JP4798812B1 - 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ - Google Patents

導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、導電性高分子および固体電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質として用いたときに、破壊電圧が高く、耐電圧性が優れ、かつ漏れ電流不良の発生が少ない固体電解質コンデンサを提供できる導電性高分子を製造するのに適した酸化剤兼ドーパント溶液を提供し、また、それを用いて、上記特性を有する導電性高分子および固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄と、炭素数1〜4のアルコールとを含む導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液に、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物を添加する。また、好ましくは、さらに多価アルコールを添加する。そして、それらの酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、チオフェンまたはその誘導体を酸化重合して導電性高分子を製造し、その導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、それを用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子、その導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
この用途における導電性高分子としては、チオフェンまたはその誘導体を酸化重合(化学酸化重合)することによって得られたものが、導電性および耐熱性のバランスがとれていて有用性が高いという理由から、多用されている(特許文献1〜2)。
上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、有機スルホン酸が用いられ、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、有機スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体の化学酸化重合にあたっての酸化剤兼ドーパントとして用いられている。
そして、この導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサの製造にあたっては、例えば、コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子を酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げて重合を行うか、コンデンサ素子を酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げて重合を行うか、あるいは酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー溶液とを混合して調製した混合溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げて重合することが行われている。
しかしながら、上記のような固体電解コンデンサの製造にあたって、酸化剤兼ドーパントとして、これまで同様に、パラトルエンスルホン酸第二鉄を用い、チオフェンまたはその誘導体を酸化重合した場合、ESR(等価直列抵抗)が低く、静電容量が大きい固体電解コンデンサが得られるものの、耐電圧(破壊電圧)が低く、そのため、高電圧タイプの固体電解コンデンサの製造には適していないと報告されている(特許文献3)。
特開2003−160647号公報 特開2004−265927号公報 特開2008−172277号公報
本発明は、上記のような事情に鑑み、固体電解質として用いたときに、ESRを低く、かつ静電容量を大きく保ちながら、耐電圧が高い固体電解コンデンサを提供できる導電性高分子を製造するのに適した導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を提供し、また、それを用いて、上記特性を有する導電性高分子および固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液にグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物を添加することによって、上記目的を達成し、それに基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄と、炭素数1〜4のアルコールとを含む導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液であって、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物を添加したことを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液に関する。
また、本発明は、上記グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物に加えて、多価アルコールを添加した導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液に関する。
また、本発明は、上記導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造したことを特徴とする導電性高分子に関する。
さらに、本発明は、上記導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
本発明の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液(以下、簡略化して、「酸化剤兼ドーパント溶液」という)は、グリシジル基を1〜4個有する化合物またはその開環化合物の添加により、該酸化剤兼ドーパントを用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して導電性高分子を製造し、得られた導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを製造したときは、ESRを低く(小さく)、かつ静電容量を大きく(高く)保ちながら、耐電圧の高い固体電解コンデンサを提供することができる。
また、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを製造したときは、漏れ電流不良の発生が少ない固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明において、酸化剤兼ドーパント溶液となる有機スルホン酸第二鉄の有機スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸またはその誘導体、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体などの芳香族系スルホン酸や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などの高分子スルホン酸が好適に用いられる。
上記ベンゼンスルホン酸またはその誘導体におけるベンゼンスルホン酸誘導体としては、例えば、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸などが挙げられ、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体におけるナフタレンスルホン酸誘導体としては、例えば、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸などが挙げられ、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体におけるアントラキノンスルホン酸誘導体としては、例えば、アントラキノンジスルホン酸、アントラキノントリスルホン酸などが挙げられる。これらの芳香族系スルホン酸の中でも、トルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸などが好ましく、特に、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸が好ましく、とりわけ、パラトルエンスルホン酸が好ましい。
また、上記有機スルホン酸第二鉄は、その鉄に対する有機スルホン酸のモル比が1:3より有機スルホン酸が少ないものが好ましい。これは鉄に対する有機スルホン酸のモル比を、その化学量論的モル比である1:3より有機スルホン酸を少なくすることによって、その有機スルホン酸第二鉄の反応速度を若干低減できるからであり、鉄に対する有機スルホン酸のモル比が、1:2程度のものまでが好ましく、1:2.2程度、特に1:2.4程度のものまでがより好ましく、1:2.75程度のものまでがさらに好ましい。
炭素数1〜4のアルコールは、上記酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄を溶解して溶液とするためのものであり、この炭素数1〜4のアルコールとしては、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、プロパノール(プロピルアルコール)、ブタノール(ブチルアルコール)などが挙げられ、プロパノールやブタノールは、直鎖状のものでもよく、また、分岐鎖状のものでもよい。
そして、グリシジル基を有する化合物としては、例えば、次の一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリジシルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリグリシジルエーテル、アルコール可溶性エポキシ樹脂、アルコール可溶性ポリグリセリンポリグリシジルやそれらの開環化合物などが好適なものとして挙げられる。
一般式(1):
Figure 0004798812
(式中のRはヒドロキシル基、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシル基である)
一般式(2):
Figure 0004798812
(式中のRは炭素数2〜6のアルキレンである)
一般式(3):
Figure 0004798812
(式中のRは炭素数2〜4のアルキレンであり、nは2〜20である)
そして、上記のグリセリントリグリシジルエーテルは、次の式(4)で表される。
式(4):
Figure 0004798812
また、上記のジグリセリンテトラグリシジルエーテルは次の式(5)で表される。
式(5):
Figure 0004798812
そして、上記一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリジシルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリグリシジルエーテルなどの開環化合物とは、それらのグリシジル基を有する化合物のグリシジル基が次の式(6)に示すように開環して、グリコールになったものをいう。
式(6):
Figure 0004798812
上記一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリジシルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリグリシジルエーテルなどは、グリシジル基を1〜4個有する化合物であって、本発明では、それらのグリシジル基を1〜4個有する化合物やそれらの開環化合物を好適に用いるが、本発明におけるグリシジル基を有する化合物または開環化合物としては、上記グリシジル基を1〜4個有する化合物またはその開環化合物以外にも、アルコール可溶性エポキシ樹脂またはその開環化合物やアルコール可溶性ポリグリセリンポリグリシジルまたはその開環化合物などを用いることができる。そして、上記アルコール可溶性エポキシ樹脂としては、例えば、DIC社から「ウォーターゾルBC−3010」の商品名で市販されているものを好適に用いることができる。また、上記アルコール可溶性ポリグリセリンポリグリシジルとしては、例えば、阪本薬品工業社から「SR−4GLS」の商品名で市販されているものを好適に用いることができる。これらアルコール可溶性エポキシ樹脂やアルコール可溶性ポリグリセリンポリグリシジルの開環化合物も、上記式(6)に示すように、それらの有するグリシジル基が開環してグリコールになったものである。
なお、上記のグリシジル基を有する化合物の開環化合物は、グリシジル基を2個以上有するグリシジル化合物にあっては、すべてのグリシジル基が開環している必要はなく、部分的に開環したものであってもよい。
ここで、上記一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物またはその開環化合物について、その具体例を挙げると、例えば、エポキシプロパノール(つまり、グリシドール)、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、エポキシブタン(つまり、グリシジルメタン)、エポキシペンタン(つまり、グリシジルエタン)、エポキシヘキサン(つまり、グリシジルプロパン)、エポキシヘプタン(つまり、グリシジルブタン)、エポキシオクタン(つまり、グリシジルペンタン)、エポキシシクロヘキセンなどが挙げられ、特にエポキシプロパノール、ブチルグリシジルエーテル、エポキシブタンなどが好ましい。この一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物はグリシジル基を1個有する化合物であるが、前記のメタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルなどは、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物の範疇に含まれないものの、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物と同様に、グリシジル基を1個有する化合物であり、これらのメタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレグリシジルエーテルは、本発明において、特に好適に用いられるものの中に含まれる。
また、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリジシルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテルなどが好ましい。この一般式(2)で表されるジグリシジル化合物はグリジシル基を2個有する化合物であるが、前記のシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテルなどは、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物の範疇に含まれないものの、この一般式(2)で表されるジグリシジル化合物と同様に、グリシジル基を2個有する化合物である。
そして、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、特にポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
上記グリシジル基を有する化合物やその開環化合物は、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種以上を併用することができる。
上記グリシジル基を有する化合物やその開環化合物には、高沸点のものがあり(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテルは沸点が112℃/0.6kPa)、それらは通常の乾燥では、除去されることなく、導電性高分子中に残る可能性があるが、たとえ残存したとしても、後記の実施例に示すように、ESRの増加や静電容量の低下を引き起こすことがなく、また、耐電圧の低下を引き起こすことがない。
上記グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の有機スルホン酸第二鉄に対する添加量は、質量基準で2〜40%(すなわち、有機スルホン酸第二鉄100質量部に対してグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物が2〜40質量部)にするのが好ましく、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の添加量が上記より少ない場合は、漏れ電流を減少させる作用や耐電圧を高める作用が充分に発揮されなくなるおそれがあり、また、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の添加量が上記より多い場合は、添加量の増加に伴う効果の増加が少なく、コスト高を招く上に、混和しなくなり、酸化剤兼ドーパント溶液の貯蔵安定性を低下させるおそれがある。そして、このグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の有機スルホン酸第二鉄に対する添加量は、上記範囲内で、質量基準で、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましく、また、36%以下がより好ましい。特に、耐電圧を高める作用をより確実に発揮させるためには、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の有機スルホン酸第二鉄に対する添加量を、質量基準で、10〜40%(すなわち、有機スルホン酸第二鉄100質量部に対してグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物が10〜40質量部)にするのが好ましく、14%以上がより好ましく、また、36%以下がより好ましい。
上記グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物を添加した酸化剤兼ドーパント溶液に、さらに多価アルコールを添加すると、グリシジル基を有する化合物の添加に基づく耐電圧の向上作用をさらに高めるとともに、ESRをより低下させることができる。
この多価アルコールとしては、炭素数2〜10の脂肪族炭化水素にヒドロキシ基を2〜3個有するものが好ましく、そのような多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、グリセロールなどが挙げられ、特にグリセロール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールが好ましい。
この多価アルコールの添加による効果は、たとえ、少量でも多価アルコールを添加すれば、その添加量に応じて増えていくものの、その添加による効果をより明確に発現させるためには、多価アルコールの添加量を有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で4%(すなわち、多価アルコールの添加量を有機スルホン酸第二鉄100質量部に対して4質量部)以上にすることが好ましく、また、多価アルコールの添加量の増加に伴って酸化剤兼ドーパント溶液の粘度が増加していくので、多価アルコールの添加量を有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で20%以下にすることが好ましい。
なお、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物と多価アルコールの添加順序に関しては、何ら制約がなく、両者を同時に添加してもよく、また、どちらか一方を先に添加した後、他方を添加してもよく、さらに、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物と多価アルコールとをあらかじめ反応させて反応物として添加してもよい。
導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液における有機スルホン酸第二鉄の濃度は、溶液にする際のアルコールの種類によっても異なるが、一般に高い方が好ましく、25〜60質量%の範囲とすることが好ましく、30〜60質量%の範囲とすることがより好ましい。
本発明において、導電性高分子を製造するにあたってのモノマーとしては、チオフェンまたはその誘導体が用いられる。これは、前記したように、チオフェンまたはその誘導体を重合して得られる導電性高分子が導電性および耐熱性のバランスがとれていて、他のモノマーに比べて、コンデンサの特性の優れた固体電解コンデンサが得られやすいという理由に基づいている。
そして、そのチオフェンまたはその誘導体におけるチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンや、上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンなどが挙げられ、そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数としては1〜16が好ましく、特に1〜4が好ましい。
上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンについて詳しく説明すると、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンやアルキル化エチレンジオキシチオフェンは、下記の一般式(7)で表される化合物に該当する。
一般式7:
Figure 0004798812
(式中、Rは水素またはアルキル基である)
そして、上記一般式(7)中のRが水素の化合物が3,4−エチレンジオキシチオフェンであり、これをIUPAC名称で表示すると、「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3−Dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「3,4−エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本書では、この「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を「3,4−エチレンジオキシチオフェン」と表示している。そして、上記一般式(7)中のRがアルキル基の場合、該アルキル基としては、炭素数が1〜4のもの、つまり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、それらを具体的に例示すると、一般式(7)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Methyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、これを簡略化して「メチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(7)の中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Ethyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、これを簡略化して「エチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。
一般式(7)中のRがプロピル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−プロピル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Propyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、これを簡略化して「プロピル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、一般式(7)の中のRがブチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−ブチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Butyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、これを簡略化して「ブチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。また、「2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を、本書では、簡略化して「アルキル化チレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、それらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンの中でも、メチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェン、ブチル化エチレンジオキシチオフェンが好ましく、特にエチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
そして、3,4−エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)とアルキル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)とは混合して用いることが好ましく、その混合比は、モル比で0.1:1〜1:0.1、特に0:2:1〜1:0.2、とりわけ0.3:1〜1:0.3が好ましい。
本発明の酸化剤兼ドーパント溶液を用いての導電性高分子の製造は、通常に導電性高分子を製造する場合と、固体電解コンデンサの製造時に導電性高分子を製造する、いわゆる「その場重合」による導電性高分子の製造との両方に適用できる。
モノマーとなるチオフェンやその誘導体は、常温で液状なので、重合にあたって、そのまま用いることができるし、また、重合反応をよりスムーズに進行させるために、モノマーを例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶剤で希釈して有機溶剤溶液として用いてもよい。
通常に導電性高分子を製造する場合(この通常に導電性高分子を製造する場合とは、固体電解コンデンサの作製時に「その場重合」により導電性高分子を製造するのではないという意味である)、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーのチオフェンまたはその誘導体を混合した混合物を用い(その混合割合は、質量基準で、酸化剤兼ドーパント:モノマーが5:1〜15:1が好ましい)、例えば、5〜95℃で、1〜72時間酸化重合することによって行われる。
本発明の酸化剤兼ドーパント溶液は、特に固体電解コンデンサの作製時にモノマーのチオフェンまたはその誘導体をいわゆる「その場重合」で導電性高分子を製造するのに適するように開発したものであることから、これについて以下に詳しく説明する。
また、固体電解コンデンサも、アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどがあり、そのアルミニウム固体電解コンデンサの中にも、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと積層型アルミニウム固体電解コンデンサがあるが、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液は特に巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって適するように開発したものであるから、これについて特に詳しく説明する。
まず、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ素子としては、アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理して誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して作製したものを使用する。
そして、上記コンデンサ素子を用いての巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製は、例えば、次のように行われる。
すなわち、上記コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー(チオフェンまたはその誘導体)との混合物に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させてチオフェンまたはその誘導体の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した後、その固体電解質層を有するコンデンサ素子を外装材で外装して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する。
また、上記のように、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬するのに代えて、モノマー(チオフェンまたはその誘導体)を前記したメタノールなどの有機溶剤で希釈しておき、そのモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げて乾燥した後、該コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させるか、または、コンデンサ素子を先に本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマーに浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させ、以後、前記と同様にして、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサが作製される。
上記巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ以外の固体電解コンデンサ、例えば、積層型アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの作製にあたっては、コンデンサ素子としてアルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属の多孔体からなる陽極と、それらの弁金属の酸化皮膜からなる誘電体層を有するものを用い、そのコンデンサ素子を、前記巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合と同様に、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬し、引き上げて、室温または加熱下でモノマー(チオフェンまたはその誘導体)を重合させるか、あるいは、コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げて乾燥した後、該コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げて、室温または加熱下でモノマーを重合させるか、もしくは、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマー中に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させ、該コンデンサ素子を洗浄した後、乾燥する。そして、これらの工程を繰り返して、導電性高分子からなる固体電解質層を形成した後、カーボンペースト、銀ペーストを付け、乾燥した後、外装することによって、積層型アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどが作製される。
上記のような導電性高分子の製造や固体電解コンデンサの作製時の「その場重合」による導電性高分子の製造にあたって、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー(チオフェンまたはその誘導体)あるいはモノマー溶液との使用比率は、酸化剤兼ドーパントとなる有機スルホン酸第二鉄とモノマーとが質量比で2:1〜8:1が好ましく、「その場重合」は、例えば、10〜300℃、1〜180分で行われる。
また、固体電解コンデンサの作製にあたって、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬する場合、通常は本発明の酸化剤兼ドーパント溶液をあらかじめ調製しておいて、それをモノマーと混合するが、そのようなあらかじめの調製をせずに、有機スルホン酸第二鉄のアルコール溶液(炭素数1〜4のアルコール溶液)と、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物と、要すれば、さらに多価アルコールと、モノマーとを混合して、そのような混合状態において、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に相当する有機スルホン酸第二鉄のアルコール溶液とグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物と、要すれば、さらに多価アルコールとが存在するようにしてもよい。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、以下の実施例などにおいて濃度や添加量などを示す際の%は特にその基準を付記しないかぎり、質量基準による%である。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製(1)〕
実施例1〜30および比較例1〜3
この実施例1〜30および比較例1〜3では、酸化剤兼ドーパントとなる有機スルホン酸第二鉄としてパラトルエンスルホン酸第二鉄を用い、グリシジル基を有する化合物(以下、簡略化して、「グリシジル化合物」という)として、実施例1〜10では、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物に属するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル〔阪本薬品工業社製のSR−8EGS(商品名)、一般式(3)中のnは、該ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの中央値で8〕を用い、実施例11、12、13では、それぞれ一般式(2)で表されるジグリシジル化合物に属するエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテルを用い、実施例14、15、16、17、18では、それぞれ、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物に属するジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル〔阪本薬品工業社製のSR−4PG(商品名)、一般式(3)中のnは、該ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの中央値で7〕、を用い、実施例19では、グリセリントリグリシジルエーテルを用い、実施例20では、ジグリセリンテトラグリシジルエーテルを用い、実施例21では、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物に属するエポキシプロパノールを用い、実施例22、23では、それぞれ、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物の開環化合物に属するエポキシブタン、エポキシオクタンを用い、実施例24では、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物に属するブチルグリシジルエーテルを用い、実施例25〜27では、それぞれ、グリシジル基を1個有するメタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルを用い、実施例28では、一般式(2)で表されるジグリシジル化合物に属するヘキシレングリコールジグリシジルエーテルを用い、実施例29では、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物に属するポリテトラメチレングリコールグリシジルエーテルを用い、実施例30では、下記に示す調製例1で調製したメタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物を用い、多価アルコールとして、実施例1〜6、実施例8、比較例2〜3では、グリセロール(グリセリン)を用い、実施例9、実施例11〜20および実施例25〜30では、ブタンジオールを用い、実施例10、実施例21〜24では、ヘキサンジオールを用い、次に示すようにして酸化剤兼ドーパント溶液を調製した。ただし、グリシジル化合物の種類、その添加量、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率、多価アルコールの種類、その添加量、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率を表1〜表2に示す関係で、下記に示す酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(1)では、グリシジル化合物の種類をX、グリシジル化合物の添加量をA(g)、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をB(%)、多価アルコールの種類をY、多価アルコールの添加量をC(g)、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をD(%)、ブタノールの添加量をE(g)で示す。なお、実施例の中には、ジグリシジル化合物のみ添加し、多価アルコールを添加していない実施例(実施例7)があり、また、比較例では、ジグリシジル化合物、多価アルコールのいずれも添加していないものや多価アルコールのみを添加したものなどがある。
調製例1 メタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物の調製
反応容器にメタクリル酸グリシジル284.3g(2.00モル)と、ブタンジオール90.1g(1.00モル)と、パラトルエンスルホン酸1水和物1.0gとを入れ、反応容器内を80℃に保ちながら12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、生成物としてメタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物を375g得た。なお、このメタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物の表中への表示にあたっては、簡略化して、「調製例1」で表示する。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(1)〕
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.74)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は、67.2%であった。上記溶液100gに対し、グリシジル化合物XをAg、多価アルコールYをCg、かつブタノールをEg添加し、60℃で1時間加熱した後、アドバンテック東洋社製ガラスフィルターGF75(GF75は品番であり、以下、社名を省略して表示する)で濾過し、その濾液をそれぞれ実施例1〜30および比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この溶液の計算上の固形分濃度は43.0%であった。なお、表1や表2には、これらの酸化剤兼ドーパント溶液におけるパラトルエンスルホン酸第二鉄に対するグリシジル化合物Xの添加比率B%、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対する多価アルコールYの添加比率D%も、それぞれの実施例および比較例に応じて示している。ただし、表1〜表2では、スペース上の関係で、グリシジル化合物と多価アルコールを、次のように簡略化して示す。なお、これらの実施例1〜30および比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液ならびに後記の実施例31〜32および比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液の評価は、後記の〔固体電解コンデンサでの評価(1)〕から〔固体電解コンデンサでの評価(8)〕までにおける固体電解コンデンサでの評価によって行なう。
グリシジル化合物
PEG−DG:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
EG−DG:エチレングリコールジグリシジルエーテル
PG−DG:プロピレングリコールジグリシジルエーテル
BG−DG:ブチレングリコールジグリシジルエーテル
DEG−DG:ジエチレングリコールジグリシジルエーテル
DPG−DG:ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル
TEG−DG:トリエチレングリコールジグリシジルエーテル
TPG−DG:トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル
PPG−DG:ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル
GL−TrG:グリセリントリグリシジルエーテル
DGL−TtG:ジグリセリンテトラグリシジルエーテル
EPPOL:エポキシプロパノール
EPBTN:エポキシブタン
EPOTN:エポキシオクタン
BU−GE:ブチルグリシジルエーテル
Meth−G:メタクリル酸グリシジル
Ph−G:フェニルグリシジルエーテル
Cr−G:クレジルグリシジルエーテル
HexG−DG:ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル
PMG−DG:ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル
多価アルコール
GLYOL:グリセロール
BUDOL:ブタンジオール
HEDOL:ヘキサンジオール
なお、比較例3において、グリシジル化合物に代えて添加するポリエチレングリコール400については、簡略化して、PEG400で示す。
Figure 0004798812
Figure 0004798812
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製(2)〕
実施例31〜32および比較例4〜6
この実施例31〜32および比較例4〜6では、有機スルホン酸第二鉄としてメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄を用い、グリシジル化合物として、実施例31では、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物に属するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(実施例1の場合と同様のもの)を用い、実施例32では、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物に属するエポキシプロパノールを用い、多価アルコールとして、実施例31〜32、比較例5〜6では、グリセロールを用い、次に示すようにして酸化剤兼ドーパント溶液の調製を行なった。ただし、この酸化剤兼ドーパントとしてメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄を用いた酸化剤兼ドーパント溶液の調製でも、グリシジル化合物の種類、その添加量、そのメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対する添加比率、多価アルコールの種類、その添加量、そのメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対する添加比率を表3に示す関係で、下記に示す〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(2)〕でも、グリシジル化合物の種類をX,グリシジル化合物の添加量をA(g)、そのメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をB(%)、多価アルコールの種類をY、多価アルコールの添加量をC(g)、そのメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をD(%)、エタノールの添加量をE(g)として示す。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(2)〕
テイカ社製の濃度40%のメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とメトキシベンゼンスルホン酸とのモル比1:2.72)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は、64.5%であった。上記溶液100gに対し、グリシジル化合物XをAg、多価アルコールYをCg、かつエタノールをEg添加し、60℃で1時間加熱した後、アドバンテック東洋社製ガラスフィルターGF75で濾過し、その濾液をそれぞれ実施例31〜32および比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この溶液の計算上の固形分濃度は45.0%であり、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対するグリシジル化合物Xの添加比率はB%、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対する多価アルコールYの添加比率はD%であった。上記X、Y、A、B、C、D、Eについては、表3に具体的に示す。なお、この表3においても、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを簡略化して「PEG−DG」で示し、エポキシプロパノールを簡略化して「EPPOL」で示し、グリセロールを簡略化して「GLYOL」で示す。
Figure 0004798812
〔固体電解コンデンサの評価(1)〕
この〔固体電解コンデンサの評価(1)〕では、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、前記のように調製した実施例1〜30の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、設定静電容量が10μF以上で、設定ESRが40mΩ以下の実施例33〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらと前記のように調製した比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ特性を比較するとともに、それによって、それらの巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製にあたって用いた実施例1〜30および比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液の特性を評価する。
実施例33〜62および比較例7〜9
まず、実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例33の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を示す。
アルミニウム箔の表面をエッチング処理し、そのエッチング処理後のアルミニウム箔を12%アンモニウム水溶液中に浸漬し、そのアンモニウム水溶液中のアルミニウム箔に80Vの電圧を印加してアルミニウム箔の表面に誘電体層を形成して陽極とし、その陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、設定静電容量が10μF以上で、設定ESRが40mΩ以下の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製用のコンデンサ素子を作製した。
上記コンデンサ素子を3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)20mlに対してメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。これを外装体で外装して、実施例33の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例2〜30および比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液をそれぞれ別々に用い、それ以外は実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらを実施例34〜62および比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例33〜62および比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、HEWLETTPACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、ESRを100kHzで測定し、静電容量を120Hzで測定し、破壊電圧を松定プレシジョン社製のPRk650−2.5を用いて25℃の条件下で電圧を1V/分の速度で上昇させて測定した。その結果を表4〜表5に示す。それらの測定は、各試料とも、50個ずつについて行い、表4および表5に示すESR値および静電容量値は、それら50個の平均値を求め、小数点第2位を四捨五入して示したものであり、破壊電圧値は小数点以下を四捨五入して示したものである。なお、用いた酸化剤兼ドーパント溶液については、実施例番号や比較例番号で示す。
Figure 0004798812
Figure 0004798812
表4〜表5に示すように、実施例33〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとも、静電容量が11μF台であって、設定静電容量の10μF以上を満たし、ESRが30mΩ台であって、設定ESRの40mΩ以下を満たしていたが、比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの破壊電圧が21〜22Vであったのに対し、実施例33〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの破壊電圧は40V台であって、実施例33〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの約2倍の高い破壊電圧を有し、耐電圧性が優れていた。
すなわち、グリシジル化合物のみを添加した実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでも、設定静電容量、設定ESRを満たすとともに、破壊電圧が41Vと、比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの2倍近くの高い破壊電圧を示し、耐電圧性が優れており、さらに、グリシジル化合物の添加に加えて、多価アルコールを添加した実施例1〜6、実施例8〜30の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した実施例33〜38、実施例40〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、設定静電容量、設定ESRを満たすことはもとより、上記実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、さらに高い破壊電圧を有し、耐電圧性が優れているとともに、ESRも実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより低く、この点でも特性の向上が認められた。
これに対し、グリシジル化合物を添加せず、多価アルコールも添加していない比較例1の酸化剤兼ドーパント溶液、多価アルコールは添加しているものの、グリシジル化合物を添加していない比較例2の酸化剤兼ドーパント溶液、多価アルコールは添加しているものの、グリシジル化合物に変えてポリエチレングリコール400(PEG400)を添加した比較例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、設定静電容量や設定ESRは満たしているものの、破壊電圧が低く、耐電圧性が実施例のものに比べて劣っていた。
そして、この結果から、実施例33〜62の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例1〜30の酸化剤兼ドーパント溶液は、比較例7〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた比較例1〜3の酸化剤兼ドーパント溶液より、導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液として特性が優れていることがわかるし、また、実施例1〜30の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを酸化重合して製造した導電性高分子が、特性が優れていることがわかる。
〔固体電解コンデンサの評価(2)〕
この〔固体電解コンデンサの評価(2)〕では、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、それをメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとする実施例31〜32の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合し、設定静電容量が10μF以上で、設定ESRが40mΩ以下の実施例63〜64の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらと前記のように調製した比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例10〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ特性を比較するとともに、それによって、それらの巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例31〜32および比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液の特性評価をする。
実施例63〜64および比較例10〜12
まず、実施例31の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例63の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。
前記実施例33などで用いたものと同様のコンデンサ素子を、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)20mlに対してメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例25の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。これを外装材で外装して、実施例63の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例31の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例32および比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例31の酸化剤兼ドーパントを用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例64および比較例10〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例63〜64および比較例10〜11の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、測定し、その結果を表6に示した。
Figure 0004798812
表6に示すように、実施例63〜64の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、比較例10〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとも、静電容量が11μF台であって、設定静電容量の10μF以上を満たし、ESRが30mΩ台であって、設定ESRの40mΩ以下を満たしていたが、実施例63〜64の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの破壊電圧が48Vと高かったのに対し、比較例10〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの破壊電圧は24〜25Vと、実施例63〜64の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの破壊電圧の約半分にすぎなかった。
すなわち、実施例63〜64の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、設定静電容量や設定ESRを満たし、かつ破壊電圧が48Vと高く、比較例10〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、耐電圧性が優れていて、酸化剤兼ドーパントとしてメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄を用いた場合も、酸化剤兼ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸第二鉄を用いた場合と同様の傾向が見られ、実施例31〜32の酸化剤兼ドーパント溶液が比較例4〜6の酸化剤兼ドーパント溶液より、導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液として特性が優れていることがわかるし、また、実施例31〜32の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、3,4−エチレンジオキシチオフェンを酸化重合して製造した導電性高分子が特性が優れていることがわかる。
以下に示す〔固体電解コンデンサの評価(3)〕から〔固体電解コンデンサの評価(8)〕までは、導電性高分子を製造するためのモノマーとしてアルキル化エチレンジオキシチオフェンを用いるので、それらの〔固体電解コンデンサの評価(3)〕から固体電解コンデンサの評価(8)〕までの説明に先立って、アルキル化エチレンジオキシチオフェンの合成例を示す。
〔アルキル化エチレンジオキシチオフェンの合成〕
合成例1 メチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)の合成
次の1−(1)〜1−(3)の工程を経てメチル化エチレンジオキシチオフェンを合成した。
3−(1) プロパン−1,2−ジイル−ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
氷冷下、反応容器にトシルクロリド7.86kg(40モル)と1,2−ジクロロエタン7kgを入れ、容器内の温度が10℃になるまで攪拌し、その中にトリエチルアミン5.11kg(50モル)を滴下した。
上記の混合物を攪拌しながら、その混合物に容器内の温度が40℃を超えないようにしつつ1,2−プロパンジオール1.55kg(20モル)を60分かけて注意深く滴下し、容器内の温度を40℃に保ちながら混合物を6時間攪拌した。
反応終了液を室温まで冷却し、水4kgを加えて攪拌し、その後、静置した。反応終了液を水相と有機相の2層に分け、有機相を濃縮して、黒赤色オイル状物を得た。
氷冷下、反応容器にメタノール500gを入れて攪拌し、そこに上記のようにして得た黒赤色オイル状物を滴下しながら攪拌し、沈殿する白色固体を濾取した。その白色固体を少量のメタノールで洗浄した後、乾燥して、生成物としてプロパン−1,2−ジイル−ビス(4−メチルベンゼンスルホネートを3.87kg得た。
1−(2) 2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン−5,7−ジカルボキシリックアシッドの合成
反応容器にジソジウム−2,5−ビス(アルコキシカルボニル)チオフェン−3,4−ジオレート508g(1.67モル)と、上記1−(1)のようにして得たプロパン−1,2−ジイル−ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)960g(2.5モル)と、炭酸カリウム46g(0.33モル)と、ジメチルホルムアミド2.5kgとを入れ、容器内の温度を120℃に保ちながら混合物を4時間攪拌した。
反応終了液を濃縮し、残留した茶色固体に5%炭酸水素ナトリウム水溶液3.7kgを入れ、室温で15分間攪拌して茶色固体を濾取した。反応容器に濾取した茶色固体と7%水酸化ナトリウム水溶液2.47kgを入れて、容器内の温度を80℃に保ちながら2時間攪拌した。
容器内が室温になるまで冷却し、容器内の温度が30℃を超えないようにしつつ反応終了液に98%硫酸759gを注意深く滴下し、容器内の温度を80℃に保ちながら2時間攪拌した。
容器内が室温になるまで攪拌しながら冷却し、沈殿する灰色固体を濾取した。さらに、反応終了液を冷却して灰色固体を濾取した。それらの灰色固体を少量の水で洗浄した後、乾燥して、生成物として2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン−5,7−ジカルボキシリックアシッドを310g得た。
1−(3) メチル化エチレンジオキシチオフェン(2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)の合成
上記1−(2)のようにして得た2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン−5,7−ジカルボキシリックアシッド880g(3.6モル)を反応容器内で3kgのポリエチレングリコール300(林純薬工業社製)に溶解し、酸化銅176gを加え、混合物を内圧20hpaで、徐々に温度を上げながら蒸留し、水と初留を留出させ、ポリエチレングリコール300を含有する本留に水400gを加えて攪拌し、静置した。
2層に分れた溶液を分液し、そのうちの下層の黄色透明液体を生成物のメチル化エチレンジオキシチオフェンとして345g得た。
合成例2 エチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)の合成
1,2−プロパンジオールに代えて、1,2−ブタンジオールを用いた以外は、すべて合成例1と同様の操作を行なって、黄色透明液体のエチル化エチレンジオキシチオフェンを130g得た。
合成例3 プロピル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−プロピル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)の合成
1,2−プロパンジオールに代えて、1,2−ペンタンジオールを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行なって、黄色透明液体のプロピル化エチレンジオキシチオフェンを180g得た。
合成例4 ブチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−ブチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)の合成
1,2−プロパンジオールに代えて、1,2−ヘキサンジオールを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行なって、黄色透明液体のブチル化エチレンジオキシチオフェンを100g得た。
〔固体電解コンデンサでの評価(3)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(3)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例65〜67
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例65の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例65〜67で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)5mlと合成例1で合成したメチル化エチレンジオキシチオフェン15mlとを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例65の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例66および実施例67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例65〜67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表7に示した。
Figure 0004798812
表7に示すように、実施例65〜67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.7〜11.8μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが32.4〜32.9mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が48〜54Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例65〜67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例65〜67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例65の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例65の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表7に示すように、破壊電圧が56Vで、静電容量が11.8μFで、ESRが31.1mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例66の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例66の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例67の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔固体電解コンデンサでの評価(4)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(4)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例68〜70
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例68の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例68〜70で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)10mlと合成例2で合成したエチル化エチレンジオキシチオフェン10mlとを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例68の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例69および実施例70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例68〜70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表8に示した。
Figure 0004798812
表8に示すように、実施例68〜70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.8μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが31.1〜31.8mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が49〜56Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例68〜70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例68〜70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例68の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例68の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表8に示すように、破壊電圧が56Vで、静電容量が11.8μFで、ESRが31.1mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例69の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例69の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例70の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔固体電解コンデンサでの評価(5)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(5)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例71〜73
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例71の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例71〜73で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)13mlと合成例3で合成したプロピル化エチレンジオキシチオフェン7mlとを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例71の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例72および実施例73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例71〜73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表9に示した。
Figure 0004798812
表9に示すように、実施例71〜73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.7〜11.8μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが31.2〜31.9mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が48〜55Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例71〜73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例71〜73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例71の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例71の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表9に示すように、破壊電圧が55Vで、静電容量が11.8μFで、ESRが31.2mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例72の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例72の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例73の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔固体電解コンデンサでの評価(6)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(6)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例74〜76
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例74の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例74〜76で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)15mlと合成例4で合成したブチル化エチレンジオキシチオフェン5mlとを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例74の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例75および実施例76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例74〜76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表10に示した。
Figure 0004798812
表10に示すように、実施例74〜76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.4〜11.5μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが31.9〜32.1mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が48〜54Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例74〜76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例74〜76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例74の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例74の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表10に示すように、破壊電圧が53Vで、静電容量が11.4μFで、ESRが32.1mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例75の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例75の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例76の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔固体電解コンデンサでの評価(7)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(7)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例77〜79
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例77の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例77〜79で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)10mlと合成例2で合成したエチル化エチレンジオキシチオフェン5mlと合成例3で合成したプロピル化エチレンジオキシチオフェン5mlとを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例77の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例78および実施例79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例77〜79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表11に示した。
Figure 0004798812
表11に示すように、実施例77〜79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.6μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが30.2〜30.9mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が48〜54Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例77〜79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエ
チル化エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例77〜79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例77の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例77の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表11に示すように、破壊電圧が57Vで、静電容量が11.6μFで、ESRが30.9mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例78の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例78の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとエチル化エチレンジオキシチオフェンとプロピル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例79の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、静電容量が大きく、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔固体電解コンデンサでの評価(8)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(8)〕では、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用い、それを実施例3,4,7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて酸化重合して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、そのコンデンサ特性を評価する。
実施例80〜82
まず、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例80の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を下記に示す。なお、これらの実施例80〜82で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)10mlと合成例1で合成したメチル化エチレンジオキシチオフェン5mlと合成例4で合成したブチル化エチレンジオキシチオフェン5mlを混合した混合溶液にメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例80の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4および実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用い、それ以外は上記実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、それらを実施例81および実施例82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例80〜82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例33と同様に、ESR、静電容量および破壊電圧を測定し、その結果を表12に示した。
Figure 0004798812
表12に示すように、実施例80〜82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が11.3〜11.5μFであって、10μF以上という設定静電容量を満たし、ESRが32.1〜32.4mΩであって、40mΩ以下という設定ESRを満たし、破壊電圧が48〜54Vという高い値を示し、耐電圧性が優れていた。
そして、これらの実施例80〜82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと、同じ酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較すると、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例80〜82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35、36、39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
すなわち、実施例80の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとは、両者とも、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いているが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表4に示すように、破壊電圧が46Vで、静電容量が11.5μFで、ESRが34.7mΩであったが、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例80の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、表12に示すように、破壊電圧が54Vで、静電容量が11.4μFで、ESRが32.2mΩであって、実施例35の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
また、同じ実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例81の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物を用いた実施例81の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例36の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
そして、同じ実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた実施例82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとを比較しても、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとブチル化エチレンジオキシチオフェンの混合物を用いた実施例82の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの方が、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを単独で用いた実施例39の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサより、破壊電圧が高く、ESRが低く、コンデンサ特性が優れていた。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製(3)〕
実施例83〜88および比較例13〜15
この実施例83〜88および比較例10〜12では、有機スルホン酸第二鉄としてパラトルエンスルホン酸第二鉄を用い、グリシジル化合物として、実施例83、84、85では、一般式(1)で表されるモノグリシジル化合物に属するエポキシプロパノールを用い、実施例86では、一般式(3)で表されるジグリシジル化合物に属するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル〔阪本薬品工業社製のSR−8EGS(商品名)、一般式(3)中のnは、該ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの中央値で8〕を用い、実施例87では、メタクリル酸グリシジルを用い、実施例88では前記調製例1で調製したメタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物を用い、多価アルコールとして、実施例8〜86では、グリセロールを用い、実施例87ではブタンジオールを用い、次に示すようにして酸化剤兼ドーパント溶液の調製を行なった。ただし、この酸化剤兼ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸第二鉄を用いた酸化剤兼ドーパント溶液の調製でも、グリシジル化合物の種類、その添加量、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率、多価アルコールの種類、その添加量、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率を表13に示す関係で、下記に示す〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(3)〕でも、グリシジル化合物の種類Xを、グリシジル化合物の添加量をA(g)、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をB(%)、多価アルコールの種類をY、多価アルコールの添加量をC(g)、そのパラトルエンスルホン酸第二鉄に対する添加比率をD(%)、ブタノールの添加量をE(g)として示す。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製方法(3)〕
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.74)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は、67.2%であった。上記溶液100gに対し、グリシジル化合物XをAg、多価アルコールYをCg、かつブタノールをEg添加し、60℃で1時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、その濾液をそれぞれ実施例83〜88および比較例13〜15の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この溶液の計算上の固形分濃度は45.0%であった。なお、表13には、これらの酸化剤兼ドーパント溶液におけるパラトルエンスルホン酸第二鉄に対するグリシジル化合物Xの添加比率B%、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対する多価アルコールYの添加比率D%も、それぞれの実施例および比較例に応じて示している。ただし、表13でも、スペース上の関係で、グリシジル化合物と多価アルコールを、次のように簡略化して示す。
グリシジル化合物:
EPPOL:エポキシプロパノール
PEG−DG:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
Meth−G:メタクリル酸グリシジル
調製例1:メタクリル酸グリシジルとブタンジオールとの反応物
多価アルコール:
GLYOL:グリセロール
BUDOL:ブチルアルコール
Figure 0004798812
〔固体電解コンデンサの評価(9)〕
この〔固体電解コンデンサの評価(9)〕では、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、前記のように調製した実施例83〜88の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、設定静電容量が10μF以上で、設定ESRが40mΩ以下の実施例89〜94の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらと前記のように調製した比較例13〜15の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例16〜18の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ特性を比較するとともに、それによって、それらの巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製にあたって用いた実施例83〜88および比較例13〜15の酸化剤兼ドーパント溶液の特性を評価する。
実施例89〜94および比較例16〜18
まず、実施例83の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、実施例89の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する場合を示す。なお、これらの実施例89〜94および比較例16〜18で用いるコンデンサ素子も実施例33などで用いたものと同様のものであり、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの設定静電容量は10μF以上で、設定ESRは40mΩ以下である。
すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)20mlにメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例83の酸化剤兼ドーパント溶液100ml中に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーを重合させて、3,4−エチレンジオキシチオフェンとメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、外装材で外装して、実施例89の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
そして、上記実施例83の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例84〜88および比較例13〜15の酸化剤兼ドーパント溶液をそれぞれ別々に用い、それ以外は実施例83の酸化剤兼ドーパント溶液の場合と同様に、それぞれの酸化剤兼ドーパント溶液を用いた巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらを実施例90〜94および比較例16〜18の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとした。
上記のようにして作製した実施例89〜94および比較例16〜18の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、ESRおよび静電容量を測定し、かつ、漏れ電流を測定して、漏れ電流不良の発生を調べた。その結果を表14に示す。なお、ESRおよび静電容量の測定には、HEWLETTPACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、ESRは100kHzで測定し、静電容量は120Hzで測定した。なお、漏れ電流の測定方法および漏れ電流不良発生の評価方法は次の通りである。
漏れ電流:
巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに、25℃で16V定格電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープにて漏れ電流を測定した。
漏れ電流不良の発生:
上記漏れ電流の場合と同様に漏れ電流を測定し、漏れ電流が100μA以上のものは漏れ電流不良が発生していると判断した。
なお、測定には各試料とも50個ずつ行い、表14に示すESRおよび静電容量の数値は、その50個の平均値を求め、小数点第2位を四捨五入して示したものである。また、漏れ電流不良の発生の有無を調べた結果は、試験に使用した全コンデンサ個数を分母に示し、漏れ電流不良の発生があったコンデンサ個数を分子に示す態様で「漏れ電流不良発生個数」として示す。
Figure 0004798812
表14に示すように、実施例89〜94の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、比較例16〜18の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとも、静電容量が11μF台であって、設定静電容量の10μF以上を満たし、ESRが30mΩ台であって、設定ESRの40mΩ以下を満たしていたが、実施例89〜94の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでは、漏れ電流不良の発生がないか、あったとしても、漏れ電流不良の発生が少なかったのに対し、比較例16〜18の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサには、多くの漏れ電流不良が発生した。
産業上の利用分野
本発明によれば、ESRを低く、かつ静電容量を大きく保ちながら、耐電圧の高い固体電解コンデンサを提供することができる。また、本発明によれば、漏れ電流不良の発生が少ない固体電解コンデンサを提供することができる。

Claims (14)

  1. 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄と、炭素数1〜4のアルコールとを含む導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液であって、グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物を添加したことを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  2. グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物が、次の一般式(1)で表わされるモノグリシジル化合物、一般式(2)で表わされるジグリシジル化合物、一般式(3)で表わされるジグリシジル化合物、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリジシルエーテルおよびそれらの開環化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
    一般式(1):
    Figure 0004798812
    (式中のRはヒドロキシル基、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシル基である)
    一般式(2):
    Figure 0004798812
    (式中のRは炭素数2〜6のアルキレンである)
    一般式(3):
    Figure 0004798812
    (式中のRは炭素数2〜4のアルキレンであり、nは2〜20である)
  3. グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の添加量が、有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で2〜40%である請求項1または2記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  4. グリシジル基を有する化合物またはその開環化合物の添加量が、有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で10〜40%である請求項1または2記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  5. 多価アルコールを添加したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  6. 多価アルコールが、炭素数2〜10の脂肪族炭化水素にヒドロキシル基が2〜3個結合するものである請求項5記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  7. 多価アルコールの添加量が、有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で20%以下である請求項5または6記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  8. 有機スルホン酸第二鉄が、パラトルエンスルホン酸第二鉄またはメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造したことを特徴とする導電性高分子。
  10. チオフェンの誘導体が3,4−エチレンジオキシチオフェンである請求項9記載の導電性高分子。
  11. チオフェンの誘導体が、3,4−エチレンジオキシチオフェンと、メチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェンおよびブチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキル化エチレンジオキシチオフェンとの混合物である請求項9記載の導電性高分子。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して導電性高分子を製造し、得られた導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを製造することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  14. 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液が、固体電解コンデンサの製造時に有機スルホン酸第二鉄の炭素数1〜4のアルコール溶液にグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物あるいはグリシジル基を有する化合物またはその開環化合物と多価アルコールとを添加したものである請求項13記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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