JP2013157591A - 固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液及びそれを用いて作製する固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液及びそれを用いて作製する固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが、種々提案されている。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフラン、ポリアセチレン、又はポリチオフェンもしくはポリ(アルキルチオフェン)等の誘導体ポリマーが提案されている。
固体電解質として用いる導電性高分子の形成方法としては、電解重合による形成、または導電性高分子の微粒子分散溶液の塗布等による形成方法が提案されている。
一般に陽極弁作用金属の表面は表面積を拡大するためにエッチングし、その表面に誘電体酸化皮膜を形成させている。十分な静電容量を得るには、このエッチング細孔内に十分に固体電解質を充填させることが必要である。陽極弁作用金属の電解液中で測定した静電容量値に対して、固体電解質を形成したときに発現する静電容量値の比率を容量出現率と称す。
特許文献1〜3には、固体電解質として導電性高分子の微粒子分散液の塗布等により導電性高分子層を形成する方法が開示されている。
しかしながら、容量出現率の大きく、高周波数のインピーダンス特性(以下、「ESR」と略記する。)に優れる固体電解コンデンサを得るためには粒子径の小さな微粒子分散液をエッチドアルミニウム箔及びタンタル焼結体の微細な細孔の深部まで浸透させる必要があるが、十分に浸透しない欠点があった。
特許文献4に開示されているように、ポリアニリン層を形成するためのポリアニリン溶液に用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(「NMP」と略記する。)を用いているが、NMPでは溶媒の沸点が204℃と低いため、ポリアニリン層を均一に製膜できず、得られた固体電解コンデンサは、ESR及び耐久性に劣る問題があった。
以上より、ESR及び耐久性に優れる固体電解コンデンサを得るため、均一なポリアニリン層を形成させることのできる固体電解コンデンサの製造方法が求められていた。
本発明の目的は、ESR及び耐久性に優れる固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、一般式(1)で表される溶媒と、ポリアニリンと、を含有することを特徴とする固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液及びそれを用いて作製する固体電解コンデンサの製造方法が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、下記一般式(1)で表される溶媒と、ポリアニリンと、を含有することを特徴とする固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液である。
第二の発明は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、下記一般式(2)で表される溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする第一の発明に記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液である。
第三の発明は、一般式(1)で表される溶媒と、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、一般式(2)で表される溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種と、の混合割合が、質量比1:9〜8:2であることを特徴とする第二の発明に記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液である。
第四の発明は、固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液におけるポリアニリンの含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液である。
第五の発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
導電性高分子層を形成する工程が、第一から第四の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
導電性高分子層を形成する工程が、第一から第四の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
第六の発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
導電性高分子層を形成する工程が、
第一から第四の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用アニリン共重合体溶液を弁作用金属に接触させて、アニリン共重合体からなる導電性高分子層を形成させる工程と、
アニリン共重合体からなる導電性高分子層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層を形成する工程と、
を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
導電性高分子層を形成する工程が、
第一から第四の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用アニリン共重合体溶液を弁作用金属に接触させて、アニリン共重合体からなる導電性高分子層を形成させる工程と、
アニリン共重合体からなる導電性高分子層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層を形成する工程と、
を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
第七の発明は、導電性高分子層がポリピロール類、ポリアニリン類及びポリチオフェン類からなる群から選ばれる少なくとも1つの導電性高分子であることを特徴とする第六の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を用いて作製した固体電解コンデンサは、ESR及び耐久性に優れる特徴を有している。
まず、本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液について説明する。
<固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液>
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液は、下記一般式(1)で表される溶媒と、ポリアニリンと、を含有するものである。
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液は、下記一般式(1)で表される溶媒と、ポリアニリンと、を含有するものである。
上記一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ同一でも異なってもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、フェニル基を示す。nは2〜4の整数である。
一般式(1)で表される溶媒の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1−エチル3−メチルイミダゾリジノン、1,3−ジエチルイミダゾリジノン、1−プロピル−3−メチルピリミジノン、1,3−ジメチルプロピレン尿素、1−エチル−3−プロピレン尿素、1,3−ジエチルプロピレン尿素、1−プロピル−3−メチルプロピレン尿素等が挙げられる。
これらの中でも特に、1,3−ジメチルイミダゾリジノン又は1,3−ジメチルプロピレン尿素が好ましく挙げられる。
これらの中でも特に、1,3−ジメチルイミダゾリジノン又は1,3−ジメチルプロピレン尿素が好ましく挙げられる。
また、一般式(1)で表される溶媒単独で用いてもよいし、他の溶媒と混合して用いてもよい。
他の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、下記一般式(2)で表される溶媒等が挙げられる。
他の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、下記一般式(2)で表される溶媒等が挙げられる。
上記一般式(2)中、R3〜R5はそれぞれ同一でも異なってもよい、水素、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フェニル基を示す。
一般式(2)で表される溶媒の具体例としては、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−メチルエチルプロピオンアミド、3−メトキシ−ジエチルプロピオンアミド等が挙げられる。
これらの中でも特に、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが好ましく挙げられる。
これらの中でも特に、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが好ましく挙げられる。
なお、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、一般式(2)で表される溶媒を、ポリアニリン溶液としてそれぞれ単独で用いた場合、ポリアニリンの溶解性が低いため、均一なポリアニリン層を形成させることができない。
一般式(1)で表される溶媒は、沸点が210〜300℃と高沸点であるため、該溶媒を用いたポリアニリン溶液は、均一にポリアニリン層を製膜することができる。その結果、優れたESRと耐久性を有する固体電解コンデンサを得ることができる。
固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液は、ポリアニリンが溶媒に完全に溶解していてもよいし、一部溶解せずに分散した状態であってもよい。
一般式(1)で表される溶媒は、ポリアニリンの溶解性が大きいため、他の溶媒を加えることで、ポリアニリンの溶解性及び分散性を調節することができる。
一般式(1)で表される溶媒と、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、一般式(2)で表される溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種と、の混合割合が、質量比1:9〜8:2であることが好ましく挙げられ、質量比3:7〜6:4であることがより好ましく挙げられ、質量比4:6であることが特に好ましく挙げられる。
本発明に用いるポリアニリンは、アニリンとアニリン誘導体との共重合体でもよいし、脱ドープさせたポリアニリンを用いてもよい。
アニリンとアニリン誘導体との共重合体としては、アニリンとo−トルイジンとの共重合体、アニリンとo−アニシジンとの共重合体、アニリンと4−t−ブチルアニリンとの共重合体が挙げられる。
アニリンとアニリン誘導体との共重合体としては、アニリンとo−トルイジンとの共重合体、アニリンとo−アニシジンとの共重合体、アニリンと4−t−ブチルアニリンとの共重合体が挙げられる。
上記固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液におけるポリアニリンの含有量は0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜8.0質量%がより好ましく挙げられ、0.5〜5.0質量%であることが特に好ましく挙げられる。前記濃度にすることで、弁作用金属上に適切な量が付着し、かつ、微細な細孔の深部にまで浸透させることができる。
<固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液の調整方法>
ポリアニリンの調整方法としては、アニリン及び/又はアニリン誘導体と、硫酸と、を含む水溶液を準備し、これをモノマー溶液とする。
次に、別途過硫酸アンモニウムの水溶液等の酸化剤溶液を準備し、前記モノマー溶液中に添加することでアニリンを化学重合反応させる。この際、重合反応を制御するためモノマー溶液を低温に、好ましくは5℃以下にしておくことが好ましい。また、酸化剤溶液へのモノマー溶液の添加方法は特に制限なく、どのような方法を採っても良いが、所定流量で滴下する方法によれば重合生成するポリアニリンの分子量を制御することができ、好適である。酸化剤滴下後、所定時間撹拌することによりポリアニリン溶液が得られる。
上記のようにして得られたポリアニリン溶液から、水を留去させてポリアニリンを取り出し、一般式(1)で表される溶媒を添加して固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を作製する。
ポリアニリンの調整方法としては、アニリン及び/又はアニリン誘導体と、硫酸と、を含む水溶液を準備し、これをモノマー溶液とする。
次に、別途過硫酸アンモニウムの水溶液等の酸化剤溶液を準備し、前記モノマー溶液中に添加することでアニリンを化学重合反応させる。この際、重合反応を制御するためモノマー溶液を低温に、好ましくは5℃以下にしておくことが好ましい。また、酸化剤溶液へのモノマー溶液の添加方法は特に制限なく、どのような方法を採っても良いが、所定流量で滴下する方法によれば重合生成するポリアニリンの分子量を制御することができ、好適である。酸化剤滴下後、所定時間撹拌することによりポリアニリン溶液が得られる。
上記のようにして得られたポリアニリン溶液から、水を留去させてポリアニリンを取り出し、一般式(1)で表される溶媒を添加して固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を作製する。
本発明に用いるポリアニリンの分子量は、ピークトップの分子量(Mp)が5000〜130000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましく、5000〜60000であることが特に好ましく挙げられる。
また、ポリアニリンの数平均分子量(Mn)が、1000〜60000であることが好ましく、2000〜40000であることがより好ましく、3000〜30000であることが特に好ましく挙げられる。
ここで、前記分子量(Mp)は、ポリスチレン換算の分子量を表し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
また、前記数平均分子量(Mn)は、同様にGPCにより測定することができる。
また、ポリアニリンの数平均分子量(Mn)が、1000〜60000であることが好ましく、2000〜40000であることがより好ましく、3000〜30000であることが特に好ましく挙げられる。
ここで、前記分子量(Mp)は、ポリスチレン換算の分子量を表し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
また、前記数平均分子量(Mn)は、同様にGPCにより測定することができる。
<固体電解コンデンサの製造方法>
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を用いて作製する固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を用いて作製する固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、導電性高分子を形成する工程が、上述した固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程を有することを特徴とする。
(弁作用金属)
本発明に用いる弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群から選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
本発明に用いる弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群から選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は捲回型のいずれとすることができる。
(導電性高分子層の形成方法)
誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、導電性高分子層を形成する工程が、上述した固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程と、ポリアニリン層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層を形成させる工程と、を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、導電性高分子層を形成する工程が、上述した固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程と、ポリアニリン層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層を形成させる工程と、を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
上記導電性高分子層を形成させる方法としては、分散液法、化学重合法、電解重合法等が挙げられる。
まず、分散液法について説明する。上述した工程により得られたポリアニリン層を有する弁作用金属を導電性高分子分散液に浸漬して、又は、ポリアニリン層を有する弁済用金属上に導電性高分子分散液を塗布して、導電性高分子層を形成させることができる。
(導電性高分子分散液)
導電性高分子分散液は、ポリアニリン分散液、ポリピロール分散液、ポリチオフェン分散液等が挙げられ、これらを単独で使用してもよく、必要に応じて複数を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも、得られる固体電解コンデンサの電気特性(容量、容量出現率、インピーダンス特性)に優れる点より、ポリチオフェン分散液が好ましく挙げられ、ポリチオフェン分散液の中でもポリエチレンジオキシチオフェン分散液が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液は、ポリアニリン分散液、ポリピロール分散液、ポリチオフェン分散液等が挙げられ、これらを単独で使用してもよく、必要に応じて複数を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも、得られる固体電解コンデンサの電気特性(容量、容量出現率、インピーダンス特性)に優れる点より、ポリチオフェン分散液が好ましく挙げられ、ポリチオフェン分散液の中でもポリエチレンジオキシチオフェン分散液が特に好ましく挙げられる。
導電性高分子分散液の製造方法について説明する。まず、ドーパント、酸化剤と導電性高分子単量体を用いて化学酸化重合し、ドーパントを有する導電性高分子を得る。次にドーパントを有する導電性高分子を分散媒に分散させて、導電性高分子分散液を得る。
導電性高分子単量体としては、ピロール、アニリン、フラン、チオフェン、エチレンジオキシチオフェン等を用いることができる。これらの中でも、得られる固体電解コンデンサの電気特性の面から、アニリン、ピロール、エチレンジオキシチオフェンがより好ましく挙げられ、エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
前記ドーパントとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸基を有しているものが好ましく、水溶性ポリマーであればさらに好ましい。
具体的には、例えば、スルホン酸基含有ポリスチレン類、スルホン酸基含有ポリエステル類、スルホン酸基含有ポリオレフィン類、カルボキシル基含有ポリ不飽和炭化水素類等を挙げることができる。
具体的には、例えば、スルホン酸基含有ポリスチレン類、スルホン酸基含有ポリエステル類、スルホン酸基含有ポリオレフィン類、カルボキシル基含有ポリ不飽和炭化水素類等を挙げることができる。
前記スルホン酸基含有ポリスチレン類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスルホン化物、スルホン化スチレン、スルホン化−α−メチルスチレン等を重合させたスルホン化重合物等を挙げることができる。
前記スルホン酸基含有ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナフタレン骨格含有ポリエチレンテレフタレート、ナフタレン骨格含有ポリブチレンテレフタレート等のスルホン化物、スルホン化テレフタル酸とエチレングリコールとの重合体、スルホン化テレフタル酸とプロピレングリコールとの重合体、スルホン化テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとの重合体、スルホン化テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸とプロピレングリコールとの重合体等のスルホン化重合物等を挙げることができる。
前記スルホン酸基含有ポリオレフィン類としては、例えば、ポリイソプレン、ポリブチレン等のスルホン化物、スルホン化イソプレン、スルホン化ポリブチレン等を重合させたスルホン化重合物等を挙げることができる。
前記カルボキシル基含有ポリ不飽和炭化水素類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の重合物等を挙げることができる。
またこれらの水溶性ポリマーのドーパントに加えて、クエン酸等のカルボン酸化合物モノマー類、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸化合物モノマー類も併用することができる。
酸化剤としては、前記高分子単量体を酸化させてポリマーを形成するものであれば特に限定はなく、例えば過硫酸アンモニウム、過酸化水素水、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、過塩素酸第二鉄、重クロム酸カリウム、アルカリ金属過硫酸塩、アルカリ金属過ホウ酸塩、アルカリ金属過マンガン酸塩等が挙げられるが、取扱性や反応性の面から、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水、硫酸第二鉄等が好ましい。
導電性高分子分散液に用いる分散媒は、テトラヒドロフランやジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、あるいはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、ベンゼン等のニトリル化合物、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、水が挙げられる。これらの中でも、環境負荷や安全性の面から、水を単独で使用したものが好ましく挙げられる。
導電性高分子層は、上記導電性単量体が重合したものであり、具体的には、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類から選ばれる少なくとも1つの導電性高分子である。
次に、化学重合法について説明する。上述したポリアニリン層を有する弁作用金属上に、導電性高分子単量体を公知の酸化剤溶液と接触させ、導電性高分子を析出させる方法である。
導電性高分子単量体としては、ピロール、アニリン、フラン、チオフェン、エチレンジオキシチオフェン等を用いることができる。これらの中でも、得られる固体電解コンデンサの電気特性の面から、アニリン、ピロール、エチレンジオキシチオフェンがより好ましく、エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
上記酸化剤溶液とは、酸化剤を溶媒に溶解した酸化剤溶液として用いることが好ましい。
酸化剤としては、有機スルホン酸第二鉄で構成されているものが最も適しているが、その有機スルホン酸第二鉄の有機スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸またはその誘導体、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体などの芳香族系スルホン酸や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などの高分子スルホン酸が好適に用いられる。
上記溶媒としては、アルコールを好ましく使用することができる。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール及びアミルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコールが挙げられる。これらアルコールは、単独で用いることができるが、2種以上併用し混合溶媒とすることもできる。
次に、電解重合法について説明する。上述したポリアニリン層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層形成用電解重合液中で導電性高分子層を電解重合により形成させることができる。
上記導電性高分子層形成用電解重合液は、ドーパントを放出できる支持電解質塩及び導電性高分子単量体が、溶媒中に溶解されたものである。
上記ドーパントを放出できる支持電解質塩とは、例えば、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲンイオン、ヘキサフロロリン、ヘキサフロロヒ素、ヘキサフロロアンチモン、テトラフロロホウ素、過塩素酸等のハロゲン化物イオン、またはメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキル置換有機スルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオンなどの環状スルホン酸イオン、またはベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のベンゼンモノもしくはジスルホン酸イオン、2−ナフタレンスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸基を1〜4個置換したナフタレンスルホン酸のアルキル置換もしくは無置換イオン、アントラセンスルホン酸イオン、アントラキノンスルホン酸イオン、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のビフェニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸イオン等、に例示される置換または無置換の芳香族スルホン酸イオン、またはビスサルチレートホウ素、ビスカテコレートホウ素等のホウ素化合物イオン、またはモリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸イオンなどを含有する塩を支持電解質塩として用いられる。
上記導電性高分子単量体とは、ピロール、アニリン、フラン、チオフェンあるいはこれらの誘導体を用いることができる。該誘導体としては、3−アルキルピロール、3−アルキルチオフェン、3,4−アルキレンジオキシピロール、3,4−アルキレンジオキシチオフェンなどが挙げられる。前記単量体は1種もしくは2種以上を同時に含有することができる。これらの中でも、得られる導電性高分子の強靱性、導電性及び耐久性の面から、ピロール及び/又はその誘導体が好ましい。
上記溶媒として、またはテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、あるいはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルムや塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒、ニトロメタンやニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、あるいはメタノールやエタノール、プロパノール等のアルコール類、またはギ酸や酢酸、プロピオン酸等の有機酸または該有機酸の酸無水物(無水酢酸等)を0〜30%以下の割合で水と混合した混合溶媒を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷、安全性の面から、水を単独で使用したものが好ましい。
導電性高分子層は、上記導電性単量体が重合したものであり、具体的には、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類から選ばれる少なくとも1つの導電性高分子である。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法について、エッチドアルミニウム箔を、弁作用金属として用いた固体電解コンデンサの製造方法を例にとり、以下に詳しく説明する。なお、本発明は、以下の製造方法により、なんら限定されない。
まず、アルミニウム箔の表面を、エッチング処理により、粗面化させ、エッチドアルミニウム箔とした後、アジピン酸アンモニウム等の水溶液中で、エッチドアルミニウム箔を化成処理し、エッチドアルミニウム箔表面に誘電体皮膜を形成させる。
次に、誘電体酸化皮膜を形成させたエッチドアルミニウム箔を、一般式(1)で表される溶媒と、ポリアニリンと、を含有する固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を接触させて、誘電体酸化皮膜上にポリアニリン層を形成させる。
誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属に本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を接触させる方法としては、例えば、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属に対して、前記ポリアニリン溶液を塗布する方法、吹き付ける方法や、固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液に誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属を浸漬する方法等が挙げられる。
該ポリアニリン層上に、導電性高分子層形成用電解重合液を用いて電解重合によりポリピロール層からなる導電性高分子層を形成させる。
次に上記の導電性高分子層陰極上に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布し、加熱、乾燥して、陰極引き出し層を形成させる。
陰極を銀ペースト等による接着、陽極を溶接等による接合によって、リードフレーム上に固定し、エポキシ樹脂等を用いてトランスファーモールドを行い、固体電解コンデンサを完成する。
本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を用いて作製した固体電解コンデンサは、ESR特性及び耐久性に優れる特徴を有している。
以下、発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。なお、本発明は実施例によりなんら限定されない。
(合成例1)ポリアニリン溶液1の合成
アニリン7.68g及び濃硫酸8.08gを含む水溶液150mLをとり、5℃に保持しながら過硫酸アンモニウム22.5gを含む水溶液56.5mLを75分間で滴下した後、1時間反応させて化学酸化重合によりポリアニリンを得た。
アニリン7.68g及び濃硫酸8.08gを含む水溶液150mLをとり、5℃に保持しながら過硫酸アンモニウム22.5gを含む水溶液56.5mLを75分間で滴下した後、1時間反応させて化学酸化重合によりポリアニリンを得た。
次いで、重合反応液に、25質量%アンモニア水42gを加え3時間撹拌した後、次いで濾別、乾燥することで脱ドープされたポリアニリン粉末を得た。該ポリアニリン粉末のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは2.8×104であり、ポリスチレン換算のピークトップ分子量Mpは7.0×104であった。
該ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素に溶解し、ポリアニリン溶液1を得た。
(合成例2)ポリアニリン溶液2の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比1:9)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比1:9)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例3)ポリアニリン溶液3の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比2:8)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比2:8)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例4)ポリアニリン溶液4の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例5)ポリアニリン溶液5の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比6:4)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比6:4)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例6)ポリアニリン溶液6の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比7:3)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比7:3)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例7)ポリアニリン溶液7の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比8:2)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比8:2)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例8)ポリアニリン溶液8の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比9:1)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素と3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(質量比9:1)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例9)ポリアニリン溶液9の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とジメチルスルホキシド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とジメチルスルホキシド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例10)ポリアニリン溶液10の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とジメチルホルムアミド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とジメチルホルムアミド(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例11)ポリアニリン溶液11の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とスルホラン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とスルホラン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例12)ポリアニリン溶液12の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とγ−ブチロラクトン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とγ−ブチロラクトン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例13)ポリアニリン溶液13の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とN−メチル−2−ピロリドン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とN−メチル−2−ピロリドン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例14)ポリアニリン溶液14の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とN−エチル−2−ピロリドン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう1,3−ジメチルプロピレン尿素とN−エチル−2−ピロリドン(質量比4:6)の溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例15)比較用ポリアニリン溶液1の合成
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようN−メチル−2−ピロリドンの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようN−メチル−2−ピロリドンの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例16)比較用ポリアニリン溶液2の調整
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようジメチルスルホキシドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようジメチルスルホキシドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例17)比較用ポリアニリン溶液3の調整
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようN,N−ジメチルホルムアミドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようN,N−ジメチルホルムアミドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例18)比較用ポリアニリン溶液4の調整
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるよう3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(合成例19)比較用ポリアニリン溶液5の調整
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようスルホランの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
前記ポリアニリン粉末を2質量%になるようスルホランの溶液に溶解した以外は同様にして合成を行った。
(実施例1)
本実施例では陽極用にアルミニウム箔を弁作用金属として使用した。
前記アルミニウム箔表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×5.0mm)を用い、前記エッチドアルミニウム箔に、陽極リードを溶接させた後、アジピン酸二アンモニウム水溶液中、電圧13Vにより化成処理して、前記エッチドアルミニウム箔表面に誘電体酸化皮膜を形成したエッチドアルミニウム箔のコンデンサ素子を準備した。
本実施例では陽極用にアルミニウム箔を弁作用金属として使用した。
前記アルミニウム箔表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔(縦2.0mm×5.0mm)を用い、前記エッチドアルミニウム箔に、陽極リードを溶接させた後、アジピン酸二アンモニウム水溶液中、電圧13Vにより化成処理して、前記エッチドアルミニウム箔表面に誘電体酸化皮膜を形成したエッチドアルミニウム箔のコンデンサ素子を準備した。
合成例1で作製したポリアニリン溶液1中に、先に準備したコンデンサ素子を5分間浸漬した後、温度100℃で、5分間乾燥し、ポリアニリン層を形成させたコンデンサ素子を得た。
次に、ステンレス容器中、ピロールモノマー0.4mol/Lと、支持電解質であるブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム0.4mol/Lとの水溶液中に、上記コンデンサを浸漬し、前記ポリアニリン層の一部分に金ワイヤーを接触させて、0.3mAの電流で、40分間電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。
次いで、上記コンデンサ素子に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布、乾燥させた。
次に、陰極を銀ペースト等により接着し、陽極を溶接で接合することによって、コンデンサ素子をリードフレーム上に固定し、エポキシ樹脂でトランスファーモールドを行い、固体電解コンデンサを完成した。
(実施例2)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液2を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液2を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液3を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液3を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液4を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液4を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液5を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液5を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例6)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液6を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液6を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液7を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液7を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液8を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液8を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例9)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液9を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液9を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例10)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液10を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液10を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例11)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液11を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液11を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例12)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液12を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液12を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例13)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液13を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液13を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例14)
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液14を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として、ポリアニリン溶液14を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液1を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液1を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液2を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液2を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液3を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液3を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液4を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液4を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例5)
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液5を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ポリアニリン溶液として比較用ポリアニリン溶液5を使用した以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(固体電解コンデンサの評価)
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた固体電解コンデンサについて、100kHzでのESRを測定した。耐久性試験は、高温負荷(150℃8時間)した後、電気特性を評価した。測定結果を表1に示す。
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた固体電解コンデンサについて、100kHzでのESRを測定した。耐久性試験は、高温負荷(150℃8時間)した後、電気特性を評価した。測定結果を表1に示す。
表中の略語は以下の通りである。
DMPU:1,3−ジメチルプロピレン尿素
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
SL:スルホラン
MDPA:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
GBL:γ−ブチロラクトン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
DMPU:1,3−ジメチルプロピレン尿素
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
SL:スルホラン
MDPA:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
GBL:γ−ブチロラクトン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
表1より、比較例1〜5より実施例1〜14の方が、ESR及び耐久性に優れていることがわかった。
以上より、本発明の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液及びそれを用いた固体電解コンデンサの製造方法を用いることで、ポリアニリン層を均一に製膜できるため、ESR及び耐久性に優れる固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法より得られた固体電解コンデンサは、ESR及び耐久性に優れる特徴を有しているため、各種用途に用いることができる。
Claims (7)
- 一般式(1)で表される溶媒と、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン一般式(2)で表される溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種と、の混合割合が、質量比1:9〜8:2であることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液。
- ポリアニリン溶液におけるポリアニリンの含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液。
- 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
導電性高分子層を形成する工程が、請求項1から4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
導電性高分子層を形成する工程が、
請求項1から4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ製造用ポリアニリン溶液を弁作用金属に接触させて、ポリアニリン層を形成させる工程と、
ポリアニリン層を有する弁作用金属上に、導電性高分子層を形成させる工程と、
を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 導電性高分子層がポリピロール類、ポリアニリン類及びポリチオフェン類からなる群から選ばれる少なくとも1つの導電性高分子であることを特徴とする請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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