JP2004155867A - 水性インクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に優れ、色滲み、裏抜け、混色などがなく、高濃度でかつ耐擦過性に優れた高画質の記録画像を定着性良く形成できる水性インクを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも水と顔料と有機溶剤からなり、前記有機溶剤に一般式
CH3(CH2)nCH(OH)CH2(OH) (1)
〔式中、nは1〜3の整数を示す。〕
で示される1,2−アルカンジオールを含有するインクジェットシステム用インクにおいて、前記顔料が分散剤を必要としない自己分散型であり、一般式
【化3】
〔式中、EOはエチレンオキサイド基を示す。POはプロピレンオキサイド基を示す。xは10以下の正数を示す。yは、x/2−1<y≦x/3+2の関係を満たす正数を示す。mおよびlはそれぞれ、9≦m+l≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で表される非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性インク。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも水と顔料と有機溶剤からなり、前記有機溶剤に一般式
CH3(CH2)nCH(OH)CH2(OH) (1)
〔式中、nは1〜3の整数を示す。〕
で示される1,2−アルカンジオールを含有するインクジェットシステム用インクにおいて、前記顔料が分散剤を必要としない自己分散型であり、一般式
【化3】
〔式中、EOはエチレンオキサイド基を示す。POはプロピレンオキサイド基を示す。xは10以下の正数を示す。yは、x/2−1<y≦x/3+2の関係を満たす正数を示す。mおよびlはそれぞれ、9≦m+l≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で表される非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性インク。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクおよびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、顔料または顔料に表面改質処理を施すことによって、水への分散性を付与した自己分散型顔料を着色剤として含有する、インクジェット記録方式用の水性インクが使用されている。この水性インクは、耐光性、耐水性などの堅牢性に優れ、画像濃度が高い記録画像を形成できるという好ましい特性を有している。しかしながら、この水性インクには、顔料または自己分散型顔料が液相(水)との界面で気泡を発生させ、この気泡によって水性インクの吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが損なわれるという問題がある。吐出安定性の低下は、ノズルの目詰まりなどを引き起こし、均一な記録画像の形成を妨げる。保存安定性および分散安定性が低下すると、顔料または自己分散型顔料が凝集し、吐出安定性がさらに悪化する。特に、顔料を着色剤とする水性インクにおいては、顔料を水に分散させるために、界面活性剤、天然高分子化合物、合成高分子化合物などの分散剤を含み、この分散剤が気泡の発生をさらに促進するので、吐出安定性、保存安定性、分散安定性などの低下は、一層顕著なものになっている。
【0003】
一方、インクジェット記録方式用の水性インクに、1,2−アルカンジオールを配合することは、公知である(たとえば、特許文献1参照)。1,2−アルカンジオールは、インクの表面張力を下げ、非印字物への浸透をすばやく行い、隣接する異なる色のドットインクが混合することによって、色滲み、混色などが発生する(これは普通紙への記録の際に一層顕著である)のを防止するための浸透剤として用いられる。なお、特許文献1は、着色剤が染料である水性インクに関するものであり、顔料を含む水性インクにおいて、1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤とを併用する場合に、該水性インクの吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが著しく向上することについては記載するところはない。
【0004】
また、顔料、1,2−アルカンジオールおよび分散剤であるブロック共重合体を含有する水性インクが知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この水性インクにおいても、分散剤に合成高分子化合物であるブロック共重合体が使用されているので、気泡の発生によって吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが経時的に低下するのを避けることができない。特許文献2にも、1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤との併用については記載されていない。
【0005】
さらに、顔料または自己分散型顔料を含む水性インクは、顔料または自己分散型顔料が記録媒体の表層のみにとどまるので、記録画像の擦過性が低く、擦過によって顔料または自己分散型顔料が脱落し、記録画像の画質が経時的に低下するという欠点がある。この欠点に対する有効な解決手段は、現在まで、提示されるには至っていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−157698号公報
【特許文献2】
特開2001−354891号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に優れ、記録媒体が普通紙であっても、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などが発生せず、画像濃度が高くかつ良好な耐擦過性を有する高画質の記録画像を定着性良く形成できる水性インク、ならびに該水性インクを用いるインクジェット記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、自己分散型顔料と1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤とを併用する場合には、界面活性剤の作用によって吐出安定性が低下することなく、却って1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤との相互作用によって、吐出安定性が向上し、保存安定性および分散安定性にも優れたインクジェット記録方式用の水性インクが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、少なくとも水と顔料と有機溶剤からなり、前記有機溶剤に一般式
CH3(CH2)nCH(OH)CH2(OH) (1)
〔式中、nは1〜3の整数を示す。〕
で示される1,2−アルカンジオールを含有するインクジェットシステム用インクにおいて、前記顔料が分散剤を必要としない自己分散型であり、かつ一般式
【化2】
〔式中、EOはエチレンオキサイド基を示す。POはプロピレンオキサイド基を示す。xは10以下の正数を示す。yは、x/2−1<y≦x/3+2の関係を満たす正数を示す。mおよびlはそれぞれ、9≦m+l≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で示される非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性インクである。
【0010】
本発明に従えば、自己分散型顔料、上記一般式(1)で示される1,2−アルカンジオール(以後、「1,2−アルカンジオール(1)」と呼ぶ)および上記一般式(2)で示される非イオン界面活性剤(以後、「非イオン界面活性剤(2)」と呼ぶ)という特定の3成分を特定量ずつ用いることによって、自己分散型顔料を含んでいるにもかかわらず、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に顕著に優れた水性インクを得ることができる。
【0011】
本発明の水性インクを用いれば、記録媒体が普通紙か否かに関係なく、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0012】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用プリンタ、特にピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録方式用プリンタに好適に用いることができる。
【0013】
また本発明の水性インクは、さらにポリエステルエマルジョンを含有することを特徴とする。
【0014】
また本発明の水性インクは、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%であることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、本発明の水性インクにさらにポリエステルエマルジョンを配合することによって、好ましくは自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%となるように、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンとを配合することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0016】
また本発明の水性インクは、界面活性剤(2)がインク組成物全体に対して0.01〜1重量%含まれていることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、界面活性剤(2)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0018】
また本発明の水性インクは、1,2−アルカンジオール(1)がインク組成物全体に対して5〜30重量%含まれていることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、1,2−アルカンジオール(1)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0020】
また本発明の水性インクは、さらに多価アルコールアルキルエーテル類を含有することを特徴とする。
【0021】
また本発明の水性インクは、多価アルコールアルキルエーテル類がトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはテトラエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、本発明の水性インクに多価アルコールアルキルエーテル類、好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる多価アルコールアルキルエーテル類を配合することによって、保存安定性および記録画像の画質がさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0023】
また本発明の水性インクは、1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、1,2−アルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオールを用いることによって、保存安定性が一層優れた水性インクを得ることができる。
【0025】
本発明は、上記の水性インクを、ピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録媒体上に吐出して記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0026】
本発明に従えば、本発明の水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録を行うことによって、記録媒体が普通紙であっても、ノズルからの吐出を良好な状態に保ちながら、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の水性インクは、自己分散型顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)を有効成分とし、これに水を加えて全量を100重量%にした組成物である。
【0028】
自己分散型顔料は、顔料に表面改質処理を施すことによって、水中での分散性を付与したものである。
【0029】
顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、たとえば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどを挙げることができる。無機顔料の形状は、粒子状、薄片状(鱗片状)、繊維状などのいずれであってもよい。有機顔料としては、たとえば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などの多環式顔料、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを挙げることができる。
【0030】
顔料の表面改質には公知の方法を採用することができる。表面改質法の具体例としては、たとえば、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などを挙げることができる。この表面改質処理を施すことによって、水に自己分散可能な顔料を得ることができる。
【0031】
また、市販の自己分散型顔料を用いることもできる。市販の自己分散型顔料としては、たとえば、キャボット(Cabot)社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−55(商品名)、オリエント化学(株)製のMicrojetBlackCW−1(商品名)、東洋インキ(株)製の自己分散型顔料、日本触媒(株)製の自己分散型顔料などを挙げることができる。
【0032】
自己分散型顔料は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
自己分散型顔料の含有量は、水性インク全量の0.3〜18重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲から選択される。0.3重量%未満では、充分な画像濃度が得られなくなり、記録画像の画質が低下することがある。18重量%を超えると、吐出安定性が悪化する場合がある。
【0033】
1,2−アルカンジオール(1)は、炭素数4〜7の1,2−アルカンジオールである。1,2−アルカンジオール(1)は通常浸透剤として用いられるものであるけれども、水酸基が片方に偏在し、適度な疎水性部分を有しており、これと非イオン界面活性剤(2)とが相互に作用することによって、水性インクの保存安定性をも向上させているものと推測される。1,2−アルカンジオール(1)の具体例としては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオールを挙げることができる。これらの中でも、水性インクの浸透性、保存安定性などを一層向上させることを考慮すると、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールといった炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールが好ましく、保存安定性をさらに向上させることを考慮すると、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。
【0034】
1,2−アルカンジオール(1)の含有量は、水性インク全量の5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲から選択される。5重量%未満では、保存安定性が不充分になったり、適度な浸透性が得られず、定着性や乾燥性に悪影響を及ぼす場合がある。30重量%を超えると、保存安定性、分散安定性などが悪化するおそれがある。
【0035】
非イオン界面活性剤(2)は、直鎖型第2級アルコールの酸化エチレンおよび酸化プロピレン付加体である。このような非イオン界面活性剤は種々のものが市販されており、その具体例としては、たとえば、ソフタノールEPシリーズ(商品名、(株)日本触媒製)などを挙げることができる。非イオン界面活性剤(2)は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。非イオン界面活性剤(2)の含有量は、本発明の水性インク全量の0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%の範囲から選択される。0.01重量%未満では、吐出安定性が不充分になる。一方、1.0重量%を超えると、保存安定性に悪影響を及ぼす。
【0036】
本発明の水性インクは、保存安定性、顔料の記録媒体への定着性、記録画像の耐擦過性などを向上させるためにポリエステルエマルジョンを含んでいてもよい。
【0037】
ポリエステルエマルジョンとしては、ポリエステル粒子を水に分散させたものであれば、特に制限されることなく、使用できる。
【0038】
本発明においては、市販のポリエステルエマルジョンを使用することもできる。市販品の具体例としては、たとえば、東洋紡績(株)製のバイロナール(商品名)などを挙げることができる。これらの中でも、記録画像の耐擦過性、保存安定性、吐出安定性などをさらに向上させることなどを考慮すると、ガラス転移点が60℃以下のものが好ましく、10〜50℃のものが特に好ましい。ポリエステルエマルジョンは1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
【0039】
ポリエステルエマルジョンの含有量は、特に制限されるものではない。しかしながら、さらに優れた耐擦過性、保存安定性、吐出安定性などを得ることを考慮すると、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が、水性インク全量の0.7〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0040】
本発明の水性インクは、保存安定性、記録媒体への浸透性、記録画像の画質などをさらに向上させるために、多価アルコールアルキルエーテル類を含んでいてもよい。多価アルコールアルキルエーテル類としては公知のものを使用でき、たとえば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。これらの中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールブチルエーテル類が好ましく、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。多価アルコールアルキルエーテル類は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。多価アルコールアルキルエーテル類の含有量は特に制限されるものではないけれども、その効果を充分に発揮させ、保存安定性、記録媒体への浸透性、記録画像の画質などを向上させることを考慮すると、本発明の水性インク全量の3〜40重量%、好ましくは3〜30重量%の範囲から選択される。
【0041】
本発明の水性インクは、分散安定性をさらに向上させたり、保存時のインクの乾燥を防止するために、水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。水溶性有機溶媒としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオールなどの多価アルコ−ル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどの含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、エチレン尿素、尿素などの含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。水溶性有機溶媒は、1種が単独で使用されまたは必要に応じて2種以上が併用される。
【0042】
本発明の水性インクは、その好ましい特性を損なわない範囲で、非イオン界面活性剤(2)以外の非イオン界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン界面活性剤は、水性インクの他の成分との相溶性がよく、液中で安定しているものが好ましい。その具体例としては、たとえば、ポリオキシアセチレン系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などを挙げることができる。界面活性剤は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
【0043】
本発明の水性インクは、その好ましい特性を損なわない範囲で、従来からインクジェット記録方式用の水性インクに用いられている各種の添加剤の1種または2種以上を含んでいてもよい。該添加剤の具体例としては、たとえば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤などを挙げることができる。
【0044】
防腐防黴剤としては、たとえば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどを挙げることができる。
【0045】
pH調整剤としては、調合される水性インクに悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができ、たとえば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などを挙げることができる。
【0046】
キレート試楽としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0047】
防錆剤としては、たとえば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどを挙げることができる。
【0048】
本発明の水性インクは、必要に応じて、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、目詰まり防止剤などを含んでいてもよい。
【0049】
本発明の水性インクは、たとえば、自己分散型顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)の所定量、ならびに必要に応じてその他の添加剤などの適当量を用い、これに水を加えて全量を100重量%に調整し、各成分を水に混合し、分散または溶解させることによって製造できる。
【0050】
混合は、通常の分散機または混合機を用いて行われる。分散機としては、たとえば、ディスパー、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、超音波分散機などを挙げることができる。混合機としては、たとえば、攪拌用の羽根を備えている攪拌機、高速の分散機、乳化機などを挙げることができる。
【0051】
この様にして得られる本発明の水性インクはそのまま使用できるけれども、その使用に先立ち、濾過を施してもよい。濾過は、たとえば、孔径0.45〜8μm程度のフィルターを用い、常圧下または減圧下に行われる。
【0052】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式の水性インクとして好適に使用できる。特に、ピエゾ型記録ヘッドを備えたインクジェット記録方式のプリンタに適用するのが好ましい。
【0053】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用の水性インクとして用いられるだけでなく、水性インクが用いられる実質的に全ての用途に用いることができる。該用途の具体例としては、たとえば、グラビアインクなどの印刷インク、水性塗料、化粧品、筆記具用インク、トナー、液体現像剤、電子写真用材料などを挙げることができる。
【0054】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水性インクを、ピエゾ型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置によって、記録媒体上に吐出することによって、行われる。
【0055】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水性インクを使用する以外は、従来のインクジェット記録方法と同様に実施できる。
【0056】
ピエゾ型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置としては、従来から知られているものを用いることができる。
【0057】
記録媒体としては、従来から使用されているものを用いることができ、たとえば、普通紙、葉書、カラーコピー用紙、インクジェット用紙、プラスチックシート、プラスチックフィルムなどを挙げることができる。
【0058】
[実施例]
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
本実施例において、「%」とあるのは、特に断らない限り「重量%」を意味するものとする。
また本実施例において用いられる各成分は、具体的には次のとおりである。
【0059】
[自己分散型顔料]
A:商品名Cab−O−jet−200、キャボット社製
B:商品名C.I.ピグメントレッド122自己分散処理、キャボット社製
C:商品名C.I.ピグメントレッド122自己分散処理、東洋インキ(株)製
D:商品名C.I.ピグメントブルー15:3自己分散処理、東洋インキ(株)製
【0060】
[顔料]
カーボンブラック:商品名MA100、三菱化学(株)製
【0061】
[顔料分散剤]
界面活性剤型分散剤:商品名ニッサンノニオンNS−220、日本油脂(株)製
EOPOブロックポリマー:商品名ニューポールPEシリーズ、三洋化成(株)製
スチレン−アクリル樹脂エマルジョン 商品名ジョンクリルJ67、ジョンソンポリマー社製
【0062】
[ポリエステルエマルジョン]
商品名バイロナール、ガラス転移温度20℃、東洋紡績(株)製
【0063】
[界面活性剤(2)]
直鎖型第2級アルコールの酸化エチレンおよび酸化プロピレン付加体:商品名ソフタノールEP7045、x=7、y=4.5、m+l=9〜11、(株)日本触媒製
【0064】
[多価アルコールアルキルエーテル類]
E:エチレングリコールモノブチルエーテル
F:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
G:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
H:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル
【0065】
実施例1および比較例1〜2
表1に示す割合(%)で各成分を混合し、これにイオン交換水を加えて全量を100%とした。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、次いで脱気処理し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。
【0066】
なお、下記の表において、ポリエステルエマルジョン、EOPOブロックコポリマーおよびスチレン−アクリル樹脂エマルジョンの含有量は、それぞれ樹脂固形分含有量に換算して示した。
【0067】
上記で得られた実施例1の水性インクおよび比較例1〜2の水性インクを用い、次の方法に従って、評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0068】
[評価1]
水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタ(商品名:CL−700、セイコーエプソン(株)製)によって、普通紙(商品名:シャープNM4A2S、シャープ(株)製)上に評価パターンを印字し、(a)吐出安定性、(b)画質(画像滲み)および(c)定着性を評価した。評価方法は次のとおりである。
【0069】
(a)吐出安定性
水性インクをプリンタに充填した後、目詰まりチェックパターンを50枚印字し、各ノズルからのインク吐出性を調べ、下記の基準に従って評価した。
◎:完全に全ノズルが吐出し、連続印字が可能である。
○:不吐出ノズルが発生するが、50枚連続印字できる。
×:初めは吐出するが、不吐出ノズルが増え、連続印字できない。
【0070】
(b)画質(画像滲み)
25℃、25RHの環境下で評価画像を印字し、1分後に目視で観察し、下記基準に従って評価した。
◎:滲み、ひげはほとんど見られず高画質である。
○:滲み、ひげがわずかに見られるが全体として画質は良い。
×:滲み、ひげが目立ち、画質も悪い。
【0071】
(c)定着性(耐擦過性)
25℃、25RHの環境下でマゼンタべたを印字し、印字後画像を指で擦り、下記の基準に従って評価した。定着性評価は、耐擦過性の指標になる評価試験である。
◎:画像がほとんど乱れない
○:力を入れて摺ると僅かに乱れる
×:力を入れて摺らなくても画像が乱れ、指が汚れる
【0072】
[評価2(保存安定性試験)]
水性インクを70℃のオーブンに10日間放置し、放置前後の水性インクについて、固形物の粒子径を光散乱法粒度分布計(商品名:マイクロトラック、日機装(株)製)によって測定し、放置前後の粒子径変化を調べ、下記の基準に従って評価した。粒子径変化が少ないほど、粒子の凝集が少なく、保存安定性が優れていることになる。
◎:初期からの平均粒子系変化が50nm以内である
○:初期からの平均粒子系変化が50nmを超え、300nm未満である
×:初期からの平均粒子系変化が300nmを超え、1μm未満である
【0073】
[総合評価]
総合評価の基準は次のとおりである。
◎:非常に優れている(各評価において2項目以上◎がある)
○:優れている(各評価において1項目◎がある)
△:現状のレベル(各評価において×がない)
×:劣っている項目がある(各評価において×がある)
【0074】
【表1】
【0075】
表1から、界面活性剤型顔料分散剤または合成高分子化合物である顔料分散剤を含まない本発明品(実施例1)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)との相乗作用によって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて高水準で満たしていることが明らかである。
【0076】
実施例2〜3および比較例3
表2に記載の成分を、表2に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例2〜3および比較例3の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表2に併記する。
【0077】
【表2】
【0078】
表2から、本発明品(実施例2)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)との相乗作用によって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて高水準で満たしていることが明らかである。
【0079】
また、さらにポリエステルエマルジョンを含有する本発明品(実施例3)は、総合的な性能が一層向上していることが明らかである。
【0080】
これに対し、比較品(比較例3)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)とを含んでいるにもかかわらず、スチレン−アクリル樹脂エマルジョンをも含んでいるので、本発明品に比べて、吐出安定性が不充分であり、保存安定性が極めて悪く、インクジェット用インクとしての使用に耐えることができない。
【0081】
実施例4〜8
表3に記載の成分を、表3に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクを調製した。得られた実施例4〜8の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表3に併記する。
【0082】
【表3】
【0083】
表3から、本発明品は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべてを水準以上で満たしていることが明らかである。特に、非イオン界面活性剤(2)の含有量が好ましい範囲(0.01〜1重量%)にある本発明品(実施例5〜7)はすべての性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0084】
実施例9〜13
表4に記載の成分を、表4に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例9〜13の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表4に併記する。
【0085】
【表4】
【0086】
表4から、本発明品は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて水準以上で満たしていることが明らかである。特に、1,2−ヘキサンジオールの含有量が好ましい範囲(5〜30重量%)にある本発明品(実施例10〜12)が多くの性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0087】
実施例14〜17および比較例4
表5に記載の成分を、表5に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例14〜17および比較例4の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表5に併記する。
【0088】
【表5】
【0089】
表5から、一般式(1)において、nの値が所定の範囲(0〜3)にある本発明品(実施例14〜17)は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能のすべてを水準以上で満たしていることが明らかである。特に、好ましい1,2−アルカンジオール(1)である1,2−ヘキサンジオールを含む本発明品(実施例17)は、すべての性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0090】
一方、n=5である比較品(比較例4)では、水性インクを調製することさえ出来なかったことが明らかである。
【0091】
実施例18〜22
表6に記載の成分を、表6に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクを調製した。得られた実施例18〜22の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表6に併記する。
【0092】
【表6】
【0093】
表6から、多価アルコールアルキルエーテル類、特にトリエチレングリコールモノブチルエーテルまたはテトラエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに配合することによって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能が一層向上した水性インクがえられることが明らかである。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、自己分散顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)という特定の3成分を特定量ずつ用いることによって、自己分散型顔料を含んでいるにもかかわらず、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に顕著に優れた水性インクを得ることができる。
【0095】
本発明の水性インクを用いれば、記録媒体が普通紙か否かに関係なく、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0096】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用プリンタ、特にピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録方式用プリンタに好適に用いることができる。
【0097】
本発明によれば、本発明の水性インクにさらにポリエステルエマルジョンを配合することによって、好ましくは自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%となるように、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンとを配合することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0098】
本発明によれば、界面活性剤(2)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0099】
本発明によれば、1,2−アルカンジオール(1)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0100】
本発明によれば、本発明の水性インクに多価アルコールアルキルエーテル類、好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる多価アルコールアルキルエーテル類を配合することによって、保存安定性および記録画像の画質がさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0101】
本発明によれば、1,2−アルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオールを用いることによって、保存安定性が一層優れた水性インクを得ることができる。
【0102】
本発明によれば、本発明の水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録を行うことによって、記録媒体が普通紙であっても、ノズルからの吐出を良好な状態に保ちながら、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクおよびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、顔料または顔料に表面改質処理を施すことによって、水への分散性を付与した自己分散型顔料を着色剤として含有する、インクジェット記録方式用の水性インクが使用されている。この水性インクは、耐光性、耐水性などの堅牢性に優れ、画像濃度が高い記録画像を形成できるという好ましい特性を有している。しかしながら、この水性インクには、顔料または自己分散型顔料が液相(水)との界面で気泡を発生させ、この気泡によって水性インクの吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが損なわれるという問題がある。吐出安定性の低下は、ノズルの目詰まりなどを引き起こし、均一な記録画像の形成を妨げる。保存安定性および分散安定性が低下すると、顔料または自己分散型顔料が凝集し、吐出安定性がさらに悪化する。特に、顔料を着色剤とする水性インクにおいては、顔料を水に分散させるために、界面活性剤、天然高分子化合物、合成高分子化合物などの分散剤を含み、この分散剤が気泡の発生をさらに促進するので、吐出安定性、保存安定性、分散安定性などの低下は、一層顕著なものになっている。
【0003】
一方、インクジェット記録方式用の水性インクに、1,2−アルカンジオールを配合することは、公知である(たとえば、特許文献1参照)。1,2−アルカンジオールは、インクの表面張力を下げ、非印字物への浸透をすばやく行い、隣接する異なる色のドットインクが混合することによって、色滲み、混色などが発生する(これは普通紙への記録の際に一層顕著である)のを防止するための浸透剤として用いられる。なお、特許文献1は、着色剤が染料である水性インクに関するものであり、顔料を含む水性インクにおいて、1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤とを併用する場合に、該水性インクの吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが著しく向上することについては記載するところはない。
【0004】
また、顔料、1,2−アルカンジオールおよび分散剤であるブロック共重合体を含有する水性インクが知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この水性インクにおいても、分散剤に合成高分子化合物であるブロック共重合体が使用されているので、気泡の発生によって吐出安定性、保存安定性、分散安定性などが経時的に低下するのを避けることができない。特許文献2にも、1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤との併用については記載されていない。
【0005】
さらに、顔料または自己分散型顔料を含む水性インクは、顔料または自己分散型顔料が記録媒体の表層のみにとどまるので、記録画像の擦過性が低く、擦過によって顔料または自己分散型顔料が脱落し、記録画像の画質が経時的に低下するという欠点がある。この欠点に対する有効な解決手段は、現在まで、提示されるには至っていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−157698号公報
【特許文献2】
特開2001−354891号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に優れ、記録媒体が普通紙であっても、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などが発生せず、画像濃度が高くかつ良好な耐擦過性を有する高画質の記録画像を定着性良く形成できる水性インク、ならびに該水性インクを用いるインクジェット記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、自己分散型顔料と1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤とを併用する場合には、界面活性剤の作用によって吐出安定性が低下することなく、却って1,2−アルカンジオールと特定の非イオン界面活性剤との相互作用によって、吐出安定性が向上し、保存安定性および分散安定性にも優れたインクジェット記録方式用の水性インクが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、少なくとも水と顔料と有機溶剤からなり、前記有機溶剤に一般式
CH3(CH2)nCH(OH)CH2(OH) (1)
〔式中、nは1〜3の整数を示す。〕
で示される1,2−アルカンジオールを含有するインクジェットシステム用インクにおいて、前記顔料が分散剤を必要としない自己分散型であり、かつ一般式
【化2】
〔式中、EOはエチレンオキサイド基を示す。POはプロピレンオキサイド基を示す。xは10以下の正数を示す。yは、x/2−1<y≦x/3+2の関係を満たす正数を示す。mおよびlはそれぞれ、9≦m+l≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で示される非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする水性インクである。
【0010】
本発明に従えば、自己分散型顔料、上記一般式(1)で示される1,2−アルカンジオール(以後、「1,2−アルカンジオール(1)」と呼ぶ)および上記一般式(2)で示される非イオン界面活性剤(以後、「非イオン界面活性剤(2)」と呼ぶ)という特定の3成分を特定量ずつ用いることによって、自己分散型顔料を含んでいるにもかかわらず、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に顕著に優れた水性インクを得ることができる。
【0011】
本発明の水性インクを用いれば、記録媒体が普通紙か否かに関係なく、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0012】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用プリンタ、特にピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録方式用プリンタに好適に用いることができる。
【0013】
また本発明の水性インクは、さらにポリエステルエマルジョンを含有することを特徴とする。
【0014】
また本発明の水性インクは、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%であることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、本発明の水性インクにさらにポリエステルエマルジョンを配合することによって、好ましくは自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%となるように、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンとを配合することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0016】
また本発明の水性インクは、界面活性剤(2)がインク組成物全体に対して0.01〜1重量%含まれていることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、界面活性剤(2)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0018】
また本発明の水性インクは、1,2−アルカンジオール(1)がインク組成物全体に対して5〜30重量%含まれていることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、1,2−アルカンジオール(1)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0020】
また本発明の水性インクは、さらに多価アルコールアルキルエーテル類を含有することを特徴とする。
【0021】
また本発明の水性インクは、多価アルコールアルキルエーテル類がトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはテトラエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、本発明の水性インクに多価アルコールアルキルエーテル類、好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる多価アルコールアルキルエーテル類を配合することによって、保存安定性および記録画像の画質がさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0023】
また本発明の水性インクは、1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、1,2−アルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオールを用いることによって、保存安定性が一層優れた水性インクを得ることができる。
【0025】
本発明は、上記の水性インクを、ピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録媒体上に吐出して記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0026】
本発明に従えば、本発明の水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録を行うことによって、記録媒体が普通紙であっても、ノズルからの吐出を良好な状態に保ちながら、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の水性インクは、自己分散型顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)を有効成分とし、これに水を加えて全量を100重量%にした組成物である。
【0028】
自己分散型顔料は、顔料に表面改質処理を施すことによって、水中での分散性を付与したものである。
【0029】
顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、たとえば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどを挙げることができる。無機顔料の形状は、粒子状、薄片状(鱗片状)、繊維状などのいずれであってもよい。有機顔料としては、たとえば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などの多環式顔料、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを挙げることができる。
【0030】
顔料の表面改質には公知の方法を採用することができる。表面改質法の具体例としては、たとえば、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などを挙げることができる。この表面改質処理を施すことによって、水に自己分散可能な顔料を得ることができる。
【0031】
また、市販の自己分散型顔料を用いることもできる。市販の自己分散型顔料としては、たとえば、キャボット(Cabot)社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−55(商品名)、オリエント化学(株)製のMicrojetBlackCW−1(商品名)、東洋インキ(株)製の自己分散型顔料、日本触媒(株)製の自己分散型顔料などを挙げることができる。
【0032】
自己分散型顔料は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
自己分散型顔料の含有量は、水性インク全量の0.3〜18重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲から選択される。0.3重量%未満では、充分な画像濃度が得られなくなり、記録画像の画質が低下することがある。18重量%を超えると、吐出安定性が悪化する場合がある。
【0033】
1,2−アルカンジオール(1)は、炭素数4〜7の1,2−アルカンジオールである。1,2−アルカンジオール(1)は通常浸透剤として用いられるものであるけれども、水酸基が片方に偏在し、適度な疎水性部分を有しており、これと非イオン界面活性剤(2)とが相互に作用することによって、水性インクの保存安定性をも向上させているものと推測される。1,2−アルカンジオール(1)の具体例としては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオールを挙げることができる。これらの中でも、水性インクの浸透性、保存安定性などを一層向上させることを考慮すると、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールといった炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールが好ましく、保存安定性をさらに向上させることを考慮すると、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。
【0034】
1,2−アルカンジオール(1)の含有量は、水性インク全量の5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲から選択される。5重量%未満では、保存安定性が不充分になったり、適度な浸透性が得られず、定着性や乾燥性に悪影響を及ぼす場合がある。30重量%を超えると、保存安定性、分散安定性などが悪化するおそれがある。
【0035】
非イオン界面活性剤(2)は、直鎖型第2級アルコールの酸化エチレンおよび酸化プロピレン付加体である。このような非イオン界面活性剤は種々のものが市販されており、その具体例としては、たとえば、ソフタノールEPシリーズ(商品名、(株)日本触媒製)などを挙げることができる。非イオン界面活性剤(2)は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。非イオン界面活性剤(2)の含有量は、本発明の水性インク全量の0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%の範囲から選択される。0.01重量%未満では、吐出安定性が不充分になる。一方、1.0重量%を超えると、保存安定性に悪影響を及ぼす。
【0036】
本発明の水性インクは、保存安定性、顔料の記録媒体への定着性、記録画像の耐擦過性などを向上させるためにポリエステルエマルジョンを含んでいてもよい。
【0037】
ポリエステルエマルジョンとしては、ポリエステル粒子を水に分散させたものであれば、特に制限されることなく、使用できる。
【0038】
本発明においては、市販のポリエステルエマルジョンを使用することもできる。市販品の具体例としては、たとえば、東洋紡績(株)製のバイロナール(商品名)などを挙げることができる。これらの中でも、記録画像の耐擦過性、保存安定性、吐出安定性などをさらに向上させることなどを考慮すると、ガラス転移点が60℃以下のものが好ましく、10〜50℃のものが特に好ましい。ポリエステルエマルジョンは1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
【0039】
ポリエステルエマルジョンの含有量は、特に制限されるものではない。しかしながら、さらに優れた耐擦過性、保存安定性、吐出安定性などを得ることを考慮すると、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が、水性インク全量の0.7〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0040】
本発明の水性インクは、保存安定性、記録媒体への浸透性、記録画像の画質などをさらに向上させるために、多価アルコールアルキルエーテル類を含んでいてもよい。多価アルコールアルキルエーテル類としては公知のものを使用でき、たとえば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。これらの中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールブチルエーテル類が好ましく、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。多価アルコールアルキルエーテル類は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。多価アルコールアルキルエーテル類の含有量は特に制限されるものではないけれども、その効果を充分に発揮させ、保存安定性、記録媒体への浸透性、記録画像の画質などを向上させることを考慮すると、本発明の水性インク全量の3〜40重量%、好ましくは3〜30重量%の範囲から選択される。
【0041】
本発明の水性インクは、分散安定性をさらに向上させたり、保存時のインクの乾燥を防止するために、水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。水溶性有機溶媒としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオールなどの多価アルコ−ル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどの含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、エチレン尿素、尿素などの含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。水溶性有機溶媒は、1種が単独で使用されまたは必要に応じて2種以上が併用される。
【0042】
本発明の水性インクは、その好ましい特性を損なわない範囲で、非イオン界面活性剤(2)以外の非イオン界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン界面活性剤は、水性インクの他の成分との相溶性がよく、液中で安定しているものが好ましい。その具体例としては、たとえば、ポリオキシアセチレン系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などを挙げることができる。界面活性剤は1種が単独で使用されまたは2種以上が併用される。
【0043】
本発明の水性インクは、その好ましい特性を損なわない範囲で、従来からインクジェット記録方式用の水性インクに用いられている各種の添加剤の1種または2種以上を含んでいてもよい。該添加剤の具体例としては、たとえば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤などを挙げることができる。
【0044】
防腐防黴剤としては、たとえば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどを挙げることができる。
【0045】
pH調整剤としては、調合される水性インクに悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができ、たとえば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などを挙げることができる。
【0046】
キレート試楽としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0047】
防錆剤としては、たとえば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどを挙げることができる。
【0048】
本発明の水性インクは、必要に応じて、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、目詰まり防止剤などを含んでいてもよい。
【0049】
本発明の水性インクは、たとえば、自己分散型顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)の所定量、ならびに必要に応じてその他の添加剤などの適当量を用い、これに水を加えて全量を100重量%に調整し、各成分を水に混合し、分散または溶解させることによって製造できる。
【0050】
混合は、通常の分散機または混合機を用いて行われる。分散機としては、たとえば、ディスパー、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、超音波分散機などを挙げることができる。混合機としては、たとえば、攪拌用の羽根を備えている攪拌機、高速の分散機、乳化機などを挙げることができる。
【0051】
この様にして得られる本発明の水性インクはそのまま使用できるけれども、その使用に先立ち、濾過を施してもよい。濾過は、たとえば、孔径0.45〜8μm程度のフィルターを用い、常圧下または減圧下に行われる。
【0052】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式の水性インクとして好適に使用できる。特に、ピエゾ型記録ヘッドを備えたインクジェット記録方式のプリンタに適用するのが好ましい。
【0053】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用の水性インクとして用いられるだけでなく、水性インクが用いられる実質的に全ての用途に用いることができる。該用途の具体例としては、たとえば、グラビアインクなどの印刷インク、水性塗料、化粧品、筆記具用インク、トナー、液体現像剤、電子写真用材料などを挙げることができる。
【0054】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水性インクを、ピエゾ型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置によって、記録媒体上に吐出することによって、行われる。
【0055】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水性インクを使用する以外は、従来のインクジェット記録方法と同様に実施できる。
【0056】
ピエゾ型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置としては、従来から知られているものを用いることができる。
【0057】
記録媒体としては、従来から使用されているものを用いることができ、たとえば、普通紙、葉書、カラーコピー用紙、インクジェット用紙、プラスチックシート、プラスチックフィルムなどを挙げることができる。
【0058】
[実施例]
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
本実施例において、「%」とあるのは、特に断らない限り「重量%」を意味するものとする。
また本実施例において用いられる各成分は、具体的には次のとおりである。
【0059】
[自己分散型顔料]
A:商品名Cab−O−jet−200、キャボット社製
B:商品名C.I.ピグメントレッド122自己分散処理、キャボット社製
C:商品名C.I.ピグメントレッド122自己分散処理、東洋インキ(株)製
D:商品名C.I.ピグメントブルー15:3自己分散処理、東洋インキ(株)製
【0060】
[顔料]
カーボンブラック:商品名MA100、三菱化学(株)製
【0061】
[顔料分散剤]
界面活性剤型分散剤:商品名ニッサンノニオンNS−220、日本油脂(株)製
EOPOブロックポリマー:商品名ニューポールPEシリーズ、三洋化成(株)製
スチレン−アクリル樹脂エマルジョン 商品名ジョンクリルJ67、ジョンソンポリマー社製
【0062】
[ポリエステルエマルジョン]
商品名バイロナール、ガラス転移温度20℃、東洋紡績(株)製
【0063】
[界面活性剤(2)]
直鎖型第2級アルコールの酸化エチレンおよび酸化プロピレン付加体:商品名ソフタノールEP7045、x=7、y=4.5、m+l=9〜11、(株)日本触媒製
【0064】
[多価アルコールアルキルエーテル類]
E:エチレングリコールモノブチルエーテル
F:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
G:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
H:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル
【0065】
実施例1および比較例1〜2
表1に示す割合(%)で各成分を混合し、これにイオン交換水を加えて全量を100%とした。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、次いで脱気処理し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。
【0066】
なお、下記の表において、ポリエステルエマルジョン、EOPOブロックコポリマーおよびスチレン−アクリル樹脂エマルジョンの含有量は、それぞれ樹脂固形分含有量に換算して示した。
【0067】
上記で得られた実施例1の水性インクおよび比較例1〜2の水性インクを用い、次の方法に従って、評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0068】
[評価1]
水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタ(商品名:CL−700、セイコーエプソン(株)製)によって、普通紙(商品名:シャープNM4A2S、シャープ(株)製)上に評価パターンを印字し、(a)吐出安定性、(b)画質(画像滲み)および(c)定着性を評価した。評価方法は次のとおりである。
【0069】
(a)吐出安定性
水性インクをプリンタに充填した後、目詰まりチェックパターンを50枚印字し、各ノズルからのインク吐出性を調べ、下記の基準に従って評価した。
◎:完全に全ノズルが吐出し、連続印字が可能である。
○:不吐出ノズルが発生するが、50枚連続印字できる。
×:初めは吐出するが、不吐出ノズルが増え、連続印字できない。
【0070】
(b)画質(画像滲み)
25℃、25RHの環境下で評価画像を印字し、1分後に目視で観察し、下記基準に従って評価した。
◎:滲み、ひげはほとんど見られず高画質である。
○:滲み、ひげがわずかに見られるが全体として画質は良い。
×:滲み、ひげが目立ち、画質も悪い。
【0071】
(c)定着性(耐擦過性)
25℃、25RHの環境下でマゼンタべたを印字し、印字後画像を指で擦り、下記の基準に従って評価した。定着性評価は、耐擦過性の指標になる評価試験である。
◎:画像がほとんど乱れない
○:力を入れて摺ると僅かに乱れる
×:力を入れて摺らなくても画像が乱れ、指が汚れる
【0072】
[評価2(保存安定性試験)]
水性インクを70℃のオーブンに10日間放置し、放置前後の水性インクについて、固形物の粒子径を光散乱法粒度分布計(商品名:マイクロトラック、日機装(株)製)によって測定し、放置前後の粒子径変化を調べ、下記の基準に従って評価した。粒子径変化が少ないほど、粒子の凝集が少なく、保存安定性が優れていることになる。
◎:初期からの平均粒子系変化が50nm以内である
○:初期からの平均粒子系変化が50nmを超え、300nm未満である
×:初期からの平均粒子系変化が300nmを超え、1μm未満である
【0073】
[総合評価]
総合評価の基準は次のとおりである。
◎:非常に優れている(各評価において2項目以上◎がある)
○:優れている(各評価において1項目◎がある)
△:現状のレベル(各評価において×がない)
×:劣っている項目がある(各評価において×がある)
【0074】
【表1】
【0075】
表1から、界面活性剤型顔料分散剤または合成高分子化合物である顔料分散剤を含まない本発明品(実施例1)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)との相乗作用によって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて高水準で満たしていることが明らかである。
【0076】
実施例2〜3および比較例3
表2に記載の成分を、表2に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例2〜3および比較例3の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表2に併記する。
【0077】
【表2】
【0078】
表2から、本発明品(実施例2)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)との相乗作用によって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて高水準で満たしていることが明らかである。
【0079】
また、さらにポリエステルエマルジョンを含有する本発明品(実施例3)は、総合的な性能が一層向上していることが明らかである。
【0080】
これに対し、比較品(比較例3)は、1,2−ヘキサンジオールと非イオン界面活性剤(2)とを含んでいるにもかかわらず、スチレン−アクリル樹脂エマルジョンをも含んでいるので、本発明品に比べて、吐出安定性が不充分であり、保存安定性が極めて悪く、インクジェット用インクとしての使用に耐えることができない。
【0081】
実施例4〜8
表3に記載の成分を、表3に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクを調製した。得られた実施例4〜8の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表3に併記する。
【0082】
【表3】
【0083】
表3から、本発明品は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべてを水準以上で満たしていることが明らかである。特に、非イオン界面活性剤(2)の含有量が好ましい範囲(0.01〜1重量%)にある本発明品(実施例5〜7)はすべての性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0084】
実施例9〜13
表4に記載の成分を、表4に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例9〜13の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表4に併記する。
【0085】
【表4】
【0086】
表4から、本発明品は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能をすべて水準以上で満たしていることが明らかである。特に、1,2−ヘキサンジオールの含有量が好ましい範囲(5〜30重量%)にある本発明品(実施例10〜12)が多くの性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0087】
実施例14〜17および比較例4
表5に記載の成分を、表5に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクおよび比較例の水性インクを調製した。得られた実施例14〜17および比較例4の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表5に併記する。
【0088】
【表5】
【0089】
表5から、一般式(1)において、nの値が所定の範囲(0〜3)にある本発明品(実施例14〜17)は、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能のすべてを水準以上で満たしていることが明らかである。特に、好ましい1,2−アルカンジオール(1)である1,2−ヘキサンジオールを含む本発明品(実施例17)は、すべての性能を高い水準で満たしていることが明らかである。
【0090】
一方、n=5である比較品(比較例4)では、水性インクを調製することさえ出来なかったことが明らかである。
【0091】
実施例18〜22
表6に記載の成分を、表6に記載の割合(%)で使用する以外は、実施例1と同様に操作し、本発明の水性インクを調製した。得られた実施例18〜22の水性インクについて、実施例1と同様にして、評価試験を行った。結果を表6に併記する。
【0092】
【表6】
【0093】
表6から、多価アルコールアルキルエーテル類、特にトリエチレングリコールモノブチルエーテルまたはテトラエチレングリコールモノブチルエーテルをさらに配合することによって、吐出安定性、画質、定着性、保存安定性などの諸性能が一層向上した水性インクがえられることが明らかである。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、自己分散顔料、1,2−アルカンジオール(1)および非イオン界面活性剤(2)という特定の3成分を特定量ずつ用いることによって、自己分散型顔料を含んでいるにもかかわらず、吐出安定性、保存安定性および分散安定性に顕著に優れた水性インクを得ることができる。
【0095】
本発明の水性インクを用いれば、記録媒体が普通紙か否かに関係なく、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
【0096】
本発明の水性インクは、インクジェット記録方式用プリンタ、特にピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録方式用プリンタに好適に用いることができる。
【0097】
本発明によれば、本発明の水性インクにさらにポリエステルエマルジョンを配合することによって、好ましくは自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分(ポリエステル粒子)との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%となるように、自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンとを配合することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0098】
本発明によれば、界面活性剤(2)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0099】
本発明によれば、1,2−アルカンジオール(1)の含有量を特定の範囲から選択することによって、保存安定性、吐出安定性、記録画像の耐擦過性などがさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0100】
本発明によれば、本発明の水性インクに多価アルコールアルキルエーテル類、好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる多価アルコールアルキルエーテル類を配合することによって、保存安定性および記録画像の画質がさらに向上した水性インクを得ることができる。
【0101】
本発明によれば、1,2−アルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオールを用いることによって、保存安定性が一層優れた水性インクを得ることができる。
【0102】
本発明によれば、本発明の水性インクを用い、ピエゾタイプの記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録を行うことによって、記録媒体が普通紙であっても、ノズルからの吐出を良好な状態に保ちながら、耐擦過性に優れ、画像濃度が高く、異なる色のインクドット境界部での色滲み、裏抜け、混色などのない、高画質の記録画像を定着性良く形成することができる。
Claims (9)
- さらにポリエステルエマルジョンを含有することを特徴とする請求項1記載の水性インク。
- 自己分散型顔料とポリエステルエマルジョンに含まれる固形分との合計量が水性インク全量の0.7〜20重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の水性インク。
- 一般式(2)で示される界面活性剤が、インク組成物全体に対して0.01〜1重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の水性インク。
- 一般式(1)で示される1,2−アルカンジオールが、インク組成物全体に対して5〜30重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の水性インク。
- さらに多価アルコールアルキルエーテル類を含有することを特徴とする請求項1〜5に記載の水性インク。
- 多価アルコールアルキルエーテル類がトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはテトラエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする請求項1〜6に記載の水性インク。
- 1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする請求項1〜7に記載の水性インク。
- 請求項1〜8の水性インクを、ピエゾタイプ記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置によって記録媒体上に吐出して記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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