成分を、それぞれ0.05〜0.30、0.05〜0.40及び0.30〜0.90の重量割合で配合する。上記(ロ)、(ニ)及び(イ)+(ハ)の成分を、それぞれ0.10〜0.20、0.10〜0.30及び0.50〜0.80の重量割合で配合するのが好ましい。特に、有機高分子化合物(B)が上記(ニ)を含有することにより、得られるインクは保存安定性に優れた物性を発揮できることができる。
【0041】
有機高分子化合物(B)は上記(ニ)を0.05〜0.40の範囲の重量割合で含有し、0.10〜0.30の範囲の重量割合で含有するのが好ましい。(ニ)成分は、上記範囲よりも少ないと保存安定性に効果を発揮せず、多過ぎると、疎水性が強く水溶液中、分散液中での安定性が低下してしまう。(ロ)成分は、0.05よりも少ないと水性媒体中での良好な溶解性が得られず、他方、0.40を超えると、プリント画像の耐水性が低下するので好ましくない。有機高分子化合物(B)は、(ニ)成分のRyの炭素数が10〜30と、比較的大きく、また、有機高分子化合物(B)の重量平均分子量が10,000以上と高いことから、主に水中に分散された顔料の凝集を防いで安定な分散性の維持に寄与するものと考えられる。
【0042】
本発明において使用する有機高分子化合物(A)及び(B)は、上述した(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の単量体成分を混合し、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法又は乳化重合法のような公知の重合方法に従って共重合させることによって調製することができる。
【0043】
有機高分子化合物(A)及び(B)は、例えば下記のようにして調製することができる:攪拌機、還流冷却装置、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、有機溶媒を仕込み、加熱して温度60°〜150℃に調整し、窒素ガスを導入しながら、上述した(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の単量体混合物及び重合開始剤を1〜5時間かけて滴下する。滴下した後、同じ温度に保ちながら、2〜10時間共重合させる。共重合させた後に、必要に応じて、有機溶媒を減圧下で除去する。得られた樹脂のガラス転移点、酸価及び重量平均分子量を上述した測定法に従って測定する。
【0044】
上述した(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の単量体混合物を共重合させる際に使用する有機溶媒としては、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール等を挙げることができる。また、重合開始剤としては、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のような過酸化物、2,2−アゾビスイソブチルニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等のようなアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等のような過硫酸塩を挙げることができる。これらを、単独で使用しても又は二種以上で使用してもよい。本発明において、有機高分子化合物(A)及び(B)の重量平均分子量は、重合開始剤の量を変えることによって変えた。有機高分子化合物(A)及び(B)の重量平均分子量の調整は、共重合時間を変えることにより、又は重合調節剤を加えることによって変えてよいことは、言うまでもない。
【0045】
本発明において用いる水は、不純物の少ないものが望ましく、従来よりインクジェット用インクの製造において使用されている品質のものでよく、例えばイオン交換水等を挙げることができる。水の使用量は、顔料を水中に分散させる工程において顔料を水中に適切な粘度で効率よく分散させるには、使用する水の量は、顔料100重量部に対して、水80〜500重量部であり、水100〜400重量部であるのが好ましい。
【0046】
このようにして得られた有機高分子化合物(A)及び(B)は、それぞれ細かく粉砕して、中和量のアンモニア、トリエタノールアミンのような塩基性溶媒を溶解したpH6〜10の水に入れて攪拌混合しながら60°〜150℃に加熱して溶解させる。こうして得られた溶液を、それぞれアクリル系樹脂ワニスA及びBとして使用するのが普通である。
【0047】
本発明のインクジェット用水性組成物は、上述した成分を用いて、下記の通りにして調製する。
顔料、イオン交換水及びアクリル系樹脂ワニスAを容器に仕込み、混合する。得られた混合物をビーズミル、ロールミル、超高圧ホモジナイザー等の分散機に仕込み、分散させる。ビーズミルの分散メディアとして、直径0.2〜1.0mmのジルコニアビーズを使用すると、顔料を容易に微細化することができ、フィルタリングが容易になるので、好ましい。分散は、中間分散液の顔料粒度分布を測定し、体積平均粒子径10〜300nmの範囲になりかつ体積累計99%粒子径が500nm以下になるまで行う。
【0048】
分散工程では、有機高分子化合物(A)を顔料100重量部に対して10〜150重量部、好ましくは10〜50重量部加える。有機高分子化合物(A)の量が、顔料100重量部に対して10重量部よりも少ないと、顔料を微細化するのが困難になり、他方、顔料100重量部に対して150重量部よりも多いと、粘度が高くなり、インクとして使用するには実用的でなくなる。
【0049】
このようにして得られた中間分散液の顔料粒度分布が、体積平均粒子径10〜300nm、好ましくは20〜200nm、体積累計99%粒子径が500nm以下、好ましくは400nm以下となる場合に、十分な発色と濃度、保存安定性に優れた記録液が得られる。体積平均粒子径が300nmよりも大きいと、十分な発色と濃度が得られず、他方、体積累計99%粒子径が500nmを越えると、フィルタリングが困難になり実用上好ましくない。
【0050】
更に、このようにして得られた体積平均粒子径が300nm以下、体積累計99%粒子径が500nm以下の中間分散液に、アクリル系樹脂ワニスB及びイオン交換水を攪拌下にゆっくり添加して約30分〜2時間程混合して本発明のインクジェット用インク組成物を得る。この場合、有機高分子化合物(B)を顔料100重量部に対して10〜150重量部、好ましくは10〜50重量部加える。有機高分子化合物(B)の量が、顔料100重量部に対して10重量部よりも少ないと、インクジェット用インク組成物における顔料の保存安定性を保つ効果を発揮できず、他方、顔料100重量部に対して150重量部よりも多いと、粘度が高くなり、インクとして使用するには実用的でなくなる。
【0051】
顔料の使用量は、インクジェット用インク組成物全体の重量を基準にして、1〜40重量%であり、2〜30重量%であるのが好ましい。顔料の使用量が1重量%よりも少ないと、色濃度が低下し、他方、顔料の使用量が40重量%よりも多いと、インク粘度が高くなったり、流動性が悪くなるために使用困難になるで、好ましくない。
【0052】
本発明に従って得られるインクジェット用インク組成物は、実際にインクジェット用インク等のインクジェット用記録液として使用する際には、これに、更に水、低級アルコール、多価アルコール類、グリコール類等の水溶性有機溶剤を加え、希釈して濃度を調節して使用する。また、インクジェット用インク組成物を調製する際に、分散効果を高めるために、消泡剤、界面活性剤や前述したような水溶性有機溶剤等の添加剤を、目的とする製品の品質を損なわない程度に任意に配合してもよい。
【0053】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を記載する。なお、例における部及び%は重量による。
また、以下の実施例、比較例に基づいて得られたインクジェット用インク組成物及び実際の印刷適性を調べるために調製した記録液について、下記の測定法により物性試験を行った。
(a):粒子径測定
レーザーによる動的光散乱法の粒度分布計(日機装株式会社製:UPA9340)を使用して3回測定し、その平均値よりmv(体積平均粒子径)及びD99(体積累計99%粒子径)を求めた。
(b):粘度測定
25℃における粘度を、振動式粘度計(山一電気株式会社:ビスコメイトVM−1)により測定した。
【0054】
<評価項目>
以下の項目について評価を行い、結果を表2に示した。
分散性について
○:分散液の顔料粒度分布が体積平均粒子径10〜300nm、体積累計99%粒子径が500nm以下の分散度のもの
×:分散液の顔料粒度分布が体積平均粒子径300nmよりも大きく、体積累計99%粒子径が500nmよりも大きい分散度のもの
保存安定性:本発明のインクジェット用インク組成物を用いて得られた実際の記録液について、70℃、1週間静置保管し、粘度及び粒子径変化を測定した。
体積平均粒子径について
○:保管前の体積平均粒子径変化が+10nm未満
△:保管前の体積平均粒子径変化が+10〜50nm
×:保管前の体積平均粒子径変化が+50nmよりも大きい
粘度変化について
○:保管前の粘度より、±0.2mPa・s未満
△:保管前の粘度より、+0.2〜0.5mPa・s未満
×:保管前の粘度より、+0.5mPa・sよりも大きい
吐出安定性について:保存安定性を評価した上記記録液を、エプソン社製MJ800Cのインクカートリッジに詰めて印字し、そのままの1時間放置後、再度印字を行い、吐出安定性を目視評価した。印字は普通紙(ゼロックス社製「P」)に行った。
○:印刷物にかすれ等がなく、安定に吐出する
△:印刷物にややかすれが見える
×:印刷物にかすれが多く、安定に吐出しない
【0055】
有機高分子化合物(A)の合成:攪拌機、還流冷却装置、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチル400部を仕込み、加熱して温度80℃に調整し、窒素ガスを導入しながら、表1の組成比率の単量体混合物200部及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド1〜3部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下した後、温度80℃に保ちながら、2時間共重合させ、共重合させた後に、酢酸エチルを減圧下で除去してアクリル系樹脂A−1及びA−2を得た。得られた樹脂のガラス転移点、酸価及び重量平均分子量を上述した測定法に従って測定した。
アクリル系樹脂ワニスAの調製:上記の合成によって得られたアクリル系樹脂A−1及びA−2のそれぞれ150部を細かく粉砕して、中和量のトリエタノールアミンを混合した水350部に入れて攪拌混合しながら80℃に加熱して溶解させて、それぞれアクリル系樹脂ワニスA−1及びA−2を得た。
【0056】
有機高分子化合物(B)の合成:有機高分子化合物(A)の合成と同様にしてアクリル系樹脂B−1〜B−5を得た。得られた樹脂のガラス転移点、酸価及び重量平均分子量を上述した測定法に従って測定した。
アクリル系樹脂ワニスBの調製:上記の合成によって得られたアクリル系樹脂B−1〜B−5を、アクリル系樹脂ワニスAの調製と同様にして、それぞれアクリル系樹脂ワニスB−1〜B−5を得た。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例1
カーボンブラック(デグサ社製:Printex35)30部、アクリル系樹脂ワニスA−1 20部、イオン交換水50部を容器内で1時間混合した後に、循環型ビーズミル(株式会社アシザワ製:LMZ−2)に仕込み、5時間分散して体積平均粒子径(mv)95nm、体積累計99%粒子径(D99)354nmである中間分散液を製造した。更に、該中間分散液100部に対して、アクリル系樹脂ワニスB−1 20部、イオン交換水80部を攪拌下添加して、本発明のインクジェット用インク組成物である分散液を得た。
この分散液について、分散性を評価して結果を表2に挙げる。
【0059】
この分散液20部、エチレングリコール15部、グリセリン5部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社)0.5部、イオン交換水57.5部を攪拌しながら配合して、25℃における粘度が3.3mPa・sのインクジェット用記録液を得た。得られたインクジェット用記録液における体積平均粒子径(mv)及び体積累計99%粒子径(D99)に変化はなかった。
【0060】
上記により得られたインクジェット用記録液を前出の評価項目に従い評価し、表2に得られた結果を挙げる。
【0061】
実施例2
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1をB−2に代えた他は、実施例1と同様にして分散液を製造し、粘度3.3mPa・sのインクジェット用記録液を調製した。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)94nm、体積累計99%粒子径(D99)350nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、得られた結果を表2に挙げる。
【0062】
実施例3
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1をB−3に代えた他は、実施例1と同様にして分散液を製造し、粘度3.2mPa・sのインクジェット用記録液を調製した。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)92nm、体積累計99%粒子径(D99)358nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、得られた結果を表2に挙げる。
【0063】
実施例4
実施例1のアクリル系樹脂ワニスA−1をA−2に代えた他は、実施例1と同様にして分散液を製造し、粘度3.2mPa・sのインクジェット用記録液を調製した。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)93nm、体積累計99%粒子径(D99)356nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、得られた結果を表2に挙げる。
【0064】
実施例5
実施例1のカーボンブラックをシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製:FG−7351)に代えた他は実施例1と同様にして分散液を製造し、粘度3.1mPa・sのインクジェット用記録液を調製した。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)94nm、体積累計99%粒子径(D99)352nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、得られた結果を表2に挙げる。
【0065】
比較例1
実施例1のアクリル系樹脂ワニスA−1を、実施例1において分散終了後に添加したアクリル系樹脂ワニスB−1に変えて、同様の条件で分散を行ったが、所望の分散度が得られなかった。
【0066】
比較例2
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1を添加する代わりに同割合のイオン交換水を添加した他は、実施例1と同様に分散、調製を行い、粘度3.1mPa・sのインクジェット用記録液を得た。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)92nm、体積累計99%粒子径(D99)351nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、結果を表2に挙げる。
【0067】
比較例3
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1をアクリル系樹脂ワニスA−1に代える他は、実施例1と同様に分散、調製を行い、粘度3.1mPa・sのインクジェット用記録液を得た。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)92nm、体積累計99%粒子径(D99)351nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、結果を表2に挙げる。
【0068】
比較例4
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1を、アクリル系樹脂ワニスB−4に代える他は、実施例1と同様に分散、調製を行い、粘度3.0mPa・s、インクジェット用記録液を得た。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)93nm、体積累計99%粒子径(D99)352nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、結果を表2に挙げる。
【0069】
比較例5
実施例1のアクリル系樹脂ワニスB−1をアクリル系樹脂ワニスB−5に代える他は、実施例1と同様に分散、調製を行い、粘度3.2mPa・s、インクジェット用記録液を得た。このときの中間分散液の物性は、体積平均粒子径(mv)93nm、体積累計99%粒子径(D99)353nmであった。物性試験も実施例1と同様にして行い、表1に記載した。
【0070】
比較例6
実施例1のアクリル系樹脂ワニスA−1を20部添加する代わりに、A−1を10部、B−1を10部添加して同様の条件で分散を行ったが、所望の分散度が得られなかった。
【0071】
【表2】
【0072】
以上、表2から明らかな通りに、比較例1及び6では、所望の分散度が得られず、比較例2及び3ではゲル化のため吐出試験ができなかった。また、比較例4及び5では保存安定性に劣り、粘度が高くなった吐出が不安定で、目詰まりが発生した。これに対して本発明のインクジェット用インク組成物を用いた実施例1〜5では優れた保存安定性、吐出安定性、光沢性等の効果を発揮するものである。
【0073】
【発明の効果】
本発明のインクジェット用インク組成物の製造法では、分散性良好な有機高分子化合物で分散した後、保存安定性を付与するために特定の部分構造を有する水溶性有機高分子化合物の二種類を併用することで完成したものである。これによって、顔料同士の凝集を防ぎ保存安定性、吐出安定性に優れ、かつ十分な発色と濃度を持つインクジェット用インク組成物を製造する方法を提供するものである。
Claims (15)
- 分散剤を使用して顔料を水中に分散させて分散体を形成するに、初めに分散剤として、Tgが50℃よりも高く、酸価が100〜300KOHmg/gであり、重量平均分子量が2,000〜30,000の有機高分子化合物(A)を用いて顔料を水中に分散させた後に、Tgが50℃よりも高く、酸価が50〜200KOHmg/gであり、重量平均分子量が10,000〜300,000の有機高分子化合物(B)を加え、該有機高分子化合物(A)が、下記の一般式(1)で表される反復単位:
Yは、H又はCH3を表し;
Rxは、炭素数1〜9の直鎖又は分岐のアルキル基を表し;
a、b及びcは、それぞれ重量割合を表し;
aは、0.05〜0.40であり;
bは、0.10〜0.40であり;
cは、0.20〜0.85であり;
a+b+c=1.00)
によって構成され、該有機高分子化合物(B)が、下記の一般式(2)で表される反復単位:
Yは、H又はCH3を表し;
Rxは、炭素数9以下の直鎖又は分岐のアルキル基を表し;
Ryは炭素数が10〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表わし;
d、e、f及びgは、それぞれ重量割合を表し;
dは、0.05〜0.30であり;
eは、0.05〜0.40であり;
f+g=0.30〜0.90;
d+e+f+g=1.00である)
によって構成されることを特徴とする保存安定性に優れたインクジェット用水性組成物の製造方法。 - 前記有機高分子化合物(A)が、重量平均分子量5,000〜20,000の範囲を有する請求項1記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(A)が、(メタ)アクリル系樹脂である請求項1記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(A)が、メタクリル酸メチル又はメタクリル酸エチルと、アクリル酸と、スチレンとのコポリマーである請求項3記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(A)を顔料に対して10〜150重量%加える請求項1〜4のいずれか一記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(B)が、重量平均分子量20,000〜100,000の範囲を有する請求項1記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(B)が、(メタ)アクリル系樹脂である請求項1記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(B)が、メタクリル酸ステアリルと、メタクリル酸メチルと、アクリル酸と、α−メチルスチレンとのコポリマーである請求項7記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(B)が、アクリル酸n−ヘキサデシルと、メタクリル酸メチルと、アクリル酸と、α−メチルスチレンとのコポリマーである請求項7記載の方法。
- 前記有機高分子化合物(B)を顔料に対して10〜150重量%加える請求項6〜9のいずれか一記載の方法。
- 使用する水の量が、顔料100重量部に対して、水80〜500重量部である請求項1記載の方法。
- 有機高分子化合物(A)を用いた顔料の分散を、体積平均粒子径10〜300nmの範囲になりかつ体積累計99%粒子径が500nm以下になるまで行う請求項1記載の方法。
- 顔料の使用量が、インクジェット用インク組成物全体の重量を基準にして、1〜40重量%である請求項1〜12のいずれか一記載の方法。
- 上記請求項1〜13記載の方法によって製造されたインクジェット用組成物。
- 請求項14記載のインクジェット用組成物を含むことを特徴とするインクジェット用記録液。
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