JPH06102684B2 - 懸濁重合法 - Google Patents

懸濁重合法

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JPH06102684B2
JPH06102684B2 JP33519189A JP33519189A JPH06102684B2 JP H06102684 B2 JPH06102684 B2 JP H06102684B2 JP 33519189 A JP33519189 A JP 33519189A JP 33519189 A JP33519189 A JP 33519189A JP H06102684 B2 JPH06102684 B2 JP H06102684B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/18Suspension polymerisation

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生成物粒子の粒度分布を容易に制御すること
ができる新規な懸濁重合法に関し、特に、従来懸濁重合
法では得ることが困難であった粒径5〜50μmの粒子の
製造に適する懸濁重合法に関する。
(従来の技術) 近年、粒子自身の機能を利用する粒子工業の重要性が高
まりつつあり、例えば間隙保持剤、滑り性付与剤、機能
性担体、表面活性を有する単分散粒子、標準粒子、トナ
ー、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充填剤等
の分野で応用されている。これ等の粒子を重合法で得る
為には、種々の方法が知られているが、主として乳化重
合法に頼っているのが現状である。さらに、特殊な用途
に使用する場合には、ソープフリー重合、分散重合、シ
ード重合、膨潤重合等も利用されている。しかしなが
ら、これ等の重合法には幾つかの欠点がある。例えば、
乳化重合法によれば、狭い粒度分布を有する粒子を得る
ことができる利点があるが、乳化剤などの不純物の除去
が非常に困難であり、そして得られる粒子の粒径は精々
1μm程度で制限があり、それ以上の大きさの粒子を得
ることは極めて困難である。さらに大きな粒子を得る試
みとしては、分散重合、シード重合、膨潤重合等が研究
されているが、それ等は煩雑で長時間を要し、またコス
ト的にも大変な不利を生じる為、工業的生産ができず、
したがって、用途開発研究が活発化せず、特殊な用途に
しか応用ができないという問題がある。
一方、懸濁重合法については、上記の重合法における問
題点を比較的有しておらず、得られる製品が粒子状であ
るという特徴を有しているため、例えば、電子写真法な
どに用いられるトナーの製造に応用することが提案され
ている。
ところが、懸濁重合法は、一般に粒径と粒度分布の制御
が難しいという問題点を有している。すなわち懸濁重合
では、撹拌分散された液滴が様々な径を有し、更に、分
散時に液滴は分裂と合一を繰り返すため、得られる粒子
の粒度分布が極めて広いものとなり、特に粒度分布の狭
い単分散粒子状のものを得ることは困難である。
上記した種々の応用分野に使用される製品において、粒
度分布の不均一性は、重合体の機械的強度、耐薬品性、
色相、透明性及び成形性等の性能と重要な関係があり、
粒径と粒度分布の制御は重要な問題である。
したがって、所望の粒径を有する均質な重合体粒子を容
易に得ることができる懸濁重合技術の確立が、この分野
における重要な課題となっていた。
(発明が解決しようとする課題) 懸濁重合において粒子が得られるのは以下の理由によ
る。本来静置状態では分離すべき分散相と連続相とが、
撹拌などのエネルギーによって分散相が分裂し、いわゆ
る液滴状態となり、連続相中に存在する。この液滴は、
このままの状態では一般に、分裂や合一を繰り返す不安
定なものであるが、液滴が熱等のエネルギーが供給され
ることにより重合し、もはや分裂ないし合一し得ない剛
直な粒子となる。したがって、懸濁重合法により粒子の
大きさを制御するには、この液滴の大きさと、分裂及び
合一に対して何等かの制御を加えればよい。しかしなが
ら、この液滴の大きさに関連する要素を考えてみると、
分散機(撹拌機)の特性、構造、形状、大きさ、或いは
反応容器の大きさ、形状、反応液のチャージ量、或いは
また反応液の相比、粘度、分散剤の種類と量等があり、
実質上一元的に制御できるものではない。したがって、
現実にはこれ等多々ある要素のうちの幾つかを固定し、
求める粒子を得る条件を決定していかざるを得ないのが
現状である。しかしながら、この方法では、余りにも試
行錯誤的であり、スケールアップ等の条件変更に対して
対応が困難である。この点は、製造上の重大な障害にな
っており、特に製品を粉体のまま利用しようとする目的
においては、いわゆる製造上のフレキシビリティーに欠
ける。
本発明者等は、上記の問題について鋭意検討を重ねた結
果、先に、これ等の問題を容易に解決できる新規な懸濁
重合法を提案した。すなわち、分散相成分と連続相成分
を、それぞれ独立した経路を通して、分散機に同時かつ
連続的に供給し、得られた分散液を重合槽に導入して重
合させる方法を提案した。本発明者等は、この方法につ
いてさらに検討した結果、分散機の剪断領域の制御が特
に重要であることを見出した。
一般に、分散機は固定部(ステーター)と回転部によっ
て構成されるが、分散に要する剪断場は、ステーターと
回転部との間隙に生ずると考えられる。一般的な分散機
においては、回転部として、タービン構造の回転翼が用
いられる。この型の分散機では、剪断場はタービン翼の
外周部とステーターとの間隙である。したがって、剪断
場に発生する面積は、タービン翼の断面積により規制さ
れることになり、その面積を調整することや、大面積化
は困難である。さらにステーターには、通常通液を容易
にするために通液用の空間が設けてあり、この空間では
有効な剪断場は発生しないので、この点も有効な造粒を
妨げる原因となっている。そのため、従来の分散機を、
上記の懸濁重合法に応用した場合、被分散液に与える剪
断エネルギーが不十分となる傾向がある。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであ
る。
したがって、本発明の目的は、生成する重合体粒子の粒
径及び粒度分布を容易に制御することが可能な懸濁重合
法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記懸濁重合法についてさらに検討を重
ねた結果、分散機として、筒状回転体を有するものを用
い、そして剪断効率を向上させる為に、その表面に凹凸
を設けて、回転体とほぼ同形状の内部形状を持つ固定部
を配設した場合に、有効な剪断場が形成され、極めて有
効に粒度分布の幅の狭い微粒子を製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
本発明の懸濁重合法は、単量体組成物を懸濁重合して重
合体又は重合体組成物を製造するに際して、単量体組成
物よりなる分散相成分と水性媒質よりなる連続相成分と
をそれぞれ独立した槽に保持し、それ等の槽より分散相
成分及び連続相成分を、それぞれ独立した経路を通し
て、分散機に同時に連続して供給し、剪断力を付与する
ことによって所望の大きさの液滴を持つ分散液を形成
し、その後、得られた分散液を重合槽中に導入して重合
を完結させ、重合体又は重合体組成物を得ることからな
るものであり、そして、上記分散機として、凹凸を設け
た内表面を有する固定部に、凹凸を設けた外表面を有す
る筒状回転体が回転可能に配設されてなる分散機を使用
することを特徴とする。
以下、本発明について図面を参酌して詳細に説明する。
第2図は、本発明を実施するために使用する装置の一例
である。図中、21連続相槽、22は分散相槽であり、それ
ぞれ流路28及び29によって剪断力を付与する装置である
撹拌機を備えた分散機25に連結されている。23は、凝縮
機26及び加熱ジャケット27を備えた反応槽であり、流路
30によって分散機25と連結されている。24は定量ポンプ
である。
上記の装置における分散機として、本発明においては、
凹凸を設けた内表面を有する固定部と、凹凸を設けた外
表面を有する筒状回転体とを有し、そしてその固定部
に、筒状回転体が回転可能に配設されたものを用いる。
第1図は、本発明において使用する分散機の一例の概略
縦断面図であって、11はタービン回転軸であって、その
先端には表面に凹凸を設けた筒状回転体15が備え付けら
れており、そして撹拌シール12によって液密に支持され
ている。分散機本体には、内部空間を形成する内表面を
有するステーター14が固定して取り付けられており、そ
してその内表面には凹凸が設けられている。このステー
ターの内部空間には、筒状回転体15が、回転可能に配設
されている。なお、13は分散液吐出口、16は連続相流入
口、17は分散相流入口である。
本発明を実施するには、水性媒質よりなる連続相成分を
連続相槽21に保持し、単量体組成物よりなる分散相成分
を分散相槽22に保持する。それ等各成分を、それぞれ独
立した流路28及び29に設けられた定量ポンプ24、24を駆
動することによって、分散機25の剪断領域付近に同時に
かつ連続的に供給する。
すなわち、分散機の連続相流入口16及び分散相流入口17
から導入された連続相成分及び分散相成分は、筒状回転
体15とステーター14との間の間隙を通過する際に剪断力
を受け、分散相と連続相とよりなる分散液が形成され
る。形成された分散液は、分散液吐出口13から吐出さ
れ、流路30を経て反応槽23に送られ、通常の手法によっ
て懸濁重合が実施される。
本発明において、上記第1図に示される分散機における
筒状回転体は、テーパー状の形状を有しているが、他の
形状を有するものを用いていてもよい。又、筒状回転体
及び固定部の表面に設けられる凹凸は、ランダムに設け
られたものであっても、規則的に設けられたものであっ
てもよく、又、特定の形状をもったものであってもよ
い。また、凹凸の高さは、筒状回転体の最大外周部直径
の1〜15%の範囲に設定するのが好ましい。
筒状回転体の外表面と固定部の内表面との間隙は、0.05
〜3.0mmに設定するのが好ましく、特に0.1〜2.0mmの範
囲が好ましい。又、筒状回転体は、その外表面の線速度
が300〜2500m/分の範囲になるように回転させるのが好
ましく、特に800〜1600m/分の範囲が好ましい。
本発明においては、分散相成分と連続相成分とを、所定
の流量で分散機に同時に連続して供給、そして、分散機
において、筒状回転体と固定部との狭い間隙で剪断力を
受けるので、剪断効率が向上し、しかも、剪断領域を通
過する液滴の量、大きさ、或いは相比等の分散条件が完
全に管理下に置かれて、分散相及び連続相は、常に一定
の条件で剪断力を受けることになり、したがって、粒度
分布の狭い分散液が得られる。
上記の方法において、一回の剪断領域の通過では、求め
る粒径の大きさを得られない場合は、更に他の分散機を
設け、一段目の分散機を通過した分散液を、第2段目の
分散機に通過させればよい。必要に応じて、この方式を
何段も重ねることも可能である。
本発明において、連続相は水性媒質よりなる連続相成分
によって形成される。連続相には懸濁安定剤を含有させ
るのが好ましい。
一般に懸濁重合で用いられる懸濁安定剤は、その分子中
に親水性基と疎水性基とを有する界面活性物質があげら
れる。これ等界面活性物質は、親水性基として、水酸
基、カルボキシル基及びその塩、スルホン基及びその塩
等の極性基を有し、疎水性基として、脂肪族及び芳香族
等の無極性基で構成されており、分散工程により形成さ
れた液滴の合一を防ぎ、安定化する能力を有する化合物
である。
このような懸濁安定剤は、例えば、ポリビニルアルコー
ル、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒ
ドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリ(メタ)ア
クリル酸及びそれ等の塩等、及びリン酸カルシウム、微
粉末シリカ等の無機粉体があげられ、これ等の懸濁安定
剤は、重合中は、液滴表面を被覆し、液滴の合一、集塊
を防止する働きをしている。
さらに、懸濁安定剤の助剤として、塩化ナトリウム、硫
酸ナトリウム等の中性塩や、界面活性剤、例えば安息香
酸ビニル、ドデシルスルフォン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルフォン酸ナトリウム等を加えることも可能
である。
一方、分散相は、単量体組成物よりなる分散相成分によ
って形成される。単量体の主成分として使用される重合
性単量体としては、懸濁重合に使用可能なものであれば
特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、
p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノ
ニルスチレン、p−n−デシルスチレン等のスチレン及
びその誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息
香酸ビニル等の有機酸ビニルエステル類;メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸及
びその誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、
アクリル酸フェニル等のアクリル酸及びその誘導体;ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソ
プロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナ
フタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド等の重合性単量体が使用できる。
これ等のモノマーは、単独で、或いは必要に応じて二種
以上を種々の組成に組み合わせて用いることができる。
本発明においては、重合開始剤が使用されるが、重合開
始剤は重合単量体に可溶であるのが好ましい。その様な
重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル)2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始
剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、
その他の過酸化物系重合開始剤等があげられる。
本発明においては、分子量及び分子量分布を制御する目
的で、又は反応時間を制御する目的で、上記のような重
合開始剤の二種以上を種々の組成に組み合わせて用いる
ことが好ましい。また、更に必要に応じて過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の水溶性開始剤を併用しても
よい。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100部に対して、
通常0.1〜20部、好ましくは1〜5部である。
分散相には、必要に応じて染料、顔料その他の成分を添
加することが可能であり、例えばカーボンブラック等の
顔料を添加すれば、電子写真用トナーの製造にも応用す
ることができる。
上記の分散相成分と上記の連続相成分とを、それぞれ分
散機に導入し、所定の粒径及び粒度分布を有する分散液
を製造した後、分散液が懸濁重合に付されるが、懸濁重
合反応は、通常、重合温度50℃以上で行われ、重合開始
剤の分解温度を考慮して温度を設定する。設定温度が高
すぎると、重合開始剤の急激な分解が生じ、分子量など
に影響を与えるため好ましくない。
(作用) 本発明の作用について、従来の技術との関連において説
明する。
懸濁重合法において、得られる粒子の大きさを制御する
には、重合反応前の液滴の大きさを制御するのが重要で
あることは言うまでもない。この液滴は、反応液の撹拌
による乱流エネルギー、或いは撹拌翼による剪断力によ
り分裂される。一方、液滴の合一は、液滴同士の接触に
より生ずる。最終的な液滴の大きさは、この分裂と合一
のバランスにより決定される。
そこでまず分裂についてみると、50μm以下の粒子径の
液滴を得る方法を種々検討したところ、分散機の撹拌翼
による剪断力が、分裂を支配する要因の主体となってい
ることが判明した。このとき、分裂されて生ずる液滴の
大きさは、分裂される前の状態、剪断力の大きさ、剪断
の繰り返し回数などによって決まる。従来用いられてい
る分散機では、大きな液滴も小さな液滴も同じ剪断力を
受けるので、大きな液滴は剪断力を受けてある大きさの
液滴に分裂するが、小さな液滴が供給された場合でも、
その液滴は更に砕かれて更に小さな液滴に分裂してしま
い、最終的には乳化状態まで砕かれる。乳化成分は、再
び合一して大きな粒子とはなり得ず、その場合損失とな
る。また、一般の分散機(撹拌機)では、撹拌によって
生ずる循環流に乗った液滴は、剪断領域を通過する際に
細分化されるのと並行して、装置全体に存在する乱流場
でも乱流エネルギーによって細分化される機会がある。
しかし、装置内を流動する液滴の運動は、ランダムに近
いので、それぞれの液滴が遭遇する細分化の条件に分布
が生ずることが避けられない。
したがって、全ての液滴ができるだけ等しい頻度で剪断
力にさらされることが、液滴の大きさを制御する上で必
要な条件となる。また、粒度分布を制御するには、分散
機の剪断力を与える部分に、一定の状態の被分散液を供
給することが重要である。
一方、合一については、液滴同士の接触により起こると
考えられるが、一般的に粒子は径が小さいほど、単位体
積当りの表面エネルギーが大きくなり、粒子として安定
に存在することができる。さらに粒度分布を拡げる原因
となる要素は、同一系中に大きな粒子が小さな粒子と混
在することである。小さな粒子は、大きな粒子と衝突す
ると、それに吸収されやすいという現象がある。しか
し、粒子を充分安定な界面エネルギーを持つほどに小さ
くするためには、それだけ大きなエネルギーを供給する
必要があるので、狭い剪断領域で集中的に粒子を分裂さ
せることが有効であり、しかも全ての粒子に対して均等
に剪断力が及ぶように規則的に分裂させる条件をもたら
すことが肝要である。
本発明においては、分散相成分及び連続相成分は独立し
た経路を通して、所望の流量で分散機の剪断領域付近に
直接供給される。そしてその場合、分散機として、上記
したように、外表面に凹凸を設けた筒状回転体と、内表
面に凹凸を設けた固定部とよりなるものを用いるから、
筒状回転体と固定部との間の狭い間隙が剪断領域を形成
し、供給された各成分は、そこで集中的に剪断力が付与
される。しかも固定部の内表面及び回転体の外表面には
凹凸が設けられているから、剪断力の付与が効率よく実
施される。したがって、本発明によれば、剪断領域を通
過する液滴の量、大きさ、或いは相比等の分散条件が完
全に管理下におかれて、分散相及び連続相は、常に一定
の条件で剪断力を受けることになり、粒度分布の狭い分
散液が得られる。
(実施例) 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1 連続相成分としてポリビニルアルコール(東京化成
(株)製、重合度約2000、けん化度約80%)を水に対し
て1%、硫酸ナトリウムを水に対して3%含む水溶液を
調製し、第2図に示す装置の連続相槽に入れた。また、
分散相成分として、スチレン400g及びアクリル酸ブチル
100gの混合液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1
5gを溶解させた溶液を調製し、第2図に示す装置の分散
相槽に入れた。
次いで、分散相成分を100ml/分、連続相成分を400ml/分
で分散機に供給した。分散機として、第1図に記載の構
造を有し、回転体が最大部の直径50mmを有し、筒状回転
体と固定部との距離を1.00mmに設定したものを用い、90
00rpmで運転した。分散機を通過した分散液を、反応容
器に導き、タービン型撹拌翼で300rpmで撹拌しながら85
℃で8時間反応させた。
上記のようにして得られた重合体組成物を冷却、濾過し
た後、水で充分洗浄し、遠心分離により重合粒子のスラ
リーを得、これを乾燥することにより重合粒子を得た。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第3図に示す。上記重合粒子は、第3図に示されるよ
うな狭い粒度分布を有し、最頻値が約6.0μmであっ
た。
比較例1 実施例1において、分散機として、回転体が4枚羽根の
タービンを有する構造のものを用いる以外は、同様の条
件で懸濁重合を行った。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第4図に示す。上記重合粒子は、第4図に示されるよ
うな粒度分布を有し、最頻値が約6.0〜7.0μmであっ
た。この粒度分布は、実施例1の場合に比較して広い分
布となった。
実施例2 連続相として、リン酸カルシウムを水に対して3%、ド
デシルスルフォン酸ナトリウムを水に対して0.03%含有
する水溶液を調製し、第2図に示す装置の連続相槽に入
れた。又、分散相として、スチレン400g、アクリル酸ブ
チル100gの混合液に、2,2′−アゾイソブチロニトリル1
5gを溶解させた溶液を調製し、第2図に示す装置の分散
相槽に入れた。それ以後、実施例1と同様にして操作を
行った。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第5図に示す。上記重合粒子は、第5図に示されるよ
うな狭い粒度分布を有し、最頻値が約5.5μmであっ
た。
比較例2 実施例2において、分散機として、回転体が4枚羽根の
タービンを有する構造のものを用いる以外は、同様の条
件で懸濁重合を行った。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第6図に示す。上記重合粒子は、第6図に示されるよ
うな粒度分布を有し、最頻値が約5.5〜6.5μmであっ
た。この粒度分布は、実施例2の場合に比較して広い分
布となった。
(発明の効果) 本発明の懸濁重合法は、上記の構成を有するから、分散
相成分と連続相成分とが独立した経路を通して、所望の
流量で分散機の剪断領域付近に直接供給でき、そして分
散機において、外表面に凹凸を設けた筒状回転体と、内
表面に凹凸を設けた固定部との間に形成された狭い間隙
において集中的に剪断力が付与されるので、発泡を伴う
ことがなく、極めて効率よく分散を行うことができる。
したがって、本発明によれば、粒径と粒度分布を容易に
制御することができるから、所望の粒径と狭い粒度分布
を有する重合体又は重合体組成物を製造することが可能
である。したがって、本発明は、微細な粒径及び狭い粒
度分布が要求される材料の製造に有用である。
更にまた、本発明によれば、分散相成分と連続相成分
は、独立した装置で調製され、別々の経路を通して供給
されるので、相比を変更しても、他の製造要因に与える
影響は少ない。更にまた、従来のバッチ反応装置と異な
り、反応容器の大きさの影響を受けないなどの利点があ
る。したがってまた、重合体又は重合体組成物の製造に
おける、いわゆるフレキシビリティーを拡大し、スケー
ルアップ等の条件変更に対して容易に対処できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に使用する分散機の縦断面図、第2図
は、本発明の懸濁重合法に使用するための装置の一例の
概略構成図、第3図ないし第6図は、それぞれ、実施例
1、比較例1、実施例2及び比較例2の重合粒子の粒度
分布を示すグラフである。 11……タービン回転軸、12……撹拌シール、13……分散
液吐出口、14……ステーター、15……筒状回転体、16…
…連続相流入口、17……分散相流入口、21……連続相
槽、22……分散相槽、23……反応槽、24……定量ポン
プ、25……分散機、26……凝縮器、27……加熱用ジャケ
ット、28、29及び30……流路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単量体組成物を懸濁重合して重合体又は重
    合体組成物を製造するに際して、単量体組成物よりなる
    分散相成分と水性媒質よりなる連続相成分とをそれぞれ
    独立した槽に保持し、それ等の槽より分散相成分及び連
    続相成分を、それぞれ独立した経路を通して、分散機に
    同時に連続して供給し、剪断力を付与することによって
    所望の大きさの液滴を持つ分散液を形成し、その後該分
    散液を重合槽中に導入して重合を完結させ、重合体又は
    重合体組成物を得ることよりなる懸濁重合法であって、
    該分散機として、凹凸を設けた内表面を有する固定部
    に、凹凸を設けた外表面を有する筒状回転体を回転可能
    に配設されてなる分散機を使用することを特徴とする懸
    濁重合法。
  2. 【請求項2】筒状回転体の外表面の線速度が300〜2500m
    /分であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の懸濁重合法。
  3. 【請求項3】筒状回転体の外表面と固定部の内表面との
    間隙が0.05〜3.0mmであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の懸濁重合法。
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