JPH06102682B2 - 懸濁重合法 - Google Patents

懸濁重合法

Info

Publication number
JPH06102682B2
JPH06102682B2 JP19139189A JP19139189A JPH06102682B2 JP H06102682 B2 JPH06102682 B2 JP H06102682B2 JP 19139189 A JP19139189 A JP 19139189A JP 19139189 A JP19139189 A JP 19139189A JP H06102682 B2 JPH06102682 B2 JP H06102682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
phase component
suspension polymerization
polymerization method
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19139189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0356501A (ja
Inventor
雅文 上山
実 土田
昌寿 仁田
榮次 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP19139189A priority Critical patent/JPH06102682B2/ja
Publication of JPH0356501A publication Critical patent/JPH0356501A/ja
Publication of JPH06102682B2 publication Critical patent/JPH06102682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生成物粒子の粒径分布を容易に制御すること
ができる新規な懸濁重合法に関し、特に、従来懸濁重合
法では得ることが困難であった粒径5〜100μmの粒子
の製造に適する懸濁重合法に関する。
(従来の技術) 近年、粒子自身の機能を利用する粒子工業の重要性が高
まりつつあり、例えば間隙保持剤、滑り性付与剤、機能
性担体、表面活性を有する単分散粒子、標準粒子、トナ
ー、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充填剤等
の分野で応用されている。これ等の粒子を重合法で得る
為には、種々の方法が知られており、最も一般的に採用
されているのが乳化重合法である。また、特殊な用途に
使用する場合には、ソープフリー重合、分散重合、シー
ド重合、膨潤重合等も利用されている。しかしながら、
これ等の重合法には幾つかの欠点がある。例えば、乳化
重合法によれば、狭い粒径分布を有する粒子を得ること
ができる利点があるが、乳化剤などの不純物の除去が非
常に困難であり、そして得られる粒子の粒径は精々1μ
m程度であり、それ以上の大きさの粒子を得ることは極
めて困難である。分散重合、シード重合、膨潤重合等に
よれば、大きな粒径の粒子を得ることができるが、その
方法は煩雑で長時間を要し、またコスト的にも大変な不
利を生じる為、大量生産に不向きであり、結局特殊な用
途にしか応用ができないという問題がある。
一方、懸濁重合法については、上記の重合法における問
題点を比較的有しておらず、得られる製品が粒子状であ
るという特徴を有しており、また、分散相を予備的に塊
状重合させると、粒度分布が狭くなることも既に報告さ
れている。(特開昭57-25308号) (発明が解決しようとする課題) ところが、懸濁重合法は、一般に粒径と粒度分布の制御
が難しいという問題点を有している。すなわち懸濁重合
では、撹拌分散された液滴が様々な径を有し、更に、分
散時に液滴は分裂と合一を繰り返すため、得られる粒子
の粒径分布が極めて広いものとなり、特に粒径分布の狭
い単分散粒子状のものを得ることは困難である。また、
従来知られている予備的塊状重合を用いる懸濁重合法に
よっては、液滴の分裂と合一を単に制御し得るにすぎな
いから、所望の粒径と狭い粒度分布を有する重合体粒子
が得られるように粒径を制御することは不可能である。
ところで、上記した種々の応用分野に使用される製品に
おいて、粒度分布の不均一性は、重合体の機械的強度、
耐薬品性、色相、透明性及び成形性等の性能と重要な関
係があり、粒径と粒度分布の制御は重要な問題である。
したがって、所望の粒径を有する均質な重合体粒子を容
易に得ることができる懸濁重合技術の確立が、この分野
における重要な課題となっていた。
本発明は、従来の技術における上記のような実状に鑑み
てなされたものである。
本発明の目的は、粒径及び粒度分布を容易に制御するこ
とが可能な懸濁重合法を提供することにある。
懸濁重合において粒子が得られるのは以下の理由によ
る。本来静置状態では分離すべき分散相と連続相とが、
撹拌などのエネルギーによって分散相が分裂し、いわゆ
る液滴状態となり、連続相中に存在する。この液滴は、
このままの状態では一般に、分裂や合一を繰り返す不安
定なものであるが、液滴が熱等のエネルギーが供給され
ることにより重合し、もはや分裂ないし合一し得ない剛
直な粒子となる。したがって、懸濁重合法により粒子の
大きさを制御するには、この液滴の大きさと、分裂及び
合一に対して何等かの制御を加えればよい。しかしなが
ら、この液滴の大きさに関連する要素を考えてみると、
分散機(撹拌機)の特性、構造、形状、大きさ、或いは
反応容器の大きさ、形状、反応液のチャージ量、或いは
また反応液の相比、粘度、分散剤の種類と量等があり、
実質上一元的に制御できるものではない。したがって、
現実にはこれ等多々ある要素のうちの幾つかを固定し、
求める粒子をある条件を決定して行かざるを得ないのが
現状である。しかしながら、この方法では、余りにも試
行錯誤的であり、スケールアップ等の条件変更に対して
対応が困難である。この点は、製造上の重大な障害にな
っており、特に製品を粉体のまま利用しようとする目的
においては、いわゆる製造上のフレキシビリティーに欠
ける。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記の問題について鋭意検討を重ねた結
果、上記問題を容易に解決できる新規な懸濁重合法を見
出だし、本発明を完成するに至った。
本発明の懸濁重合法は、単量体組成物を懸濁重合して重
合体又は重合体組成物を製造するに際して、単量体組成
物よりなる分散相成分と水性媒質よりなる連続相成分と
を各々独立した槽に保持し、単量体組成物よりなる分散
相成分を塊状重合法により予め予備重合し、予備重合し
た分散相成分及び連続相成分を、それぞれ独立した経路
を通して、剪断力を付与する装置に同時に連続して供給
し、剪断力を付与することよって所望の大きさの液滴を
持つ分散液を形成し、その後該分散液を重合槽中に導入
して重合を完結させ、重合体又は重合体組成物を得るこ
とを特徴とする。
以下、本発明について図面を参酌して詳細に説明する。
第1図は、本発明を実施するために使用する装置の一例
である。図中、1は連続相槽、2は分散相槽であり、そ
れぞれ流路8及び9によって剪断力を付与する装置であ
る撹拌機を備えた分散機5に連結されている。3は、凝
縮機6及び加熱ジャケット7を備えた反応槽であり、流
路10によって分散機5と連結されている。4は定量ポン
プである。
本発明を実施するには、水性媒質よりなる連続相成分を
連続相槽1に保持し、単量体組成物よりなる分散相成分
を分散相槽2に保持する。分散相成分は、予め分散槽内
で予備的に塊状重合させて低重合度の重合体を形成させ
ておき、そしてそれ等各成分を、それぞれ独立した流路
8及び9に設けられた定量ポンプ4、4を駆動すること
によって、撹拌機を備えた分散機5の剪断領域付近に同
時にかつ連続的に供給する。分散機の剪断領域付近に供
給された各成分は、撹拌機の剪断力によって分散し、分
散相と連続相とよりなる分散液が形成される。形成され
た分散液は、流路10を経て反応槽3に送られ、通常の手
法によって懸濁重合が実施される。
本発明においては、予め塊状重合法により予備重合させ
て所望の粘弾特性を持つように調整された分散相成分と
連続相成分とを、所定の流量で撹拌機を備えた分散機に
同時に連続して供給するので、剪断領域を通過する液滴
の量、大きさ、或いは相比等の分散条件が完全に管理下
に置かれて、分散相及び連続相は、常に一定の条件で剪
断力を受けることになり、したがって、粒度分布の狭い
分散液が得られる。
上記の場合、一回の剪断領域の通過では、求める粒径の
大きさを得られない場合は、更に他の分散機を設け、一
段目の分散機を通過した分散液を、第2段目の分散機に
通過させればよい。必要に応じて、この方式を何段も重
ねることも可能である。得られた分散液は適当な経路を
通して別の容器に写し、そこで通常の手法を用いて懸濁
重合反応を行わせることも可能である。
本発明において、連続相は水性媒質よりなる連続相成分
によって形成される。連続相には懸濁安定剤を含有させ
るのが好ましい。
一般に懸濁重合で用いられる懸濁安定剤は、その分子中
に親水性基と疎水性基とを有する界面活性物質があげら
れる。これ等界面活性物質は、親水性基として、水酸
基、カルボキシル基及びその塩、スルホン基及びその塩
等の極性基を有し、疎水性基として、脂肪族及び芳香族
等の無極性基で構成されており、分散工程により形成さ
れた液滴の合一を防ぎ、安定化する能力を有する化合物
である。
このような懸濁安定剤は、例えば、ポリビニルアルコー
ル、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒ
ドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリ(メタ)ア
クリル酸及びそれ等の塩等があげられ、これ等の懸濁重
合体は、重合中は、液滴表面を被覆し、液滴の合一、集
塊を防止する働きをしている。
また、連続相には、乳化防止の目的で、塩化ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム等の中性塩を加えてもよい。また、
更に、分散工程により形成された液滴の合一を防ぐ目的
で、グリセリン、エチレングリコール等の増粘剤を加え
てもよい。
一方、分散相は、単量体組成物よりなる分散相成分を予
備重合させることによって形成される。
単量体組成物の主成分として使用される重合性単量体と
しては、懸濁重合に使用可能なものであれば特に限定さ
れるものではなく、例えば、スチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−
メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロル
スチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン等のスチレン及びその誘
導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン
等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲ
ン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息
香酸酸ビニル等の有機酸ビニルエステル類;メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸及
びその誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、
アクリル酸フェニル等のアクリル酸及びその誘導体;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイ
ソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニル
ケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクロリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド等の重合性単量体が使用できる。
これ等のモノマーは、単独で、或いは必要に応じて二種
以上を種々の組成に組み合わせて用いることができる。
本発明においては、重合開始剤が使用されるが、重合開
始剤は重合性単量体に可溶であるのが好ましい。その様
な重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル)2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開
始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネー
ト、その他の過酸化物系重合開始剤等があげられる。
本発明においては、分子量及び分子量分布を制御する目
的で、又は反応時間を制御する目的で、上記のような重
合開始剤の二種以上を種々の組成に組み合わせて用いる
ことが好ましい。また、更に必要に応じて過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の水溶性開始剤を併用しても
よい。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100部に対して、
通常0.1〜20部、好ましくは1〜5部である。
分散相には、必要に応じて染料、顔料その他の成分を添
加することが可能である。
上記の分散相成分は分散相槽において、塊状重合法によ
って予備的に重合させ、所望の粘度を有する重合体を形
成させる。重合反応は、通常、50℃ないし200℃の範囲
の温度で、固有粘度50〜5000センチポイズ(25℃)の重
合体が得られるような条件下で行われる。
上記のように予備重合した分散相成分と上記の連続相成
分とを、それぞれ分散機に導入し、所定の粒径及び粒度
分布を有する分散液を製造した後、分散液が懸濁重合に
付されるが、懸濁重合反応は、通常、重合温度50℃以上
で行われ、重合開始剤の分解温度を考慮して温度を設定
する。設定温度が高すぎると、重合開始剤の急激な分解
が生じ、分子量などに影響を与えるため好ましくない。
(作用) 本発明の作用について、従来の技術との関連において説
明する。
懸濁重合法において、得られる粒子の大きさを制御する
には、重合反応前の液滴の大きさを制御するのが重要で
あることは言うまでもない。液滴は、反応液の撹拌の乱
流エネルギー、或いは撹拌翼による剪断力により分裂さ
れる。一方、液滴の合一は、液滴同士の接触により生じ
る。最終的な液滴の大きさは、この分裂と合一のバラン
スにより決定される。
そこでまず分裂についてみると、100μm或いはそれ以
下の粒子径の液滴を得るには、分散機の撹拌翼による剪
断力が、分裂を支配する要因の主体となっていることが
判明した。このとき、分裂されて生じる液滴の大きさ
は、分裂される前の状態、剪断力の大きさ、剪断の繰り
返し回数などによって定まる。従来用いられている分散
機では、大きな液滴も小さい液滴も同じ剪断力を受ける
ので、大きな液滴は剪断力を受けてある大きさの液滴に
分裂するが、小さな液滴が供給された場合でも、その液
滴は更に砕かれて更に小さな液滴に分裂してしまい、最
終的には乳化状態まで砕かれる。乳化成分は、再び合一
して大きな粒子とはなり得ず、損失をきたす。また、一
般の分散機(撹拌機)では、撹拌によって生じる循環流
に乗った液滴は、剪断領域を通過する際に細分化される
との平行して、装置全体に存在する乱流場でも乱流エネ
ルギーによって細分化される機会がある。しかし、装置
内を流動する液滴の運動は、ランダムに近いので、それ
ぞれの液滴が遭遇する細分化の条件は分布が生じること
が避けられない。
したがって、全ての液滴ができるだけ等しい頻度で剪断
力にさらされることが、液滴の大きさを制御する上で必
要な条件となる。また、粒度分布を制御するには、分散
機の剪断力を与える部分に、一定の状態の被分散液を供
給することが重要である。
更に、液滴の剪断力による分裂特性は、液滴の持つ粘弾
特性によって変化する(化学工業論文集:第8巻、第1
号、86頁、1982年)ので、液滴の大きさは、液滴の重合
度を制御して粘弾性を調節することにより、制御可能に
なる。したがって、本発明によれば、液滴の大きさは、
分散機の運転条件と液滴の重合度の制御により、制御幅
を容易に拡大することができる。
一方、合一については、液滴同士の接触により起こると
考えられるが、液滴の合一速度は重合反応の全過程で一
定ではなく、ある過程を過ぎるとその速度は急激に低下
する。したがって、その過程まで独立した分散相槽中で
重合反応を進行させ、その後、分散機を通過させて所望
の大きさの液滴を得れば、もはや合一の問題はなくな
り、合一は回避できる。
本発明においては、上記の様に、分散相成分と連続相成
分とを各々独立した槽に保持し、そして分散相成分を予
め予備重合させた後、それぞれ独立した経路を通して、
剪断力を付与する装置に同時に連続して供給し、狭い剪
断領域で集中的に剪断力が付与されるから、各成分を一
定の状態で供給することが可能になり、そして、全ての
液滴が等しい頻度で剪断力にさらされることになる。し
たがって、所望の粒径を持ち、粒度分布の狭い分散液が
形成される。また、分散相成分は、予め予備重合させて
いるので、通常の撹拌条件下でも合一は殆ど生じないも
のになっている。したがって、分散液を続いて懸濁重合
させれば、所望の粒径及び粒度分布を有する重合体又は
重合体組成物を容易に得ることができる。
(実施例) 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1 連続相成分としてポリビニルアルコール(東京化成
(株)製、重合度約2000、けん化度約80%)を水に対し
て1%、硫酸ナトリウムを水に対して3%含む水溶液を
調製し、第1図に示す装置の連続相槽に入れた。また、
分散相成分として、スチレン400g及びアクリル酸ブチル
100gの混合液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1
5gを溶解させた溶液を調製し、第1図に示す装置の分散
相槽に入れた。分散相槽に設けた加熱ジャケットに、75
℃の温水を循環させ、内部を70℃に保ちながら3.5時間
撹拌し、予備重合を行って、固有粘度2500ホンチポイズ
(25℃)の重合体を形成させた。
第1図に示す装置を用いて、予備重合した分散相成分を
5ml/分、連続相成分を30ml/分で分散機に供給した。分
散機はステータ・ロータ型の分散機を用い、8500rpmで
運転した。分散機を通過した分散液を、反応容器に導
き、タービン型撹拌翼で300rpmで撹拌しながら85℃で8
時間反応させた。
上記のようにして得られた重合体組成物を冷却、濾過し
た後、水で充分洗浄し、遠心分離により重合粒子のスラ
リーを得、これを乾燥することにより重合粒子を得た。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第2図に示す。上記重合粒子は、第2図に示されるよ
うな狭い粒度分布を有し、最頻値が約6μmであった。
実施例2 実施例1において、予備重合した分散相成分の供給速度
を10ml/分、連続相成分の供給速度を80ml/分、分散機の
回転数を9500rpmとした以外は、実施例1と同様にして
操作を行った。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第3図に示す。上記重合粒子は、第3図に示されるよ
うな狭い粒度分布を有し、最頻値が約7μmであった。
比較例 連続相成分としてポリビニルアルコール(東京化成
(株)製、重合度約2000、ケン化度約80%)を水に対し
て1%、硫酸ナトリウムを水に対して3%含む水溶液2l
を調製し、また分散相成分として、スチレン400g、アク
リル酸ブチル100gの混合液に2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル15gを溶解させた液を調製し、第1図に示す
装置の反応槽に入れた。反応槽に分散機(特殊機化製、
ホモミキサー)を設置し、9000rpmで8分間分散させ
た。その後、タービン型撹拌翼で300rpmで撹拌しながら
85℃で8時間反応させた。
上記のようにして得られた重合体組成物を冷却、濾過し
た後、水で充分洗浄し、遠心分離により重合粒子のスラ
リーを得、これを乾燥することにより重合粒子を得た。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャー100μm)を用いて測定した結果(個数分布)
を第4図に示す。上記重合粒子は、第4図に示されるよ
うに広い粒度分布を有するものであった。
(発明の効果) 本発明の懸濁重合法は、上記の構成を有し、粒径と粒度
分布を容易に制御することができるから、所望の粒径と
狭い粒度分布を有する重合体又は重合体組成物を製造す
ることが可能である。したがって、本発明は、微細な粒
径及び狭い粒度分布が要求される材料の製造に有用であ
る。
更にまた、本発明によれば、分散は狭い密閉した領域内
で行うことができるので、分散液を得る場合に発泡が少
ない。また分散相成分と連続相成分は、独立した装置で
調製され、別々の経路を通して供給されるので、相比を
変更しても、他の製造要因に与える影響は少ない。更に
また、従来のバッチ反応装置と異なり、反応容器の大き
さの影響を受けないなどの利点がある。したがってま
た、重合体又は重合体組成物の製造における、いわゆる
フレキシビリティーを拡大し、スケールアップ等の条件
変更に対して容易に対処できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の懸濁重合法に使用するための装置の
一例の概略構成図、第2図ないし第4図は、それぞれ、
実施例1、実施例2及び比較例の重合粒子の粒度分布を
示すグラフである。 1……連続相槽、2……分散相槽、3……反応槽、4…
…定量ポンプ、5……分散機、6……凝縮器、7……加
熱用ジャケット、8、9及び10……流路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単量体組成物を懸濁重合して重合体又は重
    合体組成物を製造するに際して、単量体組成物よりなる
    分散相成分と水性媒質よりなる連続相成分とをそれぞれ
    独立した槽に保持し、単量体組成物よりなる分散相成分
    を塊状重合法により予め予備重合紙、予備重合した分散
    相成分及び連続相成分を、それぞれ独立した経路を通し
    て、剪断力を付与する装置に同時に連続して供給紙、剪
    断力を付与することによって所望の大きさの液滴を持つ
    分散液を形成し、その後該分散液を重合槽中に導入して
    重合を完結させ、重合体又は重合体組成物を得ることを
    特徴とする懸濁重合法。
  2. 【請求項2】剪断力を複数個の剪断力を不溶する装置に
    よって複数回付与することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の懸濁重合法。
  3. 【請求項3】得られる重合体が、粒径5〜100μmの粒
    子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の懸濁重合法。
JP19139189A 1989-07-26 1989-07-26 懸濁重合法 Expired - Fee Related JPH06102682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19139189A JPH06102682B2 (ja) 1989-07-26 1989-07-26 懸濁重合法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19139189A JPH06102682B2 (ja) 1989-07-26 1989-07-26 懸濁重合法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0356501A JPH0356501A (ja) 1991-03-12
JPH06102682B2 true JPH06102682B2 (ja) 1994-12-14

Family

ID=16273824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19139189A Expired - Fee Related JPH06102682B2 (ja) 1989-07-26 1989-07-26 懸濁重合法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06102682B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5608017A (en) * 1992-01-29 1997-03-04 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Suspension polymerization method
JP2562759B2 (ja) * 1992-01-29 1996-12-11 株式会社巴川製紙所 懸濁重合法
CN111925466A (zh) * 2020-09-17 2020-11-13 凯瑞环保科技股份有限公司 一种阻燃型石墨可发性聚合苯乙烯树脂的制备装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0356501A (ja) 1991-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0443609B1 (en) Method and apparatus of suspension polymerization
US6177525B1 (en) Process for preparing microemulsion polymer particles using high shear forces
JPH06102681B2 (ja) 懸濁重合法
JPH06102682B2 (ja) 懸濁重合法
JPH06102684B2 (ja) 懸濁重合法
US5608017A (en) Suspension polymerization method
JPH06102685B2 (ja) 懸濁重合法
JPH06102683B2 (ja) 懸濁重合法
JP2832867B2 (ja) 懸濁重合法
JP2712064B2 (ja) 懸濁重合法
KR20010012124A (ko) 단독중합체 및 공중합체의 제조 방법
JPH06102687B2 (ja) 懸濁重合法
JP2533020B2 (ja) 懸濁重合法
EP0554072B1 (en) Suspension polymerization method and particles obtained therewith
JP2779772B2 (ja) 懸濁重合法
JP2779775B2 (ja) 懸濁重合法
JP2597257B2 (ja) 懸濁重合法
JPH06102686B2 (ja) 懸濁重合法
JP3248747B2 (ja) 懸濁重合法
JP3248748B2 (ja) 懸濁重合法
JP2779768B2 (ja) 懸濁重合法
JP2597254B2 (ja) 懸濁重合法
JPH06128305A (ja) 懸濁重合法
MXPA99001614A (en) Process for producing a particulate polymer
JPH02254468A (ja) 重合トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees