JP5501079B2 - 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、導電性高分子、それを固体電解質として用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、導電性高分子、それを固体電解質として用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液、それを用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子、その導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
この用途における導電性高分子としては、チオフェンまたはその誘導体を酸化重合(化学酸化重合)することによって得られたものが、導電性および耐熱性のバランスがとれていて有用性が高いという理由から、多用されている(特許文献1〜2)。
上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、有機スルホン酸が用いられ、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、有機スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体の化学酸化重合にあたっての酸化剤兼ドーパントとして用いられている。
そして、この導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサの製造にあたっては、例えば、コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子を酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げて重合を行うか、コンデンサ素子を酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げて重合を行うか、あるいは酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー溶液とを混合して調製した溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げて重合することが行われている。
その際、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が高い方が、得られる固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)が低く(小さく)なり、静電容量が高く(大きく)なるなど、コンデンサ特性が向上する傾向があるが、上記酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が、ある濃度を超えると、かえってコンデンサ特性が悪くなる。
これは、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が高くなるのに伴なって粘度が高くなり、かつ反応速度が速くなるため、コンデンサ素子の細部に上記酸化剤兼ドーパント溶液が行き渡らないうちに高分子化が進んでしまって、静電容量が出にくくなり、また、反応速度が速いが故に、副反応が起こり、導電性高分子の合成がうまくいかず、結果としてESRが大きくなるものと考えられる。この傾向は、固体電解コンデンサの種類によって異なるが、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液の濃度が55質量%以上になると現われるようになる。
そこで、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液にイミダゾールを添加することにより反応速度を遅くすることができる可能性が示されている(特許文献3)。
しかし、この場合は、添加したイミダゾールが導電性高分子中に残留し、特性に悪影響を及ぼすことが考えられる。
また、それとは別に、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパントとなるトルエンスルホン酸を、該トルエンスルホン酸と錯塩を形成する低沸点溶剤のテトラヒドロフランとトルエンスルホン酸と錯塩を形成しない高沸点溶剤のブタノールとの混合溶剤に溶解させて反応速度を遅くさせることができる可能性が示されている(特許文献4)。
しかし、それを固体電解コンデンサの製造にあたって応用した場合、充分な成果が得られなかった。
特開2003−160647号公報 特開2004−265927号公報 欧州特許出願公開第0615256号明細書 米国特許第6001281号明細書
本発明は、上記のような事情に鑑み、固体電解質として用いたときに、ESRが低く、かつ静電容量が大きい固体電解コンデンサを提供できる導電性高分子を製造するのに適した導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を提供し、また、それを用いて、上記特性を有する導電性高分子および固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液にスルホキシド基を有する化合物を特定比率で添加することによって、上記目的を達成し、それに基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄と、ヒドロキシル基を有する有機溶剤とを含む導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液であって、スルホキシド基を有する化合物を上記有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で1〜7.5%添加したことを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液に関する。
また、本発明は、上記導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造したことを特徴とする導電性高分子に関する。
さらに、本発明は、上記導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
本発明の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液(以下、簡略化して、「酸化剤兼ドーパント溶液」という)は、スルホキシド基を有する化合物の添加により、酸化剤の反応速度を低下させることができるので、導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント(以下、簡略化して、「酸化剤兼ドーパント」という)の高濃度化に伴なう反応速度の増加を抑制でき、その反応速度の増加を抑制した上で高濃度化した酸化剤兼ドーパント溶液を用いて、チオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造された導電性高分子は、固体電解コンデンサの固体電解質として用いたときに、ESRが低く、かつ静電容量が大きい固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明において、酸化剤兼ドーパントとなる有機スルホン酸第二鉄の有機スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸またはその誘導体、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体などの芳香族系スルホン酸や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などの高分子スルホン酸が好適に用いられる。
上記ベンゼンスルホン酸またはその誘導体におけるベンゼンスルホン酸誘導体としては、例えば、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸などが挙げられ、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体におけるナフタレンスルホン酸誘導体としては、例えば、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸などが挙げられ、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体におけるアントラキノンスルホン酸誘導体としては、例えば、アントラキノンジスルホン酸、アントラキノントリスルホン酸などが挙げられる。これらの芳香族系スルホン酸の中でも、特に、トルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸などが好ましく、とりわけ、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸が好ましい。
また、上記有機スルホン酸第二鉄は、その鉄に対する有機スルホン酸のモル比が1:3より有機スルホン酸が少ないものが好ましい。これは鉄に対する有機スルホン酸のモル比を、その化学量論的モル比である1:3より有機スルホン酸を少なくすることによって、その有機スルホン酸第二鉄の反応速度を若干低減できるからであり、鉄に対する有機スルホン酸のモル比が、1:2程度のものまでが好ましく、1:2.2程度、特に1:2.4程度のものまでがより好ましく、1:2.75程度のものまでがさらに好ましい。
ヒドロキシル基を有する有機溶剤は、上記酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄を溶解して溶液とするためのものであり、このヒドロキシル基を有する有機溶剤としては、例えば、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、プロパノール(プロピルアルコール)、ブタノール(ブチルアルコール)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどを用いることができ、それらの中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数が1〜4のアルコールが好ましい。
そして、スルホキシド基を有する化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジブチルスルホキシドなどを用いることができ、それらの中でも、特にジメチルスルホキシドが好ましい。
このスルホキシド基を有する化合物は、酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄の反応速度を低下させる作用があり、有機スルホン酸第二鉄の高濃度化に伴なう反応速度の増加を抑制できるので、反応速度の増加に伴なう弊害(固体電解コンデンサにしたときのESRの増加や静電容量の低下など)を招くことなく、酸化剤兼ドーパント溶液を高濃度化でき、それによって、固体電解コンデンサのESRの低減や静電容量の増加を達成でき、コンデンサ特性を向上させることができる。
このスルホキシド基を有する化合物は、一般に高沸点なので(例えば、ジメチルスルホキシドは沸点が189℃)、通常の乾燥では、除去されることなく、導電性高分子中に残る可能性があるが、たとえ残存したとしても、後記の実施例に示すように、ESRの増加や静電容量の低下を引き起こすことがない。
そして、このスルホキシド基を有する化合物の有機スルホン酸第二鉄に対する添加量は、質量基準で1〜7.5%(すなわち、有機スルホン酸第二鉄100質量部に対してスルホキシド基を有する化合物が1〜7.5質量部)であり、スルホキシド基を有する化合物の添加量が上記より少ない場合は、反応速度を低下させる作用が充分に発揮されず、また、スルホキシド基を有する化合物の添加量が上記より多い場合は、反応速度の低下が大きくなるとともに、粘度が高くなりすぎて、生産性が低下するおそれがある。そして、このスルホキシド基を有する化合物の有機スルホン酸第二鉄に対する添加量は、上記範囲内で、質量基準で1.5%以上が好ましく、1.7%以上がより好ましく、また、7%以下が好ましい。
導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液は、これまで、溶剤としてブタノールを用いたブタノール系溶液では、有機スルホン酸第二鉄の濃度を54質量%にすることが、高濃度化に伴なう弊害を招くことなく高濃度化できる限界であったが、上記のようなスルホキシド基を有する化合物の添加により、有機スルホン酸第二鉄の濃度を57質量%程度まで高濃度化に伴なう弊害の発生を抑制しつつ高濃度化することができ、また、溶剤としてエタノールを用いたエタノール系溶液では、これまで、有機スルホン酸第二鉄の濃度を60質量%にすることが、有機スルホン酸第二鉄の高濃度化に伴なう弊害を招くことなく高濃度化できる限界であったが、上記のようなスルホキシド基を有する化合物の添加により、有機スルホン酸第二鉄の濃度を63質量%程度まで高濃度化に伴なう弊害の発生を抑制しつつ高濃度化することができ、それによって、特性の良い固体電解コンデンサを得ることができる。
また、溶剤としてメタノールを用いたメタノール系の酸化剤兼ドーパント溶液や溶剤としてプロパノールを用いたプロパノール系の酸化剤兼ドーパント溶液においても、それぞれ、スルホキシド基を有する化合物の添加により、有機スルホン酸第二鉄の高濃度化に伴なう弊害を伴なうことなく、高濃度化を達成でき、それによって、固体電解コンデンサの特性を向上させることができる。
本発明において、導電性高分子を製造するにあたってのモノマーとしては、チオフェンまたはその誘導体が用いられる。これは、前記したように、チオフェンまたはその誘導体を重合して得られる導電性高分子が導電性および耐熱性のバランスがとれていて、他のモノマーに比べて、コンデンサの特性の優れた固体電解コンデンサが得られやすいという理由に基づいている。
そして、そのチオフェンまたはその誘導体におけるチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンや、上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンなどが挙げられ、そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数としては1〜16が好ましく、特に1〜4が好ましい。
上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンについて詳しく説明すると、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンやアルキル化3,4−エチレンジオキシチオフェンは、下記の一般式(1)で表される化合物に該当する。
Figure 0005501079
(式中、Rは水素またはアルキル基である)
そして、上記一般式(1)中のRが水素の化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェンであり、これをIUPAC名称で表示すると、「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3−Dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「3,4−エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本書では、この「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を「3,4−エチレンジオキシチオフェン」と表示している。そして、上記一般式(1)中のRがアルキル基の場合、該アルキル基としては、炭素数が1〜4のもの、つまり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、それらを具体的に例示すると、一般式(1)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Methyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「メチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Ethyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「エチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがプロピル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−プロピル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Propyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「プロピル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、一般式(1)中のRがブチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−ブチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Butyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「ブチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。また、「2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を、以下、簡略化して「アルキル化エチレンジオキシチオフェン」で表わす。そして、これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンの中でも、メチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェン、ブチル化エチレンジオキシチオフェンが好ましく、特にエチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
そして、3,4−エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)とアルキル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)とは、混合して用いることが好ましく、その混合比は、モル比で0.1:1〜1:0.1、特に0.2:1〜1:0.2、とりわけ0.3:1〜1:0.3が好ましい。
本発明の酸化剤兼ドーパント溶液を用いての導電性高分子の製造は、通常に導電性高分子を製造する場合と、固体電解コンデンサの製造時に導電性高分子を製造する、いわゆる「その場重合」による導電性高分子の製造との両方に適用できる。
モノマーとなるチオフェンやその誘導体は、常温で液状なので、重合にあたって、そのまま用いることができるし、また、重合反応をよりスムーズに進行させるために、モノマーを、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶剤で希釈して有機溶剤溶液として用いてもよい。ただし、モノマーを上記のような有機溶剤で希釈してしまうと、酸化剤兼ドーパント溶液を高濃度化した特色が損なわれてしまうので、モノマーであるチオフェンやその誘導体を酸化剤兼ドーパント溶液と混合して用いる場合には、チオフェンまたはその誘導体を溶剤で希釈することなく、そのまま用いることが好ましい。
通常に導電性高分子を製造する場合(この通常に導電性高分子を製造する場合とは、固体電解コンデンサの作製時に「その場重合」により導電性高分子を製造するのではないという意味である)、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーのチオフェンまたはその誘導体を混合した混合物を用い(その混合割合は質量基準で、酸化剤兼ドーパント:モノマーが5:1〜15:1が好ましい)、例えば、5〜95℃で、1〜72時間酸化重合することによって行われる。
本発明の酸化剤兼ドーパント溶液は、特に固体電解コンデンサの作製時にモノマーのチオフェンまたはその誘導体をいわゆる「その場重合」で導電性高分子を製造するのに適するように開発したものであることから、これについて以下に詳しく説明する。
また、固体電解コンデンサも、アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどがあり、そのアルミニウム固体電解コンデンサの中にも、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと積層型アルミニウム固体電解コンデンサがあるが、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液は特に巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって適するように開発したものであるから、これについて特に詳しく説明する。
まず、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ素子としては、アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理して誘体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して作製したものを使用する。
そして、上記コンデンサ素子を用いての巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製は、例えば、次のように行われる。
すなわち、上記コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー(チオフェンまたはその誘導体)との混合物に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させてチオフェンまたはその誘導体の重合体をポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した後、水に浸漬し、引き上げた後、乾燥し、その固体電解質層を有するコンデンサ素子を外装材で外装して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製する。
また、上記のように、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬するのに代えて、モノマー(チオフェンまたはその誘導体)を前記したメタノールなどの有機溶剤で希釈しておき、そのモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬し、引き上げて乾燥した後、該コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させるか、または、コンデンサ素子を先に本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマーに浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させ、以後、前記と同様にして、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサが作製される。
上記巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ以外の固体電解コンデンサ、例えば、積層型アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの作製にあたっては、コンデンサ素子としてアルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属の多孔体からなる陽極と、それらの弁金属の酸化皮膜からなる誘体層を有するものを用い、そのコンデンサ素子を、前記巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合と同様に、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬し、引き上げて、室温または加熱下でモノマー(チオフェンまたはその誘導体)を重合させるか、あるいは、コンデンサ素子をモノマー溶液に浸漬し、引き上げて乾燥した後、該コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げて、室温または加熱下でモノマーを重合させるか、もしくは、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に浸漬し、引き上げた後、該コンデンサ素子をモノマー中に浸漬し、引き上げた後、室温または加熱下でモノマーを重合させ、これらの工程を繰り返して、導電性高分子からなる固体電解質層を形成した後、カーボンペースト、銀ペーストを付け、乾燥した後、外装することによって、積層型アルミニウム固体電解コンデンサ、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどが作製される。
上記のような導電性高分子の製造や固体電解コンデンサの作製時の「その場重合」による導電性高分子の製造にあたって、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマー(チオフェンまたはその誘導体)あるいはモノマー溶液との使用比率は、酸化剤兼ドーパントとなる有機スルホン酸第二鉄とモノマーとが質量比で2:1〜8:1が好ましく、「その場重合」は、例えば、10〜300℃、1〜180分で行われる。
また、固体電解コンデンサの作製にあたって、コンデンサ素子を本発明の酸化剤兼ドーパント溶液とモノマーとの混合物に浸漬する場合、通常は本発明の酸化剤兼ドーパント溶液をあらかじめ調製しておいて、それをモノマーと混合するが、そのようなあらかじめの調製をせずに、有機スルホン酸第二鉄の有機溶剤溶液(ヒドロキシル基を有する有機溶剤の溶液)と、スルホキシド基を有する化合物と、モノマーとを混合して、そのような混合状態において、本発明の酸化剤兼ドーパント溶液に相当する有機スルホン酸第二鉄の有機溶剤溶液とスルホキシド基を有する化合物とが存在するようにしてもよい。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、以下の実施例などにおいて濃度や添加量などを示す際の%は特にその基準を付記しないかぎり、質量基準による%である。
〔酸化剤兼ドーパント溶液の調製〕
以下に示す実施例1〜10および比較例1〜8では酸化剤兼ドーパント溶液の調製を示す。なお、これらの酸化剤兼ドーパント溶液の評価は、後記の〔固体電解コンデンサでの評価(1)〕 や〔固体電解コンデンサでの評価(2)〕における固体電解コンデンサの評価によって行う。
まず、酸化剤兼ドーパント溶液をブタノール系溶液とし、酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄の濃度を56.1〜56.2%に高濃度化した実施例1〜5および比較例1〜4の酸化剤兼ドーパント溶液の調製について説明する。
実施例1
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は57.3%であった。上記溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを1.0g添加し、かつブタノールを1.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、アドバンテック東洋社製のガラスフィルターGF75(GF75は品番であり、以下、社名を省略して表示する)で濾過し、濾液を実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は1.7%であった。なお、乾燥固形分の測定は、エー・アンド・ディー社製のMX−50により、温度150℃に加熱することによって行った。乾燥固形分の測定方法は、以後の実施例および比較例でも、この実施例1の場合と同様である。
実施例2
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は57.3%であった。上記溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを2.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例2の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は3.5%であった。
実施例3
テイカ社製の濃度40%のメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とメトキシベンゼンスルホン酸のモル比2.78)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は57.2%であった。上記溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを2.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.1%であり、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は3.5%であった。
実施例4
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮した。乾燥固形分は57.8%であった。上記溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを3.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.1%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は5.2%であった。
実施例5
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮し、濃度を58.2%に調整した。この濃度を58.2%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを4.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例5の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.1%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は7%であった。
比較例1
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮した。この溶液の乾燥固形分は57.3%であった。この溶液100gに対し、ブタノールを2.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例1の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であった。
比較例2
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮した。この溶液の乾燥固形分は57.3%であった。この溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを0.3g添加し、かつブタノールを1.7g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例2の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は0.5%であった。
比較例3
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮し、濃度を59.6%に調整した。この濃度を59.6%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを6.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例3の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は10.1%であった。
比較例4
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄ブタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.77)を蒸留により濃縮し、濃度を65.5%に調整した。この濃度を65.5%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを16.5g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例4の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は56.2%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は25.2%であった。
次に酸化剤兼ドーパント溶液をエタノール系溶液にし、酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄の濃度を63.9〜64.0%に高濃度化した実施例6〜10および比較例5〜8の酸化剤兼ドーパント溶液の調製について説明する。
実施例6
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を65.3%に調整した。この濃度を65.3%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを1.0g添加し、かつエタノールを1.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は1.5%であった。
実施例7
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を65.3%に調整した。この濃度を65.3%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを1.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は3.1%であった。
実施例8
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)に代えて、テイカ社製の濃度40%のメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とメトキシベンゼンスルホン酸とのモル比1:2.78)を用いた以外は、すべて、実施例6と同様の操作を行って、ジメチルスルホキシドを添加した実施例8の酸化剤兼ドーパント溶液を得た。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は3.1%であった。
実施例9
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を66.0%に調整した。この濃度を66.0%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを3.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例9の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は4.5%であった。
実施例10
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を66.6%に調整した。この濃度を66.6%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを4.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を実施例10の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は6.0%であった。
比較例5
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を65.3%に調整した。この濃度を65.3%に調整した溶液100gに対し、エタノールを2.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例5の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であった。
比較例6
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を65.3%に調整した。この濃度を65.3%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを0.3g添加し、かつエタノールを1.7g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例6の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は0.5%であった。
比較例7
テイカ社製の濃度40%のパラトルエンスルホン酸第二鉄エタノール溶液(鉄とパラトルエンスルホン酸とのモル比1:2.75)を蒸留により濃縮し、濃度を68.4%に調整した。この濃度を68.4%に調整した溶液100gに対し、ジメチルスルホキシドを7.0g添加し、60℃で2時間加熱した後、ガラスフィルターGF75で濾過し、濾液を比較例7の酸化剤兼ドーパント溶液とした。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は63.9%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するジメチルスルホキシドの添加量は10.2%であった。
比較例8
ジメチルスルホキシドに代えて、スルホランを使用した以外は、すべて実施例7と同様の操作を行って、比較例8の酸化剤兼ドーパント溶液を得た。この酸化剤兼ドーパント溶液の計算上の固形分濃度は64.0%であり、パラトルエンスルホン酸第二鉄に対するスルホランの添加量は3.1%であった。
〔固体電解コンデンサでの評価(1)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(1)〕では、前記のように調製した実施例1〜5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて設定静電容量が50μF以上で、設定ESRが12mΩ以下の実施例11〜15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらと前記のように調製した比較例1〜4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例9〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサのコンデンサ特性を比較するとともに、それによって、それらの巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例1〜5および比較例1〜4の酸化剤兼ドーパント溶液の特性評価をする。
実施例11
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行って誘体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、設定静電容量が50μF以上で、設定ESRが12mΩ以下の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製用のコンデンサ素子を作製した。
上記コンデンサ素子を、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)20mlに対してメタノールを80ml添加して調製したモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後、50℃で10分間乾燥した。その後、上記コンデンサ素子を実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液500mlに浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンを重合させてポリエチレンジオキシチオフェンをポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。これを外装材で外装して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
上記のようにして作製した巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、ESRを100kHzで測定し、静電容量を120Hzで測定した。その結果を後記の表1に示す。
実施例12
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例2の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
実施例13
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
実施例14
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
実施例15
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
比較例9
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例1の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
比較例10
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例2の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
比較例11
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例3の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
比較例12
実施例1の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、その巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例11と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表1に示す。
上記実施例11〜15および比較例9〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの静電容量およびESRを次の表1に示す。
Figure 0005501079
表1に示すように、実施例11〜15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が51.2〜52.3μFであって、設定静電容量の50μF以上を満たし、ESRが11mΩ台であって、設定ESRの12mΩ以下を満たしていたが、比較例9〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が50μFに達せず、設定静電容量の50μF以上を満たさず、ESRが12mΩを超えていて、設定ESRの1mΩ以下を満たさなかった。
すなわち、酸化剤兼ドーパントの有機スルホン酸第二鉄に対してジメチルスルホキシドを所定範囲で添加した実施例1〜5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した実施例11〜15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が大きく、かつESRが低く、コンデンサ特性が優れていたが、ジメチルスルホキシドを添加していない比較例1の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサや、ジメチルスルホキシドの添加量が少ない比較例2の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、ジメチルスルホキシドの添加量が多すぎる比較例3〜4の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例11〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、実施例11〜15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、静電容量が小さく、かつESRが大きく、コンデンサ特性が劣っていた。
そして、この結果から、実施例11〜15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例1〜5の酸化剤兼ドーパント溶液は、比較例9〜12の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた比較例1〜4の酸化剤兼ドーパント溶液より、導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液として特性が優れていることがわかるし、また、実施例1〜5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを酸化重合して製造した導電性高分子が、特性が優れているのがわかる。
〔固体電解コンデンサでの評価(2)〕
この〔固体電解コンデンサでの評価(2)〕では、前記のように調製した実施例6〜10の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて設定静電容量が100μF以上で、設定ESRが8mΩ以下の実施例16〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、それらと前記のように調製した比較例5〜8の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例13〜16の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとのコンデンサ特性を比較するとともに、それによって、それらの巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例6〜10および比較例5〜8の酸化剤兼ドーパントの特性評価を行う。
実施例16
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行って誘体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、設定静電容量が100μF以上で、設定ESRが8mΩ以下の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製用のコンデンサ素子を作製した。
上記コンデンサ素子を、3,4−エチレンジオキシチオフェン(テイカ社製)20mlと実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液100mlとを混合して調製した混合溶液に浸漬し、引き上げた後、70℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、3,4−エチレンジオキシチオフェンを重合させてポリエチレンジオキシチオフェンをポリマー骨格とする導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。これを外装材で外装して、アルミニウム巻回型固体電解コンデンサを作製した。
上記のようにして作製したアルミニウム巻回型固体電解コンデンサについて、HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、ESRを100kHzで測定し、静電容量を120Hzで測定した。その結果を後記の表2に示す。
実施例17
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
実施例18
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例8の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
実施例19
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例9の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
実施例20
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、実施例10の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
比較例13
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
比較例14
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例6の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
比較例15
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
比較例16
実施例6の酸化剤兼ドーパント溶液に代えて、比較例8の酸化剤兼ドーパント溶液を用いた以外は、すべて実施例16と同様の操作を行って巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製し、この巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例16と同様にESRおよび静電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
上記のように作製した実施例16〜20および比較例13〜16の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの静電容量およびESRを次の表2に示す。
Figure 0005501079
表2に示すように、実施例16〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が102.5〜104.6μFであって、設定静電容量の100μF以上を満たし、ESRが7mΩ台であって、設定ESRの8mΩ以下を満たしていたが、比較例13〜16の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が100μFに達せず、設定静電容量の100μF以上を満たさず、ESRが8mΩを超えていて、設定ESRの8mΩ以下を満たさなかった。
すなわち、酸化剤兼ドーパントの有機スルホン酸第二鉄に対してジメチルスルホキシドを所定範囲で添加した実施例6〜10の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した実施例16〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が大きく、かつESRが低く、コンデンサ特性が優れていたが、ジメチルスルホキシドを添加していない比較例5の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例13の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサや、ジメチルスルホキシドの添加量が少ない比較例6の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例14の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、ジメチルスルホキシドの添加量が多すぎる比較例7の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例15の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ、ジメチルスルホキシドに代えてスルホキシド基を有しないスルホランを添加して調製した比較例8の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて作製した比較例16の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、実施例16〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、静電容量が小さく、ESRが大きく、コンデンサ特性が劣っていた。
そして、この結果から、実施例16〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた実施例6〜10の酸化剤兼ドーパント溶液は、比較例13〜16の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製にあたって用いた比較例5〜8の酸化剤兼ドーパント溶液より、導電性高分子製造用の酸化剤兼ドーパント溶液として特性が優れていることがわかるし、また、実施例6〜10の酸化剤兼ドーパント溶液を用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを酸化重合して製造した導電性高分子が、特性が優れていることがわかる。

Claims (9)

  1. 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパントとしての有機スルホン酸第二鉄と、ヒドロキシル基を有する有機溶剤とを含む導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液であって、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドまたはジブチルスルホキシドを上記有機スルホン酸第二鉄に対して質量基準で1〜7.5%添加したことを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  2. ヒドロキシル基を有する有機溶剤が、炭素数1〜4のアルコールである請求項1記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  3. 有機スルホン酸第二鉄が、パラトルエンスルホン酸第二鉄およびメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  4. 有機スルホン酸第二鉄における鉄に対する有機スルホン酸のモル比が、1:3より有機スルホン酸が少ない請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  5. 有機スルホン酸第二鉄の濃度が55質量%以上である請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造したことを特徴とする導電性高分子。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して製造した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液を用いてチオフェンまたはその誘導体を酸化重合して導電性高分子を製造し、得られた導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを製造することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 導電性高分子製造用酸化剤兼ドーパント溶液が、固体電解コンデンサの製造時に、有機スルホン酸第二鉄のヒドロキシル基を有する有機溶剤溶液にジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドまたはジブチルスルホキシドを添加したものである請求項記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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