JP4161034B2 - 水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の技術分野】
本発明は、分散性、保存安定性に優れ、かつ吐出性、耐水性、定着性に優れたインクジェットインキ用水性顔料分散体の製造法方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットインキとしては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものが(特開昭53─61412、特開昭54─89811、特開昭55─65269)、よく用いられている。水溶性染料としてはインキの安定性を得るため、水に対する溶解性の高いものが一般的に用いられる。したがってインクジェットインキは、一般的に耐水性が悪く、水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料のにじみを生じるという問題があった。
【0003】
このような耐水性の不良を改良するため、染料の構造を変えたり、塩基性の強いインキを調製することが試みられている(特開昭56─57862)。また、記録紙とインキとの反応をうまく利用して耐水性の向上を図ることも行われている(特開昭50─49004、特開昭57─36692、特開昭59─20696、特開昭59─146889)。これらの方法は特定の記録紙については著しい効果をあげているが、記録紙の制約を受けるという点で汎用性に欠け、また特定の記録紙以外を用いた場合には水溶性染料を使用するインキでは記録物の充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】
また、耐水性の良好なインキとしては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、溶剤の臭気や溶剤の排出の問題があり、環境上好ましくない。また、大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては、溶剤回収等が必要になる等の問題がある。そこで、記録物の耐水性をよくするために、水系媒体に顔料を分散したインクジェットインキの開発が行われている。
【0005】
しかしながら、顔料は染料と異なり記録媒体中にて不溶解であり、微小粒子として分散させることおよびその分散状態を安定に保つことは非常に困難である。また、インクジェットインキにおいては、プリンターに高解像度が望まれるにつれノズルの径が細くなってきており、これに伴い着色剤の粒子径も微細化する必要が生じており、微細化に伴いますますインキの分散状態を安定に保つことは、難しくなってきている。染料に比して耐水性、耐光性に優れる顔料の特長を発揮させながら、インキの吐出条件の調整、長期の保存安定性、紙等の被記録媒体への定着性、画像の色、にじみ等の要求特性に対して染料並み、ないしそれ以上の特性を得るためには、さらなる改良が求められてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、分散性、保存安定性に優れ、かつインクジェットインキ用とした場合、吐出性、耐水性、定着性に優れた水性顔料分散体の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無水マレイン酸/α−オレフィン共重合物のマレイン酸モノアルキルエステルグラフト重合体を、塩基の存在下で水中に分散した分散体の存在下、顔料を水性媒体に分散してなる水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0008】
更に本発明は、水性媒体が水とグリコールモノアルキルエーテルの混合物である上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0009】
更に本発明は、α−オレフィンの炭素数が5〜50である上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0010】
更に本発明は、マレイン酸モノアルキルエステルのアルキル鎖の炭素数が3〜8である上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0011】
更に本発明は、グラフト重合体の数平均分子量が1000〜5000である上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0012】
更に本発明は、グラフト重合体の酸価が50〜300(mgKOH/g)である上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0013】
更に本発明は、水性顔料分散体が、顔料100重量部に対して、グラフト重合体5〜100重量部と、グリコールモノアルキルエーテル5〜70重量部とを配合してなる上記水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するグラフト重合体は、無水マレイン酸/α−オレフィン共重合物のマレイン酸モノアルキルエステルグラフト重合体を、塩基の存在下で水中に分散した固形分10〜20重量%の水分散体であり、本発明の性状に合わせて公知の方法において重合させ、塩基と共に水中に投入し、60℃以上、好ましくは60〜70℃に加温しながらハイスピードミキサーやホモジナイザー等で撹拌、分散させて使用するものである。
【0015】
グラフト重合体を水中に分散させる際、使用できる塩基はアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。
【0016】
塩基の添加量については、最終的に得られる水性顔料分散体や、インクジェットインキとして使用する場合、その目的とするpHによって塩基の添加量を調整する必要がある。すなわち、グラフト重合体の酸価をもとに十分に中和される量の塩基を添加しても良いが、グラフト重合体を部分的に中和して使用することもできる。
【0017】
本発明に使用するグリコールモノアルキルエーテルは水と任意の割合で混合できるものであれば特に限定されるものではないが、具体例としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等があげられる。
【0018】
グラフト重合体を形成するα−オレフィンの炭素数は5〜50のものが好ましいが、さらに好ましくは炭素数10〜30のものが良い。炭素数が5以下だと、顔料を分散する際に顔料への吸着が弱く、また50以上だと共重合体の親水性が低下し、水性顔料分散剤として好適でない。また、α−オレフィンの炭素数が異なる2種類以上のα−オレフィンを混合して使用することもできる。
【0019】
グラフト重合体を形成するマレイン酸モノアルキルエステルのアルキル鎖の炭素数は3〜8が好ましいが、アルキル鎖の具体例としては、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等があげられる。
【0020】
グラフト重合体の数平均分子量は1000〜5000のものが好ましいが、さらに好ましくは数平均分子量2000〜3000のものが良い。数平均分子量1000以下だと顔料の分散性が悪く、インクジェットインキとして使用した場合にも、被記録媒体への定着性が低下し、5000以上だと得られる水性顔料分散体の粘度が高くなり、インクジェットインキとして使用するとノズルの目詰まり等のインキ吐出性に悪影響を与える。
【0021】
グラフト重合体の酸価は50〜300(mgKOH/g)が好ましいが、さらに好ましくは100〜200(mgKOH/g)が良い。酸価が50以下だと水への溶解度が著しく低下し、水性顔料分散剤として好適でない。また300以上だと顔料の分散性は良好だが、インクジェットインキとして使用した場合には記録物の耐水性が低下する。
【0022】
顔料を水性媒体中に分散する際の各成分の配合量は、顔料100重量部に対して、グラフト重合体の配合量が5〜100重量部、グリコールモノアルキルエーテルの配合量が5〜70重量部、水が230〜370重量部であることが好ましい。さらに好ましくは、顔料100重量部に対してグラフト重合体が15〜50重量部、グリコールモノアルキルエーテルが10〜40重量部、水が290〜400重量部である。グラフト重合体が5重量部以下だと得られる水性顔料分散体の保存安定性が悪く、100重量部以上だと水性顔料分散体の粘度が高くなり、インクジェットインキとして使用するとノズルの目詰まり等のインキ吐出性に悪影響を与える。また、グリコールモノアルキルエーテルはグラフト重合体の水への溶解度をコントロールするためのものであり、配合量が5重量部以下だとグラフト重合体の水への溶解度が小さく、分散性が低下し、配合量が70重量部以上だと良好な分散体は得られるものの、インクジェットインキとして使用した場合、インキ化する際の添加剤等の添加量に制限が生じ、好ましくない。
【0023】
本発明に使用される顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料が使用できる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,206,207,209、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,125,128,137,138,147,148,150、151,154,166,168,180、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。
【0024】
本発明の水性顔料分散体の製造時には、防黴剤、防腐剤を添加することができる。防黴剤、防腐剤は、水性顔料分散体への黴の発生や腐敗を防止するものであり、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムビリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が使用できる。これらは、インキの0.01〜2.0重量%の範囲で用いる。
【0025】
本発明の水性顔料分散体の製造は、顔料、グラフト重合体、水性媒体を、ハイスピードミキサー、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル等の分散機により分散して行われる。また、分散した水性顔料分散体を遠心分離機等で粗大な粒子を除去することにより、さらに保存安定性に優れた水性顔料分散体を製造することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は、「重量部」を表す。
【0027】
本発明におけるグラフト重合体として、下記表1に示すようなものを、表中に示す塩基と共にイオン交換水に投入し、70℃に加温しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌混合し、グラフト重合体の水分散体を得た。なお表中、グラフト重合体の構成比はモル比を示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004161034
【0029】
[実施例1]プリンテックス85(デグサ社製カーボンブラック):75部、グラフト重合体Aの水分散体:166部、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:12部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:121部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を下記のような配合で調製した希釈液を用いて水性顔料分散体20部、希釈液80部の割合でハイスピードミキサーを使用して混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0030】
(希釈液)
グリセリン 10部
1,3−プロパンジオール 15部
ニューコール291GL(日本乳化剤社製アニオン性界面活性剤) 4部
プロキセルGXL(アビシア製社防腐剤) 0.2部
イオン交換水 70.8部
[実施例2]リオノールブルーFG−7351(東洋インキ製造社製β型銅フタロシアニン顔料):80部、グラフト重合体Bの水分散体:117部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:15部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:187部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0031】
[実施例3]ホスタパームピンクE(クラリアント社製ジメチルキナクリドン顔料):80部、グラフト重合体Cの水分散体:156部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:12部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:151部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0032】
[実施例4]リオノゲンイエロー1010(東洋インキ製造社製キノフタロン顔料):70部、グラフト重合体Dの水分散体:200部、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:15部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:64部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0033】
[実施例5]ノボパームイエローP−HG(クラリアント社製ベンズイミダゾロン顔料):75部、グラフト重合体Eの水分散体:192部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:11部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:96部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0034】
[実施例6]リオノゲンマゼンタ5750(東洋インキ製造社製ジメチルキナクリドン顔料):80部、グラフト重合体Aの水分散体:167部、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:12部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:140部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0035】
[比較例1]プリンテックス85(デグサ社製カーボンブラック):75部、T−コートBCX4130(東洋インキ製造社製水性アクリル樹脂):100部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:199部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0036】
[比較例2]リオノールブルーFG−7351(東洋インキ製造社製β型銅フタロシアニン顔料):80部、エマルゲン420(花王社製界面活性剤):20部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:299部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0037】
[比較例3]ホスタパームピンクE(クラリアント社製ジメチルキナクリドン顔料):80部、ジョンクリル62(ジョンソンポリマー社製水性スチレン−アクリル樹脂):30部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):1部、イオン交換水:289部をハイスピードミキサーで均一になるまで混合した後、容積0.6Lの横型サンドミルにて、ミルベース1kgあたり1時間分散し、水性顔料分散体を得た。また、この水性顔料分散体を上記の実施例1と同様な処方で希釈液と混合し、その後、1μm、および0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して、インクジェットインキを得た。
【0038】
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた水性顔料分散体について、次の様な項目を評価した。(1)分散粒径、(2)粘度、(3)保存安定性。また、それぞれの水性顔料分散体を希釈液と混合して得られたインクジェットインキについても、次の様な項目を評価した。(4)分散粒径、(5)粘度、(6)保存安定性、(7)吐出性、(8)耐水性、(9)定着性。それぞれの測定方法を以下に示す。
【0039】
(1)分散粒径:水性顔料分散体をイオン交換水で1000倍に希釈し、マイクロトラックUPA150(日機装社製湿式粒度分布計)にて、体積基準のD50値、D99値を測定した。
【0040】
(2)粘度:水性顔料分散体を25℃に調製し、ビスコメイトVM−100A(山一電機社製超音波振動式粘度計)にて測定した。
【0041】
(3)保存安定性:水性顔料分散体をポリプロピレン製のボトル型容器に入れ、70℃の恒温器に1ケ月間保存、経時促進させた後、経時前後での水性顔料分散体、の粘度変化について測定した。この時の粘度測定は(2)の粘度測定と同様の方法で実施した。
【0042】
(4)分散粒径:インクジェットインキをイオン交換水で200倍に希釈し、マイクロトラックUPA150(日機装社製湿式粒度分布計)にて、体積基準のD50値、D99値を測定した。
【0043】
(5)粘度:インクジェットインキを25℃に調製し、ビスコメイトVM−100A(山一電機社製超音波振動式粘度計)にて測定した。
【0044】
(6)保存安定性:インクジェットインキをポリプロピレン製のボトル型容器に入れ、70℃の恒温機に1ケ月間保存、経時促進させた後、経時前後での水性顔料分散体、の粘度変化について測定した。この時の粘度測定は(5)の粘度測定と同様の方法で実施した。
【0045】
(7)吐出性:インクジェットインキをHI−FI JET Pro FJ−400(Roland DG社製大判インクジェットプリンタ)にてデジタルプルーフ用紙(Roland DG社純正 DPP−G−914)に5m連続記録し、ドット抜けを観察。ドット抜けしたノズルの数が全ノズルに対して何%あるかについて、0%の場合は○、0%〜5%の場合は△、5%より多い場合は×とした。
【0046】
(8)耐水性:インクジェットインキをHI−FI JET Pro FJ−400(Roland DG社製大判インクジェットプリンタ)にてコピー用紙(Xerox社4024)に記録し、記録物を気温25℃湿度50%条件下、一定時間放置後に記録物を水道水に浸漬させて、記録物のにじみを観察。記録した直後に浸漬させても記録物がにじまない場合は○、記録した直後に浸漬させて記録物がにじんでも記録後1時間では記録物がにじまないものは△、記録1時間後でも記録物がにじむものは×とした。
【0047】
(9)定着性:インクジェットインキをHI−FI JET Pro FJ−400(Roland DG社製大判インクジェットプリンタ)にて光沢PETフイルム(Roland社純正 PET−G−1050)に記録し、記録物を気温25℃湿度50%条件下、一定時間放置後にラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)での光沢PETフイルムに対するインキの定着性を評価。試験用布片(金巾3号)にて加重200g、100往復のラビング試験を記録面にて実施した。1時間放置後に試験を実施しても記録部分が剥がれないものは○、1時間放置後に記録部分が剥がれても、24時間放置後に記録部分が剥がれないものは△、24時間放置しても記録部分が剥がれてしまうものは×とした。
【0048】
水性顔料分散体を評価した結果について下記の表2に、インクジェットインキを評価した結果について下記の表3に詳細をまとめた。
【0049】
【表2】
Figure 0004161034
【0050】
【表3】
Figure 0004161034
【0051】
表2において実施例1〜6の水性顔料分散体は、比較例1〜3と比較して、いずれも分散粒径が微細で粘度が低く、70℃1ケ月後も粘度変化が小さく、分散性、保存安定性に優れていた。
【0052】
表3において実施例1〜6のインクジェットインキは、比較例1〜3と比較して、水性顔料分散体を希釈してインクジェットインキとする際、分散粒径が微細なまま維持され、70℃1ケ月後の粘度変化も小さく、希釈安定性、インキ化後の保存安定性に優れていた。また、記録適性は実施例1〜6では、いずれの評価項目も良好であるのに対して、比較例1〜3では記録適性を満足するものは無かった。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、分散性、保存安定性に優れ、かつ吐出性、耐水性、定着性に優れたインクジェットインキ用水性顔料分散体の製造方法を提供することができた。

Claims (7)

  1. 無水マレイン酸/α−オレフィン共重合物のマレイン酸モノアルキルエステルグラフト重合体を、塩基の存在下で水中に分散した分散体の存在下、顔料を水性媒体に分散してなることを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
  2. 水性媒体が水とグリコールモノアルキルエーテルの混合物である請求項1記載の水性顔料分散体の製造方法。
  3. α−オレフィンの炭素数が5〜50である請求項1または請求項2記載の水性顔料分散体の製造方法。
  4. マレイン酸モノアルキルエステルのアルキル鎖の炭素数が3〜8である請求項1ないし請求項3記載いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法。
  5. グラフト重合体の数平均分子量が1000〜5000である請求項1ないし請求項4いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法。
  6. グラフト重合体の酸価が50〜300(mgKOH/g)である請求項1ないし請求項5いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法。
  7. 水性顔料分散体が、顔料100重量部に対して、グラフト重合体5〜100重量部と、グリコールモノアルキルエーテル5〜70重量部とを配合してなる請求項1ないし請求項6いずれか記載の水性顔料分散体の製造方法。
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