JP7357487B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生産性および耐熱性に優れ、漏れ電流を低減し得る電解コンデンサと、その製造方法に関するものである。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサなどの電解質(固体電解質)として用いられている。
この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。また、上記チオフェンまたはその誘導体としては、エチレンジオキシチオフェンの使用例が多い。
ところで、導電性高分子を固体電解質とする電解コンデンサには、近年、漏れ電流の低減や耐熱性の向上が求められており、これに対応する技術の開発が求められる。
例えば、特許文献1には、エチレンジオキシチオフェンとアルキル化エチレンジオキシチオフェンとの混合モノマーを重合してなり、有機スルホン酸をドーパントとして含む導電性高分子を固体電解質として使用することで、ESR(等価直列抵抗)が低く、静電容量が大きく、耐熱性に優れた電解コンデンサを得られることが開示されている。この特許文献1では、例えば巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した実施例において、上記混合モノマーの重合時にアルキル化エチレンジオキシチオフェンが重合速度を遅くさせ、アルミニウム箔のエッチング孔の内部にまで充分に染み込んだことで、上記電解コンデンサの静電容量が大きくなったと考えられることが述べられており、また、上記電解コンデンサにおいては、漏れ電流も低減し得たことが示されている。
なお、この特許文献1に記載されているように、エチレンジオキシチオフェンとアルキル化エチレンジオキシチオフェンとを含む混合モノマーの重合に際しては、アルキル化エチレンジオキシチオフェンの作用によって重合速度が遅くなる。そのため、特に積層型や平板型の電解コンデンサを製造するに際し、いわゆるその場重合によってコンデンサ素子上でモノマーを重合して導電性高分子の層を直接形成する場合には、重合時間を長くしたり重合を多数繰り返したりしないと、例えば、電解コンデンサの静電容量が、理論容量よりも大幅に小さくなってしまう。このことが、電解コンデンサの生産性低下の一因となっており、特許文献1に記載の技術においては、この点で未だ改善の余地がある。
他方、特許文献2には、エチレンジオキシチオフェンなどのモノマーを化学酸化重合して固体電解質層を形成する際に、上記モノマーにピロールを0.5~10重量%添加することで、重合反応効率を高め、また、電解コンデンサの信頼性を向上させる技術が提案されている。特許文献1では、ピロールはエチレンジオキシチオフェンよりも反応速度が大きく、エチレンジオキシチオフェンと併用して重合を行うと、エチレンジオキシチオフェン単独で重合した場合に比べて重合効率が向上することから、例えばコンデンサ素子上での導電性高分子の層形成のための重合回数を減らすことが可能であるとしている。
ところが、本発明者らの検討によると、エチレンジオキシチオフェンとピロールとをモノマーとして形成した導電性高分子の層を有する電解コンデンサは、静電容量が理論容量よりも小さくなり、重合回数の低減効果が十分に確保できるわけではないことや、耐熱性に改善の余地があることが判明した。
国際公開第2011/068026号〔請求の範囲、[0132]など〕 特開平11-283876号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性および耐熱性に優れ、漏れ電流を低減し得る電解コンデンサと、その製造方法とを提供することにある。
本発明の電解コンデンサは、弁金属の多孔体と、上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層とを有するコンデンサ素子上に、導電性高分子を固体電解質として有してなり、上記導電性高分子は、ピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを共重合してなり、全モノマー中のピロールの割合が0.01~0.5質量%で、3,4-エチレンジオキシチオフェンとアルキル化エチレンジオキシチオフェンとの合計100質量部中のアルキル化エチレンジオキシチオフェンの割合が15~90質量部であることを特徴とするものである。
また、本発明の電解コンデンサの製造方法は、弁金属の多孔体と、上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層とを有するコンデンサ素子上に、ピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを、化学酸化重合によって共重合して導電性高分子を形成する工程を有し、上記導電性高分子の形成に際し、ピロールを全モノマー中の割合が0.01~0.5質量%となる量で使用し、かつ3,4-エチレンジオキシチオフェンおよびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを、これらの合計100質量部中のアルキル化エチレンジオキシチオフェンの割合が15~90質量部となる量で使用することを特徴とする。
本発明によれば、生産性および耐熱性に優れ、漏れ電流を低減し得る電解コンデンサと、その製造方法とを提供することができる。
本発明の電解コンデンサにおいては、固体電解質として、ピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)およびアルキル化エチレンジオキシチオフェン(アルキル化EDOT)を含むモノマーを共重合してなり、モノマー全量中のピロールの割合が0.01~0.5質量%であり、EDOTとアルキル化EDOTとの合計100質量部中のアルキル化EDOTの割合が15~90質量部である導電性高分子を使用する。これにより、本発明では、漏れ電流が少なく、かつ生産性および耐熱性に優れた電解コンデンサの提供を可能としている。
上記の通り、特に積層型や平板型の電解コンデンサを製造するに際し、いわゆるその場重合によってコンデンサ素子上でモノマーを重合して導電性高分子の層を直接形成する場合、重合速度を遅くして、多孔体であるコンデンサ素子の孔の内部にまで導電性高分子を形成することで、コンデンサ素子の静電容量を大きくして、例えば理論容量(設計容量)に近づけることが可能となる。その一方で、重合速度が遅くなるため、十分に導電性高分子を生成させて良好な層を形成するには、例えば重合を多数繰り返す必要がある。
一方、上記の通り、特許文献2では、EDOTよりも反応速度が大きいピロールをEDOTと併用して重合を行うと、EDOT単独で重合した場合に比べて重合効率が向上し、例えばコンデンサ素子上での導電性高分子の層形成のための重合回数を減らすことが可能であるとしているが、本発明者らの検討によると、電解コンデンサの静電容量が理論容量よりも小さくなる。これは、特許文献1の記載に基づけば、ピロールの作用によって、EDOTとの混合モノマーの重合速度が速くなるため、コンデンサの孔の内部まで導電性高分子を良好に形成し得ないことが理由である可能性が考えられる。すなわち、特許文献1および特許文献2の記載によれば、その場重合で導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子を用いた電解コンデンサにおいては、静電容量を大きくして理論容量に近づけるためには、モノマーの反応速度を大きくし過ぎないことが好ましいと推測される。
ところが、EDOTとアルキル化EDOTとを特定の比率でモノマーとして使用し、これに特定量のピロールを添加して重合した導電性高分子を固体電解質として電解コンデンサを構成した場合、上記の予想に反して重合回数を少なくしても大きな静電容量を確保でき、高い生産性で製造することが可能であり、さらには、漏れ電流を大幅に低減でき、かつ耐熱性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の電解コンデンサにおいて、漏れ電流が低減できる理由は定かではないが、耐熱性が向上する理由については、本発明者らは以下のように推測している。ピロールとEDOTとアルキル化EDOTとをモノマーとして導電性高分子を重合した場合、重合効率が向上することから、形成される導電性高分子の量が多くなったり、分子量が増大したりすると考えられる。コンデンサ素子上に形成される導電性高分子の量が多くなると、高温下での導電性高分子の層全体の劣化に時間がかかるようになると考えられ、また、導電性高分子の分子量が増大すると、熱分解し難くなる。本発明の電解コンデンサでは、これらの理由によって良好な耐熱性を確保できていると考えられる。
なお、本発明の電解コンデンサの耐熱性は、後述する実施例において示す通り、本来、電解コンデンサの耐熱性を低下させる成分といえるピロールを使用しているにも関わらず、特許文献1に開示されているEDOTとアルキル化EDOTとをモノマーとして得られた導電性高分子を有する電解コンデンサよりも向上している。
電解コンデンサを構成する導電性高分子のモノマーとして使用するアルキル化EDOTは、EDOTをアルキル基で修飾したものであり、そのアルキル基の炭素数としては、1以上であることが好ましく、また、16以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。
EDOTおよびアルキル化EDOTは、下記の一般式(1)で表される化合物に該当する。
一般式(1):
Figure 0007357487000001
一般式(1)中、Rは水素または炭素数1~10のアルキル基である。
そして、上記一般式(1)中のRが水素の化合物がEDOTであり、これをIUPAC名称で表示すると、「2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3-Dihydro-thieno〔3,4-b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「3,4-エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本明細書では、この「2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン」を「3,4-エチレンジオキシチオフェン」(EDOT)と表示している。そして、上記一般式(1)中のRがアルキル基の場合(アルキル化EDOT)、このアルキル基としては、炭素数が1~10のものが好ましく、特に炭素数が1~4のものが好ましい。つまり、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が特に好ましく、それらを具体的に例示すると、一般式(1)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2-メチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン(2-Methyl-2,3-dihydro-thieno〔3,4-b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本明細書では、以下、これを簡略化して「メチル化エチレンジオキシチオフェン(メチル化EDOT)」と表示する。一般式(1)の中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2-エチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン(2-Ethyl-2,3-dihydro-thieno〔3,4-b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本明細書では、これを簡略化して「エチル化エチレンジオキシチオフェン(エチル化EDOT)」と表示する。
一般式(1)の中のRがプロピル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2-プロピル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン(2-Propyl-2,3-dihydro-thieno〔3,4-b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本明細書では、これを簡略化して「プロピル化エチレンジオキシチオフェン(プロピル化EDOT)」と表示する。そして、一般式(1)の中のRがブチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2-ブチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン(2-Butyl-2,3-dihydro-thieno〔3,4-b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本明細書では、これを簡略化して「ブチル化エチレンジオキシチオフェン(ブチル化EDOT)」と表示する。そして、「2-アルキル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン」を、本明細書では、簡略化して「アルキル化エチレンジオキシチオフェン(アルキル化EDOT)」と表示する。
導電性高分子の合成には、上記一般式(1)で表され、Rがアルキル基であるアルキル化EDOTのうちの1種または2種以上を使用することができるが、これらの中でも、メチル化EDOT、エチル化EDOT、プロピル化EDOT、ブチル化EDOTが好ましい。
電解コンデンサの固体電解質となる導電性高分子は、ピロール、EDOTおよびアルキル化EDOTを含むモノマーを共重合してなり、モノマー全量中のピロールの割合が0.01~0.5質量%であり、EDOTとアルキル化EDOTとの合計100質量部中のアルキル化EDOTの割合が15~90質量部である共重合体であるが、モノマーであるピロール、EDOTおよびアルキル化EDOTは、いずれもほぼ仕込み量の比率のままで導電性高分子を形成する。よって、上記導電性高分子は、ピロール由来の構造単位(繰り返し単位)、EDOT由来の構造単位、およびアルキル化EDOT由来の構造単位を分子内に有し、全構造単位中のピロール由来の構造単位の割合が0.01~0.5質量%であり、EDOT由来の構造単位とアルキル化EDOT由来の構造単位との合計100質量部中のアルキル化EDOT由来の構造単位の割合が15~90質量部である。
導電性高分子を形成するモノマー全量中のピロールの割合は、ピロールの使用によって重合反応速度を高め、重合回数を減らして電解コンデンサの生産性を高める効果をより良好に確保する観点から、0.01質量%以上であり、0.05質量%以上であることが好ましい。ただし、導電性高分子を形成するモノマー中のピロールの割合が多すぎると、電解コンデンサの静電容量や耐熱性が低下する。よって、電解コンデンサの静電容量や耐熱性を高める観点から、導電性高分子を形成するモノマー全量中のピロールの割合は、0.5質量%以下であり、0.3質量%以下であることが好ましい。
また、導電性高分子を形成するモノマーにおいて、EDOTとアルキル化EDOTとの合計中のアルキル化EDOTの割合が少なすぎると、電解コンデンサの漏れ電流を低減できなくなり、また、ピロール(ピロール由来の構造単位)の作用によって電解コンデンサの耐熱性が低下する虞もある。よって、電解コンデンサの漏れ電流を低減し、かつ耐熱性を高める観点から、EDOTとアルキル化EDOTとの合計100質量部中のアルキル化EDOTの割合は、15質量部以上であり、30質量部以上であることが好ましい。
また、導電性高分子を形成するモノマーにおいて、EDOTとアルキル化EDOTとの合計中のアルキル化EDOTの割合が多すぎると、電解コンデンサの静電容量が低下する傾向にある。よって、電解コンデンサの静電容量を高める観点から、EDOTとアルキル化EDOTとの合計100質量部中のアルキル化EDOTの割合は、90質量部以下であり、75質量部以下であることが好ましい。
導電性高分子の形成には、ピロール、EDOTおよびアルキル化EDOTと共に、特性に影響の無い範囲で3-アルキルチオフェン、3-アルコキシチオフェン、3-アルキル-4-アルコキシチオフェン、3,4-アルキルチオフェン、3,4-アルコキシチオフェンなどをモノマーとして使用してもよい。
電解コンデンサを構成するコンデンサ素子は、弁金属の多孔体からなる陽極と、上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層とを有するものである。コンデンサ素子を構成する弁金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブなどが挙げられる。すなわち、本発明の電解コンデンサは、例えば積層型もしくは平板型の、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサなどを含む。
電解コンデンサの製造に際しては、化学酸化重合により、上記のようなコンデンサ素子上で導電性高分子を直接合成することで、導電性高分子の層を形成する。
コンデンサ素子上での導電性高分子の合成は、例えば以下の方法によって実施することができる。
(1) まず、コンデンサ素子を酸化剤を含む溶液(酸化剤溶液)中に浸漬して引き上げた後に乾燥させたり、酸化剤を含む溶液をコンデンサ素子にスプレー塗布して乾燥させたりして、コンデンサ素子に酸化剤を付着させる。
酸化剤としては、芳香族スルホン酸第二鉄を使用することが好ましい。芳香族スルホン酸第二鉄は、導電性高分子の化学酸化重合時の酸化剤として機能するだけでなく、合成された導電性高分子内に取り込まれてドーパントとしても機能する(以下、芳香族スルホン酸第二鉄を「酸化剤兼ドーパント」といい、これを含む溶液を「酸化剤兼ドーパント溶液」という場合がある)。
芳香族スルホン酸第二鉄としては、例えば、ベンゼンスルホン酸またはその誘導体、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体などの芳香族スルホン酸の第二鉄塩が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。これらの芳香族スルホン酸第二鉄のなかでも、パラトルエンスルホン酸鉄またはナフタレンスルホン酸鉄を使用することが好ましい。
酸化剤兼ドーパント溶液の溶媒には、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどの、炭素数が1~10の炭化水素基を有する1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;などの有機溶媒を使用する。これらの中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどの、炭素数が1~10の炭化水素基を有する1価のアルコールなどの1価のアルコールがより好ましい。
芳香族スルホン酸第二鉄を使用する場合の酸化剤溶液(酸化剤兼ドーパント溶液)の、芳香族スルホン酸第二鉄の濃度は、通常、30~70質量%である。
(2) 次に、酸化剤兼ドーパントを付着させたコンデンサ素子をモノマーを含む液(以下、「モノマー液」という)に浸漬して引き上げたり、酸化剤兼ドーパントを付着させたコンデンサ素子にモノマー液をスプレー塗布したりした後に、室温または加熱下でモノマーを重合(化学酸化重合)させる。そして、導電性高分子の形成後には、通常、洗浄および乾燥を行う。
モノマーとなるピロール、EDOTおよびアルキル化EDOTは常温で液状なので、重合にあたって、そのままモノマー液として用いることができる。また、重合反応をよりスムーズに進行させるために、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶剤でモノマーを希釈した有機溶剤溶液をモノマー液として用いてもよい。モノマーの有機溶剤溶液をモノマー液として使用する場合、モノマー溶液中のモノマーの濃度は、通常、15~50質量%である。
モノマーの化学酸化重合は、例えば、10~300℃で、1~180分間で行われる。
そして、上記の(1)および(2)の操作を複数回繰り返し、コンデンサ素子(その誘電体層)上に導電性高分子の層を形成する。このようにして形成する導電性高分子の層は、厚みが、例えば1~20μmである。
詳細は後記の実施例において示すが、ピロールを使用せずに導電性高分子の層を形成する場合、例えば理論容量の8割以上の静電容量を有する電解コンデンサを得るためには、6回以上重合を繰り返す必要があるが、本発明の電解コンデンサにおいては、重合の繰り返し数を4回以下(好ましくは2回以上)であっても、上記程度の静電容量を確保することができる。
また、コンデンサ素子上に化学酸化重合によって導電性高分子を形成した後、その導電性高分子上にπ共役系導電性高分子の分散液を用いて層を形成して、その両者で導電性高分子の層を構成してもよい。
上記のπ共役系導電性高分子としては、ポリマーアニオンをドーパントとして用いたπ共役系導電性高分子が用いられる。このポリマーアニオンは、主として高分子スルホン酸で構成されるが、その具体例としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂、スチレンスルホン酸と非スルホン酸系モノマー(メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよび不飽和炭化水素含有アルコキシシラン化合物またはその加水分解物など)との共重合体などが挙げられる。
上記のようにしてコンデンサ素子上に導電性高分子の層を形成した後に、例えば、カーボンペースト、銀ペーストを付け、乾燥してから外装を施して電解コンデンサとする。
また、コンデンサ素子上に形成した導電性高分子の層には、沸点が150℃以上の高沸点有機溶剤または沸点が150℃以上の高沸点有機溶剤とヒドロキシル基またはカルボキシル基を少なくとも1つ有する芳香族系化合物とを含む導電性補助液を含ませてもよい。
上記導電性補助液に使用可能な沸点が150℃以上の高沸点有機溶剤としては、例えば、γ-ブチロラクトン(沸点:203℃)、ブタンジオール(沸点:230℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)、スルホラン(沸点:285℃)、N-メチルピロリドン(沸点:202℃)、ジメチルスルホラン(沸点:233℃)、エチレングリコール(沸点:198℃)、ジエチレングリコール(沸点:244℃)、リン酸トリエチル(沸点:215℃)、リン酸トリブチル(289℃)、リン酸トリエチルヘキシル〔215℃(4 mmHg)〕、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
また、上記の、ヒドロキシル基(芳香環の構成炭素に結合するヒドロキシル基をいい、カルボキシル基中などの-OH部分を意味するものではない)またはカルボキシル基を少なくとも1つ有する芳香族系化合物としては、ベンゼン系のもの、ナフタレン系のもの、アントラセン系のもののいずれも用いることができ、その具体例としては、例えば、ヒドロキシベンゼンカルボン酸、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール、アミノニトロフェノール、ヒドロキシアニソール、ヒドロキシジニトロベンゼン、ジヒドロキシジニトロベンゼン、アルキルヒドロキシアニソール、ヒドロキシニトロアニソール、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸(つまり、ヒドロキシニトロ安息香酸)、ジヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸(つまり、ジヒドロキシニトロ安息香酸)、フェノール、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、トリヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ジヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ヒドロキシトルエンカルボン酸、ニトロナフトール、アミノナフトール、ジニトロナフトール、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、ジヒドロキシナフタレンカルボン酸、トリヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ジヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ヒドロキシアントラセン、ジヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシアントラセン、テトラヒドロキシアントラセン、ヒドロキシアントラセンカルボン酸、ヒドロキシアントラセンジカルボン酸、ジヒドロキシアントラセンジカルボン酸、テトラヒドロキシアントラセンジオン、ベンゼンカルボン酸、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
また、上記沸点が150℃以上の高沸点有機溶剤または導電性補助液にエポキシ化合物またはその加水分解物、シラン化合物またはその加水分解物およびポリアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合剤を含有させることもできる。
本発明の電解コンデンサは、耐熱性に優れていることから、このような特性が要求される用途(例えば、車載用途)に好適に用い得るほか、従来から電解コンデンサが用いられている用途と同じ用途にも適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
(モノマー液の調製)
EDOTとエチル化EDOTとを、85:15の質量比で混合した(以下、この混合物を「XA15」という)。XA15:49.85gに、ピロール:0.15gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。
(タンタル電解コンデンサの作製)
タンタル焼結体を2質量%濃度のリン酸水溶液中に浸漬し、10Vの電圧を印加することで、タンタル焼結体の表面に誘電体層(誘電体酸化皮膜)を形成した。
上記のタンタル焼結体を30質量%濃度のパラトルエンスルホン酸鉄エタノール溶液(酸化剤兼ドーパント溶液)中に浸漬してから取り出し、105℃で30分間乾燥させた。乾燥後の上記タンタル焼結体を上記モノマー液中に浸漬し、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気中で2時間化学酸化重合を行ってタンタル焼結体の誘電体層上に導電性高分子の層を形成した。続いて、このタンタル焼結体を純水中に浸漬し、30分間放置した後に引き上げて、105℃で60分間乾燥させた。タンタル焼結体のパラトルエンスルホン酸鉄エタノール溶液への浸漬から重合後の洗浄および乾燥までの工程を3回繰り返して、厚みが10μmの導電性高分子の層を誘電体層上に有するコンデンサ素子を得た。
そして、上記コンデンサ素子の導電性高分子の層をカーボンペーストおよび銀ペーストで覆った後に外装材で外装して、タンタル電解コンデンサを得た。なお、実施例1のタンタル電解コンデンサの設計静電容量は、350μFである(後記の各実施例および比較例のタンタル電解コンデンサも同様である)。
実施例2
EDOTとプロピル化EDOTとを、50:50の質量比で混合した(以下、この混合物を「XB50」という)。XB50:49.99gに、ピロール:0.01gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
実施例3
XB50:49.95gに、ピロール:0.05gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
実施例4
XB50:49.85gに、ピロール:0.15gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
実施例5
XB50:49.75gに、ピロール:0.25gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
実施例6
EDOTとブチル化EDOTとを、10:90の質量比で混合した(以下、この混合物を「XC90」という)。XC90:49.95gに、ピロール:0.05gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例1
XB50:50.00gに、ピロールを添加せずに溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例2
タンタル焼結体のパラトルエンスルホン酸鉄エタノール溶液への浸漬から重合後の洗浄および乾燥までの工程を6回繰り返した以外は、比較例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例3
XB50:49.50gに、ピロール:0.50gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例4
タンタル焼結体のパラトルエンスルホン酸鉄エタノール溶液への浸漬から重合後の洗浄および乾燥までの工程を6回繰り返した以外は、比較例3と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例5
EDOT:50.00gに溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー溶液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例6
EDOT:49.85gに、ピロール:0.15gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
比較例7
EDOT:49.00gに、ピロール:1.00gおよび溶媒(キシレン):50.00gを添加し、混合してモノマー液を調製した。そして、このモノマー液を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル電解コンデンサを作製した。
実施例および比較例のタンタル電解コンデンサについて、初期および耐熱性試験での、静電容量および漏れ電流を下記の方法で測定した。
(静電容量)
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、120Hzで測定した。また、求めた静電容量を設計静電容量(350μF)で除し、これを百分率で表して容量出現率(%)を算出した。
(漏れ電流)
各コンデンサに25℃で10Vの電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープを用いて漏れ電流を測定した。
(タンタル電解コンデンサの耐熱性評価)
実施例および比較例のタンタル電解コンデンサ各10個を、150℃で250時間貯蔵した後、上記と同じ方法で、静電容量を測定し、下記式によって静電容量の初期特性評価時の測定値からの変化率(%)を求めた。
静電容量の耐熱性評価測定値の初期特性評価測定値からの変化率(%):
変化率(%) = 100 × (耐熱性評価測定値-初期特性評価測定値)
÷ 初期特性評価測定値
実施例および比較例のタンタル電解コンデンサに使用したモノマー液中のモノマーの組成を表1に示し、重合回数(タンタル焼結体のパラトルエンスルホン酸鉄エタノール溶液への浸漬から重合後の洗浄および乾燥までの一連の工程を1回とする回数)および上記の各評価結果を表2に示す。表1において、EDOTおよびアルキル化EDOTの欄の数値は、EDOTとアルキル化EDOTとの合計100質量部中の割合(質量部)であり、ピロールの欄の数値は、モノマー全量(EDOT、アルキル化EDOTおよびピロールの合計量)中の割合(質量%)である。
Figure 0007357487000002
Figure 0007357487000003
表1および表2に示す通り、モノマー全量中のピロールの割合、およびEDOTとアルキル化EDOTとの合計量中のアルキル化EDOTの割合が適正なモノマーで形成した導電性高分子を有する実施例1~6の電解コンデンサは、重合回数を3回と少なくしても容量出現率が80%を超えており、大きな静電容量が確保できていた。すなわち、実施例1~6の電解コンデンサは、少ない重合回数で十分な静電容量が確保できており、生産性に優れているといえる。
さらに、実施例1~6の電解コンデンサは、高温貯蔵後の静電容量の変化率が小さく、優れた耐熱性を有していた。
なお、EDOTのみを重合して導電性高分子の層を形成した比較例5の電解コンデンサは従来品に相当し、漏れ電流が500μAであった。このような従来品相当の漏れ電流に対し、100μA以下を電解コンデンサの漏れ電流改善を一応の目安としているが、実施例1~6の電解コンデンサは、いずれも漏れ電流が100μAを下回っており、良好に低減できていた。
これに対し、ピロールを使用しなかった電解コンデンサのうち、重合回数を実施例の電解コンデンサと同じにした比較例1の電解コンデンサは、容量出現率が低く静電容量が小さくなった。また、比較例1の電解コンデンサは、高温貯蔵後の静電容量変化率が大きく耐熱性が劣っており、漏れ電流も大きかった。一方、重合回数を6回と多くした以外は比較例1の電解コンデンサと同じ構成とした比較例2の電解コンデンサは、静電容量および漏れ電流は実施例の電解コンデンサと同等であったものの、重合回数が多い点で生産性が劣っており、また、高温貯蔵後の静電容量変化率が実施例の電解コンデンサよりも大きく耐熱性が劣っていた。
さらに、ピロールの割合を多くした電解コンデンサのうち、重合回数を実施例の電解コンデンサと同じにした比較例3の電解コンデンサは、容量出現率が低く静電容量が小さくなった。また、比較例3の電解コンデンサは、高温貯蔵後の静電容量変化率が大きく耐熱性が劣っていた。そして、比較例4の電解コンデンサでは、重合回数を6回と多くした以外は比較例3の電解コンデンサと同じ構成としたが、静電容量が小さい点、および耐熱性が劣っている点が、比較例2の電解コンデンサから改善することはなかった。
他方、アルキル化EDOTを使用しなかった電解コンデンサのうち、ピロールも使用しなかった比較例5の電解コンデンサは、上記の通り、従来品相当のものであるが、重合回数が3回でも大きな静電容量が確保できており、耐熱性も良好であるものの、実施例の電解コンデンサに比べて漏れ電流が大きかった。さらに、EDOTと共にピロールも使用した比較例6の電解コンデンサは、貯蔵後の静電容量変化率が大きく耐熱性が劣っており、また、漏れ電流も比較例5の電解コンデンサよりも劣っていた。
また、比較例7の電解コンデンサは、アルキル化EDOTを使用せず、モノマー全量中のピロールの割合を多くしており、特許文献2の実施例相当品に該当するが、容量出現率が低く静電容量が劣っており、高温貯蔵後の静電容量変化率が大きく耐熱性が劣っており、さらに漏れ電流も比較例5の電解コンデンサよりも劣っていた。特許文献2には、上記の通り、ピロールの使用によってEDOTをモノマーとする導電性高分子の重合効率を高め得ることが示されているものの、比較例7の結果によれば、特許文献2の実施例と同様の重合回数3回では、EDOTのみを使用した比較例5の電解コンデンサと比較しても静電容量が小さく、その重合効率の向上効果は限定的であると推測される。一方、このような比較例7の電解コンデンサに対し、ピロールおよびEDOTと共にアルキル化EDOTを使用した実施例1~6の電解コンデンサは、同じ重合回数3回でも非常に大きな静電容量が確保できていることから、その生産性向上効果は極めて顕著といえる。

Claims (4)

  1. 弁金属の多孔体と、上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層とを有するコンデンサ素子上に、導電性高分子を固体電解質として有する電解コンデンサであって、
    上記導電性高分子は、ピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを共重合してなり、全モノマー中のピロールの割合が0.01~0.5質量%で、3,4-エチレンジオキシチオフェンとアルキル化エチレンジオキシチオフェンとの合計100質量部中のアルキル化エチレンジオキシチオフェンの割合が15~90質量部であることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 上記アルキル化エチレンジオキシチオフェンが、2-メチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、2-エチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、2-プロピル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、および2-ブチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 弁金属の多孔体と、上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層とを有するコンデンサ素子上に、ピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを、化学酸化重合によって共重合して導電性高分子を形成する工程を有し、
    上記導電性高分子の形成に際し、ピロールを全モノマー中の割合が0.01~0.5質量%となる量で使用し、かつ3,4-エチレンジオキシチオフェンおよびアルキル化エチレンジオキシチオフェンを、これらの合計100質量部中のアルキル化エチレンジオキシチオフェンの割合が15~90質量部となる量で使用することを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  4. 上記アルキル化エチレンジオキシチオフェンとして、2-メチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、2-エチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、2-プロピル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシン、および2-ブチル-2,3-ジヒドロ-チエノ〔3,4-b〕〔1,4〕ジオキシンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を使用する請求項3に記載の電解コンデンサの製造方法。
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