JP3514657B2 - 懸濁重合粒子の製造方法 - Google Patents
懸濁重合粒子の製造方法Info
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Description
性付与剤、機能性担体、表面活性を有する単分散粒子、
トナー、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充填
剤、光透過や反射の制御剤などの粒子であり、様々な工
業分野で使用するのに適した懸濁重合粒子の製造方法に
関する。
業の重要性が高まりつつあるが、その応用分野として知
られている間隙保持剤、滑り性付与剤、機能性担体、表
面活性を有する単分散粒子、トナー、塗料の流動性やつ
や特性を制御する機能性充填剤、光透過や反射の制御剤
などの用途の粒子を重合法で得るには、現在のところ主
として乳化重合法に頼っている。しかしながら、乳化重
合法は乳化剤等の無視できない不純物の除去が大変困難
であること、極めてコストが高いこと、製造法が煩雑で
大量の生産に不向きなこと、狭い粒子径分布を有し、か
つ1μm以上の大きさの粒子を得ることは極めて困難で
ある等の問題点を有する。
め、単量体組成物よりなる分散相成分を水性媒質よりな
る連続相成分に分散懸濁させ、分散懸濁され粒子群とな
った単量体組成物に対して重合反応をせしめる懸濁重合
法により重合粒子を得ることが提案されている。更に近
年懸濁重合法による重合粒子に対して、より機能性を持
たせた重合体粒子が要望されている。例えば電子写真複
写機に使用されるトナー粒子においては、その粒子の形
状によって、流動性や摩擦帯電性が異なるものであっ
て、単に球形状を有する粒子では必ずしも満足のいく性
能が得られるものではない。したがって、重合体粒子に
対して、不定形の形状を有するもの等、形状に特徴を持
たせ機能性を向上させた重合体粒子が要望されている。
しかるに、前記従来の懸濁重合法で得られた重合体粒子
は、球形のものしか得られず、非球形構造の重合体粒子
を選択的に得ることはできないという問題を有してい
た。すなわち、従来の懸濁重合法は、図5に示すように
容器11に分散相成分と連続相成分とを入れ、撹拌羽根
状の撹拌装置12により分散相成分と連続相成分とを撹
拌し、分散相の粒子群を形成していた。このような従来
の懸濁重合方法では、容器内の撹拌羽根近傍の(イ)領
域では分散相成分と連続相成分とが撹拌され、合一と分
散が繰り返し行われているが、斜線部(ロ)領域では分
散相成分と連続相成分とが滞留して撹拌されにくく、一
旦液滴が形成されるとその形状を保持しようとする作用
により球形の液滴粒子しか形成することができないとい
う問題を有していた。
形構造の懸濁重合粒子を提供することである。また本発
明の別の目的は、非球形構造もしくは球形構造の懸濁重
合粒子をどちらでも選択的に得ることが可能な懸濁重合
方法を提供することである。
懸濁重合粒子は、分散連続相を収めた容器を運動させ、
該分散連続相の全体に対して自転運動と公転運動とを同
時に与えて攪拌することによって得られた非球形、例え
ば紡錘型、不定形等であることを特徴とする懸濁重合粒
子である。懸濁重合粒子が紡錘形である場合は、長軸/
短軸の値が1.1以上であることを特徴とする懸濁重合
粒子であり、更にまた本発明は、下記式(1)で定義す
る異形化度Psが1.1以上であることを特徴とする懸濁
重合粒子である。
粒子の最大内接円の半径)
記(イ)及び(ロ)で構成される分散連続相を用いて、
この分散連続相を収めた容器を運動させ、該分散連続相
の全体に対して自転運動と公転運動とを同時に与えて撹
拌して重合性粒子群を形成し懸濁重合粒子を得ることを
特徴とする懸濁重合粒子の製造方法である。 (イ)単量体組成物を有する分散相 (ロ)水性媒体または有機媒体またはその混合物を有す
る連続相 また、本発明の別の製造方法は、少なくとも上記(イ)
及び(ロ)で構成される分散連続相を用いて、この分散
連続相を収めた容器を運動させ、該分散連続相の全体に
対して自転運動と公転運動とを同時に与えて撹拌する過
程において重合性粒子群を形成するとともに、重合反応
を撹拌と同時、または撹拌後、または撹拌時と撹拌後の
両方で進行させて、懸濁重合粒子を得ることを特徴とす
る懸濁重合粒子の製造方法である。上記のような本発明
の製造方法によれば、撹拌時間などの操作条件を制御す
ることにより懸濁重合粒子の90%以上を非球形あるい
は球形の粒子として、簡便に作り分け、形状を制御し得
ることが可能である。
粒子を図面を参照しつつ説明する。図1乃至図3は本発
明の製造方法による懸濁重合粒子の例であり、このよう
に本発明の製造方法による懸濁重合粒子は様々な非球形
構造の形状を有する懸濁重合粒子である。図1及び図2
は、紡錘形の懸濁重合粒子である。本発明における紡錘
形とは、図1のような円柱形の両端がとがった形状のラ
グビーボールのような形状をいい、また、図2のような
円柱形の両端が丸くなったカプセル形状のものをいう。
本発明では、上記紡錘形の懸濁重合粒子において、球形
粒子より諸機能性が明確に向上するためには、図1のよ
うに長軸をa及び短軸をbとした場合、a/bの値が
1.1以上であることが好ましく、更に1.3以上であ
ればより好ましく、2.0以上であれば機能性の向上が
非常に顕著となる。
では、球形粒子より諸機能性が明確に向上するために
は、下記式(1)で定義する異形化度Psが、1.1以上
で効果があり、好ましくは1.3以上であり、1.6以
上であれば機能性の向上がより顕著となる。
粒子の最大内接円の半径)なお、長軸a/短軸b及び異
形化度Psを求めるには、懸濁重合粒子を光学顕微鏡又は
電子顕微鏡で拡大し、その粒子の写真を解析することに
より得ることができる。上述の解析方法は、画像解析機
器による機械的な方法によってもよいし、粒子の大きさ
を実測した値から算出してもよい。後者の方法で長軸a
/短軸b及び異形化度Psを求める方法は、目的の粒子群
が複数個で平面的になるべく1層に並んだ状態でその平
面に鉛直方向から顕微鏡写真に収め、任意に複数の粒子
を抽出し、そのひとつひとつの粒子について、目視観察
などの手段を用いて定規やコンパスなどを利用して直交
する長軸aと短軸bあるいは懸濁重合粒子の最小外接円
の半径Rl、懸濁重合粒子の最大内接円の半径Rsを決定
し、それぞれの長さを計測し、上記a/bに対応するa
i/biまたは上記式(1)のPsに対応するPsi(iは
個々の粒子に対応していることを示す)を求め、そのa
i/biまたはPsiの平均値を、目的の粒子群のa/b
または異形化度のPsとする。
より諸機能性が明確に向上するために、また製造される
粒子群個々の形状が極端にばらつかないために、さらに
個々の大きさが極端に不揃いとならないために、前記長
軸aが1mm以下、短軸bが0.9mm以下のものが好
ましい。また、本発明の懸濁重合粒子は、体積平均粒子
径が1mm以下のものが好ましく、更に3μm〜1m
m、5μm〜30μmのものが好ましい。なお、体積平
均粒子径は、コールターカウンターやマイクロトラック
等の粒子測定機により測定することができる。
は、少なくとも単量体組成物の分散相と水性媒体または
有機媒体の連続相とを用いた分散連続相を収めた容器を
運動させ、該分散連続相の全体に対して自転運動と公転
運動とを同時に与えて攪拌して重合性粒子群を形成し重
合反応をおこなうことにより得ることができる。また、
本発明の懸濁重合粒子の製造方法によって選択的に得ら
れる懸濁重合粒子は、上記非球形の粒子に限らず、球形
の懸濁重合粒子を選択的に得ることもできる。前記分散
相の組成について記すと、分散相は単量体組成物を主成
分とするものであるが、必要に応じて着色剤やその他の
添加剤や希釈剤等を加えて、更に重合開始剤を加え攪
拌、溶解または分散させ調整する。上記の単量体組成物
および必要に応じて添加する着色剤や添加剤や希釈剤等
の均一分散が困難である場合には、分散相を調整する過
程の適当な段階において超音波分散機やメディア式分散
機等の分散機を使用してもよい。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3、4−ジクロル
スチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチ
レン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等の有機酸
ビニルエステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチル
アミノエチル等のメタクリル酸及びその誘導体;アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル
等のアクリル酸及びその誘導体;ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等の
N−ビニル化合物;ビニルナフフタリン類;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げ
られる。
場合は、染料または顔料等の着色剤を添加できる。この
ような染料や顔料等の着色剤としては、例えば、カーボ
ンブラック、鉄黒、ローズベンガル、ベンジジンイエロ
ー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンおよ
びこれらの混合物等が挙げられる。更にまた、必要に応
じて添加する添加剤としては、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等の定着改良剤、シリカ等の流動性改良剤等を挙
げることができる。また、本発明の製造方法にて使用さ
れる重合開始剤としては、単量体組成物に可溶であるこ
とが好ましく、このような重合開始剤としては、N,
N’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他
のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプ
ロピルパーオキシカーボネート、その他の過酸化物系重
合開始剤等が挙げられる。なお、分散相には上記着色剤
等の成分に限らず、粒子に対して様々な機能性を付与す
る成分を加えてもよい。
るものである。また、有機媒体とは、メタノール、エタ
ノール、2−メトキシエタノール、プロパノール、ブタ
ノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、アセトン等が
適用可能である。連続相には分散相の分散向上のため分
散安定剤を添加することが好ましく、分散安定剤として
は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ルのような有機化合物、硫酸カルシウム、燐酸三カルシ
ウムのような水難溶性無機微粒子が使用可能である。か
かる分散安定剤の添加量は、連続相に対して0.2〜2
0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%
である。分散安定剤の添加量が0.2重量%より少ない
と分散相の充分な分散安定性が得られにくく、20重量
%より多いと重合反応から得られた懸濁重合粒子から分
散安定剤を除去しにくくなる。さらに分散安定剤の助剤
として界面活性剤、例えばドデシルスルフォン酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどを
加えることも可能である。そのほか連続相に塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等の中
性塩を乳化防止の目的で加えてもよい。また重合反応し
て得られた懸濁重合粒子の合一を防ぐ目的で、グリセリ
ン、エチレングリコール等の増粘剤を加えてもよい。
続相を形成する。分散連続相は、容器中に分散相をいれ
た後、連続相をいれるか、又は容器中に連続相をいれた
後分散相をいれ形成するか、又は分散相と連続相を同時
にいれてもよい。この場合、撹拌を行う前に分散連続相
は容器中で分散相と連続相とが二層に分離されているこ
とが好ましいが、分散相が連続相の中にあらかじめ懸濁
されていてもかまわない。その重合反応前の懸濁状態に
おける分散相の粒子の直径の平均値は3μm以上、望ま
しくは50μm以上、さらに望ましくは500μm以上
であることが好ましい。但し、懸濁状態における分散相
の粒子が極めて微粒子である場合は、後で述べる撹拌工
程において該粒子群に撹拌時の剪断力が加えにくく非球
形の懸濁重合粒子が得にくい。本発明では、連続相に分
散相の粒子が懸濁されている分散連続相であっても該粒
子が十分に重合されていない状態であって、撹拌工程に
おける剪断力により該粒子が変形する状態の分散連続相
であれば本発明における非球形の懸濁重合粒子を得るた
めの分散連続相として使用することができる。例えば、
粒子径が20μm以下の非球形の懸濁重合粒子を得る場
合、撹拌工程開始前の連続相中の分散相の粒子の粒子径
が40μm以上であれば撹拌工程における剪断力により
非球形の粒子にすることが可能である。他方、選択的に
球形の懸濁重合粒子を得たい場合は、予め連続相に分散
相の懸濁された粒子が形成されていても差し支えない。
この場合は、撹拌工程前の連続相中の分散相の懸濁され
た粒子の粒子径およびその分布について、粒子径は所望
する懸濁重合粒子の平均粒子径以上の大きさであり、分
布は所望する粒子径分布の小粒子径側の頻度と少なくと
も同じか少ない、ことが条件となる。
続相に熱を加えておき、その後該連続相に分散相を加え
て分散連続相を形成することもできる。連続相に予め与
える熱の温度としては、分散相の重合反応性にもよる
が、70℃〜100℃が好ましく、更に80〜90℃が
好ましい。また、分散相と連続相との混合比は、重量比
で1:1〜1:10が好ましくさらに好ましくは1:2
〜1:10である。分散相1に対し連続相の割合が1未
満の場合は、懸濁液が得られないため懸濁重合粒子が得
られにくく、分散相1に対し連続相の割合が10より多
い場合は、単量体組成物の量が少ないため単位時間あた
りの生産性に劣る場合がある。
該容器を運動させ、自転運動と公転運動とを同時に与え
ることによって分散連続相全体を撹拌する。この場合、
分散連続相を収めた容器の全体を運動させる。この分散
連続相を攪拌するために行う容器を運動する手段として
は、容器を2次元的に単純に往復運動させるだけでは不
十分で、何らかの回転運動を与えるのが好ましく、自転
運動と公転運動とを同時に行う自転公転運動によって分
散連続相に剪断力を与えることが必要である。自転運動
とは、分散連続相を収めた容器の運動が、容器の重心を
回転軸に含むような回転運動によって行われる状態を意
味し、公転運動とは、容器の重心が回転軸に含まれない
ような回転運動によって行われる状態を意味する。自転
運動と公転運動の一例について図4を参照して説明す
る。図4において、1は分散連続相を収容した容器であ
って、該容器はX方向に回転することによって分散連続
相に自転運動を与えることができる。また、容器は支点
Pを基にしてY方向に回転することによって分散連続相
に公転運動を与えることができる。なお、X又はYの方
向は図4に示すものに限らず、例えばその逆でもよく何
ら限定されるものではない。本発明では、このように分
散連続相を収めた容器を運動させ、分散連続相の全体に
対して自転運動と公転運動とを同時に与えて撹拌するこ
とによって非球形の懸濁重合粒子を得ることができる。
また、本発明においては、上記分散連続相の撹拌の際、
重合反応を同時に行うことが好ましい。分散連続相の撹
拌と同時に重合反応を行うことにより、撹拌によって形
成された重合性粒子群は、変形され非球形状となり、そ
の際非球形状の重合性粒子群がその形状を維持したまま
重合反応されるため非球形の懸濁重合粒子が得られる。
また、本発明では撹拌時間を制御することにより、不定
形、紡錘形、球形の形状を有した懸濁重合粒子を得るこ
とができる。この場合、自転運動と公転運動とを同時に
与えて撹拌時間を10分間以内、好ましくは5〜10分
間撹拌すると不定形状の懸濁重合粒子が得られやすく、
又自転運動と公転運動とを同時に与えて撹拌時間を10
〜30分間撹拌すると紡錘形状の懸濁重合粒子が得られ
やすく、又自転運動と公転運動とを同時に与えて撹拌時
間を30分以上、好ましくは30〜120分間撹拌する
と球形状の懸濁重合粒子が得られやすい。
後、または撹拌時と撹拌後の両方で重合反応を行う手段
としては、分散連続相を収容した容器に外部あるいは内
部から熱を加えながら該熱を調整して重合反応を行う
か、撹拌時に生じる分散相と連続相との40℃〜70℃
程度の摩擦熱により重合反応を行うか、又は分散相と連
続相とは別の第3成分を加えることにより該第3成分の
摩擦熱により重合反応を行うことができる。該第3成分
としては、重合反応を阻害しない液状物質や無機粒子等
を挙げることができる。また、重合反応は上記熱エネル
ギーに限らず、光エネルギー、触媒作用による重合であ
ってもよい。なお、分散連続相の撹拌と重合性粒子群の
重合反応とを同時に行うとは、撹拌により非球形又は球
形の重合性粒子群が生成された直後に重合反応が生じる
よう該重合性粒子群に熱エネルギー、光エネルギー、触
媒作用による重合を行うことである。すなわち、本発明
では非球形粒子を得る場合、撹拌の剪断力により多数の
重合性粒子群が形成され、且つ重合性粒子群は様々な形
状の重合性粒子群が生成される。この際重合性粒子群は
球形に戻ろうとする作用を有するため、球形に戻る前に
前記重合反応を生じせしめ懸濁重合粒子を得るものであ
る。なお、本発明においては、撹拌前、すなわち容器を
運動させる前に懸濁重合粒子が製造できる程度に重合反
応を進行させていてもよい。本発明の製造方法は分散連
続相の撹拌、すなわち重合性粒子群の生成と重合性粒子
群の重合反応を同時に進行させることができるため、従
来のように重合性粒子群の生成と重合性粒子群の重合反
応とを別工程とする必要がないため生産性が向上する。
ら取り出して乾燥させることにより本発明の非球形の懸
濁重合粒子を得ることができる。また、前記撹拌工程時
における容器から重合反応された重合性粒子群を有する
分散連続相を容器ごとあるいは容器から他の容器に移し
て、別の加熱手段によって加熱することにより重合反応
を更に進めてもよい。この場合、加熱とともに考え得る
様々な手段で撹拌が行われてもよい。
て具体的に説明する。 <分散相の調製>100mlのビーカー中にスチレンモ
ノマー10gと、2,2’アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)1gを添加し、撹拌モーターを用いて
よく分散させた。得られた分散液を分散相Aとする。 <連続相の調製>ガラス容器中に水1000gをいれ
て、第三燐酸カルシウム(太平化学産業株式会社製 商
品名:TCP−10)1000gを加えよく攪拌した。
さらに、ドデシルスルホン酸ナトリウム0.8gを加
え、溶解させた液を連続相とする。以下の例では連続相
を予め90℃に加熱しておき、冷えないうちに使用し
た。
非球形粒子を得た本発明の例を示す。90℃に加熱した
前記連続相20gを図4の構成を有する150mlの容
器にいれ、更に前記分散相Aを5g加えて二層分離状態
の分散連続相を得た。次に図4に示すような自転運動と
公転運動とを同時に容器に対して行うシンキー社製コン
ディショニングミキサーMX−201によって二層分離
状態の分散連続相に対して撹拌して20分間剪断力を与
えた。この場合、撹拌によって生じた重合性粒子群は、
上記装置が運転時に発する熱および分散相と連続相との
摩擦熱との作用により撹拌と同時に重合反応が進行して
いた。さらにこの反応容器内容物を90℃で10時間静
置状態で加熱し、重合反応された重合性粒子群を容器か
ら取り出し、硝酸10gおよび精製水で洗浄したのち、
乾燥させることにより本発明の非球形の懸濁重合粒子を
得た。上記非球形の懸濁重合粒子を光学顕微鏡で150
倍に拡大し観察した写真を図6に示す。図6の写真から
明らかなように得られた懸濁重合粒子は、90%以上の
粒子が非球形であって紡錘形状を有するものを含み、該
紡錘型粒子を解析したところ、長軸/短軸の値は、2.
4であった。また、この非球形の懸濁重合粒子の体積平
均粒子径をレーザー回折式粒度分布計(マイクロトラッ
ク、LEEDS & NORTHRUP INTSRU
MENTS)を用いて測定したところ8.7μmであっ
た。
する非球形粒子を得た例を示す。90℃に加熱した前記
連続相20gを図4の構成を有する150mlの容器に
いれ、更に前記分散相Aにおいて2,2’アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)1gを添加する前
に添加剤として顔料KET118(大日本インキ社製)
6重量部を加えて超音波分散機で10分間分散して調整
した分散相5gを加え、特殊機化社製のTKホモミキサ
ーによって5000rpmで30分間混合して分散相の
粒子の直径の平均値が41μmの懸濁状態の分散連続相
を得た。次に図4に示すような自転運動と公転運動とを
同時に容器に対して行うシンキー社製コンディショニン
グミキサーMX−201によって懸濁状態の分散連続相
に対して撹拌して20分間剪断力を与えた。この場合、
撹拌によって生じた重合性粒子群は、上記装置が運転時
に発する熱および分散相と連続相との摩擦熱との作用に
より撹拌と同時に重合反応が進行していた。さらにこの
反応容器内容物を90℃で10時間静置状態で加熱し、
重合反応された重合性粒子群を容器から取り出し、硝酸
10gおよび精製水で洗浄したのち、乾燥させることに
より本発明の非球形の懸濁重合粒子を得た。上記非球形
の懸濁重合粒子を光学顕微鏡で150倍に拡大し観察し
た写真を図7に示す。図7の写真から明らかなように得
られた懸濁重合粒子は、90%以上が非球形であって紡
錘形状を有するものを含み、該紡錘型粒子を解析したと
ころ、長軸/短軸の値は、2.4であった。また、この
非球形の懸濁重合粒子の体積平均粒子径をレーザー回折
式粒度分布計を用いて測定したところ25.3μmであ
った。
ら共重合体の非球形粒子を得た例を示す。90℃に加熱
した前記連続相20gを図4の構成を有する150ml
の容器にいれ、更に前記分散相A100重量部に対して
アクリル酸n−ブチル30重量部を加えて撹拌羽根およ
び撹拌モーターで5分間混合した分散相5gを加え、二
層分離状態の分散連続相を得た。次に図4に示すような
自転運動と公転運動とを同時に容器に対して行うシンキ
ー社製コンディショニングミキサーMX−201によっ
て二層分離状態の分散連続相に対して撹拌して10分間
剪断力を与えた。この場合、撹拌によって生じた重合性
粒子群は、上記装置が運転時に発する熱および分散相と
連続相との摩擦熱との作用により撹拌と同時に重合反応
が進行していた。さらにこの反応容器内容物を90℃で
10時間静置状態で加熱し、重合反応された重合性粒子
群を容器から取り出し、硝酸10gおよび精製水で洗浄
したのち、乾燥させることにより本発明の非球形の懸濁
重合粒子を得た。上記非球形の懸濁重合粒子を光学顕微
鏡で750倍に拡大し観察した写真を図8に示す。図8
の写真から明らかなように得られた懸濁重合粒子は、9
0%以上が非球形の不定形であって、該不定形粒子の一
部を解析したところ、Psの値は、2.5であった。ま
た、この非球形の懸濁重合粒子の体積平均粒子径をレー
ザー回折式粒度分布計を用いて測定したところ18.6
μmであった。
発明の例を示す。常温度で前記連続相20gを図4の構
成を有する150mlの容器にいれ、更に前記分散相A
5gを加えて二層分離状態の分散連続相を得た。次に図
4に示すような自転運動と公転運動とを同時に容器に対
して行うシンキー社製コンディショニングミキサーMX
−201によって二層分離状態の分散連続相に対して撹
拌して60分間剪断力を与えた。この場合、撹拌によっ
て生じた重合性粒子群は、上記装置が運転時に発する熱
および分散相と連続相との摩擦熱との作用により撹拌と
同時に重合反応が進行していた。さらにこの反応容器内
容物を90℃で10時間静置状態で加熱し、重合反応さ
れた重合性粒子群を容器から取り出し、硝酸10gおよ
び精製水で洗浄したのち、乾燥させることにより本発明
の球形の懸濁重合粒子を得た。上記、球形の懸濁重合粒
子を光学顕微鏡で750倍に拡大し観察した写真を図9
に示す。図9の写真から明らかなように得られた懸濁重
合粒子は球形状を有した。また、この球形の懸濁重合粒
子の体積平均粒子径をレーザー回折式粒度分布計(マイ
クロトラック、LEEDS & NORTHRUP I
NTSRUMENTS)を用いて測定したところ16.
8μmであった。
態の分散連続相に対して、静置状態を維持する容器であ
る500mlセパラブルフラスコに該分散連続相を入
れ、撹拌羽根を用いた撹拌装置により撹拌して重合性粒
子群を形成した後、重合性粒子群を有する分散連続相が
入った上述の容器を加熱できる水槽に移して、90℃1
0時間加熱して重合反応させ、重合反応された重合性粒
子群を容器から取り出し、硝酸10gおよび精製水で洗
浄したのち、乾燥させることにより懸濁重合粒子を得
た。この懸濁重合粒子を光学顕微鏡で150倍に拡大し
観察した写真を図10に示す。図10の写真から明らか
なように得られた懸濁重合粒子は、ほぼ全ての粒子が球
形の懸濁重合粒子であった。また、上記撹拌羽根を用い
た撹拌装置における製造条件を種々変えても、(例えば
容器の形状と大きさ、撹拌羽根の形状と大きさ、撹拌時
間、撹拌回転数、重合反応中の撹拌羽根による撹拌の有
無など)静置状態を維持する容器の中で製造した場合
は、ほとんどの粒子が球形であったことにはかわりな
く、すなわち、非球形の粒子を選択的に得る条件を見い
だすことはできなかった。
球形の重合体粒子を提供することができる。また本発明
の懸濁重合粒子の製造方法は、撹拌時間などの操作条件
を制御することにより、その形状が選択的に非球形であ
る懸濁重合粒子と、その形状が選択的に球形である懸濁
重合粒子とを簡便に作り分け、その形状を制御でき、得
ることができる。また、本発明の懸濁重合粒子の製造方
法は、撹拌と重合反応とを同時に行うことができるため
生産性が向上する。
子の一例である。
子の一例である。
子の一例である。
図である。
に示した図である。
写真である。
写真である。
写真である。
真である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも下記(イ)及び(ロ)で構成
される分散連続相を用いて、この分散連続相を収めた容
器を運動させ、該分散連続相の全体に対して自転運動と
公転運動とを同時に与えて撹拌して重合性粒子群を形成
し懸濁重合粒子を得ることを特徴とする懸濁重合粒子の
製造方法。 (イ)単量体組成物を有する分散相 (ロ)水性媒体または有機媒体またはその混合物を有す
る連続相 - 【請求項2】 少なくとも下記(イ)及び(ロ)で構成
される分散連続相を用いて、この分散連続相を収めた容
器を運動させ、該分散連続相の全体に対して自転運動と
公転運動とを同時に与えて撹拌する過程において重合性
粒子群を形成するとともに、重合反応を撹拌と同時、ま
たは撹拌後、または撹拌時と撹拌後の両方で進行させ
て、懸濁重合粒子を得ることを特徴とする懸濁重合粒子
の製造方法。 (イ)単量体組成物を有する分散相 (ロ)水性媒体または有機媒体またはその混合物を有す
る連続相 - 【請求項3】 撹拌を行う前に、容器内部に収めた分散
相と連続相とが2層に分離しているか、または懸濁され
ていることを特徴とする請求項1又は2記載の懸濁重合
粒子の製造方法。 - 【請求項4】 分散相と連続相との懸濁状態における分
散相の粒子の直径の平均値が3μm以上、又は50μm
以上、又は500μm以上であることを特徴とする請求
項3記載の懸濁重合粒子の製造方法。
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JP10928199A JP3514657B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | 懸濁重合粒子の製造方法 |
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JP2000302804A JP2000302804A (ja) | 2000-10-31 |
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