JPH03215502A - 懸濁重合法 - Google Patents

懸濁重合法

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JPH03215502A
JPH03215502A JP816690A JP816690A JPH03215502A JP H03215502 A JPH03215502 A JP H03215502A JP 816690 A JP816690 A JP 816690A JP 816690 A JP816690 A JP 816690A JP H03215502 A JPH03215502 A JP H03215502A
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上山 雅文
Haruhiko Yano
矢野 晴彦
Minoru Tsuchida
実 土田
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    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生成物粒子の粒径分布を容易に制御すること
ができる新規な懸濁重合法に関し、特に、従来懸濁重合
法では得ることが困難であった1〜50虜の粒子径を持
つ粒子の製造に適する懸濁重合法に関する。
(従来の技術) 近年、粒子自身の機能を利用する粒子工業の重要性が高
まりつつあり、例えば間隙保持剤、滑り性付与剤、機能
性単体、表面活性を有する単分散粒子、標準粒子、トナ
ー、塗料の流動性やつや特性を制御する機能性充填剤等
の分野で応用されている。これ等の粒子を重合法で得る
為には、種々の方法が知られているが、主として乳化重
合法に頼っているのが現状である。また、特殊な用途に
使用する場合には、ソープフリー重合、分散重合、シー
ド重合、膨潤重合等も利用されている。しかしながら、
これ等の重合法には幾つかの欠点がある。例えば、乳化
重合法によれば、狭い粒度分布を有する粒子を得ること
ができる利点があるが、乳化剤などの無視できない不純
物の除去が非常に困難であり、そして得られる粒子の粒
径は精々l虜程度であり、それ以上の大きさの粒子を得
ることは極めて困難である。分散重合、シード重合、膨
潤重合等によれば、大きな粒径の粒子を得ることができ
るが、その方法は煩雑で長時間を要し、またコスト的に
も大変な不利を生じる為、大量生産に不向きであり、結
局特殊な用途にしか応用ができないという問題がある。
一方、懸濁重合法については、上記の重合法における問
題点を比較的有しておらず、例えば、得られる製品が粒
子状であるという特徴を有しており、また、分散相を予
備的に塊状重合させると、粒度分布が狭くなることも既
に報告されている(特開昭57−25!1G8号公報)
(発明が解決しようとする課題) ところが、懸濁重合法は、一般に粒径と粒度分布の制御
が難しいう問題点を有している。すなわち懸濁重合法で
は、撹拌分散された液滴が様々な径を有し、更に、分散
時に液滴は分裂と合一を繰り返すため、得られる粒子の
粒度分布が極めて広いものとなり、特に粒度分布の狭い
単分散粒子状のものを得ることは困難である。また、従
来知られている予備的塊状重合を用いる懸濁重合法によ
っては、液滴の分裂と合一を単に制御し得るに過ぎない
から、所望の粒径と狭い粒度分布を有する重合体粒子が
得られるように粒径を制御することは不可能である。
ところで、上記した種々の応用分野に使用される製品に
おいて、粒度分布の不均一性は、重合体の機械的強度、
耐薬品性、色相、透明性及び成形性等の性能と重要な関
係があり、粒径と粒度分布の制御は重要な問題である。
本発明は、従来の技術における上記のような実状に鑑み
てなされたものである。
本発明の目的は、生成物粒子の粒径及び粒度分布を容易
に制御することが可能な懸濁重合法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、従来懸濁重合法では製造困難と言
われていた1〜50mの範囲の粒径を有する重合体粒子
を製造することが可能な懸濁重合法を提供することにあ
る。
懸濁重合において粒子が得られるのは以下の理由による
。本来静置状態では分離すべき分散相と連続相とが、撹
拌などのエネルギーによって分かれ、分散相が分裂し、
いわゆる液滴状態となり、連続相中に存在する。この液
滴は、このままの状態では一般に、分裂や合一を繰り返
す不安定なものであるが、液滴が熱等のエネルギーが供
給されることにより重合し、もはや分裂ないし合一し得
ない剛直な粒子となる。したがって、懸濁重合法により
粒子の大きさを制御するには、この液滴の大きさと、分
裂及び合一に対して何等かの制御を加えればよい。しか
しながら、この液滴の大きさに関連する要素を考えてみ
ると、分散機(撹拌機)の特性、構造、形状、大きさ、
或いは反応容器の大きさ、形状、反応液のチャージ量、
或いはまた反応液の相比、粘度、分散剤の種類と量等が
あり、実質上一元的に制御できるものではない。したが
って、現実にはこれ等多々ある要素のうちの幾つかを固
定し、求める粒子をある条件を決定して行かざるを得な
いのが現状である。しかしながら、この方法では、余り
にも試行錯誤的であり、スケールアップ等の条件変更に
対して対応が困難である。この点は、製造上の重大な障
害になっており、特に製品を粉体のまま利用しようとす
る目的においては、いわゆる製造上のフレキシビリティ
ーに欠ける。
本発明者等は、上記の問題について鋭意検討を重ねた結
果、先に、予備重合した単量体成分よりなる分散相と水
性媒質よりなる連続相とを分散機に同時に供給して所望
の分散液を形成した後、重合を完結する新規な懸濁重合
法を提案したが(特願平1−191391号)、この方
法において、分散相に着色性顔料などを含有させた場合
、粘弾特性が大きく変化し、特にカーボンブラック等の
化学的に活性を有する顔料を含有させた場合は、その粘
弾特性挙動は予測し難く、十分な結果が得られないこと
が判明した。そこで、さらに検討を加えた結果、カーボ
ンブラックを含有する分散相成分を、ある特定の状態に
なるように予備重合させると、粒径1〜50tlIAの
重合体組成物粒子が容品に得られることを見出だし、本
発明を完成するに至った。
(課題を解決するための手段) 本発明の懸濁重合法は、単量体組成物を懸濁重合して重
合体組成物を製造するに際して、カーボンブラックを含
有する単量体組成物よりなる分散相成分と、水性媒質よ
りなる連続相成分とをそれぞれ独立した槽に保持し、単
量体組成物よりなる分散相成分を予め加熱により重合率
1〜30%の範囲に予備重合して、60℃における粘度
が1〜30センチポイズの分散相成分を形成し、上記予
備重合した分散相成分及び連続相成分を、それぞれ独立
した経路を通して、剪断力を付与する装置に同時に連続
して供給し、剪断力を付与することによって所望の大き
さの液滴を持つ分散液を形成し、その後該分散液を重合
槽中に導入して重合を完結させ、重合体組成物を得るこ
とを特徴とする。
以下、本発明について図面を参酌して詳細に説明する。
第1図は、本発明を実施するために使用する装置の一例
である。図中、■は連続相槽、2は分散相槽であり、そ
れぞれ流路8及び9によって剪断力を付与する装置であ
る撹拌機を備えた分散機5に連結されている。3は、凝
縮機6及び加熱ジャケット7を備えた反応槽であり、流
路lOによって分散機5と連結されている。4は定量ボ
ンブである。
本発明を実施するには、水性媒質よりなる連続相成分を
連続相槽lに保持し、カーボンブラック0.5重量%以
上を含有する単量体組成物よりなる分散相成分を分散相
槽2に保持する。分散相成分は、予め分散相内で加熱す
ることによって、上記した範囲の重合率及び粘度を有す
るように予備的に塊状重合させる。次いで、これ等各成
分は、それぞれ独立した流路8及び9に設けられた定量
ボンブ4、4を駆動することによって、撹拌機を備えた
分散機5の剪断領域付近に同時にかつ連続的に供給され
る。分散機の剪断領域付近に供給された各成分は、撹拌
機の剪断力によって分散し、分散相と連続相とよりなる
分散液が形成される。形成された分散液は、流路lOを
経て反応槽3に送られ、通常の手法によって懸濁重合が
実施される。
本発明においては、上記の分散相成分及び連続相成分を
、所定の流量で撹拌機を備えた分散機に同時に連続して
供給するので、剪断領域を通過する液滴の量、大きさ、
或いは相比等の分散条件が完全に管理下に置かれて、分
散相及び連続相は、常に一定の条件で剪断力を受けるこ
とになり、したがって、粒度分布の狭い分散液が得られ
る。
上記の場合、一回の剪断領域の通過では、求める粒径の
大きさを得られない場合は、更に他の分散機を設け、一
段目の分散機を通過した分散液を、第2段目の分散機に
通過させればよい。必要に応じて、この方式を何段も重
ねることも可能である。
得られた分散液はもはや界面エネルギーが充分大きくな
っているので、通常の撹拌条件下でも合一は殆ど生じな
い。
本発明において、連続相は水性媒質よりなる連続相成分
によって形成される。連続相には懸濁安定剤を含有させ
るのが好ましい。
一般に懸濁重合で用いられる懸濁安定剤は、その分子中
に親水性基と疎水性基とを有する界面活性物質があげら
れる。これ等界面活性物質は、親水性基として、水酸基
、カルボキシル基及びその塩、スルホン基及びその塩等
の極性基を有し、疎水性基として、脂肪族及び芳香族等
の無極性基で構成されており、分散工程により形成され
た単量体組成物粒子の合一を防ぎ、安定化する能力を有
する化合物である。
このような懸濁安定剤は、例えば、ポリビニルアルコー
ル、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒ
ドロキシプ口ピルセルロース、エチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリ(メタ)ア
クリル酸及びそれ等の塩等があげられ、これ等の懸濁重
合体は、重合中は、液滴表面を被覆し、液滴の合一、集
塊を防止する働きをしている。
また、連続相には、乳化防止の目的で、塩化ナトリウム
、硫酸ナトリウム等の中性塩を加えてもよい。また、更
に、分散工程により形成された単量体組成物粒子の合一
を防ぐ目的で、グリセリン、エチレングリコール等の増
粘剤を加えてもよい。
一方、分散相は、カーボンブラックを含有する単量体組
成物よりなる分散相成分を予備重合させることによって
形成される。
単量体組成物の主成分として使用される重合性単量体と
しては、懸濁重合に使用可能なものであれば特に限定さ
れるものではないが、トナーの製造に関して説明すると
、以下に記載のものを使用することができる。
例えば、スチレン、O−メチルスチレン、■メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−メトギシスチレン、p
−フエニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、p一エチルスチレン、2.4−ジメチ
ルスチレン、p−n−プチルスチレン、p−tert−
プチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−
オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n一
デシルスチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン
、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン性
不飽和モノオレフィン類:塩化ビニル、塩化ビニリデン
、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;
酢酸ビニル、ブロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等の
有機酸ビニルエステル類;メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロビル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フエニル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル等のメタクリル酸及びその誘導体;ア
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ローブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
プロビル、アクリル酸ローオクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル等のアクリル酸及びその誘導体;ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルへ
キシルケトン、ビニルイソブロベニルケトン等のビニル
ケトン類;N−ビニルビロール、N−ビニル力ルバゾー
ル、N−ビニルインドール、N−ビニルビロリドン等の
N−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリ口ニト
リル、メタクリ口ニトリル、アクリルアミド等の重合性
単量体があげられる。
これ等のモノマーは、単独で、或いは必要に応じて二種
以上を種々の組成に組み合わせて用いられる。
上記単量体に含有させるカーボンブラックとしては、個
数平均粒径、給油量、pl+等に制限なく使用できるが
、市販品として、以下のものがあげられる。例えば、米
国キャボット社製リーガル(REGAL)400 , 
860 、330 , 300 SSRF−S ,ステ
リング(STERING)SOSV SNS, R ;
 :7 C7 ンヒア・カーボン日本棟製ラーベン(R
AvEN)1120、MT−P. 410、420 ,
 430 、450 、500 , 780 、780
 、1000、1035、1080S1080.三菱化
成■製810B,婁5B , $2400B, MA−
100等があげられる。これ等のカーボンブラックは単
独で或いは二種以上の組成に組み合わせて用いることが
できる。
カーボンブラックの含有量は、0.5重量%以上である
のが好ましい。カーボンブラックの含有量が0.5重量
%よりも低い場合には、得られる懸濁重合体微粒子を電
子写真用のトナーとして使用した場合に、十分な着色力
が得られない。
本発明においては、重合開始剤が使用されるが、重合開
始剤は重合性単量体に可溶であるのが好ましい。その様
な重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2.4
−ジメチルバレロニトリル) 、2.2 ’−アゾビス
−4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル、そ
の他のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルバー
オキサイド、メチルエチルケトンバーオキサイド、イソ
ブロビルパーオキシカーボネ−ト、その他の過酸化物系
重合開始剤等があげられる。
本発明においては、分子量及び分子量分布を制御する1
」的で、又は反応時間を制御する[1的で、上記のよう
な重合開始剤の二種以上を種々の組成に組み合わせて用
いることが好ましい。また、更に必要に応じて過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム等の水溶性開始剤を併用し
てもよい。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100部に対して
、通常041〜20部、好ましくは1〜5部である。
上記分散相成分は、分散相槽において、加熱による塊重
合法によって予備重合させる。予備重合は、重合率が1
〜30%、好ましくは5〜15%の範囲になるように行
い、そして、60℃における粘度が1〜30センチポイ
ズ、好ましくはl −Inセンチポイズの範囲の分散相
成分を形成させることが必要である。
なお、予備重合における重合率は、1%より低くなるこ
とは実際には起こり得ないが、30%より高くなる場合
は、造粒が困難になり、粒度分布が広くなる。また、予
備重合によって形成される分散相成分の粘度がlセンチ
ボイスよりも低くなったり、30センチポイズよりも高
くなると、比較的大きな部分の粒子径が増し、全体の粒
度分布が広くなる。
上記のようにして予m重合した分散相成分及び連続相成
分を、それぞれ分散機に導入し、所定の粒径及び粒度分
布を有する分散液を製造した後、分散液が懸濁重合に付
されるが、懸濁重合反応は、通常、重合温度50℃以上
で行われ、重合開始剤の分解温度を考慮して温度を設定
する。設定温度が高すぎると、重合開始剤の急激な分解
が生じ、分子量などに影響を与えるため好まし《ない。
(作用) 本発明の作用について、従来の技術との関連において説
明する。
懸濁重合法において、得られる粒子の大きさを制御する
には、重合反応前の液滴の大きさを制御するのが重要で
あることは言うまでもない。液滴は、反応液の撹拌の乱
流エネルギー、或いは撹拌翼による剪断力により分裂さ
れる。一方、液滴の合一は、液滴同士の接触により生じ
る。最終的な液滴の大きさは、この分裂と合一のバラン
スにより決定される。
そこでまず分裂についてみると、50s以下の粒子径(
トナーの場合は101以下)の範囲の液滴を得るには、
分散機の撹拌翼による剪断力が、分裂を支配する要因の
主体となっていることが判明した。このとき、分裂され
て生じる液滴の大きさは、分裂される前の状態、剪断力
の大きさ、剪断の繰り返し回数などによって定まる。従
来用いられている分散機では、大きな液滴も小さな液滴
も同じ剪断力を受けるので、大きな液滴は剪断力を受け
てある大きさの液滴に分裂するが、小さな液滴が供給さ
れた場合でも、その液滴は更に砕かれて更に小さな液滴
に分裂してしまい、最終的には乳化状態まで砕かれる。
乳化成分は、再び合一して大きな粒子とはなり得す、損
失をきたす。また、般の分散機(撹拌機)では、攪拌に
よって生じる循環流に乗った液滴は、剪断領域を通過す
る際に細分化されるのと平行して、装置全体に存在する
乱流場でも乱流エネルギーによって細分化される機会が
ある。しかし、装置内を流動する液滴の運動は、ランダ
ムに近いので、それぞれの液滴が遭遇する細分化の条件
は分布が生じることが避けられない。
したがって、全ての液滴ができるだけ等しい頻度で剪断
力にさらされることが、液滴の大きさを制御する上で必
要な条件となる。また、粒度分布を制御するには、分散
機の剪断力を与える部分に、一定の状態の被分散液を供
給することが重要である。
一方、合一については、液滴同士の接触により起こると
考えられるが、一般的に粒子は粒径が小さいほど、単位
体積あたりの表面エネルギーが大きくなり、粒子として
安定に存在することができる。更に、粒度分布を拡げる
原因となる要素は、同一系中に大きな液滴が小さな液滴
と混在することである。小さな液滴は、大きな液滴と衝
突すると、それに吸収されやすいという現象がある。と
ころで、液滴を充分安定な界面エネルギーを持つほどに
小さくするためには、それだけ大きなエネルギーを供給
する必要があるので、狭い剪断領域で集中的に液滴を分
裂されることが有効であり、しかも全ての液滴に対して
均等に剪断力が及ぶように規則的に分裂させる条件をも
たらすことが肝要である。
本発明においては、上記の様に、分散相成分と連続相成
分とを各々独立した槽に保持し、それぞれ独立した経路
を通して、剪断力を付与する装置に同時に連続して供給
し、狭い剪断領域で集中的に剪断力が付与されるから、
各成分を一定の状態で供給することが可能になり、そし
て、全ての液層が等しい頬度で剪断力にさらされること
になる,したがって、所望の粒径を持ち、粒度分布の狭
い分散液が形成される。また、得られた分散液は、界面
エネルギーが充分大きくなっているので、通常の撹拌条
件下でも合一は殆ど生じないものになっている。したが
って、分散液を続いて懸濁重合させれば、所望の粒径及
び粒度分布を有する重合体又は重合体組成物が得られる
償施例) 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
なお、以下の例において、「%」及び「部」は、特に断
らないかぎり、重量基準に基づく。
実施例1 連続相成分として第三リン酸カルシウムを水に対して3
%、塩化ナトリウムを水に対して3%含有する水溶液を
調製し、第1図に示す装置の連続相槽に入れた。また、
分散相成分として、スチレン400g及びアクリル酸ブ
チル100 gの混合液に、2.2′−アゾビスイソブ
チロニトリル15gを溶解させた溶液を調製し、この混
合液にカーボンブラック(三菱化成■製、#40)20
gを加え、超音波分散機にて20分間分散した。その後
、この分散液を第1図に示す装置の分散相槽に入れた。
槽内には、毎分50−の速度で乾燥窒素をパブリングさ
せ、窒素ガスで置換した。分散相槽に設けた加熱ジャケ
ットに、70℃の温水を循環させ、内部を60℃に保ち
ながら、3.5時間撹拌し、予備重合反応を行った。反
応液の一部を採取、秤量し、さらに多量のメチルアルコ
ール中に加え、未溶解成分を濾別、乾燥し、秤量した。
このときの重量差より重合率を得た。このときの重合率
はIO.5%であった。また、同じく反応液の一部を6
0℃に保温したセル中に入れ、B型粘度計(東京計器■
製、BL型)によりその粘度を測定したところ、6cp
であった。
第1図に示す装置を用いて、定量ボンブによって、分散
相成分を50d/分、連続相成分を250一/分で分散
機に供給した。分散機はステータ・ロータ型の分散機を
用い、8500rpmで運転した。分散機を通過した分
散液を、反応容器に導き、夕一ビン型撹拌翼で300r
p一で撹拌しながら85℃で8時間反応させた。
上記のようにして得られた重合体組成物を冷却、濾過し
た後、水で充分洗浄し、遠心分離により重合粒子のスラ
リーを得、これを乾燥することにより重合粒子を得た。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャ−100 8)を用いて測定した結果(個数分布
)を第2図に示す。上記重合粒子は、第2図に示される
ような狭い粒度分布を有し、最顧値が約5−であった。
実施例2 実施例1において、カーボンブラックの量を50g、予
備重合反応時間を5.0時間、分散相成分の供給速度を
75−/分、連続相成分の供給速度を225−/分、分
散機の回転数を9500rp−とじた以外は、実施例1
と同様にして操作を行った。予備重合反応後の重合率は
7.8%であり、また60℃における粘度は5cpであ
った。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アバ
ーチャ−100 1ffi)を用いて測定した結果(個
数分布)を第3図に示す。上記重合粒子は、第3図に示
されるような狭い粒度分布を有し、最頻値が約41!I
Aであった。
比較例1 連続相成分として第三リン酸カルシウムを水に対して8
%、塩化ナトリウムを水に対して3%含有する水溶液2
gを調製し、また、分散相成分として、スチレン400
g,アクリル酸ブチル100 gの混合液に2.2′−
アゾビスイソブチロニトリル15gを溶解させた液を調
製し、第1図に示す装置の反応槽に入れた。反応槽に分
散機(特殊機化製、ホモミキサー)を設置し、9000
rp−で8分間分散させた。その後、タービン型撹拌翼
で300rpmで撹拌しながら85℃で8時間反応させ
た。
上記のようにして得られた重合体組成物を冷却、濾過し
た後、水で充分洗浄し、遠心分離により重合粒子のスラ
リーを得、これを乾燥することにより重合粒子を得た。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アバ
ーチャ−100ρ)を用いて肺1定した結果(個数分布
)を第4図に示す。上記重合粒子は、第4図に示される
ように広い粒度分布を有するものであった。
比較例2 実施例1において、予備重合反応の条件を、90℃の温
水を循環させることにより、内部温度を85℃に保ちな
がら7時間撹拌する以外は、実施例と同様にして操作を
行った。予備重合反応後の重合率は75%であり、また
60℃における粘度は350 cpであった。
得られた重合粒子の粒度をコールターカウンター(アパ
ーチャ−toon)を用いて測定した結果(個数分布)
を第5図に示す。得られた重合粒子は、第5図に示され
るような広い粒度分布を有するものであった。
[有]明の効果) 本発明の懸濁重合法は、上記の構成を有し、粒径と粒度
分布を容易に制御することができるから、所望の粒径と
狭い粒度分布を有するカーボンブラック含有重合体組成
物を製造することが可能である。したがって、本発明は
、微細な粒径及び狭い粒度分布が要求される材料、特に
、電子写真トナーの製造に有用である。
更にまた、本発明によれば、分散は狭い密閉した領域内
で行うことができるので、分散液を得る場合に発泡が少
ない。また分散相成分と連続相成分は、独立した装置で
調製され、別々の経路を通して供給されるので、相比を
変更しても、他の製造要因に与える影響は少ない。更に
また、従来のバッチ反応装置と異なり、反応容器の大き
さの影響を受けないなどの利点がある。したがってまた
、重合体又は重合体組成物の製造における、いわゆるフ
レキシビリティーを拡大し、スケールアップ等の条件変
更に対して容易に対処できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の懸濁重合法に使用するための装置の
一例の概略構成図、第2図ないし第5図は、それぞれ、
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の重合粒子
の粒度分布を示すグラフである。 l・・・連続相槽、2・・・分散相槽、8・・・反応槽
、4・・・定量ポンプ、5・・・分散機、6・・・凝縮
器、7・・・加熱用ジャケット、8、9及びIO・・・
流路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)単量体組成物を懸濁重合して重合体組成物を製造
    するに際して、カーボンブラックを含有する単量体組成
    物よりなる分散相成分と、水性媒質よりなる連続相成分
    とをそれぞれ独立した槽に保持し、単量体組成物よりな
    る分散相成分を予め加熱により重合率1〜30%の範囲
    に予備重合して、60℃における粘度が1〜30センチ
    ポイズの分散相成分を形成し、上記予備重合した分散相
    成分及び連続相成分を、それぞれ独立した経路を通して
    、剪断力を付与する装置に同時に連続して供給し、剪断
    力を付与することによって所望の大きさの液滴を持つ分
    散液を形成し、その後該分散液を重合槽中に導入して重
    合を完結させ、重合体組成物を得ることを特徴とする懸
    濁重合法。
  2. (2)カーボンブラックの含有量が0.5重量%以上で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の懸
    濁重合法。
  3. (3)剪断力を複数個の剪断力を付与する装置によって
    複数回付与することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の懸濁重合法。
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CN111925466A (zh) * 2020-09-17 2020-11-13 凯瑞环保科技股份有限公司 一种阻燃型石墨可发性聚合苯乙烯树脂的制备装置及方法

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