JP5481639B2 - 導電性高分子製造用酸化剤とそれを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、重合性モノマーを化学酸化重合させる導電性高分子製造用酸化剤と該酸化剤を用いて化学酸化重合させてなる導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
近年、π共役系導電性高分子は、多岐分野にわたって研究されており、有機素材の軽量性と、高い導電性を生かして、様々な電子デバイス素子が実用化され、例えば、アルミニウム固体電解コンデンサやタンタル固体電解コンデンサ用の固体電解質として使用されている。
上記導電性高分子は、重合性モノマー、例えば、ピロール、チオフェン、アニリン及びそれらの誘導体を、化学酸化重合させて製造することができる。特許文献1に開示されているように、この化学酸化重合用酸化剤としては、導電性高分子のドーパントとなる有機スルホン酸化合物と、酸化作用を有する遷移金属カチオンとからなる塩が提案されているが、これらの中でもパラトルエンスルホン酸の第二鉄塩が最も一般的に用いられている。
しかしながら、パラトルエンスルホン酸塩は、重合性モノマーの酸化剤として適用した場合、重合速度が速いため、得られた固体電解コンデンサは十分な電気特性が得られず、また、高温度下にさらされると、固体電解コンデンサ容量の低下やコンデンサ抵抗損失の増大を発生しやすいという欠点があった。
また、特許文献2には、ドーパントとして、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物等を用いることが開示されている。
しかしながら、カルボン酸化合物の鉄塩、スルホン酸化合物の鉄塩をそれぞれ用いただけでは、最適な重合速度が得られず、結果として、電気特性に優れた固体電解コンデンサが得られない欠点があった。
特開平01−313521号公報 特開平06−29159号公報
本発明の目的は、粘度が低く、適切な重合速度を有する導電性高分子製造用酸化剤と、該導電性高分子製造用酸化剤を用いて化学重合させてなる導電性高分子を固体電解質とした、静電容量、ESR等の初期特性及び耐熱性に優れる固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討をした結果、一般式(1)で表されるスルホン酸化合物とカルボン酸化合物をアニオンとした遷移金属錯体を含有した導電性高分子製造用酸化剤を用いて化学重合させてなる導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、有機溶媒中に、下記一般式(1)で表されるスルホン酸化合物とカルボン酸化合物とをアニオンとした遷移金属錯体を含有することを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤である。
Figure 0005481639
(式(1)中、Rは、同一でも異なってもよい、水素、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Xは遷移金属カチオンを示す。l及びmは1.0〜5.0、nは2〜7であり、l+m=nを満たす。)
第二の発明は、スルホン酸化合物がトルエンスルホン酸であることを特徴とする第一の発明に記載の導電性高分子製造用酸化剤である。
第三の発明は、カルボン酸化合物がフルオロ安息香酸であることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の導電性高分子製造用酸化剤である。
第四の発明は、遷移金属カチオンが鉄イオン(III)又は銅イオン(II)であることを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤である。
第五の発明は、第一から第四の発明のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤を用いて化学酸化重合した導電性高分子を固体電解質として用いることを特徴とする固体電解コンデンサである。
第六の発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子からなる固体電解質層を具備した固体電解コンデンサの製造方法において、
第一から第四の発明のいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤と、重合性モノマーの溶液とを液相にて接触させることにより化学酸化重合し、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属に導電性高分子を形成する工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明によれば、弁作用金属酸化皮膜上に導電性高分子からなる固体電解質層を形成する時において、粘度が低く、適切な重合速度を有する導電性高分子製造用酸化剤を提供し、並びに、従来のコンデンサと比較して著しく優れた電気特性、耐熱性を示す固体電解コンデンサとその製造方法を提供することができる。
本発明の導電性高分子製造用酸化剤は、有機溶媒にスルホン酸化合物とカルボン酸化合物をアニオンとした遷移金属錯体を含有させたものである。
導電性高分子製造用酸化剤について説明する。
本発明の導電性高分子製造用酸化剤には、下記一般式(1)で表されるスルホン酸化合物とカルボン酸化合物をアニオンとした遷移金属錯体を含有することを特徴としている。
Figure 0005481639
上記一般式(1)中のRは同一でも異なってもよい、水素、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Xは遷移金属カチオンを示す。l及びmは1.0〜5.0、nは2〜7であり、l+m=nを満たす。
Xは遷移金属カチオンであり、鉄イオン(III)、銅イオン(II)、クロムイオン(VI)、セリウムイオン(IV)、マンガンイオン(IV)、マンガンイオン(VII)、ルテニウムイオン(III)、亜鉛イオン(II)が挙げられる。これらの中でも適度な酸化力を有する面から鉄イオン(III)、銅イオン(II)が好ましく挙げられ、鉄イオン(III)が特に好ましく挙げられる。
上記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましく挙げあれる。
置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フロロメチル基、フロロエチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられ、スルホン化合物の場合はメチル基が好ましく挙げられる。
上記炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
l及びmは1.0〜5.0、nは2〜7であり、l+m=nを満たす。特にl≧mとすることで、優れた電気特性が得られることができる。
スルホン酸化合物とカルボン酸化合物を前記割合にすることで、適切な重合速度とすることができ、優れた電気特性が得られる固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明において、重合速度とは、以下の方法で測定して得られた時間として評価した。
酸化剤と3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)をスクリュー管に入れ、20℃サーモプレート上に10分以上保持した。酸化剤とEDOTを5:1(重量比)混合し、10秒撹拌した。その後、1mm以上のポリマーの塊が析出するまでの時間を計測し、これを重合速度とした。
本発明における適切な重合速度とは、重合性モノマーとしてEDOTを用いた場合、70〜160秒である。
70秒未満の場合、重合速度が速すぎ、多孔質の弁作用金属酸化皮膜の奥まで入りこまないで重合してしまうため、得られる固体電解コンデンサのESRが劣る結果となる。
160秒超の場合、重合速度が遅すぎ、重合しにくくなる欠点がある。
また、l≧mとすることで、上記重合速度に調整することができ、優れた電気特性の固体電解コンデンサを得ることができる。
酸化剤の粘度は、上記第二鉄塩を60質量%含有した有機溶媒を含む酸化剤の場合、300mPa・s以下が好ましく挙げられる。
酸化剤に用いる有機溶媒としては、アルコールが好ましく挙げられる。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール及びアミルアルコール等が挙げられる。これらのアルコールは、単独で用いることもできるが、2種以上併用し混合溶媒として用いてもよい。
これらの中でも、高濃度に調整した場合の酸化剤の保存安定性の面から、n−ブタノール又はエタノールを主溶媒とするものが特に好ましく挙げられる。
スルホン酸化合物の具体例としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、メタトルエンスルホン酸、オルトトルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、トリメチルベンゼンスルホン酸が挙げられ、これらの中でも電導度と溶解性に優れる点より、パラトルエンスルホン酸が好ましく挙げられる。
カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、ブチル安息香酸、メトキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられ、これらの中でもフルオロ安息香酸が好ましく挙げられる。
スルホン酸化合物と比較して、より弱い酸であるカルボン酸化合物を混合することにより、粘度と重合速度を調節でき、多孔質の弁作用金属酸化皮膜の奥まで浸透させ、重合することができる。その結果、優れた電気特性を有する固体電解コンデンサを製造することができる。
次に、本発明の酸化剤の製造方法について、第二鉄塩を例に挙げて説明する。
スルホン酸化合物とカルボン酸化合物を混合した水溶液中に酸化第二鉄を加えて、加熱還流を行う。
これをフィルター濾過操作により、スルホン酸化合物とカルボン酸化合物をアニオンとした鉄塩の水溶液を得る。
該水溶液をろ過により未反応の酸化第二鉄及び不純物を除去した後、水を除去しスルホン酸化合物とカルボン酸化合物をアニオンとした鉄塩を得る。
その後、有機溶媒を添加し、濃縮することにより、所定の濃度の酸化剤を得ることができる。
本願発明の酸化剤に含有する鉄塩の濃度は、30〜70質量%が好ましく、40〜65質量%がより好ましく挙げられる。
上記濃度の酸化剤を用いることで、最適な粘度と重合速度を得ることができる。
本発明に用いられる重合性モノマーとしては、ピロール、チオフェン又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
重合性モノマーの具体例としては、例えば、ピロール、チオフェン、1−アルキル−3−アルキルピロール、3−アルキルチオフェン、1−アルキル−3,4−アルキレンジオキシピロール、3,4−アルキレンジオキシチオフェンなどが挙げられる。これらの中でも、3,4−アルキレンジオキシチオフェン、ピロールが好ましく挙げられる。
前記重合性モノマーは一種又は二種以上を同時に含有することができる。
導電性高分子は、液相中又は気相中において、上記重合性モノマーを酸化剤であるスルホン酸化合物とカルボン酸化合物とをアニオンとした鉄塩で化学酸化重合させて製造することができる。
液相中で化学酸化重合させるには、本発明による酸化剤と重合性モノマーとを一定時間混合して重合させた後、洗浄、乾燥させて導電性高分子を得る。
また、気相中で化学酸化重合させるには、導電性付与を目的とする基材表面上に、上記酸化剤を塗布した後、該基材を重合性モノマーの蒸気雰囲気中に保持することにより、基材表面に導電性高分子皮膜を形成させることができる。
次に、本発明の固体電解コンデンサとその製造方法について、以下に説明する。
液相中で化学酸化重合をさせる場合、まず、酸化皮膜を形成させたアルミニウム、タンタル及びニオブなどの弁作用金属表面に、本発明に用いられる酸化剤を塗布し、重合性モノマーの溶液内に浸漬するか、該溶液を塗布し、該酸化剤溶液に浸漬するか、または該酸化剤と該重合性モノマーを混合して1液とした溶液に浸漬して、導電性高分子皮膜を形成させる。この導電性高分子皮膜は、固体電解コンデンサの固体電解質となる。
次いで、導電性高分子皮膜上に、カーボンペースト、銀ペーストを塗布、乾燥させて、陰極層を形成し、コンデンサ素子を得、該コンデンサ素子の弁作用金属を陽極端子に、また、陰極層を陰極端子に接続後、樹脂により外装を施して本発明の固体電解コンデンサを得る。
気相中で化学酸化重合させる場合、まず、酸化皮膜を形成させたアルミニウム、タンタル又はニオブなどの弁作用金属表面に本発明に用いられる酸化剤溶液を塗布し、重合性モノマーの蒸気雰囲気中に保持して、導電性高分子皮膜を形成させる。この導電性高分子皮膜は、固体電解コンデンサの固体電解質となる。
次いで、導電性高分子皮膜上に、カーボンペースト、銀ペーストを塗布、乾燥させて、陰極層を形成し、コンデンサ素子を得、該コンデンサ素子の弁作用金属を陽極端子に、また、陰極層を陰極端子に接続後、樹脂により外装を施して本発明の固体電解コンデンサを得る。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「%」は「質量%」を表す。
(導電性高分子製造用酸化剤の評価)
(実施例1)
純水20mlにパラトルエンスルホン酸一水和物21.24g(0.11mol)とオルトフルオロ安息香酸7.82g(0.055mol)を溶解した溶液に酸化第二鉄4.45g(0.028mol)を加えて、12時間加熱還流を行った。
反応液に1−ブタノールを100g加え、冷却してフィルター濾過操作により、反応溶液を得た。
上記反応液を濃縮して濃度60%パラトルエンスルホン酸・オルトフルオロ安息香酸第二鉄(「(PTS)(OFB)−Fe」と略記する。)の1−ブタノール溶液を調製し、酸化剤(1)を得た。
(実施例2)
実施例1のオルトフルオロ安息香酸をパラフルオロ安息香酸に代えた以外は(「(PTS)(PFB)−Fe」と略記する。)、実施例1と同様の方法で酸化剤(2)を得た。
(実施例3)
実施例1のオルトフルオロ安息香酸をメタフルオロ安息香酸に代えた以外は(「(PTS)(MFB)−Fe」と略記する。)、実施例1と同様の方法で酸化剤(3)を得た。
(比較例1)
実施例1のパラトルエンスルホン酸・オルトフルオロ安息香酸に代えて、パラトルエンスルホン酸一水和物31.39g(0.165mol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、濃度60%パラトルエンスルホン酸第二鉄(「(PTS)−Fe」と略記する。)の1−ブタノール溶液を調製して、酸化剤(4)とした。
(比較例2)
実施例1のパラトルエンスルホン酸・オルトフルオロ安息香酸に代えて、オルトフルオロ安息香酸53.87g(0.165mol)を用いた以外は、実施例1と同様にして、濃度60%オルトフルオロ安息香酸第二鉄(「(OFB)−Fe」と略記する。)の1−ブタノール溶液を調製して、酸化剤(5)とした。
(比較例3)
パラトルエンスルホン酸第二鉄((PTS)−Fe)と、オルトフルオロ安息香酸第二鉄(OFB−Fe)を混合させた1−ブタノール溶液を酸化剤(6)とした((PTS)−Feと(OFB)−Feのモル比は2:1である。)。
上記工程で得られた酸化剤(1)〜(6)を準備し、粘度及び重合速度の評価を行った。なお、粘度は振動式粘度計(CBCマテリアルズ社製、VM−100A)を用いて測定した。重合速度は、各酸化剤と3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)をスクリュー管に入れ、20℃サーモプレート上に10分以上保持した。酸化剤とEDOTを5:1(重量比)混合し、10秒保持撹拌した。その後、直径1mm以上のポリマーの塊が析出するまでの時間を計測し、これを重合速度とした。測定結果を表1に示す。
Figure 0005481639
表1より、実施例1〜3の酸化剤は粘度が低く、適切な重合速度を有していることがわかる。
(固体電解コンデンサの評価)
(実施例4)
陽極リードを備えたタンタル焼結体素子に、リン酸水溶液中、5Vの電圧を印加させて化成処理を施し、誘電体酸化皮膜を形成させた。該素子の硫酸水溶液中における静電容量は229μFであった。
次に、実施例1に記載の酸化剤(1)及びEDOTをモル比で1:1になるように混合し、1液の化学酸化重合液として容器に準備した。
タンタル焼結体素子を、上記の化学酸化重合液に室温で5分間浸漬させて、素子を引上げて50℃で1時間熱処理し化学酸化重合を進行させて、素子表面に導電性高分子層を形成させた。
次いで、上記素子の陰極層に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布して導電性塗膜を形成し、その一部から対極を取り出した後、エポキシ樹脂でモールドさせ、その後、4Vの電圧を印加させてエージングを行い、定格電圧2V、定格静電容量220μFの固体電解コンデンサを完成させた。
(実施例5)
実施例4の酸化剤(1)を酸化剤(2)に代えた以外は実施例4と同様に行い、固体電解コンデンサを完成させた。
(実施例6)
実施例4の酸化剤(1)を酸化剤(3)に代えた以外は実施例4と同様に行い、固体電解コンデンサを完成させた。
(比較例4)
実施例4の酸化剤(1)を酸化剤(4)に代えた以外は実施例4と同様に行い、固体電解コンデンサを完成させた。
(比較例5)
実施例4の酸化剤(1)を酸化剤(5)に代えた以外は実施例4と同様に行い、固体電解コンデンサを完成させた。
(比較例6)
実施例4の酸化剤(1)を酸化剤(6)に代えた以外は実施例4と同様に行い、固体電解コンデンサを完成させた。
実施例4〜6及び比較例4〜6より得られた固体電解コンデンサについて、120Hzでの静電容量(以下、Csと略記する。)、120Hzでの誘電損失(以下、tanδと略記する。)、100Hzでの等価直列抵抗(以下、ESRと略記する。)を測定した。また、高温負荷試験(温度260℃の雰囲気に3分間保持)を実施した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005481639
表2に示すように本発明の実施例4〜6の酸化剤を用いて得られた固体電解コンデンサは、比較例4〜6の酸化剤を用いて得られた固体電解コンデンサに比べ、初期ESR、静電容量に優れ、かつ、高温負荷後においても初期と同様に電気特性を維持していることがわかる。
また、本発明の導電性高分子製造用酸化剤を用いて製造した固体電解コンデンサは、等価直列抵抗が低く、優れた電気特性を有するため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。

Claims (5)

  1. 有機溶媒中に、下記一般式(1)で表されるスルホン酸化合物とフルオロ安息香酸とをアニオンとした遷移金属錯体を含有することを特徴とする導電性高分子製造用酸化剤。
    Figure 0005481639
    (式(1)中、Rは、水素、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Xは遷移金属カチオンを示す。l及びmは1.0〜5.0、nは2〜7であり、l+m=nを満たす。)
  2. スルホン酸化合物がトルエンスルホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子製造用酸化剤。
  3. 遷移金属カチオンが鉄イオン(III)又は銅イオン(II)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性高分子製造用酸化剤。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤を用いて化学酸化重合した導電性高分子を固体電解質として用いることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に導電性高分子からなる固体電解質層を具備した固体電解コンデンサの製造方法において、
    請求項1からのいずれかに記載の導電性高分子製造用酸化剤と、重合性モノマーの溶液とを液相にて接触させることにより化学酸化重合し、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属に導電性高分子を形成する工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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