JP4236719B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低インピーダンスな固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものであり、詳しくはその固体電解質中に少なくとも脂肪族多環状化合物のアニオンをドーパントとして含む導電性高分子組成物を具備した固体電解コンデンサの製造方法及び該コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解コンデンサは、エッチング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極基体に、誘電体の酸化皮膜層が形成され、この外側に対向する電極として固体の半導電体層(以下、固体電解質と略する)が形成され、そして望ましくはさらに導電ペーストなどの導電体層が形成され、該コンデンサの基本素子が作製される。次いで、素子全体がエポキシ樹脂等で完全に封止され、コンデンサ部品として幅広く電気製品に使用されている。
【0003】
このうち、固体電解質には、従来から例えば、二酸化マンガンや二酸化鉛等の無機半導体材料、TCNQ錯塩、または電導度が10-3〜5×103 S/cmの範囲である真性導電性高分子(特開平1−169914号公報)やπ共役系のポリアニリン(特開昭61−239617号公報)、ポリピロール(特開昭61−240625号公報)、ポリチオフェン誘導体(特開平2−15611号公報)、ドーパントを含まないポリイソチアナフテン(特開昭62−118509号公報)、ドープ状態のポリイソチアナフテン(特開昭62−118511号公報)等の使用が知られている。
【0004】
また固体電解質の形成方法については、従来から細孔あるいは空隙構造を有する弁作用金属表面の誘電体層上に固体電解質層を融解して形成する方法や誘電体層上で導電性高分子の固体電解質を産生する方法等が知られている。例えば、ピロールやチオフェン等の複素五員環式化合物の重合体を使用する場合、陽極箔を、複素五員環式化合物の低級アルコール/水系溶液に浸漬した後、酸化剤と電解質を溶かした水溶液に浸漬して化学重合させ、導電性高分子を形成する方法(特開平5−175082号公報)、3,4−ジオキシエチレン−チオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化被覆層に塗被して形成する方法(特開平2−15611号公報)等が知られている。
【0005】
チオフェン等の複素五員環式化合物を化学重合できる酸化剤には、塩化鉄(III)、Fe(ClO43 や有機酸鉄(III)、無機酸鉄(III)、アルキル過硫酸塩、過硫酸アンモニウム(以下、APSと略す)、過酸化水素、K2 Cr27 等が開示されている(特開平2−15611号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記二酸化マンガンを用いた固体電解質のコンデンサは、硝酸マンガンの熱分解時に酸化皮膜層が破壊されてしまう欠点があり、またインピーダンス特性も不十分であった。二酸化鉛を用いる場合は、環境上への配慮もあり好ましくなかった。TCNQ錯塩を使用する固体電解質のコンデンサは、熱溶融加工性や導電性に優れているが、TCNQ錯塩自体の耐熱性に問題がありハンダ耐熱性の信頼性が悪かった。これらの欠点を改善するために、前記ポリピロ−ル等の導電性高分子が電解重合法または化学的重合法によって誘電体表面の固体電解質に適用されたが、皮膜の均一性やハンダ耐熱性、インピーダンス特性等が充分とは言えなかった。
このように、実用上のコンデンサ素子を製造するにあたり、固体電解質の材料構成やその製造方法の確立、電導度の熱的安定性化、皮膜の均一性等の改良などを図り、最小軽量、高容量、高周波特性、tanδ、漏洩電流、耐熱性(リフロー性)や耐久性等に優れた固体電解コンデンサを製造することが課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の達成の為に固体電解質中のドーパント能を有するアニオンの種類及び含量等について鋭意検討を重ねた結果、導電性高分子組成物層を設けた固体電解コンデンサにおいて、弁作用金属陽極箔表面の誘電体酸化皮膜上に形成した前記組成物からなる固体電解質中に、少なくとも脂肪族多環状化合物のアニオンをドーパントとして含有させることにより、小型で低インピーダンスな高性能の固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
【0008】
即ち、本発明は、対向する電極と一方の電極として弁作用金属箔表面の金属酸化物からなる微細構造の誘電体層、及びその誘電体層上に形成された固体電解質を具備した固体電解コンデンサにおいて、該固体電解質中にドーパントとして少なくとも脂肪族多環状化合物のアニオンを含み、その含量が導電性高分子の全繰り返し構造単位に対して0.1〜50モル%の範囲である固体電解コンデンサを提供する。
【0009】
本発明によれば、導電性高分子はπ電子共役構造を有する高分子であり、好ましくは下記一般式(I)
【化5】
Figure 0004236719
(式中、置換基R1 及びR2 は、各々独立に水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、クロロメチル等のトリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基等の一価基を表わす。また、前記置換基R1 及びR2 が互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和もしくは不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ以上形成してもよい。Xはヘテロ原子を表しS、O、Se、TeまたはNR3 である。R3 はH、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、フェニル基、もしくは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基を表す。上記のR1 、R2 およびR3 のアルキル基、アルコキシ基の鎖中には、カルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、イミノ結合を任意に含有してもよい。δは0〜1の範囲である。)で表わされる構造単位を含む導電性高分子であり、さらに、コンデンサ性能をより顕著に発現できる高分子としては、下記一般式(II)
【0010】
【化6】
Figure 0004236719
(式中、置換基R4 及びR5 は、各々独立に水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、もしくは炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、式中記載の2つの酸素元素を含む少なくとも1つ以上の5乃至7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造を形成する範囲には、置換ビニレン基または置換o−フェニレン基等の化学構造が含まれる。δは0〜1の範囲である。)で表わされる構造単位を含む導電性高分子組成物である。
【0011】
さらに本発明は、前記構成の固体電解コンデンサにおいて、下記一般式 (III)
【化7】
Figure 0004236719
(式中、置換基R1 、R2 及びXの範囲は、前記一般式(I)と同じである)で表される単量体と酸化剤及び脂肪族多環状化合物のアニオンを供出する化合物を、好ましくは溶液の形態において前後して別々に、または一緒に金属箔の酸化被覆層に塗被してin-situ 重合させる方法を提供する。
さらには、前記製造方法は、好適には下記一般式(IV)、
【化8】
Figure 0004236719
(式中、置換基R4 及びR5 の範囲は、前記一般式(II)と同じである)
で表される単量体のin-situ 重合の方法も提供するものである。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、誘電体層上に少なくとも脂肪族多環状化合物のアニオンをドーパントとして含み、そのドーパントと電荷移動錯体を形成し得る前記一般式(I)で表される構造単位を含むπ電子共役高分子の、または好ましくは前記一般式(II)で表される構造単位を含む該高分子の導電性重合体組成物を、固体電解質として具備した固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0013】
前記、一般式(I)及び一般式 (III)に関し、置換基R1 、R2 、R3 の炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基であって、有用な例としては、メチル、エチル、ビニル、プロピル、アリル、イソプロピル、ブチル、1−ブテニルが挙げられる。また、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基の有用な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシが挙げられる。さらに、前記炭化水素基やアルコキシ基以外の有用な置換基としては、ニトロ基、シアノ基、フェニル及び置換フェニル(Cl、Br、F等のハロゲン基置換フェニル)が挙げられる。前記のR1 、R2 のアルキル基、アルコキシ基の鎖中には、カルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、イミノ結合を任意に含有してもよく、特に有用な例としてはメトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシが挙げられる。
【0014】
また、前記置換基R1 及びR2 が互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和もしくは不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ以上形成してもよく、例えば一般式(I)または一般式 (III)の有用な置換例としては、3,4−プロピレン置換構造、3,4−ブチレン置換構造、3,4−ブテニレン置換構造、3,4−ブタジエニレン置換構造、ナフト[2,3−c]縮合構造が挙げられる。Xはヘテロ原子を表し、有用例としては、S、O、Se、TeまたはNR3 である。XがSである前記3,4−ブタジエニレン置換構造は、一般式(I)の化学構造の場合は別名イソチアナフテニレン構造と呼ばれ、一般式 (III)の単量体構造ではイソチアナフテンと呼ばれる。さらに、ナフト[2,3−c]縮合構造は、一般式(I)の場合はナフト[2,3−c]チエニレン縮合構造であり、一般式 (III)の単量体構造ではナフト[2,3−c]チオフェンと呼ばれる。式中、δは繰り返し構造単位当りの荷電数を表し、0〜1の範囲の値である。
【0015】
一般式(II)または一般式(IV)中のR4 及びR5 の有用な置換基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル、アリルが挙げられる。さらに、R4 及びR5 の炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、前記一般式(II)または一般式(IV)中記載の2つの酸素元素を含む、少なくとも1つ以上の5乃至7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基であり、例えば、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,2−ジメチル−エチレンが好ましい。また、R4 及びR5 は、前記、炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、置換ビニレン基または置換o−フェニレン基等の不飽和炭化水素の環状構造を形成してもよく、例えば、1,2−ビニレン、1,2−プロペニレン、2,3−ブチレン−2−エン、1,2−シクロヘキシレン、メチル−o−フェニレン、1,2−ジメチル−o−フェニレン、エチル−o−フェニレンが挙げられる。
【0016】
本発明のコンデンサ及びその製造方法において、使用される前記一般式 (III)で表される単量体のうち、例えばチオフェン(R1 =R2 =H、X=S)やピロール(R1 =R2 =H、X=NH)、または前記一般式(IV)で表されるチオフェン類のうち3,4−ジオキシエチレン−チオフェンの単量体は公知であり、これらの単量体を重合し得る酸化剤も多くは公知である。しかしながら、導電性組成物中にドーパントとして脂肪族多環状化合物のアニオンを含有する固体電解質を具備したコンデンサは、これまで知られていなかった。
【0017】
本発明のコンデンサにおいて、低インピーダンス特性の優れたコンデンサを提供できる固体電解質においては、脂肪族多環状化合物のアニオンの含量は、導電性高分子の全繰り返し構造単位に対して少なくとも0.1〜50モル%の範囲であり、好ましくは1〜30モル%の範囲である。しかしながら、本発明の製造方法においては単量体の重合時に酸化剤を使用するために、前記導電性高分子組成物中に酸化剤の還元体アニオンを含有してもよく、その含量は、該組成物中0.1〜15モル%の範囲であり、望ましくは0.1〜5モル%の範囲である。
【0018】
通常、コンデンサの製造方法において、高容量の高周波特性並びにtanδ、漏洩電流、耐熱性(リフロー性)、耐久性等を改善するためには、前記固体電解質の形成方法が重要である。そのためには、固体電解質を密に充填形成して導電パスの均一性を改善することは重要であり、導電性組成物の構成が非常にコンデンサ特性に影響を与える。本発明においては、前記単量体を脂肪族多環状化合物のアニオンの共存下で、酸化剤の作用によって酸化重合させて該固体電解質を製造する工程を、1つの陽極基板に対して1回以上、好ましくは3〜20回繰り返すことによって容易に達成することができる。好ましい例の1つとして、酸化剤と脂肪族多環状化合物のアニオンを含む溶液(溶液1)を陽極誘電体層に塗布または浸漬する工程と、前記単量体を溶解した溶液(溶液2)を前後して別々に塗布または浸漬する工程を含んでもよく、また溶液1及び溶液2の溶媒は同じでもよく、あるいは異なった溶媒系でもよい。
【0019】
さらに前記酸化重合の繰り返し処理は、ハンダ耐熱性(熱安定性)の優れた固体電解質の生成を容易にする。従来既知のポリピロール等からなる固体電解質を用いたコンデンサでは、高温高湿度でのコンデンサ特性の変動が大きく信頼性を悪くしていたが、本発明で示された導電性組成物の固体電解質を具備したコンデンサは、熱安定性に優れかつドープ状態の安定性がよい。これは、前記2種以上のドーパントを有する重合体組成物が誘電体表面および細孔内部まで充填よく段階的に析出させることができるために、該重合体組成物の薄い膜質が何層にも重なった状態を作ることができる。これにより、該重合体が誘電体皮膜に対するダメージを生じない熱安定性に優れたコンデンサを提供することができる。
【0020】
また、本発明で使用する脂肪族多環状化合物のアニオンは、イオンとしての分子半径が従来既知のClO4 -、BF4 -、Cl- 、SO4 2- 等のアニオンと比べ遥かに大きいために、ドーピングされた導電性高分子組成物の密度がコンデンサ特性に極めて好適であり、また前記固体電解質を形成する工程を介して誘電体層内部に好適に充填される利点を有する。
【0021】
本発明の脂肪族多環状化合物のアニオンとは、スルホン酸やカルボン酸、リン酸、硼酸等のブレンステッド酸基を有する二環状以上の多環状脂肪族アニオンを有する化合物であり、好ましくはスルホン酸やカルボン酸置換化合物であり、さらに望ましくはスルホン酸置換化合物である。有用な具体例としては、d−カンファースルホン酸(別名、10−カンファースルホン酸)、2−カンファースルホン酸、3−カンファースルホン酸、8−カンファースルホン酸、d−カンファーカルボン酸及びそれらの誘導体であり、その使用においてはアンモニウム塩やアルカリ金属塩の形態で行われる。
d−カンファースルホン酸
【化9】
Figure 0004236719
2−カンファースルホン酸
【化10】
Figure 0004236719
【0022】
本発明で使用される酸化剤とは、ピロ−ルやチオフェン類の酸化重合に対して適する酸化剤であり、例えば特開平2−15611号記載の塩化鉄(III)、Fe(ClO43 や有機酸鉄(III)、無機酸鉄(III)、アルキル過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、K2 Cr27 等が広範に使用できる。しかしながら、前記酸化剤の使用範囲は、詳細には前記一般式 (III)で表される単量体の化学構造と酸化剤および反応条件等の制限を受けることがある。例えば、チオフェン類の酸化(重合)は、Handbook of Conducting Polymers 誌(Marcel Dekker, Inc. 社発行、1987年、99頁、図5参照)の説明によると、置換基の種類により酸化電位(重合の起こり易さを示す1つの尺度)が大きくかわり、重合反応を左右する(酸化電位は約1.8〜約2.7Vの範囲に広範に広がっている)。従って、具体的には使用する単量体と酸化剤、反応条件の組合せが重要である。
【0023】
本発明の固体電解コンデンサの製造方法においては、前記一般式(IV)で表されるチオフェン類の化学重合は、過硫酸塩の使用が特に好適であり、鉄 (III)塩系酸化剤の使用は鉄元素の残存が問題となり、コンデンサ特性に対して好ましくなかった。さらに、前記一般式(IV)の単量体に対して好適な過硫酸塩は、前記一般式 (III)のチオフェン(R1 =R2 =H、X=S)には好適ではなく、詳細には酸化剤の使用制限が存在する。前記一般式(IV)で表されるチオフェン類の化学重合に特に好適に使用できる過硫酸塩は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが挙げられる。
【0024】
次に重合反応の好ましい条件を以下に示す。
本発明のコンデンサの製造方法において用いられる一般式 (III)または一般式(IV)の単量体濃度及び酸化剤、脂肪族多環状化合物の各使用濃度は、化合物及びその置換基の種類や溶媒等との組合せによって異なるが、一般には10-4〜10モル/リットルの範囲であり、10-3〜5モル/リットルの範囲がさらに好ましい。また、反応温度は、それぞれ反応方法によって定められるもので特に限定できるものでないが、一般的には−70℃〜250℃の温度範囲であり、望ましくは0℃〜150℃であり、さらに15〜100℃の温度範囲で行われることが好ましい。
【0025】
前記本発明の製造方法において用いられる溶液の溶媒は、例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、あるいはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミドやアセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルムや塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒、ニトロメタンやニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、あるいはメタノールやエタノール、プロパノール等のアルコール類、または蟻酸や酢酸、プロピオン酸等の有機酸または該有機酸の酸無水物(例、無水酢酸等)、水、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは、水、アルコール類、ケトン類および/またはその混合系が望ましい。
【0026】
このようにして製造された固体電解質の電導度は、0.1〜200S/cmの範囲であるが、望ましい条件では1〜100S/cm、さらに好ましくは10〜100S/cmの範囲である。
【0027】
本発明の一方の電極にはアルミニウムまたはチタン、タンタル、ニオブあるいはこれらを基質とする合金系(等弁作用を有する)の箔、棒あるいはこれらを主成分とする焼結体等の公知な材料が使用される。これらの金属電極表面は、比表面積を大きくする目的で公知な方法によってエッチング処理や化成処理されて金属箔上に該金属系酸化皮膜層を形成されたものが用いられる。
【0028】
固体電解質の形成は、誘電体層上で形成する方法が好ましく、とりわけ本発明の耐熱性の優れた有機系導電体を細孔あるいは空隙構造を有する誘電体上に化学的に析出する方法が好ましい。さらに、半導体上に電気的接触をよくするために導電体層を設けることが好ましく、例えば、導電ペーストの固体、またはメッキや、金属蒸着、導電樹脂フィルムの形成等が行われる。
【0029】
このように、本発明の製造方法から構成されるコンデンサは、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装により各種用途のコンデンサ製品とすることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び参考例をあげて本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
規定の面積に加工したアルミニウム化成箔を10wt%のアジピン酸アンモニウム水溶液で13V化成して、誘電体を準備した。この誘電体表面に、過硫酸アンモニウム(以下、APSと略する)20wt%とd−カンファースルホン酸アンモニウム0.2wt%になるように調製した水溶液(溶液1)を含浸させ、次いで3,4−ジオキシエチレン−チオフェンを5g溶解したイソプロパノール(以下IPAと略する)溶液(溶液2)に浸漬した。この基板を60℃の環境下で10分放置することで酸化重合を完成させ、水で洗浄した。この重合反応処理及び洗浄工程をそれぞれ10回繰り返した。重合組成物中の硫酸イオン及びd−カンファースルホン酸イオンの含量は、先ず前記重合組成物を水/IPA溶媒中でヒドラジン還元して注意深く抽出し、イオンクロマトグラフィー法で求めたところ、硫酸イオン含量は導電性高分子の全繰り返し構造単位に対して1.5モル%、d−カンファースルホン酸イオン含量は、17モル%であった。固体電解質層の電導度は、70S/cmであった。
【0031】
次に、アルミ芯部をプラス側リード端子に溶接することによって陽極端子とし、高分子層にカーボンペーストと銀ペーストを付けてマイナス側リード端子に接続し陰極とした後、最後にエポキシ樹脂で封止してコンデンサ素子を作製した。コンデンサ素子を125℃で2時間エージングした後に初期特性を測定した。これらの結果を表1にまとめた。ここで、表1中のCは容量を表し、DFは損失角の正接値(tanδ)を意味する。いずれも120Hzで測定したものである。インピーダンスは、共振周波数での値を示した。LC(漏れ電流)は、定格電圧を印加して1分後に測定した。各測定値は、試料数が30個の平均値であり、LCについては1μA以上をショート(不良)品として表示し、これを除いてLC値の平均を算出した。耐湿性能試験での結果を表2に示した。ここでLC値は、10μA以上をショート(不良)品として表示した以外は初期値と同様である。耐湿性能試験は、85℃、85RH%の高温高湿下で500時間放置して行った。
【0032】
(実施例2)
実施例1で使用したd−カンファースルホン酸アンモニウムを2−カンファースルホン酸アンモニウムに替えた以外は、実施例1の記載と同様であり、該コンデンサ素子を同じく評価した。結果を表1、表2に示した。但し、重合組成物中の硫酸イオン及び2−カンファースルホン酸イオンの含量は、実施例1記載の方法で求め、硫酸イオン含量は1.9モル%、2−カンファースルホン酸イオン含量は、14モル%であった。固体電解質層の電導度は、45S/cmであった。
【0033】
(実施例3)
実施例1で使用したd−カンファースルホン酸アンモニウムをd−カンファーカルボン酸ナトリウムに替えた以外は、実施例1の記載と同様であり、該コンデンサ素子を同じく評価した。結果を表1、表2に示した。但し、重合組成物中の硫酸イオン及びd−カンファーカルボン酸イオンの含量は、実施例1記載の方法で求め、硫酸イオン含量は4.7モル%、d−カンファーカルボン酸イオン含量は、4.3モル%であった。固体電解質層の電導度は、10S/cmであった。
【0034】
参考例2
実施例1で使用したAPSを過硫酸カリウムに、3,4−ジオキシエチレン−チオフェンをN−メチルピロールに替えた以外は、実施例1の記載と同じであり該コンデンサ素子を評価した。結果を表1、表2に示した。但し、重合組成物中の硫酸イオン及びd−カンファースルホン酸イオンの含量は、実施例1記載の方法で求め、硫酸イオン含量は6.8モル%、d−カンファースルホン酸イオン含量は、11モル%であった。固体電解質層の電導度は、20S/cmであった。
【0035】
(実施例5)
実施例1で使用した導電性高分子組成物の製造方法を以下の方法に替えた以外は、実施例1の記載と同じであり該コンデンサ素子を評価した。結果を表1、表2に示した。実施例1記載と同じ方法と準備した誘電体表面に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(以下、DDQと略する)10wt%とd−カンファースルホン酸アンモニウム0.1wt%になるように調製したジオキサン溶液(溶液1)を含浸させ、次いでイソチアナフテンを5g溶解したイソプロパノール(以下IPAと略する)溶液(溶液2)に浸漬した。この基板を80℃の環境下で30分放置することで酸化重合を完成させ、ジオキサン及び水で各々洗浄した。この重合反応処理及び洗浄工程をそれぞれ10回繰り返した。重合組成物中のd−カンファースルホン酸イオンの含量は、前記重合組成物を水/IPA溶媒中でヒドラジン還元して注意深く抽出し、イオンクロマトグラフィー法で求めたところ、d−カンファースルホン酸イオン含量は導電性高分子の全繰り返し構造単位に対して11.5モル%であった。固体電解質層の電導度は、18S/cmであった。
【0036】
(実施例6)
実施例1で使用したAPSの替わりに硫酸鉄を10wt%に調製した溶液に変更した以外は、実施例1の記載と同様であり、該コンデンサ素子を評価した。結果を表1、表2に示した。但し、重合体組成物中の硫酸イオン及びd−カンファースルホン酸イオンの含量は、実施例1記載の方法で求めたところ、硫酸イオン含量は23モル%、d−カンファースルホン酸イオン含量は、14モル%であった。しかしながら、鉄元素が11重量%存在するために、コンデンサ特性は好ましくなかった。
【0037】
参考例3
実施例1で使用したAPSの替わりに塩化鉄を10wt%とし、d−カンファースルホン酸ナトリウム0.1wt%に調製された溶液に変更した以外は、実施例1の記載と同様であり、該コンデンサ素子を評価した。結果を表1、表2に示した。但し、重合体組成物中のd−カンファースルホン酸イオンの含量は、実施例1記載の方法で求めたところ、2.3モル%であった。硫酸イオンが併用して含有されていないためにコンデンサ特性はあまり好ましくなかった。
【0038】
(参考例1)
実施例1記載の3,4−ジオキシエチレン−チオフェンをチオフェンに替えた以外は実施例1記載の条件と同じにして、コンデンサ素子を作製する処理を行った。しかし、黒青色のポリチオフェン重合体は全く生成せず、チオフェンの重合がAPSの作用では起こらなかった。すなわち、APSによるチオフェン類の酸化重合は、3,4−ジオキシ基置換のチオフェン類に対して特に特異的に起こった。
【0039】
【表1】
Figure 0004236719
【0040】
【表2】
Figure 0004236719
【0041】
【発明の効果】
固体電解質として用いた導電性高分子組成物中にドーパントとして、少なくとも脂肪族多環状化合物のアニオンを含み、その含量が導電性高分子の全繰り返し構造単位に対して0.1〜50モル%の範囲で含有させることにより、低インピーダンスな固体電解コンデンサを提供することができる。
さらに本発明は、導電性高分子として、特定構造の前記一般式(II)で表される構造単位を含む組成物において、特に顕著に低インピーダンスなコンデンサを提供するだけでなく、リフロー試験や耐湿試験においても優れた耐久性能を有する効果を見いだした。

Claims (4)

  1. 導電性高分子組成物層を設けた固体電解コンデンサにおいて、弁作用金属陽極箔表面の誘電体酸化皮膜上に形成した前記組成物からなる固体電解質中に少なくともd−カンファースルホン酸のアニオン又は2−カンファースルホン酸のアニオンをドーパントとして含み、導電性高分子組成物に3,4−ジオキシエチレン−チオフェンの重合体を含み、さらに硫酸イオンを含むことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. d−カンファースルホン酸のアニオン又は2−カンファースルホン酸のアニオンが、3,4−ジオキシエチレン−チオフェン重合体の全繰り返し構造単位に対して0.1〜50モル%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 固体電解コンデンサの製造方法において、弁作用金属陽極箔表面の誘電体酸化皮膜上に、3,4−ジオキシエチレン−チオフェンの単量体を酸化剤の作用により重合形成させる製造方法であって、重合反応がd−カンファースルホン酸のアニオン又は2−カンファースルホン酸のアニオンの存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性高分子組成物に硫酸イオンを含む固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記単量体の重合に用いられる酸化剤が、過硫酸塩であることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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