JP4342607B2 - 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ - Google Patents

導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP4342607B2
JP4342607B2 JP2009520478A JP2009520478A JP4342607B2 JP 4342607 B2 JP4342607 B2 JP 4342607B2 JP 2009520478 A JP2009520478 A JP 2009520478A JP 2009520478 A JP2009520478 A JP 2009520478A JP 4342607 B2 JP4342607 B2 JP 4342607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive polymer
acid
dopant
content
sulfuric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009520478A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009001707A1 (ja
Inventor
良介 杉原
雅之 近藤
雄平 鶴元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tayca Corp filed Critical Tayca Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP4342607B2 publication Critical patent/JP4342607B2/ja
Publication of JPWO2009001707A1 publication Critical patent/JPWO2009001707A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/025Solid electrolytes
    • H01G9/028Organic semiconducting electrolytes, e.g. TCNQ
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/12Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/36Sulfur-, selenium-, or tellurium-containing compounds
    • C08K5/41Compounds containing sulfur bound to oxygen
    • C08K5/42Sulfonic acids; Derivatives thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • H01G9/0036Formation of the solid electrolyte layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/035Liquid electrolytes, e.g. impregnating materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L65/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers

Description

本発明は、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、それらを用いて合成した導電性高分子およびその導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。
上記チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主に有機スルホン酸が用いられ、その中でも、芳香族スルホン酸が適しているといわれており、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、芳香族スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合にあたっての酸化剤兼ドーパント剤として用いられている。
そして、その芳香族スルホン酸の第二鉄塩の中でも、トルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩などが特に有用であるとされている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、トルエンスルホン酸第二鉄塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて得られた導電性高分子は、初期抵抗値や耐熱性において、充分な特性を有していなかった。また、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとして用いて得られた導電性高分子は、トルエンスルホン酸第二鉄塩を用いた導電性高分子に比べて、初期抵抗値が低く、耐熱性も優れているが、それでも、充分に満足できるものとは言えなかった。
これは、トルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩は、固体であるため、一般にアルコールに溶解された状態で用いられるが、これらの溶液は、保存している間に沈殿が生じるからである。
すなわち、沈殿が生じてしまったトルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩のアルコール溶液を用いると、均一性が低下して、得られる導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)や高温安定性などが低下するからである。
また、特定のベンゼンスルホン酸誘導体の第二鉄塩で酸化剤兼ドーパントを構成し、かつその水分含率を小さくすることによって、初期抵抗値が低く、耐熱性が優れた導電性高分子が得られることが報告されている(特許文献3)。
しかしながら、そのような方法によっても充分に満足できる特性を有する導電性高分子は得られなかった。これは、上記酸化剤兼ドーパントの酸化力が強すぎるため、モノマーが高分子化するときに、副反応が生じることによるものと考えられる。
特開2003−160647号公報 特開2004−265927号公報 特開2007−023090号公報
上記のように、ESRや高温安定性などの低下がない固体電解コンデンサを得るための導電性高分子の合成にあたって用いる酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液としては、少なくとも6ヵ月程度の長期間沈殿を生じないものであることが必要であるとともに、その酸化剤兼ドーパントの酸化力が強すぎないことが必要とされる。
従って、本発明は、アルコール溶液の状態でも、一定期間以上沈殿が生じず、かつ酸化力が強すぎない酸化剤兼ドーパントを提供し、その酸化剤兼ドーパントまたはそのアルコール溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーを酸化重合させて、導電性が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子を提供し、また、その導電性高分子を固体電解質として用いて高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸とからなる酸の第二鉄塩で酸化剤兼ドーパントを構成し、鉄以外のカチオン成分の含量を一定値以内にし、かつその水溶液のpHを特定領域内に調整するときは、上記課題を解決できることを見出し、それに基づいて、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 0004342607
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基を表す)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体であって、ベンゼン環におけるR基とSOH基とがパラ位に位置するものが全体の90モル%以上であるベンゼンスルホン酸誘導体と、硫酸とからなる酸の第二鉄塩からなり、上記硫酸の含有量が酸全体中の濃度の0.05〜1.5質量%であり、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量が300ppm(質量基準)以下で、かつ有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量が0.01モル%以下であり、かつ濃度8質量%の水溶液にしたときのpHが1.5〜3.0であることを特徴とする導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントに関するものである。
また、本発明は、上記酸化剤兼ドーパントをアルコールに濃度30質量%以上に溶解し、水分含量を5質量%以下にした導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液に関するものである。
また、本発明は、上記酸化剤兼ドーパント、またはそのアルコール溶液を用いて、チオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーを酸化重合させて合成した導電性高分子に関するものである。
さらに、本発明は、上記導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関するものである。
本発明の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントによれば、導電率が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子を合成することができる。また、本発明の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントを用いて合成した導電性高分子を固体電解質として用いて高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを提供することができる。
さらに、本発明の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液は、保存安定性が優れ、長期間沈殿を生じず、従って、これを用いて、長期間にわたり、安定して、導電率が高く、かつ耐熱性が優れた導電性高分子を合成することができる。
本発明において、酸化剤兼ドーパントとして用いる一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸とからなる酸の第二鉄塩(以下、簡略化して、「ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩」という)におけるベンゼンスルホン酸誘導体としては、一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体であって、そのベンゼン環におけるR基とSOH基とがパラ位に位置するものが全体の90モル%以上であるものが用いられるが、本発明において、そのようなパラ体の含有率が高いベンゼンスルホン酸誘導体を用いるのは、導電率が高い導電性高分子を得るためである。
ベンゼンスルホン酸誘導体には、それぞれ、構造上、オルト体、メタ体、パラ体が存在するが、本発明において、上記のようにパラ体の含有率が高いベンゼンスルホン酸誘導体を用いることによって、導電率が高い導電性高分子が得られるようになる理由は、現在のところ必ずしも明確ではないが、パラ体の含有率が高い場合、導電性高分子が形成された後の立体規則性が向上し、その結果として導電率が高くなるものと考えられる。言い換えると、Rで表されるアルコキシ基やアルキル基がSOH基に対してパラ位以外の場所に結合しているベンゼンスルホン酸誘導体は、立体的な障害により、得られる導電性高分子の導電性を阻害し、導電率を低下させるものと考えられる。
上記ベンゼンスルホン酸誘導体におけるパラ体の含有率としては、ベンゼンスルホン酸誘導体全体に対して90モル%以上であることが必要であるが、これはパラ体の含有率が90モル%より低い場合は、得られる導電性高分子の導電率が低くなるからであり、このパラ体の含有率としては特に93モル%以上が好ましい。前述したように、従来からも、トルエンスルホン酸やメトキシベンゼンスルホン酸の第二鉄塩が酸化剤兼ドーパントとして用いられているが、これらにおけるトルエンスルホン酸やメトキシベンゼンスルホン酸のパラ体の含有率は、高々、85モル%程度であり(トルエンスルホン酸やメトキシベンゼンスルホン酸を通常の手法で製造すると、それらのパラ体の含有量は、高くても、85モル%程度になる)、そのため、それらの第二鉄塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて得られた導電性高分子は、初期抵抗値が高くて導電率が低く、また、耐熱性が悪くなるが、本発明では、上記ベンゼンスルホン酸誘導体を製造するにあたって、反応温度を高くしたり、再結晶化を繰り返すことなどによって、パラ体の含有率を90モル%以上にしたものを得ている。
本発明における一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体において、Rは炭素数が1〜4のアルキル基またはアルコキシ基であるが、これらの好適な具体例を挙げると、Rがアルキル基のものとしては、例えば、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸などが挙げられ、Rがアルコキシ基のものとしては、例えば、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸などが挙げられる。なお、Rの炭素数が3以上の場合、アルキル基の部分は分岐していても構わない。そして、上記ベンゼンスルホン酸誘導体としては、その一般式(1)において、炭素数が1のもの、すなわち、トルエンスルホン酸やメトキシベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
本発明においては、酸化剤兼ドーパントとして一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩を用いるが、まず、その酸成分として、一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体だけでなく、硫酸を用いているのは、硫酸を併用することによって導電率が高い導電性高分子が得られるようにするためである。そして、その硫酸の含有量を酸全体中の0.05〜1.5質量%にするのは、硫酸の含有量が上記より少なくても、また、多くても、導電率が高い導電性高分子が得られなくなるからであり、その硫酸の含有量としては、上記範囲内で、0.1質量%以上が好ましく、また、0.9質量%以下が好ましい。
上記一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩におけるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸とは、あらかじめ混合した状態で第二鉄塩を形成させるのが適しているが、必ずしも、そのように第二鉄塩を形成する前に混合しておくことは要求されず、それぞれが第二鉄塩となった状態で混合されて共存している場合でもよい。
また、本発明においては、酸化剤兼ドーパントとして用いる一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩に関し、その無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量を300ppm以下で、かつ有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量を0.01モル%以下にし、かつ濃度8質量%の水溶液にしたときのpHを1.5〜3.0の範囲にするが、これは次の理由に基づいている。
上記無機のアルカリ成分であるLi、Na、Kなどのアルカリ金属やMg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、有機のアルカリ成分であるアンモニアやアミン類などの多くは、後に詳述する理由に基づいて、酸化剤兼ドーパントを構成するベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩のpHを高めるために添加する添加剤に由来するものであるが、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩中のこれらの含量が高くなると、導電率が高い導電性高分子が得られなくなる。そこで、本発明では、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩中に不純物として含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量を300ppm以下に抑え、かつアンモニアおよびアミン類の総含量を0.01モル%以下に抑えることによって、導電率が高い導電性高分子が得られるようにしているのである。つまり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量が300ppmより多くなると、導電率が高い導電性高分子が得られなくなり、アンモニアおよびアミン類の総含量が0.01モル%より多くなると、導電率が高い導電性高分子が得られなくなるからである。
また、濃度8質量%の水溶液にしたときのpHが1.5より低い場合は、理由は明確ではないが、この酸化剤兼ドーパントを用いて合成した導電性高分子を用いて固体電解コンデンサを作製したときに、その固体電解コンデンサのESRが高くなり、高周波で使用したときに自己発熱を起こしやすくなって、固体電解コンデンサとして好ましくなくなり、また、pHが3.0より高くなると化学酸化重合が進まなくなる。
通常、酸の第二鉄塩を合成する場合、第二鉄塩に対応するモル数より、添加する酸、例えば、ベンゼンスルホン酸誘導体の添加量が少ないと、一部酸化された水酸化鉄ができてしまい、うまく第二鉄塩を作ることができない。そのため、ある程度添加する酸、例えば、ベンゼンスルホン酸誘導体の添加量を多くする必要がある。しかしながら、このようにして形成された第二鉄塩は、pHが低くなり、通常8質量%水溶液にしたときのpHが1.0程度である。そこで、pHを高くするために、例えば、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、有機のアルカリ成分であるアンモニアやアミン類を添加することによりpHを高くすることができるが、そのようにした場合、理由は明確ではないが、それら無機アルカリ成分や有機アルカリ成分の量が多くなると、前記のように、導電率の高い導電性高分子が得られなくなる。
本発明の酸化剤兼ドーパントを用いる場合、通常、アルコールに溶解して用いるが、その際のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、オクタノールなどが挙げられ、特に炭素数が4以下のメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが好ましく、プロパノールやブタノールなどの炭素数が3以上のものはアルキル基が分岐していてもよい。
そして、そのようなアルコール溶液にする際には、導電性高分子が効率よく得られるようにするという観点から、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の濃度は30質量%以上にすることが好ましく、そのようにベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の濃度を30質量%以上にしたときには、その水分含率を5質量%以下にすることが好ましく、3質量%以下にすることがより好ましい。これは、酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液の水分含率を低くすることによって、その保存安定性を向上させ、かつ導電率が高く、耐熱性が優れた導電性高分子を合成できるからである。そして、この水分含率は低いほど好ましく、可能であれば、0質量%にすることが好ましい。また、この水分含率を低くすることは、特に一般式(1)において、Rがアルコキシ基である場合に効果が顕著に発現し、また、アルコールとしてブタノールを用いる場合には、水分含率を低くする必要性が高く、このブタノールを用いた場合には、その水分含率を1質量%以下にすることがより好ましい。
本発明において、酸化剤兼ドーパントとして用いるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の水分含率を低くしたり、そのアルコール溶液の水分含率を低くするにあたっては、蒸留による濃縮とメタノールやエタノールなどの水と共沸する有機溶媒の添加を繰り返しつつ水分含率を低下させると、酸化剤兼ドーパントとして機能の優れたものを得ることができる。
本発明において、酸化剤兼ドーパントとして用いるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の酸部分を構成する一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体は、炭素数が1〜4のアルキルベンゼンまたはアルコキシベンゼンと濃硫酸とを混合し、スルホン化した後、晶析分離などの精製処理を施すことにより合成することができる。
本発明の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントは、前記のように、一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体であって、そのベンゼン環におけるR基とSOH基とがパラ位に位置するものが、全体の90モル%以上であるベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩からなり、その硫酸の含有量が酸全体中の0.05〜1.5質量%であり、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量が300ppm以下で、かつ有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量が0.01モル%以下であり、かつ濃度8質量%の水溶液にしたときのpHが1.5〜3.0であることを特徴とするものであるが、この酸化剤兼ドーパントは、硫酸第二鉄などの3価の鉄塩を水に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水などのアルカリ水溶液で中和して、生成させた水酸化第二鉄と、上記一般式(1)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体および硫酸とをアルコール溶媒中で反応させることによって合成される。
ただし、硫酸は少量であることから、水酸化第二鉄との反応系内に外部から添加しなくても、水酸化第二鉄の生成にあたって原料として使用した硫酸第二鉄に由来する硫酸を利用してもよい。
本発明の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液においては、前記のように、その酸化剤兼ドーパントを構成するベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の濃度を30質量%以上にするが、このベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の濃度は、溶媒として用いるアルコールの種類によっても異なるが、例えば、メタノール溶液やエタノール溶液の場合、65質量%程度まで高くすることができ、n−ブタノール溶液の場合は、60質量%程度まで高くすることができる。
導電性高分子を合成するための重合性モノマーとしては、例えば、チオフェンまたはその誘導体、ピロールまたはその誘導体、アニリンまたはその誘導体、イソチアナフテンまたはその誘導体などが用いられる。
上記チオフェンまたはその誘導体におけるチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンなどが挙げられ、そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数は1〜16が適しているが、特に3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
また、ピロールまたはその誘導体におけるピロールの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシピロール、3−アルキルピロール、3−アルコキシピロール、3−アルキル−4−アルコキシピロール、3,4−アルキルピロール、3,4−アルコキシピロールなどが挙げられ、アニリンまたはその誘導体におけるアニリンの誘導体としては、例えば、m−アルキルアニリン、m−アルコキシアニリンなどが挙げられ、イソチアナフテンまたはその誘導体におけるイソチアナフテンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシイソチアナフテン、3−アルキルイソチアナフテン、3−アルコキシイソチアナフテン、3−アルキル−4−アルコキシイソチアナフテン、3,4−アルキルイソチアナフテン、3,4−アルコキシイソチアナフテンなどが挙げられる。
上記モノマーのうち、チオフェンまたはその誘導体は、得られる導電性高分子の導電率が高く、かつ耐熱性が優れたものになることから特に好ましく、それ故、以下の導電性高分子の合成にあたっては、そのモノマーとしてチオフェンまたはその誘導体を例に挙げて説明する。
チオフェンまたはその誘導体は、液状なので、その重合にあたっては、そのまま使用してもよいし、また、チオフェンまたはその誘導体を、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶媒で希釈して溶液(有機溶媒溶液)状にして使用してもよい。
導電性高分子の合成にあたっては、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩を酸化剤兼ドーパントとして用いて、チオフェンまたはその誘導体の化学酸化重合を行う。その際、チオフェンまたはその誘導体はそのまま、あるいは、あらかじめ前記のような有機溶媒溶液にし、酸化剤兼ドーパントとしてのベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩はあらかじめ前記のようなアルコール溶液にしておき、チオフェンまたはその誘導体あるいはその有機溶媒溶液と、酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液とを混合して一定時間反応させるようにすることが好ましく、反応後は、洗浄、乾燥することによって導電性高分子を得ることができる。このチオフェンまたはその誘導体の化学酸化重合において、酸化剤兼ドーパントとして用いたベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩のうち、鉄は重合に際しての酸化剤(酸化重合剤)として働き、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸は高分子マトリックス中に含有され(取り込まれ)、いわゆるドーパントの役割を果たすことになる。また、反応時に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどを用いることができ、洗浄の際にも上記溶媒のいずれかを用いればよい。通常、上記酸化剤兼ドーパントとして用いたベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩の鉄は、重合に際して酸化剤としての役割を果たした後、洗浄によって、導電性高分子から取り除かれるが、得られた導電性高分子をアルミニウム固体電解コンデンサの固体電解質として用いる場合は、その鉄が残っていてもよい。
上記導電性高分子の合成を説明するにあたっては、その重合性モノマーとしてチオフェンまたはその誘導体を例に挙げて説明したが、上記チオフェンまたはその誘導体以外の重合性モノマー、つまり、ピロールまたはその誘導体、アニリンまたはその誘導体、イソチアナフテンまたはその誘導体の場合も、上記チオフェンまたはその誘導体の場合と同様に導電性高分子を合成することができる。
本発明によって合成される導電性高分子は、導電率が高く、かつ耐熱性が優れていることから、前記のアルミニウム固体電解コンデンサをはじめ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として好適に用いられ、高温条件下における信頼性が高い固体電解コンデンサを提供することができる。
また、本発明によって合成される導電性高分子は、その導電率が高く、かつ耐熱性が優れているという特性を利用して、上記の固体電解コンデンサの固体電解質以外にも、バッテリーの正極活物質、帯電防止シート、耐腐食用塗料の基材樹脂などとしても好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
まず、以下の実施例および比較例の酸化剤兼ドーパントを構成するベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩におけるベンゼンスルホン酸誘導体(サンプル1〜4)の製造について説明する。なお、以下において、溶液、分散液などの濃度や水分含量を示す%は、特にその基準を付記しないかぎり、質量%を示す。
サンプル1(パラ体の含有率が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸)
98%硫酸560gをトルエン600gに攪拌しながら滴下した。その後、攪拌を続けながら110〜120℃に温度を上げた後、5時間、反応させた。反応終了後、温度を下げながら、蒸留水を加え、温度が約20℃になったところで、あらかじめ作製しておいたパラトルエンスルホン酸(4−メチルベンゼンスルホン酸)の結晶を微量添加し、系中のパラトルエンスルホン酸分を結晶析出させた。得られた結晶物を濾過により回収し、そこに蒸留水を添加し、液温が60℃になるまで加温して再び溶解させた後、再び徐々に温度を下げ、約20℃になったところで、再びあらかじめ作製しておいたパラトルエンスルホン酸の結晶を微量添加して、結晶を析出させた。結晶物を濾過で回収し、パラ体の含有率がトルエンスルホン酸全体中の99モル%を占めるトルエンスルホン酸を得た。なお、このパラ体の含有率の測定は島津製作所社製のHPLC(High performance liquid chromatography:高速液体クロマトグラフィー)によって行った。以下においても同様である。
サンプル2(パラ体の含有率が全体中の98モル%であるメトキシベンゼンスルホン酸)
98%硫酸560gをメトキシベンゼン600gに攪拌しながら滴下した。その後、攪拌を続けながら80〜85℃に温度を上げた後、3時間、反応させた。反応終了後、蒸留水を加え、濃度が55%になるように調整後、約40℃の状態から徐々に温度を下げてゆき、20℃になったところで、あらかじめ作製しておいたパラメトキシベンゼンスルホン酸(4−メトキシベンゼンスルホン酸)の結晶を微量添加し、系中のパラメトキシベンゼンスルホン酸分を結晶析出させた。得られた結晶物を濾過により回収し、そこに水を添加し、液温が40℃になるまで加温して再び溶解させ、濃度が55%になるように調整した。そして、約40℃の状態から徐々に温度を下げ、20℃になったところで、再びあらかじめ作製しておいたパラメトキシベンゼンスルホン酸の結晶を微量添加して、結晶を析出させた。結晶物を濾過で回収し、パラ体の含有率がメトキシベンゼンスルホン酸全体中の98モル%を占めるメトキシベンゼンスルホン酸を得た。
サンプル3(パラ体の含有率が全体中の85モル%であるトルエンスルホン酸であって、比較例に用いるもの)
98%硫酸560gをトルエン560gに攪拌しながら滴下した。その後、攪拌を続けながら60〜70℃に温度を上げた後、5時間、反応させた。反応終了後、500gの蒸留水を加えた。次いで、エーテル200gを添加し、2層に分離した下層(水相)を取り出し、さらに、蒸留による濃縮と水を添加する操作を2回繰り返し、トルエンスルホン酸を得た。分析の結果、このトルエンスルホン酸のパラ体の含有率はトルエンスルホン酸全体中の85モル%であった。
サンプル4(パラ体の含有率が全体中の86モル%であるメトキシベンゼンスルホン酸であって、比較例に用いるもの)
98%硫酸560gをメトキシベンゼン600gに攪拌しながら滴下した。その後、攪拌を続けながら45〜55℃に温度を上げた後、12時間、反応させた。反応終了後、500gの蒸留水を加えた。次いで、エーテル200gを添加し、2層に分離した下層を取り出し、さらに、蒸留による濃縮と水を添加する操作を2回繰り返し、メトキシベンゼンスルホン酸を得た。分析の結果、このメトキシベンゼンスルホン酸のパラ体の含有率はメトキシベンゼンスルホン酸全体中の86モル%であった。
つぎに、上記サンプル1〜4に示すベンゼンスルホン酸誘導体を用いて、以下に示すように、実施例および比較例の酸化剤兼ドーパントをアルコール溶液の状態で製造した。
実施例1
この実施例1では、上記サンプル1〜4のベンゼンスルホン酸誘導体のうち、サンプル1のパラ体の含有率が99モル%のトルエンスルホン酸を用い、以下に示すようにして、ベンゼンスルホン酸誘導体と硫酸との第二鉄塩からなる導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのn−ブタノール溶液を製造した。
まず、上記サンプル1のトルエンスルホン酸と反応させるための水酸化第二鉄のn−ブタノール分散液を次に示すように製造した。
25℃で、100mlの蒸留水にFe(SO・8HOを108.6g(0.2モル)溶解した溶液を激しく攪拌しながら、その中に濃度が5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと添加してpH7に調整した後、遠心分離により上澄みを取り除いて水酸化第二鉄の沈殿を得た。余分の水溶性塩を取り除くため、400mlの蒸留水に沈殿を分散させた後、遠心分離で上清を取り除く操作を4回繰り返した。得られた沈殿を500gのn−ブタノールに分散させた。
上記とは別に、サンプル1のパラ体の含有率が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸をあらかじめ500gのn−ブタノールに0.51モル溶解し、その溶液中に前記の水酸化第二鉄のn−ブタノール分散液を添加した。室温下、12時間かきまぜて反応させた後、蒸留して濃縮することとn−ブタノールを添加する操作を繰り返し、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
なお、上記第二鉄塩の酸成分をトルエンスルホン酸と共に構成する硫酸は、水酸化第二鉄の製造にあたって使用したFe(SO・8HOに基づくものである。つまり、水酸化第二鉄の製造時に硫酸根を完全に除去することなく、その硫酸根を第二鉄塩の構成に役立たせている。
このトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩(試料)における硫酸含有量をダイオネクス社製のイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、硫酸含有量は酸全体中の0.4%であり、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量をICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)により測定したところ105ppmであり、有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量をダイオネクス社製のイオンクロマトグラフィーにより測定したところ0.001モル%以下(検出限界以下)であり、試料を8%水溶液にしたときのpHは1.59であった。なお、pHの測定は、pHメーターとして堀場製作所社製のF−52(商品名)を用い、25℃で行った。以下も同様である。
なお、無機のアルカリ成分の測定にあたっては、試料(前記のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩)を純水で20倍に希釈したのちICPで測定し、有機のアルカリ成分の測定にあたっては、試料中のn−ブタノールを蒸留して、乾固した後、真空乾燥機で、乾燥を行い、純水で20%濃度に溶解した後、濃度5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液でpH13.5に調整した後、乾固するまで蒸留を行った蒸留液をイオンクロマトグラフィーで測定することによって行った。
実施例2
実施例1における水酸化第二鉄を得る工程において、余分な水溶性塩を取り除くための「蒸留水への沈殿の分散−遠心分離での上清除去」工程(以下、これを「洗浄」という表現で表す)を実施例1の4回から5回に変えた以外は、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は酸全体中の0.2%で、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属とアルカリ土類金属の総含量(以下、「無機アルカリ量」という)は38ppmで、有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量(以下、「有機アルカリ量」という)は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.80であった。
実施例3
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸に代えて、サンプル2のパラ体の含有量が全体中の98%であるメトキシベンゼンスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の98モル%のメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は110ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.70であった。
実施例4
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸0.51モルに代えて、上記サンプル1のトルエンスルホン酸0.45モルとサンプル2のパラ体の含有量が全体中の98モル%であるメトキシベンゼンスルホン酸0.06モルとを用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸とパラ体の含有量が全体中の98モル%のメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸とメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は98ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.62であった。
実施例5
実施例1におけるn−ブタノールに代えてエタノールを用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のエタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.3%で、無機アルカリ量は89ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.60であった。
実施例6
実施例1におけるn−ブタノールに代えてメタノールを用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のメタノール溶液(水分含量1.1%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.3%で、無機アルカリ量は103ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.60であった。
比較例1
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸に代えて、サンプル3のパラ体の含有量が全体中の85モル%であるトルエンスルホン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の85%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の50%n−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は92ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.65であった。
比較例2
実施例1における水酸化第二鉄を得る工程において、余分な水溶性塩を取り除くための「洗浄」を実施例1の4回から2回に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は1.8%で、無機アルカリ量は520ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.32であった。
比較例3
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有率が99モル%であるトルエンスルホン酸に代えて、サンプル4のパラ体の含有量が86%であるメトキシベンゼンスルホン酸を用い、かつ水酸化第二鉄を得る工程において、余分な水溶性塩を取り除くための「洗浄」を実施例1の4回から2回に変えた以外は、実施例1と同様にして、パラ体の含有量が86%のメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたメトキシベンゼンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は1.6%で、無機アルカリ量は480ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.36であった。
比較例4
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸の使用量を0.51モルから0.54モルに増やした以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は109ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.40であった。
比較例5
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸の使用量を0.51モルから0.58モルに増やした以外は、実施例1と同様にして、パラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は94ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.28であった。
比較例6
実施例1におけるサンプル1のパラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸の使用量を0.51モルから0.62モルに増やした以外は、実施例1と同様にして、パラ体の含有量が全体中の99モル%であるトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.4%で、無機アルカリ量は99ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.15であった。
比較例7
実施例1におけるFe(SO・8HOに代えてFe(NOを用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸の第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸の第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0%で、無機アルカリ量は111ppmで、有機アルカリ量は0.001モル%以下(検出限界以下)で、pHは1.61であった。
比較例8
8%水溶液のpHが2.10になるようにイミダゾールを添加した以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.3%で、無機アルカリ量は105ppmで、有機アルカリ量は0.02モル%で、pHは2.10であった。
比較例9
8%水溶液のpHが1.75になるようにイミダゾールを添加し、かつ水酸化第二鉄を得る工程において、余分な水溶性塩を取り除くための「洗浄」を実施例1の4回から3回に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントとして用いるパラ体の含有量が全体中の99モル%のトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩の濃度50%のn−ブタノール溶液(水分含量0.9%)を得た。
得られたトルエンスルホン酸と硫酸との第二鉄塩について、その特性を実施例1と同様に測定したところ、硫酸含有量は0.9%で、無機アルカリ量は220ppmで、有機アルカリ量は0.02モル%で、pHは1.75であった。
上記のように得られた導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのベンゼンスルホン酸の種類、パラ体の含有量、硫酸含有量、無機アルカリ量(無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量)および有機アルカリ量(有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量)、pH(8%水溶液にしたときのpH)を表1に示す。なお、表1において、ベンゼンスルホン酸誘導体の種類を表す「TS」は「トルエンスルホン酸」を示し、「MBS」は「メトキシベンゼンスルホン酸」を示す。
Figure 0004342607
表1に示すように、実施例1〜6は、パラ体の含有率が90モル%以上で、硫酸含有量が0.05〜1.5%の範囲内にあり、無機アルカリ量が300ppm以下で、有機アルカリ量が0.01モル%以下であり、pHが1.5〜3.0の範囲内にあるが、比較例1はパラ体の含有率が90モル%未満で、比較例2は硫酸含有量が1.5%より多く、無機アルカリ量が300ppmより多く、かつpHが1.5未満であり、比較例3はパラ体の含有率が90モル%未満で、硫酸含有量が1.5%より多く、無機アルカリ量が300ppmより多く、かつpHが1.5未満であり、比較例4〜6は、いずれも、pHが1.5未満であり、比較例7は硫酸を含んでおらず、比較例8は有機アルカリ量が0.01モル%より多く、比較例9は有機アルカリ量が0.01モル%より多かった。
酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液の保存安定性評価:
上記のように製造した実施例1〜6および比較例1〜9の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液を、それぞれ50mlのバイアルに入れ、密栓後、25℃で6ヵ月間静置し、沈殿が発生するまでの期間を目視にて観察した。その結果を表2に示す。
Figure 0004342607
表2に示すように、実施例1〜6の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液は、25℃で6ヵ月経過しても沈殿が生じず、保存安定性が優れていた。
実施例7〜12および比較例10〜18
導電性高分子を合成したときの評価
この実施例7〜12および比較例10〜18では、上記実施例1〜6および比較例1〜9の酸化剤兼ドーパントを用いて導電性高分子を合成したときの評価を示す。
重合性モノマーとしてはチオフェン誘導体である3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、前記のように製造した実施例1〜6および比較例1〜9の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液のそれぞれ500μlに、3,4−エチレンジオキシチオフェンを60μl添加し、充分かき混ぜることにより、3,4−エチレンジオキシチオフェンの酸化重合を開始させ、それらを直ちに、3cm×5cmのセラミックプレート上に180μl滴下した。相対湿度60%、温度25℃で3時間重合させた後、上記セラミックプレートを水中に浸して洗浄し、130℃で30分間乾燥して、セラミックプレート上に3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体をポリマー成分とする導電性高分子をシート状に形成した。次に上記セラミックプレート上の導電性高分子のシートに1.5トンの荷重をかけたまま5分間静置してシートにかかる圧力を均等にした後、該導電性高分子の導電率を4探針方式の測定器(三菱化学社製MCP−T600)により測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004342607
表3に示すように、実施例1〜6の酸化剤兼ドーパントを用いて合成した実施例7〜12の導電性高分子は、比較例1〜7および9の酸化剤兼ドーパントを用いて合成した比較例10〜16および18の導電性高分子に比べて、導電率が高く、高い導電性を有することが明らかであった。
実施例13〜18および比較例19〜27
アルミニウム巻回型固体電解コンデンサでの評価
この実施例13〜18および比較例19〜27では、実施例1〜6および比較例1〜9の酸化剤兼ドーパントを用いて導電性高分子を合成し、その導電性高分子をアルミニウム巻回型固体電解コンデンサの固体電解質として用いたときの評価を示す。なお、導電性高分子の合成のための酸化重合は以下に示すようなアルミニウム巻回型固体電解コンデンサの作製工程中で行った。
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行ってアルミニウムの酸化皮膜からなる誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子を作製した。
次に、上記コンデンサ素子を濃度30%の3,4−エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液に浸漬し、取り出して乾燥する操作を2回繰り返した後、前記実施例1〜6および比較例1〜9の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液のそれぞれに、上記コンデンサ素子をそれぞれ別々に浸漬し、取り出した後、150℃で6時間加熱することによって、3,4−エチレンジオキシチオフェンを酸化重合させて導電性高分子(3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体をポリマー成分とする導電性高分子)からなる固体電解質層を形成した。これを外装材で外装して、アルミニウム巻回型固体電解コンデンサを作製した。
上記のようにして作製したアルミニウム巻回型固体電解コンデンサについて、そのESRおよび静電容量を下記の方法で測定した結果を表4に示す。
ESR:
Hewlett−Packard社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、100kHzでESRを測定した。
静電容量:
Hewlett−Packard社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、120Hzで静電容量を測定した。
ESRおよび静電容量に関して表4に示す数値は、それぞれ20個ずつの平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 0004342607
表4に示すように、実施例13〜18のアルミニウム巻回型固体電解コンデンサは、比較例19〜27のアルミニウム巻回型固体電解コンデンサに比べて、ESRが小さく、静電容量が大きく、アルミニウム巻回型固体電解コンデンサとして優れた特性を有していた。
つぎに、上記実施例13〜18および比較例19〜27のアルミニウム巻回型固体電解コンデンサの中からそれぞれ無作為に選んだ20個ずつを105℃で500時間貯蔵後に前記と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を表5に示す。なお、表5に示すESRおよび静電容量は、それぞれ20個ずつの平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 0004342607
表5に示すように、実施例13〜18のアルミニウム巻回型固体電解コンデンサは、高温で長時間貯蔵した後でも、ESRの増加や静電容量の低下が少なく、耐熱性が優れていて、高温条件下における信頼性が高いことを示していた。
実施例19〜21および比較例28〜30
タンタル固体電解コンデンサでの評価
この実施例19〜21および比較例28〜30では、実施例2、5、6および比較例3、6、7の酸化剤兼ドーパントを用いて導電性高分子を合成し、その導電性高分子をタンタル固体電解コンデンサの固体電解質として用いたときの評価を示す。
まず、タンタル焼結体を、リン酸水溶液に浸漬した後、電圧をかけることによって電解酸化を行った。その結果、タンタル焼結体の表面にタンタルの酸化皮膜からなる誘電体層が形成された。次に、化学酸化重合を行うため、上記のようにして表面に誘電体層を形成したタンタル焼結体を、実施例2、5、6および比較例3、6、7の酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液にそれぞれ別々に5分間浸漬し、取り出して40℃で30分間乾燥した後、3,4−エチレンジオキシチオフェンのモノマーに15分間浸漬し、その後、取り出して約25℃で相対湿度約50%の雰囲気中で化学酸化重合を行った。そして、それを2%パラトルエンスルホン酸水溶液に60分間浸漬し、次いで純水に30分間浸漬することにより洗浄を行い、80℃で30分間乾燥を行った。さらに、上記酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液に5分間浸漬するところから洗浄、乾燥を行う操作を10回繰り返すことにより、導電性高分子(3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体をポリマー成分とする導電性高分子)を合成した。その後、リン酸水溶液に浸漬した後、電圧をかけることで再化成を行い、次いで、純水に30分間浸漬して、取り出した後、60℃で60分、130℃で60分間乾燥を行った。その後、カーボンペーストおよび銀ペーストを付けた後、陽極層と陰極層からそれぞれ陽極リードと陰極リードを取り出し、その周囲をエポキシ樹脂により外殻を形成し、最後にエージング処理を行うことによって、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
上記のようにして作製した実施例19〜21および比較例28〜30のタンタル固体電解コンデンサについて前記と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を表6に示す。なお、表6に示すESRおよび静電容量値は、それぞれ20個ずつの平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 0004342607
表6に示すように、実施例19〜21のタンタル固体電解コンデンサは、比較例28〜30のタンタル固体電解コンデンサに比べて、静電容量に差はないものの、ESRが小さく、タンタル固体電解コンデンサとして優れていた。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004342607
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基を表す)で表されるベンゼンスルホン酸誘導体であって、ベンゼン環におけるR基とSOH基とがパラ位に位置するものが全体の90モル%以上であるベンゼンスルホン酸誘導体と、硫酸とからなる酸の第二鉄塩からなり、上記硫酸の含有量が酸全体中の0.05〜1.5質量%であり、無機のアルカリ成分であるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含量が300ppm以下で、かつ有機のアルカリ成分であるアンモニアおよびアミン類の総含量が0.01モル%以下であり、かつ濃度8質量%の水溶液にしたときのpHが1.5〜3.0であることを特徴とする導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント。
  2. ベンゼンスルホン酸誘導体が、4−メチルベンゼンスルホン酸または4−メトキシベンゼンスルホン酸である請求項1記載の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント。
  3. 請求項1または2記載の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントをアルコールに濃度30質量%以上に溶解してなり、その水分含量が5質量%以下であることを特徴とする導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液。
  4. アルコールが、メタノール、エタノールおよびブタノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液。
  5. 請求項1または2記載の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントを用いて重合性モノマーを酸化重合して合成したことを特徴とする導電性高分子。
  6. 請求項3または4記載の導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントのアルコール溶液を用いて重合性モノマーを酸化重合して合成したことを特徴とする導電性高分子。
  7. 重合性モノマーが、チオフェンまたはその誘導体である請求項5または6記載の導電性高分子。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
JP2009520478A 2007-06-26 2008-06-17 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ Active JP4342607B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007167090 2007-06-26
JP2007167090 2007-06-26
PCT/JP2008/061013 WO2009001707A1 (ja) 2007-06-26 2008-06-17 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4342607B2 true JP4342607B2 (ja) 2009-10-14
JPWO2009001707A1 JPWO2009001707A1 (ja) 2010-08-26

Family

ID=40185525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520478A Active JP4342607B2 (ja) 2007-06-26 2008-06-17 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8324341B2 (ja)
JP (1) JP4342607B2 (ja)
KR (1) KR101087902B1 (ja)
CN (1) CN101547956B (ja)
TW (1) TWI367902B (ja)
WO (1) WO2009001707A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5327842B2 (ja) * 2008-07-30 2013-10-30 日本カーリット株式会社 導電性高分子製造用酸化剤、それを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2012025919A (ja) * 2010-07-28 2012-02-09 Japan Carlit Co Ltd:The 導電性高分子製造用酸化剤溶液とそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
US8426542B2 (en) 2010-08-19 2013-04-23 Tayca Corporation Oxidant and dopant solution for conductive polymer production, a conductive polymer and a solid electrolyte capacitor
JP4798812B1 (ja) * 2010-08-19 2011-10-19 テイカ株式会社 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ
CN101973913B (zh) * 2010-10-22 2012-09-19 山东星之联生物科技股份有限公司 一种高纯对甲苯磺酸铁的清洁合成方法
US9460860B2 (en) * 2011-09-06 2016-10-04 Tayca Corporation Dispersion of electrically conductive polymer, and electrically conductive polymer and use thereof
CN102557993B (zh) * 2011-12-30 2013-07-24 山东星之联生物科技股份有限公司 导电性高分子合成用氧化剂兼掺杂剂的制备方法
CN103113268B (zh) * 2013-01-31 2016-03-02 深圳新宙邦科技股份有限公司 磺酸铁及其醇溶液的制备方法
JP6100576B2 (ja) * 2013-03-28 2017-03-22 カーリットホールディングス株式会社 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサ並びに固体電解コンデンサの製造方法
WO2014155603A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 日本カーリット株式会社 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサ並びに固体電解コンデンサの製造方法
CN105542333B (zh) * 2015-12-15 2018-02-09 东华大学 一种还原氧化石墨烯复合薄膜及其制备方法
CN108885942B (zh) * 2016-03-24 2021-01-05 松下知识产权经营株式会社 电解电容器
KR102603989B1 (ko) * 2018-07-18 2023-11-17 니폰 케미콘 가부시키가이샤 고체 전해 콘덴서
CN112424892B (zh) * 2018-09-21 2022-11-01 日本贵弥功株式会社 固体电解电容器
JP2023058759A (ja) * 2020-03-25 2023-04-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 コンデンサ素子および電解コンデンサ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002138137A (ja) 2000-11-01 2002-05-14 Tayca Corp 導電性高分子製造用酸化剤
JP4688125B2 (ja) 2001-11-27 2011-05-25 テイカ株式会社 導電性高分子およびそれを用いた固体電解コンデンサ
JP4135449B2 (ja) 2002-09-20 2008-08-20 日本ケミコン株式会社 導電性高分子重合用酸化剤
KR100543121B1 (ko) * 2002-12-06 2006-01-31 나노캠텍주식회사 전도성 고분자 폴리티오펜의 제조방법
JP2004265927A (ja) 2003-02-13 2004-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法
JP4063116B2 (ja) * 2003-03-24 2008-03-19 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサの製造方法
TWI285385B (en) * 2003-02-19 2007-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Solid electrolytic capacitor and method for manufacturing same
JP4330160B2 (ja) * 2005-07-13 2009-09-16 テイカ株式会社 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、それらを用いて合成した導電性高分子およびその導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサ
CN101186745B (zh) * 2007-11-09 2011-06-08 华南理工大学 聚噻吩-金属氧化物纳米复合材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20100085686A1 (en) 2010-04-08
WO2009001707A1 (ja) 2008-12-31
JPWO2009001707A1 (ja) 2010-08-26
TW200906896A (en) 2009-02-16
CN101547956B (zh) 2015-10-21
CN101547956A (zh) 2009-09-30
KR20100033957A (ko) 2010-03-31
KR101087902B1 (ko) 2011-11-30
TWI367902B (en) 2012-07-11
US8324341B2 (en) 2012-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4342607B2 (ja) 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ
JP4903760B2 (ja) 導電性高分子懸濁液およびその製造方法、導電性高分子材料、電解コンデンサ、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4903759B2 (ja) 導電性高分子懸濁液およびその製造方法、導電性高分子材料、電解コンデンサ、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法
KR101297946B1 (ko) 도전성 고분자와 이를 고체 전해질로서 사용한 고체 전해 콘덴서
JP4688125B2 (ja) 導電性高分子およびそれを用いた固体電解コンデンサ
JP5745881B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP4330160B2 (ja) 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント、そのアルコール溶液、それらを用いて合成した導電性高分子およびその導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサ
JP2007119633A (ja) 導電性高分子用ドーパント溶液、導電性高分子用酸化剤兼ドーパント、導電性組成物、固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP6154461B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサ並びに固体電解コンデンサの製造方法
JP5763960B2 (ja) 導電性高分子懸濁水溶液およびその製造方法、導電性有機材料、ならびに固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP5557638B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液とそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
US20130100585A1 (en) Electroconductive polymer suspension and method for producing the same, electroconductive polymer material, and solid electrolytic capacitor and method for producing the same
JP2006096689A (ja) スルホン酸誘導体第二鉄塩の製造方法及び該鉄塩を用いて製造した導電性高分子並びに固体電解コンデンサ
JP2014192423A (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
JP2014225538A (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
JP4204061B2 (ja) 導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパント
JP2012142373A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2012077218A (ja) 重合性モノマー組成物、固体電解コンデンサの製造方法
JP2008063585A (ja) 導電性高分子製造用酸化剤およびその製造方法
JP6125301B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法
JP5481639B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤とそれを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP6100576B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサ並びに固体電解コンデンサの製造方法
JP5289212B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤とそれを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5062694B2 (ja) 導電性高分子製造用酸化剤、それを用いた固体電解コンデンサとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090707

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4342607

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150717

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250